精神科病院の夜勤という時間|人員体制と、体を慣らしていく順番


この記事のポイント
- ✓何人で何人の患者さんを見るのか
- ✓夜に起きやすい不眠や不穏への備え
- ✓最初の夜勤から半年までの体の慣らし方
「精神科の夜勤って、少ない人数で大丈夫なんでしょうか」。
このご相談、本当に多いんです。
一般の病院で夜勤をしてきた方も、夜勤そのものが初めての方も、精神科病院の夜と聞くと、なんとなく身構えてしまいますよね。暗い病棟、少ない職員、眠れない患者さん。想像がどんどん膨らんでいきます。
大丈夫ですよ。
精神科病院の夜勤は、何が起きるか分からない時間ではありません。いちばん大切な仕事は、患者さんの「眠り」を守ることです。何人で、どんな順番で、何に気をつけて過ごすのか。それが見えてくると、不安はずっと小さくなります。
この記事では、精神科病院の夜勤の人員体制、夜に起きやすいことと備え方、夜勤手当と回数の目安、そして体を少しずつ慣らしていく順番を、ゆっくりお話しします。
精神科病院の夜勤は、どんな時間なのか
まず、精神科病院の夜がどんな時間なのかを、一般の病院と比べながら整理しておきます。
2交代と3交代
多くの精神科病院は2交代制です。夜勤は夕方の16時30分ごろに始まり、翌朝の9時ごろに終わります。途中に休憩と仮眠をはさみながら、16時間ほどの長い勤務になります。
一部の病院は3交代制です。準夜勤が16時ごろから翌0時ごろ、深夜勤が0時ごろから朝9時ごろまで。1回の勤務は8時間ほどと短くなりますが、夜中に出勤したり、夜中に帰宅したりする日が生まれます。
どちらが楽かは、人によって本当に分かれます。長い夜勤を1回で終えて、翌日をまるごと休みにしたい方は2交代を。1回の勤務を短くして、体への負担を小分けにしたい方は3交代を選ぶことが多いです。
一般の病院の夜と、何が違うのか
一般の急性期病院の夜勤は、点滴の交換、術後の方の観察、急変への対応など、処置の多い時間です。ナースコールもひっきりなしに鳴ります。
精神科病院の夜は、処置はぐっと少なくなります。その代わりに増えるのが、「眠れない」「不安で落ち着かない」「家に帰りたい」という、気持ちの訴えです。
精神科では、睡眠の乱れが症状の悪化の最初のサインになることがよくあります。だから夜勤者は、誰が何時に眠り、何時に目を覚まし、頓服の薬を使ったかどうかを丁寧に見て、朝の申し送りで日勤に手渡します。
つまり、精神科病院の夜勤は、「体の急変に備える時間」というより、「心の揺れを見守り、眠りを支える時間」なんです。
夜勤の中で、判断が求められる場面
とはいえ、夜は職員が少ないぶん、自分で判断する場面が日中より増えます。
眠れないと訴える方に、医師の指示で決められた頓服を使うのか、まず話を聞くのか。不穏な様子の方を、しばらく見守るのか、当直の医師に連絡するのか。
こうした判断に、最初から自信を持てる人はいません。だからこそ、夜勤の前に「どんなときに、誰に、どの順番で連絡するか」を確かめておくことが、何よりの安心につながります。
人員体制:何人で、何人の患者さんを見るのか
夜勤の不安の中心にあるのが、人数の問題ですよね。ここは、できるだけ具体的にお話しします。
1つの病棟を、2人から3人で
多くの精神科病院では、夜勤は看護職員と看護補助者を合わせて2人から3人で、1つの病棟を担当します。病棟の患者さんは、40人から60人ほどが一般的です。
入院基本料などの施設基準では、夜勤を原則として2人以上で組むことが求められています。1人きりで病棟を見る夜勤は、基本的にはありません。
また、入院基本料を算定する病棟では、夜勤を行う看護職員の月の平均夜勤時間を72時間以下に収めることが要件になっています。これは、一部の人に夜勤が偏りすぎないようにするための決まりです。病棟の種類によって適用される基準が異なるので、細かな条件は病院に確かめてください。
病棟の種類によって、夜の中身が変わる
同じ2人から3人でも、病棟の種類によって夜の忙しさはかなり違います。
| 病棟 | 夜に多いこと | 夜勤の人数の傾向 |
|---|---|---|
| 精神科急性期の病棟 | 救急の入院、不穏への対応、隔離や拘束の観察 | 手厚めに組まれることが多い |
| 一般的な精神病棟 | 不眠の訴え、頓服の対応、見回り | 2人から3人 |
| 精神療養病棟 | 排泄の介助、転倒の予防、見回り | 看護補助者を含めて2人から3人 |
| 認知症治療病棟 | 夕方以降の不穏、徘徊、転倒の予防 | 看護補助者の比重が大きい |
急性期の病棟で、夜間に救急の入院を受ける病院では、夜中に入院の対応が入ることもあります。一方で、療養の病棟や認知症治療の病棟では、おむつの交換や体の向きを変える介助、ベッドからの転落を防ぐ見守りが夜の仕事の多くを占めます。
看護補助者の役割
夜勤に入る看護補助者は、排泄の介助、見回りの補助、環境の整備などを担います。薬を配ったり、症状を判断したりするのは看護師の仕事です。
看護補助者として夜勤に入る方は、「気になる様子があったら、自分で判断せずにすぐ看護師に伝える」ことが、いちばん大切な役割になります。介護の現場で夜勤を経験してきた方は、その経験がそのまま活きます。介護職員の給与水準や年代ごとの推移をまとめた介護職員の年収・単価相場を見ておくと、精神科病院の看護補助者の夜勤手当を含めた条件を比べる材料になります。
夜間の応援体制
人数と同じくらい大切なのが、「何かあったときに誰を呼べるか」です。
・当直の医師は院内にいるか、呼び出しで来るのか ・隣の病棟から応援に来てもらう決まりはあるか ・看護部の夜間の管理当直(夜間の責任者)はいるか ・院内の緊急コールの手順は決まっているか
この4つが整っている病院では、2人の夜勤でも、実際には病院全体で夜を支えています。面接や見学のときに、ぜひ聞いてみてください。
2交代の夜勤を、時間の順に追ってみる
人数が分かったところで、実際の夜勤がどう流れるのかを、2交代の病棟の例で追ってみます。時間は病院によって前後しますが、流れの形はよく似ています。
16時30分ごろ:申し送りと、夕方の準備
夜勤は、日勤からの申し送りで始まります。ここで聞き逃したくないのは、日中に気持ちの揺れがあった方、面会のあとに落ち着かなくなった方、頓服を使った方の情報です。
夜勤の2人で、「今夜気をつけたい方」を最初に確かめ合っておくと、そのあとの判断がぶれにくくなります。
18時ごろ:夕食と、夕方の与薬
夕食の配膳と見守り、食後の薬の時間です。服薬を嫌がる方がいたら、無理に飲ませず、理由を聞いて記録し、必要なら当直の医師に相談します。
家族が帰っていく時間でもあります。「私も一緒に帰りたい」と寂しさが強くなる方には、少し長めに声をかけます。
21時ごろ:眠前の薬と、消灯
眠前の薬を配り、消灯します。ホールの明かりを落とし、テレビを消し、病棟全体を「眠る時間」に切り替えていきます。
この切り替えを丁寧にする病棟ほど、夜中の訴えが少なくなる傾向があります。
22時から深夜:見回りと、訴えへの対応
決められた間隔で病室を回り、呼吸の様子、眠っているかどうか、ベッドから落ちそうになっていないかを見ます。懐中電灯の光を直接顔に当てないように、足元を照らしながら静かに回ります。
眠れない方への対応が集中するのも、この時間です。
深夜から明け方:交代で仮眠を取る
2人の夜勤では、1人ずつ交代で休憩と仮眠を取ります。仮眠中の人を起こすのは、1人では対応しきれないと感じたときです。「起こしてしまって悪い」と遠慮しすぎないことが、安全を守るうえで大切です。
5時ごろから:起床と、朝の申し送り
早く目を覚ました方の対応、起床の介助、朝の検温、朝食の準備と続きます。そして、夜の間の眠りの様子を記録にまとめ、日勤へ申し送ります。
「何時に眠り、何時に起き、頓服を使ったか」。この一行一行が、日中の医師や看護師が治療を考えるための大切な材料になります。夜勤の仕事は、朝の申し送りで完成するんです。
精神科の夜に起きやすいことと、その備え方
ここからは、精神科病院の夜に起きやすいことを、1つずつ見ていきます。先に知っておくと、実際にその場面が来たときに、少し落ち着いて向き合えます。
眠れないという訴え
いちばん多いのが、これです。
消灯は21時ごろ。22時から0時ごろにかけて、「眠れない」「薬をください」という訴えが集中します。
すぐに頓服を渡す前に、少しだけ話を聞いてみる。それだけで落ち着いて眠れる方もいます。一方で、話を聞いても不安が強くなるばかりの方には、指示に沿って頓服を使います。どちらを選んだか、その後どうなったかを記録に残すことが大切です。
夕方から夜にかけての不穏
認知症の方を中心に、夕方になると落ち着かなくなる方がいます。「家に帰らなければ」「子どもが待っている」と、出口を探して歩き回ることもあります。
否定せずに話を合わせる、温かい飲み物を用意する、明るい場所でしばらく一緒に過ごす。こうした関わりで、ふっと落ち着くことがあります。
症状の強い方の興奮が高まったときは、1人で対応しないこと。距離を取り、もう1人の夜勤者や応援を呼びます。暴力を防ぐための研修(CVPPPなど)で学ぶ内容は、まさにこの場面で役に立ちます。
隔離や身体的拘束を受けている方の観察
行動制限を受けている方は、決められた間隔で観察し、その様子を記録します。水分や食事、排泄、皮膚の状態、呼吸の様子。夜は特に、体の変化に注意が必要です。
身体的拘束を受けている方では、長く同じ姿勢でいることによる血栓のリスクにも気を配ります。観察の間隔や記録の書き方は病院ごとに決まっているので、最初の夜勤の前に必ず確かめておきましょう。
転倒と、離院
夜中にトイレへ向かう途中の転倒は、高齢の方が多い病棟でとても多い事故です。睡眠薬の影響でふらつくこともあります。センサーマットの反応に気づいたら、すぐに駆けつけます。
開放病棟では、夜間に病棟から出ていってしまう「離院」にも注意が必要です。見回りで姿が見えない方がいたら、決められた手順ですぐに報告します。
自分を傷つけるおそれのある方の見守り
気持ちが沈んでいる方、自分を傷つけるおそれがある方は、夜間に危険が高まることがあります。見回りの間隔を短くする、危険につながる物がないか確認する、様子の変化をすぐ共有する。
どれも、1人で抱える仕事ではありません。「いつもと何か違う」と感じたら、迷わずもう1人の夜勤者や当直に伝えてください。その小さな一言が、いちばんの予防になります。
夜勤手当と回数:年収にどう響くのか
夜勤を考えるとき、お金の話も大切ですよね。遠慮せずに見ていきましょう。
夜勤手当の目安
精神科病院の夜勤手当は、病院によって幅がありますが、2交代の夜勤で1回あたり1万円前後の病院が多く見られます。3交代では、準夜勤と深夜勤それぞれに4,000円から6,000円ほどの手当がつくのが一般的です。
回数の目安は、2交代で月に4回から5回、3交代で準夜と深夜を合わせて月に8回前後です。
夜勤があるかないかで、年収はどれくらい変わるか
看護師向けの転職情報サイトでは、夜勤のない働き方を選んだ場合について、次のように書かれています。
日勤常勤など夜勤のない働き方を希望する場合は、夜勤手当がつかない分、上記の年収相場よりも50万円ほど低くなると見ておくのが妥当でしょう。 出典: kango-roo.com
月に4回、1回1万円の夜勤手当なら、それだけで年間およそ48万円になります。精神科病院は残業が少なめな職場が多いので、夜勤手当が年収の中で占める割合は、一般の病院より大きくなりがちです。
看護師の年収の全国的な目安は、職業別の賃金統計をもとに年代ごとの年収や時給をまとめた看護師の年収・単価相場で確かめられます。提示された条件が相場のどのあたりにあるのかを知っておくと、夜勤の回数を決めるときに落ち着いて考えられます。
夜勤手当と、深夜の割増賃金は別のもの
もう1つ知っておきたいのが、夜勤手当と深夜の割増賃金の違いです。
労働基準法では、22時から翌朝5時までの勤務に対して、通常の賃金の25%以上を上乗せして支払うことが定められています。病院によっては、この割増分を夜勤手当に含めて支払っている場合と、夜勤手当とは別に支払っている場合があります。
求人票の夜勤手当の金額だけを比べると、実際に受け取る金額との差に後から気づくことがあります。「夜勤手当に深夜の割増分は含まれていますか」と、面接や内定後の労働条件の説明で確かめておくと安心です。
夜勤専従という働き方
夜勤だけを担当する「夜勤専従」の募集を出している精神科病院もあります。1回あたりの手当が高めに設定され、日中の時間を自由に使えるのが特徴です。
ただ、夜だけの生活は、体内時計への負担が大きくなります。家族との時間がすれ違いやすくなることもあります。お金だけで決めず、自分の体と生活のリズムに合うかを、よく考えてから選んでくださいね。
体を夜勤に慣らしていく順番
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
夜勤がつらくなる原因の多くは、仕事の中身より、体のリズムの乱れにあります。そして、体のリズムは、順番を守れば少しずつ整えていけます。
日本看護協会は、夜勤や交代制勤務の負担を減らすためのガイドラインを作っています。
本会は、現場の実態と労働科学の知見を踏まえ、夜勤・交代制勤務の負担を軽減に役立つ、「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」を作成しました。 出典: nurse.or.jp
このガイドラインでは、勤務と勤務の間を11時間以上あけること、1回の勤務の拘束時間を13時間以内にすること、夜勤の途中に仮眠の時間を確保すること、などの基準が示されています。自分の職場のシフトがこうした基準からどれくらい離れているかを知っておくと、体を守る手がかりになります。
入職前:いまの睡眠を知っておく
夜勤を始める前に、いまの自分の眠り方を1週間ほど書き留めておきましょう。何時に寝て、何時に起きて、途中で目が覚めたか。
これが、夜勤を始めてからの「いつもの自分」との比べる基準になります。
最初の夜勤:人数に数えられない練習の夜
多くの病院では、最初の数回の夜勤は、経験のある職員と組み、人数に数えない形で入ります。
この時期は、仕事を覚えることより、「夜の病棟の空気を知る」ことを目標にしてください。夜勤の前日は、いつもどおり眠ります。当日の昼に1時間から2時間ほど仮眠を取っておくと、夜の後半が楽になります。
1か月目から3か月目:明けの日の過ごし方を探す
いちばん大切なのが、夜勤明けの日の過ごし方です。
私がカウンセリングでよくお伝えしているのは、次のような流れです。
・帰り道はサングラスをかけて、朝の光を浴びすぎないようにする ・帰宅したら軽く食べて、昼まで3時間ほど眠る ・午後は起きて、夕方に外の光を浴びる ・夜はいつもの時間に布団に入る
明けの日にまとめて夕方まで眠ってしまうと、その夜に眠れなくなり、次の日まで疲れを引きずってしまいます。「明けの日の昼寝は短く、夜はいつもどおり」。これが基本の考え方です。
もちろん、体に合う戻し方は人によって違います。数か月かけて、自分に合うやり方を探していけば大丈夫です。
3か月目から半年:夜勤中の仮眠と食事を整える
夜勤に少し慣れてきたら、夜勤中の過ごし方を整えていきます。
仮眠は、取れるときにしっかり取ること。休憩室が暗く静かに保たれているか、仮眠の時間が交代で確保されているかは、体への負担を大きく左右します。
食事は、夜中にたくさん食べると胃がもたれ、明けの睡眠の質が下がります。夜勤に入る前にしっかり食べ、夜中は軽いものにする。カフェインは、明けの睡眠に響かないよう、夜中の3時ごろまでにしておくと安心です。
休みの日:リズムを大きく動かしすぎない
夜勤に慣れてきたころに気をつけたいのが、休みの日の過ごし方です。
休みの日に夜更かしをして昼まで眠ると、体内時計はまた後ろにずれてしまいます。夜勤、明け、休み、日勤と続くシフトの中で、毎回ずれを戻すのは体にとって大変な仕事です。
休みの日も、起きる時間はいつもより1時間から2時間遅いくらいまでにとどめる。朝のうちにカーテンを開けて光を浴びる。日中に少し体を動かす。こうした小さな習慣が、夜勤のある生活の土台になります。
眠るための工夫として、寝室を暗くする遮光カーテンや耳栓、アイマスクを用意している方も多いです。明けの日の昼に眠るときは特に、光と音をさえぎるだけで眠りの深さが変わります。
半年を過ぎたら:自分のペースを知る
半年ほど経つと、自分に合う夜勤の回数や、明けの過ごし方が見えてきます。
「月に4回までなら元気でいられるけれど、5回を超えると疲れが抜けない」。そんな自分のペースが分かったら、遠慮せずに師長さんに相談してみてください。自分の体を知って、それを伝えることは、わがままではありません。長く働き続けるための、大切な工夫です。
夜勤が合わないと感じたときに
どれだけ工夫しても、夜勤が合わない方もいます。それは、あなたが弱いからではありません。
心と体のサインに気づく
次のようなサインが続いていたら、少し立ち止まってください。
・休みの日も眠れない、または眠りすぎてしまう ・夜勤の前日から、気持ちが重くて落ち着かない ・食欲がない日が続いている ・以前は楽しめていたことが、楽しめなくなった
こういう相談がよくあります。「夜勤が怖くて、出勤の前に涙が出る。でも、みんなやっているから言えない」と。
あなたは一人じゃありません。同じ気持ちを抱えながら、言えずにいる人はたくさんいます。まずは、信頼できる先輩や師長さん、職場の産業医に話してみてください。
働き方を変えるという選択
精神科の中にも、夜勤のない働き方はあります。日勤のみの常勤、外来、デイケア、訪問看護。夜勤の回数を減らして常勤を続けられる病院もあります。
どう動けばよいか迷ったときは、仕事の相談の専門家に話を聞いてもらうのも1つの方法です。働く人の職業選択や能力開発の相談にのる仕事の中身は職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介されていて、どんな相談相手に何を話せるのかが分かります。
子育てや家族の生活と、夜勤をどう両立するか
夜勤のご相談で、体のことと同じくらい多いのが、家族の生活との両立です。
「子どもがまだ小さいのに、夜にいなくて大丈夫だろうか」。「親の介護があって、夜に家を空けるのが心配」。そんな気持ちを抱えながら、夜勤を続けている方はたくさんいます。
24時間の託児所がある病院
精神科病院の中には、夜勤の日も子どもを預けられる24時間の託児所を院内に持っているところがあります。求人票に「24時間託児所完備」「夜間保育あり」と書かれていたら、それは子育て中の職員が夜勤に入ることを前提に、仕組みを作っているという意味です。
見学のときには、実際に何人くらいの子どもが夜に預けられているのか、急な発熱のときにどうするのか、利用料はいくらかも聞いておくと安心です。
夜勤の回数を減らして常勤を続ける
子どもが小さいうちは夜勤を月に1回から2回に減らす、あるいは夜勤を外してもらう、という働き方を認めている病院もあります。育児・介護休業法では、小学校に入る前の子どもを育てている人などが請求した場合、一定の条件のもとで深夜の勤務を免除する仕組みが定められています。
制度があっても、「言い出しにくい」と感じる方は多いものです。応募の段階で、「子育て中の方は、夜勤の回数をどう調整していますか」と聞いておくと、入職後に相談しやすくなります。
家族と、夜勤のリズムを共有する
家族と一緒に暮らしている方は、シフト表を冷蔵庫に貼るなど、夜勤の日と明けの日を家族に見える形にしておくのがおすすめです。
明けの日の午前中は眠る時間だと家族が知っているだけで、生活音や用事の頼み方が自然と変わります。「明けの日は寝かせてね」と、言葉にして伝えておくことも大切です。
1人で頑張りすぎなくていいんです。家族も職場も巻き込んで、夜勤のある生活を一緒に作っていく。そう考えると、少し気持ちが軽くなりませんか。
求人票と面接で、夜勤の条件を確かめる
最後に、応募の前に確かめておきたい夜勤の条件を、表にまとめておきます。
| 確かめること | なぜ大切か |
|---|---|
| 2交代か3交代か | 夜勤の長さと、生活のリズムが決まる |
| 1つの病棟の夜勤の人数 | 夜の負担の大きさが決まる |
| 夜勤の月の回数の目安 | 体への負担と年収の両方に響く |
| 夜勤手当の金額 | 年収のうち夜勤が占める割合が分かる |
| 仮眠と休憩の取り方 | 夜勤中にどれだけ休めるかが分かる |
| 夜勤に入り始める時期 | 慣らしの期間が十分かが分かる |
| 当直医と応援の体制 | いざというときの安心の土台になる |
面接で「夜勤の人数は何人ですか」「仮眠は取れていますか」と聞くのは、まったく失礼なことではありません。むしろ、長く働く気持ちがあるからこそ出てくる質問です。
答えが具体的に返ってくる病院は、夜勤をきちんと仕組みで支えている病院だと考えてよいでしょう。
運営者の視点:夜の時間の使い方を、自分で選ぶということ
最後に、フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から、少しお話しさせてください。
20年この市場を見てきた立場から言えば、夜勤のある仕事を長く続けている人ほど、「自分の時間をどう使うか」を意識して選んでいます。夜勤明けの翌日の休みを、ただ体を休めるだけでなく、学びや家族との時間、少しの副業に使う人もいます。
看護師の臨床経験を在宅でどう活かせるかは、型ごとに整理した看護師におすすめの在宅ワーク5選の記事にまとまっていて、健康相談や記事の監修など、生活のリズムを崩さずに取り組める仕事の例が紹介されています。
運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、単発の作業をこなすことより、「この人に任せると安心」と思ってもらえる関係を少しずつ育てています。仲介の中間マージンが乗らない直接のやり取りなら、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手元に残る金額が厚くなります。手数料0%の直接取引の良さは、金額の大きさより、築いた信頼がそのまま自分に返ってくるところにあります。
精神科病院の夜勤は、眠りを守り、心の揺れを見守る、静かで大切な時間です。人員体制を知り、体を順番に慣らしていけば、きっと自分のペースが見つかります。焦らなくて大丈夫ですよ。
よくある質問
Q. 精神科病院の夜勤は何人で病棟を見ますか?
多くの病院では、看護職員と看護補助者を合わせて2人から3人で、40人から60人ほどの病棟を担当します。施設基準で夜勤は原則2人以上とされており、1人きりの夜勤は基本的にありません。急性期の病棟では手厚めに組まれることが多いので、応募前に配属予定の病棟の夜勤人数を確認しておくと安心です。
Q. 精神科病院の夜勤は一般の病院と比べてきついですか?
点滴や急変対応などの処置は一般の急性期病院より少ない一方で、眠れない、不安で落ち着かないといった気持ちの訴えへの対応が増えます。体の忙しさより、少ない人数で判断する緊張感が負担になりやすいです。当直医への連絡手順や応援体制が決まっている病院を選ぶと、負担はかなり軽くなります。
Q. 精神科病院の夜勤手当はどれくらいですか?
病院によって幅がありますが、2交代の夜勤で1回あたり1万円前後の病院が多く、3交代では準夜勤と深夜勤それぞれに4,000円から6,000円ほどが一般的です。2交代で月4回なら年間およそ48万円になり、残業の少ない精神科病院では年収に占める夜勤手当の割合が大きくなります。
Q. 夜勤に体を慣らすにはどうすればよいですか?
夜勤明けの日の過ごし方がいちばん大切です。帰宅後に3時間ほど眠って午後は起き、夕方に外の光を浴びて、夜はいつもの時間に布団に入ると体内時計が整いやすくなります。夜勤中は仮眠を確保し、夜中の食事は軽めにします。自分に合うやり方が見つかるまで、数か月かかるのは普通のことです。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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