副業診断が怪しいと感じたとき|見分ける手順と断り方


この記事のポイント
- ✓副業診断が怪しいと感じたときに確かめる順番を
- ✓特定商取引法の条文と公的な相談窓口の記載から整理しました
- ✓支払ってしまったあとの手順まで具体的に解説します
結論から書きます。副業診断が怪しいかどうかは、診断の中身では判定できません。判定できるのは、診断を終えた直後に何を求められるかです。無料の質問に答えただけで終わるなら、ただの集客用のページです。問題は、その先で「あなたに向いている仕事が見つかりました」と言われ、通話や個別のやり取りに進み、最終的にマニュアル代や登録料の支払いを求められる流れに入ったときです。この形は法律で名前が付いていて、契約書面の交付義務と、書面を受け取った日から20日間の解除権が用意されています。つまり、感覚で「怪しい」と怖がるのではなく、条文が用意した確認手順を上から順に当てていけば、続けてよい話かどうかは自分で判定できます。この記事では、その手順と、断るときの文面、すでに支払ってしまったあとに取れる手を並べます。
副業診断が怪しいと言われるのは、診断ではなく後ろの取引が原因
副業診断という言葉で検索した人が不安を感じている場所は、だいたい共通しています。診断そのものではなく、診断を入口にして個別のやり取りへ引き込まれ、そこで金銭の話が出てくる流れです。
無料の適性診断は、人材サービスでも自治体の就労支援でも当たり前に使われています。質問に答えると向いている職種の系統が出る仕組み自体は、珍しいものでも危ないものでもありません。危なくなるのは、次の3つが重なったときです。ひとつ目は、診断結果の受け取りが特定の連絡手段に限定されること。ふたつ目は、結果を見るために通話や面談が必須になること。みっつ目は、その通話の中で初めて費用の話が出てくることです。
3つが揃った時点で、それは診断ではなく勧誘の導線です。診断は、相手の情報を集めて「話を聞く気のある人」を選び出すための入口として機能しています。適性を測る道具ではなく、連絡先を得る道具として作られている、と考えるほうが実態に合います。
見落とされやすい点を挙げます。診断の質問が丁寧で、結果のページがきれいに作られていることは、安全の証拠になりません。ページの作りは外注で整えられますし、質問の設計もテンプレートが流通しています。逆に、ページが素朴でも、運営会社の名前と所在地と電話番号が明記され、費用が最初から書かれているなら、少なくとも隠していることは少ないと判断できます。判断材料を、見た目から書面の有無に移す。これが最初にやるべき切り替えです。
もうひとつ。副業診断を検索する人の多くは、すでに一度やり取りを始めたあとで調べています。編集部に届く相談も、登録して通話まで進んでから不安になった、という段階のものが目立ちます。この段階で大事なのは、慌てて相手に感情的な連絡を入れないことです。あとで書く断り方のとおり、事実だけを短く伝えれば足ります。途中まで進んでしまったこと自体が不利になるわけではありません。
「副業診断」から始まる勧誘は、法律上どの取引に当たるのか
仕事を紹介するという話で誘い、その仕事に必要だとして商品やマニュアルや登録料の負担をさせる取引には、特定商取引法で名前が付いています。業務提供誘引販売取引です。名前は堅いのですが、中身は単純で、条文はこう定義しています。
物品の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、その販売の目的物たる物品又はその提供される役務を利用する業務に従事することにより得られる利益を収受し得ることをもつて相手方を誘引し、その者と特定負担を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又はその役務の提供若しくはそのあつせんに係る取引をするものをいう。 出典: laws.e-gov.go.jp
言い換えます。「この教材を買えば、その教材を使う仕事を回すので収入になります」「この講座を受ければ、うちの案件に参加できます」という誘い方で、購入や支払いをさせる取引です。昔から内職商法やモニター商法と呼ばれてきた形と同じ枠に入ります。条文は、支払わせる金額の名目を問いません。取引料、登録料、保証金、その他どんな名義であっても、取引をするときに提供される金品はすべて特定負担として扱われます。「マニュアル代」「サポート費」「システム利用料」と呼び名が変わっても、枠から外れません。
この枠に入ると、事業者側に義務が生まれます。契約を結ぶ前に、事業の概要を書いた書面を渡すこと。契約を結んだあとは、遅滞なく、商品や役務の内容、提供される業務の条件、特定負担の内容、契約の解除に関する事項を書いた書面を渡すことです。広告についても、費用の負担と業務の提供条件を表示する義務があり、収入について著しく事実と違う表示や、実際より著しく有利だと誤認させる表示は禁止されています。
ここで判定の軸がひとつ決まります。「仕事を紹介する」と言いながら費用を求めるのに、書面が1枚も出てこないなら、その事業者は法律が課した義務を果たしていません。義務を守らない相手と、この先の口約束だけで取引を続ける理由はありません。書面がないこと自体が、判定材料になります。
なお、事業所を持たずに個人として業務を行う人が相手のときに、これらの義務が働きます。すでに店舗や事務所を構えて事業をしている人同士の取引は別の枠組みになります。自分がどちらに当たるか迷うなら、次に書く相談窓口で確かめるのが確実です。
怪しい副業診断を見分ける手順を、上から順に当てる
感覚ではなく順番で判定します。上から当てていって、途中で引っかかったらそこで止めて構いません。
手順1. 運営会社が実在するかを公的な台帳で照らす
サイトに書かれている会社名を、国税庁の法人番号公表サイトで検索します。法人番号が公表されている会社なら、商号、本店所在地、変更履歴が出てきます。名前が出てこない、所在地がサイトの記載と食い違う、設立からごく浅い時期に商号が何度も変わっている、といった状態は、そのまま危険という意味ではありませんが、確認の手を増やすべき理由になります。
会社名自体が書かれていないサイトは、この時点で先へ進めません。個人名だけ、あるいは屋号だけで費用を請求する形は、後で連絡が取れなくなったときに追う手段が残りません。
手順2. 特定商取引法に基づく表記を、隅から隅まで読む
事業者の名称、代表者名、住所、電話番号、費用の総額、支払い方法と時期、解除の条件が書かれているかを見ます。住所がバーチャルオフィスの一室、電話番号が携帯番号だけ、費用の欄に「個別にご案内します」とだけ書いてある形は、費用を隠していることになります。
費用の総額が事前に書かれていないサービスは、通話の中で金額が動きます。19,000円と言われた金額が、話の途中で上位のコースに切り替わり、数十万円になる展開は、相談として繰り返し出てくる型です。
手順3. 書面が契約より先に出てくるかを確かめる
前の節で書いたとおり、契約前の概要書面と、契約後の契約書面は事業者の義務です。「書面はありません、すべてチャット内でご案内します」と言われたら、そこが分かれ目です。2種類の書面を求めて、出てこないなら進まない。これだけで大半の判定が終わります。
手順4. 収入の根拠を、作業の中身から説明できるか聞く
その仕事で収入が発生する仕組みを、誰がどこから支払うのかまで説明してもらいます。「専用のシステムが自動で収益を生む」「アプリが勝手に取引する」といった答えは、作業の中身になっていません。逆に「文字起こしを1件いくらで、発注元はこういう会社」と具体名と単価が出るなら、確かめる先が生まれます。
手順5. 連絡手段が1本に絞られていないかを見る
やり取りがメッセージアプリだけで完結し、会社のメールアドレスからの連絡が1通も来ない形は、記録が相手側の都合で消える可能性があります。通話も、録音できない手段に寄せられているなら、後から言った言わないの争いになります。費用の話をするときは、必ずメールでの確認を求めます。
手順6. 支払い方法の指示が不自然でないかを見る
後払いを勧める、借入を勧める、コンビニ払いや個人名義の口座振込を指定する、といった指示が出たら止まります。クレジットカード決済には、あとで争うときに販売会社を通せる余地が残りますが、個人名義の口座への振込はその余地が薄くなります。「今日中に振り込めば割引」という時間の圧も、判断を急がせるための手です。
手順7. 口コミを、出どころで分けて読む
これは次の節で詳しく書きますが、検索して出てくる評価記事の多くは、紹介料を受け取って書かれています。評価の高さではなく、誰がどういう立場で書いたかを見ます。
診断から支払いまでの台本は、だいたい5段階で進む
相談として届く話を時系列に並べると、進み方がよく似ています。段階を先に知っておくと、自分がいまどこにいるかが分かり、止める場所を選べます。
段階1. 無料の診断や適性チェックで連絡先を渡す
質問は10問前後で、答えるのに数分しかかかりません。最後に、結果を受け取るための連絡先の入力を求められます。ここで渡すのは氏名と連絡手段だけなので、負担が軽く、警戒も働きません。入口が軽いことは設計の一部です。
段階2. 個別のやり取りに移り、担当者が付く
結果とともに、担当者を名乗るアカウントから連絡が来ます。この段階で交わされるのは、現在の収入、家族構成、使える時間、貯金の有無といった質問です。仕事の適性ではなく、支払い能力に関わる情報が集められていることに気付けるかが分かれ目になります。仕事の内容を先に聞き返すと、はぐらかされることが多い場面です。
段階3. 通話で「向いている仕事が見つかった」と伝えられる
30分から1時間の通話が入ります。話の大半は、仕事の手順ではなく、将来の見通しと不安の確認に使われます。ここで初めて費用が示されます。金額はまず低めに提示され、その場で決めるほど有利な条件になる、という形が繰り返し報告されています。
段階4. 支払いの手段を指定される
後払い、分割、あるいは借入を含む案内が出ます。支払いを先に済ませないと仕事の内容を教えられないという説明が付くのが特徴です。仕事の内容が分からないまま費用を払う形は、通常の業務委託では起こりません。発注側が作業の内容を説明できないなら、そもそも発注が成立していないからです。
段階5. 内容を知って辞退しようとすると、費用だけが残る
ここで初めて「マニュアルを渡した分の代金は発生する」「途中解約には違約金がかかる」と言われます。前の節で書いたとおり、仕事の提供を持ちかけて費用を負担させる取引では、解除に伴う違約金や損害賠償の請求はできないと条文に書かれています。相手の主張が条文と食い違うなら、争う余地があります。
段階3の通話が終わるまでに費用が1円も出てこない相手なら、少なくともこの台本には乗っていません。判定の目安として使えます。
口コミの読み方は、内容より「誰が書いたか」で決まる
「怪しい」と検索したときに出てくるページには、系統があります。ひとつは実際に支払った人の投稿で、質問サイトや掲示板に残るもの。もうひとつは、比較記事の形をとりながら、別の有料サービスへの登録を誘導するものです。後者は、批判している対象と誘導先が入れ替わっただけで、構造はよく似ています。
判定の目印は3つです。ひとつ目は、記事の中に「この副業は詐欺、代わりにこちらがおすすめ」という並びがあるか。この形は、批判を集客に使っています。ふたつ目は、金額と期間の書き方。実際に支払った人の投稿は金額が具体的で日付があり、宣伝目的の記事は「多くの人が成果」のように曖昧です。みっつ目は、事業者との関係が明記されているかです。
2023年10月1日から、広告であることを隠した表示は景品表示法の違反として扱われています。事業者が自分の広告なのに第三者の感想に見せる表示は、規制の対象です。記事の中に関係性の記載がなく、それでも特定のサービスへ強く誘導している場合、読み手の側でその記事を根拠に使うのは避けたほうが無難です。規制の考え方は消費者庁のステルスマーケティングに関する解説に整理されています。
質問サイトの投稿は、宣伝が混ざりにくい代わりに、事実関係が投稿者の記憶に依存します。それでも役に立つのは、同じサービス名について、同じ金額と同じ手順が複数の人から報告されているかを見られる点です。19,000円のマニュアル代、通話30分、2回目で仕事内容を教える、という流れが何人からも出てくるなら、それは個別の行き違いではなく、決まった台本があるということです。
もうひとつの読み方として、求人レビューの調査結果を見る手があります。求人を選ぶときにレビューが決め手になった経験を持つ人は、若い層で6割を超えるという調査もあります。つまり多くの人が口コミを見て決めている。だからこそ口コミの側に宣伝が流れ込んでいる、という順番で理解しておくと、読み間違いが減ります。
断り方は、感情を混ぜず、事実だけを短く書く
断るときに困るのは、相手が「もう仕事の準備を始めている」「途中で辞退すると違約金が発生する」と言ってくる場合です。ここで覚えておくことがあります。契約の解除に伴う損害賠償や違約金の支払いを請求できないと、条文に書かれています。相手が違約金を持ち出したときは、その主張自体が条文と食い違っています。
断りの連絡は、次の3点だけを書きます。ひとつ、契約を締結する意思がないこと。ふたつ、支払いをしないこと。みっつ、今後の連絡を控えてほしいこと。理由を長く書く必要はありません。理由を書くと、その理由を潰す形で説得が戻ってきます。
文面の例です。
◯◯様
先日ご案内いただいた件について、契約は見送らせていただきます。
費用のお支払いも行いません。
今後のご連絡は不要です。
△△(氏名)
送る手段は、記録が残るものを選びます。メッセージアプリで受けていた場合も、同じ文面をメールでも送り、送信日時が分かる形にします。相手が電話をかけてきた場合は、「メールで送った内容のとおりです」と繰り返すだけで足ります。新しい条件を口頭で示されても、その場で返事をしません。
すでに書面を受け取って契約してしまった場合は、断りではなく解除の通知になります。書面を受け取った日から起算して20日を過ぎていなければ、書面または電磁的記録による通知で解除できます。条文はこう定めています。
第五十五条第二項の書面を受領した日から起算して二十日を経過したときを除き、書面又は電磁的記録によりその業務提供誘引販売契約の解除を行うことができる。 この場合において、その業務提供誘引販売業を行う者は、その業務提供誘引販売契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。 出典: e-Gov法令検索
解除の効力は、通知を発した時に生じます。相手が受け取ったかどうかではなく、出した時点です。だからこそ、出した記録が残る方法で送ることに意味があります。なお、解除の条件について事実と違うことを告げられたり、威迫されて困惑し、その結果20日を過ぎてしまった場合は、あらためて解除できる旨を記した書面を受け取った日から数え直します。期間を過ぎたからもう無理だと決める前に、経緯を窓口に話してください。
支払ってしまったあとに取れる手を、順番に並べる
支払いが済んでいても、打つ手はあります。順番を決めておけば、混乱した状態でも動けます。
最初にやるのは、記録を集めることです。やり取りの画面、振込の控え、通話の日時、示された金額、渡された資料。これを時系列に並べたメモを1枚作ります。窓口に相談するとき、この1枚があるかどうかで話の進み方が変わります。画面は消される可能性があるので、スクリーンショットとして保存しておきます。
次に、公的な相談窓口に連絡します。消費者ホットラインは188です。郵便番号を入力すると、住んでいる地域の消費生活センターなどの窓口に案内されます。相談そのものは無料で、通話料だけが自己負担です。回線が混んでいてつながらないときは、国民生活センターのバックアップ相談(03-3446-0999、平日の10時から16時)も利用できます。窓口の案内は消費者庁の消費者ホットラインのページにあります。
脅されている、家族に連絡すると言われている、といった段階なら、警察相談専用電話の#9110も使えます。発信地を管轄する都道府県警察の総合窓口に直接つながる短縮ダイヤルで、土日祝日と夜間は当直や音声案内で対応しています。詳しい一覧は警察庁の総合相談窓口の案内にあります。刑事事件として扱われるかは個々の事情で変わるため、窓口で経緯を話して判断を仰ぐのが順番です。
支払い方法によって、止められる手が変わります。クレジットカードなら、カード会社に経緯を伝えて相談します。銀行振込なら、振込先の金融機関に事情を伝えます。いずれも、返金が確実に受けられるという意味ではありません。金額や事情によって扱いが変わるので、消費生活センターと並行して当たるのが現実的です。
最後に、精神的な負担のことも書きます。相談窓口に行くまでの間、いちばん消耗するのは「自分の判断が甘かった」と責める時間です。相手の台本は、判断力が落ちる条件を意図して作られています。責める時間を短く切って、記録を集める作業に移してください。
診断で入力した情報は、そのあとどう扱われるのか
診断に答えるときに渡すのは、氏名、連絡先、年齢、収入の目安、使える時間といった情報です。ここで気になるのは、その情報がどこまで広がるのかです。
個人情報保護法は、本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならないと定めています。法令に基づく場合など、限られた例外はありますが、原則は同意が必要です。つまり、診断のページに「取得した情報を提携先に提供します」という記載があり、それに同意して送信した場合は、提供そのものは違法とは言えません。逆に、そうした記載が一切ないのに別の会社から連絡が来るなら、扱いを問える余地があります。
確かめる場所は、診断ページのプライバシーポリシーです。見るのは3か所です。取得する情報の範囲、利用する目的、第三者に提供するかどうかです。3つのうちどれかが書かれていないポリシーは、内容として不十分です。提供先が「提携する企業」とだけ書かれ、業種も範囲も示されていない場合も、どこまで広がるのかを読み取れません。
すでに入力してしまった場合は、利用の停止や削除を求めることができます。求める先は、その情報を取得した事業者です。連絡先が分からない、応じてもらえない、という状態になったら、個人情報保護委員会が相談を受け付けています。制度の説明は個人情報保護委員会のサイトにまとまっています。
実務的な守り方としては、診断の入力欄に本名や勤務先を書かずに済むなら書かない、というだけでも効きます。連絡手段は、日常的に使っている電話番号ではなく、メールから始めておくと、あとから断ちやすくなります。
家族や職場に相談しにくいときの進め方
相談窓口の存在を知っていても、動けない理由があります。家族に知られたくない、職場に副業を調べていたことを知られたくない、という事情です。ここを放置すると、相手に「誰にも言えない状況」を握られ、そのまま支払いが続きます。
まず、消費生活センターへの相談は、家族や勤務先に通知されるものではありません。相談内容は窓口が扱い、本人の同意なく外部に伝わる仕組みにはなっていません。名前を出さずに事情だけを話して、進め方の助言を受けることもできます。相談を家族への告白と同じものとして考えると、動き出せなくなります。別の作業として切り分けてください。
職場の副業規程が気になる場合も、順番が同じです。すでに費用を請求されている状況の整理と、就業規則上の扱いの確認は別の作業です。先に費用の話を止めてから、規程の確認に移ります。副業の可否を調べる段階でつまずいて、金銭の被害が広がるほうが損失が大きいためです。
未成年の場合は扱いが変わります。年齢や契約の内容によって取り消せる範囲が違うため、必ず保護者と一緒に窓口へ相談してください。学生向けの勧誘では、学内の相談窓口を持っている学校もあります。
そして、相手からの連絡が続く場合の対処です。連絡手段をすべて断つ前に、やり取りの記録を保存します。保存が終わったあとで、ブロックや着信拒否に移ります。順番を逆にすると、証拠が手元に残らなくなります。記録の保存先は、端末の中だけでなく、別の場所にも控えを作っておくと安心です。
費用を求められない募集の探し方と、応募時に見る欄
費用を払わずに始められる仕事だけを見ていく方法を書きます。判定は募集の記載でできます。
見るのは4つの欄です。ひとつ目は報酬の形です。時間単価か、成果1件あたりの単価か、月額の固定かが書かれているかを確かめます。書かれていない募集は、条件を後から動かす余地があります。ふたつ目は業務の内容です。何をどれだけ納めるのかが動詞で書かれているか。「データ入力1件につき項目20件程度」のように、量が読める書き方が望ましい形です。
みっつ目は費用の記載です。登録料、教材費、システム利用料の名目で費用が発生すると書かれていないかを確認します。書かれている場合は、その費用が何に対する対価なのか、そして返金の条件があるのかまで読みます。よっつ目は契約の形です。雇用なのか業務委託なのかで、労働時間や最低賃金の扱いが変わります。業務委託なら、報酬の支払期日と検収の条件が書かれているかを見ます。
応募のときに送る文面も、身を守る材料になります。希望する作業量、対応できる曜日と時間帯、使える道具を先に書いておくと、条件の食い違いが早い段階で分かります。逆に、こちらの条件に触れずに「何でもやります」と書くと、相手の条件だけで話が進みます。4つの欄を確かめてから応募する、という手順を固定してしまえば、判断に迷う時間が減ります。
診断に頼らずに、向き先を自分で決める手順
副業診断を探した動機には、「何が向いているか分からない」という土台の悩みがあります。ここを、無料の診断ではなく、公開されている相場と仕事の中身で埋めていく手があります。
最初に見るのは、職種ごとの単価と年収の相場です。文章を扱う仕事なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、賃金の分布や働き方の傾向がまとまっています。開発の系統に興味があるならソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、経験年数ごとの幅が把握できます。相場を先に知ると、「この副業なら月額30万円」という話がどのくらい現実から離れているかが、自分で判断できるようになります。
次に、仕事の中身を読みます。セキュリティや広告運用の系統ならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、実際の業務がどんな作業の積み上げでできているかが書かれています。業務の改善を支える方向に関心があるならAIコンサル・業務活用支援のお仕事も参考になります。作業の単位が見えると、「自動で収益が出る」という説明が具体性を欠いていることがはっきりします。
資格は万能ではありませんが、知識の土台を外部から確認できる手段として役に立ちます。文書作成の基礎を固めるならビジネス文書検定、ネットワークの基礎知識を体系で持ちたいならCCNA(シスコ技術者認定)が、範囲と難易度の目安として使えます。どちらも試験の主催が公になっていて、費用が事前に分かります。費用が事前に分かるものを選ぶ、という基準は、副業選びでもそのまま通用します。
セキュリティの知識は、自分を守る方向にも働きます。偽のログイン画面や請求メールの見分け方を扱った社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果は、組織向けの記事ですが、個人が引っかかる型の整理としても読めます。
市場の動きと、20年この市場を見てきた立場からの観察
在宅で働ける仕事の数自体は、増えています。オンラインで完結する業務の切り出しが進み、事務、文章、デザイン、開発、カスタマーサポートのいずれでも、場所を問わない募集が普通に見られるようになりました。つまり、正面から募集を探せば仕事はあります。それでも診断型の勧誘が成立しているのは、仕事が足りないからではなく、探し方が分からない人が多いからです。
20年この市場を運営してきた立場から言えば、長く続く人の共通点は単純です。はじめに小さい仕事を受け、納期を守り、次も声がかかる関係を作る。この積み上げ以外に近道がない、という結論に、みな同じところで行き着きます。逆に、費用を払って「仕組み」を買う形から入った人が、そのまま安定した仕事に移れた例は、ほとんど見当たりません。仕組みを売る側の収益は、仕組みを使う人の成果ではなく、仕組みを買う人の数から生まれているからです。
もうひとつ、額面と手取りの話をします。仲介が何段か入る取引では、依頼者が出した予算のうち、手を動かす人に届く金額が目減りします。仲介手数料が15%から20%かかる形が一般的で、年間100万円の売上なら15万円から20万円が差し引かれる計算になります。手数料0%で直接取引ができる場を選ぶと、同じ予算で依頼者はより多く頼めて、受け手の手取りは厚くなります。運営者として見てきた限りでは、この差は金額の大小より、続けられるかどうかに効いています。手取りが薄いと、単価を上げるための学習に時間を回せなくなるからです。
診断を入口にした勧誘が狙っているのは、この「探し方が分からない」という空白です。空白を埋めるのに費用は要りません。公開されている相場を見て、仕事の中身を読み、費用が事前に分かる場で小さく始める。この順番を踏めば、診断結果を待つ必要はなくなります。どんな仕事が出ているかを具体的に眺めたい場合は、業務の種類ごとに整理されたアプリケーション開発のお仕事のような案内から、作業の単位と必要な道具を確かめるところから始めてください。
よくある質問
Q. 無料の副業診断に答えただけなら、問題は起きませんか?
氏名や連絡先を入力していれば、その後に勧誘の連絡が来る可能性があります。費用の話が出るまでは契約ではないので、支払わずに連絡を断てば済みます。個別の通話に進む前に、運営会社名と費用の総額が公表されているかを確かめてください。
Q. マニュアル代を請求されましたが、仕事の説明はまだ受けていません。払う必要はありますか?
支払い義務があるかは契約の内容によるため、その場で判断せず窓口に相談してください。仕事を紹介するとして費用を求める取引では、契約前と契約後に書面を渡す義務が事業者側にあります。書面が出ていないことは、相談時に必ず伝える材料になります。
Q. クーリングオフはいつまで使えますか?
仕事の提供を持ちかけて費用を負担させる取引では、契約内容を記した書面を受け取った日から起算して20日以内に、書面か電磁的記録で解除できます。解除に伴う違約金や損害賠償を請求されることはありません。期間を過ぎた場合も、経緯によって扱いが変わるので消費生活センターに相談してください。
Q. どこに相談すればよいのか分かりません?
まず消費者ホットラインの188にかけると、住んでいる地域の消費生活センターなどの窓口が案内されます。相談は無料で、通話料だけがかかります。脅しや執拗な連絡がある場合は、警察相談専用電話の#9110も利用できます。相談前に、やり取りの画面と振込の控えを時系列で並べておくと話が早く進みます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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