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副業が怪しいかを見分けるポイントと、契約前に確かめること

@SOHO編集部
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副業が怪しいかを見分けるポイントと、契約前に確かめること

この記事のポイント

  • ✓副業が怪しいかの見分け方を
  • ✓国民生活センターの公表資料と特定商取引法・職業安定法の公式解説から整理します
  • ✓募集広告に必ずあるはずの6つの情報

副業を探していて「この話、少し怪しい」と手が止まったなら、その感覚はたいてい正しい方向を向いています。副業が怪しいかどうかの見分け方は、勘や口コミではなく、法律がすでに用意している物差しに当てはめるのが一番確実です。この記事では、国民生活センターが2026年に公表した相談事例と、特定商取引法・職業安定法の公式の解説を手がかりに、契約前に確かめる順番を具体的に整理します。読み終えるころには、目の前の話を「進めてよいもの」「いったん止めるもの」「すぐ相談するもの」の3つに分けられるはずです。

副業の話が「怪しい」と感じられる背景

まず、怪しい副業の話がなぜこれほど目に付くのかを押さえておきます。背景にあるのは、副業そのものが当たり前になったことです。会社員が本業の外で収入を得ることは珍しくなくなり、「副業」という言葉で検索する人の数も大きく伸びました。検索する人が多い言葉には、まっとうな仕事の募集と一緒に、その需要を当て込んだ勧誘も集まります。

国民生活センターは2026年5月に、副業をめぐる注意喚起を立て続けに出しています。ひとつは「簡単なタスクで稼げる」とうたう副業のトラブル、もうひとつは副業のサポートを名目に借金をさせる業者のトラブルです。後者の報告書では、複数の貸金業者から借り入れさせる手口の相談が2021年度の1,796件から大きく伸び、直近の年度では平均の契約購入金額が200万円を超えていると示されています。若い世代、とくに20歳代以下の相談が多いことも明記されています。

数字が示しているのは、被害の入口が「お金を払わされる」だけでなく「借金をさせられる」段階まで進んでいるということです。手持ちのお金がない人でも、勧誘する側が消費者金融の申し込み方まで指示するため、被害の額が年収を大きく超えることがあります。怪しい話を早い段階で見分ける意味は、ここにあります。支払う前、借りる前に止まれれば、失うものはほとんどありません。

もうひとつの背景は、連絡の手段がメッセージアプリに移ったことです。正規の在宅の仕事でも、進行の確認や納品のやり取りにアプリを使う依頼主はいます。つまり「アプリで連絡が来た」という一点だけでは、まともな仕事と危ない話を区別できません。区別するには、連絡の手段ではなく、取引の中身と順番を見る必要があります。以下では、その中身と順番を一つずつ確かめていきます。

法律が名前を付けている「仕事を約束して先に払わせる」形

怪しい副業の多くには、法律の上で名前が付いています。特定商取引法の第51条が定める「業務提供誘引販売取引」です。かみくだくと、「この商品や講座を買えば、それを使う仕事を紹介するので収入が得られます」と誘い、先にお金を払わせる取引のことです。仕事の紹介を約束しながら、その前に何かを買わせる。この順番が入っていたら、法律が規制の対象にしている取引だと考えて差し支えありません。

消費者庁が公表している特定商取引法の通達(法律をどう運用するかを行政が示した文書)は、相手に負わせるお金について次のように説明しています。

特定負担とは、業務提供誘引販売取引に伴い取引の相手方が負うあらゆる金銭的な負担が該当する。 出典: caa.go.jp

同じ通達には、業務を行うために使う商品の購入代金、研修などの対価、登録料・入会金・保証金がすべてこれに当たると書かれています。「サポート費用」「システム利用料」「保証金」「登録料」と呼び方を変えても、仕事の紹介と引き換えに先に払わせるお金であることに変わりはありません。

通達はさらに、契約書に「収入が得られる」と書いていなくても、勧誘のときの説明で「収入が得られる」と期待させて買わせれば、この取引に当たるとしています。実際に収入を得たかどうかも問わないと明記されています。口頭で「すぐ元が取れます」と言われただけの場合でも、あとから法律の保護を受けられる余地があるということです。

この取引に当たる事業者には、契約前に業務の概要を書いた書面を渡す義務と、契約後に契約内容を明らかにする書面を渡す義務があります(第55条)。会話だけで支払いまで進め、書面を一枚も出さない相手は、最初から義務を果たしていません。制度の全体は消費者庁の特定商取引法のページで確認できます。

募集広告に必ず書かれているはずの6つの情報

次に、募集の段階で見分ける物差しです。職業安定法の第5条の4は、求人や労働者の募集の情報を出すときに、うその表示や誤解させる表示をしてはならないと定めています。厚生労働省はこの条文の解釈を明確にし、募集広告には次の6つを必ず書くよう求めています。

厚生労働省のページには、仕事を探す人に向けて次のように書かれています。

仕事をお探しの方は、「募集主の氏名(又は名称)・住所・連絡先(電話番号等)・業務内容・就業場所・賃金」の表示がない募集広告には特に気をつけてください。 出典: mhlw.go.jp

同じページの質問と回答では、住所はビル名・階数・部屋番号まで書く必要があること、連絡先は電話番号・メールアドレス・自社サイトの問い合わせフォームのいずれかで、SNSのメッセージ機能だけでは足りないことが示されています。さらに、フリーランス(業務委託)の募集でも6つの情報の記載は同じように必要だと明記されています。厚生労働省のリーフレットにも「労働者の募集だけでなく業務委託の募集も同様です」とあります。

この6項目は、そのまま見分けの道具になります。副業の広告を見たら、次を一つずつ確かめてください。

  1. 募集している会社や個人の名前が書いてあるか
  2. 住所が部屋番号まで書いてあるか
  3. 電話番号かメールアドレスがあるか(メッセージアプリのアカウントだけではないか)
  4. 何をする仕事なのかが具体的に書いてあるか
  5. どこで働くのか(在宅なら在宅と)書いてあるか
  6. 報酬がいくらで、どう計算されるかが書いてあるか

「スマホで簡単な作業」「スキマ時間に高収入」は業務内容の説明になっていません。名前も住所もなく、連絡先がアプリのアカウントだけという広告は、それだけで法令に沿っていない募集です。応募する前に、ここでふるい落としてかまいません。

最初の10分で確かめる7つのポイント

広告の段階を通り抜けて、相手とやり取りが始まった場合の見分け方です。危ない話ほど、会話の開始から支払いまでの時間が短くなります。逆に言えば、最初の10分で確かめる項目を決めておけば、ほとんどの勧誘はそこで見分けられます。

第一に、相手が誰かです。会社名、代表者名、所在地を聞いて答えが返ってくるか。担当者の下の名前だけ、屋号だけで話が進む相手は避けます。第二に、仕事の中身です。何を作業し、何を納品し、誰が受け取るのかを具体的に説明できるか。説明できない仕事は、存在しない可能性があります。

第三に、報酬の計算方法です。まっとうな案件は「1件あたりいくら」「1文字あたりいくら」のように単位で示されます。「1か月あたり30万円も夢ではない」のように結果だけが示される話は、仕事の説明ではなく勧誘の文句です。第四に、先に払うお金があるかどうかです。仕事を受ける側が先に支払う構図は、本来の取引ではありえません。

第五に、断ったときの反応です。強く引き止める、「今日中」「残り3枠」と時間を切る、返事を急がせるといった反応は、考える時間を奪うための手法です。第六に、契約の内容を書面か電子ファイルで出せるかです。出せないと答えたら、特定商取引法の書面交付の義務を果たせない相手だと判断できます。

第七に、連絡手段がアプリの会話だけに閉じていないかです。会社の電話にもメールにもつながらず、担当者が変わるたびに別のアカウントから連絡が来る形は、あとから追跡されないための作りです。7つのうち3つ以上が引っかかったら、その時点で会話を終える判断でかまいません。7つを確かめ終える前に支払いを求められた場合も、同じ判断で問題ありません。

よくある勧誘の型を、骨組みで覚える

勧誘の文面は毎年新しく見えますが、骨組みはいくつかの型に収まります。型で覚えておくと、言い回しが変わっても気づけます。

ひとつめは、簡単なタスクで報酬が入るとうたう型です。国民生活センターの2026年5月の公表では、「動画を見て“いいね”をしたらお金をもらえる」と言われて作業し、最初に少額の報酬が振り込まれたあと、「失敗したのでグループの連帯責任になる」と高額の入金を求められた事例が紹介されています。最初に少しだけ払うのは、相手を信用させるための仕掛けです。

ふたつめは、サポート契約や教材を売る型です。「稼ぐためのノウハウを教える」「専属の担当者が付く」と説明し、数十万円から数百万円のコースを勧めます。お金がないと答えると、消費者金融から借りるよう指示されます。国民生活センターの報告書には、画面共有アプリで申込画面を見ながら、その日のうちに合計450万円を借り入れさせられた事例が載っています。

みっつめは、受け取りの手数料を取る型です。高い報酬を先に示し、受け取るために口座の登録料や認証料が必要だと言って、数千円の支払いを求めます。少額なので「この程度なら」と払いやすく、払うと次は解除料、次は税金の立て替えと、名目を変えて請求が続きます。

よっつめは、仕事に見せかけて犯罪の実行役を集める型です。厚生労働省は、SNSで仕事内容を明かさず著しく高い報酬を示して実行役を集める投稿があり、応募した結果、強盗や詐欺に加わって逮捕された人が多くいると注意を呼びかけています。「受け取るだけ」「運ぶだけ」「口座を貸すだけ」は、副業ではありません。

型に共通するのは、「仕事の前にお金が動く」か「仕事の中身が説明されない」かのどちらかです。この2つのどちらかに当てはまったら、文面がどれほど丁寧でも進めないでください。

遠隔操作アプリと個人情報を求められたとき

近年の手口で目立つのが、遠隔操作アプリや画面共有アプリを入れさせる流れです。「手続きを代わりにやります」「説明のために画面を見せてください」と言われ、言われるままにアプリを入れると、相手がスマートフォンを操作して消費者金融への申し込みや送金を進めます。

国民生活センターの公表資料には、事業者が遠隔でスマートフォンを操作し、消費者金融2社から30万円ずつ借り入れてどこかに送金し、本人は借入がされていることに気づかず、数か月後に督促の連絡で知ったという事例が紹介されています。本人が借りるつもりがなかったとしても、借入の返済義務は借りた本人が負うと、同センターは明記しています。

副業や投資を勧誘する業者から「すぐに返済できる」と言われて借り入れをした場合であっても、その借り入れに対する返済義務は借り入れをした消費者が負います。 出典: kokusen.go.jp

身を守るために決めておくことは3つです。ひとつは、仕事の説明のために遠隔操作アプリや画面共有を求められたら、その時点で断ること。まっとうな仕事の説明に、相手の端末を操作する必要はありません。ふたつめは、契約前の段階で身分証の画像、銀行口座の情報、各種のパスワードを送らないことです。相手が誰か分からない段階で渡した個人情報は、別の犯罪に使われる恐れがあります。

みっつめは、消費者金融の申し込みで、相手に言われたとおりの年収や勤務先を書かないことです。報告書には、アルバイトで1か月あたり10万円強の収入の人が「正社員で年収300万円」と申告するよう指示された事例があります。うその申告は、本人がさらに不利な立場に置かれる原因になります。端末とアカウントの守り方は、社内向けの訓練の考え方とも共通しています。社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果では、だます側の文面の特徴と、だまされにくくする訓練の組み立てを解説しています。

契約前に確かめることのチェックリスト

ここまでの見分け方を、契約の直前に使える形に並べ直します。印刷するか、スマートフォンのメモに写しておくと、相手と話しながら確かめられます。

事業者について確かめること。
・会社名、代表者名、所在地(部屋番号まで)、電話番号
・会社名で検索したときに、所在地の建物が実在し、事業の実態があるか
・連絡先がメッセージアプリのアカウントだけになっていないか

仕事について確かめること。
・作業の内容、納品の形、納品先
・報酬の単価と計算方法、支払日、支払方法
・作業に使う道具やソフトを自分で用意するのか、相手が貸すのか

お金について確かめること。
・仕事を始める前に支払うお金があるか、あるならその名目と金額
・そのお金は何に対する対価なのか、返金の条件はあるか
・支払いのために借入を勧められていないか

契約について確かめること。
・契約前に業務の概要を書いた書面をもらえるか
・契約後に契約内容を書いた書面をもらえるか
・解除(クーリング・オフ)について書かれているか

どれか一つでも答えが曖昧なまま「今日決めてください」と言われたら、その日は決めないのが正解です。まっとうな依頼主は、確認のための時間を嫌がりません。契約の文面を読み慣れていない場合は、文書を正しく読み書きする力を確かめるビジネス文書検定の学習内容が、契約書や条件書の読み方の基礎として役に立ちます。

支払ってしまったら:20日間の解除の考え方

すでに支払ってしまった場合でも、取れる手は残っています。業務提供誘引販売取引に当たる契約は、特定商取引法の第58条により、契約書面を受け取った日から20日間は理由を問わず解除できます。これがクーリング・オフです。

大事なのは、20日の数え始めがいつかです。消費者庁の通達は、事業者が第55条第2項の書面を渡さなかった場合はもちろん、クーリング・オフができる旨が書かれていないなど重要な事項が欠けた書面しか渡していない場合も、20日の数え始めが来ないまま解除できる期間が続くと説明しています。メッセージアプリの会話だけで契約させられ、まともな書面をもらっていない場合は、20日を過ぎていても解除できる可能性があります。

同じ通達には、解除したときの効果も書かれています。事業者は解除に伴う損害賠償や違約金を求めることができず、受け取った商品代金や取引料を返さなければなりません。受け取った商品があれば、こちらも返します。

解除の通知は、書面または電子メールなどの電磁的な記録で行います。通知には、契約した日、契約の名称、金額、事業者名、解除する旨を書き、送った記録を残します。はがきで送る場合は両面をコピーし、簡易書留など記録が残る方法を選びます。電子メールで送る場合は、送信済みの画面を保存しておきます。

ただし、相手が所在不明の個人で、連絡先がアプリのアカウントしかない場合は、解除の通知を送っても返金されないことが多いのが現実です。国民生活センターも「いったん振り込んでしまうと被害回復は困難です」と繰り返し書いています。解除の制度があることを知っておくのは大切ですが、それ以上に、支払う前に止まることが一番の防御だと覚えておいてください。

相談する窓口の使い分け

困ったときに頼れる窓口は複数あります。用件によって向き不向きがあるので、使い分けを整理しておきます。

まず、消費者ホットラインの「188」です。電話をかけて郵便番号などを入力すると、住んでいる地域の消費生活センターや相談窓口につながります。相談そのものは無料で、通話料はかかります。支払ってしまった、契約を解除したい、相手と連絡が取れないといった、お金と契約にかかわる相談はここが入口です。消費生活センターの相談員は、解除の通知の書き方や、事業者との交渉の進め方を一緒に考えてくれます。

次に、警察の相談専用電話「#9110」です。発信した地域を管轄する警察本部などの総合窓口につながります。犯罪の実行役の募集に応募してしまった、脅されている、口座や身分証を渡してしまったといった場合は、こちらに相談します。厚生労働省のリーフレットも、いわゆる闇バイトに申し込んでしまった人に、顔写真や住所を送ってしまった場合でも警察に相談するよう呼びかけています。

雇用の形をとる募集で、求人の内容と実態が違う場合は、都道府県労働局やハローワークが窓口です。職業安定法にかかわる募集の表示の問題は、労働局の需給調整事業部(課・室)が担当しています。

相談の前には、記録をそろえておくと話が早く進みます。最初に見た広告の画面、相手とのやり取りの画面、振込の記録、契約書面や送られてきたファイル、相手の名前と連絡先を、日付が分かる形で保存しておきます。会話の画面は相手に消されることがあるので、気づいた時点でスクリーンショットを取っておくのが確実です。

知人や家族から持ちかけられた副業の見分け方

怪しい副業の話は、広告やSNSからだけ届くわけではありません。友人、職場の同僚、学生時代の先輩など、顔見知りから持ちかけられることもあります。国民生活センターは「人を紹介すればもうかる」という誘いが若い世代に広がっていることにも注意を呼びかけています。

知人からの話がやっかいなのは、相手を疑うこと自体に心理的な抵抗があることです。相手も本気で良い話だと思って勧めている場合が多く、悪意がないぶん断りにくくなります。しかし、見分ける基準は広告の場合と変わりません。仕事の中身が説明されるか、先に払うお金があるか、事業者の名前と所在地が明らかか、の3点を同じように確かめます。

とくに注意したいのは、「誰かを紹介すれば報酬が入る」という仕組みが話の中心にある場合です。商品やサービスそのものより、参加者を集めることで収入が生まれる仕組みは、参加者が増えなくなった時点で行き詰まります。勧めてくれた知人も、実はその仕組みの中で誰かを紹介しなければならない立場にいることがあります。

断るときは、相手の人柄ではなく条件について話すと角が立ちにくくなります。「先にお金を払う仕事は受けないと決めている」「契約の書面を読んでから家族と相談する」と、自分のルールとして伝えれば、相手を責める形になりません。それでも強く勧められるなら、その強さ自体が判断材料になります。話を聞いたあとで不安が残る場合は、知人に伝える前に188へ相談し、仕組みが法律上どう扱われるかを確かめるのも一つの方法です。

断る文面をあらかじめ決めておく

勧誘する側は、こちらが迷っている時間を狙ってきます。返事を考えている間に「今なら特典が付く」「枠が埋まりそう」と言葉を重ね、判断を急がせます。この流れに乗らないためには、断る文面を先に決めておくのが効果的です。

使いやすい文面の例を挙げます。

・「仕事を始める前にお金を払う契約はしないと決めています」
・「契約の書面を郵送してください。読んでから返事をします」
・「家族と相談してから決めます。今日は返事をしません」
・「会社の所在地と電話番号を教えてください。こちらから確認します」

どれも、相手を非難せず、自分の手順を伝える形になっています。まっとうな相手なら、どの文面にも普通に応じてくれます。反対に、この文面を送ったとたんに態度が変わる、急に連絡が途絶える、あるいは強い言葉で迫ってくる場合は、その反応が答えです。

メッセージアプリでのやり取りなら、文面を送ったあとは返信を待たずにブロックしてもかまいません。ブロックする前に、それまでの会話の画面を保存しておくと、あとで相談が必要になったときに役立ちます。電話で勧誘を受けた場合は、「書面で送ってください」と伝えて電話を切るのが簡単です。

断る練習は、実際に勧誘を受ける前にしておくほうが効果があります。家族や友人と、勧誘役と断る役に分かれて一度声に出してみると、本番で言葉が出やすくなります。

口コミや体験談の読み方

副業を調べると、「実際にやってみた」「稼げた」という体験談や口コミが大量に見つかります。見分けの材料として使う前に、その読み方を押さえておきます。

まず、紹介や成果に応じて報酬が入る仕組みで書かれた記事が少なくありません。良いことだけが並び、費用や条件、うまくいかなかった場合の話が出てこない記事は、勧誘の一部として読むのが無難です。とくに、記事の最後でメッセージアプリの友だち追加や無料説明会への参加を促している場合は、その先に本当の勧誘があります。

次に、悪い口コミの読み方です。「詐欺だった」という投稿が一件あるだけで判断するのは早計ですが、同じ名目で同じ流れの被害が複数書かれていれば、手口の型が見えてきます。何が起きたかという事実の部分だけを拾い、感情の部分は割り引いて読みます。

最も確かなのは、公的機関の公表資料です。国民生活センターは相談事例と手口の特徴を定期的に公表しており、最新の型を知る手がかりになります。口コミは「こういうことが起きうる」という仮説として扱い、確かめるのは公的な情報と、相手から実際に出てくる書面の中身で行う。この順番を守ると、情報の多さに振り回されにくくなります。

始める前に、本業の側で確かめておくこと

副業の相手が信頼できるかと同じくらい、本業の勤め先のルールを確かめておくことも大切です。勧誘する側は「会社にはばれません」「申告しなくて大丈夫です」と言うことがありますが、その言葉を根拠に動くと、あとで本業の側で困ることになります。

厚生労働省が公表しているモデル就業規則(会社が就業規則を作るときのひな型)は、令和7年12月版の第70条で、労働者は勤務時間外に他の会社などの業務に従事できるとしたうえで、会社が届出に基づいて副業を禁止または制限できる場合を4つに絞っています。仕事に支障が出る場合、会社の秘密が漏れる場合、会社の名誉や信用を損なう場合、競業によって会社の利益を害する場合です。

実際の勤め先の就業規則がこのひな型と同じとは限りません。届出が必要か、どの範囲なら認められるかは、勤め先の就業規則を読んで確かめます。届出の手順が決まっている会社なら、その手順に沿って出しておくのが確実です。

この確認は、怪しい話を見分けるうえでも役に立ちます。「会社に言えない仕事」「家族にも内緒にしてください」と口止めをする話は、それ自体が危ない兆しです。まっとうな仕事は、勤め先に届け出ても、家族に話しても、何の問題も起きません。誰かに話せない仕事は、受けないと決めておくと判断が簡単になります。

安全な副業を選ぶための考え方

ここまで危ない話の見分け方を中心に書いてきましたが、副業そのものを避ける必要はありません。大切なのは、自分の時間や技能と引き換えに報酬を受け取る、という当たり前の形の仕事を選ぶことです。

見分けの基準を裏返すと、安全な副業の条件が見えてきます。発注者の名前と連絡先が明らかで、仕事の中身と報酬の単価が先に示され、受ける側が先にお金を払う必要がない。この3つがそろっていれば、少なくとも詐欺的な取引である可能性は大きく下がります。

副業のメリットは、本業とは別の収入源ができること、本業では使わない技能を磨けること、将来の働き方の選択肢が広がることです。デメリットは、時間の確保が難しいこと、確定申告などの手続きが増えること、そして本記事で扱ったような勧誘に触れる機会が増えることです。デメリットのうち最後の一つは、見分け方を知っていれば大きく減らせます。

技能を生かす副業としては、文章を書く仕事、データを扱う仕事、Webや業務の仕組みを整える仕事などがあります。たとえば文章の仕事の相場感は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職業全体の収入の水準を確かめられます。相場を知っておくと、「未経験でも1か月あたり50万円」のような話がどれほど現実離れしているかが、数字で判断できるようになります。

もうひとつの考え方は、セキュリティの知識そのものを仕事にすることです。だます側の手口を理解し、組織の守りを固める仕事は、企業からの依頼が続いている分野です。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、この分野でどのような依頼があり、どのような技能が求められるかを紹介しています。身を守るために身につけた知識が、そのまま次の仕事の土台になります。

案件を見てきた立場から気づくこと

在宅ワークや業務委託の案件の流れを長く見てきた運営者として、怪しい話とまっとうな案件の違いは、条件の書き方に最もはっきり表れると感じています。まっとうな発注者ほど、作業の範囲、納期、修正の回数、報酬の単価を細かく書きます。受ける側に誤解されると、あとで双方が困るからです。反対に、怪しい話ほど「簡単」「誰でも」「すぐに」といった形容詞が多く、数字は報酬の総額だけが大きく書かれています。

もうひとつ気づくのは、長く続けている人ほど、仕事の入口でお金を払っていないということです。技能を示し、小さな仕事を確実に納め、「この人に任せると楽だ」という関係を少しずつ広げています。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算で発注者はより多くの作業を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。双方が得をするこの構造は、受ける側にお金を払わせて成り立つ勧誘とは正反対のものです。

開発の仕事でも同じことが言えます。ソフトウェア作成者の年収・単価相場を見ると、技能に対して報酬が支払われる仕事の水準が分かります。どの分野でも、報酬は技能と作業の対価として受け取るもので、先に払った額の見返りとして受け取るものではありません。

最後に、アカウントの守りについても触れておきます。副業の連絡に使うメールやアプリのアカウントが乗っ取られると、自分の名前で他人に勧誘が送られることがあります。ログインに複数の確認手段を組み合わせる多要素認証の考え方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で詳しく解説しています。見分ける力と、アカウントを守る仕組みの両方をそろえておくと、副業の入口で立ち止まる場面は大きく減ります。

業務の進め方を一緒に考える仕事に関心がある場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事も参考になります。依頼の内容と報酬の考え方が具体的に紹介されており、まっとうな案件の条件がどのように書かれているかを知る手がかりになります。

よくある質問

Q. 副業が怪しいかどうか、最初に何を見ればよいですか?

最初に、募集広告に募集主の名前、住所、連絡先、業務内容、就業場所、報酬の6つが書かれているかを見てください。厚生労働省は、この6つの表示がない募集広告に特に注意するよう呼びかけており、業務委託の募集でも同じです。次に、仕事を始める前に支払うお金があるかを確かめます。先に払う話があれば進めないのが安全です。

Q. 登録料やサポート費用を払ってしまいました。取り返せますか?

仕事の紹介と引き換えに払わせる契約は、特定商取引法の業務提供誘引販売取引に当たる可能性があり、書面を受け取った日から20日間は解除できます。書面をもらっていない場合は期間が過ぎていても解除できることがあります。ただし相手が所在不明だと返金は難しいため、早めに消費者ホットライン188へ相談してください。

Q. 副業のために借金をするよう言われました。どうすればよいですか?

借りないでください。国民生活センターは、業者から「すぐに返済できる」と言われて借りた場合でも、返済義務は借りた本人が負うと明記しています。遠隔操作アプリの導入や、うその年収の申告を求められた場合も応じないでください。すでに借りてしまった場合は、消費生活センターに相談し、借入先にも事情を伝えます。

Q. 安全な副業を選ぶコツはありますか?

発注者の名前と連絡先が明らかで、仕事の中身と報酬の単価が先に示され、受ける側が先にお金を払わなくてよい案件を選ぶことです。自分の技能で受けられる仕事の相場を事前に調べておくと、現実離れした報酬の話を数字で見分けられます。迷ったときは契約を急がず、条件を書面で確かめてから判断してください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年9月1日最終更新:2026年10月2日
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