【重要】PHPの脆弱性、うちのサイトは大丈夫?今すぐチェック

学校心理士の資格|取り方と仕事

@SOHO編集部
@SOHO編集部
学校心理士の資格|取り方と仕事

この記事のポイント

  • ✓学校心理士資格の取り方を
  • ✓准学校心理士との違いまで整理
  • ✓公認心理師やスクールカウンセラーとの関係と

学校心理士資格を調べている人の多くは、教員や保育士として子どもの悩みに向き合う中で「もう一段、専門的に支えられるようになりたい」と考えているか、心理系の大学院で進路を考えているところだと思います。結論から言うと、学校心理士は国家資格ではなく、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する民間の資格です。取り方は11の申請類型から自分に合う1つを選び、書類審査と試験を受ける形で、教員なら5年以上の専門的実務経験があれば大学院を出ていなくても申請できます。

この記事では、学校心理士認定運営機構の公式ページに載っている2026年度の手続きをもとに、申請類型の選び方、試験の中身、かかる費用、更新の仕組み、准学校心理士との違い、そして資格を取ったあとの仕事までを順に整理します。

学校心理士資格とはどんな資格か

学校心理士は、学校の中で子どもの学習や発達、友人関係、進路の悩みに対して、心理学と教育の両方の知識を使って支援する専門家として認定される資格です。運営は一般社団法人学校心理士認定運営機構で、資格を取った人は日本学校心理士会の会員になります。

公式ページでは、資格の中身を「心理教育的援助サービス」という言葉で説明しています。心理教育的援助サービスとは、子どもが学校で困っているときに、本人だけでなく先生や保護者にも働きかけて、学校生活がうまく回るように手助けすることです。カウンセリングだけを指すのではなく、学習のつまずきの見立てや、担任へのアドバイスまで含む広い考え方です。

認定運営機構は、資格取得後の活動の場を次のように書いています。

学校心理士は,学校における「心理教育的援助サービス」の専門家として,学校教育現場において,教育相談,特別支援教育のコーディネーター,スクールカウンセラーなどで活躍しています。 出典: gakkoushinrishi.jp

ここで押さえておきたいのは、学校心理士を持っていないと就けない仕事は基本的にない、という点です。名称を使えるのは資格を持つ人だけですが、医師や看護師のように法律で業務が独占されているわけではありません。だからこそ、この資格の価値は「学校心理学を体系立てて学び、実務の記録を審査で認められた」という証明にあります。教育委員会の教育相談の採用や、特別支援教育の校内体制づくりで、知識と経験を外から見える形で示せるのが一番の利点です。

公認心理師や臨床心理士との違い

心理系の資格で名前がよく並ぶのが公認心理師と臨床心理士です。公認心理師は2017年に始まった心理職で唯一の国家資格で、厚生労働省と文部科学省が所管し、指定試験機関の公認心理師試験研修センターが試験を行います。厚生労働省のページでは、公認心理師を次のように説明しています。

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。 出典: mhlw.go.jp

公認心理師は保健医療・福祉・教育・司法・産業と分野を問わない資格で、臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。学校心理士はこの2つと比べると、学校という場に的を絞っているのが特徴です。教員が日々の授業や学級経営の中で行っている関わりを、学校心理学の枠組みで整理し直す資格と考えると分かりやすいでしょう。

資格 種類 認定・所管 主な対象分野
公認心理師 国家資格 厚生労働省・文部科学省 医療・福祉・教育・司法・産業
臨床心理士 民間資格 日本臨床心理士資格認定協会 心理臨床全般
学校心理士 民間資格 学校心理士認定運営機構 学校教育
准学校心理士 民間資格 学校心理士認定運営機構 学校教育(学部卒業段階)

学校心理士が求められる背景

学校の中で心理の専門家が求められる場面は、ここ10年ほどで目に見えて広がりました。不登校やいじめへの対応、発達障害のある子どもへの合理的配慮、外国にルーツのある子どもの受け入れ、家庭環境の課題など、担任1人では抱えきれない相談が増えています。

国はスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を進め、学校の中に「チームとしての学校」をつくる方針を掲げてきました。その中で、外部から来る専門家と担任の間をつなぐ人材がいないと、相談が個人の頑張りに頼ったままになります。教育相談の担当教員や特別支援教育コーディネーターに、学校心理学の知識を持った人が就くと、校内の支援会議の進め方や、保護者への説明の筋道が整いやすくなります。

学校心理士の申請類型に「教員の経験を有する者」「学校管理職または教育行政職の従事者」が独立して用意されているのは、こうした現場の事情を反映したものです。心理職を本業にする人だけでなく、教員として働きながら専門性を深めたい人も対象にしているのが、この資格の大きな特徴です。

もう1つの背景が、教員研修の仕組みの変化です。申請類型には「心理分野に強みや専門性を有する教師の研修プログラムを受講した者」という類型も加わっています。教育委員会などが実施する研修を受けた教員が、その学びを資格につなげられる道ができたということです。自分の自治体でこの研修が行われているかどうかは、勤務先の教育委員会や研修センターの案内で確かめてください。

申請類型は11種類から1つを選ぶ

学校心理士の取り方で最初に決めるのは、どの申請類型で申し込むかです。公式ページには「11の申請類型のうち,いずれかの条件を満たす方のみ申請することができます」とあり、1つだけを選んで申請します。

2026年度に公式ページで示されている類型は次の11種類です。

  1. 学校心理学関連大学院修了者および修了見込者
  2. 公認心理師関連大学院修了者および修了見込者
  3. 教職大学院修了者および修了見込者
  4. 教員の経験を有する者(教育職員免許状もしくは保育士資格を有する者)
  5. 相談機関等の専門職従事者
  6. 大学・短期大学等の教員
  7. 学校管理職または教育行政職の従事者
  8. 公認心理師資格を有する者
  9. 海外での資格取得者
  10. 准学校心理士資格を有する者
  11. 心理分野に強みや専門性を有する教師の研修プログラムを受講した者

教員・保育士の類型の条件

検索して調べる人が一番多いのが、現職の先生が大学院に行かずに取れるかどうかです。教員類型の条件は、教員(幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校など)や保育士として教育活動に従事し、学校心理学に関する専門的実務経験が5年以上あることです。大学院の修了は求められていません。

実務経験の年数の数え方も決まっています。常勤・非常勤を問わず、週3日以上勤務して1年間実務を行うと1年と数えます。週2日の勤務なら2年で1年分です。半日勤務でも実働4時間以上なら1日と数えます。非常勤講師として複数校を掛け持ちしている人は、この基準で自分の年数を一度数えてみてください。

教員類型で受ける試験は、試験Ⅰ(論述式)と試験Ⅱ(多枝選択式)です。提出書類には、教育職員免許状の写し、人物証明書、ケースレポート、スーパーバイザーの意見書、実務経験の実績と証明書が含まれます。

大学院の類型の条件

学校心理学関連の大学院類型は、「学校心理学」「教育学」または「心理学」関係の研究科で、学校心理学に関する所定の8領域の科目と実習2科目を修得して修了し、1年以上の専門的実務経験がある人が対象です。8領域とは、学校心理学、教授・学習心理学、発達心理学、臨床心理学、心理教育的アセスメント、学校カウンセリング・コンサルテーション、特別支援教育、生徒指導・教育相談とキャリア教育です。

在学中に申請できる「見込み」の扱いもあります。修了見込みの人は、実務経験について週2日以上で1年と数える緩い基準が使え、大学院の授業での実習も「15週×2期」の計30週で1年分とみなされます。ただし4年制大学や短期大学で取った単位は認められず、2011年度以前の大学院の科目も対象外です。どの科目が認定済みかは、公式ページの「大学院別認定科目一覧」で確かめられます。

公認心理師を持っている人の類型

すでに公認心理師試験に合格して登録している人は、公認心理師類型を使えます。取得見込みは対象外で、登録まで済んでいることが条件です。この類型では、試験日当日に開かれる講習会と、その内容に沿った試験(試験Ⅳ)を受けます。講習会の対象は、学校心理学、特別支援教育、生徒指導・教育相談とキャリア教育の3領域です。

公認心理師で学校の仕事を広げたい人にとっては、ケースレポートの提出が求められない分、ほかの類型より準備の負担が軽くなります。

専門的実務経験として認められる活動

どの類型でも鍵になるのが「学校心理学に関する専門的実務経験」です。ここが曖昧なまま申請書を書き始めると、ケースレポートの段階で手が止まります。

公式ページでは、専門的実務経験を「幼児・児童・生徒等の園生活や学校生活等における心理的・教育的問題に関して,学校心理学の視点に立った専門的な心理教育的援助サービスを常勤,非常勤を問わず学校の教員や専門員として経験すること」と説明し、例として4つを挙げています。

  • 困っている子どもに関わる教員・学校・保護者などへのコンサルテーション(助言と相談)
  • 学業不振やLD(学習障害)についての心理検査と、それにもとづく支援計画の作成と実践
  • 学校や学級への不適応、不登校、いじめなどの相談やカウンセリング
  • 自己理解や進路に関する子どもへの心理教育的な支援

教員の場合、通常学級の担任としての教育活動も、学校心理学の視点で子どもと関わっていれば実務経験とみなせる、とされています。たとえば、授業中に集中が続かない子どもについて、学習のつまずきを観察して支援の工夫を考え、保護者や養護教諭と相談しながら手立てを変えていった経験は、まさにこの4つに重なります。

場所の範囲も広く、幼稚園から大学までの学校に加えて、保育所、認定こども園、専門学校、予備校での経験も含まれます。学習塾の講師や放課後の学習支援で子どもに関わってきた人は、勤務日数の数え方と、学校心理学の視点を持った関わりだったかどうかの2点で、該当するかを見直してみる価値があります。

資格取得までの流れ

公式ページは、資格を取るまでの流れを7つのステップで示しています。

  1. 申請類型と条件を確かめる
  2. その年度の「手引き及び申請書」を購入する(例年3月中ごろから販売)
  3. 申請書類を作り、認定審査料を払い込んで期間内に送る
  4. 試験を受ける
  5. 書類・試験・ケースレポートなどを総合して審査される
  6. 合格したら登録料と会費を納め、5年間の資格が認定される
  7. 学校心理士として活動し、5年ごとに更新する

2026年度のスケジュール

2026年度の申請期間は5月1日から6月4日(必着)で、すでに受付は終わっています。試験Ⅰ(論述式)と試験Ⅱ(多枝選択式)は8月2日に東京と大阪で、試験Ⅲ(面接)は8月22日に横浜で、試験Ⅳ(講習会と論述式)は8月2日に東京で行われました。審査結果は10月下旬に通知される予定です。

合格した場合の資格取得日は2027年1月1日で、有効期間は2031年12月31日までの5年間です。大学院の見込み申請で合格した人は、翌年3月に正式な書類を出し、4月の最終審査を経て資格取得日が2027年4月1日になります。

これから目指す人にとって大事なのは、申請期間が毎年5月から6月の約1か月しかないことです。申請書は3月に販売が始まるので、前年の秋から冬にかけてケースレポートの題材を決め、スーパーバイザーに相談しておくと、春からの準備に余裕が生まれます。次の募集は2027年度分で、日程は公式ページで発表されます。

4種類の試験の違い

試験 形式 主に受ける類型
試験Ⅰ 論述式 大学院類型、教員類型など多くの類型
試験Ⅱ 多枝選択式 教員類型など
試験Ⅲ 面接 一部の類型
試験Ⅳ 講習会+論述式 公認心理師類型

どの試験を受けるかは類型で決まります。教員類型なら筆記の2種類、学校心理学関連の大学院類型なら試験Ⅰのみ、公認心理師類型なら試験Ⅳのみです。自分の類型の試験は、公式ページの類型別の表と、その年度の手引きで必ず確かめてください。

ケースレポートの書き方と準備

ケースレポートは、学校心理学に関する専門的実務経験の中で行った支援を、学校心理学の観点から記述する書類です。多くの類型で提出が求められ、合否を左右する比重が大きい書類でもあります。

公式ページに示された条件は細かく、次の点を守らないと審査の対象から外れます。

  • スーパーバイザーの指導を受けたケースであること
  • 申請時から直近5年以内のケースであること(実施期間の開始日か終了日が含まれていればよい)
  • A4縦・片面・横40字×縦25行で、図表や文献を含めて10ページちょうど
  • 10ページより多くても少なくても認められない
  • スーパーバイザーの意見を支援にどう生かしたかを具体的に書く

スーパーバイザーとは、ケースの進み方に関わり、支援者が自分の関わりを振り返れるように手助けする人のことです。文章の添削をする人ではありません。公式ページでは、教員類型の申請者の多くが校長、教頭、スクールカウンセラーにスーパーバイザーを頼んでいると書かれています。学校心理士の資格を持っている人が望ましいとされていますが、資格の有無は問われません。

書き始める前に決めておきたいのは、どの支援を題材にするかです。結果がうまくいったケースである必要はありません。審査で見られるのは、子どもの状態をどう見立て、どんな仮説で支援を組み、スーパーバイザーの助言を受けて何を変えたかという筋道です。支援の記録(面談の日付、検査の結果、会議のメモ)が残っているケースを選ぶと、10ページを事実で埋められます。個人が特定されないように、名前や学校名、特徴的な出来事の書き方には十分に注意してください。

文書の組み立てに不安がある人は、報告書の書き方の基礎を一度整理しておくと書きやすくなります。ビジネス文書検定の学習内容は、結論を先に書く、事実と意見を分けるといった報告書の基本を体系的に扱っていて、ケースレポートの構成を考えるときにも応用できます。

学校心理士資格にかかる費用

費用は、申請時と合格時と更新時の3つの段階で発生します。2026年度の公式ページに載っている金額は次のとおりです。

段階 費用の名前 金額
申請時 認定審査料 33,000円(税込)
合格時 登録料 20,000円(不課税)
合格時 日本学校心理士会の会費(5年間分) 30,000円(不課税)
更新時 更新審査料 11,000円(税込)

申請から登録までで合わせて83,000円になり、ここに手引き及び申請書の購入費と、試験会場までの交通費がかかります。合格時の登録料と会費は5年分をまとめて払う形です。認定審査料は、不合格の場合も含めて返却されないと明記されています。提出書類も返却されないので、送る前に必ず控えのコピーを取ってください。

教員が職務に関連する資格として取る場合、勤務先や自治体によっては研修費の補助や、研修扱いでの受験が認められることがあります。扱いは職場ごとに違うので、申請前に管理職か教育委員会に確かめておくと安心です。

5年ごとの更新とポイントの集め方

学校心理士の有効期間は5年で、続けるには更新が必要です。更新の要件は、資格の有効期間内に、種別記号AからRに示された研修の機会とZのうち、Aを1ポイント以上含めて合計10ポイント以上を集めることです。種別記号とは、研修会への参加、学会での発表、論文の執筆など、ポイントになる活動の種類ごとに付けられた記号のことです。

2026年度の更新申請期間は9月1日から10月13日(必着)でした。ポイントは2026年12月31日まで集められ、申請期間の後に足りないポイントを取る予定がある場合でも、期間内に申請書類を出しておく必要があります。集めたポイントを次の更新に繰り越すことはできません。

更新の手続きでは、研修会や大会の受講証は原本を提出します。研修に参加するたびに受講証を1つの封筒やファイルにまとめて保管しておくと、5年後に慌てずに済みます。日本学校心理士会の支部が開く研修会は各地で行われているので、勤務地の近くの支部の予定を早めに確かめておくと計画が立てやすくなります。

更新の手続き細則は改訂されることがあり、取得年度によって適用される表が違います。公式ページでも、登録番号の頭の数字で使う表が分かれていると案内されています。自分の登録番号と有効期限は、IDカードか会員マイページで確かめてください。

准学校心理士との違い

准学校心理士は、大学や短期大学、専門学校の在学中に所定の科目を修得した人が、卒業と同時に取れる資格です。申請は個人ではできず、学校心理士認定運営機構から認定を受けた加盟校が在学生の分をまとめて申請します。在学している学校が加盟校かどうかは、所属校の担当窓口に問い合わせてください。

2026年度の費用は、審査事務手数料3,000円(税込)、登録事務手数料3,000円(不課税)、3年間分の会費9,000円(不課税)です。有効期間は3年で、学校心理士資格を取る意思がある人に限り更新できます。更新費用は9,000円(年会費3,000円の3年分)です。

准学校心理士を持っている人は、学校心理士の申請類型の1つ「准学校心理士資格を有する者」を使えます。学部の段階で准学校心理士を取り、教員や保育士として現場に出て実務経験を積み、そのあと学校心理士に進むという道筋が想定されています。学部生の段階で取っておくと、教員採用の面接で学校心理学を学んだことを具体的に示せる材料にもなります。

なお、准学校心理士は卒業できなかった場合や、所定の単位を取れなかった場合には取得できず、交付された認定証は返却することになっています。卒業見込みの段階で申請する仕組みなので、最終学年の履修計画は担当窓口と相談しながら確実に組んでください。

学校心理士の資格を生かせる仕事

学校心理士を取ったあとの働き方は、大きく分けて4つあります。

1つ目は、教員として校内の教育相談や特別支援教育の中心を担う道です。教育相談主任や特別支援教育コーディネーターとして、校内委員会の進行、個別の支援計画の作成、外部機関との連絡を受け持ちます。資格を持つことで、校内での役割分担の根拠を示しやすくなります。

2つ目は、教育委員会の教育相談センターや適応指導教室で相談員として働く道です。適応指導教室とは、学校に行きにくい子どもが通える公的な居場所のことで、自治体によって「教育支援センター」と呼ばれます。相談員の応募資格は自治体ごとに決められていて、公認心理師や臨床心理士を求める募集が中心です。学校心理士を応募資格として扱うかどうかも募集ごとに違うので、希望する自治体の募集要項を一件ずつ確かめることが欠かせません。

3つ目は、スクールカウンセラーとしての採用です。スクールカウンセラーの資格要件は各自治体が募集ごとに決めていて、公認心理師や臨床心理士が中心です。学校心理士だけで応募できるかどうかは自治体ごとに違うので、希望する地域の募集要項で必ず確かめてください。

4つ目は、学校の外で子どもの学びを支える仕事です。学習支援の団体、放課後等デイサービス、フリースクール、学習塾などで、学校心理学の知識を生かして支援計画を組む役割を担えます。最近は、教材の作成や保護者向けの記事の執筆、オンラインでの学習相談のように、在宅で受けられる仕事として学校心理学の知識が求められる場面も出てきています。

教育相談の常勤ポストは数が限られ、非常勤の掛け持ちで働く人も少なくありません。研究職を視野に入れる人は、大学や研究機関の待遇の実態を知っておくと進路を比べやすくなります。研究者の年収・単価相場では、研究に携わる人の収入の幅と働き方の違いを整理しています。

資格取得を目指す人の準備の進め方

これから学校心理士を目指す人が、来年度の申請に間に合わせるための準備を時期ごとに並べると次のようになります。

時期 やること
前年の秋 自分の申請類型を決め、実務経験の年数を数える
前年の冬 ケースレポートの題材を選び、スーパーバイザーに依頼する
3月 手引き及び申請書を購入し、提出書類の一覧を作る
4月 認定審査料を払い込み、証明書の発行を勤務先に頼む
5月から6月上旬 申請書類を仕上げて期間内に送る
7月 筆記試験に向けて学校心理学の基本書を読み直す
8月 試験を受ける

証明書の発行には勤務先の決裁が必要になることが多く、思ったより時間がかかります。とくに在職証明書や実務経験の証明書は、過去に勤めた学校の分も必要になる場合があるので、異動が多い人ほど早めに動いてください。

試験の対策には、学校心理士認定運営機構が案内している「学校心理学・教育実践テキストブック」や「学校心理士学ケースレポートハンドブック」などの書籍が役立ちます。試験の出題範囲を体系立てて押さえたい人は、公式ページの書籍の案内から確かめてください。

申請書類でつまずきやすい点

学校心理士の申請は書類の量が多く、内容の不備で審査に進めないことがあります。公式ページの案内から読み取れる、とくに気をつけたい点を整理しておきます。

1つ目は、類型を1つだけ選ぶという決まりです。教員の経験があり、同時に大学院も修了している人は、どちらの類型でも申請できそうに見えます。しかし申請できるのは1つだけです。受ける試験と提出書類が類型で変わるので、ケースレポートが必要かどうか、筆記試験が何種類あるかを比べて、自分が準備しやすい類型を選んでください。

2つ目は、証明書の発行元が自分ではないことです。在職証明書、実務経験の証明書、人物証明書(推薦書)は、勤務先の長や推薦者に作ってもらう書類です。推薦書とスーパーバイザーの意見書は「親展」とされていて、本人が中身を見ずに封をしたまま提出する形になります。依頼する相手には、申請期限と提出方法を書いた紙を渡しておくと、行き違いが起きにくくなります。

3つ目は、ケースレポートの書式です。横40字×縦25行の10ページという指定は、ワープロソフトの設定どおりに作っても、フォントによって文字数がずれることがあると公式ページで注意されています。印刷したものを定規で数えるくらいの確認をしてから提出してください。

4つ目は、払込の証明です。認定審査料の払込受領証やご利用明細票のコピーを申請書の裏に貼ることになっていて、ネットバンキングで振り込んだ場合は画面を印刷して添付します。振込の時期も指定されているので、申請期間より早く払い込みすぎないように注意してください。

学校心理士が向いている人と、ほかの資格を優先したい人

学校心理士は、学校という場に絞った資格です。そのため、目指す働き方によって、先に取るべき資格が変わります。

学校心理士が向いているのは、教員や保育士として子どもに関わりながら、校内の教育相談や特別支援教育の役割を担いたい人です。日々の実践をそのまま実務経験として申請に使えるので、仕事を続けながら専門性を形にできます。教育委員会の指導主事や管理職を目指す人にとっても、学校心理学の枠組みで校内体制を語れることは強みになります。

一方で、医療機関や福祉施設、企業の相談室など、学校以外の場で心理職として働きたい人は、国家資格である公認心理師を先に検討したほうが選択肢が広がります。公認心理師の受験資格は、大学と大学院で所定の科目を修める道など複数あり、詳しくは厚生労働省のページと公認心理師試験研修センターの案内で確かめられます。公認心理師を取ったあとに、学校での仕事に絞って学校心理士を追加で取るという順番も、公認心理師類型があるので無理なく進められます。

学部生の場合は、在学校が加盟校であれば准学校心理士を先に取り、卒業後に教員や保育士として実務経験を積む道があります。進路がまだ決まっていない段階でも、学校心理学の科目を修めておくことは、教育と心理のどちらに進んでも無駄になりません。

仲介の現場から見た、専門資格の生かし方

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、教育や心理の専門資格を持つ人が仕事を広げるとき、資格名だけで依頼が増えることはほとんどありません。依頼する側が見ているのは、その人が何を書けて、何を説明できるかです。学校心理士のように実務の記録を審査されて取る資格は、その中身を外に向けて言葉にできる人ほど強みになります。

たとえば、教材会社や教育系メディアから、保護者向けの解説記事や教員向けの研修資料の作成を頼まれる場面があります。そこで評価されるのは、専門用語を使わずに、子どものつまずきの見立て方や声のかけ方を具体的に書ける力です。ケースレポートで鍛えた「事実と見立てと手立てを分けて書く」力は、そのまま文章の仕事に通じます。

また、教育分野の仕事は、紹介や継続の依頼でつながっていくことが多いのも特徴です。単発の仕事でも、相手の意図を確かめて期限どおりに仕上げる人には次の依頼が来ます。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りであれば、依頼する側は同じ予算でより丁寧な仕事を頼めて、受ける側も手取りが厚くなります。専門性を持つ人ほど、こうした双方に利のある関係を長く続けることを意識すると、資格が生きる場面が広がります。

学校心理士は、取って終わりではなく、5年ごとの更新で研修を受け続けることが前提の資格です。現場での実践と研修での学びを記録し、それを人に伝わる言葉にしていくことが、資格の価値を保つ一番の方法です。教育やデザインの分野で自分の専門性をどう収入につなげるかを考えるときは、デザイナーの年収・単価相場のように、ほかの専門職の単価の決まり方を見比べておくと、自分の仕事の値付けを考える手がかりになります。

よくある質問

Q. 学校心理士は教員でなくても取れますか?

取れます。11の申請類型には、教員のほかに、学校心理学関連や公認心理師関連の大学院の修了者、相談機関の専門職、大学教員、公認心理師の資格を持つ人などが含まれます。どの類型でも学校心理学に関する専門的実務経験が求められるものが多いので、自分の経験が条件に合うかを公式ページの類型別の説明で確かめてから申請してください。

Q. 学校心理士の合格率はどのくらいですか?

学校心理士認定運営機構の公式ページには、合格率の数字は示されていません。審査は書類、筆記試験または面接、ケースレポートまたは研究業績を総合して判定されます。ケースレポートは書式が守られていないと審査対象外になるため、10ページちょうどで仕上げることと、スーパーバイザーの助言をどう生かしたかを具体的に書くことが、合否を分ける大きな点になります。

Q. 学校心理士だけでスクールカウンセラーになれますか?

自治体によって違います。スクールカウンセラーの採用要件は各自治体が決めていて、公認心理師や臨床心理士が中心です。学校心理士を応募資格に含める自治体もありますが、すべてではありません。希望する地域の教育委員会の募集要項で応募資格を確かめてください。教育相談センターの相談員の募集も、応募資格は自治体ごとに異なります。

Q. 更新のポイントが足りないとどうなりますか?

更新の要件は、有効期間内にAを1ポイント以上含めて10ポイント以上を集めることです。足りない場合でも、取得予定があれば申請期間内に書類を出し、取得後に追加で提出できます。ポイントを次回に繰り越すことはできません。事情で研修に出られなかった場合の扱いは年度ごとに決まるので、早めに認定運営機構の事務局へ問い合わせてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月9日最終更新:2026年10月29日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方