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選択理論心理士の資格|取り方と活かし方

@SOHO編集部
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選択理論心理士の資格|取り方と活かし方

この記事のポイント

  • ✓選択理論心理士の資格の取り方を
  • ✓日本選択理論心理学会の資格認定制度で確認
  • ✓集中基礎講座から集中上級講座までの段階

選択理論心理士の資格を調べている人は、「どうすれば取れるのか」「取ったら何に使えるのか」を知りたいはずです。結論から書くと、選択理論心理士は日本選択理論心理学会が認定する民間資格で、試験を1回受ければ取れる資格ではありません。講座を段階的に受けて最終段階の集中上級講座を修了し、学会の会員として2年以上在籍し、研修への参加などでポイントをためたうえで、書類審査と面接審査に合格する必要があります。この記事では、学会が公開している資格認定制度の文書をもとに、取り方の全体像、費用の考え方、似た資格との違い、仕事での活かし方を順に整理します。

選択理論とはどんな考え方か

最初に、資格の土台になっている選択理論について簡単に押さえておきます。日本選択理論心理学会は、選択理論を次のように説明しています。

アメリカの精神科医、ウィリアム・グラッサー医学博士が提唱した心理学の理論のひとつです。正式名称は「選択理論心理学」ですが、ただ単に「選択理論」と呼ぶ場合もあります。選択理論は、「人はなぜ、いかに行動するか?」という、人間の脳のシステム(働き)を説明した理論です。 出典: 日本選択理論心理学会 Q&A

学会の説明では、選択理論をカウンセリングに応用したものが「リアリティセラピー(現実療法)」、組織の運営に応用したものが「リードマネジメント」、学校教育に応用したものが「グラッサー・クオリティ・スクール」と位置づけられています。カウンセリング、マネジメント、夫婦や親子の関係、教育、福祉、自己啓発など、幅広い場面で使われている考え方です。

選択理論の特徴は、人の行動は外からの刺激で決まるのではなく、その人自身が選んでいる、と考えるところにあります。他人を変えようとするより、自分が選べる行動に目を向けるという発想は、人間関係の悩みを整理するときの手がかりになります。この考え方を体系的に学び、日常生活や仕事で実践していることを示すのが、選択理論心理士の資格です。

5つの基本的欲求という考え方

選択理論を学ぶと、最初に出てくるのが「5つの基本的欲求」という考え方です。グラッサー博士は、人には生まれつき、生存、愛と所属、力(認められたい、価値を感じたい)、自由、楽しみの5つの欲求があり、人の行動はこれらの欲求を満たそうとして選ばれている、と説明しました。日本リアリティセラピー協会も、5つの基本的欲求の強さと弱さを調べる調査票を紹介していて、自分や他人の欲求の強弱を知ることが人間関係に役立つと案内しています。

この考え方が仕事で役立つのは、相手の行動の背景を考える手がかりになるからです。たとえば、職場で意見を強く主張する人は「力」の欲求が強いのかもしれず、細かく指示されるのを嫌がる人は「自由」の欲求が強いのかもしれません。相手を「わがままな人」と決めつける代わりに、どの欲求を満たそうとしているのかを考えると、関わり方の選択肢が広がります。

自分自身についても同じです。仕事で疲れを感じるときに、どの欲求が満たされていないのかを考えると、休み方や働き方を見直すきっかけになります。選択理論心理士の審査では、こうした考え方を日常生活でどう実践しているかが問われるため、講座で学んだことを自分の生活に当てはめてみる習慣が、そのまま資格の準備になります。

資格を目指す前に試せる学び方

選択理論心理士は、取るまでに時間も費用もかかる資格です。いきなり講座に申し込む前に、自分に合う考え方かどうかを確かめる方法があります。日本選択理論心理学会は、選択理論心理学を学ぶ方法として次の4つを案内しています。

  1. 全国支部研究会への参加。全国で選択理論心理学の学びを行っている研究会で、学会の会員でなくても参加できます。
  2. WGI集中基礎講座の受講。日本リアリティセラピー協会が主催する、世界共通の正規のプログラムです。どこで受けても同じプログラムを修了したことになり、次の段階の講座に進めます。
  3. 選択理論ワンデーセミナーの受講。集中基礎講座を1日に集約した講座で、気軽に参加できます。ただし日本独自のもので、世界共通の正規プログラムではないため、ここから次の段階の講座へは進めません。
  4. 選択理論心理学に関する書籍を読む。学会のサイトでも参考書籍が紹介されています。

資格を目指すかどうか迷っている人は、まず書籍か支部研究会、ワンデーセミナーで考え方に触れ、続けて学びたいと感じたら集中基礎講座に進む、という順番が負担の少ない始め方です。ワンデーセミナーは次の段階に進めないことを知らずに受けると、あとで集中基礎講座を受け直すことになるため、資格を目指す人は最初から集中基礎講座を選ぶほうが効率的です。

選択理論心理士とはどんな資格か

日本選択理論心理学会は、次の3つの資格を認定しています。

  1. 現実療法認定カウンセラー
  2. 選択理論心理士(Choice Theory Certified:CTC)
  3. 准選択理論心理士(以前は「選択理論心理士補」という名称)

学会の資格認定制度の文書では、選択理論心理士について、選択理論を正しく理解していること、家庭や職場などの実生活で日常的に選択理論の体現に努めていること、周りの人々と良好な人間関係を築いていることが基準として挙げられています。さらに、選択理論心理学の啓発活動を重要な役割とし、心の健康を地域や社会全体で支える考え方(公衆衛生のモデル)に力を尽くすことが求められる、と説明されています。

大切なのは、学会自身が資格の性格をはっきり書いていることです。資格認定制度の文書には、この資格は現実療法のカウンセリング技術やカウンセリングの職を保障するものではないが、学会が認定したものとして履歴書や名刺に書くことができる、と記されています。また学会の資格のページでは、資格名を名刺やプロフィールに書けること、仕事としてカウンセリングをするときの心理・カウンセリングの資格として示すこともできることが案内されています。

つまり、選択理論心理士は「選択理論を一定の水準まで学び、実践していることの証明」であり、取ればすぐに仕事が得られる資格ではない、という位置づけです。この点を理解したうえで、取るかどうかを考えるのが出発点になります。

3つの資格の違い

学会の3つの資格は、求められる水準と役割が違います。資格認定制度の文書にある比較表をもとに整理します。

項目 准選択理論心理士 選択理論心理士 現実療法認定カウンセラー
集中上級講座の修了 必須 必須 必須
学会の正会員としての在籍 継続1年以上 継続2年以上 継続3年以上
コンサルタントとの契約・推薦 不要 必要 必要
審査の方法 書類審査 書類審査と面接審査 面接審査(ロールプレイを含む)
重視される点 選択理論の日常生活での適用 正確な知識と日常での実践 カウンセリングとロールプレイの技術

准選択理論心理士は、選択理論心理士に準じた位置づけで、書類審査だけで認定されます。選択理論心理士は、知識と日常での実践の質がより高く求められ、面接審査があります。現実療法認定カウンセラーは、カウンセラーとして個人で開業できる水準が求められ、カウンセリングとロールプレイの技術が厳しく審査されます。

カウンセリングを仕事にしたい人が最終的に目指すのは現実療法認定カウンセラー、選択理論を日常や職場で実践し、広める立場を目指す人は選択理論心理士、と考えると違いが分かりやすくなります。なお、学会の資格のページによると、選択理論を教える講師の資格は学会では認定しておらず、ウイリアム・グラッサー・インターナショナル(WGI)が世界共通の資格を認定しています。

取り方の全体像:講座の5つの段階

選択理論心理士の審査を受けるには、認定NPO法人日本リアリティセラピー協会が主催する集中上級講座を修了している必要があります。集中上級講座に進むまでには、次の段階を順に経ます。講座の内容は、講座を開催する事業者の案内で次のように説明されています。

リアリティセラピーの基礎的な学びをします。カウンセリング、選択理論、リアリティセラピーを使ったカウンセリングのやり方をロールプレイで実践的に学びます。定員は16名で、学習に要する時間は27時間で、3日間で行われます。 出典: アチーブメント 選択理論(リアリティセラピー)講座

段階を整理すると次のとおりです。

  1. 集中基礎講座:定員16名、27時間、3日間。選択理論とリアリティセラピーの基礎を、ロールプレイを交えて学びます。
  2. 基礎プラクティカム:集中基礎講座の修了者が参加できます。8人単位の臨床演習が12時間、残り18時間は担当のスーパーバイザーに書面などで事例を報告する形(間接スーパービジョン)で行われます。
  3. 集中中級講座:基礎プラクティカムの修了者が参加できます。定員16名、27時間、3日間で、より難しいロールプレイを行います。
  4. 上級プラクティカム:集中中級講座の修了者が参加できます。臨床演習が12時間、間接スーパービジョンが18時間です。
  5. 集中上級講座:トレーニングの最終段階で、10人で32時間、4日間で行われます。参加者全員が15分程度の発表を行い、高度なロールプレイが求められます。

これらの時間を合計すると、講座と演習だけで100時間を超えます。さらに間接スーパービジョンでは事例の報告を書く時間も必要です。日程は開催する講師や地域によって違うため、全部を終えるまでの期間は人によって変わりますが、数か月から年単位の計画になると考えておくのが現実的です。

学会への入会と在籍の条件

講座と並行して必要になるのが、日本選択理論心理学会への入会と在籍です。学会のQ&Aによると、入会の条件は集中基礎講座を受講していることだけで、講座の終了時に講師から推薦と入会申込書を受け取れます。

選択理論心理士の審査を受けるには、学会の正会員として継続2年以上在籍していることが条件です。資格認定制度の文書では、申請時点ではなく、2次審査(面接審査)の日の時点で継続2年以上の在籍でもよいとされています。准選択理論心理士は継続1年以上、現実療法認定カウンセラーは継続3年以上です。

学会のQ&Aで案内されている会費は、入会金が2,000円(入会時のみ)、年会費が6,000円です。初年度の年会費は入会する月によって変わり、7月から10月に入会すると合計8,000円、11月から2月なら合計5,000円、3月から6月なら翌年度の年会費を含めて合計9,000円と案内されています。家族に正会員がいて自動引き落としにすると、2人目以降の年会費が半額になる制度もあります。

この在籍の条件があるため、選択理論心理士を目指すなら、集中基礎講座を受けたら早めに入会しておくのが効率のよい進め方です。講座を全部終えてから入会すると、在籍年数を満たすまで審査を受けられない期間ができてしまいます。

資格更新ポイントをためる

選択理論心理士の審査を受けるもう1つの条件が、資格更新ポイントです。資格認定制度の文書では、更新ポイントの「Ⅰ群」から過去通算5ポイント以上を獲得していることが求められています(准選択理論心理士を持っている人は、取得後から3ポイント以上)。准選択理論心理士の審査では、Ⅰ群から通算3ポイント以上です。

Ⅰ群のポイントは、主に研修や研究会への参加でたまります。文書に示されている例は次のとおりです。

  • 学会主催の研修会・研究会への参加:半日(2時間以上)で0.5ポイント、全日(5時間以上)で1ポイント、複数日にわたるもので2ポイント
  • 学会の総会への参加:1回0.5ポイント
  • 日本リアリティセラピー協会主催の研修会への参加:半日で0.5ポイント、全日で1ポイント
  • 全国支部研究会への参加:1回0.5ポイント(上限あり)
  • 学会の年次大会への参加:1回2ポイント(Ⅰ群とⅡ群のどちらにも使える)

年次大会に1回参加すると2ポイント、全日の研修会に3回参加すると3ポイントで、合わせて5ポイントになります。地域の支部研究会に通う方法もあり、近くで開かれている研究会を見つけると、無理なくポイントをためられます。参加したときに配られる参加証明書は、申請のときに必要になるため、必ず保管しておきます。

審査の流れと費用

選択理論心理士の審査は、書類審査と面接審査の2段階です。資格認定制度の文書に書かれている流れを整理します。

  1. 申請:毎年3月1日から4月30日まで。郵送のみで、当日の消印が有効です。締め切りを過ぎた申請は受け付けられません。
  2. 提出書類:申請書(更新ポイントを証明するものを添付)と、A4で1,500〜2,000字程度のレポート。レポートには、選択理論をどんなことに活かしているかの生活実践の記録、知識・技術・日常の取り組みについての自己評価、資格をどう活かしたいかの今後のビジョンを書きます。
  3. 書類審査:5月初旬から6月上旬に行われます。
  4. 面接審査:提出書類についての質疑応答、20分程度のロールプレイ、選択理論心理学の理解度を見る質疑応答が行われます。質問は集中講座で学んだ内容や、グラッサー博士の著書から基礎的なものが出されます。
  5. 合否の通知:選択理論心理士は毎年10月下旬から11月下旬の予定とされています。

選択理論心理士の審査では、コンサルタントと契約を結び、総合的に学習したうえで推薦を得ることも条件です。コンサルタントは、日本リアリティセラピー協会が認定するインストラクターなどのうち、選択理論心理士の資格を持つ人で、コンサルティングは1回50分で5,000円と定められています。

審査にかかる費用は、文書では次のように定められています。

項目 選択理論心理士 准選択理論心理士
書類審査料 13,000円 5,000円
面接審査料 20,000円(書類審査の合格後に振り込み) なし
資格登録料 10,000円(合格後に振り込み) 10,000円(合格後に振り込み)

選択理論心理士の場合、審査料と登録料の合計は43,000円です。これに学会の会費、コンサルティングの費用、講座の受講料が加わります。講座の受講料は開催する講師やコースによって違うため、日本リアリティセラピー協会や講座の開催者の案内で確かめてください。なお、ここで紹介した金額と日程は、学会が公開している2020年4月26日付の資格認定制度の文書に基づくものです。申請する前に、学会の最新の諸規定で変更がないかを確かめることをおすすめします。

費用の全体像を見積もる

選択理論心理士を目指すときの費用を、学会の文書で確かめられる項目だけで見積もってみます。

  • 学会の入会金:2,000円
  • 学会の年会費:1年あたり6,000円。在籍2年以上が条件のため、少なくとも2年から3年分
  • コンサルティング:1回50分5,000円。回数はコンサルタントとの契約で決まる
  • 書類審査料:13,000円
  • 面接審査料:20,000円
  • 資格登録料:10,000円

たとえば、年会費3年分とコンサルティング4回を見込むと、入会金2,000円、年会費18,000円、コンサルティング20,000円、審査料と登録料43,000円で、合計83,000円になります。これに、集中基礎講座から集中上級講座までの5段階の受講料、年次大会や研修会の参加費、会場までの交通費が加わります。講座の受講料は開催者ごとに違うため、全体の費用は講座の案内を確かめてから計算してください。

費用対効果を考えるときは、資格を取ったあとに何に使うかを先に決めることが大切です。管理職として部下との関わり方を変えたい、教育の仕事で子どもとの関係づくりに使いたい、といった目的がはっきりしていれば、講座で学ぶ時間そのものが仕事の力になり、費用を回収しやすくなります。反対に、資格を取れば相談の仕事が入る、という期待だけで始めると、学会が書いているとおり職が保障されるわけではないため、期待とのずれが生まれやすくなります。

資格の更新

選択理論心理士は、一度取れば終わりの資格ではなく、更新が必要です。資格認定制度の文書では、資格の期限までに規定の更新ポイントを取り、更新の費用を振り込み、更新申請書を提出しないと、資格が失効すると定められています。

選択理論心理士の更新に必要なポイントは、Ⅰ群から12ポイント、Ⅱ群から4ポイントです。Ⅱ群は、ニュースレターへの記事の投稿、学会誌への論文の掲載、書籍の執筆や翻訳、年次大会での発表、支部研究会でのレクチャーなど、自分が発信する側に回る活動でためるポイントです。年次大会への参加はⅠ群とⅡ群のどちらにも使えます。

更新の条件から読み取れるのは、選択理論心理士が「学び続け、発信し続ける人」のための資格だということです。研修に参加し続けることに加えて、学んだことを人に伝える活動が求められます。資格を取ったあとの数年間の活動まで含めて計画すると、費用と時間の見通しが立てやすくなります。

公認心理師や他の心理系資格との違い

心理系の資格を調べている人がよく迷うのが、公認心理師との違いです。公認心理師は、公認心理師法に基づく国家資格で、試験に合格し登録を受けた人が、保健医療、福祉、教育などの分野で心理の専門職として働きます。公認心理師法第44条では、公認心理師でない人が「公認心理師」という名称を使うことや、名称の中に「心理師」という文字を使うことを禁じています。

選択理論心理士は、日本選択理論心理学会が認定する民間資格で、国家資格ではありません。名称に使われているのは「心理師」ではなく「心理士」です。資格名を名刺やプロフィールに書くときは、「日本選択理論心理学会認定 選択理論心理士」のように、認定団体の名前と正式名称を一緒に書くと、国家資格と取り違えられることを防げます。

このほか、心理系の資格には、学会や協会が認定する民間資格が多くあります。それぞれ、学ぶ理論や対象とする場面、求められる経歴が違います。選択理論心理士は、特定の理論(選択理論)を深く学び、日常生活での実践まで含めて評価される点が特徴です。医療機関で心理の専門職として働きたい場合は国家資格の公認心理師が必要になることが多く、目指す働き方によって選ぶ資格が変わります。

資格を仕事にどう活かすか

選択理論心理士の資格は、カウンセリングだけでなく、人と関わる多くの仕事で活かせます。学会が示す選択理論の応用範囲をもとに、具体的な場面を整理します。

  • 管理職やチームのリーダー:部下を叱って動かすのではなく、本人が自分で選んで行動できるよう関わる考え方は、リードマネジメントとして職場の運営に使われています。
  • 教育の仕事:教員や塾講師、学童の先生などが、子どもとの関係づくりに選択理論を使う例があります。学校教育への応用はグラッサー・クオリティ・スクールとして体系化されています。
  • 福祉や介護の仕事:利用者や家族との関係づくり、職員どうしの関係づくりに活かせます。
  • 営業や接客:相手を説得しようとするより、相手が望むものを理解して関係を築く考え方として役立ちます。
  • 家庭:夫婦や親子の関係で、相手を変えようとするのではなく、自分が選べる行動に目を向ける考え方は、日常の人間関係の悩みを整理する助けになります。

費用対効果の面から見ると、資格そのものが収入を直接上げるというより、人と関わる仕事の質を上げ、その結果として評価や依頼が増える、という形で効いてくる資格です。職場で後輩の指導を任される、チームの雰囲気が良くなって成果が上がる、顧客との関係が長続きするといった変化が、時間をかけて表れてきます。

選択理論心理士に向いている人

選択理論心理士に向いているのは、次のような人です。

  • 人間関係の悩みを、相手を変えるのではなく自分の選択から考えたい人
  • 職場や家庭、教育の場で、学んだことを毎日実践できる人
  • 研修や研究会に継続して参加し、学び続けることを楽しめる人
  • 学んだことを文章や発表で人に伝えることに関心がある人

反対に、短期間で資格を取りたい人や、試験に合格すればすぐに仕事につながる資格を探している人には合いにくい資格です。選択理論心理士は、講座の段階、在籍年数、ポイント、推薦と、時間をかけて条件を満たしていく仕組みになっています。その過程で自分の人間関係や働き方が変わっていくこと自体に価値を感じられる人ほど、資格を取ったあとも活かし続けられます。

カウンセリングを仕事にしたい人が知っておくこと

選択理論心理士を取って、カウンセリングを仕事にしたいと考える人もいるでしょう。その場合に知っておきたい点を挙げます。

1つ目は、学会自身が「カウンセリングの職を保障するものではない」と明記していることです。資格を取ったからといって、相談の依頼が自然に集まるわけではありません。自分で発信し、信頼を積み重ねて、相談したい人と出会う必要があります。

2つ目は、カウンセリングの技術を本格的に示したいなら、現実療法認定カウンセラーが上位の資格になることです。学会の基準では、現実療法認定カウンセラーは個人で開業できる水準が求められ、継続3年以上の在籍、3つの領域の事例についてのコンサルテーション、ロールプレイを含む面接審査が課されています。

3つ目は、医療との線引きです。心の不調が続いている人、眠れない、食べられないといった体の症状が出ている人の相談を受けたときは、医療機関や公的な相談窓口につなぐことが欠かせません。カウンセリングを仕事にするなら、自分が対応できる範囲と、専門の機関に任せるべき範囲を最初に決めておくことが、相談者と自分の両方を守ります。

在宅の仕事と組み合わせる

選択理論心理士の学びは、在宅でできる仕事とも組み合わせられます。たとえば、オンラインでの相談の仕事、人間関係やマネジメントに関する記事の執筆、研修資料の作成などです。

オンラインでの相談や講座を個人で行う場合は、予約の受付や支払いの仕組みを用意する必要があります。自分でサービスの申し込みページや予約の仕組みを作りたい人は、アプリケーション開発のお仕事で、どんな開発の仕事があり、どんな技術が使われているかを確認できます。自分で作るか、外部に頼むかを判断するときの材料になります。

記事や研修資料を作る仕事では、選択理論の用語をそのまま使うのではなく、初めて読む人に伝わる言葉に置き換える力が求められます。報告書や提案書など、文書の書き方を体系的に身につけたい人には、ビジネス文書検定が参考になります。書く仕事の実績の見せ方については、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、作品集に入れる記事の選び方をテンプレートで説明しています。

AIを使った業務の支援や、組織づくりの支援に関心がある人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事も参考になります。人と組織の関係を扱う選択理論の知識は、業務の仕組みを変える支援の仕事で、現場の人の受け止め方を考えるときに役立ちます。

取るまでの計画の立て方

最後に、選択理論心理士を取るまでの計画を、段階ごとに示します。

  1. 1年目:集中基礎講座を受け、学会に入会する。基礎プラクティカムに進み、地域の支部研究会や研修会に参加してポイントをため始める。
  2. 2年目:集中中級講座、上級プラクティカム、集中上級講座へと進む。年次大会に参加し、更新ポイントをⅠ群で5ポイント以上にする。コンサルタントと契約を結ぶ。
  3. 3年目の3月から4月:在籍年数とポイントの条件を確かめ、申請書とレポートを提出する。書類審査と面接審査を受ける。

講座の日程や自分の都合によって、期間はこれより長くなることも短くなることもあります。大切なのは、在籍年数、講座の修了、ポイント、コンサルタントの推薦という4つの条件を、並行して進めることです。どれか1つが欠けると、その年の申請ができず、1年待つことになります。

面接審査では、グラッサー博士の著書から基礎的な質問が出されることがあります。講座と並行して、学会のサイトで紹介されている参考書籍を少しずつ読み進めておくと、面接の準備にもなり、講座で学んだことの理解も深まります。

レポートには、選択理論を日常でどう活かしているかを書く必要があります。講座を受け始めた時点から、家庭や職場で選択理論を使った場面を記録しておくと、申請のときにレポートを書きやすくなります。

運営者として見てきた、学びを仕事に変える人の共通点

フリーランスと在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者の立場から見ると、心理やコミュニケーションの学びを仕事に結びつけている人には共通点があります。それは、資格名を前に出すより、学んだことで相手の困りごとがどう変わるかを具体的に示していることです。「選択理論心理士です」と名乗るより、「チームの話し合いの進め方を変えて、会議の時間を短くした」といった具体的な変化を話せる人のほうが、仕事を任されやすくなります。

もう1つは、長く続く人ほど、一度の仕事で終わらず「この人に頼むと安心」という関係を時間をかけて作っていることです。人間関係の理論を学んだ人がその考え方を自分の仕事の関係づくりにも使っていると、依頼主との関係も長続きします。仲介の手数料がかからない直接のやりとりでは、依頼主は同じ予算で頼める量が増え、受ける側は手取りが厚くなります。こうした関係は、誠実なやりとりで信頼を積んだ人ほど築きやすいと感じます。

専門知識が報酬にどう表れるかを知りたい人は、研究者の年収・単価相場のように、知識を扱う職種の相場データも参考になります。選択理論心理士を目指すなら、まず集中基礎講座の日程を確かめ、受講と同時に学会への入会を検討するところから始めてください。

よくある質問

Q. 選択理論心理士は国家資格ですか?

選択理論心理士は、日本選択理論心理学会が認定する民間資格で、国家資格ではありません。心理の国家資格は公認心理師で、公認心理師法により、公認心理師でない人は名称に「心理師」という文字を使えません。資格名を書くときは、認定団体の名前と正式名称を一緒に書くと、国家資格と取り違えられることを防げます。

Q. 選択理論心理士の受験資格は何ですか?

学会の資格認定制度では、学会の正会員として継続2年以上在籍していること、日本リアリティセラピー協会主催の集中上級講座を修了していること、更新ポイントのⅠ群から通算5ポイント以上を獲得していること、コンサルタントと契約して推薦を得ていることが条件です。申請は毎年3月1日から4月30日まで、郵送のみで受け付けられます。

Q. 選択理論心理士の審査にはいくらかかりますか?

学会の資格認定制度の文書では、書類審査料13,000円、面接審査料20,000円、資格登録料10,000円で、合計43,000円です。これに学会の入会金2,000円と年会費6,000円、1回5,000円のコンサルティング費用、講座の受講料が加わります。金額は変わることがあるため、申請前に学会の最新の諸規定を確かめてください。

Q. 准選択理論心理士との違いは何ですか?

准選択理論心理士は選択理論心理士に準じた資格で、学会の在籍は継続1年以上、更新ポイントはⅠ群から3ポイント以上、審査は書類審査だけです。選択理論心理士は在籍2年以上、ポイント5以上に加えてコンサルタントの推薦が必要で、ロールプレイを含む面接審査があります。書類審査料も准選択理論心理士は5,000円と低く設定されています。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月5日最終更新:2026年11月3日
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