実績ゼロで営業・人事コンサルに応募するとき、提案書の代わりに何を見せるか


この記事のポイント
- ✓営業・人事コンサルに実績ゼロで応募するとき
- ✓提案書の代わりに何を見せれば話が進むのか
- ✓公開情報で作れる成果物の作り方
まず、安心してください。営業・人事コンサルティングの案件に「コンサルタントとしての実績ゼロ」で応募して、実際に仕事を得ている方は普通にいます。皆さんが思っているほど、この業界は実績一辺倒ではありません。
ただし、条件があります。実績が無い状態で、実績があるふりをした提案書を出すと、まず通りません。発注する側は、書かれている内容の裏付けを見ています。裏付けの無い提案書は、読んだ瞬間に分かります。
では何を見せるのか。答えは、提案書ではなく「成果物そのもの」です。実績が語れないなら、いま作れるものを見せる。この切り替えができるかどうかで、結果が変わります。
私自身、43歳でメーカーを辞めてフリーランスになりました。辞めた時点で、社外に見せられる実績は何もありませんでした。技術文書を書き続けてきた経験はありましたが、それは社内文書であって外には出せません。手元に何も無い状態から始めるとき、何が武器になるのか。そのときに考えたことを、この記事に整理しています。
リスクも正直に書きます。実績ゼロの状態には、確実に不利な点があります。それを踏まえたうえで、何ができるかを見ていきましょう。
実績ゼロという言葉が、実は3つの状態を指している
最初に整理しておきたいことがあります。実績ゼロと言うとき、皆さんの状況は同じではありません。
1つ目は、コンサルティングの経験は無いが、事業会社での実務経験がある状態です。営業部門で働いてきた、人事部で採用を担当してきた、社内のシステム導入に関わってきた。この場合、実績ゼロではありません。「コンサルタントとしての受注実績がゼロ」なだけです。
2つ目は、実務経験も浅い状態です。社会人経験が短い、あるいは希望する領域とは別の職種で働いてきた。この場合は、見せられる材料を自分で作る必要があります。
3つ目は、ブランクがある状態です。以前は現場にいたが、しばらく離れている。この場合、経験そのものはあるので、現在の知識を更新していることを示すのが課題になります。
どの状態にいるかで、打つ手が変わります。自分がどれに近いかを考えながら読み進めてください。
事業会社の経験は、そのまま材料になる
1つ目に当てはまる方が最も多いはずです。この場合、実は材料は揃っています。使い方を知らないだけです。
営業部門で働いた経験があれば、営業がうまくいかない理由を現場の解像度で知っています。人事部にいた方は、制度が現場で機能しない理由を体感しています。これは、外部から入るコンサルタントが最も欲しがる情報です。
問題は、この経験を「うちの会社ではこうでした」という個別の話としてしか語れないことです。個別の話を、他社にも当てはまる形に翻訳する。この作業をすれば、経験は実績に近い説得力を持ちます。
営業経験から人事コンサルティングの領域に移った方の経歴を見ると、この構造がよく分かります。
名前:小島さん(仮名) 年齢:29歳 学歴:有名私立大 法学部卒 職歴:大手金融機関(営業)&某人材広告系企業(法人営業)⇒組織人事制度系ファーム(コンサルタント) 出典: hc-movin.com
営業畑からコンサルティングへ移る道は、実際に存在します。コンサルティングの実績が最初から必要だったわけではありません。前の職種で何を見てきたかが、次の入口になっています。
提案書の代わりに見せるもの、5種類
ここが本題です。実績が無い状態で、何を作って見せるのか。実際に効果があるものを5つ挙げます。
1 公開情報だけで作る現状分析レポート
応募したい企業、あるいは同じ業界の企業について、公開されている情報だけで現状分析を作ります。
材料は揃っています。採用ページに載っている募集職種と人数、プレスリリース、決算情報が公開されていれば売上の推移、口コミサイトに書かれている社内の様子。これらを組み合わせると、そこそこの精度で仮説が立ちます。
「採用ページを見ると、営業職の募集が3年続いています。募集要項の文面がほぼ変わっていないことから、定着に課題がある可能性があります」。こうした観察は、内部情報が無くてもできます。
大事なのは、断定しないことです。「課題があります」ではなく「可能性があります」と書く。そのうえで、「実際にはどうでしょうか」と問いを添える。これで、押しつけがましさが消えます。
分量はA4で3枚もあれば十分です。むしろ長いほうが読まれません。
2 業務フローの図解サンプル
営業プロセスや採用プロセスを図に起こしたものです。実在の企業のものでなくても構いません。一般的な流れを整理した図で十分です。
なぜこれが効くのか。コンサルティングの仕事の相当部分は、複雑な現実を整理して見える形にすることだからです。図を作れるということは、整理ができるということの証明になります。
作り方は難しくありません。営業であれば、リード獲得から初回接触、ヒアリング、提案、見積、受注、納品、フォローまでを並べます。各工程で、誰が何を判断するのか、どの情報がどこに記録されるのかを書き加えます。これだけで、実務が分かっている人が作った図だと伝わります。
3 テンプレートや帳票のひな型
実際に使える道具を作って見せる方法です。採用の面接評価シート、営業の商談記録フォーマット、案件の進捗管理表、業務の引き継ぎ書。
これらは、多くの企業で整備されていません。整備されていないから、属人的になり、うまくいかない。ひな型を持っている人は、それだけで価値があります。
注意点があります。ネット上にあるものをそのまま使うのは避けてください。自分の実務経験から「この項目が無いと後で困る」という判断を入れる。その判断こそが、見せたい中身です。
4 学習と検証の記録
資格の勉強、書籍から学んだ内容の整理、実際に手を動かして試したことの記録です。
これは実績としては弱いのですが、意欲と継続力の証明になります。特に、独学で何かを身につけた記録は、後の案件でも「自分で調べて進められる人だ」という判断材料になります。
私自身、フリーランスになる前に、書いた文章を人に読んでもらって直すという作業を延々と繰り返しました。最初は自分の書いたものの何が悪いのか分からず、赤字が入るたびに落ち込みました。それでも記録を残していたので、半年後に見返したときに変化が確認できた。この記録があったことが、後で仕事を得るときに効きました。
5 小さく実行した結果
規模は小さくてよいので、実際に何かを実行した結果があると強いです。
知人の会社の採用文面を書き直した、地域の団体の業務手順を整理した、副業として受けた小さな作業を改善した。金額も期間も問いません。「実際にやった」という事実そのものに意味があります。
無償で引き受けるべきかどうかは、意見が分かれるところです。私の考えを正直に言うと、最初の1件だけは低価格でも受ける価値があります。ただし無償は避けてください。無償で受けると、相手の期待値の管理ができず、際限なく要求が広がることがあります。低額でも金銭のやり取りがあると、範囲の線が引けます。
成果物を作るときの具体的な手順
見せるものを5種類挙げましたが、実際に作ろうとすると手が止まる方が多いはずです。作り方の手順も書いておきます。
素材はどこから集めるか
現状分析レポートを作る場合、素材はすべて公開情報から集められます。
まず、対象企業のコーポレートサイトを一通り読みます。事業内容、沿革、拠点、従業員数。次に採用ページを見ます。募集している職種、人数、求める経験、給与レンジ。これが最も情報量の多いページです。次にプレスリリースを時系列で並べます。何に投資しているか、どの事業を伸ばそうとしているかが見えてきます。
業界全体の動向を押さえるなら、官公庁が公開している統計が使えます。産業分野の動向であれば経済産業省、雇用や労働に関する統計であれば厚生労働省の公表資料が基礎になります。中小企業の経営環境に触れるなら中小企業庁の資料も参考になります。出典を明記して引用すれば、レポートの信頼性が上がります。
ここで大事なのは、集めた情報をそのまま並べないことです。並べただけの資料は、調べただけの人が作ったものに見えます。情報と情報をつなげて、何が言えるかを1行で書く。この作業が、コンサルティングの入口そのものです。
1本目にかける時間の目安
最初の1本は、時間をかけて構いません。10時間から15時間かかっても問題ありません。型ができれば、2本目以降は3時間程度で作れるようになります。
逆に、最初から効率を求めて手を抜くと、型ができません。型ができないと、毎回ゼロから考えることになり、結局のところ遅くなります。最初の投資だと考えてください。
見直しの観点を持つ
作ったものは、必ず時間を置いてから読み返します。その際の観点を挙げておきます。
断定しすぎていないか。内部情報を知らずに書いている以上、断定は危険です。問いの形にできるところは問いにします。
読み手が誰か分かっているか。人事部長が読むのか、営業部長が読むのか、経営者が読むのかで、書くべき粒度が変わります。
そして、1枚目だけで趣旨が伝わるか。最初のページで何を言いたいのかが分からない資料は、その先を読まれません。
面談で聞かれることと、答え方
書類が通ると、面談があります。実績が無い状態で必ず聞かれることが、いくつかあります。
実績が無いことをどう説明するか
「コンサルティングのご経験はありますか」と聞かれます。ここで言い訳をすると、印象が悪くなります。
正しい答え方は、事実を先に言って、代わりに何ができるかを続ける形です。「外部コンサルタントとしての受注実績はありません。ただ、営業部門の中で同種の課題を扱ってきましたので、その内容と、今回の御社について公開情報から整理したものをお持ちしました」。
これで話が前に進みます。無いものを取り繕うより、あるものを差し出すほうが速い。皆さんが思っている以上に、発注する側はこの姿勢を見ています。
相手の課題を聞き返す
面談を自分のアピールの場だと考えると、うまくいきません。相手の課題を聞く場だと考えてください。
聞くべきことは決まっています。いま何に困っているのか。それはいつから起きているのか。社内で試したことと、その結果はどうだったか。誰がこの件を判断するのか。
特に3つ目が重要です。過去に試したことを知らずに提案すると、「それはもうやりました」で終わります。実績の有無に関係なく、これが最も多い失点です。
そして、聞いた内容はその場で言い換えて返します。「つまり、制度そのものより、運用する管理職の側が使いこなせていないということですね」。この確認ができる人は、実績が無くても実務が分かっていると判断されます。
稼働条件を正直に伝える
副業として受ける場合、平日日中に動けないことは最初に伝えます。伏せたまま契約すると、必ず対応できない場面が来ます。
伝えることで断られる案件はあります。ですが、伏せて受けて途中で破綻するほうが、失うものは大きい。実績が無い段階では、1件目の評判が次を左右します。無理をして評判を落とすのは、最も避けたい展開です。
あわせて、就業規則の副業条項と、本業との利益相反も確認しておいてください。営業・人事コンサルティングは本業と業界が重なりやすい領域です。判断に迷うときは、社内の人事窓口か外部の専門家に相談するのが確実です。
応募書類はどう組み立てるか
材料が揃ったら、次は見せ方です。
職務経歴書は、職務ではなく課題で書く
一般的な職務経歴書は、所属した部署と担当業務を時系列で書きます。コンサルティング領域に応募するときは、この形だと弱くなります。
代わりに、扱った課題を軸に書き直します。「営業部で3年、法人営業を担当」ではなく、「営業部において、新規顧客の初回訪問から見積提出までの歩留まりが低い状態を扱った」と書く。そのうえで、何をどう調べ、何を変え、何が起きたかを続けます。
結果が出なかった取り組みも書いて構いません。むしろ、うまくいかなかった理由を分析できている人のほうが信頼されます。全部うまくいったという経歴書は、逆に読み手を警戒させます。
応募時の文面は、短く具体的に
長い自己紹介は読まれません。応募時のメッセージは、次の3点で構成します。
何ができるか。なぜその案件に関心を持ったか。添付した資料は何か。この3点だけです。分量は300字程度に収めます。
そして、必ず成果物を添付します。文章で「できます」と主張するより、現物を1つ添えたほうが早い。実績ゼロの状態では、これが最も効きます。
見せてはいけないもの
逆に、避けるべき見せ方もあります。
架空の実績を書くこと。これは論外です。契約後に発覚すると、単なる信頼の問題では済みません。
もう1つは、資格の羅列だけの応募です。資格は補助材料であって、それ自体が仕事の証明にはなりません。ただし、文書作成やITの基礎を体系的に押さえていることを示す用途では有効です。文書の型を整えたい方には、ビジネス文書検定の学習範囲が実務に直結します。DX領域に関わりたい方であれば、CCNA(シスコ技術者認定)のようにネットワークの基礎を証明できる資格が、技術の話についていける根拠になります。
3つ目は、他社の提案書をそのまま流用することです。見る人が見れば分かりますし、内容の背景を質問されたときに答えられません。
最初の案件をどう取るか
書類が整ったら、実際に応募していきます。ここで現実的な話をします。
いきなり大きな案件を狙わない
実績ゼロの状態で、制度全体の設計を任される案件に応募しても、通る確率は低いままです。時間の使い方として効率が悪い。
狙うべきは、範囲が限定された案件です。資料作成、調査、データ整理、既存資料のレビュー。こうした業務は成果物が明確で、発注する側のリスクも小さいため、実績が浅くても任せてもらえます。
そして、この種の案件を丁寧にこなすと、次の依頼が広がります。最初から広い範囲を任される必要はありません。入口の1件をどう取るかだけを考えてください。
どのような依頼があるのかを具体的に知りたい方は、営業・人事・DXコンサルティングのお仕事に業務の種類がまとまっています。より入口として入りやすい業務を探すのであれば、営業代行・アポ・販促資料作成のお仕事のほうが、成果物が明確で最初の1件にしやすい傾向があります。技術寄りの支援に関心がある方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事も見ておくとよいでしょう。
応募数を確保する
実績がある方に比べて、通る確率は下がります。これは事実として受け止めるべきです。
対処は単純で、応募数を増やすことです。ただし、同じ文面を大量に送るのは逆効果になります。成果物の使い回しは構いませんが、なぜその案件に応募するのかの部分だけは、毎回書き直してください。ここが定型文だと、読み手にはすぐ分かります。
営業活動そのものの進め方に不安がある方は、フリーランスの営業方法7選|安定して案件を獲得する戦略とテクニック【2026年版】に、案件獲得の手順が体系的に整理されています。分野を問わず使える考え方が多く含まれています。
報酬の目安を持っておく
最初の案件で、相場を大きく下回る金額を提示してしまう方がいます。気持ちは分かりますが、これは後から効いてきます。一度決めた金額は上げにくいからです。
営業領域の報酬水準を確かめておきたい方には、金融営業職業従事者の年収・単価相場が物差しになります。営業職の中でも水準が高い領域のデータが職種別に整理されているので、自分の提示額が市場から極端に外れていないかを判断できます。
単価をどう上げていくかの考え方については、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が参考になります。職種は違いますが、実績を積みながら段階的に条件を上げていく手順の考え方は共通しています。
実績ゼロの期間に、やっておくと後で効くこと
最初の案件が決まるまでの期間の使い方についても書いておきます。この期間をどう過ごすかで、その後の速度が変わります。
記録の型を先に作る
案件が始まってから記録の形式を考えると、必ず後回しになります。始まる前に作っておいてください。
必要なのは3つです。案件ごとの記録、時間の記録、そして請求の記録です。案件の記録には、着手前の状態、やったこと、起きた変化、うまくいかなかったことを書きます。この記録が、次の応募のときの材料になります。
時間の記録は、自分の実質時給を知るために必要です。実績ゼロの段階では、想定の何倍も時間がかかります。それ自体は問題ありませんが、把握していないと、次の見積もりを間違えます。
業界の言葉に慣れておく
応募する領域で使われている用語には、慣れておいたほうがよいです。等級制度、職務記述書、歩留まり、パイプライン、リードタイム。用語そのものは調べれば分かりますが、どういう文脈で使われるかは、実際の文章を読まないと身につきません。
やり方は簡単です。応募したい領域の求人票を30件ほど読みます。何が求められているか、どういう言葉で書かれているかが見えてきます。求人票は、その業界が何を課題だと思っているかの一覧でもあります。
1件目が決まったときの動き方を決めておく
案件が決まってから慌てる方が多いので、先に準備しておくことを挙げます。
契約書の確認です。業務範囲、納品物、報酬額、支払期日、中途解約の条件。この5点が書かれているかを見ます。書かれていなければ、追記を求めます。実績が無いからといって、条件の確認を遠慮する必要はありません。むしろ、確認できる人のほうが安心されます。
請求書の形式も、始まる前に作っておきます。作業が終わってから慌てて作ると、必ず抜けが出ます。振込先、支払期日、消費税の扱いを含めた形を一度作れば、以後は使い回せます。報酬を受け取る以上、税務上の手続きも発生します。給与以外の所得の申告については、国税庁の案内で、その年の要件を確認してください。
そして、初回の打ち合わせで何を聞くかを、あらかじめメモにしておきます。緊張していると聞き漏らします。紙に書いておけば、抜けません。
断られることに慣れておく
これは技術ではなく心構えの話です。実績ゼロの期間は、断られる回数が多くなります。
私の場合、フリーランスになった当初、応募しても返事が来ないことが続きました。返事が来ないというのは、断られるより堪えます。ただ、これは自分の人格が否定されているわけではなく、条件が合わなかっただけです。頭では分かっていても、続くとこたえます。
対処として効いたのは、応募したこと自体を記録して、件数を可視化することでした。通らなかった件数ではなく、動いた件数を数える。小さな話ですが、続けるためには意外に重要です。
3か月後の自分に何が残るかで判断する
応募がうまくいかない時期は、何をやっても無駄に思えてきます。そういうときの判断基準を1つ持っておくと楽になります。
「3か月後に手元に何が残るか」で考えてください。応募を10件出しても、通らなければ何も残りません。ですが、成果物を1本作れば、通らなくても資料が1本残ります。次の応募でそのまま使えます。
だから、応募と作成を並行させます。作ったものを持って応募する。断られたら、その理由を1つだけ聞いて、次の資料に反映する。この循環ができると、時間が積み上がります。実績ゼロの期間を「何も無い期間」にするか「材料を作った期間」にするかは、この使い方で決まります。
動画編集など他の職種でも、営業のやり方は共通する部分があります。動画編集者の営業方法5選|案件を安定して獲得するコツ【2026年版】には、実績が浅い段階での見せ方や、継続受注につなげる考え方が整理されています。職種が違っても、応用できる部分は多くあります。
実績が無い人が選ばれる場面についての考察
在宅ワークやフリーランスの市場を20年運営してきた立場から、実際に見えていることを書いておきます。
発注する側は、必ずしも実績豊富な人だけを求めているわけではありません。むしろ、依頼した内容がそのまま返ってくること、連絡が読みやすいこと、決まっていないことを決まっていないと書いてくれることを重視する発注者が非常に多い。実績は判断材料の1つに過ぎず、決め手になっているとは限りません。
長く続いている方に共通しているのは、単発の作業を安く速くこなすことではなく、「この人に任せると自分の手間が減る」という状態を相手の中に作っていることです。これは実績の量とは無関係に、最初の1件目から実行できます。
報酬の構造についても触れておきます。仲介事業者を経由する取引では、報酬から一定割合が手数料として差し引かれるのが一般的です。中間マージンが乗らない直接取引であれば、同じ予算でも発注側はより多く依頼でき、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%という条件の意味は、金額の大小そのものではなく、実績が浅い段階でも受け取れる対価の密度が変わるという点にあります。最初の数件で消耗しにくくなるという意味で、始めたばかりの方にとっては特に効いてきます。
実績ゼロという状態は、通過点です。皆さんが今日作った資料は、来月には材料になります。提案書で語れないなら、作ったものを見せればいい。それだけの話です。焦らず、1つずつ手元に増やしていきましょう。
よくある質問
Q. 実績ゼロで営業・人事コンサルの案件に応募しても通りますか?
通る場合があります。ただし、実績があるふりをした提案書では通りません。公開情報だけで作った現状分析、業務フローの図解、面接評価シートなどのひな型、学習の記録といった成果物を実際に作って添付する方法が有効です。範囲が限定された案件から狙うのが現実的です。
Q. 事業会社での経験しかない場合、何を強みにすればよいですか?
営業部門や人事部門での経験は、現場で何が機能しないかを体感している点が強みになります。ただし「うちの会社ではこうでした」という個別の話のままでは伝わりません。他社にも当てはまる形に翻訳し、扱った課題を軸に職務経歴書を書き直してください。
Q. 最初の案件は無償で受けるべきですか?
無償は避けたほうがよいと考えます。無償だと相手の期待値の管理ができず、依頼範囲が際限なく広がることがあるためです。低額であっても金銭のやり取りがあれば、業務範囲の線が引けます。相場を大きく下回る金額は後から上げにくいので、目安を持ってから提示してください。
Q. 応募書類には何を添付すればよいですか?
職務経歴書に加えて、成果物を1つ添付してください。公開情報で作った現状分析レポートはA4で3枚程度、業務フローの図解、実際に使えるテンプレートなどが有効です。応募文は300字程度に収め、何ができるか、なぜその案件か、添付は何かの3点だけを書きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
前田 壮一@SOHO編集部
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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