弁理士の講師・講座の仕事

長谷川 奈津
長谷川 奈津
弁理士の講師・講座の仕事

この記事のポイント

  • 弁理士が教える側に回る仕事を整理しました
  • 個人指導という4つの市場ごとに
  • そして広告規制や守秘義務の注意点まで解説します

弁理士として実務を続けていると、人に説明する場面が積み上がっていきます。発明者に制度を説明する、依頼者に手続の流れを伝える、後輩に明細書の書き方を教える。この蓄積を、そのまま仕事に換える道が「教える」という選択です。「弁理士 講師 副業」と検索する方の多くは、その道が本当にあるのか、そして自分に務まるのかを確かめようとしています。

結論を先に書きます。教える仕事は4つの市場に分かれていて、それぞれ求められるものも報酬の決まり方もまったく違います。同じ「講師」という言葉で語られていますが、資格予備校の講師と企業研修の講師では、準備の内容も、必要な力も別物です。この記事では、市場ごとに分けて、始め方と値付けを整理していきます。

教える仕事は4つに分かれる

まず全体像から。弁理士が教える側に回るとき、行き先は次の4つです。

ひとつめは、資格試験の予備校です。弁理士試験の対策講座で、講義の収録、テキストの作成、受講生からの質問対応を担当します。

ふたつめは、企業向けの研修です。事業会社の開発部門や知財部門に向けて、権利の基礎、他社権利の調べ方、発明提案書の書き方などを教えます。

みっつめは、オンライン講座です。動画教材を作って販売する形と、単発のセミナーをオンラインで開く形があります。

よっつめは、個人指導です。受験生の学習支援、実務に入ったばかりの人へのメンタリング、企業の担当者への個別レクチャーなど。

この4つは、必要な準備の量がまったく違います。順に見ていきます。

株式会社アガルートは「アガルートアカデミー」のブランド名で、各種資格試験、検定試験等のオンライン講座(通信講座)を展開しております。 あなたには弁理士試験対策講座の講師として、商品企画、テキスト作成、講義の収録、受講相談等の業務をご担当いただきます。 担当スタッフがフォローしながら作業を進めるため、未経験者でも安心して働くことができます。 出典: agaroot.jp

引用にある通り、予備校の講師の仕事は、教壇に立つことだけではありません。商品企画、テキスト作成、収録、受講相談。この4つが業務として並んでいます。つまり、話す力だけでなく、教材を組み立てる力が求められる仕事です。

資格予備校の講師という仕事

予備校の講師は、教える仕事の中で最も体系だった形です。同時に、準備の負担が最も大きい形でもあります。

仕事の中身を分解すると、講義の収録が中心にあり、その前段にテキストの作成、その後段に受講生の質問対応が続きます。収録時間1時間あたりの準備時間は、初年度で5時間から10時間を見ておく必要があります。テキストをゼロから作る場合はさらに増えます。2年目以降は既存の教材を改訂する形になるので、負担は大きく下がります。

つまり、この仕事は初年度が最も重く、続けるほど楽になる構造です。単年で判断すると割に合わないと感じますが、3年続ける前提で考えると印象が変わります。

報酬の形は、収録時間あたりの単価、教材作成の一式、受講相談の時間単価に分かれるのが一般的です。契約前に、どの作業がどの報酬に含まれるのかを確認してください。とくに受講生からの質問対応は、件数が読めないため、時間単価か件数単位で決めておかないと想定外の負担になります。

未経験でも始められる募集が出ている点も、この市場の特徴です。教える技術は、担当スタッフの支援を受けながら身につけていく形が用意されています。ただし、教える内容そのものは自分の理解の深さに依存します。条文の趣旨を自分の言葉で説明できるかどうかが、受講生の評価を分けます。

例えば予備校の講師や大学の非常勤講師をすることで、人に教える能力がアップしますので、本業で後輩への教えかたに自信がつきます。本業に役立つ経験を積めることが副業の魅力です。 出典: legal-job-board.com

教える経験が本業に戻ってくる、という視点です。これは実感として正しいと思います。人に説明するために自分の理解を整理し直す過程で、曖昧なまま使っていた概念が明確になります。制度の趣旨に立ち返る機会が増えるので、実務の判断にも精度が出ます。

企業研修は「誰に教えるか」で中身が変わる

企業研修は、報酬の水準が高い代わりに、設計の力が問われる市場です。

まず押さえるべきは、受講者が誰かによって、教えるべき内容がまったく違うという点です。

開発部門の技術者に向けた研修では、自分の成果をどう権利にするかが主題になります。発明提案書の書き方、他社の権利を調べる手順、公開のタイミングと出願の関係。手を動かす演習を入れると理解が定着します。

営業部門に向けた研修では、他社の権利に触れないための注意と、自社の権利をどう説明するかが中心になります。展示会での情報の扱い、カタログの表示、顧客への説明で言ってよいことと言ってはいけないこと。実際に起きやすい場面を題材にすると響きます。

管理職や経営層に向けた研修では、投資判断の話になります。出願にいくらかかり、何が守れて、何が守れないのか。権利を取らない選択が合理的な場面はどこか。ここでは細かい手続の説明は不要で、判断の枠組みだけを渡します。

新入社員向けの研修は、基礎の徹底です。特許、実用新案、意匠、商標の違い。他人の権利を侵害するとどうなるか。ここは毎年実施されるので、継続の依頼になりやすい枠です。

研修時間は90分から180分が中心で、報酬は1回あたり50,000円から200,000円の帯が多く見られます。資料作成が別途見積もりになる場合と、報酬に含まれる場合があるので、ここも事前確認が必要です。初回は資料をゼロから作るため15時間ほどかかりますが、2社目以降は同じ資料を土台にできます。

企業向けの支援という点では、知財のコンサルティングとも地続きの領域です。研修から入って継続的な相談に発展する流れは実際にあり、その道筋は弁理士の知財コンサル副業|スタートアップ支援の需要【2026年版】にまとまっています。研修は、その入口として機能します。

オンライン講座の作り方と値付け

自分で講座を作って売る形は、最も自由度が高く、最も難しい市場です。難しさは内容ではなく、集客にあります。

形は2つに分かれます。単発のオンラインセミナーと、録画した動画講座です。

単発セミナーは、準備が軽く、始めやすい形です。90分のセミナーを、参加費3,000円から10,000円で開く。参加者が10人集まれば、準備時間を含めても割に合う水準になります。同じ内容を数回繰り返せば、準備の負担は回を追うごとに下がります。

録画講座は、作るまでが重く、売れ始めると手離れがよい形です。3時間の講座を作るのに、構成、資料作成、収録、編集を合わせて40時間前後かかります。この投資を回収できるかは、集客できるかどうかで決まります。既に発信の基盤がある人でなければ、いきなりここから入るのは勧められません。

値付けの考え方を整理します。教える仕事の価格は、こちらがかけた時間ではなく、受講者が得るものの大きさで決まります。企業が研修に払う金額が高いのは、受講者が業務で使う知識を得るからです。個人向けの講座が安くなりやすいのは、支払う原資が個人の財布だからです。したがって、同じ内容でも、対象を法人にするか個人にするかで価格は10倍変わります。副業として効率よく回したいなら、法人向けから設計するのが合理的です。

集客の経路は、記事の執筆、SNSでの発信、既存の人脈、そして業務委託のマッチングサービスです。講師や指導の案件がどのように募集されているかはITコンサルティング・講師のお仕事で確認でき、専門知識を教える形の仕事がどんな粒度で発注されるかを掴む材料になります。キャリア相談や指導系の案件はキャリア・副業・人生相談のお仕事にも集まっています。

個人指導とメンタリング

もっとも小さく始められる形が、個人指導です。

対象は3つに分かれます。弁理士試験の受験生、実務に入ったばかりの人、企業で知財を任されたばかりの担当者です。

受験生への指導は、答案の添削と学習計画の相談が中心になります。時間単価は5,000円から15,000円あたり。継続的な関係になるため、月額での契約になることもあります。

実務に入った人へのメンタリングは、明細書の書き方や中間処理の考え方を、実際の案件を離れた形で教えます。ここで注意が必要なのは、具体的な案件の内容を持ち込ませないことです。相手の守秘義務にも、こちらの守秘義務にも関わります。教材は抽象化した事例で用意してください。

企業の担当者への個別レクチャーは、研修の縮小版です。1対1で60分、月1回という形で契約すると、双方にとって負担が軽くなります。

個人指導は、準備が少なく始められる代わりに、収入の上限がはっきりしています。時間を売る仕組みなので、増やすには時間を増やすしかありません。副業の入口としては優れていますが、これだけで大きくしていくのは難しい形です。

最初の1回をどう作るか

教える仕事は、実績が無いと依頼が来ません。その最初の1回をどう作るかで、多くの方が止まります。順序を整理します。

現実的なのは、既にある場に乗ることです。所属している会や支部が実施する研修、地域の商工会議所や産業支援センターの相談会や講習、大学や高専の知財教育、業界団体の勉強会。これらは講師を探していることが多く、報酬は高くない代わりに、登壇の実績になります。実績が1つあると、次の依頼で説明できる材料ができます。

もうひとつの入口は、自分で小さく開くことです。オンラインで60分の無料セミナーを開き、知り合いに声をかけて5人集める。参加者から率直な感想をもらい、資料と話し方を直す。この試行を3回繰り返すだけで、有料で開ける水準に届きます。いきなり有料で始めて評価が伸びないより、無料で改善を回すほうが結果的に早くなります。

初回に完璧を求めないでください。教える技術は、回数でしか上がりません。資料の分量が多すぎた、想定より基礎的な質問が多かった、時間配分が崩れた。こうした失敗は、最初の数回で必ず起きます。起きたことを記録して、次に直す。この繰り返しが、そのまま講師としての実力になります。

資料と話し方の設計

内容が良くても、伝わらなければ評価されません。設計の要点を4つ挙げます。

第1に、時間配分を先に決めてください。90分の研修なら、導入に10分、本論を3つのブロックに分けて各20分、質疑に20分。この骨格を先に置いてから中身を詰めると、時間が足りなくなる事故が減ります。専門家の講義で最も多い失敗が、前半を丁寧に話しすぎて後半を駆け足で終える形です。

第2に、1枚のスライドに詰め込まないでください。条文をそのまま貼った資料は、受講者が読むことに集中してしまい、話が耳に入らなくなります。スライドには要点だけを置き、詳細は配布資料に回す。この分離が効きます。

第3に、具体例を先に出してください。制度の説明から入ると、受講者は自分に関係のある話だと認識できません。「展示会でパンフレットを配った後に出願しようとして、間に合わなかった例があります」という具体から入り、そこから制度の説明につなげると、理解の入り口ができます。

第4に、質疑の時間を必ず確保してください。研修の価値は、受講者が自分の状況に引きつけて考えた瞬間に生まれます。その瞬間は、たいてい質疑で起きます。時間が押しても、質疑を削らない設計にしてください。

教える前に、自分の知識を棚卸しする

どの市場に行くにしても、最初にやるべき作業は共通しています。自分が教えられる内容を書き出すことです。

やり方は単純です。実務で説明したことがある内容を、思いつく限り書き出してください。発明者に説明したこと、依頼者に伝えたこと、後輩に教えたこと。それを、対象者ごとに分類します。技術者向け、経営者向け、初心者向け、受験生向け。

書き出すと、自分の強みがどこにあるかが見えてきます。たとえば、中小企業の経営者に制度の費用対効果を説明した経験が多い人は、経営層向けの研修に強みがあります。若手の指導経験が長い人は、実務メンタリングに向いています。

この棚卸しをせずに「講師をやります」と売り込むと、相手は何を頼めるか分かりません。教える仕事の依頼は、扱えるテーマが具体的に見えて初めて発生します。

もうひとつ、教材の再利用を前提に設計してください。1回きりのために資料を作ると、時間単価が上がりません。基礎部分は共通の資料にし、対象によって差し替える部分だけを作り分ける。この構造を最初に作っておくと、2件目以降の準備時間が半分以下になります。

本業と両立させるための時間の置き方

教える仕事は、本番の時間が固定されるという特徴があります。書面を作る仕事のように、自分の都合で夜中に進めるということができません。ここを設計しないと、本業と衝突します。

企業研修は、平日の日中に実施されることがほとんどです。半日を空ける必要があるため、本業がある方は有給休暇を使うか、実施日を土曜に交渉することになります。年に4回程度なら調整できても、月に2回は難しい。受注量の上限は、この制約で決まります。

予備校の講義収録は、スタジオでの収録なら日程調整が必要ですが、自宅からの収録に対応している場合は融通が利きます。契約前に、収録の方法と場所を確認してください。ここが在宅で完結するかどうかで、続けやすさが大きく変わります。

オンラインセミナーと個人指導は、平日の夜や土日に設定できるため、最も両立しやすい形です。副業として始めるなら、この2つから入り、企業研修は年数回の枠で受けるという組み方が現実的です。

準備の時間も忘れずに見積もってください。本番90分の研修に対して、初回は準備が15時間。この時間をどこから出すかを決めてから受注してください。準備を後回しにして直前に慌てる形を繰り返すと、質が落ち、継続の依頼が来なくなります。

気をつけるべき3つの規律

教える仕事には、書面を作る仕事とは違う注意点があります。

ひとつめは、守秘義務です。実例を使うと講義は分かりやすくなりますが、実際に扱った案件の内容は使えません。複数の事例を組み合わせ、業種も規模も変えて、特定できない形に加工してください。「ある製造業の会社で」という書き出しでも、業界の人が聞けば特定できてしまう場合があります。加工の程度は、慎重すぎるくらいでちょうどよいと考えてください。

ふたつめは、業務範囲です。研修や講義の中で、受講者から個別の相談が出ることがよくあります。「うちの案件なんですが」と始まった時点で、それは講義ではなく相談です。その場で答えるのではなく、別途の相談として扱う旨を伝えてください。また、内容が契約や紛争に関わる場合、関わる法令は弁理士法だけではありません。行政書士法や弁護士法の規律が及ぶ領域に入る可能性があります。判断がつかない場合は日本弁理士会に照会し、必要であれば他の専門家との連携に切り替えてください。他士業の業務範囲を把握しておく意味では、行政書士の資格ガイドで扱われている業務内容に目を通しておくと線の位置が掴みやすくなります。

みっつめは、広告や表示に関する規律です。講座を宣伝する際に、成果を約束するような表現は避けてください。「必ず合格できる」「確実に権利が取れる」といった表現は、景品表示法の観点からも問題になり得ます。実績を示す場合は、根拠となる数字の出どころを説明できる状態にしておく必要があります。

教える市場そのものが広がっている

需要の側にも触れておきます。知財を教えてほしいという要望は、この数年で対象が広がりました。

かつては、研修を発注するのは大企業の知財部門が中心でした。今は、知財部門を持たない中小企業、創業間もない会社、大学の研究室、そして個人でものづくりや創作をしている層まで、対象が下りてきています。理由は、オンラインで物を売ることが当たり前になり、権利の問題に直面する人が増えたからです。模倣品を見つけた、逆に指摘を受けた、名前が使えなくなった。こうした経験をした後に、教育の必要性が認識されます。

もうひとつ、生成AIをめぐる関心の高まりがあります。学習データの扱い、生成物の権利の帰属、既存の権利との関係。企業の担当者も、創作をしている個人も、判断の基準を求めています。この領域は議論が動いている最中で、正確に説明できる人が不足しています。関連する分野の仕事の広がりはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事でも確認でき、技術と権利の両方に関わる依頼がどう発生しているかを掴めます。

教える対象が広がったということは、話す内容の水準も分かれたということです。同じ「知財の研修」でも、大企業の知財部門向けと、個人の作り手向けでは、必要な言葉が違います。自分がどの層に向けて話すのが得意かを見極めることが、この市場では特に重要になっています。

契約と請求で確認しておくこと

教える仕事は、口頭の依頼で始まることが少なくありません。「今度うちで話してもらえませんか」という一言から動き出します。だからこそ、書面で確認する項目を決めておいてください。

確認するのは6つです。実施日時と所要時間。受講者の人数と属性。資料の作成が報酬に含まれるか。資料の著作権が誰に帰属するか。録画の可否と、録画された内容の二次利用の範囲。そして中止や延期になった場合の扱いです。

とくに資料の著作権と録画の扱いは、後から問題になりやすい箇所です。研修資料を企業側が社内で自由に使い回せる契約になっているのか、その研修限りなのか。録画を社内の教育用に繰り返し使うのか、外部にも公開するのか。ここを決めずに進めると、自分が作った教材が想定外の範囲で使われることになります。二次利用を認める場合は、その分の対価を別に設定するのが通常です。

中止の扱いも決めておいてください。準備を終えた段階で中止になると、投じた時間が丸ごと消えます。実施日の何日前までなら無償で中止できるか、それ以降は報酬の何割を請求できるかを、あらかじめ合意しておきます。

請求と税務の面では、報酬から源泉徴収される場合があることも押さえておいてください。個人が講演や指導の対価を受け取る場合、支払者が所得税を源泉徴収する扱いになることがあります。年間の所得が一定額を超えれば確定申告が必要です。制度の詳細は国税庁の案内で確認してください。

教える仕事が続く人に共通すること

在宅ワークとフリーランスの市場を20年見てきた立場から、観察をひとつ書きます。

教える仕事を続けている人は、話がうまい人ではありません。相手が何を分かっていないかを、正確に把握できる人です。専門家が教えるときに最も起きやすい失敗は、自分にとって自明なことを飛ばしてしまうことです。受講者はそこでつまずいているのに、講師は先に進んでしまう。この断絶が起きると、内容の質に関係なく評価は下がります。

対策は単純で、講義の途中に確認を挟むことです。「ここまでで、分かりにくかったところはありますか」と聞く。オンラインなら、チャットに書いてもらう形でも構いません。この一手間を入れる人と入れない人では、受講後の評価が明確に分かれます。

もうひとつ、報酬の構造の話です。仲介の入る取引では、報酬から手数料が引かれます。20%の手数料がかかる場で1回100,000円の研修を年6回受けると、120,000円が手数料に消えます。手数料0%で直接やり取りできる場であれば、同じ予算を持つ依頼者はより多くの回数を頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。教える仕事は1件あたりの金額が大きいぶん、この差が効いてきます。

そして、教える仕事には、収入以外の効果があります。名前が受講者の記憶に残ることです。研修を受けた企業の担当者が、数年後に出願の相談を持ってくる。受験生だった人が、合格後に一緒に仕事をする相手になる。この種の巡り合わせは、実際によく起きます。独立を視野に入れている方にとって、教える仕事は将来の関係を作る場所でもあります。

同じように資格を活かして指導や相談の側に回る道は、他の士業でも広がっています。キャリアコンサルタント資格の活かし方|副業・独立ガイド【2026年版】マンション管理士の副業|管理組合のコンサルティング【2026年版】を見ると、専門知識を教える形に変換する設計の共通点が分かります。値付けの考え方や集客の経路は、資格が違っても応用が効きます。

最後に、始める順序をまとめておきます。まず自分が説明してきた内容を棚卸しし、対象者ごとに分類する。次に、既にある場に乗って登壇の実績を1つ作る。そこで得た手応えをもとに、オンラインの単発セミナーか個人指導で有料の形を試す。手応えが出たら、企業研修や予備校の講師といった単価の高い市場に売り込む。この順で進めれば、大きな投資をせずに始められます。逆に、最初から録画講座の制作に何十時間も投じるのは、集客の基盤ができていない段階では勧められません。

教えることは、自分の理解を確かめる作業でもあります。説明できない箇所は、理解が足りていない箇所です。副業として収入になるだけでなく、本業の精度も上がる。この二重の効果があるからこそ、教える仕事は長く続けられる形になります。

よくある質問

Q. 講師の経験がなくても、予備校の講師になれますか?

未経験者を対象とした募集も出ています。講義の収録に加えてテキスト作成や受講相談が業務に含まれ、担当スタッフの支援を受けながら進める形が用意されている場合があります。ただし教える内容の理解は自分に依存するため、条文の趣旨を自分の言葉で説明できるかが評価を分けます。準備時間は初年度が最も重くなります。

Q. 企業研修の報酬はどのくらいが目安ですか?

研修時間90分から180分で、1回あたり50,000円から200,000円の帯が多く見られます。資料作成が報酬に含まれるかは契約により異なるため、事前に確認してください。初回は資料をゼロから作るため15時間ほどかかりますが、2社目以降は同じ資料を土台にできるので時間単価は上がります。

Q. 講義の中で実際に扱った案件を例に出してもよいですか?

守秘義務があるため、そのままでは使えません。複数の事例を組み合わせ、業種や規模を変えて特定できない形まで加工してください。業界の人が聞けば分かってしまう程度の加工では不十分です。抽象化した事例を教材として用意しておくと、毎回の講義で安心して使えます。

Q. 講座の宣伝で実績や成果を書いてもよいですか?

成果を約束する表現は避けてください。「必ず合格できる」「確実に権利が取れる」といった表現は景品表示法の観点からも問題になり得ます。実績の数字を示す場合は、その出どころを説明できる状態にしておく必要があります。表現に迷う場合は、断定を避けて事実の記述にとどめるのが安全です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月20日最終更新:2026年8月27日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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