在宅校正の学習教材の選び方と、仕事を受けるまでの勉強の順番

@SOHO編集部
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在宅校正の学習教材の選び方と、仕事を受けるまでの勉強の順番

この記事のポイント

  • ✓在宅で校正の仕事を受けたい人に向けて
  • ✓学習教材の種類と選び方
  • ✓通信講座のカリキュラムに沿った勉強の順番

在宅で校正の仕事を受けるには、文章を読むのが好きというだけでは足りず、校正記号の使い方、原稿と校正刷りの照らし合わせ方、表記の決まりといった、校正ならではの技術を身につける必要があります。その技術を学ぶための教材は、書籍、通信講座、検定の対策、表記の手引きなど多くの種類があり、何から手を付ければよいか迷いやすいところです。

この記事では、在宅校正を目指す人に向けて、学習教材の種類と選び方、学ぶ順番、検定の扱い、仕事を受けるまでの準備を順に整理します。校正の専門の学校である日本エディタースクールの公開している講座の内容や、文化審議会の表記の手引き、2026年10月時点の求人サイトの募集を参照しています。在宅の仕事としてよく見かける、学習教材そのものの校正の仕事にも触れます。

校正の仕事で求められる力

学習教材を選ぶ前に、校正の仕事で何が求められるのかを整理しておきます。何を学ぶ必要があるかがわかれば、教材を選ぶ目安ができるからです。

校正とは、印刷物やウェブの文章を、元の原稿と照らし合わせたり、文章そのものを読んだりして、誤りや不統一を見つけて直す指示を入れる仕事のことです。似た言葉に校閲がありますが、校閲は書かれている事実や内容が正しいかを調べる仕事を指すことが多く、校正より踏み込んだ確認をします。

校正の仕事で求められる力を整理すると、次のようになります。

力 中身
校正記号を使う力 直す箇所に、決まった記号で指示を書き入れる
照らし合わせる力 原稿と校正刷りを1字ずつ比べ、違いを見つける(原稿引き合わせ)
読んで見つける力 原稿なしで文章だけを読み、誤字や不自然な表現を見つける(素読み)
表記を揃える力 漢字とかなの使い分け、送り仮名、数字の書き方を決まりに沿って揃える
組み方を見る力 文字の大きさ、行の長さ、行頭や行末の決まりなど、紙面の体裁を確かめる
調べる力 固有名詞や用語の正しい表記を辞書や公式の資料で確かめる

このうち、独学で身につけにくいのが、校正記号の使い方と、原稿引き合わせの手順です。仕事では、決まった記号で、誰が見ても誤解のない指示を書き入れることが求められます。自己流の書き方では、仕事として通用しません。教材を選ぶときは、こうした実務の手順をきちんと学べるかどうかを基準にするとよいでしょう。

学習教材の種類と特徴

校正を学ぶための教材は、大きく分けて次の5つがあります。

教材の種類 向いている人 長所 短所
校正の入門書 まず全体をつかみたい人 安く始められる 実習と添削がない
通信講座 在宅で体系的に学びたい人 実習課題と添削がある 費用と期間がかかる
通学の講座 時間を確保できる人 講師に直接質問できる 通える場所と時間が限られる
表記の手引きや辞典 表記の決まりを確かめたい人 仕事でもずっと使える 読むだけでは技術は身につかない
検定の問題集 検定を受けたい人 実力を測れる 基礎がないと解けない

入門書は、校正という仕事の全体像をつかむのに向いています。校正記号の一覧や、校正の手順、よくある誤りの例が載っていて、数千円程度で手に入ります。ただ、読むだけでは、実際の校正刷りに記号を書き入れる練習ができず、自分の指示が正しいかを確かめることもできません。

通信講座は、テキストに加えて、実際の校正刷りを使った実習課題があり、提出すると添削を受けられるのが大きな特徴です。自宅で学べるので、在宅の仕事を目指す人に選ばれています。

表記の手引きや辞典は、学ぶための教材であると同時に、仕事を始めてからも使い続ける道具です。早い段階で手元に置き、使い慣れておくと、学習も仕事もはかどります。

通信講座のカリキュラムに見る、学ぶ順番

何から学べばよいか迷ったときは、専門の学校の講座がどの順番で教えているかを参考にするのが近道です。日本エディタースクールの通信講座 校正コースは、受講期間8か月(延長期間4か月)で、次の順番で学ぶ内容が公開されています。

月 学ぶ内容
第1月 校正記号の使い方、校正の順序と方法
第2月 原稿整理と製作の知識、指定の見方と原稿引き合わせ
第3月 文字の計り方と組体裁の点検
第4月 縦組の原稿引き合わせと赤字引き合わせ、素読み実習
第5月 漢字と仮名遣いの知識、デジタル入稿の知識
第6月 用字・用語の知識、縦組の総合実習
第7月 横組の校正記号と組方ルール、原稿引き合わせ
第8月 数式・化学式・単位記号と索引の原稿引き合わせ

この順番から読み取れるのは、まず校正記号と手順という道具の使い方を覚え、次に原稿と照らし合わせる練習を重ね、そのあとで漢字や用字用語の知識、縦組と横組の違い、数式や単位記号のような専門的な扱いへと広げていく流れです。

独学で進める場合も、この順番を参考にすると、遠回りを避けられます。いきなり難しい表記の知識から入るより、校正記号と照らし合わせの手順を先に身につけるほうが、実際の仕事に近い形で学べます。

なお、このコースを修了すると、同校の校正技能検定〈初級〉が認定され、〈中級〉試験の受験資格が得られると案内されています。学費は申し込み後に送られるメールで案内される形で、公式ページには金額が書かれていません。

段階1 校正記号と校正の手順を覚える

最初に取り組みたいのが、校正記号と校正の手順です。

校正記号とは、文字を直す、入れる、取る、入れ替える、行を改める、といった指示を、誰が見ても同じ意味に読めるように決めた記号のことです。日本では、印刷の校正記号の決まりが日本産業規格(JIS)として定められていて、出版や印刷の現場ではこれをもとにした記号が使われています。

覚え方のこつは、記号の一覧を眺めるのではなく、実際に手を動かすことです。入門書や講座のテキストにある練習問題の校正刷りに、赤いペンで記号を書き入れてみます。書き入れたら、正解の例と見比べ、記号の形、引き出し線の引き方、書き入れる位置が合っているかを確かめます。

校正の手順も、この段階で身につけます。一般的な手順は次のとおりです。

  1. 原稿と校正刷りをそろえ、指定書(文字の大きさや組み方の指示)を確かめる
  2. 原稿と校正刷りを1字ずつ照らし合わせ、違いに記号で指示を入れる
  3. 原稿なしで校正刷りを読み、誤字や不自然な表現、表記の不統一を見つける
  4. 体裁(行頭や行末の決まり、見出しの位置、ページ番号など)を確かめる
  5. 疑問のある箇所は、直す指示ではなく、問い合わせの形で書き入れる

5の疑問の扱いは、初心者が見落としやすい点です。校正者は、明らかな誤りは直しますが、書き手の意図かもしれない表現を勝手に直すことはしません。疑問に思った点は、鉛筆で「ママでよいか」「表記を揃えるか」などと問いかける形で残すのが基本です。

段階2 原稿引き合わせと素読みの練習を重ねる

校正記号と手順を覚えたら、実際の文章を使って、照らし合わせと素読みの練習を重ねます。

原稿引き合わせとは、元の原稿と校正刷りを並べ、1字ずつ比べて違いを見つける作業です。人の目は、文章の意味を読み取ろうとすると、細かい違いを見落とします。意味を追うのではなく、文字の形を追うように比べるのがこつです。原稿と校正刷りの同じ行に定規を当てて、指で追いながら比べる人もいます。

素読みとは、原稿なしで校正刷りだけを読み、誤字、脱字、表記の揺れ、意味の通らない部分を見つける作業です。ここでは逆に、文章の意味を理解しながら読む力が求められます。

練習の素材は、通信講座なら実習課題として届きます。独学の場合は、入門書の練習問題に加えて、自分で練習の素材を作る方法もあります。たとえば、新聞や公的機関の発表文を書き写し、わざと誤りを入れたものを家族や友人に作ってもらい、それを見つける練習です。ただし、他人の文章を使う場合は、練習のためだけに使い、人に配ったり公開したりしないようにします。

練習を重ねるうちに、自分が見落としやすい誤りの傾向が見えてきます。数字の桁の誤り、似た漢字の取り違え、助詞の抜け、繰り返し記号の誤りなど、見落とした誤りを記録しておくと、次から意識して確かめられるようになります。

段階3 表記の決まりを身につける

照らし合わせの練習と並行して進めたいのが、表記の決まりの学習です。

表記の決まりとは、漢字で書くかかなで書くか、送り仮名をどう付けるか、数字や記号をどう書くか、といった書き方のルールのことです。日本語には、同じ言葉を複数の書き方で書けることが多く、1つの文章の中で書き方が揺れていると、読み手に不統一な印象を与えます。

表記の決まりを学ぶうえで頼りになるのが、公的な手引きです。文化審議会が令和4年1月に建議した「公用文作成の考え方」は、役所の文書の書き方の手引きですが、漢字の使い方、送り仮名、数字の書き方、句読点など、表記の考え方がまとまっています。文化庁の公用文作成の考え方(PDF)として公開されていて、無料で読めます。手引きの前書きには、作成の経緯が次のように書かれています。

文化審議会は、これからの時代にふさわしい公用文作成の手引とするために「公用文作成の考え方」をここに示すこととした。 出典: 文化庁

出版や報道の分野では、新聞社や通信社がそれぞれ表記の手引きを出していて、校正の仕事でも参考にされます。依頼する会社が、どの手引きに沿って表記を揃えているかを指定することも多いので、主な手引きの考え方の違いを知っておくと、仕事で戸惑いません。

表記の学習で大切なのは、決まりを丸暗記することではなく、迷ったときにどこを見れば答えがわかるかを知っておくことです。国語辞典、漢字辞典、表記の手引きを手元にそろえ、迷ったら必ず引く習慣をつけましょう。

段階4 検定で実力を確かめる

ある程度学んだら、検定で実力を確かめる方法があります。校正の分野で知られているのが、日本エディタースクールが1966年から実施している校正技能検定です。

校正技能検定は、初級、中級、上級に分かれています。2026年9月30日時点の公式の案内によると、試験の実施は次のとおりです。

級 実施 受験の条件
初級 同校の所定の講座の修了で認定 講座の修了
中級 年2回(夏・冬)。第177回は2026年12月13日 同校の所定の校正講座の修了者、各種教育機関で一定の実技訓練を受けた人、または校正の実務経験者など
上級 年1回(春)。2027年3月の予定 中級の合格者のみ

中級の受験料は8,800円です。試験は東京会場と関西会場で行われ、各会場とも定員に達し次第、受け付けを終えると案内されています。

注意したいのは、中級の受験には条件があり、誰でも受けられるわけではない点です。独学だけで学んでいる人は、受験の条件に当てはまるかを、試験要項で確かめてから準備を始めましょう。

検定に合格しなければ校正の仕事ができないわけではありません。在宅の校正の仕事では、検定の合否より、仕事を頼む会社のトライアル(試験)の結果で判断されることが多くあります。ただ、出版の実務の経験がない人にとって、検定の合格は、身につけた技術を示す材料になります。同校の案内にも、実務未経験では入りづらい出版界への足がかりとして活用されていると書かれています。

日本語の表記や語彙の力を測る検定として、日本語検定を受ける人もいます。校正の技術そのものを測る検定ではありませんが、表記や敬語、語彙の知識を確かめる機会になります。

段階5 画面上での校正に慣れる

在宅の校正の仕事では、紙に赤字を入れる形だけでなく、画面上で校正する形が増えています。学習の仕上げとして、画面上の校正にも慣れておきましょう。

画面上の校正には、主に次の2つの形があります。

形 やり方 よく使われる場面
PDFへの注釈 校正刷りのPDFに、注釈の機能で修正の指示や疑問を書き入れる 書籍、雑誌、パンフレット、教材
文章作成ソフトの変更履歴 変更履歴を残す設定にして文章を直し、コメントで疑問を伝える ウェブの記事、報告書、マニュアル

PDFへの注釈では、紙の校正記号をそのまま使うのではなく、取り消し線や挿入の印、コメントの吹き出しなど、ソフトの機能を使って指示を入れます。どの機能で何を表すかは、依頼する会社の決まりに従います。紙の校正記号の意味を理解していれば、画面上の指示にも置き換えやすくなります。

文章作成ソフトの変更履歴を使う形では、直した箇所が色分けされて残り、依頼する側が1つずつ受け入れるか元に戻すかを選べます。ウェブの記事の校正では、この形が多く使われています。

画面上の校正で気をつけたいのは、紙より見落としが起きやすいことです。画面をスクロールしながら読むと、行を飛ばしたり、同じ行を2回読んだりしがちです。表示を拡大する、1行ずつ定規の代わりになる機能を使う、最後に印刷して読み直すなど、見落としを防ぐ工夫を自分なりに持っておくと安心です。

学習にかかる費用の目安

学習にかかる費用は、どの教材を選ぶかで大きく変わります。公式に確かめられる金額と、一般的な目安を整理します。

項目 費用の目安
校正の入門書 1冊あたり数千円
国語辞典、漢字辞典、表記の手引き 1冊あたり数千円
公用文作成の考え方 無料(文化庁のサイトで公開)
通信講座 講座によって異なる(日本エディタースクールの校正コースは申し込み後にメールで案内)
校正技能検定〈中級〉の受験料 8,800円
赤と青のペン、定規など 数百円から千円程度
PDFに注釈を入れられるソフト 無料のものから有料のものまで

最初からすべてをそろえる必要はありません。入門書と辞書、無料で読める公的な手引きから始め、校正の仕事を続けたいと思えたら、通信講座や検定に進むという順番なら、費用をかけすぎずに済みます。

通信講座の費用は、教育訓練給付制度の対象になる講座なら、条件を満たす人は一部の支給を受けられることがあります。申し込む前に、講座の案内と厚生労働省の情報で確かめておきましょう。

8か月の学習計画の例

通信講座を使わずに独学で進める場合も、期間を区切って計画を立てると、学習が途切れにくくなります。先に紹介した講座のカリキュラムを参考に、独学の計画の例を示します。

時期 取り組むこと
1か月目 入門書を通読し、校正記号を書く練習を毎日続ける
2か月目から3か月目 練習問題で原稿引き合わせを重ねる。見落とした誤りを記録する
4か月目 素読みの練習。新聞や公的機関の文章を校正の目で読む
5か月目 公用文作成の考え方を読み、漢字とかなの使い分け、送り仮名を学ぶ
6か月目 縦組と横組の両方の練習。数字や記号の扱いを確かめる
7か月目 PDFへの注釈と変更履歴を使った校正の練習
8か月目 問題集で実力を確かめ、在宅の校正の募集に応募する

1日の学習時間は、平日30分から1時間、週末に2時間ほどを目安にすると、仕事や家事と両立しながら続けられます。大切なのは、毎日少しでも手を動かすことです。

教材を選ぶときの5つの基準

ここまでの内容をふまえて、学習教材を選ぶときの基準を5つにまとめます。

1. 実習と添削があるか

校正は手を動かして覚える技術です。読むだけの教材より、実際の校正刷りに記号を書き入れる実習があり、それを確かめてもらえる教材のほうが、仕事に近い力が身につきます。

2. 学ぶ順番が示されているか

校正記号から始まり、照らし合わせ、表記、組み方へと段階を追って学べる教材は、迷わずに進められます。先に紹介した通信講座のカリキュラムのように、月ごとの内容が示されているかを確かめましょう。

3. 縦組と横組の両方を扱っているか

書籍や新聞は縦組、ウェブや教材、報告書は横組が多く、記号の書き方や組み方の決まりが違う部分があります。在宅の仕事では、ウェブの文章や教材など横組の仕事も多いので、両方を扱う教材を選ぶと仕事の幅が広がります。

4. デジタルの校正を扱っているか

最近は、紙に赤字を入れるだけでなく、PDFに注釈を書き入れる校正や、文章作成ソフトの変更履歴を使う校正も増えています。在宅の仕事では特に多い形なので、デジタル入稿や画面上の校正に触れている教材だと、実務に入りやすくなります。

5. 費用と期間が自分に合うか

通信講座は、数か月から1年ほどの期間がかかり、費用も入門書よりかなり高くなります。学ぶ時間をどのくらい確保できるか、費用をどこまでかけられるかを考え、無理なく続けられるものを選びます。講座によっては、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象になっていることもあります。雇用保険に一定期間加入していた人は、受講費用の一部の支給を受けられる場合があるので、申し込む前に対象かどうかを確かめておくとよいでしょう。

学習教材そのものを校正する在宅の仕事

「在宅校正」と「学習教材」という言葉の組み合わせで調べると、学習教材そのものを校正する仕事の募集も多く見つかります。塾や通信教育、教材の出版社、資格の学校が、問題集やテキスト、模擬試験の問題を作る過程で、校正をする人を必要としているためです。

2026年10月時点の求人ボックスには、次のような募集が出ていました。

【仕事内容】週1日から2日在宅あり 定時まで テキストの校正など! 【経験・資格】未経験者歓迎! 校正の経験がある方&オンラインMTGなどの経験がある方歓迎。 出典: 求人ボックス

同じ時期の募集を見ると、教材の校正や制作の補助で時給1,600円から1,850円ほどの派遣の募集や、高校の教材の執筆と校正を業務委託で受ける募集がありました。事務所への通勤と在宅を組み合わせる形の募集も多く、完全な在宅の仕事は、経験者向けの業務委託が中心です。

学習教材の校正には、一般の校正にはない特徴があります。

・問題と解答、解説の内容が合っているかを確かめる
・学年や対象に合った漢字や用語が使われているかを確かめる
・図や表と本文の数字が合っているかを確かめる
・教科書や学習指導要領の用語と揃っているかを確かめる

このため、教えた経験がある人や、特定の教科に詳しい人は、強みを生かせます。英語、数学、理科など、教科の知識がある人は、その教科の教材の校正の募集を探すと、未経験でも採用される可能性が高まります。

仕事を受けるまでの準備

学習を進めながら、仕事を受けるための準備も並行して進めます。

準備 中身
作業の環境 パソコン、PDFに注釈を入れられるソフト、赤と青のペン、定規、辞書
実績の記録 講座の修了、検定の合格、練習で取り組んだ校正の種類
得意な分野の整理 自分が詳しい分野(教育、医療、IT、金融など)
作業の速さの把握 1時間に何ページ、何文字を確かめられるか
応募先の候補 編集プロダクション、教材の出版社、校正の専門の会社、求人サイト

特に大切なのが、作業の速さの把握です。在宅の校正の報酬は、ページ数や文字数ごとに決まることが多く、自分がどのくらいの速さで作業できるかがわからないと、仕事を受けたときに時間あたりの収入がいくらになるかを見積もれません。練習の段階から、作業にかかった時間を記録しておきましょう。

応募すると、多くの場合トライアルがあります。実際の仕事に近い校正刷りを校正して提出し、その結果で採用が決まります。トライアルでは、誤りを見つける力だけでなく、指示の書き方が正確で読みやすいか、疑問の出し方が適切かも見られます。

在宅で校正の仕事を受けたあとの1日の例

学習を終えて在宅で校正の仕事を受けるようになると、どのような1日になるのでしょうか。子育てをしながら、業務委託で教材やパンフレットの校正を受ける場合の例を示します。

時間 内容
9時から9時30分 メールを確かめ、届いた校正刷りと指示書、納期を確認する
9時30分から11時30分 集中できる時間に、原稿引き合わせを進める
11時30分から12時30分 昼食と休憩。目を休める
12時30分から14時30分 素読みと表記の確認。疑問点を一覧にする
14時30分から15時 固有名詞や用語を辞書や公式の資料で確かめる
15時以降 家事や子どもの迎え。夜に見直しをして納品

校正は集中力を使う仕事なので、1日に作業できる時間には限りがあります。疲れた状態で作業を続けると、見落としが増え、かえって手戻りが多くなります。集中できる時間帯に、照らし合わせのような細かい作業を割り当て、疲れてきたら調べものや見直しに切り替えるなど、作業の種類で時間を組み立てると効率が上がります。

納品の前には、必ず時間をおいてから見直すことをおすすめします。作業した直後は、自分が入れた指示の誤りに気づきにくいものです。少し休んでから見直すと、見落としや指示の書き間違いに気づけます。

独学と講座、どちらを選ぶか

費用をかけずに独学で進めるか、講座を受けるかは、多くの人が迷うところです。それぞれに向いている人を整理します。

独学が向いているのは、出版や編集、文章を扱う仕事の経験がすでにあり、校正記号や表記の基本をある程度知っている人です。入門書と表記の手引きで知識を補い、問題集で実力を確かめながら、トライアルに挑むことができます。

講座が向いているのは、校正の経験がまったくない人や、自分の指示が正しいかを確かめてもらいたい人です。校正記号の書き方や疑問の出し方は、自分だけでは正しいかどうかを判断しにくく、添削を受けることで早く身につきます。中級の検定を受けたい人にとっても、講座の修了が受験の条件になる道があります。

迷う場合は、まず入門書で校正記号と手順をひととおり学び、校正の仕事が自分に合うかを確かめてから講座を検討する、という順番もあります。数千円の入門書で手応えを感じてから、数か月の講座に進めば、費用と時間を無駄にしにくくなります。

学習を続けるためのこつ

校正の学習は、短期間で終わるものではありません。続けるためのこつをいくつか挙げます。

1つ目は、毎日少しずつ手を動かすことです。1日15分でも、校正刷りに記号を書き入れる練習を続けると、記号を書く手が自然に動くようになります。

2つ目は、身の回りの文章を校正の目で読むことです。広告、商品の説明書き、駅の掲示など、身近な文章には意外に誤りや表記の揺れがあります。見つけたら、頭の中でどう直すかを考えるだけでも練習になります。

3つ目は、辞書を引く手間を惜しまないことです。わかっているつもりの言葉ほど、辞書を引くと意外な使い分けがあることに気づきます。この積み重ねが、仕事での判断の確かさにつながります。

翻訳の仕事でも同じですが、言葉を扱う仕事では、知っていることより、知らないことに気づけることのほうが大切です。少しでも引っかかった言葉を調べる習慣が、見落としを防ぎます。

校正の学びをその先につなげる

校正の学習で身につく力は、校正の仕事だけでなく、文章に関わるさまざまな仕事に生かせます。

文章を書く仕事をしている人にとって、校正の知識は、自分の原稿の質を上げる力になります。書く仕事の単価を上げていく道筋は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで詳しく解説しています。

会社の文書や報告書を正確に整える力を体系的に学びたい人は、ビジネス文書検定の内容も参考になります。ビジネスの文書の決まりを知っておくと、企業から依頼される校正の仕事でも役立ちます。

教材や資料の紙面づくりに関心が広がった人は、デザインの仕事との関わりも見えてきます。校正の現場では、デザイナーが組んだ紙面を確かめる場面が多く、組み方の決まりを理解している校正者は、デザイナーとのやりとりもスムーズです。デザインの仕事の収入の目安は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

運営者の視点から見た、在宅の言葉の仕事が長く続く人

フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言えば、校正のような在宅の言葉の仕事が長く続く人ほど、単発の作業ではなく「この人に任せると楽」という関係づくりに時間を使っています。指示が読みやすい、疑問の出し方が丁寧、納期を守る。こうした積み重ねが、同じ編集者や会社からの指名につながり、条件の良い仕事を選べる立場を作っています。

もう1つ、現場で繰り返し見てきたのは、間に入る仲介の費用が少ないほど、依頼する側も受ける側も得をするという構造です。中間の手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算で依頼する側はより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%で直接取引できる場は、校正のように1ページ、1文字の単価の積み重ねで収入が決まる仕事と相性が良いと感じています。文章の確認にAIを取り入れたい会社の手伝いなど、言葉の仕事の幅を広げたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事も参考にしてください。

よくある質問

Q. 在宅校正を学ぶには、どの教材から始めればよいですか?

まずは校正の入門書で、校正記号と校正の手順をひととおり学ぶのがおすすめです。数千円で始められ、校正の仕事が自分に合うかを確かめられます。そのうえで、実習と添削がある通信講座に進むと、記号の書き方や疑問の出し方を正しく身につけられます。国語辞典や表記の手引きも早めに手元に置きましょう。

Q. 校正技能検定は誰でも受けられますか?

日本エディタースクールの校正技能検定の中級は、同校の所定の校正講座の修了者、各種教育機関で一定の実技訓練を受けた人、校正の実務経験者などが受験できます。受験料は8,800円です。上級は中級の合格者のみが受けられます。独学の人は、受験の条件に当てはまるかを試験要項で確かめてから準備しましょう。

Q. 校正の勉強はどの順番で進めればよいですか?

校正記号と校正の手順を最初に覚え、次に原稿と校正刷りの照らし合わせと素読みの練習を重ね、そのあとで漢字や送り仮名、用字用語などの表記の決まり、縦組と横組の違い、数式や単位記号の扱いへと広げていく順番が、専門の学校の講座でも採られています。手を動かす練習を先にするのがこつです。

Q. 学習教材の校正の仕事は未経験でもできますか?

教材の校正の募集には未経験歓迎のものもありますが、事務所への通勤と在宅を組み合わせる形が多く、完全な在宅は経験者向けの業務委託が中心です。問題と解答の整合や、学年に合った漢字や用語の確認が求められるため、教えた経験や教科の知識がある人は強みを生かせます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月18日最終更新:2026年10月12日
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