後回し癖がついた仕事を片づける段取りと、溜めないための習慣


この記事のポイント
- ✓後回し癖で溜まってしまった仕事を片づける段取りを
- ✓片づける順番の決め方まで順に解説します
- ✓小さな依頼や事務が溜まる理由
返事をしようと思っていたメール、出し忘れている書類、頼まれていた小さな確認。1つひとつはすぐ終わるはずなのに、後回しにしているうちに数が増え、どれから手をつければよいか分からなくなる。後回し癖に悩む人の多くは、この「溜まってしまった状態」に困っています。
溜まった仕事は、気合いで一気に片づけようとすると、たいてい途中で息切れします。必要なのは、まず全体を棚卸しして、相手に連絡すべきものから順に片づける段取りです。そのうえで、毎日の締めと週1回の見直しを習慣にすれば、同じ状態に戻りにくくなります。この記事では、溜まった仕事を片づける段取りと、溜めないための習慣を順に説明します。チームで仕事を分担していて、誰が何を抱えているかを見える形にしたい場合の選択肢として、無料から使えるボード型の道具Pinatecaにも触れます。
後回し癖で仕事が溜まるとき、何が起きているか
後回し癖とは、すぐにやらなくても困らない仕事を、つい先に送ってしまう癖のことです。締切のある大きな仕事よりも、締切のはっきりしない小さな仕事で起きやすいのが特徴です。
仕事が溜まっていくときには、だいたい次のようなことが起きています。
- 頼まれたときに、どこにも書き留めずに「あとでやろう」と頭で覚えている
- 小さな仕事なので、いつでもできると思って予定に入れていない
- 1件後回しにすると、次の1件も同じように後回しになる
- 数が増えると、全体を見るのが怖くなり、さらに手が止まる
最後の段階まで来ると、後回しの理由は「面倒だから」から「見たくないから」に変わります。どれだけ溜まっているかを知るのがつらく、確かめること自体を避けるようになるのです。こうなると、相手からの催促で初めて思い出す、という状態が続き、信頼にも響いてきます。
溜まった仕事には、見えにくい手間もかかっています。後回しにした仕事に手をつけるとき、まず「何を頼まれていたのか」「どこまで進めていたのか」を思い出す必要があります。メールをさかのぼって依頼の文面を探し、関係する資料を開き直す。頼まれたその日に片づけていれば要らなかった作業です。後回しにした時間が長いほど、この思い出す手間は大きくなります。
さらに、待たせた相手への説明や謝罪の手間も加わります。5分で終わるはずだった仕事が、遅れたせいで30分かかる、ということも珍しくありません。後回しは時間を先に送っているのではなく、あとで割り増しで払っている、と考えると、溜めないための習慣を続ける理由がはっきりします。
ここで大切なのは、溜まった量を責めないことです。必要なのは、反省よりも段取りです。溜まった仕事は、正しい順番で片づければ、思っているより早く減っていきます。
後回しにされやすい仕事の5つの種類
後回しにされる仕事には、共通する特徴があります。自分が溜めている仕事がどれに当てはまるかを見ると、片づけ方の手がかりになります。
1. 小さな依頼
「この資料を送っておいて」「あの件、確認しておいて」のように、会話やチャットの中で頼まれる小さな仕事です。依頼された瞬間はすぐできると思うため、書き留めないまま忘れがちです。
2. 返事を考える必要がある連絡
メールやチャットのうち、すぐに答えられないものです。答えを考える必要があるため後回しにされ、そのまま返信が遅れます。
3. 締切のない事務
経費の精算、書類の整理、名刺の登録、共有フォルダの整頓などです。締切がない、またはずっと先なので、ほかの仕事に押し出され続けます。
4. 気の重い仕事
断りの連絡、催促、謝罪、条件の交渉などです。内容そのものは短くても、気が重いという理由で何日も手が止まります。
5. 自分しかやらない改善の仕事
手順書を直す、テンプレートを作る、道具の設定を見直すといった、誰からも頼まれていない仕事です。やれば楽になると分かっていても、急ぎではないので後回しになります。
このうち、相手を待たせているのは1と2と4です。片づける順番を考えるときは、この「相手を待たせているかどうか」を最初の基準にします。
溜まった仕事を片づける段取り1:全部を書き出して棚卸しする
まず、溜まっている仕事を全部書き出します。これを棚卸しと呼びます。在庫を数えるように、抱えている仕事を数えて、全体の量を確かめる作業です。
書き出す場所を1つに決める
紙でも、表計算ソフトでも、タスク管理の道具でもかまいません。大切なのは、1か所に全部を書き出すことです。紙とメモアプリと付箋に分かれていると、全体が見えません。
探す場所を順に回る
頭の中だけで思い出そうとすると、必ず漏れが出ます。次の場所を順に見て、未対応のものを拾っていきます。
- メールの受信箱(返信していないもの、対応が要るもの)
- チャットのやりとり(頼まれたまま返事をしていないもの)
- 机の上や引き出しの書類
- 手帳や付箋のメモ
- 予定表(終わっているはずの打ち合わせで決まった宿題)
- 共有のファイルやフォルダ(自分の担当のまま止まっているもの)
1行に1つずつ、短く書く
書き出すときは、1行に1つの仕事を、動詞で終わる短い文で書きます。「A社の件」ではなく「A社に見積もりの修正版を送る」のように書くと、あとで見たときに何をすればよいかがすぐ分かります。
棚卸しにかける時間は、最初の1回は1時間から2時間を見込んでおきます。途中で片づけたくなる仕事が見つかっても、棚卸しの間は書き出すことに専念します。片づけ始めると、書き出しが途中で止まり、全体が見えないまま終わってしまうからです。
書き出してみると、多くの人は「思ったより少ない」か「思ったより多い」のどちらかの感想を持ちます。どちらでもかまいません。全体の量が分かったことで、見たくない状態から抜け出せています。
溜まった仕事を片づける段取り2:4つに仕分ける
書き出した仕事を、次の4つに仕分けます。
| 仕分け | 中身 | 扱い |
|---|---|---|
| A. 相手を待たせている | 返信、提出物、頼まれた確認 | 最優先で片づける、または連絡を入れる |
| B. 5分で終わる | 短い返信、ファイルの送付、予定の登録 | まとめて一気に片づける |
| C. 時間がかかる | 資料の作成、手順書の見直し | 予定表に作業の時間を確保する |
| D. もうやらなくてよい | 状況が変わって不要になったもの | 一覧から消す、必要なら相手に伝える |
仕分けで意外に多いのが、Dの「もうやらなくてよい」仕事です。何週間も前に頼まれた確認が、すでに別の人によって片づいていることもあります。Dに入る仕事を思い切って消すだけで、一覧はかなり短くなります。
AとBの両方に当てはまる仕事は、Aとして扱います。相手を待たせている5分の仕事は、最初に片づける価値が最も高い仕事です。
溜まった仕事を片づける段取り3:待たせている相手に先に連絡する
Aに仕分けた仕事のうち、すぐに片づけられないものは、作業より先に相手へ連絡を入れます。
連絡の型
連絡は、謝罪と、いつまでに対応するかの2つを短く伝えます。
「ご依頼いただいていた資料の確認、遅くなっており申し訳ありません。明日の15時までにお送りします。」
長い言い訳は要りません。相手が知りたいのは、いつ届くのかという一点だからです。約束した期限は、確実に守れる日時にします。迷ったら、自分が考えた日より1日遅い日を伝えておき、早く終わったらその分早く届けます。守れない約束を重ねると、かえって信頼を失います。
連絡するだけで、気持ちが軽くなる
待たせている相手への連絡は、気の重い仕事の代表です。ただ、連絡を入れてしまえば、相手の不安は小さくなり、自分の気持ちも軽くなります。後回しの悪循環を断ち切るきっかけとして、最初の1時間を連絡だけに使う価値はあります。
連絡の文面をひな形にしておくと、次に同じ状況になったときにも迷わずに済みます。
溜まった仕事を片づける段取り4:片づける順番と時間の枠を決める
連絡を入れたら、いよいよ片づけに入ります。順番は次のとおりです。
- Aのうち、5分で終わるものを全部片づける
- Aのうち、時間がかかるものを、約束した期限の早い順に片づける
- Bをまとめて片づける
- Cを予定表に入れ、1日1件ずつ進める
5分の仕事はまとめて一気に
Bに仕分けた5分の仕事は、30分から1時間の枠を取って、まとめて片づけます。1件終わるごとに一覧に線を引いていくと、減っていくのが目に見えて、次の1件に手が伸びやすくなります。
時間がかかる仕事は1日1件
Cに仕分けた時間のかかる仕事を、1日で全部やろうとすると、途中で疲れて止まります。1日1件、作業の時間を予定表に入れて進めます。溜まった仕事を片づけている間も、新しい仕事は届き続けるので、片づけだけに1日を使い切らないことが大切です。
片づけの期間を区切る
溜まった仕事の片づけは、1週間など期間を区切って取り組みます。期間を区切ると、毎日の進み具合を確かめやすくなり、終わりが見えることで取り組みやすくなります。
片づけの1週間の計画の例
段取り1から4までを、1週間の計画に落とし込むと次のようになります。溜まった仕事が30件ほどある人を想定した例です。
| 日 | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 月曜日 | 棚卸しと仕分け。待たせている相手への連絡 | 2時間 |
| 火曜日 | 待たせている仕事のうち5分で終わるものを全部片づける | 1時間 |
| 水曜日 | 待たせている仕事のうち時間がかかるものを1件 | 2時間 |
| 木曜日 | 5分で終わる仕事をまとめて片づける。時間がかかる仕事を1件 | 2時間 |
| 金曜日 | 時間がかかる仕事を1件。一覧を見直し、来週の予定に残りを入れる | 2時間 |
1日の片づけの時間は、多くても2時間程度に抑えています。残りの時間は、ふだんの仕事と、新しく届く依頼への対応に使います。片づけに1日を全部使うと、その間に新しい仕事が溜まり、また同じことの繰り返しになるからです。
月曜日の棚卸しには、思ったより時間がかかります。メール、チャット、書類、手帳と、探す場所が多いためです。ここで時間をかけておくと、火曜日以降は一覧を上から片づけるだけになり、迷う時間がなくなります。
金曜日の見直しで、残った仕事を翌週の予定に入れたら、片づけの1週間は終わりです。全部が片づいていなくてもかまいません。一覧に全部が書かれていて、それぞれの予定が決まっていれば、もう「見たくない状態」ではありません。
溜めないための習慣1:頼まれた瞬間に書き留める
溜まった仕事を片づけ終わったら、次は溜めないための習慣を作ります。最も効果が大きいのは、頼まれた瞬間に書き留める習慣です。
後回しの多くは、頼まれたことを頭で覚えておこうとするところから始まります。頭で覚えている仕事は、ほかの仕事に押し出されて忘れられます。頼まれたら、その場で一覧に1行書く。それだけで、忘れて溜まる仕事はほとんどなくなります。
書き留めるときは、次の3つを書きます。
- 何をするか(動詞で終わる短い文)
- 誰からの依頼か
- いつまでか(相手に聞く。決まっていなければ自分で決めて相手に伝える)
3つ目が特に大切です。「いつでもいいよ」と言われた仕事ほど後回しになります。期限が決まっていない依頼には、「では金曜日までにお送りしますね」と自分から期限を決めて伝えます。期限が決まると、仕事は一覧の中で順番を持ちます。
溜めないための習慣2:5分で終わることはその場で片づける
書き留めた仕事のうち、5分以内で終わるものは、書き留めるより先に片づけてしまう方法もあります。ファイルを1つ送る、予定を1件登録する、短い返事を書く。これらを一覧に書いてあとで片づけるより、その場で終えたほうが早く済みます。
ただし、何でもその場で片づけようとすると、今取り組んでいる仕事が細切れになります。集中して作業している時間は、5分の仕事でも一覧に書くだけにして、あとでまとめて片づけます。
使い分けの目安は次のとおりです。
- 打ち合わせの直後、メールを確認している時間など、区切りの時間に届いた5分の仕事は、その場で片づける
- 集中して作業している時間に届いた仕事は、一覧に書くだけにする
- 1日の中に、5分の仕事をまとめて片づける時間を1回か2回用意する
溜めないための習慣3:毎日の締めと週1回の見直し
一覧に書き留めていても、見返さなければ仕事は溜まります。見返す時間を、毎日と毎週の2つの間隔で決めておきます。
毎日の締め(10分)
1日の終わりに10分だけ、次のことをします。
- 今日終わった仕事に線を引く
- 今日届いた依頼が一覧に書かれているかを、メールとチャットで確かめる
- 明日いちばんに手をつける仕事を1つ決める
3つ目を決めておくと、翌朝の着手が早くなります。朝の時間をメールの確認から始めると、届いた連絡に追われて、昨日決めた仕事に手がつかないまま昼になることがあります。
週1回の見直し(30分)
週に1回、金曜日の午後など時刻を決めて、一覧全体を見直します。
- 1週間以上止まっている仕事を探す
- 止まっている理由を考える(大きすぎる、相手待ち、気が重い、など)
- 大きすぎるものは小さく分け、相手待ちのものは催促し、不要になったものは消す
- 来週の予定表に、時間のかかる仕事の作業の時間を入れる
週1回の見直しを続けると、仕事が溜まりかけた段階で気づけます。溜まってから片づけるより、はるかに少ない手間で済みます。
メールとチャットを溜めない仕組み
後回しで溜まる仕事の多くは、メールとチャットから届きます。受信箱を溜めない仕組みを作ると、後回しの入口そのものを狭められます。
確認する時刻を決める
メールやチャットを1日中見ていると、届くたびに作業が途切れ、どの連絡に対応したのかが分からなくなります。確認する時刻を、朝、昼、夕方の3回などと決め、その時間にまとめて対応します。急ぎの連絡は電話で来る、と周りと決めておくと、安心して時刻を決められます。
開いたら、その場で行き先を決める
メールを開いたら、次のどれかにその場で振り分けます。
- すぐ返信できるものは返信する
- 返信に時間がかかるものは、受け取ったことと回答の時期だけを返し、一覧に書く
- 読むだけでよいものは、読んだら保管用のフォルダに移す
- 不要なものは削除する
「あとで読む」として受信箱に残すと、それが溜まっていきます。開いたメールは、受信箱から出すことを目標にします。
チャットの依頼は一覧に写す
チャットで頼まれた仕事は、やりとりが流れていくと見つけにくくなります。頼まれたら、その場で一覧に写します。チャットの道具によっては、メッセージに印を付けたり、あとで思い出す設定をしたりできるので、それを使ってもかまいません。大切なのは、頼まれた仕事が会話の流れの中に埋もれないことです。
書類と紙の仕事を溜めない仕組み
紙の書類も、後回しで溜まりやすいものの1つです。郵便物、領収書、申請の書類などが机の上に積み重なると、どれが対応の必要なものかが分からなくなります。
受け取る場所を1か所に決める
届いた書類は、まず決まった箱やトレーに入れます。机の上のあちこちに置かず、受け取る場所を1か所にします。
週1回、箱を空にする
週1回の見直しの時間に、箱の中身を全部出して仕分けます。対応が必要なものは一覧に書き、保管するものはファイルに綴じ、不要なものは処分します。箱を空にすることを目標にすると、書類が溜まり続けることがなくなります。
領収書は受け取った日に記録する
経費の精算が溜まる人は、領収書を受け取った日に、日付と金額と用途を記録しておく習慣をつけます。月末にまとめて精算しようとすると、どの支払いが何のためだったかを思い出すところから始まり、それ自体が後回しの理由になります。
1人で使う一覧は、何で作るとよいか
溜めないための習慣は、一覧がなければ始まりません。1人で使う一覧を何で作るかは、抱えている仕事の量と、どこで仕事をするかで決めます。
紙の手帳やノート
仕事が1日に数件で、机で仕事をすることが多いなら、紙で十分です。書く手間が少なく、線を引いて消す感覚が分かりやすいのが利点です。弱点は、外出先で思い出したときに手元にないことと、並べ替えができないことです。
スマートフォンの標準のアプリ
外出が多い人は、スマートフォンに最初から入っているリマインダーやメモのアプリが手軽です。頼まれたその場で書き留められ、期限を付ければ通知も届きます。パソコンと同期できるものを選ぶと、机に戻ってからも同じ一覧を見られます。
表計算ソフト
仕事の数が多く、依頼主ごとや期限の順に並べ替えたい人は、表計算ソフトで一覧を作ります。「仕事」「依頼主」「期限」「状態」の4列を作り、状態の列で「未対応」だけに絞り込めば、溜まっている仕事がすぐ分かります。
どれを選んでも、一覧は1つにします。紙とアプリを併用すると、どちらかに書き忘れが出ます。迷ったら、いつも持ち歩いているものに決めるのが確実です。
在宅で働く人が後回しを防ぐための環境づくり
在宅で働いていると、仕事と生活の境目があいまいになり、後回しが起きやすくなります。会社なら自然にできる区切りを、自分で作る必要があります。
仕事を始める合図を決める
着替える、机の上を片づける、決まった飲み物を用意するなど、仕事を始める合図を決めます。合図のあとに、まず一覧を開いて今日の最初の仕事を確かめる、という流れを毎日繰り返すと、着手までの迷いが減ります。
家の用事と仕事の一覧を分けて見る
在宅で働いていると、洗濯や買い物などの家の用事が、仕事の合間に入り込みます。家の用事を片づけているうちに、仕事が後回しになることもよくあります。一覧は1つでかまいませんが、仕事と家の用事に印を付けて分け、仕事の時間には仕事の印のものだけを見るようにします。
終わりの時刻を決める
在宅では、いつまでも仕事を続けられてしまいます。終わりの時刻を決め、その前に毎日の締めをする、という流れにすると、翌日の段取りが決まった状態で1日を終えられます。終わりの時刻がないと、毎日の締めをする機会もなくなり、仕事が溜まる原因になります。
気の重い仕事を後回しにしないための工夫
後回しの中で最も手ごわいのが、気の重い仕事です。断り、催促、謝罪、交渉など、相手の反応が気になる仕事は、内容が短くても手が止まります。
文面を先に書いてしまう
気の重い連絡は、まず送る文面だけを書きます。送るかどうかはあとで決めてかまいません。書いてしまえば、残りは送信のボタンを押すだけになり、ずっと気が楽になります。
午前中に片づける
気の重い仕事を夕方まで持ち越すと、1日中それが気がかりになります。朝の早い時間に片づけると、残りの時間を軽い気持ちで過ごせます。
決まった時間にまとめる
気の重い連絡が複数あるなら、毎日決まった時間にまとめて片づけます。1日に何度も気の重い仕事に向き合うより、1回で済ませたほうが負担は小さくなります。
相談できる人に一言伝える
どう伝えればよいか迷う連絡は、上司や同僚に一言相談します。文面を見てもらうだけで、送る踏ん切りがつくことも多くあります。
自分でやらなくてよい仕事は、任せるか断る
後回しの仕事の中には、本当は自分がやらなくてもよい仕事が混ざっています。全部を自分で片づけようとすると、量に押しつぶされます。
任せられる仕事を探す
一覧を見て、ほかの人に任せられる仕事がないかを探します。たとえば、資料の体裁を整える、データを入力する、日程を調整する、といった作業は、得意な人やその仕事を担当する人に頼めることがあります。任せるときは、何を、いつまでに、どこまでやってほしいかを伝え、自分の一覧には「〇〇さんに依頼済み、金曜日に確認」と書いておきます。
引き受けられないものは早めに断る
すでに抱えきれない量があるのに、新しい依頼を受けると、後回しはさらに増えます。引き受けられないときは、できるだけ早く断るか、期限を延ばしてもらえないかを相談します。引き受けて後回しにするより、最初に断るほうが、相手にとっても助かります。
外の力を借りる
フリーランスや小さな事業者なら、事務作業の一部を外部に依頼する方法もあります。経理の記帳、書類の整理、問い合わせの一次対応などは、在宅で請け負う人も多い仕事です。自分にしかできない仕事に時間を使うために、手放せる仕事を手放すのも、後回しを減らす方法の1つです。
後回し癖が戻ってきたときの立て直し方
一度片づけても、忙しい時期が続くと、また仕事が溜まり始めることがあります。癖が戻ってきたと感じたら、早めに立て直します。
戻ってきた合図は、だいたい次のようなものです。
- 毎日の締めを3日以上していない
- 一覧に書いていない依頼を、催促されて思い出した
- 受信箱に、開いたまま残しているメールが増えてきた
- 週1回の見直しを飛ばした
どれかに気づいたら、その日のうちに30分だけ時間を取り、棚卸しをやり直します。溜まってから1週間かけて片づけるより、早い段階で30分かけるほうがずっと楽です。
習慣が途切れたこと自体を気にする必要はありません。忙しい時期に習慣が崩れるのは、誰にでも起きることです。大切なのは、崩れたことに気づいて、元の習慣に戻ることです。毎日の締めと週1回の見直しを、予定表に繰り返しの予定として入れておくと、戻るきっかけを作りやすくなります。
チームで抱え込みを防ぐには、仕事の状態を見える形にする
チームで働いていると、後回しは1人の問題では終わりません。1人が抱え込んだ仕事が止まると、その先の仕事も止まります。しかも、誰が何を抱えているかが見えていないと、止まっていることに周りが気づけません。
チームで抱え込みを防ぐには、仕事の状態を全員に見える形にすることが効果的です。「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」の列を作り、仕事を1件ずつカードにして、担当者と期限を付けて並べます。止まっている仕事は「未着手」や「進行中」の列に長く残るので、周りが気づいて声をかけられます。
こうした場面の選択肢の1つが、Pinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボードがあり、5人までならボードとチャットをすべて無料で使えます。カードには担当と締切を付けられ、自分宛ての割り当てやメンション、締切は受信箱に集まるので、頼まれた仕事を見落としにくくなります。カードの近くでチャットができ、「この件どうなっていますか」という確認もカードの上で済みます。リソースのボードでは、人ごとの負荷の偏りを見られるため、特定の人に仕事が集まって後回しが起きていないかを確かめられます。無料プランはボード10個まで、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら月額400円)になります。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
道具を入れるだけでは、抱え込みはなくなりません。週に1回、チームで止まっているカードを一緒に見て、手伝えることがないかを話す時間を作ると、道具が活きてきます。
仕事の量そのものが多すぎるときは
ここまでの段取りと習慣を試しても溜まり続ける場合は、癖の問題ではなく、仕事の量そのものが多すぎる可能性があります。毎日の締めの時点で、終わらなかった仕事が毎日増えていくなら、それは量の問題です。
量が多すぎるときは、1人で抱え込まず、上司や依頼主に相談します。相談するときは、抱えている仕事の一覧と、それぞれにかかる時間の見込みを見せると、何を減らすか、何を誰に任せるかの話がしやすくなります。
仕事が溜まった状態が長く続くと、気持ちや体調にも影響が出ることがあります。気になる状態が続くときは、1人で抱え込まずに相談してください。厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」では、働く人やその家族からの相談を受け付けています。
「こころの耳」では、全国の働く方やその家族、企業の人事労務担当者の方々からのご相談をお受けするため、電話相談、SNS相談、メール相談を実施しています。 個人事業者等の方からのご相談もお受けしています。 出典: こころの耳「フリーランスの方のメンタルヘルスケア」
会社に雇われていない個人事業者の相談も受け付けている点は、フリーランスや副業で働く人にとって心強いところです。窓口の受付時間などは、こころの耳の相談窓口のページで確かめられます。体調の変化が気になるときは、医療機関に相談することもできます。
在宅で仕事を受ける人ほど、溜めない仕組みが信頼になる
最後に、フリーランスや副業で仕事を受ける立場から、後回しと信頼の関係を整理します。
在宅で業務委託の仕事を受けていると、依頼主からは作業している姿が見えません。見えるのは、返信の早さと、約束した日に成果物が届くかどうかだけです。小さな確認の返事が数日遅れるだけで、依頼主は「この人に任せて大丈夫か」と不安になります。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く仕事が続く人は、大きな成果物の質と同じくらい、小さな連絡の早さを大切にしています。すぐ答えられない質問にも「確認して明日お返事します」と先に返す。こうした積み重ねが、次の依頼につながっています。依頼主と受け手が直接やりとりできる形なら、確認や相談の行き来も早くなります。手数料0%で直接取引できる形では、受け手の手取りが厚くなるうえ、間に人が入らない分、後回しの元になる伝言の待ち時間もなくなります。
仕事の進め方を整える力は、どの職種でも求められます。業務の改善を支援する仕事についてはAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、アプリの開発の仕事はアプリケーション開発のお仕事で内容と求められる力を整理しています。経営や業務の改善を体系的に学びたい人は、中小企業診断士の資格の内容も参考になります。
よくある質問
Q. 溜まった仕事は何から片づければよいですか?
まず抱えている仕事を全部書き出し、相手を待たせているもの、5分で終わるもの、時間がかかるもの、もうやらなくてよいものの4つに仕分けます。片づけるのは、相手を待たせているものが先です。すぐに終わらないものは、作業より先に相手へ遅れの謝罪と対応の期限を連絡しておくと、相手の不安も自分の気持ちも軽くなります。
Q. 小さな依頼をつい忘れてしまうのを防ぐにはどうすればよいですか?
頼まれた瞬間に、何をするか、誰からの依頼か、いつまでかの3つを一覧に1行で書き留めます。頭で覚えておこうとすると、ほかの仕事に押し出されて忘れます。期限が決まっていない依頼には、自分から期限を決めて相手に伝えると、一覧の中で順番が決まり、後回しになりにくくなります。
Q. 毎日の振り返りにはどれくらい時間をかければよいですか?
1日の終わりに10分ほどで十分です。終わった仕事に線を引き、今日届いた依頼が一覧に書かれているかを確かめ、明日いちばんに手をつける仕事を1つ決めます。これに加えて週に1回、30分ほどで一覧全体を見直し、1週間以上止まっている仕事を分けたり、催促したり、消したりします。
Q. 工夫しても仕事が溜まり続けるときはどうすればよいですか?
毎日終わらない仕事が増え続けるなら、癖ではなく仕事の量が多すぎる可能性があります。抱えている仕事の一覧と、それぞれにかかる時間の見込みを用意して、上司や依頼主に相談してください。気持ちや体調への影響が気になるときは、厚生労働省の「こころの耳」の相談窓口や医療機関に相談する方法もあります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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