仕事の段取りを組む手順と、抱えた作業を順番に片づける考え方


この記事のポイント
- ✓仕事の段取りを組む手順を
- ✓予定への入れ方まで順に整理しました
- ✓1日と1週間の段取りの例
やることが多すぎて、何から手をつければよいか分からない。目の前の作業を片づけているうちに、締め切りの近い仕事を思い出して慌てる。仕事の段取りに悩む人の多くは、能力や根性が足りないのではなく、作業を始める前の整理の手順を持っていないだけです。段取りは、生まれつきの才能ではなく、決まった手順でくり返し練習できる作業です。
この記事では、仕事の段取りを組む手順を、抱えている作業の書き出しから、ゴールと期限の確認、作業の分け方、所要時間の見積もり、順番の決め方、予定への入れ方まで、順に説明します。1日と1週間の段取りの例、割り込みが入ったときの立て直し方、複数人で進める仕事の段取りも扱います。チームで作業の担当と期限を見える形にしたい場面では、ガントチャートやカンバンで進み具合を共有できるPinatecaのような道具にも触れます。
仕事の段取りとは何か
段取りとは、仕事を始める前に、何を、どの順番で、いつまでに、どう進めるかを決めておくことです。もともとは芝居の筋の運びや、職人の仕事の準備を指す言葉で、今では仕事全般の進め方の準備を指して使われています。
「段取り八分、仕事二分」という言葉があります。仕事の出来は、始める前の準備で8割が決まるという意味です。大げさに聞こえますが、実際に仕事でつまずく場面を思い出すと、多くは準備の不足から来ています。
- 作業の途中で、必要な資料が手元にないことに気づく
- 終わったと思って提出したら、依頼の内容と違っていた
- 同じ日に締め切りの仕事が2つ重なっていることに、前日に気づく
どれも、作業そのものの腕前ではなく、作業を始める前の整理で防げることです。段取りについて解説した記事でも、準備に時間を使うことの効果が次のように説明されています。
段取り力が高い人は、仕事に着手する前の準備にしっかり時間を使います。そのため、実際の作業に入ってから迷いが少なく、ムダな手戻りややり直しが起こりにくくなります。 出典: lean-operation.com
段取りを組む時間は、作業の時間を削って生まれるものではありません。段取りに10分使えば、途中で迷う時間、やり直す時間、思い出して慌てる時間が減り、全体ではむしろ早く終わります。
段取りを組む前に、抱えている作業を全部書き出す
段取りの最初の手順は、今抱えている作業を全部書き出すことです。頭の中で「あれもこれもある」と考えているうちは、作業の量がつかめず、不安だけが大きくなります。
書き出す範囲
書き出すのは、仕事に関係することすべてです。大きな仕事だけでなく、小さな用事も書きます。
- 締め切りのある仕事(資料の作成、請求書の送付、報告書の提出など)
- 返事をしなければならない連絡(メール、チャット、電話の折り返し)
- 頼まれたが手をつけていないこと
- 自分から「やろう」と思っていること
- 定期的にやること(週の報告、月末の締め作業など)
紙でもメモアプリでも構いません。大事なのは、頭の中にあるものをいったん全部外に出すことです。
書き出すときのコツ
書き出すときは、まだ順番を考えません。思いついた順に、どんどん書きます。途中で「これはいつまでだっけ」と調べ始めると、書き出しが止まってしまいます。期限や詳しい内容は、次の手順で確かめます。
書き出してみると、思っていたより少なかった、と感じる人も少なくありません。頭の中では同じ作業を何度も思い出すため、実際より多く感じていることがあるからです。逆に、思っていたより多かった場合も、量が分かったことで、どこを誰かに頼むか、どこを後回しにするかを考えられるようになります。
仕事を受けるときに確かめておくこと
段取りが崩れる原因の多くは、仕事を受けた時点にあります。受けるときに確かめておけば、後で慌てることの多くを防げます。新しい仕事を頼まれたときは、次の5つをその場で確かめます。
- 何を作る(する)のか。完成した形はどうなっていればよいか
- いつまでに必要か。途中で見せる日はあるか
- 誰が使うのか、誰が読むのか
- 参考にできる過去の資料や、決まった書式はあるか
- 分からないことが出たとき、誰に聞けばよいか
その場で全部を聞けない場合は、作業を始める前にメールやチャットで確かめます。確かめた内容は、自分の言葉で書き直して相手に送り返すと、認識のずれが見つかりやすくなります。
例文:ご依頼の件、次の内容で進めます。来週火曜の会議で配る企画書を、A4で3枚、表紙つきで作成し、月曜の正午までにお送りします。数字は先月の報告書のものを使います。違っている点があればお知らせください。
こうした確認の連絡は、依頼した人にとっても助かるものです。依頼した側も、細かいところまで決めないまま頼んでいることが少なくないからです。最初に確かめておくことで、依頼した人も自分が何を求めていたかを整理できます。
受けた仕事が今の予定に入らないと分かった場合は、その場で期限を相談します。「今週は別の締め切りが重なっているため、来週水曜でもよろしいでしょうか」のように、いつならできるかを添えて伝えると、相手も判断しやすくなります。
ゴールと期限を確かめる
全部を書き出したら、1つずつ、ゴールと期限を確かめます。ここを曖昧にしたまま作業を始めると、やり直しの原因になります。
ゴールを確かめる
ゴールとは、「何がどうなったら終わりか」です。
- 悪い例:企画書を作る
- よい例:来週の会議で配る企画書を、A4で3枚、表紙つきで作り、前日までに課長に送る
ゴールが曖昧なときは、依頼した人に確かめます。「どのくらいの分量ですか」「誰が読みますか」「どの形式で渡せばよいですか」の3つを聞くだけで、やり直しの多くは防げます。確かめるのは作業を始める前です。作り終えてから確かめると、違っていたときに全部作り直すことになります。
期限を確かめる
期限は、最終の締め切りだけでなく、途中で誰かに見せる日も確かめます。上司の確認や、取引先の返事を待つ時間がある仕事は、最終の締め切りの何日も前に、自分の作業を終わらせる必要があります。
期限が書かれていない仕事は、自分で仮の期限を決めて、依頼した人に「〇日までにお送りします」と伝えます。期限のない仕事は、いつまでも後回しになるからです。
大きな仕事を小さな作業に分ける
ゴールと期限が分かったら、大きな仕事を小さな作業に分けます。「企画書を作る」のままでは、何から手をつければよいか分からず、取りかかるのが重くなります。
分け方の目安
1つの作業が、1時間から2時間以内に終わる大きさを目安に分けます。
| 仕事 | 分けた作業 |
|---|---|
| 来週の会議用の企画書を作る | 前回の会議の資料を読み返す |
| 必要な数字を集める | |
| 構成(見出し)を決める | |
| 本文を書く | |
| 表とグラフを作る | |
| 見直して課長に送る |
分けた作業は、「〇〇する」という動詞で終わる形で書きます。「数字」ではなく「必要な数字を集める」と書くと、何をすればよいかがすぐに分かります。
最初の作業は小さくする
分けた作業のうち、最初の1つは特に小さくします。「前回の会議の資料を読み返す」のように、10分ほどで終わる作業から始めると、取りかかる重さが減ります。一度手をつけると、次の作業に進みやすくなります。
それぞれの作業にかかる時間を見積もる
作業を分けたら、それぞれにかかる時間を見積もります。見積もりがないと、1日に詰め込みすぎて、夕方に半分も終わっていない、ということが起こります。
見積もりのコツ
- 過去に同じような作業をしたときに、実際にかかった時間を基準にする
- 初めての作業は、思った時間の1.5倍を見込む
- 誰かの確認や返事を待つ時間は、作業時間とは別に書く
見積もりは、最初は外れて当然です。大事なのは、実際にかかった時間を記録して、次の見積もりに使うことです。作業が終わったら、見積もりの横に実際にかかった時間を書いておきます。これを数週間続けると、自分の見積もりの癖が分かります。いつも短めに見積もる人は多く、その場合は見積もりに一定の割合を上乗せする習慣をつけます。
1日に使える時間を知る
もう1つ大事なのは、1日のうち、作業に使える時間がどのくらいあるかを知ることです。勤務時間が8時間でも、会議、メールの返信、電話、休憩を除くと、まとまって作業できる時間は4時間から5時間ほどしかないことも珍しくありません。1日の予定は、この作業に使える時間をもとに組みます。
作業の順番を決める
作業と所要時間が分かったら、順番を決めます。順番を決めるときに見るのは、期限、つながり、重要度の3つです。
期限で並べる
まず、期限の近いものを前に並べます。これが基本です。ただし、期限だけで並べると、期限の遠い大事な仕事がいつまでも後回しになるので、次の2つも見ます。
つながりを見る
作業の中には、前の作業が終わらないと始められないものがあります。企画書なら、数字を集めないと表とグラフは作れません。こうしたつながりがある作業は、前の作業を先に置きます。
特に気をつけたいのは、誰かの返事や確認を待つ作業です。返事を待つ時間は、自分では縮められません。誰かに頼む必要がある作業は、できるだけ早く頼んでおきます。頼んでおけば、返事を待つ間に別の作業を進められます。
重要度を見る
最後に、重要度を見ます。重要な仕事とは、やらないと大きな影響が出る仕事、自分の役割の中心にある仕事です。緊急度(期限の近さ)と重要度の2つで作業を4つに分ける考え方がよく知られています。
| 緊急 | 緊急ではない | |
|---|---|---|
| 重要 | すぐにやる | 予定に入れて、時間を確保する |
| 重要ではない | できれば人に頼むか、短く済ませる | やらないか、後回しにする |
この中で見落とされやすいのは、「重要だが緊急ではない」仕事です。来月の準備、仕組みの見直し、勉強などがここに入ります。期限が遠いので後回しにされがちですが、放っておくといずれ緊急の仕事になり、慌てることになります。予定の中に、この種類の仕事の時間をあらかじめ確保しておくのが、段取りの大事なところです。
やらないことを決めるのも段取りのうち
書き出した作業を見て、全部を期限までに終えるのが難しいと分かることがあります。そのときに必要なのは、もっと速く作業することではなく、やらないことを決めることです。段取りは、やることの順番を決めるだけでなく、やらないことを決める作業でもあります。
やめる、減らす、頼む
書き出した作業のうち、次のものは見直しの候補です。
- やめる:誰からも頼まれておらず、やらなくても困る人がいない作業。習慣で続けているだけの報告や資料
- 減らす:求められている水準より、丁寧に作りすぎている作業。社内の確認用の資料を、社外向けと同じ体裁で作っているような場合
- 頼む:自分でなくてもできる作業。決まった手順で進められる入力や集計
「減らす」は判断が難しいところです。迷ったら、依頼した人に「この資料は、表の形でよいですか、それとも文章でまとめたほうがよいですか」のように、求められている水準を確かめます。思っていたより簡単な形でよいと分かることは珍しくありません。
やらないと決めたことを伝える
やらないと決めた作業や、後に回すと決めた作業に関係する人がいる場合は、その人に伝えます。黙って後回しにすると、相手は進んでいると思い込み、後で困ることになります。「この件は来月に回させてください」と一言伝えておけば、相手も自分の段取りを組み直せます。
予定に入れて、余白を残す
順番が決まったら、作業を予定に入れます。「いつかやる」ではなく、「何日の何時から何時にやる」と決めると、実際に手をつける確率が上がります。
時間の枠で予定に入れる
カレンダーや手帳に、作業ごとに時間の枠をとります。たとえば「火曜の10時から11時半、企画書の本文を書く」のように入れます。会議や約束と同じように、自分の作業にも時間を予約するイメージです。
集中が必要な作業は、自分が集中しやすい時間帯に入れます。午前中に頭が働く人なら、午前に企画書のような考える作業を入れ、午後にメールの返信や事務処理を入れる、といった分け方をします。
余白を残す
予定は、使える時間の全部を埋めずに、2割から3割の余白を残します。仕事には必ず、急な依頼、問い合わせ、見積もりより長くかかった作業が入ってきます。余白がないと、1つずれただけで、その後の予定が全部崩れます。
余白の時間に何も起きなかった場合は、「重要だが緊急ではない」仕事を進めます。余白は、何もしない時間ではなく、予定外のことに備えつつ、先の仕事を進める時間です。
作業を始める前の準備
予定に入れた作業を始める前に、必要なものをそろえます。段取りの言葉の本来の意味に近い部分です。
- 必要な資料やファイルを開いておく
- 確認が必要な人に、あらかじめ予定を聞いておく
- 作業に使う道具やアカウントにログインしておく
- 作業中に気が散るもの(通知など)を一時的に止める
準備をしてから始めると、作業の途中で手が止まることが減ります。作業を中断したときも、メモがあると戻りやすくなります。段取り力について解説した記事でも、メモの効用が次のように書かれています。
メモを取ることはうっかり忘れやミスを防ぐだけでなく、自分の考えを整理することにも役立ちます。また、急に仕事を中断しなければいけなくなっても、メモがあることで再び中断前の考えを呼び起こすことができるでしょう。 出典: mitsubishielectric.co.jp
作業を途中で止めるときは、「次に何をするか」を1行で書いてから止めます。再開したとき、その1行を読めばすぐに作業に戻れます。
段取りに使う道具の選び方
段取りを組むのに、特別な道具は必要ありません。紙のメモ帳と手帳だけでも、この記事の手順は全部できます。大事なのは道具の種類より、作業の書き出し、予定、メモが1か所にまとまっていることです。
| 道具 | 向いている使い方 |
|---|---|
| 紙のメモ帳と手帳 | 書き出しと順番決めを手早くしたいとき。画面を見ずに考えたいとき |
| カレンダーアプリ | 作業を時間の枠で予定に入れたいとき。会議と自分の作業を1つの画面で見たいとき |
| スマートフォン標準のリマインダーやToDoアプリ | 個人の細かい用事を、期限の通知つきで管理したいとき |
| 表計算ソフト | 作業の一覧に、期限、見積もり、実際にかかった時間の列を並べて記録したいとき |
| プロジェクト管理の道具 | 複数人で担当と期限を共有したいとき。作業のつながりや遅れを見える形にしたいとき |
1人で仕事を回すなら、カレンダーアプリとToDoアプリの組み合わせで十分な人がほとんどです。道具を増やしすぎると、どこに何を書いたか分からなくなり、かえって段取りが崩れます。新しい道具を試すときは、今使っている道具を1つやめるくらいのつもりで選びます。
どの道具を使う場合も、1日の最初と最後に必ず開く、という習慣をセットにします。開かない道具に書いた予定は、書いていないのと同じだからです。
1日と1週間の段取りの例
ここまでの手順を、具体的な予定に当てはめた例を示します。
1日の段取りの例
事務の仕事をしている人の1日の段取りの例です。作業に使える時間を5時間ほどと見て、余白を残して組んでいます。
| 時間 | やること | 種類 |
|---|---|---|
| 9:00 | メールとチャットを確認し、今日の作業を見直す | 段取り |
| 9:15 | 企画書の本文を書く | 重要・集中 |
| 10:45 | 休憩 | |
| 11:00 | 取引先への見積もりを作り、送る | 期限が今日 |
| 12:00 | 昼休み | |
| 13:00 | 会議 | |
| 14:00 | メールの返信、問い合わせへの対応 | 細かい作業 |
| 15:00 | 余白(急な依頼や遅れの吸収) | 余白 |
| 16:00 | 来月の準備の資料を読む | 重要だが緊急ではない |
| 17:00 | 今日の作業を振り返り、明日の段取りを組む | 段取り |
1日の最初と最後に、段取りの時間をとっているのがポイントです。朝の15分で今日の作業を見直し、夕方の時間で明日の段取りを組みます。翌朝、何から始めればよいかが決まっているので、すぐに作業に入れます。
1週間の段取りの例
1週間の段取りは、週の初めか前の週の終わりに組みます。
- その週の締め切りと、会議などの決まった予定を書き出す
- 締め切りから逆算して、それぞれの仕事の作業をどの日に入れるかを決める
- 誰かに頼む作業、返事を待つ作業は、週の前半に入れる
- 金曜の午後など、週の終わりに余白を多めに残す
- 週の終わりに、終わらなかった作業を翌週に送るか、やめるかを決める
週の前半に頼む作業を入れるのは、返事を待つ時間を週の中で吸収するためです。週の後半に頼むと、返事が翌週になり、締め切りに間に合わなくなることがあります。
段取りを振り返って、次の段取りに活かす
段取りは、組んで終わりではありません。週に1回、段取りどおりに進んだかを振り返ると、次の段取りがうまくなります。振り返りは、金曜の夕方など決まった時間に15分から30分ほどとります。
振り返りで見ること
- 予定していた作業のうち、終わったもの、終わらなかったもの
- 見積もりと、実際にかかった時間の差
- 予定外に入ってきた作業と、それに使った時間
- 段取りが崩れたきっかけ(割り込み、見積もりの誤り、確認待ちなど)
振り返りを次に活かす
振り返りで分かったことは、次の週の段取りに1つだけ反映します。たとえば「確認待ちで2日止まった」なら、次の週は確認が必要な作業を月曜の午前に入れる。「割り込みに毎日1時間使っていた」なら、余白を1時間増やす。一度にたくさん変えようとすると続かないので、1週に1つの工夫にとどめます。
振り返りは、できなかったことを責める時間ではありません。段取りの組み方の癖を見つけ、自分に合った組み方に直していくための時間です。数週間続けると、自分がどんな作業の見積もりを外しやすいか、どの曜日に割り込みが多いかが見えてきます。それが分かれば、次の段取りはそれを見込んで組めます。
割り込みが入ったときの立て直し方
段取りを組んでも、予定どおりに進まない日はあります。急な依頼、トラブルへの対応、思ったより長くかかる作業。割り込みが入ったときは、次の手順で立て直します。
1. 割り込みの期限を確かめる
急な依頼が来たら、まず「いつまでに必要か」を確かめます。「急ぎで」と言われても、実際には今日中でよい、明日の朝でよい、ということは少なくありません。期限が分かれば、今の作業を止めるべきかどうかを判断できます。
2. 今の作業を区切りのよいところで止める
今の作業を止める必要がある場合は、区切りのよいところまで進め、次にやることをメモしてから止めます。途中で放り出すと、再開したときに思い出すのに時間がかかります。
3. 予定を組み直す
割り込みの作業を終えたら、残りの予定を組み直します。余白の時間を使って吸収できればそのまま進め、吸収できなければ、どの作業を翌日に回すかを決めます。翌日に回した結果、締め切りに間に合わない作業があれば、早めに関係する人に伝えます。締め切りの直前に「間に合いません」と伝えるより、遅れが分かった時点で伝えるほうが、相手も対応を考えられます。
遅れを伝えるときは、遅れる理由を長く書くより、いつなら出せるか、途中まで出せるものはあるかを伝えるほうが、相手は助かります。
例文:ご依頼の資料ですが、急ぎの対応が入ったため、本日中の送付が難しくなりました。明日の正午までにお送りします。先に必要な部分があれば、その部分を本日中にお送りしますのでお知らせください。
途中まで出せるものがあれば、先に渡すことで、相手の作業を止めずに済むことがあります。
割り込みが毎日のように入る場合は、割り込みの時間をあらかじめ予定に入れておきます。過去1か月で割り込みに使った時間を振り返り、その分を余白として確保します。
在宅で働く人の段取りの工夫
在宅で働く人には、会社勤めとは違う段取りの難しさがあります。通勤がないため時間の区切りがつけにくく、家事や家族の予定が仕事の時間に入り込みやすいからです。在宅で働く人は、次の工夫を段取りに組み込みます。
始める時間と終える時間を決める
在宅では、いつでも仕事ができる反面、いつまでも仕事が終わらなくなりがちです。始める時間と終える時間を決め、その間で段取りを組みます。終える時間が決まっていると、その日の作業の量を現実的に見積もるようになります。
家の用事も同じ予定に書く
家事、子どもの送り迎え、通院などの予定も、仕事の予定と同じカレンダーに書きます。仕事の予定だけを見て段取りを組むと、家の用事と重なって崩れます。
依頼主ごとの締め切りを1か所にまとめる
複数の依頼主から仕事を受けている場合は、依頼主ごとにメールやチャットの場所が分かれていることが多くなります。締め切りは、依頼主ごとの連絡の場所ではなく、自分のカレンダーや作業の一覧の1か所にまとめて書き写します。どこを見れば全部の締め切りが分かるかが決まっていれば、重なりにも早く気づけます。
複数人で進める仕事の段取り
1人の仕事の段取りに慣れてきたら、複数人で進める仕事の段取りも考えます。チームの仕事では、自分の作業だけでなく、他の人の作業とのつながりを見る必要があります。
担当と期限を全員で共有する
複数人で進める仕事では、誰が、どの作業を、いつまでにやるかを、全員が同じものを見て確かめられるようにします。口頭やメールで伝えただけでは、人によって覚えている内容がずれていきます。
待ちの作業を見える形にする
チームの仕事が遅れる原因の多くは、誰かの作業が終わるのを、別の誰かが待っていることにあります。誰が何を待っているかが見えていれば、待たせている人が自分の作業を先に進められます。
道具を使って共有する
人数が少なく、作業が多くないうちは、表計算ソフトの一覧で担当と期限を共有しても十分に回ります。一方で、作業の数が増え、同時に何人もが更新するようになると、表では誰がどこを直したかが追いにくくなり、遅れにも気づきにくくなります。
こうした場面で選択肢になるのが、プロジェクト管理の道具のPinatecaです。公式サイトによると、作業を1枚ずつのカードにして、列に並べて進み具合を動かすカンバンや、作業の期間を横棒で並べるガントチャートなど、8種類のボードを使えます。ガントチャートでは今日の位置に線が引かれ、遅れている作業がひと目で分かります。カードには担当者と期限を設定でき、自分に割り当てられた作業や締め切りは受信箱に集まります。5人までのチームなら無料で、ガントチャートもチャットも使えると案内されています。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
道具を入れても、作業の分け方や順番の決め方は、この記事で説明した手順そのものです。道具が担うのは、決めた段取りを全員で見える形にする部分です。
段取りが崩れやすい人に共通する原因
最後に、段取りが崩れやすい場面に共通する原因を整理します。
全部を同時に進めようとする
複数の仕事を少しずつ同時に進めると、切り替えのたびに思い出す時間がかかり、どれも終わらないまま時間が過ぎます。1つの作業を、決めた時間の枠の中では、それだけに集中して進めます。
見積もりが甘い
いつも予定どおりに終わらない場合、見積もりが短すぎる可能性があります。実際にかかった時間を記録し、見積もりを直していきます。
断れない
頼まれた仕事を全部引き受けると、どれだけ段取りを組んでも時間が足りなくなります。引き受ける前に、今の予定に入るかどうかを確かめ、入らない場合は「〇日以降なら対応できます」と、期限を相談します。
段取りの時間をとっていない
忙しいときほど、段取りを組む時間を省きがちです。けれど、忙しいときこそ、作業の順番を誤ったときの損が大きくなります。1日の最初の15分は、どんなに忙しくても段取りに使います。
段取りの工夫を続けても、締め切りを守れない、仕事を忘れてしまうといった困りごとが長く続き、日常生活にも支障が出ている場合は、医療機関に相談するという選択肢もあります。
在宅の仕事から見た、段取りの大切さ
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた編集部の立場から見ると、在宅の仕事を長く続けている人ほど、段取りを自分の仕事の一部として扱っています。在宅の仕事では、隣で予定を声かけしてくれる同僚がいません。いつ何をするかを自分で決め、依頼主との連絡も自分で管理する必要があります。
複数の依頼主から仕事を受ける人ほど、締め切りの重なりや、返事を待つ時間の管理が仕事の出来を左右します。段取りのよい人は、依頼を受けた時点でゴールと期限を確かめ、途中経過を早めに見せ、遅れそうなときは前もって伝えます。その積み重ねが、次の依頼につながっていきます。
業務の進め方そのものを整え、ほかの会社の仕事の段取りを支援する仕事もあります。業務の見直しやAIを使った作業の効率化を支援する仕事については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で詳しく紹介しています。開発の仕事のように、作業の分け方と見積もりが特に重視される分野もあります。開発の仕事の進め方は、アプリケーション開発のお仕事で確かめられます。企業の業務改善を経営の視点から支える専門家の資格には中小企業診断士があります。
仕事の段取りは、全部書き出す、ゴールと期限を確かめる、小さく分ける、時間を見積もる、順番を決める、余白を残して予定に入れる、の手順で組めます。まずは明日の朝の15分を、今抱えている作業を全部書き出す時間にしてみてください。
よくある質問
Q. 仕事の段取りを組むのにどのくらい時間をかければよいですか?
1日の段取りなら、朝か前日の夕方に10分から15分ほどが目安です。1週間の段取りは、週の初めか前の週の終わりに30分ほどとります。大きな仕事を新しく受けたときは、作業の分け方と期限の確認に、それとは別に時間をとります。段取りに使う時間は、途中で迷う時間ややり直す時間を減らすので、全体ではむしろ短く済みます。
Q. 優先順位がつけられないときはどうすればよいですか?
まず期限の近い順に並べ、次に前の作業が終わらないと始められない作業がないかを見て、最後に重要度を見ます。それでも決められない場合は、仕事を頼んだ人に「AとBのどちらを先に進めればよいですか」と聞くのが確実です。自分だけで判断して後から違っていたと分かるより、早めに確かめるほうが手戻りが少なく済みます。
Q. 予定どおりに進まない日が続くのはなぜですか?
多いのは、作業にかかる時間を短く見積もっている、余白を残さずに予定を埋めている、割り込みの時間を見込んでいない、の3つです。実際にかかった時間を数週間記録すると、自分の見積もりの癖が分かります。そのうえで、予定の2割から3割を余白として残し、割り込みに使う時間もあらかじめ確保します。
Q. 段取りを組んでも、手をつけるのが遅れてしまいます。どうすればよいですか?
最初の作業を小さくするのが効きます。「企画書を作る」ではなく「前回の資料を読み返す」のように、10分ほどで終わる作業から始めると、取りかかる重さが減ります。作業を予定に「何日の何時から」と時間の枠で入れておくことも効果があります。作業を中断するときに次にやることを1行で書いておくと、再開も楽になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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