絵画の販売サイト|作品を売る場所の選び方


この記事のポイント
- ✓作品を売る作家の立場から比べる方法を整理しました
- ✓ハンドメイドマーケット
- ✓ネットショップ作成サービスの違い
自分の描いた絵を売りたいと思って絵画の販売サイトを探すと、ハンドメイド作品の通販、アート作品を専門に扱う通販、自分のお店を作れるサービスなど、たくさんの選択肢が出てきます。どれも「作品を売れる場所」ですが、手数料の仕組み、集まる買い手、作品の送り方、売上の受け取り方はサイトごとに大きく違います。この記事では、作品を売る作家の立場から、絵画の販売サイトをどう比べ、どう選べばよいかを整理します。
結論を先に示すと、選ぶときに比べるのは6つの点です。手数料の仕組み、集客の力、審査の有無、発送の流れ、売上の受け取り方、規約の中身です。この6つを、自分の作品の価格帯と使える時間に照らして選べば、売る場所で迷う時間を大きく減らせます。
絵画の販売サイトの種類
作家が作品を売れるサイトは、仕組みの違いで大きく3つに分けられます。まず種類ごとの特徴をつかんでおくと、個々のサービスを比べるときに見るべき点がはっきりします。
ハンドメイドマーケット
ハンドメイドマーケットは、手作りの作品を作家が自分で出品し、買い手に直接届ける形のサイトです。アクセサリーや雑貨と並んで、絵画やイラストのカテゴリが用意されています。出品は無料のところが多く、作品が売れたときに販売価格に対する手数料がかかります。作品の撮影、説明文、価格の設定、梱包と発送は作家が自分で行います。
利用者が多く、出品の手続きが簡単なため、初めて作品を売る人でも始めやすい場所です。その一方で、さまざまな作品と同じ場所に並ぶため、絵画を探している人だけが集まっているわけではありません。
アート作品の専門通販
アート作品の専門通販は、絵画や現代アートを中心に扱うサイトです。作家として登録し、運営の審査を経てから作品を掲載する形が多く、絵を探している買い手が集まっています。インテリアとして飾る絵を探す人、法人として事務所に飾る絵を探す人など、ハンドメイドマーケットとは違う買い手に作品を届けられます。
この種類のサイトでは、運営が作家に代わって作品を販売する「委託販売」の形をとるところが多く、手数料はハンドメイドマーケットより高めに設定されている傾向があります。そのかわりに、集客、購入者への対応、場合によっては梱包と発送まで運営が引き受けます。
ネットショップ作成サービス
ネットショップ作成サービスは、自分の作品だけを並べたお店をネット上に作れる仕組みです。お店のデザインや作品の見せ方を自分で決められ、作家の世界観をそのまま伝えられます。手数料は決済の手数料が中心で、ほかの種類より低く抑えられることが多い一方、お店に買い手を呼ぶのは作家自身の役目になります。
| 種類 | 集まる買い手 | 手数料の傾向 | 作家がすること |
|---|---|---|---|
| ハンドメイドマーケット | 手作りの品を探す幅広い人 | 販売価格の10%前後 | 撮影、説明文、発送、問い合わせ対応 |
| アート作品の専門通販 | 絵を探している人、法人 | 販売価格の数十% | 登録、撮影、運営への発送 |
| ネットショップ作成サービス | 作家を知って訪れる人 | 決済手数料が中心 | 集客を含むすべて |
このほかに、フリマアプリやネットオークションで絵を売る人もいます。使っている人が多く、出品も手軽ですが、中古品や日用品と同じ場所に並ぶため、作家の作品としての価値が伝わりにくい面があります。作家として活動を続けたい場合は、上の3つの種類を中心に考えるのが一般的です。
種類ごとに向いている作家
ハンドメイドマーケットは、これから作品を売り始める人や、小さな作品を数多く制作する人に向いています。アート作品の専門通販は、ある程度の数の作品がそろい、中くらいから大きな作品を中心に売りたい人に向いています。ネットショップ作成サービスは、SNSや展示会ですでに作品を見てくれる人がいて、その人たちに自分のお店で買ってもらいたい人に向いています。今の自分がどの段階にいるかを考えると、最初に使う種類を選びやすくなります。段階が進んだら、使う種類を足していけばよいのです。
比べるときに見る6つの点
ここからは、絵画の販売サイトを比べるときに見る6つの点を、1つずつ説明します。サービスの案内ページは集客の力を強調しがちですが、作家にとって大切なのは、売れたときに手元にいくら残り、どれだけの手間がかかるかです。
1つ目は手数料の仕組み
手数料は、何に対して何%かかるのかを確かめます。同じ10%でも、作品の価格だけにかかるのか、送料やオプションの価格まで含めた額にかかるのかで、手元に残る額が変わります。月額の費用がかかるプランがあるか、売上を受け取るときに振込の手数料がかかるかも、あわせて確かめます。
委託販売の形をとるサイトでは、「作家への報酬は販売価格の何%」という書き方をしていることがあります。その場合は、消費税を含む価格に対してなのか、含まない価格に対してなのかまで読みます。
2つ目は集客の力
どれだけ多くの人が訪れるかだけでなく、どんな人が訪れるかを見ます。絵を探している人が集まるサイトか、雑貨を探すついでに絵を見る人が多いサイトかで、売れやすい価格帯が変わります。サイトの中で、自分と似た大きさと価格の作品が実際に売れているかを確かめると、集客の力の目安になります。売り切れの表示や、購入した人の評価が付いている作品が多いサイトは、実際に買い手が動いている場所だと判断できます。
3つ目は審査の有無
アート作品の専門通販には、作家の登録に審査があるところがあります。審査があると始めるまでに時間がかかりますが、掲載されている作品の質がそろうため、買い手の信頼につながります。審査の基準や、審査にかかる日数は、作家向けの案内で確かめます。
4つ目は発送の流れ
作品を作家が買い手に直接送るのか、いったん運営に送ってから運営が買い手に送るのかを確かめます。運営を通す形では、作家から運営までの送料を作家が負担することが多く、大きな作品ほどこの費用が効いてきます。作家が直接送る形では、匿名で送れる仕組みがあるか、送料の目安が示されているかを見ます。
5つ目は売上の受け取り方
売上がいつ、どの方法で受け取れるかを確かめます。売れた月の翌月に振り込まれるサイトもあれば、自分で申請して受け取るサイトもあります。申請の期限や、受け取りにかかる手数料、売上が一定の額に届くまで受け取れない決まりがあるかも読みます。絵の具や額の費用を先に払う作家にとって、売上が入るまでの期間は資金の見通しに関わります。
6つ目は規約の中身
規約では、出品できる作品の決まり、作品の画像の扱い、ほかのサイトとの同時出品の可否、返品の条件、手数料の改定の扱いを確かめます。手数料は改定されることがあるため、登録した後も運営からのお知らせを読む習慣をつけておきます。
主なサービスの手数料と仕組み
ここでは、作品を売る作家が使うことの多いサービスについて、公式の案内に書かれている手数料と仕組みを紹介します。手数料は改定されることがあるため、登録する前に必ず公式のページで最新の内容を確かめてください。
minne
minne は、初期費用と月額費用が0円のハンドメイドマーケットです。販売手数料は、作品価格に購入オプションの価格と送料を含めた額の10.659%(税込)とminneの販売の案内に示されています。月額の費用を払う有料のプランに入ると、販売手数料が少し下がる仕組みもあります。作家が自分で撮影し、出品し、買い手に直接作品を送る形です。
Creema
Creema も、作家が自分で出品して買い手に直接送る形のハンドメイドマーケットです。手数料について、公式のヘルプは次のように説明しています。
出店や出品に対して、費用はかかりません。成約手数料のみいただきます。作品・素材の売買が成立した場合 成約時に決済総額の10.67%(税込)がかかります。 出典: Creema help 出店料・出品料・成約手数料はかかりますか?
「決済総額」とは、買い手が支払う合計の額のことで、送料を含めた額に手数料がかかる点は minne と同じ考え方です。
This Is Gallery
This Is Gallery は、インテリアとして飾る絵画を中心に扱うアート作品の専門通販です。作家として登録し、運営の承認を受けてから作品を掲載します。作品が売れると、作家は作品を運営に送り、運営が梱包し直して買い手に届ける形で、運営への送料は作家の負担です。2026年2月27日のお知らせで、手数料の改定が告知されています。
2026年3月10日以降に売約となった作品より、新手数料(34%)が適用されます。新手数料適用後、作家様にお支払いする報酬額は、販売価格(税抜)の66%となります 出典: thisisgallery 手数料改定のお知らせ
同じサイトのよくある質問のページには、改定前の「7割を作家に支払う」という説明が残っています。このように、案内のページによって古い記載が残っていることがあるため、手数料は最新のお知らせと規約で確かめることが大切です。
BASE
BASE は、自分のネットショップを作れるサービスです。BASEの料金のページによると、初期費用と月額費用が0円のスタンダードプランでは、作品が売れたときに決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%がかかります。月額の費用を払うグロースプランでは、年払いで1か月あたり16,580円の費用がかかる代わりに、決済手数料が2.9%、サービス利用料が0円になります。売上が大きくなるまではスタンダードプランで始めるのが一般的です。
手取りの計算の例
手数料の仕組みが違うと、同じ価格で売っても手元に残る額が変わります。ここでは、税込30,000円の作品が売れた場合を例に、手数料を差し引いた額の目安を計算します。送料は別に考えるものとし、1円未満の端数は概算で丸めています。
| サービス | 手数料の計算 | 手元に残る額の目安 |
|---|---|---|
| minne | 30,000円×10.659% | 約26,800円 |
| Creema | 30,000円×10.67% | 約26,800円 |
| BASE(スタンダード) | 30,000円×3.6%+40円と30,000円×3% | 約28,000円 |
| This Is Gallery | 税抜27,273円×66%が報酬 | 約18,000円 |
この表だけを見ると、BASE が最も多く残り、This Is Gallery が最も少なく見えます。ただし、手数料は集客や対応の手間と引き換えです。BASE では買い手を自分で集める必要があり、This Is Gallery では絵を探している買い手への露出、購入者への対応、買い手への発送を運営が引き受けます。ハンドメイドマーケットでは、送料にも手数料がかかる点を忘れずに計算に入れます。
手元に残る額だけで選ぶのではなく、その手数料で何を任せられるのか、自分の時間をどれだけ制作に回せるのかをあわせて考えることが、販売サイトを選ぶときの基本です。
作品の価格帯と大きさで選ぶ
作品の価格帯と大きさによって、向いている販売サイトは変わります。ここでは、よくある3つの場合に分けて選び方を説明します。
数千円から2万円くらいの小さな作品
はがきの大きさから小さな号数の作品は、ハンドメイドマーケットと相性のよい価格帯です。手に取りやすい価格の作品を探す人が多く、送料も小さな箱で済みます。初めて作品を売る人は、この価格帯の作品をハンドメイドマーケットに出し、どんな作品に反応があるかを確かめるところから始めると、次の制作の方向を決める手がかりになります。
数万円から十数万円の中くらいの作品
部屋の壁に飾る中くらいの大きさの作品は、アート作品の専門通販で探す人が多い価格帯です。インテリアとして絵を選ぶ人は、作品の大きさや色の雰囲気で探すため、サイトの検索の仕組みが作品を見つけてもらう助けになります。手数料は高めでも、絵を探している買い手に見てもらえる利点があります。
大きな作品や価格の高い作品
大きな作品は送料が高く、梱包にも手間がかかります。ネットで売る場合は、大型の荷物を扱える配送の仕組みがあるか、送料の負担をどう決めるかを、出品する前に確かめます。価格の高い作品は、実物を見て決めたい買い手も多いため、ネットの販売サイトだけでなく、画廊での展示や個展と組み合わせて考えるのが現実的です。
複製画やグッズを一緒に売る
原画の価格が高くて手を出しにくい買い手のために、原画とは別に、複製画やポストカード、カレンダーなどのグッズを販売する作家もいます。著作権は描いた作家に残っているため、自分の作品の複製を作って売ることは、作家自身なら自由にできます。原画が売れた後でも、契約で著作権を譲っていなければ、同じ作品の複製画を販売できます。
複製画を売るときは、原画ではないことを題名や説明文ではっきり示します。印刷の方法、用紙の種類、大きさ、限定の枚数を決めているならその枚数を書いておくと、買い手は原画との違いを理解したうえで選べます。グッズは手ごろな価格で売れやすく、作家の作品を知ってもらう入口になります。グッズを買った人が、次に原画を選んでくれることもあります。
登録の前にそろえておくもの
販売サイトに登録する前に、いくつかの準備をしておくと、登録から出品までが滞りなく進みます。
- 販売する作品を3点から5点ほど。題材や雰囲気が近いものをそろえると、作家の個性が伝わりやすい
- 作品ごとの写真。正面、近く、斜め、部屋に飾った様子の4種類があると説明しやすい
- 作品ごとの情報。題名、制作年、画材、縦横の寸法、額の有無を表にまとめておく
- 作家のプロフィール。主な題材、画材、大切にしていることを200字ほどで書いておく
- 売上を受け取る口座。本人の名義の口座を用意する
- 梱包の資材。作品の大きさに合う箱、緩衝材、角あて、画面を守る紙
特に、作品ごとの情報の表は、複数のサイトに出品するときにそのまま写して使えるため、最初に作っておくと後の手間が大きく減ります。写真も、サイトごとに撮り直すのではなく、1回の撮影で必要な種類をそろえておきます。
登録から最初の販売までの流れ
販売サイトを決めたら、登録して最初の作品を出品します。どのサイトでも、おおむね次の流れで進みます。
- 作家としてアカウントを作る。メールアドレス、作家名、プロフィールを登録する
- 売上の振込先の口座と、本人確認の情報を登録する
- 審査があるサイトでは、作家情報を登録して承認を待つ
- 作品の写真を撮り、題名、大きさ、画材、価格、説明文を入力して出品する
- 売れたら、サイトの決まりに沿って梱包し、買い手か運営に発送する
- 取引が完了したら、売上の受け取りの手続きをする
最初の出品で特に時間がかかるのが、写真と説明文です。作品の全体が分かる正面の写真、筆の跡が分かる近くからの写真、部屋に飾った様子の写真をそろえ、説明文には縦横の寸法を必ず書きます。買い手は実物を見られないため、大きさと色の雰囲気が伝わるかどうかが、購入の決め手になります。
サイトの中で作品を見つけてもらう工夫
販売サイトに出品しても、作品が検索の結果や一覧の中で目に留まらなければ、買い手に見てもらえません。どのサイトでも共通して効く工夫があります。
題名と検索の言葉
買い手はサイトの中で、「油絵 風景」「抽象画 青」「花の絵 小さい」のような言葉で作品を探します。作品の題名に詩的な言葉だけを付けると、こうした検索に引っかかりにくくなります。題名はそのままに、説明文やタグの欄に、画材、題材、色、大きさ、飾る場所の言葉を入れておくと、探している人に届きやすくなります。
カテゴリの選び方
カテゴリは、作品に最も近いものを1つ選びます。油絵なのに水彩画のカテゴリに入れたり、たくさんの人が見ていそうなカテゴリに無理に入れたりすると、探している人の期待とずれ、かえって選ばれにくくなります。インテリアの部屋の種類や色で探せるサイトでは、その項目も忘れずに入力します。
出品の数と更新
販売サイトの多くは、新しく出品された作品を目立つ場所に表示します。作品を一度にまとめて出すより、少しずつ間をあけて出品すると、新着の一覧に載る回数が増えます。売れ残っている作品も、写真や説明文を見直して更新すると、改めて買い手の目に入る機会になります。
サイト選びでよくある失敗
販売サイトを選ぶときに、多くの作家がつまずく点があります。始める前に知っておくと、遠回りを避けられます。
手数料の低さだけで選ぶ
手数料が低いサイトを選んでも、作品を見てくれる人がいなければ売れません。特に、自分のネットショップは手数料が低い分、集客をすべて自分で担います。SNSなどで作品を見てくれる人がまだ少ないうちは、手数料がかかっても集客の力のあるサイトに出すほうが、最初の買い手に出会いやすくなります。
送料を計算に入れていない
絵画は、作品の大きさに比べて梱包が大きくなりやすく、送料が想像以上にかかります。送料を作品の価格に含めて「送料無料」とした結果、遠くの地域に送ったら利益がほとんど残らなかった、という例は少なくありません。出品する前に、梱包した状態の寸法と重さを測り、最も遠い地域に送る場合の送料を確かめておきます。運営に作品を送る形のサイトでは、運営までの送料も計算に入れます。
登録だけして出品が止まる
複数のサイトに登録したものの、出品や更新が追いつかず、どのサイトでも作品が少ないまま、という状態もよく見られます。サイトの数を増やすより、まず1つか2つのサイトに作品をそろえ、反応を見てから広げるほうが、手間に見合った結果につながります。
複数のサイトを使い分けるときの注意
1つのサイトだけでなく、複数のサイトに作品を出す作家も多くいます。買い手に見てもらえる機会が増える一方で、気をつける点もあります。
二重に売れることを防ぐ
一点ものの絵画を複数のサイトに同時に出品すると、別々のサイトでほぼ同時に売れてしまうおそれがあります。片方の買い手には作品を届けられず、取引を取り消すことになり、作家としての評価に響きます。同時に出品するときは、1つのサイトで売れたらすぐにほかのサイトの出品を取り下げる手順を決めておきます。規約で同時出品を禁じているサイトもあるため、事前に確かめます。
価格をそろえる
同じ作品をサイトによって違う価格で出すと、買い手から不信を持たれることがあります。手数料の違いを価格に反映させたい場合でも、差は小さくとどめ、作品の基準の価格は大きく変えないほうが、作家としての信頼を保てます。
作品の記録を1つにまとめる
複数のサイトを使うと、どの作品をどこに出しているかが分かりにくくなります。作品ごとに、題名、大きさ、価格、出品しているサイト、売れた日を1つの表にまとめておくと、二重の販売を防げるうえ、売上の集計にもそのまま使えます。
買い手とのやりとりで気をつけること
販売サイトでは、作品を買う前の買い手から問い合わせを受けることがあります。やりとりの印象は、その作品が売れるかどうかだけでなく、作家としての評価にもつながります。
問い合わせへの返信
よくある問い合わせは、実物の色の具合、額の有無、届くまでの日数、飾るための金具の有無などです。返信は、できるだけ早く、聞かれたことに具体的に答えます。色について聞かれたら、自然光と室内の照明で撮った写真を追加で送ると、買い手は判断しやすくなります。
値引きの相談
サイトによっては、買い手から値引きの相談が来ることがあります。応じるかどうかは作家の自由ですが、一度値引きに応じると、ほかの買い手との間で価格の差が生まれます。値引きには応じない、または複数の作品を一緒に買う場合だけ送料を調整する、といった決まりを自分の中で持っておくと、迷わずに返信できます。運営が値引きの相談を仲介するサイトもあるため、サイトの仕組みに沿って対応します。
返品と破損への備え
作品が届いた後に、「思っていた色と違う」といった理由で返品を求められることがあります。返品を受けるかどうか、受ける場合の送料の負担は、サイトの規約と自分の出品の説明に沿って決まります。出品の段階で返品の条件を明記しておくと、行き違いを防げます。輸送の途中で破損したときに備えて、梱包する前の作品の写真と、梱包した状態の写真を残しておくことも大切です。
規約と法律で確かめておくこと
販売サイトを使うときは、サイトの規約に加えて、作品を売ることに関わる法律の決まりも知っておく必要があります。
作品の画像と著作権
絵を売っても、絵の著作権は、契約で特に決めない限り描いた作家に残ります。販売サイトの規約には、サイトが作品の画像を宣伝に使えるといった決まりがあることが多いため、どこまで使われるのかを確かめます。キャラクターやブランドのロゴを描いた作品、他人の写真をもとに描いた作品は、権利に関わるため、売ってよいとは言い切れません。出品できない作品の決まりを規約で確かめ、判断に迷うものは出品を見送ります。
販売する人の表示
ネットで継続して作品を売る場合は、特定商取引法の「通信販売」に当たり、販売する人の氏名、住所、電話番号、返品の条件などを表示する決まりがあります。自分のネットショップでは、表示のページを自分で作ります。ハンドメイドマーケットやアート作品の専門通販では、サイトが表示の仕組みを用意していることが多いため、どの情報が買い手に表示されるのかを確かめておきます。決まりの中身は、消費者庁の特定商取引法のページで確認できます。
売上の申告
作品の売上から、画材や手数料、送料などの経費を差し引いた額は所得として扱われます。会社員で給与を1か所から受けている人は、給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも、住民税の申告は別に必要になります。複数のサイトを使っている場合は、すべてのサイトの売上を合わせて考えます。サイトごとの売上の明細を毎月保存しておくと、申告の準備が楽になります。経費として扱える場合がある画材や梱包の資材、送料の領収書も、作品の記録の表と一緒に月ごとにまとめておくと、年明けに慌てずに済みます。
販売サイトを見直す時期
一度選んだ販売サイトを、ずっと使い続ける必要はありません。作家としての活動の段階に合わせて、使うサイトを見直していきます。
最初の半年は反応を見る
販売を始めて最初の半年ほどは、どの作品に反応があり、どの価格なら売れるのかを確かめる期間です。作品ごとの閲覧の数や、お気に入りに登録された数を見られるサイトなら、その数字を記録しておきます。売れた作品の共通点が見えてくると、次に描く作品と、合う販売サイトの方向が定まってきます。
価格を上げたいときは売る場所も見直す
作品が安定して売れるようになり、価格を上げたいと考えたときは、売る場所も一緒に見直す時期です。手ごろな価格の作品が中心のサイトで価格だけを上げると、買い手の予算と合わなくなることがあります。より価格の高い作品が売れているアート作品の専門通販や、自分のネットショップ、画廊での展示へと、少しずつ売る場所を広げていく作家が多くいます。
手数料の改定に気づく
この記事で紹介したように、販売サイトの手数料は改定されることがあります。登録した後も運営からのお知らせを読み、手数料が変わったときは、作品の価格を見直すか、ほかのサイトに移るかを検討します。改定の後も同じ価格で出し続けると、気づかないうちに手元に残る額が減っていることがあります。
販売サイトと組み合わせたい活動
販売サイトは作品を買ってもらう場所ですが、作家を知ってもらう場所としては限りがあります。サイトの外の活動と組み合わせると、販売サイトでの売れ行きにもよい影響が出ます。
SNSでの発信
制作の途中の様子や、完成した作品を部屋に飾った写真をSNSで発信すると、作家の名前と作風を覚えてもらうきっかけになります。投稿の中で販売サイトの作品ページを案内すれば、作品を気に入った人がそのまま購入に進めます。作品の画像を投稿するときは、無断で使われることに備えて、画像の大きさを抑えたり、作家名を小さく入れたりする作家もいます。
展示会や公募展
地域の展示会やアートイベント、公募展に作品を出すと、実物を見てもらえます。ネットでは伝わりにくい絵の具の質感や大きさを知ってもらえるため、会場で気に入った人が、後から販売サイトで別の作品を購入することもあります。入選や受賞の経歴は、販売サイトのプロフィールにも書けます。
作家の活動を長く見てきた運営者の視点
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、絵を描く技術で長く収入を得ている人ほど、販売サイトでの作品の販売と、依頼を受けて描く仕事を組み合わせています。作品の販売は、1点ごとの金額が大きくても、売れる時期が読みにくいものです。イラストの制作、本や広告の挿絵、似顔絵、デザインの仕事のように依頼を受ける仕事を組み合わせると、収入の波がならされます。
依頼を受ける仕事では、手数料の仕組みが手取りに直結する点は、販売サイトと同じです。発注者と直接やりとりできる場では、中間の手数料が差し引かれない分、同じ報酬でも手取りが厚くなります。手数料0%で直接取引できる場では、発注者は同じ予算でより多くを頼め、描き手はより多くを受け取れます。
絵を描く技術を生かす仕事の収入の目安を知りたい人は、デザイナーの年収・単価相場で、会社員とフリーランスの収入の幅や、案件の単価の目安を確かめられます。自宅で制作と販売を続ける環境を整えたい人には、作品の画像のアップロードや問い合わせへの返信を安定してこなすための在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方も参考になります。
よくある質問
Q. 初めて絵を売るならどの販売サイトがよいですか?
小さな作品や手ごろな価格の作品から始めるなら、出品が無料で利用者の多いハンドメイドマーケットが始めやすい場所です。どの作品に反応があるかを確かめてから、価格の高い作品はアート作品の専門通販や自分のネットショップに広げていく作家が多くいます。手数料と規約は、登録する前に公式のページで確かめます。
Q. 絵画の販売サイトの手数料はどれくらいですか?
仕組みによって大きく違います。ハンドメイドマーケットは販売価格の10%前後、ネットショップ作成サービスは決済手数料が中心、運営が販売を引き受けるアート作品の専門通販は販売価格の数十%のところもあります。送料にも手数料がかかるか、消費税の扱いはどうかまで確かめると、手元に残る額を正確に計算できます。
Q. 同じ絵を複数の販売サイトに出してもよいですか?
規約で禁じていなければ出品できますが、一点ものの絵は別々のサイトでほぼ同時に売れてしまうおそれがあります。1つのサイトで売れたらすぐにほかの出品を取り下げる手順を決め、作品ごとの出品先を表にまとめて管理します。価格はサイトの間で大きく変えないほうが、買い手の信頼を保てます。
Q. 販売サイトで売った絵の著作権はどうなりますか?
絵を売っても、契約で特に決めない限り、著作権は描いた作家に残ります。買い手は絵を飾れますが、印刷してグッズにするなど商用で使うには作家の許しが必要です。販売サイトの規約には、作品の画像を宣伝に使う決まりがあることが多いため、どこまで使われるかを確かめておきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ
プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







