外出支援の仕事に要る資格は何か|同行援護と移動支援の研修の違い

@SOHO編集部
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外出支援の仕事に要る資格は何か|同行援護と移動支援の研修の違い

この記事のポイント

  • ✓外出支援の資格を調べている人に向けて
  • ✓同行援護・行動援護・移動支援の3つのサービスごとに必要な研修の違いを
  • ✓厚生労働省と都道府県の資料をもとに整理します

障害のある人の外出に付き添う仕事に興味を持ち、外出支援の資格を調べ始めたものの、同行援護、行動援護、移動支援、ガイドヘルパーと似た言葉が並んでいて、どの研修を受ければよいのか分からなくなった。そういう人は少なくありません。結論から言うと、外出支援の仕事に「これ1つあればよい」という国家資格はなく、支援するサービスごとに対応する研修が分かれています。視覚障害のある人の外出を支えるなら同行援護従業者養成研修、知的障害や精神障害で行動上の困難が大きい人なら行動援護従業者養成研修、市区町村の移動支援事業なら自治体が認める研修、という形です。

この記事では、3つのサービスの違いと、それぞれに必要な研修の中身と時間数を、厚生労働省と都道府県の資料をもとに整理します。令和7年4月から始まった同行援護の新しいカリキュラム、移動支援の要件が自治体で違う理由、研修の選び方と、受講してから働き始めるまでの失敗しやすい点まで解説します。

外出支援の仕事は3つのサービスに分かれる

外出支援の仕事は、障害のある人が買い物や通院、余暇の外出をするときに付き添い、安全に移動できるよう手助けする仕事です。現場では「ガイドヘルパー」と呼ばれることが多いのですが、ガイドヘルパーは法律上の資格の名前ではなく、通称です。実際には、どの制度のサービスとして付き添うかで、必要な研修が変わります。

サービス 主な対象 制度の位置づけ 必要な研修の決め方
同行援護 視覚障害で移動に著しい困難がある人 障害者総合支援法の障害福祉サービス(国の基準) 国の告示で決まっている
行動援護 知的障害や精神障害で行動上著しい困難があり、常に介護が必要な人 障害者総合支援法の障害福祉サービス(国の基準) 国の告示で決まっている
移動支援 屋外での移動が難しい障害者・障害児 市区町村の地域生活支援事業 市区町村が決める

同行援護と行動援護は、全国共通の基準で運営される障害福祉サービスです。障害福祉サービスとは、障害者総合支援法にもとづいて、国の基準を満たした事業所が提供し、費用の多くを公費でまかなう支援のことです。働く人の要件も国が決めているので、どの都道府県で研修を受けても、基本的に全国で通用します。

これに対し移動支援は、市区町村が地域の実情に合わせて行う事業です。厚生労働省の資料によると、令和6年度に移動支援事業を実施している市区町村は全国1,741のうち1,685でした。ほとんどの市区町村が実施していますが、誰がサービスを提供してよいかは市区町村が決めるため、必要な研修も地域によって違います。

この違いを知らずに研修を選ぶと、受講したのに住んでいる地域の移動支援では認められない、という失敗が起こります。まずは、自分がどの利用者の外出を支えたいのか、そしてどのサービスとして働くことになるのかを先に考えるのが、研修選びの出発点です。

同行援護に必要な資格と研修の中身

同行援護とは、視覚障害で移動に著しい困難がある人の外出に同行し、移動に必要な情報を伝えたり、移動を手助けしたりするサービスです。厚生労働省の説明では、移動の援護のほか、外出の際に必要な援助を行うとされており、代筆や代読もこの中に含まれます。障害支援区分の認定が要らない点も特徴で、同行援護アセスメント調査票で視力・視野・夜盲のいずれかと移動障害の点数が1点以上ある人が対象です。

同行援護の従業者になる主な道は、同行援護従業者養成研修の一般課程を修了することです。この研修は都道府県や、都道府県が指定した事業者が実施しています。カリキュラムは令和7年4月から新しくなり、一般課程の時間数が20時間から28時間に伸びました。

同行援護の質的向上を図るため、令和7年4月から、都道府県において、新たなカリキュラムにより研修が行われることとなっている。 出典: 厚生労働省(同行援護のサービス提供責任者の資格要件の改正について)

新しい一般課程の中身は次のとおりです。

区分 主な科目 時間数
講義 外出保障、視覚障害の理解と疾病、視覚障害者の心理、福祉の制度とサービス、同行援護の制度、従業者の実際と職業倫理 8.5時間
講義・演習 情報提供、代筆・代読 3.5時間
演習 誘導の基本技術、誘導の応用技術(場面別・街歩き)、交通機関の利用 16時間
合計 28時間

全体の半分以上が演習で、実際に目を閉じたりアイマスクを付けたりして誘導される側を体験し、階段や電車の乗り降り、街歩きでの誘導を練習します。座学だけで終わる研修ではないので、動きやすい服装で臨む必要があります。盲ろう者向け通訳・介助員養成研修を修了している人は、一部の科目が免除され、19時間で修了できます。

応用課程は、一般課程を修了した人が、サービス提供責任者としての知識を学ぶための課程です。新しいカリキュラムでは6時間で、サービス提供責任者の業務、個別支援計画、リスク管理などを学びます。サービス提供責任者とは、事業所で利用者ごとの支援の計画を立て、ヘルパーの調整や指導を担う役割のことです。

介護の資格を持っている人の扱い

介護福祉士や初任者研修などの介護の資格を持つ人については、一定の実務経験を条件に同行援護の従業者として認める扱いがありますが、厚生労働省の資料では令和9年3月末までの経過措置とされています。盲ろう者向け通訳・介助員養成研修の修了者を同行援護従業者養成研修の修了者とみなす経過措置も、令和9年3月31日まで延長され、対象は現にその要件で従事している人に限られました。これから外出支援の仕事を始める人は、経過措置に頼らず、同行援護従業者養成研修の一般課程を受けておくのが確実です。

行動援護に必要な資格と研修の中身

行動援護とは、知的障害や精神障害で行動上著しい困難があり、常に介護が必要な人について、行動するときに起こり得る危険を避けるための援護や、外出時の移動中の介護、排せつや食事の介護などを行うサービスです。対象は、障害支援区分が区分3以上で、行動関連項目の合計点数が10点以上の人です。

行動援護の従業者になるには、行動援護従業者養成研修を修了し、さらに知的障害者や精神障害者の直接支援の実務経験を積んでいることが求められます。厚生労働省の資料の一覧では、行動援護従業者養成研修の修了者は、実務経験1年で従業者、3年でサービス提供責任者になれると整理されています。

研修の時間数は24時間です。沖縄県が公開している研修課程の資料では、講義が10時間、演習が14時間と定められています。

区分 主な内容 時間数
講義 強度行動障害がある人の基本的理解、制度と支援技術、チーム支援、生活の組み立て 10時間
演習 情報収集と記録の共有、コミュニケーションの理解、特性の理解とアセスメント、環境調整による支援、危機対応と虐待防止 14時間

同じ資料には、行動援護従業者養成研修の内容が強度行動障害支援者養成研修(基礎研修と実践研修)と同様のものになっているため、合同で開催できると書かれています。強度行動障害とは、自分を傷つける、他人をたたく、物を壊すといった行動が、通常では考えられない頻度や強さで出ている状態のことです。行動援護の仕事は、こうした行動が起こる背景を理解し、環境を整えて予防することが中心になります。

行動援護は、実務経験が必要な分、未経験からいきなり就くのは難しいサービスです。まず知的障害のある人の施設やグループホーム、移動支援などで直接支援の経験を積み、その後に研修を受けて行動援護に進む、という順番が現実的です。

移動支援に必要な資格は市区町村で違う

移動支援事業は、障害者総合支援法にもとづく地域生活支援事業の1つで、実施主体は市区町村です。屋外での移動が難しい障害者や障害児が、社会生活に必要な外出や余暇の外出をするときに移動を支援します。マンツーマンで支える個別支援型のほか、複数人を同時に支えるグループ支援型、福祉バスなどで送迎する車両移送型もあります。

誰がサービスを提供してよいかについて、厚生労働省の実施要綱は次のように定めています。

サービスを提供するに相応しい者として実施主体が認めた者とする。 出典: 厚生労働省(移動支援事業について)

実施主体とは市区町村のことです。つまり、移動支援のヘルパーに必要な研修や資格は、国が一律に決めているのではなく、市区町村ごとに決まっています。多くの地域では、都道府県が行う移動支援従業者養成研修(地域によって移動介護従業者養成研修などの名前)の修了を求め、介護福祉士や初任者研修の修了者も認める形をとっています。

研修の時間数や科目の組み立ても、都道府県がそれぞれの実施要綱で決めています。たとえば千葉県の実施要綱では、視覚障害の課程が20時間、全身性障害の課程が16時間、知的障害の課程が19時間と定められています。ヘルパーの研修などを修了している人は、一部の科目が免除される仕組みも設けられています。ほかの都道府県では、課程の名前も時間数も違うことがあるので、必ず働く地域の要綱を見てください。

課程の例 主な対象 千葉県の時間数
視覚障害の課程 視覚障害のある人 20時間
全身性障害の課程 車いすを使う人など、全身に障害がある人 16時間
知的障害の課程 知的障害のある人 19時間

このように、同じ「ガイドヘルパーの研修」でも中身が地域ごとに違います。引っ越しの予定がある人や、隣の市の事業所で働く予定の人は、働く予定の市区町村がどの研修を認めているかを、市区町村の障害福祉の担当課か、勤め先の事業所に確かめてください。千葉県の要綱の全文は千葉県の移動介護従業者養成研修実施要綱で読めます。

同行援護と移動支援の研修の違いを比べる

ここまでの内容を、同行援護と移動支援の視覚障害の課程で比べてみます。どちらも視覚障害のある人の外出を支える点は同じですが、制度と研修の性格が違います。

比べる点 同行援護従業者養成研修(一般課程) 移動支援の研修(視覚障害の課程)
根拠 国の告示(全国共通) 都道府県の実施要綱・市区町村の判断
時間数 28時間(令和7年4月から) 都道府県で違う(千葉県は20時間)
通用する範囲 全国の同行援護事業所 研修を認めている市区町村
代筆・代読 科目に含まれる 課程による
上位の課程 応用課程(サービス提供責任者向け) 一般に無い

全国で通用するという点では、同行援護従業者養成研修の一般課程のほうが使い道は広くなります。視覚障害のある人の外出支援をしたいなら、まずこちらを受けておけば、同行援護の事業所で働けるうえ、多くの市区町村で移動支援の視覚障害の要件も満たせる可能性があります。ただし、移動支援で認めるかどうかは市区町村が決めるので、受講前に確かめておくと確実です。

知的障害のある人や、車いすを使う人の外出を支えたいなら、移動支援のそれぞれの課程が入口になります。知的障害のある人の支援を深めたい人は、移動支援で経験を積んだあと、行動援護従業者養成研修に進む道もあります。

外出支援の資格を取るメリットと、仕事の現実

外出支援の資格を取るメリットは、短い期間で福祉の仕事に入れることです。同行援護の一般課程は28時間、移動支援の課程も多くの地域で20時間前後なので、数日から1週間ほどで修了できる日程を組んでいる研修事業者が多くあります。介護福祉士のように何年もかけて取る資格ではないので、副業や子育ての合間に始めたい人にも入口が広い仕事です。

働き方の面では、外出支援は利用者の予定に合わせて1回数時間ずつ入る形が多く、登録ヘルパーとして空いている時間だけ働く人も多くいます。登録ヘルパーとは、事業所に登録しておき、依頼があった日時に働く形のヘルパーのことで、雇用契約を結ぶのが一般的です。週末や平日の日中に、自分の予定に合わせて入れるのが利点です。

一方で、仕事の現実も知っておく必要があります。外出支援は、利用者の予定が入らない日は仕事がなく、収入が安定しにくい面があります。また、移動中の待ち時間や、利用者の自宅から目的地までの移動時間がどこまで給与の対象になるかは、事業所によって扱いが違います。応募する前に、1回の支援の時間の数え方と、移動時間・待機時間の扱いを確かめておくと、実際の手取りを見積もれます。

厚生労働省の資料には、同行援護の事業所で働く従業者の資格の内訳も載っています。同行援護の従業者のうち介護福祉士が51.7%、初任者研修の修了者が20.3%、同行援護従業者養成研修の修了者が14.9%でした。介護の資格を持つ人が多い職場であり、研修だけで入った人は、経験のある先輩から学びながら現場に慣れていくことになります。

同行援護の1回の支援はどう進むか

研修を受ける前に、実際の仕事の流れを知っておくと、研修の中身が頭に入りやすくなります。同行援護の1回の支援は、たとえば通院の付き添いなら次のように進みます。

  1. 事業所から依頼の日時、利用者の自宅、行き先、目的を聞き、移動の経路を下調べする
  2. 約束の時間に利用者の自宅を訪ね、体調と持ち物、その日の予定を確かめる
  3. 自宅を出て、駅やバス停まで誘導する。段差や曲がり角、人の流れを言葉で伝えながら歩く
  4. 電車やバスの乗り降りを手助けし、空いている席の位置を伝える
  5. 病院で受付を手伝い、問診票の代筆や、案内の掲示の代読をする
  6. 診察を待つ間、呼び出しの声を聞き逃さないよう付き添う
  7. 会計と薬の受け取りを手伝い、帰りの経路で自宅まで誘導する
  8. 事業所に戻るか連絡を入れ、支援の記録を書く

この流れのうち、研修の科目と直接つながっているのが、3と4の誘導、5の代筆・代読、それに全体を通じた情報提供です。情報提供とは、利用者が目で見て得られない周りの様子を、言葉で伝えることです。「右に2メートル先、上りの階段が5段あります」「前から自転車が来ています」のように、方向、距離、数を具体的に伝える練習を、研修では何度も繰り返します。

買い物の付き添いでは、商品の値段や賞味期限、色や形を伝えたり、財布からお金を出す手助けをしたりします。余暇の外出では、映画館や美術館、旅行先での移動を支えることもあります。どの場面でも、決めるのは利用者本人です。ヘルパーが先回りして選んだり、勝手に判断したりしないことが、外出支援の大原則として研修で繰り返し教えられます。

行き先が利用者にとって大切な場所であるほど、事前の下調べが生きます。駅のエレベーターの位置、病院の入口の段差、トイレの場所を地図や施設の案内で確かめておくと、当日の支援に余裕が生まれます。経験を積んだヘルパーほど、この下調べに時間をかけています。

誘導の基本技術で身に付けること

同行援護従業者養成研修の演習の中心は、誘導の技術です。新しいカリキュラムでは、誘導の基本技術に合わせて7時間、街歩きを含む誘導の応用技術に5時間、交通機関の利用に4時間が割り当てられています。研修で学ぶ主な内容は次のとおりです。

技術 中身
基本の姿勢 ヘルパーが半歩前に立ち、利用者にひじの少し上や肩をつかんでもらう
狭い場所の通過 ヘルパーが前、利用者が真後ろに入り、一列で通る
階段の昇り降り 階段の手前で止まり、上りか下りかと段数を伝えてから進む
いすへの誘導 背もたれや座面に手を触れてもらい、本人が位置を確かめて座る
交通機関の利用 改札、ホームと電車のすき間、エスカレーターの乗り降りを支える

どの技術でも大切なのは、利用者の体を引っ張ったり押したりしないことです。誘導は、ヘルパーの体の動きを、つかんでいる手を通して伝える技術です。歩く速さや止まるタイミングを利用者に合わせ、言葉と体の動きの両方で情報を伝えます。

研修では、受講者が交代で誘導する側と誘導される側の両方を体験します。アイマスクをして歩くと、段差のわずかな高さや、人の気配がどれだけ怖いかがよく分かります。この体験があるかどうかで、現場での声のかけ方が変わります。修了後も、事業所の先輩と同行して実地で練習を重ねることで、技術が身に付いていきます。

外出支援の仕事に向いている人

外出支援の仕事は、資格の取りやすさに比べて、人柄や姿勢が問われる仕事です。向いているのは、次のような人です。

・相手のペースに合わせて待つことができる人
・周りの様子を、具体的な言葉で伝えるのが苦にならない人
・初めての場所でも、事前に調べて準備する習慣がある人
・相手の決定を尊重し、自分の考えを押し付けない人
・体を動かすことが好きで、1日に何千歩も歩くことが苦にならない人

反対に、急いで物事を進めたい人や、自分のやり方で段取りを決めたい人は、最初は戸惑うかもしれません。外出支援では、利用者の希望と体調に合わせて、予定が変わることもよくあります。予定どおりに進まないことを楽しめるくらいの余裕があると、長く続けやすい仕事です。

体力の面では、天候に左右されることを知っておいてください。夏の暑い日や雨の日でも、利用者の大切な予定であれば外出します。自分の体調管理も仕事のうちで、水分補給や雨具の準備は、利用者の分まで気を配る必要があります。

副業として外出支援をするときに確かめること

会社員として働きながら、週末だけ外出支援をする人もいます。副業として始めるときは、本業の会社の決まりと税金を先に確かめます。

本業の就業規則については、厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)が第70条で副業・兼業を定めており、勤務時間外に他の会社などの業務に従事できるとしたうえで、会社が禁止や制限をできる場合を、仕事に支障が出る場合、秘密が漏れる場合、名誉や信用を傷つける場合、競業で利益を害する場合の4つに限っています。自分の会社の就業規則がこのとおりとは限らないので、届出の要否も含めて確かめてください。

税金については、事業所に雇われて受け取るお金は給与になります。国税庁の案内では、給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人は確定申告が必要です。年間の支援の回数が少なく、この線を超えない場合でも、住民税の申告は別の扱いになることがあるので、迷ったら市区町村の窓口で確認してください。

研修の選び方と申し込みの手順

外出支援の研修を選ぶときは、次の順で考えると迷いません。

  1. 支えたい利用者を決める(視覚障害、知的障害、全身性障害のどれか)
  2. 働きたいサービスを決める(同行援護、行動援護、移動支援)
  3. 働く予定の市区町村や事業所が認めている研修を確かめる
  4. 都道府県が指定した研修事業者の一覧から、日程と会場が合うものを選ぶ
  5. 受講料、テキスト代、修了証の発行の手順を確かめて申し込む

研修事業者は、都道府県の障害福祉の担当課のサイトに、指定した事業者の一覧として載っていることが多いです。都道府県の指定を受けていない講座を受けても、修了証が要件として認められないおそれがあるので、指定の有無は必ず確かめてください。

受講料は研修事業者ごとに違います。ここでは金額を挙げませんが、同じ課程でも事業者によって差があるので、2〜3か所を見比べてください。事業所によっては、採用後に研修費を負担してくれるところもあります。先に働く事業所を決め、そこで受講費の補助を受ける順番にすると、出費を抑えられます。

申し込みのときは、演習の日程にも注意します。同行援護の演習には街歩きや交通機関の利用があり、駅や商業施設に出て実習する日があります。体調や天候で欠席すると、その科目だけ別の日程で受け直す必要があることが多いので、予備日の扱いも確かめておくと安心です。

個人で付き添うことと、制度のサービスとして働くことの違い

外出支援の資格を調べている人の中には、家族や知人の外出を手伝っていて、その経験を仕事にしたいと考えている人もいます。ここで押さえておきたいのは、家族や知人の付き添いと、制度のサービスとしての外出支援は、まったく別のものだという点です。

家族や友人として外出に付き添うことに、資格は要りません。一方で、同行援護や行動援護は、都道府県などの指定を受けた事業所が提供するサービスで、費用の多くを公費でまかなっています。そのため、従業者の要件を満たした人が、指定を受けた事業所に所属して支援する形でなければ、制度のサービスにはなりません。移動支援も、市区町村が認めた事業者と従業者が担います。研修を修了しただけで、個人として利用者から直接依頼を受けて公費のサービスを提供できるわけではありません。

制度の外で、自費の付き添いサービスとして個人で仕事を受ける人もいますが、その場合は公費の支えがなく、料金は利用者が全額負担します。事故のときの補償も自分で備える必要があります。車で送迎する場合は、お金を受け取って人を運ぶことになり、道路運送法の許可や登録が関わることがあります。自費のサービスを考えている人は、運輸局や市区町村の窓口で、自分のやり方に必要な手続きを確かめてから始めてください。

まずは制度のサービスを提供する事業所に所属し、研修と現場で技術を身に付けるのが、外出支援の仕事を始める確実な道です。事業所で経験を積むと、利用者の多様な状態に触れられ、困ったときに相談できる先輩や、サービス提供責任者の助けも得られます。

研修を受けたあとに失敗しやすいポイント

研修を修了してから働き始めるまでに、つまずきやすい点があります。

1つ目は、修了証の扱いです。修了証は、事業所が行政に従業者の要件を示すための大切な書類です。紛失すると再発行の手続きが必要になり、研修事業者が廃業していると手続きが複雑になります。受け取ったら写しを取り、原本は大切に保管してください。

2つ目は、研修で学んだ誘導の技術を、現場で使わないうちに忘れてしまうことです。同行援護の誘導は、半歩前を歩いて肘や肩をつかんでもらう基本姿勢から、狭い通路、階段、電車の乗り降りまで、体で覚える技術です。研修のあと数か月空くと感覚が鈍るので、修了したらなるべく早く現場に出るか、先輩の同行研修を受けられる事業所を選ぶのが近道です。

3つ目は、利用者の生活に深く関わる仕事だという自覚です。外出支援では、通院先、買い物の中身、交友関係など、利用者の私生活に触れます。知り得た情報を外に漏らさないことは、事業所の規程でも、研修でも繰り返し教わる基本です。SNSに支援中の出来事を書くことは、たとえ名前を伏せても避けてください。

4つ目は、移動中の事故への備えです。事業所が損害賠償の保険に入っているか、ヘルパー自身のけがに労災保険が使えるかを、働き始める前に確かめておきます。登録ヘルパーでも雇用契約で働いていれば、労災保険の対象になるのが一般的です。

外出支援の経験を生かした転職とキャリアの広げ方

外出支援の仕事から始めて、福祉の分野で働き方を広げる人は多くいます。外出支援の経験は、次のような道につながります。

次の段階 必要になるもの 外出支援の経験が生きる点
同行援護のサービス提供責任者 一般課程の修了と視覚障害者の介護等の業務3年、応用課程の修了など 誘導の技術と利用者との関係づくり
居宅介護のヘルパー 初任者研修など 障害のある人の生活への理解
介護福祉士 実務経験3年と実務者研修を経て国家試験 現場での実務経験
行動援護の従業者 行動援護従業者養成研修と実務経験 知的障害のある人の支援経験

同行援護のサービス提供責任者の要件は、令和7年4月から広がりました。それまでは介護福祉士などの資格が前提でしたが、同行援護従業者養成研修の一般課程を修了して視覚障害者の介護等の業務に3年以上従事した人も、応用課程を修了すればサービス提供責任者になれるようになりました。外出支援だけを専門に続けてきた人にも、責任ある立場への道が開かれたことになります。

転職を考えるときは、外出支援で身に付けた力を具体的に言葉にしておくと伝わりやすくなります。安全に誘導する技術、移動中の危険を予測する力、利用者に合わせて説明を変える力、記録を書いて事業所と共有する力などです。福祉の仕事に限らず、人に寄り添って説明する仕事であれば、どこでも評価される力です。

運営者として見てきた、福祉の仕事を続ける人の共通点

フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、福祉の仕事を長く続ける人には、収入の柱を1本に頼らない人が多いという共通点があります。外出支援は利用者の予定次第で仕事の量が変わるため、空いた時間に別の仕事を組み合わせて、収入の波をならしている人が少なくありません。

組み合わせの1つが、在宅でできる仕事です。福祉の現場を知る人が書く記事や資料は、制度を知らない読み手にとって分かりやすく、需要があります。中間の手数料が乗らない直接の取引で仕事を受けられる場であれば、手数料0%で受け取る額がそのまま手元に残ります。記事を書く仕事の年収や単価の目安は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で統計をもとに確かめられます。書く仕事の単価を上げる手順は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップが段階ごとに解説しています。

事業所の記録や報告書を書く機会が多い人は、文書の書き方を体系立てて学んでおくと、現場でも在宅の仕事でも役立ちます。ビジネス文書検定では、試験の内容と勉強の進め方を紹介しています。また、生成AIを業務に取り入れる手伝いをする仕事も広がっており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、どんな作業が求められるかを確かめられます。

まずは、自分が支えたい利用者と、働く予定の地域で認められている研修を確かめるところから始めてください。視覚障害のある人の外出を支えたいなら、全国で通用する同行援護従業者養成研修の一般課程が、最初の一歩として選びやすい研修です。

よくある質問

Q. 外出支援の仕事に国家資格は必要ですか?

外出支援の仕事に、それだけで足りる国家資格はありません。同行援護なら同行援護従業者養成研修、行動援護なら行動援護従業者養成研修と実務経験、市区町村の移動支援ならその市区町村が認める研修というように、サービスごとに必要な研修が分かれています。介護福祉士などの資格が要件として認められる場合もありますが、扱いはサービスや地域で違うため、事業所や市区町村に確かめてください。

Q. 同行援護従業者養成研修は何時間ですか?

令和7年4月から新しいカリキュラムになり、一般課程は28時間です。講義のほか、誘導の基本技術や街歩き、交通機関の利用といった演習が半分以上を占めます。盲ろう者向け通訳・介助員養成研修の修了者は一部の科目が免除され、19時間になります。サービス提供責任者を目指す人向けの応用課程は6時間です。

Q. 移動支援の研修は住んでいる地域以外でも使えますか?

移動支援は市区町村の事業で、サービスを提供できる人の要件は市区町村が決めます。研修の時間数も都道府県で違い、たとえば千葉県では視覚障害の課程が20時間、全身性障害の課程が16時間と定められています。別の地域で働く場合は、その市区町村の障害福祉の担当課か、勤め先の事業所に、手持ちの修了証が認められるかを確かめてください。

Q. 未経験から行動援護の仕事に就けますか?

行動援護の従業者には、行動援護従業者養成研修の修了に加えて、知的障害者や精神障害者の直接支援の実務経験が求められます。厚生労働省の資料では、研修修了者は実務経験1年で従業者になれると整理されています。研修は講義10時間と演習14時間の合計24時間です。未経験の人は、施設や移動支援で経験を積んでから進むのが現実的です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月2日最終更新:2026年10月5日
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