50代60代からMV制作を始める人が、若手と競わずに済む役回り

長谷川 奈津
長谷川 奈津
50代60代からMV制作を始める人が、若手と競わずに済む役回り

この記事のポイント

  • MV制作 50代60代から始めるとき
  • 編集速度や流行の追随で若手と競う必要はありません
  • 地域の縁といった年齢が効く役回りと

「この歳から映像を始めても、若い人には勝てないですよね」。50代の方から、こういうご相談をいただくことがあります。

結論から言うと、勝つ必要はありません。競う場所を間違えなければ、年齢が不利にならない役回りが確かに存在します。

編集の速さ、流行の把握、SNS向けの表現。この3つは、若い世代のほうが強い領域です。ここで正面から競うのは合理的ではありません。一方で、進行の管理、権利の確認、出演者や関係先への対応、地域とのつながり。この4つは、年齢を重ねた人のほうが担いやすい役回りです。

これ、知らない人が本当に多いんです。MV制作は編集作業だと思われていますが、実際の案件は編集以外の部分がかなりの比重を占めます。そして、その部分でつまずいて止まる案件が少なくありません。

この記事では、50代60代からMV制作に関わるときに、どの役回りを取るのが現実的か、業務委託で受けるときに気をつける契約上の点は何かを、順に整理していきます。

年齢を条件にした募集は、実際にどう書かれているか

まず、市場の状況を確認します。映像や動画の制作に関わる募集で、年齢の扱いがどう書かれているかを見てみます。

【求人の特徴】未経験・初心者歓迎 外国人活躍中・留学生歓迎 主婦(夫)歓迎 正社員経験不問 シニア(60代~)歓迎 ミドル(40代... 出典: 求人ボックス

「シニア(60代から)歓迎」と明記した募集が実際にあります。これは重要な事実です。年齢が理由で門前払いされる市場ではない、ということを示しています。

もう1つ、業種の幅の広さも見ておきます。

【事業内容】生花小売り業/祝花・供花制作販売業/通所介護・デイサービス事業 【求人の特徴】新卒歓迎、第二新卒歓迎、有資格者歓迎、ブランクOK、経験者歓迎、学歴不問、車通勤OK、40代も応募可、50代も応募可、60代も... 出典: 求人ボックス

生花店、介護事業所。映像の会社ではありません。それでも動画制作に関わる人材を募集しています。

この点が、50代60代の入口として重要です。映像制作会社の中で若手と並んで編集速度を競うのではなく、映像を必要としている一般の事業者に対して、映像が作れる人として関わる。この経路のほうが、年齢を重ねた人の持っているものが活きます。

さらに、業務内容が複合しているケースもあります。

【仕事内容】<経験者募集>アクセサリーSHOPのデザイン・動画制作、SNS運用 残業0可、6時間~応相談 出典: 求人ボックス

デザイン、動画制作、SNS運用が1つの仕事になっています。つまり、専門の1点だけでなく、複数のことをまとめて任せられる人が求められている。この形も、社会人経験の長い人に向いています。

若手が強い領域と、年齢が効く領域を分ける

正面から競わないためには、まず領域を分けて考える必要があります。

領域 若手が強い理由 年齢が効く理由
編集の速度 ツール習熟が早く、作業量をこなせる 該当しにくい
流行の表現 日常的に触れている情報量が多い 該当しにくい
SNS向けの短尺 感覚として身についている 該当しにくい
進行の管理 経験が浅く見通しが立てにくい 段取りの経験が直接活きる
権利と契約の確認 実務経験が少ない 契約書に触れてきた経験が効く
出演者や関係先への対応 年上の相手に緊張しやすい 対人経験の蓄積が効く
地域や業界とのつながり 人脈がまだ細い 長年の関係が資産になる
音楽の文脈理解 世代の外の音楽に馴染みが薄い 幅広い年代の楽曲を知っている

この表の下半分が、50代60代から始める人の主戦場になります。

誤解しないでいただきたいのは、編集技術を身につけなくてよいという意味ではないことです。技術は必要です。ただ、技術の速さで評価される場所を選ばない、という話です。

役回り1: 進行を管理する立場に入る

MV制作の案件が止まる原因は、編集の遅さではありません。ほとんどが進行の問題です。

素材が届かない。誰の判断が最終なのかが決まっていない。音源が確定していないのに編集が始まっている。修正の指示が複数人から別々に来る。撮影の許可が取れていない。

これらは、社会人として組織で仕事をしてきた人にとっては、見慣れた種類の問題です。段取りを組み、関係者を並べ、決めるべきことを先に決める。この動きができる人は、映像業界の外から来ても価値があります。

具体的には、次のような役割になります。制作全体の日程を組む。素材の受け渡し方法を決める。関係者との連絡窓口になる。修正の意見を集約して整理する。納品形式を確認する。

編集そのものは若手に任せて、進行を持つ。この組み方をしている制作チームは実際にあります。50代60代から入るなら、この立ち位置を最初から狙うのが現実的です。

案件がどういう形で発注されるのかを知っておくと、この役回りの提案がしやすくなります。MV制作・BGM付き映像のお仕事では、MVやBGM付き映像の依頼がどこまでの範囲で出てくるのかが整理されています。依頼の粒度が分かると、進行管理として入る余地がどこにあるかが見えます。

役回り2: 権利と契約の確認を担う

ここは、私が実務で最も需要を感じている部分です。

MV制作には、権利の確認が必要な要素が多く含まれます。楽曲の著作権、市販音源に関する原盤の権利、映像素材の利用条件、写真やイラストの許諾、フォントの利用範囲、出演者の肖像の扱い。

ところが、この確認が誰の担当なのか決まっていない案件が本当に多い。依頼者は「制作側が確認してくれるだろう」と思い、制作側は「依頼者が処理済みだろう」と思っている。公開してから問題になります。

先日も、ある映像制作を請けた方から相談を受けました。納品後に公開された映像について、使用した素材の権利で問い合わせが来たと。契約書には素材の権利処理について何も書かれていませんでした。結論から言うと、こうした事態は着手前に一文入れておけば防げます。「提供いただく素材について、必要な権利処理は貴社にて行っていただいたものとして制作を進めます」。つまり、責任の所在をあらかじめ文章にしておくということです。

※ 実際に第三者から権利の主張を受けた場合は、自己判断で返答せず、弁護士など専門家に相談してください。

契約書を読んだ経験、取引先と条件を詰めた経験がある人にとって、この確認作業は難しいものではありません。むしろ、若い制作者ほど苦手にしている部分です。ここを担える人は、チームの中で明確な役割を持てます。

なお、フリーランスとして業務委託で受ける場合、発注者には給付を受領した日から起算して60日以内の支払期日を定める義務があります。2024年11月に施行されたいわゆるフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)で明確にされた点です。制度の詳細は所管する公正取引委員会の案内で確認できます。法律はあなたの味方です。

役回り3: 出演者と関係先への対応を引き受ける

MVの撮影には人が関わります。アーティスト本人、出演者、撮影場所の管理者、近隣の住民。

現場でのやり取りは、対人経験がものを言う場面です。撮影許可の交渉、近隣への説明、出演者への段取りの説明。20代の制作者が1人で回すには荷が重い部分があります。

特に、地域の施設や商店、寺社、公共の場所での撮影は、話の通し方が結果を左右します。「いつ、何人で、どのくらいの時間、何をするのか」を整理して伝え、迷惑をかけない範囲を明示する。この説明ができるかどうかで、許可が下りるかが変わります。

肖像に関する確認も、この役回りに含まれます。出演者が、公開範囲や利用期間についてどこまで同意しているのか。これを文書で残す作業は、対人のやり取りと書面の作成の両方が必要です。

在宅で編集だけを担当する働き方とは対照的に、この役回りは外に出ます。ただし、頻度は高くありません。撮影日と事前の下見だけです。体力面での負担を心配される方が多いのですが、常時現場に張り付く仕事ではありません。

役回り4: 音楽の文脈を持ち込む

これは見落とされやすい役回りです。

MVは楽曲があって成立します。そして、音楽には世代ごとの文脈があります。演歌、歌謡曲、フォーク、昭和のポップス、合唱曲、民謡、地域の音頭。こうした楽曲のMVを作るとき、その音楽が持つ文脈を理解している人が制作に関わっているかどうかで、仕上がりが変わります。

若い制作者が悪いという話ではありません。単純に、馴染みのない音楽の世界観を映像にするのは難しいということです。歌詞の情景が分からない、その音楽が聴かれてきた場面を知らない、聴き手が何を求めているかが掴めない。

一方で、その音楽を長く聴いてきた人には、その感覚があります。どこで景色を変えるべきか、どのカットが歌詞の情感に合うのか。これは技術ではなく、蓄積です。

実際、演歌や歌謡曲の分野では、いまもMVが作られています。カラオケ映像、地域のイベント用の映像、記念盤のプロモーション映像。市場としては目立ちませんが、需要が途切れているわけではありません。

楽曲そのものを扱う仕事の全体像については、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事で、音楽制作の依頼がどんな形で出てくるかを確認できます。映像と音の両方に関わる案件が視野に入ると、提案の幅が広がります。

役回り5: 地域と業界のつながりを持ち込む

もう1つ、年齢を重ねた人にしか持てない資産があります。人とのつながりです。

長く働いてきた方には、仕事上の縁が残っています。前職の取引先、地域の商工関係、趣味の集まり、地元の学校や施設。この関係は、映像の案件を探すうえで直接の入口になります。

MVという言葉から連想されるのは音楽事務所やレーベルですが、実際に映像を必要としている場所はもっと広い。地域の合唱団が記念の映像を作りたい、地元のバンドが配信用の映像を必要としている、商店街のイベントで流す映像がほしい、企業が周年の記念映像を検討している。こうした話は、募集として世に出る前に、人づてで動きます。

若い制作者は、この経路を持っていません。実力があっても、話が回ってくる場所にいない。逆に、つながりを持っている人は、実力がまだ十分でなくても最初の依頼にたどり着けます。

ここで大事なのは、つながりを営業の道具として使わないことです。知人からの依頼ほど、条件を曖昧にしたまま進みやすい。無償に近い金額で引き受けてしまい、修正が延々と続き、関係のほうが壊れる。この失敗は本当に多いです。

知人からの依頼こそ、条件を文書にしてください。金額、納期、修正回数、素材の権利、実績として公開してよいか。「知り合いだから書面はいらない」ではなく、「知り合いだからこそ、関係を守るために書面にする」と伝えます。この説明は、社会人経験のある方なら自然にできるはずです。

撮影に立ち会うかどうかを、先に決める

体力面の不安を口にされる方が多いので、この点も整理しておきます。

MV制作の工程のうち、身体的な負担が大きいのは撮影です。屋外での長時間の待機、機材の運搬、天候への対応。ここは若い人のほうが向いています。

一方で、それ以外の工程はすべて座って進められます。企画、構成、素材整理、編集、テロップ、色調整、書き出し、納品。つまり、撮影に立ち会わない役回りを選べば、体力の問題はほぼ解消します。

前に述べた出演者や関係先への対応も、撮影当日に張り付く必要があるとは限りません。事前の下見と交渉、当日の挨拶と説明。ここまでで役割が終わる組み方も可能です。

だから、案件を受ける段階で「撮影には立ち会いません」または「立ち会いは半日まで」と条件を先に出しておきます。後から相談するより、最初に出したほうが通ります。相手も、その前提で人を組めるからです。

体力を理由に断るのではなく、担当範囲として先に切り分ける。この伝え方であれば、年齢の話をしなくて済みます。

業務委託で受けるときに、確認しておくこと

50代60代から始める場合、雇用ではなく業務委託の形で受けることが多くなります。ここで確認しておくべき点を整理します。

第1に、契約の形式です。業務委託なのか、請負なのか、準委任なのか。名称よりも中身が重要で、成果物の完成に責任を負うのか、作業の遂行に責任を負うのかで、負担が変わります。契約書に何と書かれているかを読んでください。

第2に、報酬の支払い条件です。金額、支払期日、請求書の締め日と宛先。前述のとおり、支払期日には法律上の定めがあります。

第3に、成果物の権利の帰属です。完成した映像の著作権が誰に移るのか。実績として公開してよいのか。ここを決めておかないと、後から実績として使えないことが分かります。

第4に、修正の範囲と回数です。上限が決まっていない契約は、作業量が読めません。

第5に、契約の終了に関する条件です。途中で中止になった場合の精算をどうするか。楽曲のリリースが延期されて案件が止まる、というのは実際に起きます。

第6に、社会保険や年金との関係です。※ 業務委託で収入を得る場合、既に受給している年金や加入している健康保険との関係が問題になることがあります。取り扱いは制度と個々の状況によって異なるため、日本年金機構や加入先の窓口、あるいは社会保険労務士に確認してください。この記事で断定的なことは書けません。

第7に、税務の扱いです。※ 業務委託の収入は原則として確定申告の対象になります。経費として認められる範囲や申告方法は個別の状況によるため、国税庁の案内や税務署、税理士にご確認ください。

これらを着手前に確認する。面倒に見えますが、この確認ができること自体が、50代60代の強みでもあります。若い制作者が飛ばしてしまう部分を押さえられるからです。

学び直しをどう進めるか

技術面の準備についても触れておきます。

編集ソフトの操作は、年齢を理由に習得できないものではありません。ただし、若い人と同じ学び方をすると苦労します。動画の解説を高速で流し見して覚えるやり方は、向き不向きが分かれます。

現実的なのは、1つの案件を最後まで通す形で学ぶことです。素材を用意し、構成を決め、編集し、書き出し、納品形式に整える。この一連を1回やると、断片的に機能を覚えるより理解が定着します。

作業環境の準備も必要です。映像は大容量のデータを扱うため、パソコンの処理能力と保存領域、そして回線が効いてきます。特に回線は、素材の受け取りと納品のたびに待ち時間を生みます。在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方で回線種別ごとの向き不向きを確認しておくと、無駄な待ち時間を減らせます。

資格については、MV制作の受注に直結するものはありません。判断材料は制作物と、やり取りの質です。

ただ、ここまで述べてきた役回りを担うなら、文書の作法は武器になります。見積書、契約の確認、進行の連絡、報告書。ビジネス文書検定は、こうした書面の基本を体系的に確認できる資格です。長く働いてきた方であれば内容の多くは既知でしょうが、体系として整理されていることを示せる意味はあります。

技術面の基礎知識としては、CCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワーク認定の学習内容が、大容量ファイルの受け渡しや作業環境の構築に応用できます。MV制作のために取得するものではありませんが、環境面を自分で整えられることは在宅作業の安定につながります。

在宅で成立する仕事と資格の関係を全体として押さえたい場合は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるが職種別に整理しています。

長時間の作業に慣れていない段階では、集中の維持そのものが課題になります。在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックでは、時間を区切る以外のアプローチも紹介されています。編集は待ち時間が挟まる作業なので、単純な時間分割だけでは回らない場面があります。

最初の1年をどう組み立てるか

始めると決めたあと、どういう順番で進めるかを示しておきます。焦って案件を探しに行くより、順番を守ったほうが早く形になります。

最初の3か月は、道具に慣れる期間に充てます。編集ソフトを選び、短い映像を1本、企画から書き出しまで通して作る。機能を網羅的に覚える必要はありません。カット、テロップ、音の配置、色の調整、書き出し。この5つができれば、最初の案件は回ります。

次の3か月で、権利処理を済ませた素材だけを使った作品を2本から3本作ります。市販の楽曲を使わず、商用利用が許諾された音源か、知り合いの作った楽曲を使う。この段階で、素材の利用規約を読む習慣も一緒に身につきます。

その次の3か月は、見せ方を整える期間です。作った映像に、担当範囲と制作意図の説明を添える。自分が担える役回りを言葉にしておく。「編集に加えて、進行の管理と権利の確認をお引き受けできます」と書けるようにしておきます。

最後の3か月で、実際に声をかけます。地域のつながり、前職の関係、映像を必要としていそうな事業者。同時に、業務委託の案件を扱うサービスにも登録しておきます。

この順番で進めれば、1年で最初の案件にたどり着ける可能性は十分にあります。途中で案件の話が来たら、そのときに前倒しすればよいだけです。

大事なのは、技術の完成を待たないことです。完璧に編集できるようになってから営業しようと考えると、いつまでも始まりません。担える役回りが決まっていれば、技術は案件の中で伸びます。

報酬の考え方

50代60代から始める場合、報酬をどう設定するかで迷う方が多い。実績がないからと安くしすぎると、続けられません。

考え方としては、自分が担う役回りに対して値付けをします。編集作業の単価だけで見るのではなく、進行管理、権利確認、関係先対応といった部分を工程として見積もりに含める。これらは実際に発生している作業であり、無償で引き受けるべきものではありません。

相場の感覚を持つためには、隣接する職種のデータが参考になります。ソフトウェア作成者の年収・単価相場は在宅で成立する技術職の報酬水準を、著述家,記者,編集者の年収・単価相場は文章や編集を伴う仕事の水準を、それぞれ職種分類ベースで確認できます。進行管理や権利確認は後者に性質が近い部分があります。

映像がプロモーション施策の一部として発注される流れも強まっています。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、この領域でどういう業務が動いているかを確認できます。企業のPR映像や周年記念の映像といった案件は、若手より社会人経験のある人のほうが話が通じやすい領域です。

運営者から見た、年齢を重ねてから始めた人の共通点

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から、50代60代で新しい分野に入って続いている方の共通点を述べます。

まず、若い人と同じことをやろうとしていません。速度と量で競わず、自分が担える部分を明確にして提案しています。「編集はできますが、それ以上に進行と権利の確認をお任せいただけます」と言える人は、チームの中での位置が定まります。

次に、長く続く人ほど、単発の作業ではなく「この人に任せると楽だ」という関係づくりに時間を使っています。連絡が確実に返る、期日が守られる、確認すべきことを先に確認してくれる。この安心感は、若さでは代替できません。運営者として見てきた限りでは、年齢を重ねた人の受注が安定するのは、まさにこの部分が評価されているからです。

そしてもう1つ。最初の案件を取るまでに時間がかかっても、そこから先の継続率が高いという傾向があります。人との関係を長く保つことに慣れているからだと考えています。

最後に、報酬の構造について。中間マージンが乗らない直接取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側は手取りが厚くなります。年金や他の収入と組み合わせて働く方にとっては、稼働量を増やさずに手取りを確保できるかどうかが重要になります。手数料0%という条件の価値は、金額の大小ではなく、限られた稼働で得た報酬がそのまま残るという質にあります。

50代60代からMV制作に関わることは、無謀な挑戦ではありません。競う場所を選び、担える役回りを明確にし、契約を確認して進める。この手順を踏めば、年齢は不利になりません。むしろ、若い制作者が苦手にしている部分をそのまま引き受けられる立場にいます。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. 50代60代から映像を始めても仕事はありますか?

年齢を理由に門前払いされる市場ではありません。求人サイトには「シニア(60代から)歓迎」と明記された動画制作関連の募集が実際にあり、生花店や介護事業所といった映像業界以外の事業者が動画制作の人材を募集している例もあります。映像会社で若手と競うより、映像を必要とする一般事業者に関わる経路が現実的です。

Q. 若手と競わずに済む役回りとは具体的に何ですか?

進行の管理、権利と契約の確認、出演者や撮影場所への対応、そして幅広い年代の音楽への理解の4つです。編集の速度、流行の表現、SNS向け短尺は若手が強い領域なので、そこで正面から競う必要はありません。案件が止まる原因の多くは編集ではなく進行の問題です。

Q. 業務委託で受けるとき、年金や税金はどうなりますか?

業務委託の収入は原則として確定申告の対象になり、既に受給している年金や加入中の健康保険との関係が問題になる場合があります。取り扱いは制度と個々の状況で異なるため、日本年金機構や加入先の窓口、税務署や税理士、社会保険労務士に確認してください。

Q. 契約前に確認しておくべき項目は何ですか?

契約の形式、報酬の金額と支払期日、成果物の権利の帰属と実績公開の可否、修正の範囲と回数、途中中止時の精算条件の5つです。加えて、素材の権利処理を誰が行うかを文書で明確にしておくと、公開後の問い合わせに備えられます。支払期日は法律上の定めがあります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月13日最終更新:2026年8月26日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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