MOSとパソコン検定の違いと、在宅の事務の仕事で選ぶときの考え方


この記事のポイント
- ✓MOSとパソコン検定(日商PC検定)の違いを
- ✓受験料・試験時間・合格基準・受け方の4点で公式ページから整理します
- ✓2026年12月で終わるMOS全国一斉試験の扱いや
MOSとパソコン検定、どちらを取れば在宅の事務の仕事に有利なのか。データ入力や資料作成の仕事を探し始めた人が、最初に迷うのがここです。先に答えを書くと、ExcelやWordの操作そのものを短期間で証明したいならMOS、操作に加えて業務データの扱い方やビジネス文書の作法まで示したいなら日商PC検定が向いています。この記事では、両者の受験料・試験時間・合格基準・受け方を公式ページで確かめたうえで、在宅の事務の仕事でどちらがどの場面で評価されるかを整理します。2026年12月でMOSの全国一斉試験が終わるという大きな変更もあるので、受験の段取りまで具体的に書きます。
MOSとパソコン検定は「誰が何を測るか」が違う
最初に名前を整理します。MOSはマイクロソフト オフィス スペシャリストの略で、マイクロソフト社が主催し、国内ではオデッセイコミュニケーションズが運営する資格です。Excel、Word、PowerPointなどのOffice製品ごとに試験が分かれていて、科目ごとに合格が認定されます。
一方、「パソコン検定」という名前の試験は1つではありません。よく比較されるのは日本商工会議所が実施する日商PC検定で、「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3分野に分かれています。このほかにもパソコンの知識を問う民間の検定はいくつかありますが、この記事では、MOSと並べて比べられることが最も多い日商PC検定を中心に扱います。
2つの違いを一言で書くと、MOSは「ソフトの機能を正しく操作できるか」を測り、日商PC検定は「ソフトを使って仕事の成果物を作れるか」を測ります。公式ページの説明を並べると、その差がよく分かります。
| 項目 | MOS | 日商PC検定 |
|---|---|---|
| 主催 | マイクロソフト社(国内運営はオデッセイコミュニケーションズ) | 日本商工会議所 |
| 分け方 | ソフトごと(Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlook) | 分野ごと(文書作成、データ活用、プレゼン資料作成) |
| レベル | 一般レベルと上級レベル(エキスパート) | 1級、2級、3級、Basic |
| 試験の中身 | 実技のみ | 3級と2級は知識と実技、Basicは実技のみ |
| 受け方 | 全国の試験会場でCBT | 商工会議所が認定したネット試験会場 |
MOSの公式ページによると、1997年の試験開始から受験者数は累計5,401,484名(2026年3月31日時点)に達しています。日商PC検定は、2025年度の1年間の受験者数が3分野と全級の合計で23,310名です。知名度と受験者の数ではMOSが大きく上回ります。ただし、受験者が多いことと、求人で評価されることは同じではありません。この点は後の節で詳しく書きます。
MOSの受験料・試験時間・合格の扱い
MOSの試験は、Word、Excel、PowerPointなど科目ごとに独立しています。WordとExcelには一般レベルと上級レベル(エキスパート)があり、PowerPointとOutlookは一般レベル、Accessは上級レベルのみです。一般レベルに合格していなくても、最初から上級レベルを受けられます。
受験料は、どの科目・どのレベルでも一般価格12,980円(税込)、学割価格9,680円(税込)です。Excel 365(一般)の試験時間は50分で、すべて実技問題です。試験会場のパソコンを使い、問題の指示に従って正しく操作できるかを判定します。筆記試験はありません。Mac版Officeの試験は行われていないので、普段Macを使っている人はWindowsの操作に慣れておく必要があります。
試験はすべて実技試験で、筆記試験はありません。各試験会場に用意されたパソコンを使い、問題の指示に従って正しい操作が行えるかを判定します。 出典: MOS公式サイト Excel 365(一般)試験概要
合格率は公開されていません。MOSの公式サイトのよくある質問に「合格率は公開しておりません」と明記されています。ネット上には「一般レベルは約80%」といった数字が出回っていますが、これは教材の販売元やスクールの推計で、公式の数字ではありません。
複数の科目を組み合わせると称号がもらえます。365と2019のバージョンでは、一般レベルの4科目(Excel、Word、PowerPoint、Outlook)のうち3科目に合格すると「MOS Associate」、それに加えて上級レベルの3科目のうち2科目に合格すると「MOS Expert」に認定されます。公式のデータでは、2025年12月31日時点でMOS Associateの累計認定者数は41,388名、MOS Expertは7,547名です。
注意したいのは、資格の有効期間です。MOSを管理する米国のサーティポートは、取得した資格に5年間の有効期間を設定しています。期間が過ぎても資格が無効になるわけではなく、デジタル認定証に合格の履歴は残りますが、最新の版であることを示す期間が切れる、という扱いです。また、同じ科目を受け直す場合は、2回目は前回から1日(24時間)、3回目以降は2日間(48時間)空ける必要があります。
MOSの全国一斉試験は2026年12月で終わる
MOSを受けようとしている人が今いちばん知っておくべきなのが、全国一斉試験の終了です。全国一斉試験とは、毎月決まった日曜日に全国で一斉に行われていた試験のことです。オデッセイコミュニケーションズは2026年8月18日に、この全国一斉試験を2026年12月で終えると発表しました。
弊社 株式会社オデッセイコミュニケーションズは2026年12月、毎月開催のMOS全国一斉試験を終了することにしました。引き続き、全国に試験会場があり、ほぼ毎日試験を実施する「随時試験」をご利用ください。 出典: MOS公式サイト 全国一斉試験終了のお知らせ
残りの日程は次のとおりです。
| 開催回 | 試験日 | 申込受付 |
|---|---|---|
| 第361回 | 2026年10月11日 | 2026年8月18日から9月14日(受付終了) |
| 第362回 | 2026年11月8日 | 2026年9月15日から10月12日 |
| 最終の第363回 | 2026年12月13日 | 2026年10月13日から11月16日 |
2027年からは、パソコンスクールなどの試験会場で行われる「随時試験」が唯一の受け方になります。随時試験は会場ごとに実施日と申込方法が決まっているので、受けたい会場に直接問い合わせます。会場によってはほぼ毎日試験をしているので、日程の自由度はむしろ高くなります。一方で、近くに会場がない地域の人は、移動の時間と費用を含めて計画を立てる必要があります。
日商PC検定の受験料・試験時間・合格基準
日商PC検定は、Wordを使う「文書作成」、Excelを使う「データ活用」、PowerPointを使う「プレゼン資料作成」の3分野に分かれています。在宅の事務の仕事で最もよく使うExcelに対応する「データ活用」を例に、公式ページの内容を並べます。
| 級 | 試験科目と時間 | 合格基準 | 受験料(税込) |
|---|---|---|---|
| 2級 | 知識15分+実技40分 | 知識、実技の2科目とも70%以上 | 7,700円 |
| 3級 | 知識15分+実技30分 | 知識、実技の2科目とも70%以上 | 5,500円 |
| Basic | 実技30分 | 70点以上 | 4,400円 |
3級のレベルは「Excelを用い、指示に従い正確かつ迅速に業務データベースを作成し、集計、分類、並べ替え、計算、グラフ作成等を行う」と説明されています。2級になると「当該業務に関する最適なデータベースを作成するとともに、適切な方法で分析し、表やグラフを駆使して業務報告・レポート等を作成する」となり、指示どおりに作る段階から、自分で考えて報告書にまとめる段階へ上がります。
MOSとの大きな違いは知識科目です。3級と2級では、ハードウェアやネットワークの基本、データの管理と共有、電子商取引の仕組みなどを択一式で問われます。在宅で仕事をすると、ファイルの共有や保存の方法、メールでのデータのやり取りなど、パソコンまわりの判断を自分でする場面が増えます。この知識科目は、そうした場面の基礎になります。
試験はネット試験という形式で、商工会議所が認定した試験会場のパソコンで受けます。答案はその場でインターネットを通じて採点され、すぐに合否が分かります。試験日は会場が決めるので、近くの会場に問い合わせて申し込みます。対応するOfficeは2021と2024です。
試験会場のパソコン等を利用して、試験の自動実行プログラムおよび試験問題を、インターネットを介しダウンロードして実施します。試験終了後、受験者の答案(データ)がインターネットを介して採点され、即時に合否判定を行い、結果を通知します。 出典: 日本商工会議所 日商PC(データ活用)3級
合格率は公表されています。日本商工会議所によると、2025年度の日商PC検定(3分野の合計)は、2級の受験者5,648名のうち合格者3,933名で合格率69.6%、3級は受験者15,951名のうち合格者13,415名で合格率84.1%、Basicは72.7%でした。1級は受験者35名、合格率42.9%と、ぐっと難しくなります。
WordとPowerPointの分野も比べておく
Excel以外の分野も、在宅の事務の仕事ではよく使います。日商PC検定の「文書作成」と「プレゼン資料作成」の内容を、公式ページで確かめた範囲で並べます。
| 分野と級 | 公式ページのレベル説明 | 受験料(税込) |
|---|---|---|
| 文書作成3級 | 指示に従い、ビジネス文書の雛形や既存文書を用いて、正確かつ迅速にビジネス文書を作成することができる | 5,500円 |
| 文書作成2級 | 与えられた情報を整理・分析し、参考となる文書を選択・利用して、状況に応じた適切なビジネス文書、資料等を作成することができる | 7,700円 |
| 文書作成Basic | ワープロソフトの基本的な操作スキルを有し、企業業務に対応することができる | 4,400円 |
| プレゼン資料作成3級 | 指示に従い、プレゼン資料の雛形や既存の資料を用いて、正確かつ迅速にプレゼン資料を作成することができる | 5,500円 |
| プレゼン資料作成2級 | 与えられた情報を整理・分析し、図解技術やレイアウト技術、カラー表現技術等を用いて、適切で分かりやすいプレゼン資料を作成することができる | 7,700円 |
3級は「指示に従って、雛形を使って作る」段階、2級は「情報を整理して、状況に合わせて作る」段階と、級ごとに求められる判断の深さがはっきり分かれています。プレゼン資料作成の知識科目では、企画、構成、資料作成、準備、実施というプレゼンの工程や、レイアウト、図解、カラー表現などの知識も問われます。Basicは文書作成とデータ活用にだけ用意されていて、プレゼン資料作成にはありません。
MOSのWordとPowerPointは、Excelと同じく1科目12,980円(税込)です。Wordには一般レベルと上級レベルがあり、上級ではスタイル機能、目次や索引などの長文機能、他のソフトからのデータの取り込みが範囲に入ります。PowerPointは一般レベルのみです。
在宅で資料の清書や議事録の作成を受ける人には、どちらの試験も役立ちます。ただ、在宅の仕事では「この内容を、このページ数で、見やすく整えてください」という依頼が多く、指示を読み解いて形にする力が問われます。この点で、日商PC検定の2級が求める「情報を整理して作る力」は、仕事の中身に近いと言えます。
独学でつまずきやすい3つの点
MOSも日商PC検定も独学で合格できますが、つまずきやすい点が3つあります。先に知っておくと、学習時間の無駄を減らせます。
1つ目は、試験のバージョンと手元のソフトの違いです。MOSは365と2019で試験が分かれ、日商PC検定は2021と2024のOfficeに対応しています。手元のOfficeが違う版だと、ボタンの位置や機能の名前が少しずつ違い、本番で探す時間がかかります。Macを使っている人は、MOSにMac版の試験がないので、Windowsの操作に慣れる時間を学習計画に入れておきます。
2つ目は、時間配分です。MOSのExcel一般レベルは50分、日商PC検定のデータ活用3級は実技30分と、どちらも時間に余裕がありません。分からない問題で手が止まると、後半の問題に手を付けられずに終わります。模擬試験では、分からない問題は印を付けて飛ばし、最後に戻る練習をしておきます。
3つ目は、知識科目の軽視です。日商PC検定の3級と2級は、知識と実技の両方で70%以上が必要です。実技の練習ばかりして知識科目で落ちる人は少なくありません。知識科目は15分の択一式なので、公式のサンプル問題と関連書籍で用語を一通り確認しておけば、短い時間で対策できます。
在宅の事務の仕事で評価される場面の違い
在宅の事務の仕事といっても、中身はさまざまです。データ入力、表計算での集計、請求書や見積書の作成、議事録や報告書の作成、プレゼン資料の清書などがあります。どちらの資格がどの場面で評価されやすいかを、仕事の種類ごとに整理します。
データ入力や簡単な集計の仕事では、MOSのExcel一般レベルがあると、依頼する側は安心しやすくなります。MOSは名前が広く知られていて、求人票の「歓迎する資格」の欄に書かれていることも多いからです。データ入力の募集では応募者が多く、プロフィールで差がつきにくいので、知名度の高い資格名があること自体が判断材料になります。
集計結果をもとに報告書を作る仕事や、売上データを分析してグラフにまとめる仕事では、日商PC検定のデータ活用2級が中身をよく伝えます。2級のレベル説明にある「業務報告・レポート等を作成する」は、まさにこの種類の仕事です。ただし、日商PC検定は求人票での知名度がMOSほど高くないので、応募文では「日商PC検定データ活用2級(Excelでのデータ分析と報告書作成のレベル)」のように、資格名の後に中身を短く書き添えると伝わります。
ビジネス文書の作成では、どちらも評価されますが、性格が違います。MOSのWordはスタイルや目次、差し込み印刷などの機能を使えることを示し、日商PC検定の文書作成はビジネス文書の書き方と取り扱いまで含めて示します。社外に出す文書を任される仕事なら、文書の作法まで問う日商PC検定のほうが、依頼する側の不安に直接応えられます。
ぶっちゃけ、在宅の事務の仕事で最終的に効くのは、資格名よりも「最初の1件をどれだけ正確に、期限内に納めたか」です。資格は最初の1件を取るための材料で、その後の継続の依頼は仕事ぶりで決まります。これは開発の仕事でも同じで、どれだけ資格や経歴を並べても、最初の納品でテストが漏れていれば2件目の依頼は来ません。
メリットとデメリットを並べて比べる
ここまでの内容をもとに、それぞれのメリットとデメリットを並べます。
MOSのメリットは次のとおりです。
・知名度が高く、求人票や派遣会社の登録で通じやすい
・ソフトごとに受けられるので、必要な科目だけを選べる
・会場によってはほぼ毎日受験でき、日程を決めやすい
・受験資格がなく、上級レベルから受けることもできる
MOSのデメリットは次のとおりです。
・受験料が1科目12,980円と、日商PC検定より高い
・合格率が公開されていないので、難しさの目安が分かりにくい
・ソフトの操作に絞った試験で、仕事の作法や判断までは問われない
・資格に5年間の有効期間があり、新しい版を受け直す動機が生まれる
日商PC検定のメリットは次のとおりです。
・知識科目があり、データの管理や共有など在宅で必要な判断の基礎を学べる
・2級では報告書の作成まで問われ、実務に近い力を示せる
・受験料が3級5,500円、Basic 4,400円と比較的安い
・合格率が公表されていて、難しさの目安が分かる
日商PC検定のデメリットは次のとおりです。
・MOSほど名前が知られておらず、応募文で中身の補足が要る
・ネット試験会場が近くにない地域では、受験の調整に時間がかかる
・対応するOfficeのバージョンが決まっていて、手元の版と違うと操作の勝手が変わる
目的別の選び方
ここまでの比較から、目的ごとの選び方をまとめます。
在宅のデータ入力や事務補助の仕事を、とにかく早く始めたい人は、MOSのExcel一般レベルを1科目だけ取るのが近道です。知名度が高く、プロフィールに書いたときに一目で伝わります。次にWordの一般レベルを取れば、文書作成の依頼にも応募しやすくなります。
事務の仕事の中でも、集計や分析、報告書の作成まで任されたい人は、日商PC検定のデータ活用3級から始め、2級を目指すのが向いています。2級の合格率は2025年度で69.6%と、3級より一段難しくなりますが、その分「Excelで考えて報告書を作れる人」という評価につながります。
すでにMOSを持っている人が次に取るなら、日商PC検定の2級が有力です。MOSで覚えた操作の上に、業務データの扱い方と報告書の作り方を積み上げられるからです。逆に日商PC検定を持っている人がMOSを取ると、知名度の面を補えます。
費用の面から考える方法もあります。MOSを1科目受ける受験料12,980円で、日商PC検定なら3級を2回受けてもまだ余ります。まず日商PC検定の3級で試験の雰囲気と自分の弱点をつかみ、その後でMOSに進む、という順番も合理的です。反対に、求人で名前が通じることを最優先にするなら、費用がかかっても最初からMOSを選ぶ価値があります。どちらの順番でも、2つ目の資格を受けるときには1つ目で身につけた操作がそのまま生きるので、学習時間は短くなります。
迷ったときは、次の順で決めてください。
- 応募したい求人を5件ほど開き、「歓迎する資格」の欄にどちらの名前があるかを数える
- 仕事の中身が「入力と集計」中心か、「分析と報告書」中心かを見分ける
- 近くにMOSの試験会場と日商PC検定のネット試験会場があるかを確かめる
- 3つの答えがそろった資格を1つ選び、受験日を先に決める
学習の進め方と受験までの段取り
ここでは、未経験から1か月半ほどでMOSのExcel一般レベルを受ける場合を例に、段取りを具体的に書きます。
最初に、受けるバージョンを決めます。MOSは365と2019で試験が分かれていて、手元のパソコンに入っているOfficeに近い版を選ぶと学習しやすくなります。公式サイトに「それぞれのOfficeにあったMOSと対策教材の選び方」というページがあるので、迷ったらそこで確かめます。
次に、出題範囲を確かめます。Excel 365(一般)の出題範囲は、ワークシートやブックの管理、セルやセル範囲のデータの管理、テーブルとテーブルのデータの管理、数式や関数を使用した演算の実行、グラフの管理の5つの分野です。対策教材を1冊選び、この5分野を順に進めます。教材に付いている模擬試験は、本番と同じ50分で時間を計って解きます。
学習で意識したいのは、操作の手順を覚えることより、問題文を正確に読むことです。MOSの問題は「このセル範囲に、この書式を設定する」といった具体的な指示で出されます。範囲を1つ取り違えるだけで不正解になるので、指示の数字とセル番地に印を付けてから操作する習慣をつけます。この習慣は、在宅で依頼を受けたときの「指示どおりに納める力」にそのままつながります。
開発の仕事でも、仕様書の数字を拾ってからコードを書くと手戻りが目に見えて減ります。仕様書の「最大20文字」を読み落とし、入力欄の上限を設けないまま納品してしまう、という失敗はよくある例です。事務の仕事でも開発の仕事でも、指示を拾う手順を先に決めておくことが、ミスを防ぐ一番の近道です。
受験の申し込みは、全国一斉試験なら公式サイトから、随時試験なら試験会場に直接行います。全国一斉試験は2026年12月13日の第363回が最後なので、それより後に受けたい人は、最初から随時試験の会場を探しておきます。
日商PC検定の場合は、近くのネット試験会場を公式サイトの施行機関リストで探し、会場に試験日と申込方法を問い合わせます。近くに会場がないときは公式サイトの紹介フォームを使えますが、会場に試験日を確認するのに1週間から2週間ほどかかると書かれているので、早めに動きます。
受講費用を抑えたい人は、ハローワークの職業訓練も選択肢です。事務系のコースでは、MOSや日商PC検定の取得を目標にしたカリキュラムが組まれていることがあります。在職中の人は、厚生労働省の教育訓練給付金の対象講座を選ぶと、受講費用の一部が支給される場合があります。対象かどうかと条件は人によって違うので、厚生労働省の教育訓練給付金のページで制度を確かめ、ハローワークで相談してください。
受け直しとバージョンの考え方
資格を取った後に迷いやすいのが、新しい版が出たときに受け直すかどうかです。
MOSは、バージョンごとに試験が用意されていて、資格のバージョンアップや更新の制度はありません。新しい版の資格がほしい場合は、改めて受験します。さらに、取得した資格には5年間の有効期間が表示されます。期間が過ぎても合格の履歴は残るので、受け直しは義務ではありません。
受け直しを考えるとよい場面は、次の2つです。
・応募したい求人が、特定の版(例えば365)の経験を条件にしている
・手元の仕事で新しい関数や機能を使う機会が増え、学び直しの区切りがほしい
逆に、在宅の事務の仕事を続けていて、実績がプロフィールに積み上がっている人は、受け直しよりも実績の説明に時間を使ったほうが効果的です。依頼する側は、資格の版よりも「直近でどんな作業をどれだけ納めたか」を見るからです。
日商PC検定には有効期間の表示はありませんが、対応するOfficeの版は時期によって変わります。2026年9月30日には、Office 2021による試験の扱いについてのお知らせが公式サイトに出ています。受験の直前には、会場で使われるOfficeの版を必ず確かめてください。
資格を取った後、応募でどう書くか
資格は取って終わりではなく、応募の場面でどう見せるかで効果が変わります。在宅の事務の仕事に応募するときのプロフィールと応募文の書き方を、具体的に書きます。
プロフィールの資格欄には、正式名称と取得年月を書きます。MOSなら「マイクロソフト オフィス スペシャリスト Excel 365(一般)2026年11月合格」のように、バージョンとレベルまで書きます。日商PC検定なら「日商PC検定 データ活用2級」と分野と級を書きます。
応募文では、資格名の後に「何ができるか」を1文添えます。例えば次のように書きます。
・「MOS Excel 365に合格しており、テーブル機能とVLOOKUP関数を使った売上データの集計ができます」
・「日商PC検定データ活用2級を取得しており、Excelで集計したデータをグラフにまとめ、報告書の形に整えられます」
資格名を知らない依頼者でも、この1文があれば任せられる作業の範囲がすぐに分かります。
さらに効果的なのが、架空のデータで作った成果物の見本です。個人情報や実在の会社のデータは使わず、自分で作ったサンプルの売上表と、それをもとにしたグラフ付きの報告書を1枚ずつ用意します。PDFにしてプロフィールに添付できる場合は、資格と見本をセットで示すと、応募の通りやすさが大きく変わります。
市場の動きと内部の情報から考える、事務スキルの伸ばし方
最後に、在宅の事務の仕事の周辺で、どんな方向にスキルを伸ばせるかを考えます。
事務の仕事は、生成AIの広がりで中身が変わりつつあります。単純なデータ入力は自動化が進む一方で、AIに正しく指示を出し、出てきた結果を確かめて整える仕事が増えています。MOSの公式サイトでも、セル番地や絶対参照といった基礎の用語を知っていると、AIに正確な指示を出せるという趣旨の解説が載っています。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業のAI導入や業務での活用を支える在宅の仕事の種類と、求められるスキルを整理しています。Excelの基礎を固めた人が次に伸ばす方向として参考になります。
マーケティング寄りの仕事に広げる道もあります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、広告運用やSNS運用、データ分析など、Excelのスキルを生かせる在宅の仕事を紹介しています。集計と報告書の作成ができる人は、広告の成果をまとめる仕事にも入りやすくなります。
MOSの他の科目を検討している人は、MOS Word(Microsoft Office Specialist)とMOS PowerPoint(Microsoft Office Specialist)の資格ガイドで、各科目の内容と仕事での使い道を確かめられます。Excelに加えてWordとPowerPointを取ると、MOS Associateの称号の条件にも近づきます。
文書作成を軸にする場合は、書く仕事との組み合わせも現実的です。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、公的統計をもとに書き手と編集者の収入の水準をまとめています。資料の清書や議事録の作成から、記事の執筆や編集へ仕事を広げる人もいます。
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見てきた限りでは、事務の仕事で長く依頼が続く人は、資格の数より「確認の手間がかからない」という評価を積み上げています。指示の数字を読み落とさない、ファイル名と保存先の決まりを守る、分からないことは作業前に質問する。どれも資格の勉強で身につく作業の型です。そして、仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、依頼者は同じ予算でより多くの作業を頼め、受け手は手取りが厚くなります。資格で最初の1件を取り、その1件の仕事ぶりで次の依頼につなげる。この流れを作れるかどうかが、在宅の事務の仕事を続けられるかどうかを分けます。
よくある質問
Q. MOSと日商PC検定はどちらが難しいですか?
単純な比較はできません。MOSは合格率を公開しておらず、ソフトの操作に絞った実技試験です。日商PC検定は3級と2級で知識科目と実技科目の両方に70%以上が必要で、2025年度の合格率は3級84.1%、2級69.6%と公表されています。操作だけを短期間で固めたいならMOS、知識と実務の作法まで問われる試験に挑みたいなら日商PC検定、と目的で選ぶのが現実的です。
Q. MOSの全国一斉試験が終わった後はどう受験しますか?
2026年12月13日の第363回で全国一斉試験は終了し、その後は全国の試験会場で行われる随時試験で受験します。随時試験は会場ごとに実施日と申込方法が決まっているので、受けたい会場に直接問い合わせます。会場によってはほぼ毎日試験を行っているため、日程は選びやすくなります。近くに会場がない場合は、移動の時間も含めて計画を立ててください。
Q. 在宅の事務の仕事にはどちらの資格が有利ですか?
データ入力や簡単な集計の仕事では、知名度の高いMOSのExcel一般レベルが伝わりやすい傾向があります。集計結果から報告書を作る仕事では、日商PC検定のデータ活用2級が中身をよく示します。応募したい求人を5件ほど開き、歓迎する資格の欄にどちらの名前があるかを確かめてから決めると、選び間違いを防げます。
Q. 受験料はいくらかかりますか?
2026年10月3日時点の公式ページでは、MOSはどの科目も一般価格12,980円、学割価格9,680円(いずれも税込)です。日商PC検定のデータ活用は、2級7,700円、3級5,500円、Basic 4,400円(いずれも税込)です。料金は改定されることがあるので、申し込む前に公式ページで最新の金額を確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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