MOSと日商PC検定の違い|在宅の事務仕事で評価されるのはどちらか

西田 航
西田 航
MOSと日商PC検定の違い|在宅の事務仕事で評価されるのはどちらか

この記事のポイント

  • ✓MOSと日商PC検定の違いを
  • ✓受け方の4点から公式の記載で比べます
  • ✓2026年12月で終わるMOSの全国一斉試験や

パソコンの資格を取ろうと調べると、必ず候補に上がるのがMOSと日商PC検定です。どちらもWordやExcel、PowerPointの力を証明する資格ですが、問われる中身はかなり違います。結論からお伝えすると、MOSは「ソフトの機能を正しく操作できるか」を、日商PC検定は「仕事の場面で使える書類や資料を作れるか」を確かめる試験です。在宅で事務の仕事を受けたい人は、自分が見せたい力がどちらに近いかで選ぶと失敗が少なくなります。

この記事では、MOSを運営するオデッセイ コミュニケーションズと、日商PC検定を実施する日本商工会議所の公式ページに載っている今日時点の内容をもとに、2つの資格の違いを整理します。受験料、試験時間、合格の基準、受け方の違いに加え、2026年に入ってからの変更点や、在宅の仕事で評価されやすいのはどちらかについても具体的に見ていきます。

MOSと日商PC検定の違いを一覧で比べる

まず、2つの資格の基本的な違いを表にまとめます。受験料と試験時間は、MOSはExcel 365(一般)、日商PC検定はデータ活用の3級と2級を例にしています。

比べる点 MOS 日商PC検定
実施する団体 オデッセイ コミュニケーションズ 日本商工会議所と各地の商工会議所
試験の区分 ソフトごと(Word、Excel、PowerPoint、Access、Outlook) 分野ごと(文書作成、データ活用、プレゼン資料作成)
レベル 一般レベルと上級レベル(エキスパート) 1級、2級、3級、Basic
試験の形式 実技だけ 知識と実技(Basicは実技だけ)
試験時間 50分 3級は知識15分と実技30分、2級は知識15分と実技40分
合格の基準 公式の概要では点数の基準は示されていない 知識と実技の両方で70%以上
受験料(税込) 一般価格12,980円、学割価格9,680円 3級5,500円、2級7,700円、Basic 4,400円

この表から分かるのは、MOSはソフトを軸に、日商PC検定は仕事の内容を軸に区分されているということです。MOSの「Excel」はExcelという道具の使い方を問い、日商PC検定の「データ活用」はExcelを使って業務のデータをまとめ、分析し、報告書を作る力を問います。同じExcelを使う試験でも、見ているところが違うのです。

MOSはソフトの操作を確かめる実技の試験

MOSは、マイクロソフト オフィス スペシャリストの略で、WordやExcelなどのOffice製品の操作の力を証明する資格です。日本ではオデッセイ コミュニケーションズが運営しています。

公式サイトでは、MOSの試験の方法について次のように説明されています。

試験はすべて実技試験で、筆記試験はありません。各試験会場に用意されたパソコンを使い、問題の指示に従って正しい操作が行えるかを判定します。 出典: mos.odyssey-com.co.jp

科目とレベル

MOSの試験は、ソフトとバージョンごとに分かれています。2026年10月3日時点で公式サイトに載っている科目は次のとおりです。

  1. Word:365と2019に、それぞれ一般レベルと上級レベル(エキスパート)
  2. Excel:365と2019に、それぞれ一般レベルと上級レベル(エキスパート)
  3. PowerPoint:365と2019の一般レベル
  4. Access:2019の上級レベル(エキスパート)
  5. Outlook:2019の一般レベル

一般レベルは、文字の大きさや書体の変更、表の作成、印刷など基本的な機能を理解している人向けです。上級レベルは、Wordなら目次や索引などの長い文書の機能、Excelならピボットテーブルを使った分析、条件付き書式、入力規則、マクロの作成など、高度な機能を理解している人向けとされています。公式サイトでは、科目はそれぞれ独立しているので、最初から上級レベルを受けることもできると案内されています。

バージョンに注意する

MOSはバージョンごとに試験が分かれていて、資格の更新の制度はありません。新しいバージョンの資格がほしい場合は、改めて受験します。仕事で使っているOfficeのバージョンに合わせて受けるのが基本です。取引先や応募先がどのバージョンを使っているかが分かる場合は、それに合わせて選ぶと、資格と実務の画面が近くなります。

Macで勉強する人は要注意

公式サイトには、Mac版のOfficeの試験は行っていないと明記されています。試験会場のパソコンはWindowsで、Windows版のOfficeで受けます。普段Macで仕事をしている人がMOSを受ける場合は、Windows版のOfficeを使える環境で練習しておく必要があります。MacとWindowsでは、Officeのメニューの位置やキーボードの操作が少し違うためです。

受験料と申し込み

受験料は、どの科目も一般価格12,980円、学割価格9,680円(いずれも税込)です。試験は全国の試験会場で受けられ、会場によってはほぼ毎日実施されています。

MOSの全国一斉試験は2026年12月で終わる

MOSの受け方には、毎月決まった日曜日に全国で行う「全国一斉試験」と、各会場が日程を決めて行う「随時試験」の2つがあります。このうち全国一斉試験について、オデッセイ コミュニケーションズは2026年8月18日に、2026年12月で終了すると発表しました。

公式の告知によると、残りの全国一斉試験の日程は次のとおりです。

試験日 申し込みの期間
2026年10月11日(日) 2026年8月18日から9月14日まで
2026年11月8日(日) 2026年9月15日から10月12日まで
2026年12月13日(日) 2026年10月13日から11月16日まで

全国一斉試験が終わったあとも、随時試験は引き続き全国の会場で行われると案内されています。受験料や試験の内容、合格証は、申し込みの方法が違うだけでどちらも同じです。これから受ける人は、最寄りの会場の随時試験の日程を確かめて申し込むのが基本の流れになります。

日商PC検定は仕事の書類を作る力を確かめる試験

日商PC検定は、日本商工会議所が実施する検定で、正式には日商PC検定試験といいます。ソフトの機能を知っているかよりも、そのソフトを使って仕事に使える書類や資料を作れるかを問うのが特徴です。

3つの分野

日商PC検定は、仕事の内容に合わせて3つの分野に分かれています。

  1. 文書作成:Wordを使い、正しいビジネス文書の作成や取り扱いができるかを問う
  2. データ活用:Excelを使い、表やグラフの作成、業務データの処理を行い、データの分析や資料の作成ができるかを問う
  3. プレゼン資料作成:PowerPointを使い、目的に応じた分かりやすいプレゼン資料を作成できるかを問う

各級のレベル

レベルは1級、2級、3級、Basicの4つです。公式サイトでは、3級を「企業実務に必要とされる基本的なITやネットワークの知識、スキルを有し、自己の業務に利活用することができる」レベル、2級を「部門責任者(部門責任者を補佐する者)として、業務の効率化や業績向上を図るうえで利活用できる」レベルと説明しています。

データ活用の3級では、指示に従って業務データを一覧表にまとめ、集計、分類、並べ替え、計算、グラフの作成ができることが求められます。2級になると、関数を使って業務データベースから必要な値を求め、データを分析して業務の現状や課題をつかみ、報告書を作る力が問われます。

知識と実技の2本立て

3級と2級は、知識科目と実技科目の2つで構成されています。知識科目は15分の択一式で、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークの基本的な知識や、電子データの扱い方などが出題されます。実技科目は3級が30分、2級が40分です。合格するには、知識と実技の両方で70%以上を取る必要があります。Basicは実技の30分だけです。

受験料と申し込み

受験料は、日本商工会議所の日商PC検定(データ活用)3級の案内などによると、データ活用で3級5,500円、2級7,700円、Basic 4,400円(いずれも税込)です。文書作成の3級と2級、プレゼン資料作成の3級も、同じ金額で案内されています。試験は、各地の商工会議所が認めたネット試験の会場で受けます。公式サイトでは、近くの会場に問い合わせて申し込むよう案内されています。会場に日時を確かめる都合上、紹介を頼んでから1〜2週間ほどかかることがあります。

パソコンに不慣れな人向けのBasic

日商PC検定には、3級より前の段階としてBasicがあります。公式サイトでは、Basicを「基本的なワープロソフトや表計算ソフトの操作スキルを有し、企業実務に対応することができる」レベルと説明しています。データ活用のBasicは実技の30分だけで、知識科目はありません。受験料は4,400円(税込)です。

パソコンの仕事から離れていた人や、これから事務の仕事を始めたい人は、Basicで試験の形式に慣れてから3級に進む、という段階の踏み方もあります。日商PC検定は会場で受けて、終わるとすぐに合否が分かるので、短い期間で段階を上げていくことができます。

一方で、在宅の仕事の応募で評価の材料にするなら、3級以上を目標にしておくのが現実的です。Basicは自分の操作の力を確かめる入口として使い、仕事で見せる資格は3級や2級で取る、と役割を分けて考えるとよいでしょう。

日商PC検定で2026年に変わったこと

日商PC検定は、出題の範囲が時代に合わせて見直されています。2026年の主な動きを整理します。

2級と3級の知識科目の範囲が新しくなった

公式サイトのお知らせによると、2級と3級の知識科目のうち共通分野は、2026年2月2日から新しい試験範囲が適用されています。古い問題集だけで勉強すると、出題の範囲とずれる可能性があります。教材を選ぶときは、新しい範囲に対応しているかを確かめましょう。

生成AIの知識が問われ始めている

1級の知識科目の共通分野は、2026年7月に出題範囲の更新が告知されています。公式サイトの1級の学習教材の欄には、参考になるサイトとして総務省の生成AIの入門的な使い方と注意点を解説したページや、IPAの情報セキュリティ10大脅威2026が挙げられています。生成AIとは、文章や画像を自動で作るAIのことです。仕事でAIを使う場面が増えるのに合わせて、正しい使い方や注意点も検定で問われるようになってきています。

対応するOfficeのバージョン

データ活用の2級と3級の案内では、対応するOfficeは2021と2024とされています。普段使っているOfficeが古い場合は、試験と画面が違うことがあるので、練習の環境を確かめておきましょう。

スマホアプリの販売終了

2級と3級の知識科目の練習用に売られていたスマートフォンのアプリは、販売を終了したと告知されています。知識科目の対策は、公式のテキストや問題集で進めることになります。

日商PC検定の知識科目が免除になる場合

日商PC検定には、ほかの検定の合格者が知識科目を免除される制度があります。公式サイトによると、電子メール活用能力検定、EC実践能力検定、職業教育・キャリア教育財団が行う情報検定(J検)の情報活用試験の合格者は、日商PC検定の2級と3級で知識科目の受験が免除され、実技科目だけで合否が判定されます。

知識科目は15分の択一式ですが、ITやネットワーク、電子データの扱いなど、実務の操作とは別の知識が問われます。普段の仕事でOfficeを使っている人でも、知識科目の用語には慣れていないことがあります。上に挙げた検定のどれかにすでに合格している人は、制度の詳細を公式サイトの案内で確かめておくと、実技の対策に時間を集中できます。

免除の手続きや、合格からの期間の条件などは、公式サイトで公開されている案内の資料に書かれています。申し込みの前に、自分の合格した検定が対象になるかを確かめておきましょう。

申し込みから受験までの流れ

2つの資格は、申し込みの方法も違います。初めて受ける人がつまずきやすいところなので、流れを整理しておきます。

MOSの場合

MOSは、全国の試験会場で受けます。随時試験は会場ごとに日程が決められているので、公式サイトの「試験会場を探す」から、通いやすい会場を探して申し込みます。公式サイトには、受験の前に確かめることや、当日の持ち物と注意事項をまとめたページも用意されています。初めて受ける人は、受験の前日までにこれらのページに目を通しておくと、当日の手続きで慌てずにすみます。

全国一斉試験は、2026年12月13日の回が最後です。それまでに受けたい人は、申し込みの期間に注意しましょう。12月の回は、2026年10月13日から11月16日までが申し込みの期間です。

日商PC検定の場合

日商PC検定は、商工会議所が認めたネット試験の会場で受けます。会場は、各地の商工会議所のほか、商工会議所が認めた大学、専門学校、パソコンスクール、企業などです。公式サイトでは、近くの会場に問い合わせ、試験を行う予定の会場で申し込むよう案内されています。近くに会場が見つからないときは、公式サイトの紹介のフォームから問い合わせられます。

試験はインターネットを通じて問題をダウンロードして行い、終わると答案がインターネットを通じて採点されます。公式サイトでは、試験が終わるとすぐに合否が判定され、結果が通知されると説明されています。結果を待つ期間がないのは、急いで資格がほしい人には大きな利点です。

教材の選び方

独学で受ける場合、教材の選び方で勉強の効率が大きく変わります。2つの資格それぞれの教材の考え方を整理します。

日商PC検定は、公式サイトの各級のページに学習教材が挙げられています。データ活用では、富士通ラーニングメディアの公式テキストと問題集が案内されています。公式サイトには、教材によって表記の揺れがあるため、本番では問題文の表記に合わせて解答するよう注意書きもあります。たとえば「フォルダ」と「フォルダー」のどちらを使うかは、問題文の書き方に合わせます。細かな点ですが、実技で文字を入力するときの減点を防ぐために覚えておきたいところです。

MOSは、受ける科目とバージョンに合った対策の教材を選びます。公式サイトには、自分の使っているOfficeに合った試験と対策の教材の選び方を説明したページがあり、運営会社が作った対策の動画も紹介されています。教材を買うときは、表紙に書かれたバージョンが受ける試験と同じかを必ず確かめてください。2019の教材で365の試験を受けると、出題の範囲や画面が合わないことがあります。

どちらの資格でも、教材は1冊を最後までやり切るほうが効果があります。何冊も手を出すより、1冊の模擬問題を時間内に解けるまで繰り返すことが、合格への近道です。

在宅の事務仕事で評価されやすいのはどちらか

ここからが、多くの人がいちばん知りたいところです。在宅で事務の仕事を受けるとき、MOSと日商PC検定のどちらが評価されやすいのでしょうか。

知名度で見るならMOS

採用や業務委託の募集で、パソコンのスキルの目安として名前が挙がることが多いのはMOSです。WordとExcelの基本的な操作ができることを、短い言葉で相手に伝えやすいのが強みです。事務の求人の応募条件に、歓迎する資格としてMOSが書かれているのを見かけることもあります。

一方で、日商PC検定は、知っている人からは実務の力を測る試験として評価されます。ただ、相手が試験の中身を知らない場合、3級や2級という級の名前だけが伝わり、難しさが伝わらないこともあります。

仕事の中身で見るなら日商PC検定

在宅の事務の仕事で実際に頼まれるのは、売上のデータを集計して報告書にまとめる、取引先に送る案内文を整える、会議用の資料を作る、といった作業です。日商PC検定は、まさにこうした「仕事として書類を仕上げる」力を問う試験です。データ活用の2級を持っていれば、関数でデータを集め、分析して報告書を作るところまでできることを示せます。

両方を組み合わせる考え方

どちらか1つに決める必要はありません。まずMOSのExcelとWordの一般レベルで基本の操作を固め、そのあとに日商PC検定のデータ活用や文書作成で、仕事の書類を作る力を示す、という順番で取る人もいます。MOSで操作に慣れておくと、日商PC検定の実技で操作に迷う時間が減り、書類の中身を考えることに時間を使えます。

資格より大事なもの

在宅の仕事では、資格を持っていることより、実際に作ったものを見せられることのほうが強い材料になります。資格の勉強の中で作った表や報告書を、個人の情報や会社の情報を含まない形で手元に残しておくと、仕事に応募するときの見本として使えます。資格は「基本ができる」ことの証明、作ったものは「この人に頼むとこういうものが出てくる」ことの証明、と考えると、両方をそろえる意味が分かりやすくなります。見本は、数字や名前をすべて架空のものに置き換え、元の勤め先や取引先が分からない形にしてから使いましょう。前の職場で作った書類をそのまま見せると、秘密を守る約束に反するおそれがあります。勉強の課題として自分で一から作ったものなら、そうした心配をせずに見せられます。

試験の難しさと勉強時間の考え方

MOSと日商PC検定のどちらが難しいかは、よく聞かれる質問です。単純には比べられませんが、試験の作りから違いを整理できます。

MOSは操作を知っていれば解ける

MOSは、問題の指示どおりにソフトを操作できるかを確かめる試験です。どの機能を使えばよいかが分かれば、正解にたどり着けます。出題の範囲は公式サイトで公開されているので、範囲に沿って機能を1つずつ練習していけば、着実に準備を進められます。

日商PC検定は自分で考える部分がある

日商PC検定の実技は、指示に従って書類を作るだけでなく、データを読み取って分析したり、目的に合う資料の形を自分で考えたりする部分があります。特に2級以上では、どの関数を組み合わせるか、どんなグラフで示すかを自分で判断する力が求められます。操作を知っているだけでは時間内に終わらないことがあり、仕事でExcelを使った経験がある人ほど有利になります。

加えて、日商PC検定は知識と実技の両方で70%以上を取らなければ合格できません。実技が得意でも、知識科目でITやネットワークの用語を知らないと不合格になります。知識科目の対策を後回しにしないことが大切です。

勉強の時間の目安を自分で決める

勉強にかかる時間は、普段どれだけWordやExcelを使っているかで大きく変わります。毎日Excelで表を作っている人なら、MOSの一般レベルは出題範囲の機能を確かめる程度で受けられることもあります。逆に、パソコンをほとんど使ったことがない人は、基本の操作に慣れるところから始める必要があります。

おすすめは、まず公式サイトや公式の教材に載っているサンプル問題や模擬問題を時間を計って解いてみることです。日商PC検定の公式サイトにも、サンプル問題、模擬問題、過去問題の案内があります。最初の点数と、時間内に終わったかどうかを見れば、あとどれくらい勉強が必要かを自分で見積もれます。

Macで仕事をしている人の準備

在宅で仕事をする人の中には、Macを使っている人も多いはずです。MOSも日商PC検定も、試験の会場のパソコンで受けるため、普段の環境と違う画面で解くことになります。

MOSは、公式サイトでMac版のOfficeの試験は行っていないと明記されています。日商PC検定も、各地のネット試験の会場に用意されたパソコンで受ける仕組みです。どちらも、Windows版のOfficeに慣れておくことが合格への近道になります。

Macで練習する場合は、Windows版とのショートカットキーの違いに注意します。たとえば、Windowsで「Ctrl」を使う操作の多くは、Macでは「Command」になります。リボンと呼ばれる画面上部のメニューの並びも、MacとWindowsで少し違うところがあります。試験の前の数回だけでも、Windowsのパソコンで模擬問題を解いておくと、本番で操作に迷う時間を減らせます。

編集部のメンバーでWebの開発をしている人は、普段はMacで仕事をしていますが、取引先から届くExcelの資料を扱うことがよくあります。あるとき、取引先のWindowsで作られたExcelの表をMacで開いたところ、関数の結果は同じでも、印刷の範囲やフォントの見え方が違い、そのまま返したところ手直しを頼まれました。それ以来、取引先がWindowsを使っている場合は、相手の環境での見え方を意識して書類を作るようにしているそうです。資格の勉強でWindows版のOfficeに触れておくことは、こうした実務のつまずきを減らすことにもつながります。

自分に合う資格を決める手順

ここまでの違いをふまえて、どちらを受けるかを決める手順を、順番に並べてみます。

  1. 受けたい仕事の募集の文面を、5件から10件ほど読む。応募の条件や歓迎する資格に、MOSと日商PC検定のどちらが書かれているかを数える
  2. 仕事で頼まれそうな作業を書き出す。表の入力や文書の整形が中心ならMOS、データの集計と報告書づくりが中心なら日商PC検定が近い
  3. 普段使っているパソコンとOfficeを確かめる。Macしか持っていない人は、Windows版のOfficeで練習できる環境を用意できるかを考える
  4. 近くの試験会場を調べる。MOSの随時試験と日商PC検定のネット試験の会場が、通える場所にあるかを確かめる
  5. 公式のサンプル問題を1回ずつ解いてみる。手ごたえのあるほうから受けると、合格までの道のりが短くなる

この手順で考えると、「なんとなく有名だから」という理由で選ぶより、受けたあとの使い道がはっきりします。迷ったときは、まずMOSのExcelの一般レベルで基本を固め、そのあとで仕事の中身に合わせて日商PC検定を受ける、という順番にしておけば、どちらの勉強も無駄になりません。

資格をプロフィールや応募の文面に書くときのコツ

資格は、取ったあとの見せ方で評価が変わります。在宅の仕事に応募するときに、資格を書くコツを整理します。

正式な名前と取得した年月を書く

MOSなら「Microsoft Office Specialist Excel 365」のように、科目とバージョンまで書きます。上級レベルなら「エキスパート」と添えます。日商PC検定なら「日商PC検定(データ活用)2級」のように、分野と級を書きます。分野を書かないと、どの力を証明しているのかが相手に伝わりません。取得した年月も合わせて書くと、いつの時点の知識かが分かります。

できる作業に言い換える

資格の名前だけでは、相手が試験の中身を知らない場合に伝わりません。「Excelの関数で売上データを集計し、グラフ付きの報告書を作成できます」「社外向けのビジネス文書を、決まった書式で作成できます」のように、資格で証明した力を、相手が頼みたい作業の言葉に言い換えて添えます。

作ったものの見本を用意する

可能であれば、資格の勉強で作った表や文書を、架空のデータに置き換えた見本として用意しておきます。見本があると、相手は仕上がりを具体的に想像できます。資格と見本の2つがそろっていると、初めての取引でも頼む側の不安が小さくなります。

資格を在宅の仕事につなげるには

資格を取ったあと、それを在宅の仕事につなげるには、何ができるかを相手に具体的に伝えることが大切です。プロフィールや応募の文面には、資格の名前だけでなく、「Excelで売上データを月ごとに集計し、グラフ付きの報告書を作れる」のように、できる作業を書きます。

フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、事務の仕事で長く続く人は、頼まれた作業をこなすだけでなく、「次からはこうすると楽になります」と小さな改善を提案できる人です。Excelの関数を使って手作業を減らす、書類のひな形を整えて毎回の作成時間を短くする。資格の勉強で身につけた知識は、こうした提案の場面で生きてきます。中間の手数料が乗らない直接取引なら、同じ予算で依頼する側はより多くの作業を頼め、受ける側は手取りが厚くなるので、こうした信頼の積み重ねがそのまま次の依頼につながります。

文章を書く仕事に広げたい人には、ライティングの資格もあります。Webライティング能力検定・技能検定の違いと副業への活かし方では、Webの文章の資格の違いと仕事への生かし方が比べられています。Webライティング技能検定で在宅ライターの信頼度アップ|案件獲得のコツでは、資格を案件の獲得につなげる方法がまとめられています。

契約書や社内の規程を扱う事務の仕事では、法律の基本を知っていると強みになります。ビジネス実務法務検定では、仕事に必要な法律の知識を問う検定の内容と生かし方が整理されています。業務の効率化を手伝う仕事に進みたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、AIの導入や業務の見直しを支援する仕事の内容を確かめられます。

報酬の目安を知っておきたい人は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場でライターや編集者の目安を、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で開発の仕事の目安を確かめられます。事務の仕事からマクロや開発の仕事へ広げていくときの判断の材料になります。

よくある質問

Q. MOSと日商PC検定はどちらが難しいですか?

単純には比べられませんが、作りに違いがあります。MOSは指示どおりにソフトを操作できるかを問う実技の試験です。日商PC検定は知識と実技の両方で70%以上が必要で、実技ではデータを読み取って分析したり、資料の形を自分で考えたりする部分があります。仕事でOfficeを使った経験が少ない人には、日商PC検定のほうが手ごわく感じられることが多いです。

Q. MOSの全国一斉試験が終わったあとも受験できますか?

受験できます。オデッセイ コミュニケーションズは、毎月の全国一斉試験を2026年12月で終えると発表していますが、全国の会場で行う随時試験は引き続き実施すると案内しています。受験料や試験の内容、合格証は、申し込みの方法が違うだけで同じです。最寄りの会場の日程を確かめて申し込みましょう。

Q. Macしか持っていなくてもMOSの勉強はできますか?

勉強はできますが、公式サイトにはMac版のOfficeの試験は行っていないと書かれています。試験はWindows版のOfficeで受けるため、Macで練習するとショートカットキーやメニューの並びの違いで本番に迷うことがあります。試験の前に、Windows版のOfficeを使える環境で模擬問題を解いておくと安心です。

Q. 日商PC検定の3級と2級はどちらから受ければよいですか?

受験資格はないので、どちらから受けてもかまいません。3級は指示に従って表やグラフを作る力、2級は関数を使ってデータを分析し報告書を作る力が問われます。普段からExcelで集計や関数を使っている人は2級から、パソコンの仕事に慣れていない人は3級から始めると、無理なく進められます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月29日最終更新:2026年10月5日
西田 航

この記事を書いた人

西田 航@SOHO編集部

フリーランスフルスタックエンジニア

Next.js・React・TypeScriptを主力に、SaaS企業の開発案件を手がけるフリーランスエンジニア。Web開発・SaaS系の技術記事を執筆しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方