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整体の資格|種類と取り方、開業までの流れ

@SOHO編集部
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整体の資格|種類と取り方、開業までの流れ

この記事のポイント

  • ✓整体の資格の種類と取り方
  • ✓開業までの流れを整理します
  • ✓整体には国家資格が無く民間資格が中心です

整体の資格を調べると、スクールの修了認定、通信講座の資格、協会の認定試験など、数えきれないほどの名前が出てきます。どれを取れば整体師として働けるのか、開業するには何が必要なのか、分からなくなる人は多いはずです。

最初に押さえておきたいのは、整体には国家資格が無いという点です。整体の資格はすべて民間の団体やスクールが独自に認定するもので、法律で決められた免許ではありません。一方で、体に触れる施術の中には、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師のように国家資格が無いと行えないものがあります。この記事では、整体の資格の種類と取り方、国家資格との違い、厚生労働省の通知が示す扱い、開業までの流れを順に整理します。

整体の資格が増え続けている背景

整体は、手を使って体をほぐしたり、姿勢や体の動きを整えたりする施術の総称です。リラクゼーションの店、整体院、スポーツクラブ、介護施設、自宅サロンなど、働く場所が広く、未経験から学び始める人が多い分野です。

整体の資格が増え続けているのは、国家資格が無いことの裏返しでもあります。法律で決められた免許が無いため、スクールや協会がそれぞれ独自の基準で講座を作り、修了した人に認定を出しています。同じ「整体師」という肩書きでも、学んだ時間が数日の人もいれば、1年以上かけて学んだ人もいるということです。

利用する側の事情も変わってきました。長時間のデスクワークや在宅勤務で、肩や腰の不調を感じる人が増え、病院に行くほどではないけれど体を整えたいという需要が広がっています。整体院やリラクゼーションの店は、駅前や商業施設で目にする機会が増えました。こうした需要の広がりを受けて、副業として週末だけ施術をしたい人や、会社員から独立して整体院を開きたい人も増えています。

ただ、資格の選択肢が多いということは、資格の名前だけでは実力が分かりにくいということでもあります。お客様の側から見ても、どの資格がどのくらいの学びを意味するのかは判断しにくい状態です。そのため、整体の資格を選ぶときは、名前よりも、何時間学ぶのか、何を学ぶのか、修了した後にどう支援があるのかを見て決めることが大切になります。

国家資格の施術と整体の違い

整体の資格を考えるうえで、最初に理解しておくべきなのが、国家資格が無いと行えない施術との線引きです。体に触れて行う施術のうち、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復の4つは、法律で免許を持つ人だけが仕事として行えると決められています。

厚生労働省の通知「医業類似行為に対する取扱いについて」(平成3年6月28日)には、次のように書かれています。

医業類似行為のうち、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう及び柔道整復については、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第十二条及び柔道整復師法(昭和四十五年法律第十九号)第十五条により、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師の免許を有する者でなければこれを行ってはならないものであるので、無免許で業としてこれらの行為を行ったものは、それぞれあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第十三条の五及び柔道整復師法第二十六条により処罰の対象になるものであること。 出典: 厚生労働省「医業類似行為に対する取扱いについて」

医業類似行為とは、医師が行う医療ではないものの、病気やけがの手当てに似た施術のことです。同じ通知は、この4つ以外の医業類似行為について、施術が医学的な観点から人体に危害を及ぼすおそれがあれば禁止や処罰の対象になると示しています。整体はこの「4つ以外」に入ります。

ここから分かるのは、整体として行える範囲は、施術の中身で判断されるということです。どこまでが問題ないかを一律に言い切ることはできません。少なくとも、民間資格の整体師が「マッサージ」という名前で施術を売ること、国家資格の施術者と誤解されるような名乗り方をすること、病気やけがを治すとうたうことは避けるべきだと考えておきます。判断に迷う場合は、開業する地域の保健所に相談すると確実です。

国家資格との違いを表にすると、次のとおりです。

区分 資格の例 取り方 できること
国家資格 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師 認定された学校や養成施設で3年以上学び、国家試験に合格 法律で認められた施術を仕事として行える
国家資格 柔道整復師 養成施設で学び、国家試験に合格 骨折や脱臼、ねんざなどへの施術(法律の範囲内)
民間資格 整体師、カイロプラクター、リフレクソロジスト など スクールや通信講座を修了、または協会の試験に合格 リラクゼーションや体のケアとしての施術

あん摩マッサージ指圧師などの免許の条件は、法律の第2条で、大学に入学できる資格を持つ人が、認定された学校や養成施設で3年以上、解剖学や生理学、病理学などを学び、国家試験に合格することと定められています。学ぶ期間と費用は民間の整体の資格と大きく違いますが、その分、仕事として行える範囲が法律ではっきりしています。

整体の民間資格の種類

整体の民間資格は、取り方によって大きく3つに分けられます。

通学のスクールで取る資格

整体のスクールに通い、実技を学んで修了すると、スクールや関連する協会から認定を受ける形です。講師が直接手の使い方を見てくれるので、施術の技術を身につけるには最も確実な方法です。コースは数日の短期のものから、半年から1年以上かけて学ぶものまであります。開業の支援や、修了後に系列の整体院で働ける仕組みを用意しているスクールもあります。

通信講座で取る資格

テキストと動画で学び、課題を提出したり、在宅で試験を受けたりして資格を得る形です。費用を抑えられ、自分のペースで進められるのが利点です。一方で、手の圧の加え方や体の触り方は、動画だけでは身につきにくい面があります。通信講座は、体の仕組みや施術の理論を学ぶ入口として使い、実技は別に練習の場を確保するのが現実的です。通信講座の会社が出している解説でも、整体の資格を取った人はリラクゼーションサロンで働くことが多いと紹介されています。

A.はい、多くの整体資格取得者がリラクゼーションサロンで活躍しています。特にボディケアやリンパケアセラピスト資格を持つ人は採用されやすい傾向があります。サロン勤務を目指す場合は、接客力やカウンセリング力も重視されるため、技術と合わせて磨いておくことが大切です。 出典: c-c-j.com

協会の認定試験で取る資格

整体やボディケアの団体が試験を実施し、合格した人を認定する形です。団体が決めた基準で知識や技術を確かめるので、スクールの修了だけよりも、外から見たときの目安になりやすいのが特徴です。ただし、どの団体も民間の団体で、認定の重みは団体ごとに違います。

整体と近い分野の資格

整体と並べて検討されることが多いのが、カイロプラクティック、リフレクソロジー(足裏のケア)、骨格の調整や姿勢の改善をうたう講座、妊娠中や産後の女性向けの整体の講座などです。どれも民間の資格で、整体と同じく国家資格ではありません。厚生労働省の同じ通知では、カイロプラクティックについて、頸椎に急激な回転を加える手技は危険が大きく禁止する必要があることや、症状が良くならないときは施術をやめて医療機関で調べてもらうべきことが示されています。整体を学ぶ場合も、こうした安全の考え方は共通して押さえておく必要があります。

整体の講座で学ぶ内容

整体の講座のカリキュラムは講座ごとに違いますが、しっかりした講座ほど、手技の練習の前に体の仕組みを学ぶ時間を取っています。一般的に含まれる内容を、学ぶ順に紹介します。

最初に学ぶのは、解剖学と生理学の基礎です。骨と筋肉の名前と位置、関節の動く方向、神経や血管の通り道を覚えます。どの筋肉がどの骨についていて、どう動くと縮むのかが分かると、お客様が「ここが張る」と言った場所の奥で何が起きているかを想像できるようになります。

次に、問診と観察の方法を学びます。お客様の話を聞き、立ち姿や歩き方、体の左右の差を見て、どこに施術をするかを考える手順です。ここで大切なのが、施術をしてはいけない状態(禁忌)を見分ける知識です。熱がある、強い痛みがある、けがをしたばかり、持病で通院中といった場合は、施術をせずに医療機関を勧めます。

そのうえで、手技の基本を学びます。手のひらや指で圧をかける、体を揺らす、関節をゆっくり動かすなど、体に負担をかけにくい手技から始めます。施術者自身の姿勢や体重のかけ方も大事な内容です。腕の力だけで押すと、施術者の手首や腰を痛めてしまうからです。

最後に、施術の流れを通しで練習します。問診から始まり、全身の施術、施術後の説明までを、決められた時間の中で行います。講座によっては、接客の言葉づかいや、予約の受け方、施術の記録の付け方まで扱います。

講座を選ぶときは、この4つの段階のうち、どこにどれだけ時間を使っているかを見ると、講座の中身の違いが分かります。手技の時間が多くても、体の仕組みと禁忌の時間が少ない講座は、お客様の安全を守る力が身につきにくいと考えておきます。

資格の選び方と比べる項目

整体の資格を選ぶときは、資格の名前ではなく、学ぶ中身と修了後の道で比べます。比べる項目は次の6つです。

  1. 学ぶ時間:実技の時間が合計で何時間あるか。短期の講座は手軽ですが、お客様の体を任せられる水準になるには、修了後の練習が欠かせません。
  2. 学ぶ中身:解剖学や生理学など体の仕組みの基礎、施術をしてはいけない状態(禁忌)の見分け方、問診の仕方が含まれているか。
  3. 講師:講師がどのような経験を持っているか。国家資格を持つ講師がいるか、整体院を運営した経験があるか。
  4. 費用の内訳:受講料のほかに、教材費、認定料、協会の年会費がかかるか。年会費が毎年かかる資格もあります。
  5. 修了後の支援:練習会や復習の場があるか、就職の紹介や開業の支援があるか。
  6. 教育訓練給付の対象か:講座によっては、国の教育訓練給付の対象になっていて、条件を満たせば受講料の一部が戻ってきます。

教育訓練給付とは、雇用保険に入っていた人などが厚生労働大臣の指定する講座を受けたときに、受講料の一部が支給される制度です。対象かどうかは講座ごとに決まっていて、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確かめられます。受給できる条件は人によって違うので、申し込む前に住んでいる地域のハローワークで確認します。受講を始めてからでは手続きが間に合わないことがあるので、順番に注意が必要です。

費用は、短期の講座と長期の通学コースで大きく違い、同じ期間のコースでも講座ごとに幅があります。金額だけで決めず、実技の時間あたりの費用で比べると、講座の違いが見えやすくなります。

国家資格を目指すかどうかの判断

整体を学ぶうちに、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師の国家資格を目指すかどうかで迷う人もいます。判断の材料になるのは、仕事の範囲、学ぶ期間、費用の3つです。

仕事の範囲で見ると、国家資格を持てば、法律で認められた施術を仕事として行えます。あん摩マッサージ指圧師なら、マッサージという名前で施術を提供でき、医師の同意など条件を満たせば健康保険を使った施術にも関われます。柔道整復師は、骨折や脱臼、ねんざ、打撲などへの施術を法律の範囲で行えます。整体の民間資格では、こうした範囲には踏み込めません。

学ぶ期間で見ると、あん摩マッサージ指圧師は、法律で3年以上の学びが求められています。仕事を辞めて昼間の学校に通うか、夜間の課程を探すかを考える必要があり、生活の設計そのものが変わります。民間の整体の講座が数日から1年程度で終わるのとは大きな違いです。

費用で見ると、国家資格の養成施設の学費は、民間の整体の講座より大きな負担になることが一般的です。養成施設の中には教育訓練給付の対象になっている学校もあるので、目指す場合は先に対象かどうかを確かめておきます。

どちらが正しいということはありません。リラクゼーションとして体をほぐす仕事を、副業や小さな自宅サロンで続けたいなら、民間の整体の資格で十分なことが多いはずです。医療に近い現場で働きたい、健康保険を使った施術に関わりたい、マッサージという名前で仕事をしたいなら、国家資格を目指す必要があります。まず民間の講座で体の仕組みと施術の基本を学び、仕事として続けられると感じてから国家資格に進む人もいます。

整体師として働く主な道

整体の資格を取った後の働き方は、大きく4つあります。

1つ目は、整体院やリラクゼーションの店に勤める道です。未経験から始める人の多くがここから入ります。お客様の数が多い店で働くと、さまざまな体の人に触れる経験が短い期間で積めます。店ごとに施術の型や接客の決まりがあるので、それを身につけることが最初の仕事になります。

2つ目は、業務委託で店と契約する道です。リラクゼーションの店では、店に雇われるのではなく、施術1回ごとに報酬を受け取る業務委託の契約で働く人が多くいます。業務委託とは、会社に雇われず、仕事ごとに契約して報酬を受け取る働き方のことです。働く時間を自分で決めやすい反面、社会保険や有給休暇は自分で用意することになります。契約書で報酬の決め方、指名料の扱い、店の備品の負担、辞めるときの決まりを確かめておきます。

3つ目は、スポーツクラブや介護施設、ホテルのスパなど、ほかの施設の中で施術をする道です。施設のお客様に施術を提供するので、集客の負担が少なくなります。

4つ目は、自分の整体院や自宅サロンを開く道です。次の節で、開業までの流れを詳しく扱います。

整体師の収入は、勤め先や働き方、経験で大きく変わります。整体の専門学校の解説でも、勤務先や経験年数、スキルによって年収が変わる職業だと紹介されています。資格を取っただけで収入が決まるわけではなく、どの道を選び、どれだけお客様に選ばれるかで変わると考えておくのが現実的です。

業務委託で店と契約するときに確かめること

整体の資格を取った後、リラクゼーションの店と業務委託の契約を結んで働く人は多くいます。雇用の契約と違い、業務委託では働く人が事業者として扱われるので、契約の中身を自分で確かめる必要があります。契約の前に確かめておきたい項目は次のとおりです。

  1. 報酬の決め方:施術の料金の何割が自分に入るのか、指名料や延長料の扱いはどうなるのか。
  2. 費用の負担:タオルや施術着、オイルなどの備品、研修の費用を誰が負担するのか。
  3. 働く時間の決め方:シフトを自分で決められるのか、最低の出勤の日数が決まっているのか。
  4. 待機の時間の扱い:お客様が来ない待機の時間に報酬が出るのか。
  5. 辞めるときの決まり:何日前に伝えればよいのか、辞めた後に近くで開業することを制限する決まりがあるか。
  6. 事故が起きたときの責任:施術中のけがの賠償を、店と自分のどちらが負うのか。

2024年11月からは、フリーランスとして働く人を守る法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が施行されています。業務を頼む側に、仕事の内容や報酬の額、支払の期日を書面などで示すことなどが求められます。業務委託で働く場合は、契約の条件が書面やメールで示されているかを確かめ、口約束のまま働き始めないようにします。困ったときの相談先は、厚生労働省のフリーランスの相談窓口の案内などで確かめられます。

開業までの流れ

整体院を開くまでの流れは、次の順番で進めるのが一般的です。

  1. 技術を固める:資格を取った後、整体院や店で経験を積みます。いきなり開業するより、勤めながらお客様の体に触れる経験と、接客や予約の段取りを覚えておくと、開業後の失敗が少なくなります。
  2. 施術の内容と名前を決める:民間資格でできる範囲に収め、国家資格の施術と誤解される名前を避けます。メニューの名前に「マッサージ」「治療」を使わないなど、言葉の選び方を先に決めておきます。
  3. 場所を決める:自宅の一室、賃貸の店舗、レンタルサロンの時間貸し、出張の形などから選びます。賃貸の場合は、契約で店舗としての使用が認められているかを必ず確かめます。自宅の場合も、分譲マンションの管理規約や賃貸の契約で、事業での使用が制限されていないかを見ておきます。
  4. 開業届を出す:個人で事業を始めるときは、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出します。国税庁の案内では、提出の時期は、事業を始めた日の属する年分の確定申告の期限までとされています。青色申告をする場合は、別に承認の申請が必要なので、期限を国税庁のページで確かめておきます。
  5. 保険に入る:施術中にお客様にけがをさせてしまった場合に備えて、賠償責任保険に入ります。整体の協会やスクールが団体で用意している保険もあります。
  6. 予約と集客の仕組みを作る:ホームページ、地図サービスへの登録、予約の受付の方法を整えます。
  7. 開業する:最初は知人や紹介のお客様から始め、施術の記録とお客様の声を積み重ねていきます。

開業届の手続きの詳しい内容は、国税庁の個人事業の開業届出・廃業届出等手続で確かめられます。副業として始める場合も、事業として継続的に施術を行うなら、開業届を出しておくと、確定申告や事業の経費の扱いが分かりやすくなります。所得の申告が必要になる条件や、住民税の申告は、働き方や金額で変わるので、税務署や住んでいる市区町村で確かめてください。

開業にかかる費用の内訳

整体院を開くときにかかる費用は、場所の形と規模で大きく変わります。金額は地域や物件で違うので、ここでは何にお金がかかるかの内訳を整理します。見積もりを取るときの抜け漏れを防ぐ一覧として使ってください。

場所にかかる費用としては、賃貸の店舗なら、保証金や敷金、礼金、仲介手数料、前払いの家賃がかかります。内装の工事が必要なら、その費用も加わります。自宅の一室なら、これらの費用はかからない代わりに、待合の場所や手洗いの導線を整える費用が必要になることがあります。レンタルサロンの時間貸しなら、使った時間の分だけ料金を払う形です。

設備と備品にかかる費用としては、施術用のベッド、タオルやシーツ、枕、着替えの用意、空調、照明、待合の椅子などがあります。タオルやシーツは毎回洗うので、枚数を多めに用意し、洗濯の手間と費用も見込んでおきます。

集客にかかる費用としては、ホームページの制作、予約の受付の仕組み、チラシの印刷、地図サービスや予約サイトへの掲載料などがあります。予約サイトは、掲載料のほかに予約1件ごとの手数料がかかるものもあるので、料金の仕組みを公式の案内で確かめてから選びます。

保険と手続きにかかる費用としては、賠償責任保険の保険料、協会の会費、会計ソフトの利用料などがあります。

開業の資金は、こうした初期の費用に加えて、お客様が安定するまでの数か月分の家賃と生活費を見込んでおくと安心です。開業の資金を借りる場合は、日本政策金融公庫の創業向けの融資などを検討する人もいます。条件は公庫の案内で確かめてください。

広告とメニューの書き方で気をつけること

整体院の集客で最も注意が必要なのが、広告やホームページ、メニューの書き方です。

厚生労働省の通知では、カイロプラクティックの誇大広告、とくにがんが治るといった医学的な効果をうたう広告は、法律に基づく規制の対象になると示されています。あん摩マッサージ指圧師などの国家資格の施術所でも、法律の第7条で、広告できる内容が施術者の名前や施術所の名前、施術の日時などに限られています。国家資格の施術でさえ広告の中身が厳しく決められているのですから、民間資格の整体で病気が治るとうたうことは、より慎重に避けるべきだと考えておきます。

具体的には、次のような書き方は避けます。

  • 「腰痛が治る」「ヘルニアが改善」など、病気や症状が治ると受け取られる表現
  • 「必ず効果が出る」「1回で変わる」など、効果を約束する表現
  • 「医療」「治療院」「マッサージ」など、医療や国家資格の施術と誤解される言葉
  • 根拠を示せない「満足度」「実績」の数字

代わりに、「体をほぐす」「リラックスできる時間」「姿勢を意識するきっかけ」のように、施術の時間の過ごし方や、体の感じ方を言葉にします。お客様の声を載せる場合も、病気が治ったという内容は載せないようにします。

チラシやホームページを自分で作るのが難しい場合は、デザインの専門家に頼む方法もあります。依頼の相場はデザイナーの年収・単価相場にまとまっています。頼むときは、使ってはいけない言葉の一覧を先に渡しておくと、作り直しの手間が減ります。

お客様の安全を守るための備え

整体の施術は、お客様の体に直接触れる仕事です。安全を守るための備えは、資格の種類にかかわらず欠かせません。

まず、施術の前に問診をします。持病や通院中の病気、妊娠の有無、最近のけが、服用している薬を確かめ、記録に残します。厚生労働省の通知は、カイロプラクティックの対象にすることが適当でない状態として、腫瘍や出血、感染による病気、リウマチ、心臓の病気などを挙げ、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、骨粗しょう症などの診断がはっきりしている場合も対象にしないことが適当だとしています。整体でも、こうした状態のお客様には施術をせず、医療機関への受診を勧めることが基本です。

次に、施術を続けても症状が良くならない、または悪くなる場合は、施術をやめて医療機関で調べてもらうよう伝えます。同じ通知が、適切な医療を受けるのが遅れないよう求めている点です。整体師が病気かどうかを判断することはできないので、「医療機関で一度診てもらってください」と伝えるのが、お客様を守ることにつながります。

施術の記録も大切です。いつ、誰に、どのような施術をしたか、お客様がどう感じたかを残しておくと、次回の施術に活かせるだけでなく、トラブルが起きたときに経緯を確かめる手がかりになります。記録には個人の健康の情報が含まれるので、鍵のかかる場所やパスワードを付けたファイルで保管します。

お客様に通い続けてもらうための工夫

開業してから最も悩むのは、お客様をどう集め、どう通い続けてもらうかです。広告で新しいお客様を呼ぶことも大切ですが、整体院の経営を支えるのは、2回目、3回目と通ってくれるお客様です。

まず、施術の後の説明を丁寧にします。今日どこを中心に施術したか、お客様が日常で気をつけるとよい姿勢や動き方を、短く伝えます。ただし、病気が治る、次に来れば良くなるといった約束はしません。体の感じ方は人によって違うので、「次はいつ頃来てください」と押しつけるより、「また体が重く感じたら、いつでもご相談ください」と伝えるほうが、お客様の信頼を得やすくなります。

次に、予約の取りやすさを整えます。電話だけでなく、インターネットから空いている時間を見て予約できるようにすると、仕事の合間に予約したいお客様に選ばれやすくなります。キャンセルの決まりは、予約のときに分かる場所に書いておきます。

地図サービスに整体院の情報を登録しておくことも、近くのお客様に見つけてもらう助けになります。営業時間や定休日、写真を正しく載せ、変わったときはすぐに直します。お客様が書いてくれた口コミには、丁寧に返事をします。

回数券や定期の会員の仕組みを作る場合は、使える期間と、使い切れなかったときの扱いを明確にしておきます。前払いのお金を受け取る仕組みは、お客様とのトラブルになりやすいところです。

副業から始めるときの進め方

整体を会社員の副業として始めたい人も多くいます。いきなり独立するより、副業で経験とお客様を積み重ねてから判断するほうが、お金の面でも無理が少なくなります。

副業として始める場合は、まず勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめます。厚生労働省のモデル就業規則では、副業や兼業は原則として認める方向で書かれていますが、会社ごとの規則が優先されます。届出が必要な会社もあるので、事前に確認します。

施術の場所は、最初はレンタルサロンの時間貸しや、出張の形にすると、初期の費用を抑えられます。週末の数時間だけ部屋を借り、予約が入った日だけ施術をする形です。お客様が増えてきたら、自宅の一室や小さな店舗を検討します。

副業の段階で集客や予約の受付を工夫しておくと、独立した後にそのまま活かせます。ホームページや予約の仕組み、お客様への案内の文章を整えることは、施術の技術とは別の力です。集客や販促の考え方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事でも紹介しています。お客様への案内文やキャンセルの決まりを丁寧に書く力は、ビジネス文書検定で学ぶ文書の基本が土台になります。

運営者の視点から見た、長く続く整体師の共通点

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた立場から見ると、独立して長く続く人ほど、技術そのものより「この人に任せると安心だ」という関係づくりに時間を使っています。整体でいえば、施術の前に話を聞き、できないことはできないと伝え、必要なら医療機関を勧める。そうした誠実さが、紹介と再来につながっていきます。

業務委託で働く場合も、店に払う手数料の割合や報酬の決め方で、同じ施術でも手元に残る金額が変わります。中間の取り分が少ない直接の取引ほど、お客様は同じ予算でより多く通え、施術者の手取りは厚くなります。整体の資格は入口にすぎず、そこからどの働き方を選び、どのようにお客様との関係を育てるかで、仕事の続き方が変わります。まずは学ぶ中身と時間で資格を選び、勤めながら経験を積み、開業の準備を1つずつ進めていくのが、遠回りに見えて確実な道です。

よくある質問

Q. 整体師になるのに国家資格は必要ですか?

整体には国家資格がなく、資格はすべて民間の団体やスクールが認定するものです。一方で、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復の4つは、国家資格の免許が無いと仕事として行えないと法律で決められています。民間資格の整体師は、マッサージという名前での施術や、病気が治るとうたうことは避ける必要があります。

Q. 整体の資格は通信講座だけで取っても働けますか?

資格自体は通信講座でも取れますが、手の圧の加え方や体の触り方は動画だけでは身につきにくい面があります。通信講座は体の仕組みや理論を学ぶ入口と考え、練習会やスクールの実技講座、整体院での勤務で実技の経験を積むのが現実的です。採用では技術と接客の力が見られることが多いです。

Q. 整体院を開業するときに必要な手続きは何ですか?

個人で始める場合は、税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を出します。国税庁の案内では、事業を始めた年分の確定申告の期限までに提出するとされています。青色申告をするなら承認の申請も必要です。あわせて賠償責任保険への加入、賃貸の契約や管理規約での使用の確認を済ませておきます。

Q. 整体院の広告で使ってはいけない言葉はありますか?

「腰痛が治る」「必ず効果が出る」のように、病気が治る、効果を約束すると受け取られる表現は避けます。「治療」「医療」「マッサージ」など、医療や国家資格の施術と誤解される言葉も使わないのが安全です。判断に迷う場合は、開業する地域の保健所に相談してください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月3日最終更新:2026年11月7日
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