ココナラの副業が会社に知られるのはどんなときか、確かめる順番

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ココナラの副業が会社に知られるのはどんなときか、確かめる順番

この記事のポイント

  • ✓ココナラの副業が会社に知られる経路は4つに絞れます
  • ✓それぞれの仕組みを地方税法と厚生労働省のモデル就業規則で確かめ
  • ✓確認する順番を整理します

ココナラで副業を始めるとき、多くの人が最初に気にするのが「会社に知られるのか」という点です。結論から書きます。会社に伝わる経路は4つしかなく、そのうち仕組みで説明できるのは住民税と社会保険の2つ、残りの2つは人が見つける経路です。そして4つのうちいちばん重い結果を招くのは、税金の経路ではなく、勤務先の取引先や顧客と重なる経路です。この記事では、それぞれの経路がどういう仕組みで動いているのかを地方税法と国税庁の記載、厚生労働省のモデル就業規則で確かめながら、確認すべき順番を整理します。隠す技術の話ではありません。手続きを正しく踏んだうえで、どこに注意が必要かを見極める話です。

ココナラの報酬は給与ではない。だから伝わる経路が限られる

まず押さえておきたいのが、ココナラで受け取るお金の性質です。ココナラは依頼者と出品者をつなぐ場であり、出品者が受け取るのは業務委託の報酬です。雇用契約にもとづく給与ではありません。

この区別が、会社に伝わるかどうかを決める分岐点になります。給与であれば、支払った会社は年末に給与支払報告書を市区町村へ提出します。支払先の氏名と金額が自治体に届き、住民税の計算に使われます。また一定の条件を満たせば社会保険の加入手続きが発生し、勤務先が2か所になったことが年金事務所を通じて分かる形になります。給与という形で副業をすると、こうした制度上の連絡が自動的に動きます。

業務委託の報酬では、この自動的な連絡が起きません。ココナラが出品者の勤務先に何かを通知することもありません。だからといって会社に絶対に伝わらないわけではなく、別の経路が残ります。その筆頭が住民税です。副業を扱う解説でもここが焦点になっています。

会社員の方がココナラというウェブサービスを利用して業務を受託して稼いだ場合は、それは一般的には副業になると言えます。会社にばれるのではないかとご不安を感じる方もいらっしゃると思います。 出典: fukugyou-kara-kigyou.jp

不安の中身を具体的な経路に分解すると、対処すべきことがはっきりします。次の章から順に見ていきます。

在宅で受ける業務委託の仕事にはどんな種類があるのかを先に把握しておくと、ココナラ以外の選択肢も含めて判断できます。技術寄りの依頼が実際にどう来るのかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事で確認できます。

経路1。住民税の特別徴収で、会社に届く通知書に何が載るか

会社員の住民税は、給与から毎月引かれています。この方法を特別徴収と呼びます。地方税法の第321条の3が、市町村は給与所得者の住民税を特別徴収の方法によって徴収するものとすると定めているためです。

仕組みはこうです。市区町村が前年の所得をもとに住民税を計算し、その税額を勤務先に通知します。勤務先は通知された金額を12回に分けて給与から引き、市区町村に納めます。このとき勤務先に届く書類には、その従業員の住民税額が記載されます。

副業の所得がある場合、その所得に対応する住民税がこの金額に上乗せされる可能性があります。すると勤務先の経理担当者は、給与から計算した想定額より住民税が多いことに気づける状態になります。ここが「住民税でばれる」と言われる経路の正体です。

ただし、実際にどこまで見えるかは書類の様式と担当者の確認範囲によります。額が合わないことに気づくかどうかは、会社の規模や経理の体制によって差があります。数十人規模の会社で担当者が1人なら気づく可能性は高く、数千人規模で一括処理していれば気づかれないこともあります。「必ず分かる」も「絶対に分からない」も、どちらも言い過ぎです。

重要なのは、この経路が不可避ではないことです。副業の所得については、住民税の納め方を選べる余地が法律上あります。次の章で条文にあたります。

住民税を普通徴収にできる条件。法律のただし書きが認めている範囲

住民税には特別徴収とは別に、自分で納付書を使って納める普通徴収という方法があります。副業の所得に対応する住民税を普通徴収にできれば、その分は勤務先に通知されません。

根拠は地方税法の第321条の3第2項です。条文は、給与所得者に給与所得以外の所得がある場合、市町村は条例の定めにより、その給与所得以外の所得に係る所得割額を給与から特別徴収する額に加算して徴収することができると定め、そのあとにただし書きを置いています。

ただし、第三百十七条の二第一項の申告書に給与所得以外の所得に係る所得割額を普通徴収の方法によつて徴収されたい旨の記載があるときは、この限りでない。 出典: e-Gov法令検索 地方税法

ここで必ず押さえておきたい点が1つあります。条文が対象にしているのは「給与所得以外の所得」だけです。つまり、ココナラのような業務委託の報酬であれば普通徴収を選ぶ余地がありますが、副業がアルバイトのように給与として支払われる形だと、この選択はできません。給与は給与としてまとめて特別徴収されるのが原則だからです。この違いはよく混同されるところで、「副業は普通徴収にすれば大丈夫」という説明は、副業が給与の場合には当てはまりません。

手続きの実際としては、確定申告書または住民税の申告書に、給与所得以外の所得に係る住民税を自分で納付する旨を記載する欄があります。そこを選んで申告します。ただし、選択を認める運用は自治体ごとに条例で定められており、扱いに差があります。一般にはこう扱われますが、自分の住んでいる市区町村でどう運用されているかは、住民税の担当課に確認してから申告するのが確実です。

なお同条の第3項は、特別徴収が始まった後に特別の事情が生じ、本人から普通徴収にしてほしいという申出があってやむを得ないと認められるときは、まだ徴収していない分を普通徴収に切り替えると定めています。年度の途中でも動かせる余地があるということです。

確定申告が必要になる線と、申告しない場合でも残る住民税の申告

住民税の納め方を選ぶには、その前に申告そのものをする必要があります。ここで所得税と住民税の線引きが違うことが、混乱の原因になっています。

所得税については、国税庁のタックスアンサーNo.1900が確定申告が必要な人を整理しています。令和8年4月1日現在の法令等にもとづく記載では、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超える人は確定申告をしなければならないとされています。給与を2か所以上から受けている場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額との合計額が20万円を超える人が対象です。

この20万円は、受け取った報酬の総額ではありません。報酬から経費を差し引いた所得の金額です。ココナラであれば、サービス手数料、制作に使った素材やソフトの費用、通信費の一部などが経費になり得ます。

問題は、住民税にこの20万円の線がないことです。地方税法の第317条の2は、住民税の申告について次のように定めています。

第二百九十四条第一項第一号に掲げる者は、三月十五日までに、総務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申告書を賦課期日現在における住所所在地の市町村長に提出しなければならない。 出典: e-Gov法令検索 地方税法

条文はこのあとにただし書きを置き、前年中に給与所得以外の所得を有しなかった者などを除くとしています。逆に読めば、給与以外の所得があった人は住民税の申告が必要だということです。期限は3月15日、提出先は賦課期日である1月1日現在の住所地の市区町村です。

つまり、副業の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は残ります。この申告を出すときに普通徴収を選べば、経路1への対処と申告義務の履行を同時に果たせます。逆に何も申告しないと、義務を果たしていない状態になりますし、後から自治体から連絡が来た際に勤務先を経由する形になる可能性もあります。申告しないことは、伝わりにくくする方法ではありません。

税や報酬の扱いで揉めた場面の実務については会計士の副業ガイド|監査法人勤務でもできる高収入の稼ぎ方【2026年版】も参考になります。専門職の立場で副業をどう整理するかという視点は、一般の会社員にも応用が利きます。

経路2。社会保険の手続きは、業務委託では発生しない

副業が会社に伝わるもうひとつの制度上の経路が社会保険です。ここは業務委託と給与で結果が明確に分かれます。

副業がアルバイトやパートのように雇用される形であれば、勤務時間などの条件を満たすと副業先でも社会保険に加入することになります。2か所で加入する場合は、どちらの事業所を主とするかを届け出る手続きが必要になり、その過程で本業の勤務先にも書類が回ります。この形だと、制度の手続きとして副業の存在が伝わります。

一方、ココナラのような業務委託では、報酬が給与ではないため、健康保険や厚生年金の加入手続きは発生しません。報酬をいくら受け取っても、社会保険の側から勤務先に情報が渡る経路はありません。厚生年金の保険料は本業の給与にもとづいて計算されるので、副業の報酬が増えても本業の保険料が変わることもありません。

ただし、副業が一定の規模になって本格的な事業になった場合は、話が変わります。会社を設立して自分が役員になれば、その会社で社会保険の適用を受ける立場になります。個人事業のままであれば、国民健康保険や国民年金の手続きが必要になる場面は、本業を辞めた後の話です。在籍中は本業の社会保険が続きます。

ここは制度の仕組みが明快な一方、個別の条件によって扱いが変わる部分もあります。掛け持ちの形が複雑になってきたら、年金事務所や健康保険の窓口で自分の状況を確認してください。

経路3。人が見つける。プロフィールと出品内容から特定される

制度の経路を2つ塞いでも、残る2つは人の経路です。そして実際に会社に知られた例の多くは、こちらです。

特定につながる要素は具体的です。プロフィールの写真、自己紹介に書いた経歴、扱っている分野、出品しているサービスの内容、実績として掲載した制作物、文章の書き方の癖。これらの組み合わせで、同業の人から見れば誰なのか推測がつく場合があります。

とくに注意が必要なのは3つです。

1つ目が、本業の会社名や部署名を書くことです。信用を得たくて「大手メーカーで10年」のように書きたくなりますが、分野が狭い業界では会社名を書かなくても絞られます。書く必要があるのは経験の中身であって、勤務先ではありません。

2つ目が、実績として掲載する制作物です。本業の業務で作った成果物を自分の実績として載せると、会社の資産を持ち出したことになりかねません。特定されるかどうかの前に、それ自体が問題になります。掲載していいのは、副業として自分で作ったものだけです。

3つ目が、社内の人に話すことです。伝わる経路として最も多いのはここだという声は少なくありません。悪意のない会話から広がるので、制度の対策では防げません。

見落とされやすい要素をもうひとつ挙げると、活動している時間帯です。平日の日中に問い合わせへ即座に返信し続けていると、勤務中に作業していると受け取られる可能性があります。返信の速さは評価に関わる要素ですが、勤務時間外に返す運用にしたほうが、後の説明が簡単になります。通知の設定を変えて、休憩時間と夜にまとめて返す形にしておくと、作業の集中も保てます。

もうひとつは、社外の知人経由の広がりです。副業の話を社外の友人にしたところ、その人が本業の同僚とつながっていた、という経路は実際にあります。誰に話すかを管理するのは現実的ではないので、話す相手を選ぶより、話しても問題にならない状態、つまり規程に沿って届出を済ませた状態を作るほうが確実です。

対処としては、プロフィールに勤務先を特定できる情報を載せないこと、実績は副業で作ったものに限ること、社内では話題にしないこと、この3つです。副業を隠すためというより、本業と副業の資産を混ぜないための線引きだと考えたほうが整理しやすくなります。

経路4。会社の取引先や顧客と重なる。ここがいちばん重い

4つの経路のうち、結果がいちばん重くなるのがこれです。副業の依頼者が、勤務先の取引先や顧客と重なるケースです。

なぜ重いかというと、知られるかどうかという問題ではなく、就業規則違反や競業の問題に直結するからです。勤務先が提供しているサービスと同じ内容を個人で受注すれば、会社の売上を奪ったと判断される可能性があります。取引先の担当者が本業の窓口と副業の出品者が同じ人だと気づいた場面では、会社から見て見過ごせない状況になります。

回避するには、受ける前に3つを確認します。

1つ目は、依頼の内容が勤務先の事業と競合していないかです。同じ業種であっても、勤務先が扱っていない領域であれば競合しないと判断できる場合があります。判断が微妙なら受けないのが安全です。

2つ目は、依頼者が勤務先の取引先でないかです。ココナラでは依頼者の会社名が分からないこともありますが、やりとりの中で分かった時点で判断できます。

3つ目は、業務で知った情報を使っていないかです。勤務先で得た顧客情報、価格、技術上の情報を使えば、秘密保持の問題になります。この点は雇用契約とは別に、就業規則や個別のNDAで縛られていることが多い部分です。

契約と取引条件の線引きを整理したいならフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストにある発注書の必須項目が役に立ちます。受注する側がどこまで確認すべきかの目安になります。

就業規則をどう読むか。国が示すモデル規定の4つの事由

副業が問題になるかどうかの最終的な基準は、勤務先の就業規則です。読み方の手がかりとして、厚生労働省が公開しているモデル就業規則が参考になります。令和7年12月版では、副業・兼業は第70条に置かれています。

第70条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。 2 会社は、労働者からの前項の業務に従事する旨の届出に基づき、当該労働者が当該業務に従事することにより次の各号のいずれかに該当する場合には、これを禁止又は制限することができる。 ① 労務提供上の支障がある場合 ② 企業秘密が漏洩する場合 ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合 ④ 競業により、企業の利益を害する場合 出典: 厚生労働省 モデル就業規則

このモデル規定の構造が重要です。第1項で副業ができることを原則として示し、第2項で禁止や制限ができる場合を4つに限定しています。つまり国が示す標準形は「原則として認め、4つの事由に当たる場合に制限する」という形です。

前の章で挙げた経路4が重いのは、この4つのうち2つ目、3つ目、4つ目に同時に触れる可能性があるからです。逆に、勤務先と関係のない分野で、勤務時間外に、会社の情報を使わずに行う副業は、この4つのどれにも当たりにくいと読めます。

もうひとつ、同じ資料の解説部分に見落としやすい記述があります。この副業・兼業には、他の会社等に雇用される形のほか、事業主となって行うものや、請負・委託・準委任契約により行うものも含むことに留意が必要だと書かれています。ココナラでの受注は業務委託なので、この範囲に入ります。「雇われていないから副業ではない」という理解は、少なくとも国が示す解説とは合いません。

あわせて、副業・兼業に係る相談や自己申告を行ったことによって不利益な取扱いをすることはできないとも書かれています。届出をしたことを理由に不利に扱われることは想定されていないということです。

自分の会社の規程が、このモデルと同じ形とは限りません。届出制なのか許可制なのか、禁止事由が何と書かれているのかを、実際の就業規則で確認してください。

届出をしたほうが有利になる場面

「知られないようにする」という発想から一歩離れて考えると、届出をしたほうが有利になる場面が実際にあります。

1つ目は、副業の規模が大きくなる場合です。所得が増えれば住民税の額も増え、経路1の見え方が変わります。額が大きくなってから発覚するほうが、説明の負担は重くなります。

2つ目は、本業と関連のある分野で受けたい場合です。届出をして会社の了解を得ておけば、経路4の懸念を事前に整理できます。会社側も、どこまでなら問題ないかを示せます。

3つ目は、時間の使い方に影響が出る場合です。副業の作業で睡眠時間が削られると、本業に支障が出ます。モデル規定の1つ目の事由である労務提供上の支障は、まさにこの状態を指しています。届出をしておけば、繁忙期に副業を調整するという相談ができます。

届出をするかどうかは、規程の書き方と職場の実情で判断が変わります。届出制であれば出すのが原則です。許可制であっても、出さずに続けて発覚した場合と、出して認められなかった場合を比べると、前者のほうが不利になる可能性が高いといえます。

経費と記録の付け方。何を残しておけば申告で困らないか

申告のときに困る人と困らない人の差は、年末の作業量ではなく、年の初めからの記録の付け方で決まります。副業の所得は「入ってきたお金から使ったお金を引いた額」なので、両方の記録が必要です。

残すべき記録は4種類です。

1つ目が入金の記録です。ココナラのような仲介の場では、売上と手数料の明細を画面から確認できます。月ごとに画面の内容を保存しておくのが確実です。振込の履歴だけを見ていると、手数料が引かれた後の金額しか残らず、売上の総額が分からなくなります。

2つ目が手数料の記録です。仲介の場に払う手数料は経費になります。売上から自動的に引かれる形なので、払った意識が持てないまま経費に入れ忘れる人が多い項目です。

3つ目が制作にかかった費用です。使った素材、フォント、ソフトの利用料、参考資料、機材。仕事のためだけに使ったものは全額、私用と兼用のものは使った割合で分けるのが原則的な考え方です。割合の出し方には決まった正解がなく、作業時間や使用頻度から合理的に説明できる形にします。

4つ目が通信費と電気代です。在宅で作業するので、仕事に使った分を按分します。ここも割合の根拠を自分で説明できる形にしておく必要があります。

記録の形式は、表計算ソフトで日付、内容、金額、区分の4列を並べるだけで足ります。会計ソフトを使う場合も、入力の元になるのはこの4列です。月に1回、30分だけ時間を取って入力する習慣にすると、年末の作業がほぼなくなります。

なお、何が経費として認められるかは個別の事情で判断が変わります。一般にはこうした扱いですが、金額が大きい支出や判断に迷う支出については、税務署や税の相談窓口で確認してください。

副業が育ってきたときの届出。開業届と青色申告の期限

副業の規模が大きくなり、継続的に受注する形になってくると、雑所得として扱うのか事業所得として扱うのかという論点が出てきます。ここは判断が分かれる部分なので、断定は避けたうえで、手続きの期限だけ正確に押さえておきます。

国税庁のタックスアンサーNo.2090 新たに事業を始めたときの届出などは、新たに事業を始めたときの届出を整理しています。令和8年4月1日現在の法令等にもとづく記載では、個人事業の開廃業等届出書の提出期限は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」とされています。開業から1か月以内という説明を見かけることがありますが、現在の記載はこの形です。

青色申告を選ぶ場合の期限は別です。同じ表では、所得税の青色申告承認申請書について、原則として青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合はその事業開始等の日から2か月以内と説明されています。開業届と申請書で期限の考え方が違うため、両方を出す場合は青色申告の側の期限に合わせて動くことになります。

事業所得として扱えるかどうかの判断には、継続性、独立性、自己の危険と計算による営利性といった観点が関わります。副業として月に数件受けている段階で事業所得と言えるかは、取引の規模や記録の整備状況によって結論が動きます。ここは自己判断で決めるより、税務署や税理士に自分の状況を示して確認するほうが確実です。手続きの期限だけは客観的に決まっているので、そこを外さないようにしてください。

確かめる順番を1枚に整理する

ここまでの内容を、実際に動く順番に並べます。

第1に、勤務先の就業規則で副業の条項を読みます。届出制か許可制か禁止か、禁止事由は何か。これが判断の土台です。人事のポータルや社内規程の一覧に置かれています。

第2に、受ける仕事が勤務先の事業と競合しないか、依頼者が取引先でないかを確認します。ここに触れるなら、税金の話に進む前に受注自体を見直します。

第3に、プロフィールと出品内容から勤務先が特定できる要素を外します。会社名、部署名、本業で作った成果物です。

第4に、報酬と経費の記録を最初から残します。入金の記録、支払った手数料、使った経費。確定申告の必要があるかどうかは、この記録がないと判断できません。

第5に、年が明けたら所得を計算し、20万円を超えるなら確定申告、超えないなら住民税の申告をします。どちらの申告でも、給与所得以外の所得に係る住民税を自分で納付する欄を選べる場合は、その扱いを市区町村に確認したうえで選びます。

第6に、届出が必要な規程であれば届出を出します。順番としては受注の前が望ましいところです。

この6つを踏めば、制度の経路については対処が済みます。残るのは人の経路で、こちらは日々の運用の問題です。

会社に伝わったあとに何が起きるのか

対処の順番を踏んでも、伝わる可能性はゼロになりません。伝わった後にどうなるかを先に把握しておくと、慌てずに対応できます。

まず、伝わったこと自体が処分につながるわけではありません。厚生労働省が示すモデル規定の構造がそうであるように、副業は原則として認められる方向で整理が進んでいます。会社が問題にするのは、4つの禁止事由に当たるかどうかです。したがって、最初に確認されるのは「何をしているのか」であって、「なぜ黙っていたのか」は次の論点になります。

実際の場面で聞かれることは、おおむね3つに絞られます。勤務時間外に行っているか、会社の情報や資産を使っていないか、会社の事業や取引先と競合していないか。この3つに明確に答えられる状態を作っておくのが、最も実効性のある備えです。作業の記録、受けた依頼の内容、依頼者の属性を整理しておけば、その場で説明できます。

届出制の規程で届出を出していなかった場合は、手続きの不備を指摘されることになります。この場合の実務的な対応は、遅れてでも届出を出すことです。出さずに説明だけで済ませようとすると、規程に沿っていない状態が続きます。

許可制で、許可を得ていなかった場合は、内容によって判断が分かれます。処分の重さは、会社の損害の有無、期間、金額の規模、本業への影響などで変わります。就業規則の懲戒の条項に何が書かれているかは、事前に読んでおく価値があります。

なお、個別の事案がどう扱われるかは、規程の文言と事実関係で結論が変わります。不利な処分の話になった場合は、社内の相談窓口や、労働問題を扱う専門の相談機関に事実関係を整理して相談してください。

在宅の副業を長く続けるための組み立て

最後に、市場を見てきた立場からの観察を書いておきます。

20年この市場を見てきた限りでは、副業が問題になった事例の多くは、税金の手続きではなく、本業との境界の曖昧さから起きています。勤務先の顧客に個人として提案してしまった、業務で作った資料を実績として使った、繁忙期に副業を抱えて本業の納期を落とした。いずれも住民税の話とは無関係です。逆に、境界をはっきりさせている人は、規模が大きくなっても揉めていません。

もうひとつ、長く続いている人には共通点があります。単発の依頼をこなすのではなく、同じ依頼者から繰り返し頼まれる関係を作っていることです。新しい依頼者を探し続ける形は、時間の大部分が営業に消えます。一度仕上げた相手から次が来る形になると、同じ作業時間で実入りが安定します。ここは本業の働き方では身につきにくい感覚で、副業を経験した人が伸ばせる部分です。

額面と手取りの構造も知っておく価値があります。仲介の場を通す取引では、成約のたびに手数料が引かれます。手数料が2割なら、5万円の依頼で手元に残るのは4万円です。仲介が入らない直接取引であれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接つながる形が意味を持つのは、金額の大小ではなく、この構造の差です。もっとも、最初の実績がない段階では仲介の場に価値があります。依頼者を見つける手間を肩代わりしてくれるからです。実績が積み上がった段階で、取引の経路を見直すのが現実的な順番です。

分野の選び方についても触れておきます。副業で伸ばしやすいのは、本業と隣接しているが競合しない分野です。たとえば技術職であれば、開発そのものではなく人工知能の活用を助ける相談業務や、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事にあるような周辺領域が候補になります。報酬水準を先に確かめたいならソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、職種ごとの分布を比べられます。単価の高い分野に移るほど、求められる専門性と責任も重くなるので、本業との時間配分を先に決めてから選ぶのが安全です。

報酬が支払われないという事態に備えておくことも実務です。個人が相手だと入金が滞る場合があり、回収の手段を知っているかどうかで結果が変わります。未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】で、手続きの流れと費用の目安を先に把握しておくと、いざというときに動けます。

よくある質問

Q. ココナラの副業は住民税で必ず会社に分かりますか?

必ずではありません。住民税を給与から引く特別徴収のままにすると、勤務先に通知される税額に副業分が上乗せされる可能性があります。ただし地方税法の第321条の3第2項のただし書きは、給与所得以外の所得に係る住民税を普通徴収で納めたい旨を申告書に記載した場合を例外としています。運用は自治体の条例で決まるので、住民税の担当課に確認してから申告してください。

Q. 副業の所得が20万円以下なら何も申告しなくてよいですか?

所得税の確定申告は不要になる場合がありますが、住民税の申告は別です。地方税法の第317条の2は、給与以外の所得があった人は3月15日までに1月1日現在の住所地の市区町村へ申告書を提出すると定めています。20万円の線は所得税だけの話です。申告しないままにすると義務を果たしていない状態になるため、市区町村の窓口で必要な手続きを確認してください。

Q. 社会保険の手続きから副業が会社に伝わることはありますか?

ココナラのような業務委託では、報酬が給与ではないため健康保険や厚生年金の加入手続きは発生しません。社会保険の側から勤務先に情報が渡る経路はありません。一方、副業がアルバイトなど雇用される形で加入条件を満たす場合は、2か所での加入に関する届出が必要になり、本業側にも書類が回ります。契約の形によって結論が変わります。

Q. 就業規則で副業が禁止されていたら、ココナラはできませんか?

まず規程の書き方を確認してください。厚生労働省のモデル就業規則は第70条で、原則として副業を認め、労務提供上の支障、企業秘密の漏洩、会社の名誉や信用を損なう行為、競業による利益侵害の4つに当たる場合に禁止または制限できるという形を示しています。解説には請負や委託により行うものも含むと書かれています。自社の規程が届出制なら届出を出し、判断に迷う内容なら受注前に人事へ相談するのが確実です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月14日最終更新:2026年9月29日
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