失業保険の受給中に向くアルバイトと、働ける範囲の考え方 2026

前田 壮一
前田 壮一
失業保険の受給中に向くアルバイトと、働ける範囲の考え方 2026

この記事のポイント

  • ✓失業保険受給中アルバイトおすすめの条件を
  • ✓雇用保険法の適用除外と減額の仕組みから整理しました
  • ✓週20時間と31日の線

まず、安心してください。失業保険を受け取りながらアルバイトをすること自体は、禁じられていません。禁じられているのは、働いた事実を隠すことです。ただし「どんなアルバイトでもよい」わけではなく、選び方を間違えると受給資格そのものを失います。この記事では、働ける範囲を決めている2本の線を法律の条文で確かめたうえで、受給中に向くアルバイトの条件と、申告の手順を順番に整理します。

受給中にアルバイトができるかどうかの結論

結論を先に書きます。失業保険、正式には雇用保険の基本手当を受け取っている期間中にアルバイトをすることは可能です。ただし、次の3つを満たす必要があります。

第1に、その働き方が雇用保険に入る条件に達していないこと。第2に、「失業の状態」であるという前提が崩れていないこと。第3に、働いた日と収入を、失業認定申告書で正しく申告すること。

このうち第3が最も大事です。第1と第2は働き方を選ぶ話ですが、第3は選び方に関係なく全員に関わります。働いたことを申告しなかった場合、それは不正受給として扱われます。ハローワークは不正受給についてこう説明しています。

偽りその他不正の行為で基本手当等を受けたり、又は受けようとした場合には、以後これらの基本手当等を受けることができなくなるほか、その返還を命ぜられます。 出典: ハローワークインターネットサービス

返還だけで終わらない点にも触れておきます。ハローワークの案内では、返還を命じた不正受給額とは別に、不正に受け取った額の2倍に相当する額以下の金額を納付するよう命じられる、と書かれています。つまり最大で受け取った額の3倍を支払う形になります。少し働いた分を隠して、受給していた全額に手を付けられるのは割に合いません。

そして、ここが意外と知られていないところですが、申告して減額される場合でも、減額された分は消えるわけではありません。支給が繰り越される仕組みがあるため、受け取れる総額は原則として変わりません。隠す動機そのものが、実はあまりないのです。

働ける範囲を決めている2本の線

範囲を決めているのは、2本の線です。1本目は「雇用保険に入る働き方かどうか」、2本目は「失業の状態が続いているかどうか」です。

1本目は条文で決まっています。雇用保険法の適用除外を定めた条文には、1週間の所定労働時間が20時間未満の人、そして同一の事業主のもとで継続して31日以上雇用されることが見込まれない人は、この法律を適用しないと書かれています。裏返して読むと、週の所定労働時間が20時間以上あり、かつ31日以上の雇用が見込まれる働き方をすると、そのアルバイト先で雇用保険の被保険者になります。被保険者になるということは、その時点で「雇用されている人」になったという意味です。

だから、受給中のアルバイトを探すときの第1の条件は、週20時間未満に収めることになります。週20時間は、たとえば1日5時間なら週4日、1日4時間なら週5日でちょうど20時間です。つまり週4日を超えて毎日入る形は、まず条件から外れます。

2本目の線は、日数や時間では決まっていません。ハローワークが「失業」をどう定義しているかを見ると、就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態を指すと書かれています。つまり、アルバイトに時間を取られて求職活動ができていない状態になると、そもそもの前提が崩れます。

実務では、この2本目の線が「就職したと扱われるかどうか」という判断につながります。ハローワークの窓口では、1日の労働時間の長さや契約の形をもとに、その日が就職や就労に当たるのか、内職や手伝いに当たるのかを区分して扱う運用があります。ただし区分の線引きは勤務の内容や契約の形で変わるため、自分の働き方がどちらに当たるかは、働き始める前にハローワークの窓口で確認してください。ここは一律に言い切れる部分ではありません。

収入があった日はどう計算されるのか

働いて収入を得た日について、基本手当がどう扱われるかは条文に書かれています。雇用保険法の基本手当の減額を定めた条文は、次の形になっています。

受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によつて収入を得た場合には、その収入の基礎となつた日数分の基本手当の支給については、次に定めるところによる。 出典: e-Gov法令検索

中身を、専門用語を外して書きます。判定に使うのは3つの数字です。1つ目は、働いて得た収入の1日あたりの額。2つ目は、離職前の賃金から計算される「賃金日額」。3つ目は、実際に受け取っている「基本手当日額」です。

賃金日額とは、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割った金額のことです。賞与は含みません。基本手当日額は、その賃金日額のおよそ50%から80%にあたる額で、賃金が低い人ほど率が高くなります。60歳から64歳の人は45%から80%です。

そのうえで、計算はこう進みます。働いて得た収入の1日あたりの額から、法律で決められた控除額を引きます。その残りと基本手当日額を足した合計が、賃金日額の80%に収まっていれば、基本手当は満額そのまま出ます。合計が賃金日額の80%を超えた場合は、超えた分だけ基本手当日額から差し引かれます。そして超えた分が基本手当日額以上になると、その日の基本手当は出ません。

この控除額は条文に金額が書かれていますが、毎年度の平均給与額の動きに応じて、翌年度の8月1日以降の額を変更しなければならないと同じ条文に定められています。つまり毎年見直される数字なので、今いくらなのかはハローワークの窓口か受給資格者のしおりで確認してください。編集部としても、金額を断定して書くより、確認先を示す方が皆さんの役に立つと考えています。

大事なのは、この計算の結果として「出なかった日」の分が消えるわけではないという点です。支給が止まった日は所定給付日数として消費されず、受給期間の枠内であれば後ろに繰り越されます。だから、正しく申告して減額を受ける方が、隠して不正受給と判断されるより、金額の面でも明らかに有利です。

待期の7日間と給付制限の期間は扱いが違う

ここを混同している人がとても多いので、分けて書きます。

まず、待期です。ハローワークに求職の申込みをした後、失業の状態にある7日間は基本手当が支給されません。これを待期と呼びます。この7日間は、単に「支給されない期間」ではなく、「失業の状態が7日間続いたことを確認する期間」です。だから、この期間に働くと失業の状態ではない日ができてしまい、7日を数え直すことになります。結果として受給の開始が後ろにずれます。7日の待期が終わるまでは、アルバイトを入れないのが無難です。

次に、給付制限です。自己都合で退職した場合などは、待期が終わった後の一定期間、基本手当が支給されません。条文では、待期期間の満了後1か月以上3か月以内の間で公共職業安定所長が定める期間は基本手当を支給しない、という形になっています。厚生労働省の案内では、令和7年4月1日以後に自己都合で退職した場合は待期期間満了後1か月、5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合離職して受給資格決定を受けた場合は3か月と説明されています。この期間の長さは個別の事情で変わるので、自分の場合が何か月になるかは受給資格の決定のときに確認してください。

給付制限の期間中は基本手当が出ません。そのため、この期間にアルバイトをする人は多いです。この期間の働き方については、待期と扱いが違います。給付制限期間中に働いたこと自体で受給資格がなくなるわけではありませんが、その働き方が「就職した」と扱われる形になれば、受給資格の前提が崩れます。だから、週20時間未満と31日以上の雇用見込みなしという線は、この期間でも守る必要があります。そして働いた事実は、次の失業認定日に申告します。

なお、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合や、離職前の1年以内に一定の教育訓練を受けたことがある場合は、給付制限がかからない扱いになると条文に書かれています。自分が該当するかどうかは、窓口で確認する価値があります。訓練を受けるという選択肢は、給付制限の面でも、次の仕事の準備という面でも意味があります。

もうひとつ、待期と給付制限の両方に共通する注意点があります。どちらの期間も、働いた事実の申告は必要です。「基本手当が出ていない期間だから申告しなくてよい」と考えてしまう人がいますが、これは誤りです。給付制限の期間に働いたことは、その期間が終わった後の最初の失業認定日に申告します。申告の対象になるのは、その認定対象期間に含まれる日です。自分の認定対象期間がいつからいつまでなのかは受給資格者証と説明会の資料に書かれているので、手元で確認しておいてください。ここを取り違えると、申告漏れになります。

受給中に向くアルバイトの条件を5つに整理する

以上を踏まえると、受給中に向くアルバイトの条件は次の5つになります。おすすめの職種を並べる前に、条件から考えるのが順序です。

第1に、週の所定労働時間が20時間未満であること。契約書に書かれた所定労働時間で判断されるため、「たまたま今週は少なかった」では足りません。契約の段階で20時間未満に収まっている必要があります。

第2に、31日以上の継続雇用が見込まれない形であること。単発、短期、期間が明確に区切られた契約がこれに当たります。ただし、同じ事業主のもとで前の2か月の各月に18日以上雇用された場合は扱いが変わるため、同じ勤務先で繰り返し入る場合は注意が必要です。

第3に、求職活動の時間が残ること。失業の認定を受けるには、認定対象期間中に原則として2回以上の求職活動の実績が必要です。給付制限期間とその直後の認定対象期間をあわせた期間については、給付制限が3か月の場合は原則として3回以上の実績が求められます。アルバイトで予定が埋まって、面接に行けない、ハローワークの職業相談に行けないという状態になると本末転倒です。

第4に、シフトの自由度が高いこと。失業認定日は指定された日にハローワークへ行く必要があります。面接の予定も相手の都合で入ります。この2つを優先できるシフトでないと、どちらかを諦めることになります。

第5に、次の仕事につながる要素があること。受給期間は生活をつなぐ期間でもありますが、次の仕事を決めるための期間でもあります。単に時間を売るだけの仕事で埋めてしまうと、受給が終わったときに何も残っていません。

この5つを全部満たす仕事は、実は限られています。だからこそ、条件から逆算して探すのが効率的です。

具体的にどんな働き方が当てはまるか

条件に照らすと、当てはまりやすい働き方には傾向があります。

1つ目は、単発や短期の仕事です。1日単位で募集される仕事、数日で終わる仕事、イベントや繁忙期の応援などが該当します。31日以上の継続雇用が見込まれない形になりやすく、シフトも自分で選べます。ただし同じ勤務先に何度も入ると継続雇用と見られる可能性があるため、間隔と日数に気をつけてください。

2つ目は、週2日から3日で1日4時間程度の仕事です。週の所定労働時間が12時間前後に収まるので、20時間の線には余裕があります。求職活動の時間も確保できます。飲食や小売の短時間シフト、事務の補助、軽作業などがこの形を取りやすいです。

3つ目は、在宅でできる短時間の作業です。データの入力、文章の校正、資料の整理、オンラインでの一次対応などが該当します。移動時間がないため、面接の予定と組み合わせやすいのが利点です。ただし後の節で書くとおり、契約の形によって扱いが変わるので注意が必要です。

4つ目は、時間帯をずらせる仕事です。早朝や夜間の仕事は、日中の求職活動と両立しやすいです。ただし生活のリズムが崩れると面接での印象に響くため、続けられる範囲にとどめてください。

逆に、向かない形もはっきりしています。週5日のフルタイムに近いシフト、雇用保険に加入する条件を満たす契約、長期前提で採用される仕事、シフトが固定で変更できない仕事です。これらは条件の第1から第4に反します。

編集部が見てきた限り、迷いが生まれるのは「思ったより多く入ってほしいと言われた」場面です。勤務先は人手が足りないので、善意で増やしてきます。ここで断れないと、気づいたときには週20時間を超えています。採用の段階で「週20時間未満に収める必要がある」と伝えておくのが、いちばん確実な防ぎ方です。

在宅の業務委託を選ぶときの注意点

在宅の仕事を探す人が増えているので、ここは丁寧に書きます。在宅ワークには、アルバイトとして雇われる形と、業務委託として仕事を請ける形の2つがあります。この2つは、失業保険の扱いが違います。

アルバイトとして雇われる形なら、これまで書いてきた週20時間と31日の線がそのまま当てはまります。雇用契約があるので、判断の枠組みが明確です。

業務委託の場合は、雇用契約ではありません。そのため、週の所定労働時間という概念がありません。では申告しなくてよいのかというと、逆です。条文には、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によって収入を得たときは、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならないと書かれています。雇用かどうかは関係なく、自分の労働で収入を得たなら届け出が必要です。

さらに注意が必要なのは、業務委託での受注を続けていると「自営を開始した」と扱われる可能性があることです。自営を始めた場合、その時点で失業の状態ではなくなります。ハローワークが不正受給の典型例として挙げている項目にも、自営を開始した場合にそれを失業認定申告書で申告しないことが含まれています。単発の受注と事業の開始の境目は、事情によって判断が変わるところです。継続して在宅の仕事を請ける予定があるなら、始める前にハローワークで相談してください。これは面倒な手続きではなく、後で受給資格を失うリスクを消すための確認です。

契約の形そのものを理解しておくことも役に立ちます。業務委託で仕事を請けるときに発注者と受注者の間で守られるべきルールは、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストに整理されています。契約書に何が書かれていなければならないかを知っておくと、報酬の未払いや条件の後出しを避けられます。

在宅でどんな仕事があるかを具体的に見ておきたい人には、業務の進め方が整理されているAIコンサル・業務活用支援のお仕事が参考になります。依頼を受けて成果を返す流れの組み方は、受給が終わった後の働き方を考えるうえでも土台になります。

失業認定申告書での申告の仕方

申告は、指定された失業認定日に行います。失業の認定は原則として4週間に1度で、そのときに失業認定申告書へ記入して提出します。

書く内容は大きく3つです。1つ目は、その期間に働いた日があるかどうかと、働いた日付。2つ目は、その働き方が就職や就労に当たるのか、内職や手伝いに当たるのか。3つ目は、得た収入の額です。

ここで大事なのは、働いた日をカレンダーに正確に残しておくことです。認定は4週間分をまとめて申告する形なので、記憶だけで書こうとすると必ず抜けます。働いた日、働いた時間、受け取る予定の金額を、その日のうちにメモしてください。振込がまだでも、働いた事実は申告の対象です。

収入の額がまだ確定していない場合の扱いは、窓口で確認してください。支払いが翌月になる仕事だと、認定日の時点で金額が決まっていないことがあります。この場合の書き方は、ハローワークが指示する方法に従います。自分で判断して空欄にするのは避けてください。

求職活動の実績も同じ申告書に書きます。求職活動として認められるのは、求人への応募、ハローワークの職業相談や職業紹介、各種の講習やセミナーの受講、許可や届出のある民間機関での職業相談、公的機関等が実施する職業相談や企業説明会への参加、再就職に資する国家試験や検定の受験などです。求人情報を見ただけ、知人に紹介を頼んだだけでは実績になりません。ここを勘違いすると、認定が下りません。

なお、資格試験の受験が求職活動の実績として認められる場合があるという点は、受給期間の使い方を考えるうえで見逃せません。文書を扱う仕事を目指すならビジネス文書検定のように実務に直結する検定があり、ネットワークの領域ならCCNA(シスコ技術者認定)が土台になります。どの試験が実績として扱われるかは窓口で確認してください。

申告しなかった場合に実際に起きること

隠したくなる気持ちはわかります。でも、割に合わないという話を具体的にしておきます。

不正受給と判断されると、まずその後の基本手当が全部止まります。残っていた所定給付日数が消えるということです。次に、すでに受け取った分の返還を命じられます。そして返還とは別に、不正に受け取った額の2倍に相当する額以下の納付を命じられます。合計すると、不正に受け取った額の最大3倍を支払う形になります。

ハローワークが不正受給の典型例として挙げているのは、求職活動の実績がないのに実績があると書くこと、就職や就労をした事実、または自営を開始した事実を申告しないこと、内職や手伝いをした事実や収入を隠したり偽って申告することです。パート、アルバイト、日雇、試用期間も就労に含まれると明記されています。「短時間だから」「試用期間だから」は理由になりません。

そして、見つからないと考えるのは現実的ではありません。雇用保険の手続きは事業主側からも行われるため、勤務先が手続きをすれば記録が残ります。給与の支払いに関する記録も残ります。あとから発覚した場合、その時点で返還と納付の命令が来ます。

もう一度書きます。正しく申告して減額された分は、消えるのではなく後ろに繰り越されます。受け取れる総額は原則として変わりません。リスクを取る意味がないのです。

アルバイト先に受給中であることを伝えるべきか

これはよく聞かれる話です。結論から書くと、伝えた方が結果的に楽になります。

伝える理由は2つあります。1つ目は、週20時間未満という上限を勤務先に共有しておかないと、善意でシフトを増やされるからです。人手が足りない職場では、働ける人に多く入ってほしいのが当然です。最初に「週20時間未満に収める必要がある」と伝えておけば、シフトを組む側もその前提で調整します。後から断るより、はじめに線を引く方が関係が壊れません。

2つ目は、失業認定日と面接の予定を優先させてもらう必要があるからです。認定日はハローワークが指定する日で、こちらの都合で動かせません。面接も相手の都合で決まります。この2つが優先されることを先に伝えておかないと、シフトの調整のたびに気を使うことになります。

伝え方は簡単です。採用の面接のときに「求職中で、雇用保険の手続きをしているため、週20時間未満で働きたい。ハローワークの指定日と面接の予定は優先させてほしい」と一言添えるだけで足ります。理由を細かく説明する必要はありません。短期や単発の募集をしている勤務先は、こうした事情の応募者を受け入れ慣れています。

逆に、伝えないと困る場面もあります。勤務先が雇用保険の加入手続きを進めてしまうケースです。週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある形で契約すると、事業主には加入の手続きを行う義務があります。加入手続きが進めば記録が残り、受給の前提が崩れます。契約の段階で条件を確認し、雇用保険への加入が発生しない形になっていることを確かめてください。

伝えることが不利になると心配する人もいますが、短期や単発の仕事では、むしろ「事情が明確な応募者」として扱われます。隠して働いて後から辞めることになる方が、双方にとって負担が大きいです。

受給が終わる前にやっておきたいこと

受給には期限があります。所定給付日数を使い切ったとき、あるいは受給期間の1年が過ぎたときに、給付は止まります。ここを意識せずに過ごすと、終わった瞬間に慌てることになります。

まず、自分の受給がいつまでかを紙に書いてください。受給資格者証に所定給付日数と受給期間の満了日が記載されています。残り日数を毎回の認定のときに確認し、残り3分の1になった時点で計画を見直します。この見直しの時期を決めておかないと、気づいたときには残りが少なくなっています。

次に、収入の形を1本だけでなく2本作ることを考えてください。アルバイトの収入と、請け負いで得る収入は性質が違います。アルバイトは時間で決まるので予測しやすく、請け負いは成果で決まるので単価を上げられます。受給中に請け負いの側を小さく試しておくと、受給後に一気に立ち上げる必要がなくなります。ただし継続的に請け負う場合は自営の開始と扱われる可能性があるため、始める前にハローワークで相談してください。

3つ目に、応募の記録を残してください。どこに応募して、どんな反応があったかを表にしておくと、傾向が見えます。書類が通らないのか、面接で止まるのかで、直すところが違います。この記録は求職活動の実績の管理にもそのまま使えます。

4つ目に、再就職したときに受け取れる手当の有無を確認してください。早い時期に再就職した場合に支給される手当の制度があります。条件と申請の方法はハローワークで確認できます。受給を使い切ることを目標にするより、条件に合う仕事が見つかった時点で動く方が、金額の面でも有利になる場合があります。

最後に、生活費の下限を計算しておいてください。月にいくらあれば回るのかがわかっていないと、条件の悪い仕事を焦って受けることになります。下限がわかっていれば、「この条件なら受ける、これなら受けない」を落ち着いて判断できます。焦って決めた仕事は続きません。時間をかけて選んだ方が、結果として早く落ち着きます。

受給期間を次の仕事の準備に使うという視点

20年この市場を見てきた立場から言えば、受給期間の使い方で、その後の数年が変わります。生活費をアルバイトで埋めることに全部を使った人と、生活費は最低限で抑えて残りの時間を次の仕事の準備に使った人では、1年後の状況がはっきり違います。

運営者として見てきた限りでは、長く続く働き方をつかんだ人は、単発の作業を数えるのではなく「この人に任せると楽だ」という関係を作ることに時間を使っています。受給期間中にできるのは、その関係の芽を作ることです。小さな仕事を丁寧に納めて、次を頼まれる形を1つか2つ作っておく。受給が終わったときに、ゼロから探し始める人と、頼まれる先が2つある人の差は大きいです。

そして、間に入る手数料が薄い形で直接つながる関係は、同じ予算でも依頼側はより多く頼めて、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%の取引が持つ意味は、金額の大小ではなく、この手取りの質の差にあります。受給期間中に無理のない範囲で始めておくと、受給後の立ち上がりが楽になります。

もうひとつ伝えたいのは、皆さんの年齢や経歴は、思っているほど不利ではないということです。編集部が扱ってきた事例でも、40代から在宅の仕事に移った人は珍しくありません。ただし、共通しているのは「辞めてから考えた人」ではなく「受給期間に準備した人」でした。給付は生活を支えるためのものですが、同時に準備のための時間を買っているとも言えます。

数字の面で押さえておくと、基本手当日額には年齢ごとの上限があります。ハローワークの案内では、令和8年8月1日現在で30歳未満が7,450円、30歳以上45歳未満が8,270円、45歳以上60歳未満が9,110円、60歳以上65歳未満が7,830円と示されています。この上限があるため、離職前の給与が高かった人ほど、受給中の収入は現役時より下がります。つまり、受給期間の長さに頼る計画は成り立ちません。所定給付日数は離職の理由、年齢、被保険者であった期間によって90日から360日の間で決まり、受給できる期間は原則として離職の翌日から1年です。

準備の方向を決めるときは、単価の実情を見ておくと判断が早くなります。文章を扱う仕事なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場、技術職ならソフトウェア作成者の年収・単価相場に相場が整理されています。資格を取って専門職の副業に広げる道を考えているなら会計士の副業ガイド|監査法人勤務でもできる高収入の稼ぎ方【2026年版】のように、資格を持つ人の仕事の広げ方をまとめた記事も参考になります。

最後に、この記事に書いた線引きは条文と公式の案内に基づくものですが、個別の事情でどう扱われるかは変わります。皆さんの働き方が就職に当たるのか内職に当たるのか、業務委託が自営の開始に当たるのか、これらの判断はハローワークが行います。始める前に窓口で相談してください。相談したという事実そのものが、後で自分を守ります。

よくある質問

Q. 失業保険を受給中にアルバイトをしても大丈夫ですか?

働くこと自体は禁じられていません。ただし週の所定労働時間を20時間未満に収め、31日以上の継続雇用が見込まれない形にし、働いた日と収入を失業認定申告書で申告する必要があります。週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある働き方をすると、その勤務先で雇用保険の被保険者になります。

Q. 収入があると基本手当はどう減りますか?

収入の1日あたりの額から法律で決まった控除額を引いた残りと、基本手当日額の合計が賃金日額の80%を超えた場合に、超えた分が差し引かれます。控除額は毎年8月1日に見直されるため、今の金額はハローワークで確認してください。支給されなかった日の分は原則として後ろに繰り越されます。

Q. 待期の7日間や給付制限の期間中も働けますか?

待期の7日間は失業の状態が続いたことを確認する期間なので、この間に働くと日数を数え直すことになり、受給の開始が後ろにずれます。給付制限の期間中に働くことは可能ですが、週20時間未満と31日以上の雇用見込みなしという線は守り、働いた事実は次の失業認定日に申告してください。

Q. 在宅の業務委託で仕事を請けた場合も申告が必要ですか?

必要です。雇用契約かどうかは関係なく、自分の労働で収入を得たときは届け出る義務が条文に定められています。さらに継続して受注すると自営の開始と扱われ、失業の状態ではなくなる可能性があります。継続的に請ける予定があるなら、始める前にハローワークの窓口で相談してください。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月4日最終更新:2026年9月27日
前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一@SOHO編集部

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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