韓国語 生活支援と行政手続きの同行

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
韓国語 生活支援と行政手続きの同行

この記事のポイント

  • 韓国語で通訳の仕事を探すと
  • 求人サイトに並ぶのは工場の駐在員向け通訳や
  • 外資系メーカーの社内通訳といった常勤の枠ばかりです

韓国語で通訳の仕事を探すと、求人サイトに並ぶのは工場の駐在員向け通訳や、外資系メーカーの社内通訳といった常勤の枠ばかりです。ところが実際に人手が足りていないのは、そこではありません。役所の窓口、病院の受付、学校の面談、電話での問い合わせ。日常のなかで韓国語と日本語の間に立つ人が要る場面は、求人票という形になりにくいだけで、数としてはむしろこちらが多いという特徴があります。

結論から言うと、韓国語の同行通訳と生活支援は、資格試験を新しく受けなくても、いま韓国語が話せる人がそのまま入れる数少ない領域です。ただし入り口が広い分、やってよい範囲の線引きと、時間の売り方を最初に決めておかないと、単価が崩れて続かなくなります。この記事では、仕事の中身、法令上の注意点、在宅に切り出せる部分、値付け、最初の一件の取り方を順に整理します。

韓国語の同行通訳が生まれている場所

求人票にならない需要が積み上がっている

まず市場の形を押さえます。韓国語の通訳需要は、大きく分けて二つの層で発生しています。ひとつは企業内の通訳翻訳で、これは求人サイトに出てきます。もうひとつが生活場面の通訳で、こちらは自治体の国際交流協会、医療機関、学校、そして個人からの直接依頼という経路で動くため、一般の求人検索にほとんど引っかかりません。

企業側の求人がどんな条件で出ているかは、求人検索エンジンの掲載内容を見ると分かります。

【仕事内容】<職種>[派遣]翻訳・通訳<雇用形態>派遣 【経験・資格】韓国語の通訳翻訳のご経験 英語の翻訳、日常会話が可能な方 出典: 求人ボックス

この手の求人は「通訳翻訳の経験」を最初に求めます。つまり経験のない人が入りにくい。逆に生活場面の通訳は、経験より「その地域にいて、その日その時間に動けること」が優先されます。ここが、韓国語ができるのに通訳の仕事に就けていない人にとっての現実的な入り口になります。

需要の担い手は誰か

日本に暮らす韓国語話者は、大きく三つに分かれます。長く日本に住んでいて日本語も不自由しない人、就労や留学で来て数年目の人、そして家族の呼び寄せや国際結婚で来たばかりの人です。通訳の同行が必要になるのは主に三つ目の層と、二つ目の層のうち手続き系の日本語が苦手な人です。日常会話はできても、住民税の納付書や国民健康保険の減免申請、保育園の入園申込みになると、日本人でも読みにくい文書が並びます。

もうひとつ見落とされがちなのが、日本側から発生する需要です。韓国から親族が来た日本人家庭、韓国企業と取引を始めた中小企業、韓国人スタッフを雇った飲食店。この人たちは「通訳会社に頼むほどではないが、一時間だけ立ち会ってほしい」という依頼を持っています。金額にすると1万円前後の小さな仕事ですが、単発で終わらず継続する率が高いのが特徴です。

同行と在宅は対立しない

「同行」と聞くと外に出る仕事だと思われますが、実務の時間配分を分解すると、現場に立っている時間は全体の半分もありません。事前の資料読み込み、用語の下調べ、依頼者との打ち合わせ、終わったあとの記録作成。この前後の工程は在宅で完結します。さらに、電話通訳とオンライン通訳という形を選べば、現場に行かずに同じスキルを売ることもできます。同行案件を軸にしつつ、在宅で処理できる工程を積み増していくのが、この仕事の現実的な組み立て方です。

生活支援と行政手続きの同行で、実際に何をするのか

役所の窓口に同行する

もっとも件数が多いのが自治体の窓口です。転入届、国民健康保険の加入と減免、児童手当の申請、住民税の相談、印鑑登録、マイナンバーカードの受け取り。窓口の職員は制度の説明はできますが、韓国語では説明できません。ここに通訳が入ります。

現場でやることは三つです。第一に、職員の説明を韓国語に置き換えて伝えること。第二に、依頼者の状況を職員に正確に伝えること。第三に、渡された書類のうち「いつまでに何をするか」を、その場でもう一度確認して依頼者にメモとして残すことです。三つ目を省く通訳が多いのですが、依頼者が後で困るのはたいていここです。窓口を出た瞬間に、何を言われたか半分忘れています。

所要時間は、一件の手続きなら40分から1時間。複数の課をまたぐと2時間から3時間かかります。待ち時間が読めないため、時間制で受けるのが原則です。

病院に同行する

医療の同行は、役所より神経を使います。問診票の記入、症状の聞き取り、検査の説明、薬の飲み方、次回予約。特に問診の場面では、痛みの種類や部位、経過を細かく訳す必要があり、日常会話の語彙では足りません。「ズキズキする」「シクシクする」「重い感じ」といった表現をどう置き換えるかは、事前に自分の中で対応表を作っておくと落ち着いて対応できます。

ここで重要なのは、通訳は医療者の説明を運ぶ役であって、自分の判断を足す役ではないという点です。依頼者から「この薬は飲まなくても大丈夫か」と聞かれても、答えるのは医師や薬剤師です。通訳がその質問を医療者に伝え、返ってきた答えを訳す。この順序を崩さないことが、自分を守ることにもなります。

なお、自治体や病院によっては医療通訳の研修を受けた人を優先する運用があります。研修そのものは短期のものが多く、受けておくと同じ地域内での紹介が回りやすくなる傾向があります。

学校と保育の場に同行する

子どもがいる家庭の依頼で多いのが、学校関係です。入学説明会、個人面談、家庭訪問、就学援助の申請、行事の持ち物説明。学校の配布物は日本語の中でも独特で、「体操着袋」「上履き」「集金袋」といった語が並びます。これを韓国語に置き換えるだけでなく、そもそも何のためのものかを説明しないと伝わりません。文化の橋渡しの側面が強い領域です。

面談の場では、保護者が言いにくいことを代わりに言ってしまわないよう注意が要ります。通訳が保護者の代弁者になると、学校側は保護者ではなく通訳と話し始めます。訳す立場を保つのが、結果的に依頼者のためになります。

電話代行とオンライン通訳

同行の派生として需要が伸びているのが、電話での通訳です。役所への問い合わせ、不動産会社との連絡、宅配の再配達依頼、携帯電話の契約変更。依頼者と通訳と相手先の三者を電話でつなぐ形と、依頼者から委任を受けて通訳が代わりに電話をかける形の二つがあります。

このうち後者は注意が必要です。単なる伝言の取り次ぎであれば問題になりにくいものの、契約の申込みや解約の意思表示を代わりに行うと、代理行為になります。代理でやってよいかどうかは相手先の本人確認ルールにも左右されるため、依頼を受ける前に「誰の意思として伝えるのか」を書面かメッセージで残しておくのが安全です。

電話通訳は移動がないため、在宅で受けられます。一件10分から30分と短いので、同行案件の合間に入れやすいのも利点です。

やってよい範囲と、越えてはいけない線

この仕事で最初に押さえるべきなのが法令の線引きです。ここを曖昧にしたまま親切心で踏み込むと、依頼者を助けるつもりが違法行為になりかねません。断定を避けて、確認すべき条文の名前を挙げておきます。

書類の作成は行政書士法の領域

官公署に提出する書類の作成を報酬をもらって業として行うことは、行政書士法で行政書士の業務とされています。同法第1条の2および第19条がその根拠です。通訳が窓口で、依頼者に代わって申請書に文字を書き込む行為が、どこからこの「作成」に当たるのかは、書類の性質や関与の度合いによって評価が変わります。

実務上は、依頼者本人が書くのを言葉の面で助ける、つまり「この欄には何を書くか」を訳して伝え、本人が自分で記入するという形にしておくのが無難です。代わりに書いてしまうと、線を越えたと見られる余地が出ます。判断に迷う場面が出たら、地元の行政書士会や自治体の相談窓口に確認してください。行政書士という資格そのものの位置づけを整理しておきたい人は、行政書士の解説ページに試験制度と業務範囲の概要がまとまっています。

法律の相談は弁護士法の領域

離婚、相続、借金、労働トラブル。生活支援をしていると、こうした相談が同行の場に紛れ込んできます。報酬を得る目的で法律事務を取り扱うことは、弁護士法第72条が弁護士等以外に禁じています。通訳が「その場合はこうすべきだ」と助言すると、通訳の仕事から外れます。

正しい動きは、通訳としてその話を法律相談の窓口まで運ぶことです。自治体の無料法律相談、法テラス、外国人向けの相談窓口。そこへ同行して通訳するのは通訳の仕事であり、そこで助言するのは弁護士の仕事です。この分担を最初に依頼者へ説明しておくと、あとで気まずくなりません。

技能実習と特定技能の書類

在留資格に関わる書類は、さらに慎重に扱う必要があります。技能実習や特定技能の在留諸申請では、申請書類の作成や取次ぎについて、出入国在留管理庁の届出を受けた者や申請取次行政書士といった枠組みが定められています。通訳が実習生の面談に同席して言葉を訳すことと、申請書類を整えて出すことは、まったく別の行為です。

現場では、監理団体や登録支援機関から「ついでにこの書類も」と頼まれることがあります。ここで安請け合いせず、書類の作成と取次ぎは有資格者に回し、自分は面談と説明の通訳に徹する。この線を最初に伝えておくほうが、長い目で見て信用されます。

通訳案内の資格が要る場面

観光地の案内を伴う場合は、また別の話になります。通訳案内士については通訳案内士法があり、有償で外国人に付き添って旅行に関する案内を行う業務の名称独占が定められています。制度改正で無資格でも有償ガイドができる範囲が広がりましたが、名称の使い方には制限が残ります。観光の同行も受けたい人は、全国通訳案内士の解説で、資格の位置づけと現行制度を確認しておくと安心です。

在宅で切り出せる工程をどう作るか

同行の仕事は、現場に出た時間だけを売っていると単価が伸びません。前後の工程を明示して、それも仕事として値段をつけるのが基本です。

事前の下調べと用語表

役所の手続きなら、その自治体のサイトで申請書の様式と必要書類を先に確認します。病院なら、依頼者から症状を先に聞いて関連語彙を洗い出します。学校なら配布物を写真で送ってもらい、先に訳しておきます。この作業は在宅でできて、しかも現場の所要時間を短くします。依頼者にとっても、待ち時間が減るのは利益です。

用語表は自分の資産になります。行政、医療、教育の三分野それぞれで、頻出語の対訳表を作って更新し続けると、二年目以降の準備時間が目に見えて減ります。

記録と要約の作成

同行が終わったあと、決まったこと、次にやること、期限を韓国語と日本語の両方で書いて渡す。この成果物があるかないかで、リピート率がはっきり変わります。作成時間は20分ほどですが、依頼者の家族や勤務先にも共有されるため、次の依頼を呼びます。

資料の翻訳を受ける

同行の周辺には、必ず紙の仕事が付いてきます。学校の手紙、保険会社の通知、賃貸契約書、就業規則。これらの翻訳は完全に在宅で処理できます。映像や音声を扱う案件まで視野を広げたい人は、映像翻訳・字幕・通訳のお仕事に、この分野の仕事の種類と進め方が整理されています。翻訳の実務単価の考え方をつかんでおきたい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場が国の統計をもとにした水準の目安になります。

値付けの設計

時間制を基本にする

同行案件は、待ち時間が読めないため成果物単位の値付けが合いません。開始から終了までの拘束時間に対して時間単価を置き、最低利用時間を2時間と決めるのが標準的な形です。30分単位で延長を加算し、超過分は当日その場で確認して精算します。

時間単価の水準は、企業の派遣通訳の時給が参考になります。求人サイトで韓国語の通訳翻訳を見ると、時給は1,600円から2,050円あたりが中心帯です。ただしこれは雇用側が交通費や社会保険を負担する前提の数字なので、業務委託で受けるならこれより高い水準でなければ手元に残りません。個人で受ける場合、経費と無償の準備時間を織り込んで設計する必要があります。

移動時間とキャンセル

移動時間をどう扱うかは、最初に決めておきます。片道30分を超える場合は移動費として時間単価の半額を加算する、といった形が現実的です。交通費は実費で別途請求します。

キャンセル規定も必須です。役所や病院の同行は、依頼者の都合で直前に流れることがあります。前日までは無料、当日は50%、開始後は全額。この三段階を条件文に書いておけば、揉めません。

手数料が単価に与える影響

在宅の仕事をクラウドソーシング経由で受けている人は、報酬から手数料が引かれる前提で値付けをしています。一般的なクラウドソーシングの手数料は16.5%から20%で、年間100万円の売上なら16万円以上が差し引かれる計算になります。同行通訳は単価が小さく件数を重ねる仕事なので、この差が効きます。手数料0%で直接取引ができる仲介サイトを併用すると、同じ稼働で手取りが厚くなります。

仕事の受け方と、最初の一件

話が来る経路

生活支援の依頼は、次の経路から来ます。自治体の国際交流協会の通訳ボランティア登録、医療通訳の派遣団体、外国人相談窓口、学校の日本語指導担当、そして在宅ワークの求人サイトです。前の三つは登録制で、研修とセットになっていることが多く、報酬は謝金水準にとどまります。ただし、ここで実績と地域内の紹介が生まれます。

有償の案件を取りにいくなら、在宅ワーク求人サイトや業務委託マッチングサービスに自分のプロフィールを置くほうが早い。韓国語ができる人材を探している企業側は、翻訳者の一覧から声をかけてきます。

自己紹介に書くこと

プロフィールで効くのは、韓国語のレベルより「どの場面をこなせるか」です。役所の手続きに同行できる、医療の問診に対応できる、学校の面談に入れる、電話通訳ができる。この場面の一覧があると、依頼側は自分の案件に合うかを判断できます。語学試験のスコアだけ並べても、依頼者は何を頼めるのか分かりません。

韓国語の力を客観的に示す材料としては、TOPIK(韓国語能力試験)の級が最も通じます。すでに取得している人は級を明記し、取得していない人は実務経験や生活年数で代替してください。この記事の読者はすでに韓国語ができる人なので、いま級を取りに行くより、対応できる場面を書き出すほうが先です。

トライアルと最初の一件

最初の一件は、報酬より条件の明確さを優先します。時間単価、最低利用時間、交通費の扱い、キャンセル規定、対応できない範囲。この五つをメッセージに書いて送り、合意してから受ける。「対応できない範囲」を先に言うと断られると思われがちですが、実際には逆で、線引きができている人のほうが安心して任されます。

隣接する語学の仕事の相場感を持っておくと、値付けの判断が早くなります。英語での翻訳副業の考え方は英語翻訳の副業ガイド|TOEIC何点から仕事ができる?に、アプリやゲームの言語対応まで含めた需要の広がりはローカライゼーションのフリーランス需要|アプリ・ゲーム翻訳の仕事内容に整理があります。

日本語側の力が問われる場面

韓国語のネイティブであることは、この仕事の必要条件ではあっても十分条件ではありません。同行通訳で詰まるのは、ほぼ日本語側です。

役所の職員が使う「所得の申告がないため、減免の判定ができません」という一文を、そのまま韓国語に移しても依頼者には伝わりません。何の申告か、なぜ判定に要るのか、いつまでに何をすればいいのか。日本の制度の構造を理解していないと、この補足ができない。逆に、日本語母語話者で韓国語を後から身につけた人は、韓国語の敬語や病名の語彙で詰まります。どちらから来ても、足りない側を埋める作業が要ります。

現場で使える具体的な準備としては、自治体サイトの手続き案内ページを日本語で通読しておくこと、健康保険と年金の仕組みを説明できる程度に整理しておくこと、学校の年間行事の流れを把握しておくことの三つです。語学の勉強ではなく、制度の勉強です。ここに時間を使った人が、結果的に指名されます。

現場で起きるトラブルと、その避け方

依頼の範囲が当日ふくらむ

同行通訳でもっとも多いのが、当日の追加依頼です。役所の手続きが終わったあとに「ついでに銀行に寄りたい」「携帯の契約も見てほしい」と言われる。断りにくい空気になりますが、ここで受けてしまうと、次から無償の延長が前提になります。

対処は簡単で、条件文に「当日の追加は延長として30分単位で加算する」と書いておくことです。断るのではなく、値段が付くと伝える。実際、依頼者の側も無料でやらせている自覚がないことがほとんどで、金額を提示すれば普通に承諾されます。

通訳ではなく代理を求められる

生活支援の現場では、依頼者が「全部やってほしい」と言い出す場面があります。書類を代わりに書く、電話で契約を結ぶ、役所と交渉する。前述のとおり、書類の作成は行政書士法、法律事務は弁護士法の領域に触れます。契約の意思表示を代わりに行えば代理行為になります。

この線は最初の見積もり段階で伝えます。「言葉を運ぶところまでが自分の仕事で、書くのと決めるのはご本人です」と書いておく。断り文句ではなく業務の定義として書けば、角が立ちません。

報酬の回収が遅れる

個人からの依頼は、支払いが後回しになりやすいという特徴があります。同行が終わったその場で現金精算する、または事前に指定口座へ振り込んでもらう。この二択にしておくのが安全です。企業や団体からの依頼なら、請求書を発行して月末締めの翌月払いという通常の商慣行に乗せます。

確定申告と経費の扱い

同行通訳の報酬は事業所得または雑所得になります。給与以外の所得が年間20万円を超える給与所得者は、確定申告が必要です。交通費、通信費、資料代、研修費は経費として計上できます。移動が多い仕事なので、交通系ICカードの履歴を月ごとに落として保存しておくと、申告時の作業が短くなります。開業届を出して青色申告にするかどうかは、年間の売上規模を見て判断してください。

運営者として見てきたこと

フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言えば、語学ができる人の収入を分けているのは、語学力の差ではありません。仕事の形を自分で設計できているかどうかです。

同じ韓国語の力を持つ二人がいて、片方は「通訳できます」とだけ書いて単発の依頼を待ち、もう片方は「役所同行は2時間から、事前準備と記録作成込み、電話通訳は10分単位」と条件を組み立てて出している。後者に依頼が集まります。依頼する側は、値段が安い人を探しているのではなく、頼み方が分かる人を探しているからです。

もうひとつ、長く続いている人に共通するのは、単発の作業ではなく関係の設計に時間を使っている点です。一度同行した家庭からは、翌月に学校の手紙の翻訳が来て、半年後に転居の手続きが来て、一年後に勤務先の書類が来ます。最初の一件で記録を丁寧に残した人は、この連鎖が起きる。逆に、その日その場だけを訳して帰った人は、次が来ません。

中間マージンの話も、金額そのものより構造の問題です。仲介手数料が乗らない直接取引では、依頼者は同じ予算でより多くの時間を頼めて、受け手は同じ稼働でより多く残る。同行通訳のように単価が小さく回数が多い仕事ほど、この差が積み上がります。運営者として見てきた限りでは、手取りが厚い人は特別な高単価案件を取っているのではなく、手数料と移動と準備という見えにくいコストを設計に織り込んでいるだけです。

案件の探し方を広げたい人は、隣接分野のガイドも見ておくといいでしょう。企業の言語対応やマーケティング周辺の需要はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、制作系で在宅の受注設計を学びたい場合はWebデザインの仕事をクラウドソーシングで受注する方法|案件の種類・単価・ポートフォリオの作り方に、進め方の型がまとまっています。開発系まで含めた業務委託の単価水準を知りたいときはソフトウェア作成者の年収・単価相場が比較の基準になります。

韓国語の同行通訳は、派手な仕事ではありません。一件1万円前後の積み重ねです。ただ、この仕事には代替が効きにくいという強さがあります。翻訳の一部は機械に置き換わっても、役所の窓口で困っている人の隣に立って、その場で言葉を運ぶ人は必要とされ続けます。すでに韓国語ができるなら、新しい資格を取りに行く前に、いま持っているものを仕事の形に組み立てるほうが早いという判断は、十分に合理的です。

よくある質問

Q. 韓国語の同行通訳は資格がないと受けられませんか?

生活場面の同行通訳そのものに必須の国家資格はありません。ただし官公署に出す書類の作成は行政書士法、法律相談は弁護士法第72条の対象になるため、通訳が踏み込める範囲には線があります。観光案内を伴う場合は通訳案内士法の名称の扱いも確認してください。迷う場面は自治体の相談窓口で確認するのが安全です。

Q. 同行の仕事は時間単価をどう決めればいいですか?

拘束時間に対する時間制が基本で、最低利用時間を2時間に設定する形が一般的です。派遣の韓国語通訳の時給は1,600円から2,050円あたりが中心帯ですが、業務委託では交通費や社会保険が自己負担になるため、それより高い水準に設定しないと手元に残りません。移動時間とキャンセル規定も先に決めておきます。

Q. 在宅だけで韓国語の生活支援の仕事はできますか?

できます。電話通訳とオンライン通訳は移動が不要で、一件10分から30分と短いため空き時間に入れやすい形です。同行案件の前後にある事前準備、資料の下訳、用語表作り、終了後の記録作成も在宅で処理できます。学校の手紙や契約書の翻訳など、周辺の紙の仕事も在宅で完結します。

Q. TOPIKの級は仕事を取るうえで必要ですか?

すでに取得しているなら書いたほうが通じますが、この仕事で依頼側が見ているのは級より「どの場面に対応できるか」です。役所同行、医療の問診、学校の面談、電話通訳のうち何ができるかを具体的に書くほうが依頼につながります。日本の制度を日本語で説明できる力のほうが、現場では効きます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月7日最終更新:2026年8月31日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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