JUIDAの資格と国家資格の違い|ドローンの仕事を受けるときの選び方

岡田 隆志
岡田 隆志
JUIDAの資格と国家資格の違い|ドローンの仕事を受けるときの選び方

この記事のポイント

  • ✓JUIDAの民間資格とドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明)の違いを
  • ✓費用の面から整理しました
  • ✓2025年12月に民間資格を使った許可申請の簡略化が廃止された影響と

ドローンの資格を調べると、まず目に入るのがJUIDAという名前と「国家資格」という言葉です。JUIDAの資格を取れば国家資格になるのか、JUIDAの資格を持っていると国家資格で得をするのか、これから仕事でドローンを使うならどちらを取ればいいのか。スクールの案内ページを何枚読んでも、すっきりしないという声をよく聞きます。

この記事では、JUIDAの資格とドローンの国家資格の違いを、運営している団体、法律上の効力、有効期間、取り方、費用の面から整理します。そのうえで、2025年12月に国の運用が変わった点を踏まえて、ドローンの仕事を受けるときにどちらをどう選ぶかを手順の形で示します。結論を先に書くと、JUIDAの資格は国家資格ではありません。これから仕事を受けるつもりなら、国家資格を軸に考え、JUIDAの資格は講習の短縮や学びの土台として位置づけるのが現実的です。

JUIDAとはどんな団体で、何の資格を出しているのか

最初に、JUIDAそのものと、JUIDAが出している資格の中身を確認しておきます。

民間の業界団体が運営する認定制度

JUIDAは、一般社団法人日本UAS産業振興協議会の略称です。UASとは無人航空機システムのことで、ドローンの産業を育てるための業界団体です。国の機関ではなく、民間の団体です。

JUIDAは、ドローンの操縦士を育てる認定スクールの制度を早い時期から運営してきました。公式サイトには次のように書かれています。

JUIDAは日本で初となる無人航空機(ドローン)の操縦士および安全運航管理者養成の認定スクール制度を2015年にスタートしました。認定スクールでの講習修了後には、操縦技能証明証を取得することができます。 出典: JUIDA 資格を取る

国の制度である国家資格が始まったのは2022年12月なので、それより7年ほど前から、民間の仕組みとしてドローンの教育と認定が行われてきたことになります。国家資格がなかった時期は、こうした民間資格が操縦の腕前を示すほぼ唯一の手段でした。

操縦技能証明証と安全運航管理者証明証

JUIDAが出している主な資格は2つです。

1つは「操縦技能証明証」です。JUIDAの認定スクールで講習を修了した人が申請できます。公式サイトに書かれている条件は、16歳以上であること、認定スクールの修了から3か月以内であること、JUIDAの個人会員(正会員または準会員)に登録することの3つです。

もう1つは「安全運航管理者証明証」です。飛行の計画を立て、安全を管理する立場の人に向けた資格で、18歳以上であること、認定スクールの修了から3か月以内であること、個人会員であること、そして操縦技能証明証を持っていることが条件です。

どちらも有効期限は2年で、2年ごとに更新の申請が必要です。会員になる費用は、準会員の場合で入会費5,000円(証明証と同時に申請するときは免除)、年会費5,000円と公式サイトに示されています。証明証そのものの発行にかかる手数料や、認定スクールの受講料は、公式サイトの申請ページやスクールごとに確認が必要です。

このほか、JUIDAは基礎的な講習を終えた人向けに、プラント点検、外壁などの建築物調査、森林の測量といった分野ごとの専門教育のコースも設けています。

ドローンの国家資格とはどんな制度か

次に、国家資格の側を整理します。

正式名称は無人航空機操縦者技能証明

ドローンの国家資格と呼ばれているのは、2022年12月5日に施行された改正航空法で始まった「無人航空機操縦者技能証明」です。国土交通省が制度を運営し、試験は国が指定した一般財団法人日本海事協会が指定試験機関として実施します。技能証明書の交付の申請は、国土交通省のドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)から行います。

資格は2つの区分に分かれています。一等無人航空機操縦士は、立入管理措置をとらずに第三者の上空を飛ばす「カテゴリーⅢ」の飛行のための資格です。二等無人航空機操縦士は、立入管理措置をとったうえでの「カテゴリーⅡ」の飛行のための資格です。立入管理措置とは、飛行経路の下に関係者以外が入らないよう、補助者を立てたりコーンで区切ったりする措置のことです。

学科・実地・身体検査の3つ

国家資格を取るには、学科試験、実地試験、身体検査の3つに合格します。学科試験は三肢択一で、二等は50問を30分、一等は70問を75分で解きます。実地試験は、机上試験、口述試験、実際に機体を飛ばす実技試験で構成されます。身体検査は、視力や聴力などの基準を満たしているかを確かめるもので、普通自動車の運転免許証があれば書類で受けられます。

国が登録した民間のスクールである「登録講習機関」で講習を受けて修了審査に合格すると、指定試験機関での実地試験が免除されます。多くの人はこの登録講習機関のルートを使っています。

指定試験機関の手数料は国の手数料令で決まっていて、マルチローターの場合、学科試験は二等8,800円・一等9,900円、実地試験の基本は二等20,400円・一等22,200円、身体検査は書類で5,200円です。技能証明の有効期間は3年で、更新には登録更新講習機関での講習の修了と、身体適性の確認が必要です。

JUIDAの資格と国家資格の違いを比べる

ここまでの内容を、比べやすい形に並べ直します。

比べる点 JUIDAの資格 国家資格
運営する主体 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(民間) 国土交通省(試験は指定試験機関)
法律上の位置づけ 民間の認定 航空法にもとづく技能証明
取り方 JUIDA認定スクールで講習を修了し、会員登録して申請 学科試験・実地試験・身体検査に合格(講習で実地免除も可)
年齢の条件 操縦技能証明証は16歳以上 16歳以上
有効期間 2年 3年
更新に必要なこと 2年ごとの更新申請(会員の継続) 登録更新講習機関での講習と身体適性の確認
特定飛行での効力 法律上の特例はない 二等と第二種機体認証の組み合わせで、一部の飛行で許可・承認が原則不要

いちばん大きな違いは「法律上の効力」

表の中で最も大きな違いは、最後の行です。人口集中地区の上空、夜間、目視外、人や物から30m未満の距離といった、事故が起きたときの影響が大きい飛ばし方は、法律で「特定飛行」と呼ばれ、原則として国の許可や承認が必要です。

国家資格の二等と、国の検査を受けた第二種機体認証の機体を組み合わせると、こうした特定飛行の一部で、飛行ごとの許可・承認が原則として要らなくなります。一等と第一種機体認証の組み合わせなら、許可・承認を受けたうえで第三者の上空を飛ばすカテゴリーⅢの飛行ができるようになります。

JUIDAの資格には、このような法律上の特例はありません。JUIDAの公式サイトも、国家資格の二等と民間資格との違いは申請の有無の部分だと説明しています。

国家資格がなくても飛ばせる範囲は同じ

一方で、どちらの資格も持っていなくても、特定飛行にあたらない飛ばし方、たとえば人口集中地区の外で、昼間に、目で見える範囲で飛ばすだけなら、機体の登録さえ済ませれば手続きは要りません。国土交通省も、技能証明の取得はドローンを飛ばすうえで必須ではないと明記しています。

つまり、資格の有無で変わるのは「特定飛行をするときの手続き」です。どちらの資格も、ドローンを飛ばすための運転免許のようなものではない、という点を押さえておくと、両者の違いが整理しやすくなります。

国家資格の「限定」と、資格があっても許可が要る場面

JUIDAの資格と国家資格を比べるときに、もう一つ押さえておきたいのが、国家資格にかかる「限定」と、国家資格を持っていても許可・承認が必要な場面です。ここを知らないと、資格を取ったのに受けたい仕事ができない、ということが起きます。

限定とは、合格した範囲だけで飛ばせるという枠

国家資格の技能証明には「限定」がかかります。限定とは、試験や講習で合格した範囲でしか特定飛行を認めないという枠のことです。何も追加しない「基本」の資格は、昼間に、目で見える範囲で、最大離陸重量25kg未満の機体を飛ばす範囲に限られます。

機体の種類も限定の対象で、回転翼航空機(マルチローター)、回転翼航空機(ヘリコプター)、飛行機の3つに分かれます。一般にドローンと呼ばれるプロペラが複数ある機体はマルチローターです。

夜間に飛ばしたい、目視外で飛ばしたい、25kg以上の機体を使いたいという場合は、それぞれの限定を外すための講習か実地試験を受けます。これを限定変更と呼びます。指定試験機関で受ける場合、マルチローターの二等の限定変更の実地試験の手数料は19,800円です。

外壁や橋の点検では目視外、夕方の景観撮影では夜間の飛行が必要になることがあります。基本だけの資格では、こうした仕事は国家資格の特例の対象になりません。講習を申し込むときに、受けたい仕事に合わせて限定変更も同時に受けるかを決めておくと、あとから講習に通い直す手間を省けます。

資格があっても飛行ごとの許可・承認が要る場面

国家資格の二等と第二種機体認証の組み合わせがあっても、次のような飛ばし方は、引き続き飛行ごとに国の許可・承認が必要です。指定試験機関の案内では、空港の周辺、地表から150m以上の高さ、祭礼や縁日などのイベントの上空、爆発物などの危険物の輸送、機体からの物件の投下、一定の重量以上の機体を飛ばす場合が挙げられています。

花火大会やスポーツイベントの空撮、農地への散布のように物を落とす作業は、資格を持っていても許可・承認の手続きが要るということです。仕事を受ける前に、その飛行がどれにあたるかを確かめ、必要なら申請の期間を見込んで日程を組みます。

また、どの区分の飛行でも、屋外で飛ばす100g以上の機体は国への登録が必要です。資格の有無とは別の手続きなので、機体を買い替えたときや、発注者の機体を借りて飛ばすときにも、登録が済んでいるかを確認する習慣をつけておきます。

国家資格を取るまでの流れと期間の見込み

JUIDAの資格から国家資格に進む人も、最初から国家資格を目指す人も、取得までの流れは同じです。二等マルチローターの基本を、登録講習機関の講習を使って取る場合の例で整理します。

番号の取得から交付の申請まで

最初に、国土交通省のDIPS2.0で技能証明申請者番号を取得します。この番号があると、登録講習機関の講習の申し込みや、指定試験機関の試験の申し込みができるようになります。あわせて、指定試験機関の試験申込システムでアカウントを作ります。番号とアカウントはどちらも1人に1つで、一度取れば繰り返し使えます。

次に、登録講習機関で学科と実地の講習を受け、修了審査に合格します。学科試験は、全国の試験会場のパソコンで解答するCBT方式で、講習の修了を待たずに受けることもできます。出題範囲は国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」で、2026年7月14日からは第5版に準拠しています。古い版の問題集で勉強しないよう注意します。

身体検査は、普通自動車などの運転免許証があれば書類で受けられ、手数料は5,200円です。合格の有効期間は1年なので、講習の見通しが立ってから受けます。

学科試験の合格証明番号、講習の修了証明書、身体検査の合格証明番号がそろったら、DIPS2.0から技能証明書の交付を申請します。新規の交付手数料は3,000円です。国土交通省の案内では、二等の技能証明書は審査完了後から10開庁日が交付の目安とされています。

期間は講習の日程しだい

全体の期間を最も左右するのは、登録講習機関の講習の日程です。経験者向けの講習なら最低時間が短いので通う日数も少なくて済みますが、初学者向けなら学科と実地で最低20時間の講習があります。平日に通えるか、週末だけかで、修了までの週数は大きく変わります。講習機関の日程表を見ながら、修了審査、学科試験、身体検査、交付申請の順に、自分の予定を逆算して書き出しておくと、仕事の受け始めの時期を決めやすくなります。

2025年12月に変わった民間資格の扱い

JUIDAの資格と国家資格の関係を考えるうえで、見落とせない変更があります。

民間資格を使った許可申請の簡略化が廃止された

国家資格が始まる前から、国土交通省は、ホームページに掲載した民間の講習団体が出す技能認証、つまり民間資格を持っている人については、飛行の許可・承認を申請するときに操縦の能力を示す書類の一部を省略できる運用をしていました。JUIDAの資格が仕事で重宝されてきたのは、この運用があったためです。

この運用は、2025年12月に廃止されました。国土交通省の飛行許可・承認手続きのページでは、2025年12月15日にカテゴリーⅡ飛行の許可・承認の審査要領の改正を公布したこと、その内容として「ホームページ掲載無人航空機」と「ホームページ掲載講習団体等が行う技能認証」に係る運用を廃止すること、施行は令和7年12月18日であることが案内されています。

これから特定飛行の許可を申請する人への影響

この変更で、民間資格を持っていることを理由に許可・承認の申請書類を省略する道はなくなりました。民間資格を持っていても、これからは国家資格を持っている人と同じ扱いにはならず、操縦の経験や能力を申請のたびに示すか、国家資格を取るかのどちらかになります。

過去にJUIDAの資格を使って許可・承認を受けていた人は、次の申請のときに手続きが変わることがあります。国土交通省のページでは、以前の申請に民間の技能認証を含めていた場合の扱いについても案内しているので、包括的な許可を更新する前に必ず目を通しておきます。

「JUIDAの資格を持っていれば申請が楽になる」という説明は、2025年12月より前の情報です。スクールの案内やネット上の記事を読むときは、いつ書かれたものかを確認することが大切です。

JUIDAの資格は国家資格を取るときに役立つのか

それでは、JUIDAの資格を持っていることは、もう意味がないのでしょうか。国家資格を取るときの講習時間という点では、今も違いが出ます。

講習には初学者向けと経験者向けがある

登録講習機関の講習には、国の告示で最低時間が定められています。講習は、これから本格的に学ぶ人向けの「初学者向け講習」と、すでに一定の経験がある人向けの「経験者向け講習」に分かれていて、最低時間は次のとおりです。

区分 学科講習 実地講習(基本)
初学者・一等 18時間以上 50時間以上
初学者・二等 10時間以上 10時間以上
経験者・一等 9時間以上 10時間以上
経験者・二等 4時間以上 2時間以上

二等で比べると、初学者は学科と実地を合わせて最低20時間、経験者は最低6時間です。受講料は登録講習機関ごとに決められていますが、講習の時間が短くなれば通う日数は確実に減るため、経験者向けの講習を受けられるかどうかは、日程の組み方に大きく影響します。費用の差は、複数の機関の見積もりで確かめます。

JUIDAの公式サイトも、民間資格の保有者は国家資格を取るときに一部の学科と実地の講習が免除され、負担が大幅に軽くなると説明しています。

経験者の扱いを受けられるかは講習機関に確認する

注意したいのは、経験者向けの講習を受けられる条件は、民間資格だけで決まるとは限らない点です。民間資格を持っていなくても、操縦の経験があれば経験者向けの講習を受けられると案内しているスクールもあります。逆に、民間資格を持っていても、取得から時間がたっていて操縦から離れている場合は、初学者向けの講習から始めたほうが修了審査で苦労しないこともあります。

どちらの扱いで受けられるかは、これまでの講習の修了歴や飛行の経験をもとに登録講習機関が判断します。申し込む前に、手元の証明証や飛行の記録を見せて確認するのが確実です。

インフラの仕事でも、古い認定を持っているから大丈夫だと思い込んで現場に入り、最新の手順についていけずに冷や汗をかく、という話はよくあります。資格は取った時点の知識を示すものなので、離れていた期間がある人ほど、講習の扱いを決める前に一度実機を触って勘を戻しておくと安心です。

混同しやすい3つの点を整理する

JUIDAの資格と国家資格について調べていると、似た言葉が多いせいで誤解が生まれやすくなります。仕事の相談の場面でもよく出てくる3つの点を整理しておきます。

「JUIDAの講習を受ければ国家資格も取れる」とは限らない

JUIDAの認定スクールで講習を修了して得られるのは、JUIDAの操縦技能証明証です。国家資格の技能証明を取るには、これとは別に、登録講習機関の講習の修了か指定試験機関の実地試験の合格に加えて、学科試験と身体検査の合格が必要です。同じ教室が両方の講習を行っていることもあるので、申し込むコースがどちらの資格につながるものなのか、案内の文面と国土交通省の登録講習機関の一覧で必ず確かめます。

「国家資格がないとドローンは飛ばせない」わけではない

国家資格はドローンの運転免許のように受け止められがちですが、国土交通省は技能証明の取得はドローンを飛ばすうえで必須ではないとしています。特定飛行にあたらない飛ばし方なら資格は要りませんし、特定飛行でも飛行ごとに許可・承認を取れば、資格がなくても飛ばせる飛行があります。資格が効いてくるのは、許可・承認の手続きを原則として省ける場面と、第三者の上空を飛ばすカテゴリーⅢの飛行です。

「民間資格はもう無駄になった」わけでもない

2025年12月の運用変更で、民間資格を使って許可・承認の申請書類を省略する道はなくなりました。ただし、民間資格の講習で身に付けた操縦の技能や知識がなくなるわけではありません。国家資格の講習で経験者向けのコースを受けられる可能性があることに加え、点検や測量などの分野別の講習は、国家資格では扱わない専門的な内容を学べる場として意味を持ち続けます。民間資格は、法律上の特例のためではなく、技能と知識の裏付けとして生かす、と考え方を切り替えるのが現実的です。

ドローンの仕事を受けるときの選び方

ここからは、仕事でドローンを使う前提で、どちらの資格をどう選ぶかを考えます。

仕事の種類ごとに必要な飛ばし方を書き出す

最初にやるのは、受けたい仕事でどんな飛ばし方が必要になるかを書き出すことです。

住宅地や市街地での空撮は、人口集中地区の上空にあたることが多く、特定飛行になります。建物の外壁や屋根、橋などの点検では、建物との距離が30m未満になることがほとんどで、場所によっては目視外の飛行も必要です。夕方の景観撮影なら、日没後にかかれば夜間飛行です。広い農地や山林の測量は、人口集中地区の外でも目視外の飛行が求められることがあります。

このように、仕事として受ける飛行の多くは特定飛行にあたります。特定飛行をするなら、国家資格を取るか、飛行ごとに国の許可・承認を取るかのどちらかになります。

判断の手順

選び方を手順にすると、次のようになります。

手順1として、受けたい仕事の飛ばし方を書き出し、特定飛行にあたるかを確かめます。あたらない仕事だけなら、資格は必須ではありません。

手順2として、特定飛行にあたる仕事があるなら、国家資格の二等を軸に考えます。目視外や夜間が必要なら、その限定変更もあわせて検討します。第三者の上空を飛ばす必要がある仕事は一等が必要ですが、受験の負担が大きく、仕事の数も限られるため、最初から一等を狙う人は多くありません。

手順3として、すでにJUIDAなどの民間資格を持っているなら、それを使って経験者向けの講習を受けられるか、登録講習機関に確認します。持っていないなら、民間資格を取ってから国家資格に進むのか、最初から国家資格の初学者向け講習を受けるのかを、費用と期間で比べます。2025年12月の運用変更で民間資格の申請上の利点はなくなっているので、これから始める人は、最初から国家資格の講習に進むほうが二度手間になりにくいと言えます。

手順4として、登録講習機関を選びます。国土交通省のサイトには登録講習機関の一覧が掲載されているので、通える範囲で、受講料、日程、練習用の機体の種類、修了審査の再審査の費用を比べます。JUIDAの認定スクールとして案内されている教室でも、国家資格の講習を行う登録講習機関かどうかは、この一覧で確かめます。

スクールに問い合わせるときに聞くこと

登録講習機関を比べるときは、案内ページの料金だけでなく、次の点を問い合わせで確かめておくと、あとから想定外の出費や日程のずれが起きにくくなります。

1つ目は、初学者向けと経験者向けのどちらで受けられるか、その判断に何の書類が要るかです。2つ目は、受講料に学科講習、教材、修了審査が含まれているか、修了審査に落ちたときの再審査や補講にいくらかかるかです。3つ目は、練習と修了審査で使う機体の種類と、位置安定機能を切った状態での練習時間がどれくらいあるかです。4つ目は、目視外や夜間の限定変更の講習を同時に受けられるかと、その追加の費用です。5つ目は、修了証明書の有効期間と、学科試験や身体検査の受け方についての案内があるかです。

同じ質問を2つか3つの機関に送り、答えを表に並べて比べると、料金の安さだけでは見えない違いがはっきりします。返事の早さや説明の分かりやすさも、講習中に質問しやすいかどうかを見る手がかりになります。

発注者が見ているのは資格の名前だけではない

発注者の側から見ると、資格は「この人に任せて事故にならないか」を判断する材料の一つです。国家資格を持っていることに加えて、賠償責任保険に入っているか、飛行の記録をきちんと付けているか、過去にどんな現場で飛ばしたかも見られます。JUIDAの専門教育のように、点検や測量といった分野ごとの講習を修了していることは、分野の知識を示す材料として、国家資格とは別の意味で役立ちます。

取得後に続けていくための費用と手間

資格は取ったあとも、維持の手間がかかります。両方を持つ場合は、それぞれの更新の時期を管理する必要があります。

更新の周期が違う

JUIDAの証明証は2年ごとに更新の申請が必要で、更新には会員であり続けることが前提になります。国家資格の技能証明は3年ごとに更新が必要で、登録更新講習機関で講習を修了し、身体適性の基準を満たしたうえで、有効期間が切れる6か月前から1か月前までに申請します。

周期が違うため、両方を持っていると、ある年はJUIDA、翌年は国家資格というように、ほぼ毎年どちらかの更新が回ってきます。更新の期限を逃すと取り直しになることもあるので、カレンダーに期限を登録し、半年前に通知が来るようにしておくと安心です。

続けるかどうかは仕事の中身で決める

両方の資格を持ち続けるかどうかは、受けている仕事の中身で判断します。特定飛行を含む仕事を受けているなら、国家資格の更新は欠かせません。JUIDAの会員であることで得られる情報、保険の制度、試験飛行場の利用などを仕事で活用しているなら、JUIDAの会員と証明証を続ける意味があります。逆に、国家資格だけで仕事が回っていて、JUIDAの会員サービスをほとんど使っていないなら、更新の費用と手間を見直す余地があります。

インフラの認定資格でも同じことが言えますが、資格は持っている数より、仕事で使っている資格をきちんと最新に保っているかどうかのほうが、発注者からの信頼に直結します。

ドローンの資格を仕事につなげるための考察

最後に、ドローンの資格を取ったあと、それをどう仕事につなげるかを、在宅ワークや業務委託の市場の視点から整理します。

飛ばすだけでなく「納めるもの」を決める

フリーランスや在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から言えば、資格を取ったばかりの人が苦労するのは、操縦の腕前よりも「何を納める仕事なのか」が決まっていないことです。空撮なら編集した映像、点検なら写真と所見をまとめた報告書、測量なら解析したデータが、発注者の本当に欲しいものです。

点検の仕事では、撮った写真を整理し、どこに何の異常があったかを文章と表で伝える報告書の出来が、次の依頼につながるかどうかを左右します。報告書の書き方を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定が役立ちます。社内外の文書の書式や表現のルールを問う検定で、報告書の読みやすさを底上げできます。

単価の相場を知って組み合わせを考える

撮影から報告書の作成までを一人で受けられるようになると、仲介の手数料がかからない直接取引のほうが、依頼者は同じ予算でより多くの作業を頼め、受け手の手取りも厚くなります。長く続いている人ほど、単発の飛行で終わらせず、「この人に頼めば撮影から納品まで手がかからない」という関係をつくることに時間を使っています。

組み合わせる仕事の単価を知るには、公的な統計をもとにした相場を見るのが近道です。点検データを処理するソフトや自動航行の設定に関わるなら、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で開発系の職種の年収と単価の目安を確認できます。映像の編集や記事の執筆と組み合わせるなら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場も比べておくと、どこに力を入れるかを決めやすくなります。

JUIDAの資格と国家資格は、どちらが上という関係ではなく、役割の違う2つの仕組みです。仕事で特定飛行をするなら国家資格を軸にし、民間資格は講習の短縮や分野の知識の裏付けとして生かす。この整理を出発点に、受けたい仕事から逆算して準備を進めていきます。

よくある質問

Q. JUIDAの資格を持っていれば、国家資格を持っているのと同じ扱いになりますか?

同じ扱いにはなりません。JUIDAの資格は民間の認定で、航空法にもとづく国家資格(無人航空機操縦者技能証明)とは別のものです。さらに、民間資格を使って飛行の許可・承認の申請書類を省略できた運用は、2025年12月18日の施行で廃止されています。特定飛行をするなら、国家資格を取るか、飛行ごとに許可・承認を取ります。

Q. JUIDAの資格を持っていると、国家資格の講習は短くなりますか?

短くなる可能性があります。登録講習機関の講習には初学者向けと経験者向けがあり、二等の最低時間は初学者が学科10時間・実地10時間、経験者が学科4時間・実地2時間です。ただし、経験者向けの講習を受けられるかは講習機関が修了歴や飛行経験をもとに判断するので、申し込む前に確認します。

Q. これからドローンを始めるなら、JUIDAと国家資格のどちらを先に取るべきですか?

仕事で特定飛行をするつもりなら、最初から国家資格の講習に進むほうが二度手間になりにくいです。民間資格の申請上の利点は2025年12月の運用変更でなくなっています。点検や測量など分野ごとの知識を深めたい場合は、国家資格を取ったあとにJUIDAの専門教育を検討する、という順番も考えられます。

Q. JUIDAの証明証と国家資格の有効期間はどれくらいですか?

JUIDAの操縦技能証明証と安全運航管理者証明証は有効期限が2年で、2年ごとに更新の申請が必要です。国家資格の技能証明は有効期間が3年で、登録更新講習機関での講習の修了と身体適性の確認を経て、有効期間が切れる6か月前から1か月前までに更新を申請します。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年10月9日最終更新:2026年10月10日
岡田 隆志

この記事を書いた人

岡田 隆志@SOHO編集部

PMO→フリーランスプロジェクトマネージャー

大手SIerでPMOとして15年間、数多くのプロジェクトを管理。PMP、G検定、応用情報技術者を保有。フリーランスPMとして活動しながら、IT資格のキャリア戦略を発信しています。

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