インフォマートの受発注システム|料金プランと向いている企業の見分け方 2026

中西 直美
中西 直美
インフォマートの受発注システム|料金プランと向いている企業の見分け方 2026

この記事のポイント

  • 受発注 システム インフォマートを検討する発注担当者向けに
  • BtoBプラットフォーム受発注の料金プラン
  • 向いている企業の見分け方を2026年最新でやさしく解説します

「受発注 システム インフォマート」で検索してこのページにたどり着いたあなたは、たぶん今、少し疲れているのではないでしょうか。毎日届くFAXの発注書、電話でのやりとり、Excelへの手入力。「そろそろ受発注をちゃんとしたシステムにしたい」。そう思って調べ始めたら、インフォマートという名前が何度も出てきて、でも料金がいくらなのか、自社に合うのか、いまいち分からない。そんな状態ではありませんか。

大丈夫です。あなたは一人ではありません。こういうご相談、本当に多いんです。受発注のデジタル化は「やった方がいいのは分かっているけれど、何から手をつければいいか分からない」という壁に、ほとんどの方がぶつかります。

この記事では、インフォマートの受発注システム(BtoBプラットフォーム 受発注)がどんなサービスなのか、料金プランはどうなっているのか、無料でどこまでできるのか、そして「あなたの会社に向いているのかどうか」の見分け方を、できるだけやさしい言葉でお伝えします。読み終わるころには、「うちはこう進めればいいんだ」という道筋が見えているはずです。焦らず、一緒に整理していきましょう。

受発注システムとインフォマートの位置づけをやさしく整理する

まず、そもそも「受発注システム」とは何かから、ゆっくり確認していきましょう。難しく考えなくて大丈夫です。

受発注システムとは、これまでFAX・電話・メール・Excelでバラバラにやりとりしていた「注文する(発注)」「注文を受ける(受注)」という業務を、ひとつのシステム上でまとめてデジタル化する仕組みのことです。取引先が画面から注文を入力すると、そのデータがそのまま自社に届く。転記ミスも、FAXの読み間違いも、電話の「言った・言わない」もなくなる。これが基本の考え方です。

そのなかでインフォマート(株式会社インフォマート)が提供しているのが「BtoBプラットフォーム 受発注」というサービスです。特に飲食業界での導入実績が非常に多く、外食チェーンと食材の卸業者との間の受発注をデジタル化する用途で広く使われてきました。

「BtoBプラットフォーム 受発注」は株式会社インフォマートが提供するクラウド受発注システムです。飲食業界の受発注業務効率化に最適化されており、外食企業向け・卸企業向けにそれぞれパッケージが用意されています。 出典: media.conct.jp

ここで大切なのは、「インフォマート=受発注システムのすべて」ではない、ということです。世の中には受発注システムがたくさんあり、業界や取引の形によって向き・不向きがあります。インフォマートはそのなかでも、特に飲食・食品流通の分野に強みを持つ一社、という位置づけで捉えると、比較検討がぐっと楽になります。

なぜ今、受発注のデジタル化が急がれているのか

「うちはFAXでも回っているし、急いで変える必要があるの?」。そう感じる方もいるでしょう。その気持ち、よく分かります。でも、いくつかの社会的な背景が、受発注のデジタル化を後押ししているのは事実です。

ひとつは人手不足です。受発注の入力や確認は、地味だけれど手間のかかる作業です。この作業に毎日2時間3時間もかかっていると、担当者一人が抜けただけで業務が止まってしまいます。デジタル化は、この「人に依存しすぎる状態」から抜け出す手段になります。

もうひとつは、2023年10月に始まったインボイス制度と、電子帳簿保存法への対応です。取引の証憑を電子でやりとりし、正しく保存する必要が高まったことで、紙の受発注からデジタルへ移る企業が増えました。国税庁も電子帳簿保存法についての情報を公開しています(国税庁)。制度対応をきっかけに、ついでに受発注全体を見直す、という流れが自然に生まれているのです。

そして、FAXや電話の受発注には、どうしてもミスがつきまといます。数量の読み間違い、注文の聞き漏らし。こうしたミスは、そのまま欠品や過剰在庫、クレームにつながります。デジタル化は、こうした小さなストレスの積み重ねを減らしてくれます。「変えなきゃ」ではなく「少し楽になりたい」。その気持ちが、デジタル化の一番の動機で良いと思います。

インフォマートが飲食・食品業界に強い理由

インフォマートの受発注システムが飲食・食品分野で選ばれてきたのには、理由があります。それは「取引先とのネットワーク」がすでに大きいことです。

受発注システムは、自社だけが導入しても効果が半減します。注文する相手(発注先)も、注文を受ける相手(受注先)も、同じ仕組みの上にいて初めて、本当の効率化が生まれます。インフォマートは飲食業界で長く使われてきたため、すでに多くの外食企業や食材卸がこのネットワークにつながっています。「取引先がもう使っている」という状態は、導入のハードルを大きく下げてくれます。

一方で、これは裏を返すと「取引先がインフォマートを使っていない業界」では、そのネットワークの強みが効きにくい、ということでもあります。だからこそ、自社の業界・取引先の状況をふまえて選ぶことが大切なのです。この見分け方は、記事の後半でじっくりお伝えします。

インフォマート受発注システムの料金プランを整理する

さて、一番気になる料金の話に進みましょう。ここが分かりにくくて検索している方が多いはずなので、丁寧に整理します。

まず前提としてお伝えしたいのは、インフォマートに限らず、多くの受発注システムは「公式サイトに料金が明記されていない」ケースが多い、ということです。これは不親切なのではなく、企業ごとに取引の規模・機能の使い方・つなぐ取引先の数が大きく違うため、一律の価格を出しにくいからです。実際の料金は「問い合わせ・見積もり」で決まる、と考えておくと心づもりができます。

インフォマートの「BtoBプラットフォーム 受発注」も、2026年に料金改定のお知らせが出ており、月額の利用料金体系で提供されています。一般的に、この種のクラウド受発注システムの料金は、次のような要素の組み合わせで決まります。

初期費用がかかる場合と、かからない場合があります。かかる場合は、数万円から数十万円程度が目安です。月額費用は、利用するアカウント数・取引先数・使う機能の範囲によって変わり、小規模なら月額1万円台から、本格的に使う場合は月額数万円以上になることもあります。これはインフォマートに限らず、受発注システム全般の相場感として覚えておくと役立ちます。

大切なのは、「安いか高いか」だけで判断しないことです。毎日の受発注に3時間かかっていた作業が30分に減れば、人件費に換算して月に何万円分もの時間が浮きます。料金は「コスト」ではなく「時間を買う投資」として見てみてください。

料金プランを比較するときに見るべきポイント

見積もりを取るとき、何を確認すればいいのか。ここでつまずく方がとても多いので、チェックすべき点を整理しておきます。

ひとつめは「課金の単位」です。取引先1社ごとに課金されるのか、アカウント数なのか、注文件数なのか。取引先が多い会社が「取引先ごと課金」のプランを選ぶと、思ったより高くなることがあります。逆に取引先が少なければ、それでも十分安く収まります。自社の取引の形と課金単位が合っているかを、必ず確認しましょう。

ふたつめは「発注側の負担」です。受発注システムには、発注する側(注文する側)に費用がかかるタイプと、受注する側(注文を受ける側)が費用を負担して発注側は無料で使えるタイプがあります。インフォマートのような飲食向けのモデルでは、卸などの受注側がシステムを契約し、発注する飲食店側は無料で注文画面を使える、という形も見られます。自社が「発注する側」なのか「受注する側」なのかで、負担が大きく変わるのです。

みっつめは「初期費用と最低契約期間」です。初期費用0円をうたっていても、最低契約期間が12ヶ月あって、途中解約すると残りの月額がかかる、というケースもあります。トータルでいくらかかるのかを、期間で割って月あたりに直して比較すると、フェアな判断ができます。

無料でできる範囲と無料トライアルの活用法

「無料」というキーワードで調べている方も多いと思います。ここも正直にお伝えします。

受発注システムには、大きく分けて3つの「無料」があります。ひとつめは、発注側が無料で使えるモデル。前述のとおり、受注側(卸など)が契約し、発注側の店舗は無料で発注できる、という形です。ふたつめは、無料トライアル期間。多くのシステムが1ヶ月程度の無料お試し期間を用意しており、本契約前に操作感を確かめられます。みっつめは、完全無料の受発注システムですが、これは機能が限定的で、小規模・シンプルな取引向けと考えたほうが現実的です。

一番おすすめしたいのは、ふたつめの無料トライアルを賢く使うことです。カタログやセールストークだけで決めず、実際に自社の担当者が触ってみる。取引先にも「この画面で注文してもらえますか」と協力をお願いして、リアルな使い勝手を確かめる。この一手間が、導入後の「思っていたのと違った」を防ぎます。

こんなご相談がよくあります。「無料と書いてあったのに、必要な機能を足したら有料になった」。これは決して珍しいことではありません。無料の範囲がどこまでで、どこから有料なのか。トライアルのうちに、自社が本当に使う機能が無料の範囲に入っているかを確認しておきましょう。

インフォマート受発注システムのメリットとデメリット

どんなサービスにも、良いところと注意すべきところがあります。インフォマートの受発注システムを検討するうえで、両面をフラットに見ていきましょう。片方だけを見て決めると、あとで後悔しやすいからです。

導入するメリット

まず、良いところからお伝えします。

一番大きいのは、やはり「取引先ネットワークの広さ」です。特に飲食・食品業界では、取引先がすでにインフォマートを使っている確率が高く、「相手に新しく覚えてもらう」負担が小さくて済みます。受発注システムは相手あってのものなので、この点は大きな安心材料です。

次に、業務時間の削減効果です。FAXの受信・仕分け・転記といった作業がなくなり、注文データがそのままシステムに入るため、入力ミスが激減します。ある調査では、受発注のデジタル化で担当者の作業時間が50%以上減ったという事例も珍しくありません。浮いた時間を、接客や企画など「人にしかできない仕事」に回せるようになります。

そして、ペーパーレス化と証憑の電子保存です。注文書・納品書・請求書といった帳票をデジタルで一元管理できるため、電子帳簿保存法への対応もしやすくなります。書類を探す時間、保管する場所、印刷コスト。これらが減るのは、地味ですが効いてきます。

さらに、大手が提供するサービスならではの安定性とセキュリティも見逃せません。取引データは会社の生命線ですから、万全のセキュリティ対策のもとで運用されている安心感は、長く使ううえで大切です。

見落としやすいデメリットと注意点

一方で、正直にお伝えしておきたい注意点もあります。ここを知らずに導入すると、「こんなはずじゃなかった」となりがちです。

ひとつめは、取引先がその業界のネットワークにいない場合、効果が限定的になることです。自社の取引先の多くが別の仕組みを使っていたり、まだデジタル化に消極的だったりすると、システムを入れても「結局FAXも並行して使い続ける」という中途半端な状態になりかねません。

ふたつめは、コストと自社の規模のミスマッチです。多機能で実績のあるシステムほど、小規模事業者には「オーバースペックで割高」に感じられることがあります。取引先が数社しかないのに大規模向けのプランを選ぶと、費用対効果が合いません。

みっつめは、乗り換え・定着の手間です。新しいシステムに慣れるまでは、どうしても一時的に業務が増えます。取引先にも操作を覚えてもらう必要があり、「協力してもらえるか」が導入成功の鍵を握ります。デメリットというより「準備が必要」という話ですが、ここを軽く見ると定着に苦労します。

これらは、決してインフォマートが悪いという話ではありません。どんなシステムにも当てはまる普遍的な注意点です。大事なのは、これらを事前に知ったうえで「うちの場合はどうか」を冷静に見極めることです。

受発注システムの選び方|インフォマートと他社を比較する視点

「結局、うちはインフォマートでいいの? それとも他のがいいの?」。ここが一番知りたいところだと思います。焦らず、比較の物差しを一緒に作っていきましょう。

受発注システムには、インフォマートのような業界特化型のほかにも、いくつかのタイプがあります。参考として、BtoB向けのEC・受発注システムの例を挙げておきます。

「Bカート」は、株式会社Daiが提供するBtoB EC・受発注システムです。BtoB受発注のために開発されたECサイト構築サービスとなっているため、BtoC向けのカートシステムでは対応していない要件にも対応しており、最短3日、月額9,800円から導入できる受発注システムです。 出典: media.conct.jp

このように、受発注システムには「業界特化型」と「汎用EC型」「カスタマイズ型」など、いくつかの方向性があります。もうひとつ、カスタマイズ性の高いタイプの例も見ておきましょう。

「アラジンEC」は株式会社アイルが提供するBtoB ECカスタマイズ型パッケージ・Web受発注システムです。基幹システムの自社開発・サポート経験が豊富でBtoB取引に精通したベンダーにより開発された受発注システムで、BtoB受発注に必要な機能がパッケージ化されています。 出典: media.conct.jp

つまり、選択肢は「インフォマートか、それ以外か」の二択ではなく、「自社の取引の形に、どのタイプが一番合うか」という広がりのある問いなのです。

比較の軸1:取引先が同じネットワークにいるか

一番大切な軸から。受発注システムは、取引相手が同じ土俵にいて初めて力を発揮します。

まず、自社の主要な取引先が、すでにインフォマートを使っているかどうかを確認してください。飲食・食品業界なら、使っている可能性は高いでしょう。もし取引先の多くがすでに導入済みなら、同じインフォマートを選ぶ合理性は非常に高くなります。相手に「新しく覚えてもらう」負担がほぼゼロだからです。

逆に、取引先がバラバラの仕組みを使っていたり、まだアナログ中心だったりする場合は、業界ネットワークの強みは効きにくくなります。その場合は、汎用型やカスタマイズ型のなかから、自社の取引先に「使ってもらいやすい」ものを選ぶ視点が大切になります。

比較の軸2:自社の業務にどこまで合うか

ふたつめの軸は、機能のフィット感です。多機能であればいいというものではありません。

受発注システムには、在庫連携、賞味期限管理、複数拠点への配送指示、掛け率や取引先ごとの価格設定など、業界特有の機能があります。飲食・食品なら、賞味期限や温度帯の管理が重要ですし、製造業なら生産管理システムとの連携が鍵になります。自社の業務で「絶対に外せない機能」をリストアップし、それが標準で入っているかを確認しましょう。

逆に、使わない機能が多いプランを選ぶと、料金が高くなるだけで意味がありません。「必要十分」を見極める。これが、賢い選び方の核心です。この機能整理を自社だけで進めるのが難しいと感じたら、システム選定を客観的に助けてくれる専門家の力を借りるのも一つの手です。たとえばシステムコンサルタント・設計者の年収・単価相場を見ると、どういった専門家にどれくらいの費用で相談できるかの目安がつかめます。

比較の軸3:料金・サポート・拡張性

みっつめの軸は、長く使ううえでの安心感です。

料金は前述のとおり、課金単位・初期費用・最低契約期間をトータルで比較します。サポート体制も重要で、導入時に取引先への案内を手伝ってくれるか、トラブル時に電話やチャットですぐ相談できるか、といった点は、実際に使い始めてから効いてきます。

そして拡張性。事業が成長して取引先が増えたとき、拠点が増えたとき、無理なくプランを広げられるか。最初は小さく始めて、必要に応じて機能を足していける柔軟さがあると、長く付き合えます。導入前に「3年後の自社」をイメージして、その規模でも使い続けられそうかを想像してみてください。

向いている企業・向いていない企業の見分け方

ここまでの軸をふまえて、「どんな企業がインフォマート向きか」を整理します。あなたの会社を当てはめてみてください。

向いているのは、飲食・食品業界で、取引先の多くがすでにインフォマートを使っている、あるいは業界標準として広く普及している企業です。取引量が一定以上あり、FAX・電話の受発注に毎日追われている。そんな会社ほど、導入効果を実感しやすいでしょう。

一方、取引先が数社しかない、業界がインフォマートのネットワークから外れている、独自の複雑な取引ルールがある、といった企業は、無理にインフォマートにこだわる必要はありません。汎用型やカスタマイズ型、あるいはもっとシンプルなツールのほうが、費用対効果が高いこともあります。

大切なのは「有名だから」「みんな使っているから」で決めないことです。あなたの会社の取引の形に、一番しっくりくるものを選ぶ。その視点さえ持っていれば、大きな失敗はしません。

導入から稼働までの流れと、失敗しないための準備

システムを選んだあと、実際にどう進むのか。ここもイメージできていると安心です。受発注システムの導入は、おおむね次のような流れで進みます。

最初は問い合わせと要件整理です。自社の取引の形、取引先の数、必要な機能を整理して、ベンダーに相談します。次に見積もりとプランの確定。複数社から相見積もりを取り、料金と機能を比較します。ここで「安さだけ」で選ばないことが、あとで効いてきます。

その後、契約と初期設定に進みます。自社の商品マスタや取引先情報を登録し、注文画面を整えます。そして、意外と大切なのが取引先への案内です。「今度からこの画面で注文してくださいね」と、丁寧に説明する。ここを飛ばすと、取引先が戸惑ってFAXに戻ってしまいます。最後に試験運用を経て、本稼働。いきなり全取引先を切り替えるのではなく、協力的な取引先から少しずつ移行するのが、失敗しないコツです。

私が発注担当として経験した、選び方の失敗

少しだけ、私自身の話をさせてください。以前、ある業務のツール選定を任されたとき、私は大きな失敗をしました。

複数のサービスから見積もりを取ったのですが、私はいちばん月額の安いプランに飛びついてしまったんです。「これなら予算内だ」と。でも、いざ使い始めてみると、必要な機能が標準に入っておらず、オプションで足していったら、結局いちばん高いプランと同じくらいの金額になってしまいました。しかも、サポートが手薄で、取引先への案内も自分たちで一から準備することになり、想定の何倍も時間がかかりました。

このとき痛感したのは、「表面の月額料金だけで比べてはいけない」ということです。必要な機能を全部入れた状態の総額、サポートの手厚さ、取引先への導入のしやすさ。これらを含めた「本当のコスト」で比べるべきでした。安さに飛びついた自分を、少し反省しています。

もしあなたが今、料金表とにらめっこしているなら、どうか私と同じ失敗をしないでください。見積もりは「その金額で、自社が本当にやりたいことが全部できるのか」を確認したうえで比べる。この一手間が、あとの大きな安心につながります。

制度対応やコスト面で補助金を活用する

受発注のデジタル化には、費用の負担を軽くしてくれる制度もあります。中小企業向けのIT導入補助金は、受発注システムのようなITツールの導入費用の一部を補助してくれる制度で、うまく使えば導入コストを大きく下げられます。制度の詳細や公募のタイミングは、中小企業庁や経済産業省などの公的機関の情報を確認するのが確実です。

補助金は年度によって内容が変わり、申請にも手間がかかります。ですが、「どうせ導入するなら、使える制度は使う」という姿勢は、賢い経営判断です。受発注のクラウド化と補助金の活用については、受発注システムのクラウド化2026|FAXから脱却してIT導入補助金を活用する方法でより詳しく整理していますので、あわせて読んでみてください。

デジタル化で浮いた時間を、どう活かすかという視点

ここからは、少し視野を広げた話をさせてください。受発注システムの導入は、ゴールではなく、スタートだと私は思っています。

システムを入れて、毎日の受発注が楽になった。では、その浮いた時間で何をするか。ここが、実は一番大事なところなのです。フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、業務のデジタル化がうまくいく会社ほど、「浮いた時間で人にしかできない仕事に集中する」という発想を持っています。単純作業をシステムに任せ、人は判断や関係づくりに時間を使う。この切り替えができる会社が、結果として強くなっていきます。

たとえば、受発注の事務作業が減ったぶん、新しい販路の開拓や、取引先との関係づくりに時間を回せます。あるいは、社内では手が回らない専門的な業務、たとえばシステム周りの保守やWebサイトの改善、マーケティングといった仕事を、外部の専門家に依頼するという選択肢も見えてきます。全部を自社で抱え込まず、得意な人に任せる。その発想の転換が、小さな会社ほど効いてきます。

こうした「外部に頼む」ときにも、実は受発注システム選びと似た判断が働きます。仲介の代理店を通すと安心な反面、中間マージンが上乗せされて割高になりがちです。一方、フリーランスに直接依頼すれば、中間マージンがないぶん、同じ予算でもより多くを頼めますし、依頼を受ける側の手取りも厚くなります。手数料0%で直接つながれる仕組みは、金額の安さそのものよりも、「双方が納得できる、無理のない関係」を作りやすい点に本当の価値があります。

運営者として見てきた、長く続く外注の共通点

在宅ワークの市場を20年見てきた運営者として、ひとつ実感していることがあります。それは、外注がうまくいく会社ほど、「単発の作業を安く発注する」のではなく、「この人に任せると楽だ」という信頼関係づくりに時間を使っている、ということです。

最初は小さな仕事からでいいんです。一度きりの発注でも、丁寧にやりとりを重ねるうちに、「次もこの人に頼みたい」という関係が育ちます。その関係ができると、いちいち細かく指示しなくても、相手が意図をくんで動いてくれるようになる。結果として、発注する側の手間も減り、品質も上がっていきます。

そして、この関係は、中間マージンの乗らない直接取引のほうが育ちやすい。仲介を挟むと、どうしても「間に人がいる」ぶん、意思疎通に距離が生まれます。直接つながっていれば、細かなニュアンスも伝わりやすく、信頼が積み重なりやすいのです。額面の金額だけを見ると気づきにくいのですが、「手取りが厚い」「無理がない」という関係の質こそが、長く続く外注の土台になります。受発注システムで社内を効率化するのと同じくらい、「誰と、どうつながるか」も、これからの会社経営では大切になっていくはずです。

独自データから見る、外注という選択肢の広がり

受発注システムで社内業務を効率化したあと、次に多くの発注担当者が向き合うのが「自社でやりきれない業務をどうするか」という問いです。ここで、在宅ワーク・フリーランス市場のデータから見えてくることを、いくつか整理してお伝えします。

業務委託マッチングサービスに掲載される仕事の種類は、年々広がっています。かつては単純なデータ入力や記事作成が中心でしたが、今では受発注システムやWebシステムの構築・保守、業務のデジタル化そのものを支援する専門職まで、幅広く見られるようになりました。たとえばWeb・業務システム開発のお仕事を見ると、社内システムや受発注周りの開発・改修を請け負えるフリーランスが数多くいることが分かります。「システムを入れたけれど、自社の運用に合わせて少し手直ししたい」といったニーズにも、こうした専門家が応えてくれます。

また、デジタル化を進めるうえで欠かせないのが、セキュリティやデータの扱いです。取引データは会社の生命線ですから、ここは慎重に進めたいところ。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事には、セキュリティ診断やデータ保護に詳しい専門家も含まれます。システム導入とあわせて、こうした観点でチェックしてもらうと安心です。具体的な診断の費用感は、システム・Webサイトのセキュリティ診断費用|格安プランと本格診断の違いで相場を確認できます。

さらに、業務のデジタル化は、飲食・小売だけでなくさまざまな業界で進んでいます。たとえば医療分野でも、2026年のトレンド!オンライン診療導入のメリットと主要システムの特徴で紹介されているように、システム導入による効率化と患者サービスの向上が同時に進んでいます。受発注のデジタル化は、こうした社会全体の大きな流れの一部なのだと捉えると、「うちも遅れずに進めよう」という前向きな気持ちになれるはずです。

発注の実務スキルを、社内に残すという発想

もうひとつ、独自の視点をお伝えします。受発注システムを導入し、外注も活用するようになると、社内には「発注する力」というスキルが少しずつ蓄積されていきます。これは、意外と見過ごされがちな財産です。

見積もりを正しく比較する力、仕様を的確に伝える力、成果物を評価する力。これらは、システムを一度入れて終わりではなく、繰り返し発注するなかで磨かれていきます。こうしたビジネス実務のスキルは、資格という形で体系的に学ぶこともできます。たとえばビジネス文書検定は、発注書や依頼文を的確に書く力の土台になりますし、システム周りの知識を深めたい担当者にはCCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワーク系の資格も、取引先やベンダーとの会話をスムーズにしてくれます。

発注の実務を担う人材の市場価値も、着実に上がっています。文章や情報を整理して伝える職種の相場は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場などのデータからも読み取れますし、システム選定を担える人材の価値は前述のシステムコンサルタント・設計者の年収・単価相場からも見て取れます。受発注システムの導入をきっかけに、社内の「発注する力」を育てていく。そんな長い目線を持つと、目の前のシステム選びも、より意味のある投資に見えてくるのではないでしょうか。

受発注システム選びは、単なるツール選定ではありません。あなたの会社が、これからどう働き、誰とつながっていくのかを考える、良いきっかけです。焦らず、自社に合った選択をしてください。あなたの会社にとっての「ちょうどいい形」は、必ず見つかります。大丈夫。一歩ずつ、進んでいきましょう。

よくある質問

Q. インフォマートの受発注システムの料金はいくらですか?

公式サイトに一律の価格は明記されておらず、実際は取引先数・アカウント数・利用機能によって見積もりで決まります。一般的なクラウド受発注システムの相場では、月額1万円台から数万円以上が目安です。飲食向けモデルでは受注側(卸など)が契約し、発注する店舗側は無料で使える形もあります。まずは無料トライアルと見積もりで、自社に必要な機能を含めた総額を確認するのがおすすめです。

Q. インフォマートはどんな企業に向いていますか?

飲食・食品業界で、取引先の多くがすでにインフォマートを利用している、あるいは業界標準として普及している企業に向いています。受発注システムは取引相手が同じネットワークにいるほど効果が高まるためです。逆に取引先が数社のみ、業界がネットワーク外、独自の複雑な取引ルールがある場合は、汎用型やシンプルなツールのほうが費用対効果が高いこともあります。

Q. 受発注システムは無料で使えますか?

発注側が無料で使えるモデル、1ヶ月程度の無料トライアル、機能限定の完全無料システムの3種類があります。ただし無料の範囲は限定的で、必要な機能を足すと有料になるケースが多いです。トライアル期間中に、自社が本当に使う機能が無料の範囲に含まれるかを確認しておくと、導入後のミスマッチを防げます。

Q. 受発注システム導入の費用を補助金でまかなえますか?

中小企業向けのIT導入補助金を活用すれば、受発注システムの導入費用の一部を補助してもらえる場合があります。制度の内容や公募時期は年度により変わるため、中小企業庁や経済産業省の最新情報を確認するのが確実です。申請には手間がかかりますが、導入コストを大きく下げられる可能性があるため、検討する価値は十分にあります。

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監修:@SOHO編集部

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公開:2026年4月17日最終更新:2026年8月26日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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