ガイドヘルパーが行動援護を担うには、研修と仕事の違いを整理する


この記事のポイント
- ✓ガイドヘルパーとして移動支援をしている人が行動援護を担うには
- ✓行動援護従業者養成研修などの修了と
- ✓知的障害や精神障害のある人への支援の実務経験が必要です
ガイドヘルパーとして外出の付き添いをしていると、事業所から「行動援護にも入れるようになってほしい」と言われたり、求人票で行動援護の時給が高めに出ているのを見かけたりして、行動援護が気になり始める人は多くいます。ただ、移動支援と行動援護は名前が似ているうえ、どちらも外出の付き添いを含むため、何が違って、何を学べば担えるのかが分かりにくいのが実情です。先に結論を書くと、行動援護は国の障害福祉サービスで、担うには行動援護従業者養成研修などの修了に加えて、知的障害や精神障害のある人を支援した実務経験が求められます。介護福祉士などの資格で行動援護を担えるとする経過措置は、令和9年3月31日で終わります。この記事では、ガイドヘルパーの仕事と行動援護の違い、必要な研修と要件、現場で求められる支援の考え方、行動援護を担うまでの進め方を、厚生労働省と自治体の資料に沿って順に整理します。
ガイドヘルパーと行動援護の関係
まず言葉を整理しておきます。ガイドヘルパーとは、障害のある人の外出に付き添うヘルパーの通称で、決まった資格の名前ではありません。一般には、市区町村が行う移動支援を担うヘルパーを指すことが多く、同行援護や行動援護を担うヘルパーも含めてガイドヘルパーと呼ばれることがあります。
障害のある人の外出を支える仕組みは、大きく3つあります。視覚に障害のある人の外出を支える同行援護、知的障害や精神障害で行動に著しい困難がある人を支える行動援護、そして市区町村が独自に内容を決める移動支援です。同行援護と行動援護は、障害者総合支援法にもとづく全国共通の障害福祉サービスで、移動支援は、同じ法律の地域生活支援事業として市区町村が行うものです。
この3つは、それぞれ担うために必要な研修が別に決められています。介護の求人情報サイトでも、次のように整理されています。
ガイドヘルパーには国家資格はなく、同行援護・行動援護・移動支援という3つのサービスごとに対応する研修があります。 出典: ekaigotenshoku.com
つまり、移動支援のガイドヘルパーとして働いている人でも、そのままでは行動援護を担えません。行動援護のための研修と要件を満たして、初めて担当できるようになります。
移動支援と行動援護の制度の違い
ガイドヘルパーの多くが担っている移動支援と、行動援護の違いを整理します。
| 項目 | 移動支援 | 行動援護 |
|---|---|---|
| 制度 | 市区町村の地域生活支援事業 | 国の障害福祉サービス |
| 対象者 | 市区町村が外出の支援が必要と認めた障害のある人 | 障害支援区分3以上で、行動関連項目の合計が10点以上の人 |
| 支援の場面 | 主に外出時の移動 | 外出時に加え、居宅内での危険を避ける支援も含む |
| ヘルパーの要件 | 市区町村が認める研修など | 行動援護従業者養成研修などの修了と実務経験 |
移動支援は、厚生労働省の実施要領で、サービスを提供する人を「サービスを提供するに相応しい者として実施主体が認めた者」としています。実施主体とは、事業を行う市区町村のことです。そのため、移動支援のヘルパーに求められる研修は、市区町村によって違います。厚生労働省の資料によると、令和6年度には1,685の市区町村が移動支援を実施しています。
これに対して行動援護は、国が全国共通の基準を定めています。対象者は、障害支援区分が区分3以上で、行動に関する12の調査項目の合計点数が10点以上の人です。障害支援区分とは、どのくらいの支援が必要かを市区町村が6段階で判定したもので、行動関連項目とは、自分を傷つける行為、他人を傷つける行為、急に走り出すといった行動の頻度を点数で評価する項目のことです。
もう一つの大きな違いは、支援の場面です。移動支援は外出時の移動の支援が中心ですが、行動援護は外出時の支援に加えて、居宅内での危険を伴う行動を予防したり避けたりする支援も含みます。名前に「援護」とあるとおり、利用者が行動するときに起こりうる危険から守ることが、行動援護の中心にあります。
求人票を見るときも、この違いを押さえておくと読み間違いを防げます。「ガイドヘルパー募集」とだけ書かれている求人は、移動支援が中心のことが多く、行動援護を担当するかどうかは事業所によって違います。行動援護を担いたい人は、応募の前に、事業所が行動援護の指定を受けているか、行動援護の利用者がどのくらいいるかを確かめておくと、入ってからのずれを防げます。
行動援護とはどんな支援か
厚生労働省は、行動援護を次のように説明しています。
知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護、排せつ及び食事等の介護その他の当該障害者等が行動する際の必要な援助を行います。 出典: 厚生労働省「障害福祉サービスについて」
行動援護の利用者には、強度行動障害と呼ばれる状態の人が多く含まれます。強度行動障害とは、自分の体を傷つける、周りの人を叩く、物を壊す、大声を出し続けるといった行動が高い頻度で起こり、特別な配慮が必要な状態のことです。こうした行動は、本人のわがままではなく、周りの状況が分からない不安や、言葉で気持ちを伝えられないつらさ、音や光への過敏さなどが背景にあることが多いとされています。
行動援護のヘルパーは、こうした行動が起こる前に、その原因になりそうなことを減らす支援を行います。たとえば、外出の予定を写真や絵で事前に伝えて見通しを持ってもらう、苦手な音がする場所を避けた経路を選ぶ、本人が落ち着ける場所を外出先で確保しておく、といった工夫です。それでも危険な行動が起きたときには、本人と周りの人の安全を守るための対応をします。
行動援護を担うための要件
行動援護のヘルパーとして働くには、研修の修了と、実務経験の両方が求められます。
研修
行動援護のヘルパーには、行動援護従業者養成研修の修了が求められます。強度行動障害支援者養成研修の実践研修(実践課程)を修了した人も、同等の研修を修了した人として扱われるのが一般的です。たとえば大阪市の移動支援の資格要件の表では、「行動援護従業者養成研修課程修了者又は強度行動障害支援者養成研修(実践課程)修了者」が一つの区分としてまとめられています。
実務経験
研修の修了に加えて、知的障害や精神障害のある人への直接の支援の実務経験が求められます。行動援護の利用者は支援の難しさが高い人が多いため、研修だけでなく、実際に支援をした経験が要件になっています。必要な経験の長さや、どのような仕事が実務経験として認められるかは国の基準で定められています。自分の経験が当てはまるかどうかは、勤め先の事業所や、都道府県の障害福祉の担当課で確かめてください。移動支援で知的障害や精神障害のある人の外出に付き添ってきた経験は、この実務経験として認められる場合があります。
介護福祉士などのみなし措置は令和9年3月で終わる
これまで、介護福祉士や実務者研修の修了者などを、行動援護従業者養成研修の修了者とみなす経過措置が設けられてきました。経過措置とは、制度が変わるときに、一定の期間だけ以前の扱いを認める特例のことです。厚生労働省の令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要には、次のように書かれています。
行動援護のサービス提供責任者及び従業者の要件における、「介護福祉士や実務者研修修了者等を行動援護従業者養成研修課程修了者とみなす」という経過措置について、令和9年3月 31 日まで延長し、その後廃止する。 出典: 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」
介護福祉士の資格で行動援護に入っている人も、令和9年4月以降も行動援護を続けるには、行動援護従業者養成研修か強度行動障害支援者養成研修を修了しておく必要があります。残りの期間は半年ほどしかないため、該当する人は早めに受講の計画を立ててください。
行動援護従業者養成研修の中身
行動援護従業者養成研修は、都道府県の指定を受けた事業者や団体が実施しています。神奈川県の案内では、研修の時間は24時間で、目的は次のように説明されています。
知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等の特性の理解や評価、支援シートの作成及び居宅内や外出時における危険を伴う行動を予防又は回避するために必要な援護等に関する知識及び技術を習得する。 出典: 神奈川県「居宅介護従業者等の養成研修」
この目的から分かるとおり、研修では大きく3つのことを学びます。1つ目は、知的障害や精神障害、強度行動障害の特性の理解です。2つ目は、利用者の行動を観察して記録し、なぜその行動が起きるのかを考える評価のしかたです。3つ目は、支援シートと呼ばれる、支援の手順をまとめた書類の作り方と、それに沿った危険の予防と回避の方法です。講義だけでなく、事例をもとにグループで支援の方法を考える演習が含まれるのが一般的です。
研修の日程や費用は、実施する団体ごとに違います。都道府県は、指定を受けた研修の開講予定の一覧を公表していることが多いので、住んでいる都道府県のウェブサイトで確かめてください。横浜市のように、市内の事業所で働く人向けにガイドヘルパー等の研修受講料を助成している自治体もあります。受講料を勤め先が負担してくれるかどうかも、事業所に確認しておくとよいでしょう。
行動援護従業者養成研修と強度行動障害支援者養成研修の選び方
行動援護を担うための研修には、行動援護従業者養成研修と、強度行動障害支援者養成研修の2つの道があります。どちらを選ぶかは、これからどのような場で働きたいかで考えると決めやすくなります。
行動援護従業者養成研修は、その名前のとおり、行動援護のヘルパーとして働くことを目的にした研修です。外出時や居宅内での危険を予防し避ける支援に焦点を当てており、訪問系の事業所で行動援護や移動支援を中心に働きたい人に向いています。
強度行動障害支援者養成研修は、基礎研修と実践研修の2段階に分かれた研修です。強度行動障害のある人を支える職員を幅広く育てることを目的にしており、グループホームや入所施設、日中活動の事業所など、訪問系以外の現場で働く職員も多く受講しています。行動援護の要件として扱われるのは、一般に実践研修まで修了した場合です。施設での仕事も視野に入れている人や、強度行動障害のある人の支援を専門として深めたい人に向いています。
どちらの研修も、自治体の移動支援の要件として認められる場合があります。ただし、受講料の助成の対象になるかどうかは研修によって違います。たとえば横浜市の受講料助成では、対象になる研修が決められています。助成を使いたい人は、申し込む前に、住んでいる自治体の助成の対象を確かめてください。
ガイドヘルパーの経験が生きるところ、違うところ
移動支援のガイドヘルパーとして働いてきた経験は、行動援護でも大きな強みになります。外出先での安全の確保、公共交通機関の使い方、利用者のペースに合わせた移動といった技術は、そのまま行動援護でも使えます。とくに、知的障害のある人の移動支援を担ってきた人は、本人の表情やしぐさから気持ちをくみ取る経験を積んでいるはずです。
一方で、行動援護では、移動支援にはあまりない仕事が加わります。
一つ目は、計画にもとづく支援です。行動援護では、サービス提供責任者が中心になって、利用者ごとの支援の計画と手順をまとめた書類を作ります。ヘルパーは、その手順に沿って支援し、毎回の様子を記録します。誰が担当しても同じ支援ができるようにするためで、自分の感覚だけで支援を変えることは避けます。
二つ目は、行動の記録と振り返りです。行動援護では、どのような場面で、どのような行動が起きたのか、その前に何があったのかを具体的に記録することが重視されます。この記録をもとに、チームで支援の方法を見直していきます。記録を書く力が、そのまま支援の質を左右します。
三つ目は、危険への対応の重さです。利用者が急に道路に飛び出そうとする、他の人に手を出してしまうといった場面に、外出先で一人で対応することがあります。こうした場面での対応のしかたは、研修と事業所での練習を通じて身につけていく必要があります。
強度行動障害のある人を支える考え方
行動援護の支援の土台になるのは、行動には理由があるという考え方です。強度行動障害のある人の行動は、多くの場合、周りの状況が分からない不安や、伝えたいことが伝わらないもどかしさ、苦手な刺激から逃れたいという気持ちの表れです。行動そのものを止めることだけに目を向けるのではなく、なぜその行動が起きたのかを考えることが、支援の出発点になります。
そのうえで、行動が起きにくい環境を整えます。よく使われるのが、次のような工夫です。
・その日の予定を、写真や絵、文字のカードで順番に示して見通しを持ってもらう
・「待つ」「終わり」などを、言葉だけでなく目で見て分かる形で伝える
・苦手な音や人混みを避けられるよう、時間帯や経路を選ぶ
・本人が落ち着ける場所や、気持ちを切り替えられる物を用意しておく
・いつもと違うことが起きるときは、できるだけ前もって伝える
このように、見て分かる形で情報を伝え、環境を本人に合わせて整える考え方は、自閉スペクトラム症のある人の支援で広く取り入れられています。行動援護従業者養成研修や強度行動障害支援者養成研修でも、こうした支援の考え方を学びます。
もう一つ大切なのが、行動を制限することへの慎重さです。利用者の体を押さえる、部屋に閉じ込めるといった行動の制限は、本人の権利を大きく損なうものです。障害者虐待防止法のもとでは、正当な理由のない身体の拘束は虐待にあたるとされています。厚生労働省の障害者虐待防止の手引きでは、やむを得ず身体拘束をする場合の条件として、本人や他人の生命や身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと(切迫性)、ほかに代わる方法がないこと(非代替性)、一時的であること(一時性)の3つをすべて満たす必要があるとされています。行動援護の現場では、こうした対応を一人のヘルパーの判断で行わないよう、事業所のルールと手順を必ず確かめておく必要があります。
現場でよくある場面と対応の考え方
行動援護の現場でよく出会う場面と、対応の考え方の例を挙げます。実際の対応は、利用者ごとの手順書と事業所のルールに従うことが前提です。
一つ目は、予定の変更です。行くつもりだった店が休みだった、電車が止まったといった変更は、見通しを大切にする利用者にとって大きな不安のもとになります。変更が分かった時点で、できるだけ早く、本人に分かる形で伝えます。代わりの予定を、写真やカードで2つ程度示して本人に選んでもらうと、気持ちを切り替えやすくなります。
二つ目は、人混みや大きな音です。駅や商業施設では、急に大きな音がしたり、人が密集したりする場面があります。本人の表情や体の動きに落ち着かない様子が見えたら、早めに静かな場所へ移動します。行動が起きてから対応するより、起きる前の小さな変化に気づいて手を打つほうが、本人の負担も周りへの影響も小さくて済みます。
三つ目は、待つ時間です。病院の待合室やレジの列など、待つことが苦手な利用者は少なくありません。あとどのくらい待つのかを、時計や数字のカードで示す、待つ間にできる好きなことを用意しておく、といった工夫が役立ちます。
四つ目は、周りの人の反応です。利用者が大きな声を出したとき、周りの人から視線を向けられることがあります。ヘルパーが慌てると、その緊張が本人にも伝わります。まずはヘルパー自身が落ち着き、本人の安全と周りの人の安全を確かめることを優先します。必要に応じて、周りの人に短く事情を伝えることもあります。
行動援護の1回の流れ
行動援護の仕事を具体的にイメージできるよう、休日の余暇の外出を例に、1回の流れを示します。
出発の前に、支援の手順書と前回までの記録を確認します。行き先、使う交通機関、本人が好きなこと、苦手なこと、行動が起きやすい場面と、そのときの対応の手順を頭に入れておきます。予定のカードや、本人が落ち着ける物など、持ち物も確認します。
利用者の自宅に着いたら、家族から当日の様子を聞きます。睡眠や食事、朝の機嫌など、その日の調子を知っておくと、外出中の判断に役立ちます。出発前に、本人と一緒に予定のカードを見て、どこへ行き、何をして、いつ帰るのかを確認します。
外出中は、手順書に沿って支援しながら、本人の様子をよく観察します。人混みで落ち着かなくなってきたら、予定していた静かな場所で休憩をとるなど、早めに対応します。予定どおりに進まないときも、慌てずに本人に分かる形で伝え直します。
帰宅したら、家族に外出中の様子を伝え、記録を書きます。記録には、楽しめた場面、落ち着かなくなった場面、そのきっかけと思われること、どう対応してどうなったかを、具体的に書きます。この記録が、次の支援の見直しにつながります。
働き方と収入の考え方
行動援護のヘルパーは、移動支援と同じく、登録ヘルパーやパートとして、利用者の予定に合わせて働く形が多くあります。行動援護は支援の難しさが高い分、移動支援より時給が高めに設定されている求人が見られます。ただし、時給の差は事業所や地域によって大きく違うので、求人票で個別に確かめる必要があります。
行動援護を担えるようになると、働ける仕事の幅が広がります。移動支援、行動援護、さらに居宅介護など、複数のサービスに入れるヘルパーは、事業所にとって欠かせない存在で、依頼の数も安定しやすくなります。行動援護従業者養成研修の修了者は、大阪市の移動支援でも知的障害や精神障害のある人を担当できる区分に入っているように、自治体によっては移動支援の要件を満たすことにもなります。
求人を比べるときは、時給の額だけでなく、次の点を確かめておくと、働き始めてからの姿が見えてきます。
・支援の手順書や記録の仕組みが整っているか
・新しい利用者を担当するとき、先輩との同行の機会があるか
・危険な場面への対応について、事業所でのルールと練習の機会があるか
・困ったときに、サービス提供責任者にすぐ相談できる体制があるか
・移動時間や待機時間、記録を書く時間が賃金の対象になるか
行動援護は、一人で抱え込むと負担の大きい仕事です。チームで支える仕組みがある事業所を選ぶことが、長く続けるための一番の条件です。
家族やチームとの連携
行動援護は、ヘルパー一人で完結する仕事ではありません。利用者の家族、サービス提供責任者、他のヘルパー、相談支援専門員、日中に通う事業所の職員など、多くの人が関わって利用者の生活を支えています。相談支援専門員とは、利用者の希望をもとに、どのサービスをどれだけ使うかの計画を作る専門職のことです。
家族は、利用者のことを一番よく知っている存在です。好きなこと、苦手なこと、落ち着く方法、最近の様子の変化など、家族から聞ける情報は支援に欠かせません。外出の前後に短い時間でも様子を伝え合うことで、信頼関係が育ち、支援の質も上がります。
チームの中では、記録と報告が連携の土台になります。自分が担当した日に起きたことを正確に記録し、気になったことはサービス提供責任者に早めに報告します。別のヘルパーが担当した日の記録にも目を通しておくと、利用者の最近の様子をつかめます。誰が担当しても同じ支援ができるよう、手順書の見直しに意見を出すことも、ヘルパーの大切な役割です。
社会保険と雇用保険の扱い
行動援護や移動支援のヘルパーは、登録ヘルパーやパートとして短時間で働く人が多いため、社会保険と雇用保険の扱いも確かめておきます。厚生労働省の社会保険適用拡大の特設サイトでは、パートやアルバイトの人が勤め先の健康保険と厚生年金に入る条件として、週の所定労働時間が20時間以上であること、2か月を超えて雇われる見込みがあること、学生でないことなどが挙げられています。月の賃金が8.8万円以上という条件は、2026年10月に撤廃されました。勤め先の従業員数の条件は残っており、現在は51人以上の勤め先が対象で、段階的に広がる予定です。
雇用保険は、31日以上働く見込みがあり、週の所定労働時間が20時間以上であれば加入の対象になります。行動援護と移動支援を組み合わせて週の時間が増える人は、加入の条件に当てはまるかを勤め先に確認してください。
行動援護に向いている人
行動援護に向いているのは、次のような人です。
・利用者の行動の理由を、落ち着いて考えられる人
・決められた手順を守り、記録を丁寧に書ける人
・予定どおりにいかなくても、慌てずに対応を切り替えられる人
・一人で判断せず、チームに相談しながら進められる人
・利用者の小さな変化や成長を喜べる人
行動援護の仕事は、うまくいかない日もあります。それでも、手順や環境を工夫するうちに、利用者が外出を楽しめるようになったり、落ち着いて過ごせる時間が増えたりする変化が見えてきます。そうした変化を、利用者や家族、チームと分かち合えることが、この仕事のやりがいです。
長く続けるための自分のケア
行動援護は、気持ちを張りつめる場面の多い仕事です。利用者の行動に強く反応してしまった日や、うまく対応できなかった日には、自分を責めたくなることもあります。長く続けるためには、ヘルパー自身の心と体のケアも欠かせません。
まず大切なのは、一人で抱え込まないことです。つらかった場面は、記録に事実として残したうえで、サービス提供責任者や先輩に話します。同じ利用者を担当する他のヘルパーも、似た場面を経験していることが多く、対応のヒントをもらえることがあります。事業所によっては、ヘルパー同士で事例を話し合う場を設けているところもあります。
次に、休むことをためらわないことです。体調がすぐれない日に無理をして担当すると、判断が遅れて危険につながることがあります。登録ヘルパーとして働く場合は、自分が担当できる件数を見極め、詰め込みすぎないよう調整します。外出支援は体力を使う仕事でもあるので、睡眠と食事を整えることも、仕事の準備の一部です。
行動援護を担うまでの進め方
移動支援のガイドヘルパーとして働いている人が、行動援護を担うまでの流れを順番に整理します。
- 勤め先の事業所に、行動援護を担いたいことを伝え、自分の実務経験が要件に当てはまるかを確認する
- 行動援護従業者養成研修か、強度行動障害支援者養成研修のどちらを受けるかを決める
- 都道府県の開講予定の一覧から、日程と費用の合う研修を選んで申し込む
- 研修を修了したら、修了証を事業所に提出する
- 先輩ヘルパーとの同行で、利用者ごとの手順を覚えてから、一人で担当する
研修を修了しても、すぐにすべての利用者を担当できるわけではありません。最初は、比較的落ち着いて過ごせる利用者や、短い時間の外出から担当し、経験を積みながら担当の幅を広げていくのが一般的です。焦らずに段階を踏むことが、利用者にとってもヘルパーにとっても安全な進め方です。
介護福祉士などの資格で行動援護を担っている人は、令和9年3月31日で経過措置が終わる前に、研修の修了を済ませておく必要があります。研修の申し込みは、期限の直前に集中することが考えられるので、早めに予定を立てておくのが安心です。
記録の書き方のこつ
行動援護の記録では、見たことと、自分の考えを分けて書くことが基本です。「機嫌が悪かった」と書くより、「駅の改札で立ち止まり、大きな声を3回出した。直前に構内放送があった」と書くほうが、次に担当する人が状況を正確に思い浮かべられます。行動の前に何があったか、どのような行動だったか、そのあとどう対応してどうなったか、の3つの順で書くと、チームでの振り返りに使いやすい記録になります。
記録と文書の力を伸ばす
行動援護では、支援の記録や手順書など、文書を扱う場面が多くあります。利用者の行動を、誰が読んでも同じ場面が思い浮かぶように書く力は、支援の質を高めるうえで欠かせません。サービス提供責任者を目指すなら、支援の計画や家族への報告書を作る機会も増えます。
文書の書き方を体系的に学べる資格として、ビジネス文書検定があります。報告書の構成や、事実と意見を分けて書く方法を学んでおくと、記録の書き方にも生かせます。福祉の現場での経験をもとに、記事や研修資料を書く仕事に関心がある人は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、文章を書く仕事の年収や単価の相場を確認できます。
運営者の視点から見た、専門性を積み上げる働き方
フリーランスや在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、行動援護のように、研修と実務経験で専門性を積み上げていく仕事は、続けるほど「この人に任せたい」と指名される関係が育ちやすい仕事です。長く続く人ほど、目の前の1件をこなすことより、利用者や家族、事業所にとって安心して任せられる存在になることに時間を使っています。
また、仲介を通す働き方では、間に入る取り分の分だけ、働く人の手取りは薄くなります。依頼主と直接やりとりできる仕組みであれば、依頼主は同じ予算でより多くを頼め、働く人は手取りが厚くなります。手数料0%で直接つながる形は、専門性に見合った報酬を受け取るための選択肢の一つです。
福祉の仕事と組み合わせて、空いた時間に在宅でできる仕事を探す人もいます。在宅で受けられる仕事の種類を知りたい場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、在宅で受けられる仕事の種類と始め方を解説したガイドもあります。まずは勤め先の事業所に、行動援護を担うために自分に足りない要件は何かを確認するところから始めてみてください。
よくある質問
Q. ガイドヘルパーの資格があれば行動援護の仕事ができますか?
そのままではできません。移動支援のガイドヘルパーの研修と、行動援護に必要な研修は別に決められています。行動援護を担うには、行動援護従業者養成研修か強度行動障害支援者養成研修の修了に加えて、知的障害や精神障害のある人への直接の支援の実務経験が求められます。経験が要件に当てはまるかは、事業所や都道府県の担当課で確かめてください。
Q. 行動援護従業者養成研修は何時間ですか?
神奈川県の案内では24時間とされています。障害の特性の理解と評価、支援シートの作成、居宅内や外出時の危険な行動を予防し避けるための知識と技術を学ぶ内容です。日程や費用は実施する団体ごとに違うので、住んでいる都道府県が公表している開講予定の一覧で確かめてください。
Q. 介護福祉士は研修を受けずに行動援護を担えますか?
介護福祉士や実務者研修の修了者などを行動援護従業者養成研修の修了者とみなす経過措置は、厚生労働省の令和6年度報酬改定の概要で、令和9年3月31日まで延長したうえで廃止するとされています。令和9年4月以降も行動援護を続けるには、それまでに研修を修了しておく必要があります。
Q. 移動支援と行動援護は何が違いますか?
移動支援は市区町村が内容を決める地域生活支援事業で、主に外出時の移動を支えます。行動援護は国の障害福祉サービスで、障害支援区分3以上で行動関連項目の合計が10点以上の人が対象です。外出時に加えて、居宅内での危険を伴う行動を予防したり避けたりする支援も含む点が大きな違いです。
この記事について
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監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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