Getting Things Doneのやり方と、抱えている仕事を頭の外に書き出す手順


この記事のポイント
- ✓Getting Things Done(GTD)のやり方を
- ✓把握する・見極める・整理する・更新する・選択するの5つの段階に沿って
- ✓今日から試せる手順で説明します
Getting Things Done(ゲッティング・シングス・ダン、略してGTD)は、抱えている仕事や気がかりをすべて頭の外に書き出し、決まった手順で仕分けて、次にやることを選べる状態にしておく方法です。仕事の量が多いこと以上に、「何をどこまで抱えているのか分からない」ことが人を疲れさせる。GTDは、その状態から抜け出すための手順として、世界中で使われてきました。
一方で、「書き出してはみたけれど、リストが長くなって見なくなった」「手順が多くて続かなかった」という声もよく聞かれます。この記事では、GTDの5つの段階を、仕事を抱える人が今日から試せる手順として説明します。書き出しの進め方、次にとるべき行動の決め方、リストの分け方、週ごとの見直し、紙で十分な場面と道具を使う場面の分け方まで整理します。チームで仕事を抱えている人に向けて、担当と期限をボードで共有できるPinatecaも、道具の選択肢の1つとして紹介します。
GTDとは何か
GTDは、アメリカのデビッド・アレン氏が考えた個人の仕事の進め方です。同氏の会社の公式サイト(Getting Things Done)では、GTDを、生活と仕事への向き合い方を見直すための個人の生産性の方法だと説明しています。日本では、二見書房から『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』として翻訳が出ており、2025年5月には新装版が発売されています。
日本語版のWikipediaでは、GTDの考え方を次のように説明しています。
「ナレッジワーカー(知識労働者ないし頭脳労働者)の仕事術」と呼ばれ、「次に何をやるか」という予定やスケジュールの管理、作業する上でのモチベーションを損なわないための体制作りなどが含まれる。心理的な負担を減らしながら個人の生産性を上げることを主眼とし、簡単な5つのステップを実行することによって成し遂げたいことを現実にするメソッドである。基本はなすべき仕事のリストを何かに記録しておくことで、頭の中からなすべき仕事のことを追い出すことである。これで頭の中はすべき仕事全部を覚えなくてもよくなりすっきりとし、リストに基づき実際の仕事をこなすことに集中できる。 出典: ja.wikipedia.org
ポイントは、最後の部分にあります。人は、覚えておかなければならない用事を頭の中に抱えていると、目の前の作業をしている間も、その用事のことが気にかかります。「あの請求書を出したか」「来週の資料はいつ作るか」といった気がかりが積み重なると、作業に集中できず、疲れも増します。GTDは、こうした気がかりをすべて頭の外の決まった場所に移し、見直す仕組みを作ることで、頭を目の前の作業に使えるようにする方法です。
GTDは優先順位の付け方を中心にした方法ではありません。Wikipediaの記述によると、アレン氏は、すべての仕事を書き出して把握できていない状態で考えた優先順位は不正確で役に立たないと考え、まず全体を把握すること、状況に応じたリストを作ることを勧めています。
GTDの5つの段階
公式サイトでは、GTDの基本を5つの段階で示しています。日本語版の新装版の目次では、それぞれが次のように訳されています。
| 段階 | 英語の名前 | やること |
|---|---|---|
| 把握する | Capture | 気になっていることを、すべて書き出して1か所に集める |
| 見極める | Clarify | 書き出したものが何を意味するのか、行動が必要かを判断する |
| 整理する | Organize | 判断した結果を、決まったリストや場所に振り分ける |
| 更新する | Reflect | リスト全体を定期的に見直し、最新の状態に保つ |
| 選択する | Engage | リストを信頼して、今やることを選び、実行する |
この5つは、1回やって終わりではなく、くり返し回すものです。新しい仕事や気がかりは毎日発生するので、把握と見極めは毎日、更新は少なくとも週に1回行うのが基本の形です。
以下では、5つの段階を順に、実際の手順として説明します。
段階1:把握する(気になることをすべて書き出す)
最初の段階は、頭の中にある「やらなければならないこと」「気になっていること」をすべて書き出して、1か所に集めることです。公式サイトでは、注意を引いているものを何でも書き出し、記録し、集める道具(収集の道具)に入れると説明されています。
最初の書き出しは、まとまった時間を取る
GTDを始めるときは、1時間から2時間ほどまとまった時間を取り、頭の中にあるものを一気に書き出します。紙を何枚か用意して、1枚に1件ずつ書いていく方法が分かりやすく、あとで仕分けるときにも便利です。
書き出すものに、大小の区別は付けません。次のようなものを、思いつく限り書きます。
- 仕事の用事:見積書を出す、来週の会議の資料を作る、取引先に返事をする
- 締め切りのあるもの:確定申告の準備、更新の手続き、契約の更新
- 気がかり:あの件はどうなったか、プリンターのインクが少ない
- いつかやりたいこと:資格の勉強を始める、Webサイトを作り直す
- 家のこと:電球を替える、子どもの学校の書類を出す
GTDでは、仕事と暮らしの用事を分けずに書き出すのが基本です。頭の中では仕事と暮らしの気がかりが混ざって存在しているので、片方だけを書き出しても、頭はすっきりしないからです。
思い出すきっかけを使う
いきなり全部を思い出すのは難しいので、思い出すきっかけを使います。机の上や引き出しの中、メールの受信箱、カレンダーの予定、チャットの未読、手帳のメモを順に見ていくと、忘れていた用事が出てきます。取引先の名前を一覧にして1社ずつ思い浮かべる、家の部屋を1つずつ思い浮かべる、といった方法も使えます。
収集の道具を決める
書き出したものを集める場所を「収集の道具」と呼びます。Wikipediaの記述では「バケット」とも書かれています。紙のトレイ、ノート、スマートフォンのメモ、メールの受信箱など、何でも構いません。大切なのは、数を絞ることです。集める場所があちこちにあると、どこに何を書いたかを覚えておく必要が出てきて、頭の外に出した意味がなくなります。
日々の生活の中で新しい用事を思いついたときも、すぐにこの収集の道具に入れます。外出先ではスマートフォンのメモ、机ではトレイやノート、というように2か所から3か所程度に絞っておくと、見落としが減ります。
段階2:見極める(それは何で、行動が必要か)
書き出したものを、1件ずつ「これは何か」「行動が必要か」の順に判断していくのが、見極める段階です。公式サイトでは、行動が必要なら次の行動とプロジェクトを決め、必要でなければ、捨てるか、資料として残すか、保留にするかを決めると説明されています。
判断の流れ
1件ごとに、次の順で考えます。
- これは何か(何についての用事か、何をすれば終わるのか)
- 自分が行動する必要があるか
- 行動が必要なら、次にとるべき具体的な行動は何か
- その行動は2分以内で終わるか
- 自分がやるべきか、人に任せるべきか
- 1回の行動で終わらないなら、それはプロジェクトとして扱う
行動が必要ないものは、次の3つのどれかに分けます。
- 捨てる:もう必要のないもの
- 資料:行動は要らないが、あとで参照するもの(会議の資料、取引先の連絡先など)
- いつかやる:今はやらないが、いつかやるかもしれないもの
2分ルール
見極めの段階でよく知られているのが「2分ルール」です。Wikipediaの記述によると、するのに2分とかからない仕事は、その場ですぐに行うという決まりです。2分は目安で、その仕事を後に回すためにリストに書いたりする手間と同じくらいの時間のことを指しています。
例えば、「取引先にお礼のメールを1通送る」「書類を1枚スキャンする」は、リストに書くよりもその場でやってしまったほうが早く終わります。ただし、見極めの段階で2分の作業をいくつも片付けていると、見極めそのものが進まなくなります。最初の大量の書き出しを見極めるときは、2分の作業を後でまとめて行う一覧に入れておくのも1つの方法です。
「次にとるべき行動」は動作で書く
見極めで最も大切なのが、「次にとるべき行動」を具体的な動作で決めることです。「見積書」と書いてあるだけでは、次に何をすればよいのかが分かりません。「見積書のひな形を開き、先月の単価を確かめる」「Aさんに必要な数量をメールで尋ねる」のように、手を動かす内容が分かる書き方にします。
行動が具体的になっていないと、リストを見たときに「これは何から始めればいいのだろう」と考え込み、手がつけられずに後回しになります。リストが見られなくなる原因の多くは、ここにあります。
段階3:整理する(決めた場所に振り分ける)
見極めた結果を、決まったリストや場所に振り分けるのが整理する段階です。公式サイトでは、分類した内容を思い出すための手がかりを、適切な場所に置いておくと説明されています。
基本のリスト
GTDでよく使われるリストは、次のとおりです。
| リスト | 入れるもの | 例 |
|---|---|---|
| 次にとるべき行動 | すぐにでも取りかかれる具体的な行動 | Aさんに数量をメールで尋ねる |
| プロジェクト | 2つ以上の行動が必要で、結果を出したいもの | 新しい取引先との契約を結ぶ |
| 連絡待ち | 人に任せた、または相手の返事を待っているもの | B社の見積もりの返事(10月10日に依頼) |
| カレンダー | 決まった日時にやること、その日にしかできないこと | 10月20日14時の打ち合わせ |
| いつかやる | 今はやらないが、いつかやりたいこと | 新しい資格の勉強 |
| 資料 | 行動は要らないが、参照するもの | 取引先ごとの契約書 |
次にとるべき行動を、状況で分ける
次にとるべき行動のリストは、行動できる状況ごとに分けておくと使いやすくなります。Wikipediaの記述でも、「オフィスでする」「電話する」「店でする」のように、行動を起こす状況に応じて分けることが勧められています。
在宅で働く人なら、次のような分け方が考えられます。
- パソコンで:資料を作る、メールを書く、請求書を発行する
- 電話で:取引先に確認の電話をする
- 外出時に:郵便局で書類を出す、文具を買う
- 打ち合わせで:次の打ち合わせで相談すること
こう分けておくと、「今は電話ができる状況だから、電話のリストを片付けよう」と、状況に合わせて行動を選べます。
カレンダーには、その日にしかできないことだけを書く
カレンダーには、決まった日時の予定と、その日にしかできないことだけを書くのがGTDの考え方です。「できれば今日やりたいこと」をカレンダーに書き込むと、終わらなかったときに翌日に書き写す手間が生まれ、カレンダーそのものが信用できなくなります。今日やりたいことは、次にとるべき行動のリストから選びます。
段階4:更新する(週ごとの見直し)
リストは、作った瞬間から古くなっていきます。新しい用事が入り、終わった用事が残り、状況が変わります。更新する段階では、リスト全体を定期的に見直して、最新の状態に保ちます。公式サイトでは、関係するすべての内容を更新し、見直すことで、全体を把握し直し、集中を取り戻すと説明されています。
週に1回の見直しの手順
見直しは、週に1回、決まった曜日と時間に行うのが続けやすい形です。金曜日の夕方や、月曜日の朝の30分から1時間を充てます。手順の例は次のとおりです。
- 収集の道具(トレイ、メモ、受信箱)を空にする。たまっているものをすべて見極めて振り分ける
- 次にとるべき行動のリストを見て、終わったものを消し、古くなったものを直す
- 連絡待ちのリストを見て、返事が遅れている相手には催促の行動を追加する
- プロジェクトのリストを1件ずつ見て、それぞれに次にとるべき行動が1つ以上あるかを確かめる
- 過去1週間と次の2週間のカレンダーを見て、抜けている準備がないかを確かめる
- いつかやるのリストを見て、今週から始めるものがあれば移す
4つ目の確認が特に大切です。プロジェクトに次にとるべき行動が1つもないと、そのプロジェクトは誰も手をつけないまま止まります。「新しい取引先との契約を結ぶ」というプロジェクトなら、「契約書のひな形を取引先に送る」のように、今週動かす行動を必ず1つ決めておきます。
見直しを飛ばすとどうなるか
GTDが続かなくなる最も多い原因は、この週ごとの見直しを飛ばすことです。見直しをしないと、リストに古い用事が残り、新しい用事が入らず、リストが現実とずれていきます。リストが信用できなくなると、結局は頭の中で覚えておこうとするので、元の状態に戻ってしまいます。忙しい週ほど、見直しの時間を先にカレンダーに入れておきます。
段階5:選択する(今やることを選ぶ)
最後の段階は、リストを信頼して、今やることを選び、実行することです。公式サイトでは、信頼できる仕組みを使って、自信を持って行動を選ぶと説明されています。
行動を選ぶときに考えること
リストの中から今やることを選ぶときは、次の順で絞り込むと迷いが減ります。
- 今いる場所と使える道具(パソコンの前か、外出中か)
- 使える時間(次の予定まで15分か、2時間か)
- 自分の体力と集中力(午前の集中できる時間か、夕方の疲れた時間か)
- その中で、最も大事なもの
例えば、次の会議まで15分しかないなら、資料作りのような大きな作業は避け、電話を1本かける、メールを2通返す、といった短い行動を選びます。夕方で集中力が落ちているなら、請求書の発行やファイルの整理のような、頭をあまり使わない作業を選びます。
予定外の仕事が入ったとき
仕事をしていると、予定外の依頼が入ることがあります。そのときは、今やっている作業を続けるか、新しい依頼を先にするかを、その場で判断します。新しい依頼を後に回すなら、収集の道具に入れておき、次の見極めのときに振り分けます。リストに全部の用事が入っていれば、「新しい依頼を先にしたら、何が後ろにずれるか」がすぐに分かるので、依頼した人に納期の相談もしやすくなります。
プロジェクトを次の行動に分ける例
GTDでいうプロジェクトは、2つ以上の行動が必要なもの全般を指します。「新しい取引先との契約を結ぶ」「Webサイトを作り直す」のような大きな仕事だけでなく、「プリンターを買い替える」のような小さな用事も、調べる・選ぶ・注文する・設置するという複数の行動が必要なので、プロジェクトとして扱います。
プロジェクトを動かすときは、まず「どうなったら終わりか」を1文で書き、次に、その最初の一歩となる行動を決めます。例えば「取引先向けの提案書を完成させて送る」というプロジェクトなら、次のように考えます。
- 終わりの状態:提案書をPDFで取引先の担当者に送り、受け取りの返事が来ている
- 必要な行動:前回の打ち合わせのメモを読み返す、構成を決める、料金の表を作る、本文を書く、上司か共同作業者に確認してもらう、PDFにして送る
- 次にとるべき行動:前回の打ち合わせのメモを開いて、相手が気にしていた点を3つ書き出す
全部の行動を最初に並べる必要はありません。大切なのは、次にとるべき行動が常に1つ決まっていることです。その行動が終わったら、次の行動を決めてリストに書きます。こうして、プロジェクトのリストには「何を目指しているか」を、次にとるべき行動のリストには「今できること」を書き分けておくと、毎日のリストが短く保たれ、大きな仕事も止まらずに進みます。
メールとチャットの受信箱をGTDで扱う
在宅で働く人の気がかりの多くは、メールとチャットから入ってきます。受信箱を「読んだけれど、まだ対応していないもの」の置き場にしていると、受信箱そのものが長いやることリストになり、何が終わって何が残っているのかが分からなくなります。
GTDの考え方では、メールの受信箱も収集の道具の1つです。届いたメールは、見極めの段階と同じ流れで1通ずつ判断します。
- 返信や作業が要らないもの(お知らせ、控えのメール)は、資料のフォルダに移すか削除する
- 2分以内に返せるものは、その場で返信する
- 返信に時間がかかるもの、作業が必要なものは、次にとるべき行動のリストに「Aさんに見積もりの内訳を返信する」のように書き、メールは対応待ちのフォルダに移す
- 相手の返事を待つものは、連絡待ちのリストに書く
この流れで1日に1回か2回、受信箱を空にすると、「あのメールに返信したか」と気にかかることが減ります。受信箱を空にするのは、全部に返信するという意味ではありません。1通ずつ「次に何をするか」を決めて、受信箱から出すという意味です。
チャットも同じです。チャットは流れが速いので、作業の依頼が届いたら、その場で次にとるべき行動のリストに書き写すか、チームで共有している仕事の管理の場所に登録します。チャットの画面の中で用事を覚えておこうとすると、過去の発言に埋もれて見つからなくなります。
最初の1週間の進め方の例
GTDを初めて取り入れる人に向けて、最初の1週間の進め方の例を示します。いきなり全部の手順をそろえようとせず、1日に1つずつ手順を加えていくと、無理なく慣れられます。
| 日 | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 1日目 | 頭の中の気がかりを、紙にすべて書き出す | 1時間から2時間 |
| 2日目 | 書き出したものを見極め、捨てる・資料・いつかやる・行動に分ける | 1時間 |
| 3日目 | 行動が必要なものを、次にとるべき行動とプロジェクトのリストに分ける | 30分から1時間 |
| 4日目 | 次にとるべき行動を、状況ごと(パソコン、電話、外出)に分ける | 30分 |
| 5日目 | リストから行動を選んで実行し、新しく出てきた用事を収集の道具に入れる | 1日を通して |
| 6日目 | メールの受信箱を見極めの流れで空にする | 30分から1時間 |
| 7日目 | 初めての週ごとの見直しをする | 1時間 |
1日目の書き出しで100件を超えることは珍しくありません。件数の多さに驚く人もいますが、それまで頭の中で抱えていたものが目に見える形になっただけです。2日目以降の見極めで、捨てるものや、いつかやるに回すものが意外に多いことに気づくはずです。
7日目の見直しを終えたら、次の週からは、毎日の把握と見極め、週に1回の見直しをくり返します。2週間から3週間続けると、新しい用事が入ったときに自然と収集の道具に書き留めるようになり、頭の中で覚えておこうとすることが減っていきます。
紙で十分な場面と、道具を使う場面
GTDは、特定の道具を前提にした方法ではありません。紙のノートとトレイだけでも始められます。
紙やメモで十分な場面
- 1人で仕事をしていて、用事の数が数十件程度
- 外出が少なく、机で見直すことが多い
- まずはGTDの考え方に慣れたい
最初の数週間は、紙で試すことをすすめます。道具の使い方を覚えることと、GTDの手順を覚えることを同時に始めると、どちらも中途半端になりやすいからです。スマートフォンの標準のメモやリマインダーでも、収集の道具と次にとるべき行動のリストとしては十分に使えます。
道具を使ったほうがよい場面
- 外出先でも、同じリストを見たり書き足したりしたい
- 用事の数が多く、紙では探しにくい
- チームの人に任せた仕事や、チームで抱えているプロジェクトを、相手と共有したい
3つ目の場面は、個人のGTDだけでは解決しにくい部分です。連絡待ちのリストに「Aさんに頼んだ資料」と書いても、Aさんの側でその仕事がどこまで進んでいるかは見えません。チームで仕事を抱えているなら、担当と期限を相手と同じ場所で見られる道具があると、確認の連絡が減ります。
チームの仕事をGTDとつなげる工夫
GTDは個人の方法ですが、チームで働く人ほど、連絡待ちとプロジェクトのリストが長くなります。自分のリストだけで管理しようとすると、相手の進み具合を確かめるための連絡が増え、見直しに時間がかかるようになります。
そこで、自分だけの用事は個人のリストで、チームで抱えている仕事はチームで共有する場所で管理する、という分け方が考えられます。週ごとの見直しでは、個人のリストと共有の場所の両方を見て、自分が担当している行動を次にとるべき行動のリストに書き写します。
チームで担当と期限を共有する場所の選択肢の1つが、Pinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあります。カンバンのボードでは、チームの仕事をカードにして「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」のような列に並べられるので、GTDでいう連絡待ちの仕事が相手のところでどこまで進んでいるかを、相手に尋ねなくても確かめられます。カードには担当と締切を付けられ、自分宛ての担当の割り当てや締切、メンションは受信箱に集まります。グリッドのボードは縦と横の2つの軸で区切った表にカードを並べるもので、重要度と緊急度のような軸でチームの仕事を整理する使い方もできます。5人までのチームなら、全8種類のボードとチャットを無料で使えます。無料のプランはボード10個までで、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
道具を入れても、GTDの考え方そのものは変わりません。気になることを頭の外に出す、次にとるべき行動を具体的に決める、週に1回見直す。この3つが続いていれば、紙でもアプリでも、GTDは機能します。
GTDが続かないときの見直し方
GTDを始めたものの続かなかった、という人は少なくありません。続かない原因は、次のどれかに当てはまることが多くあります。
リストが長すぎて見る気がしない
次にとるべき行動のリストが100件を超えると、見るだけで疲れてしまいます。今週やらないものは、いつかやるのリストに移します。いつかやるのリストに移すのは、あきらめではなく、今週の集中を守るための判断です。
行動が具体的になっていない
リストに「企画書」「経理」のような名詞だけが並んでいると、見ても動けません。すべての項目を「〇〇する」という動作の形に書き直すだけで、手がつけやすくなります。
収集の場所が多すぎる
メモ帳、付箋、スマートフォンのメモ、メールの下書き、チャットの自分宛てのメッセージ。書き留める場所が増えすぎると、見極めのときに全部を回るのが大変になります。収集の場所は2か所から3か所に絞ります。
見直しの時間を取っていない
「段階4:更新する」の節で触れたとおり、週ごとの見直しを飛ばすと、リストはすぐに現実とずれます。見直しの時間を、ほかの予定と同じようにカレンダーに入れておきます。
最初から完璧を目指している
GTDの手順を全部そろえてから始めようとすると、準備の段階で疲れてしまいます。最初の1週間は「把握する」と「次にとるべき行動を具体的に書く」だけでも、頭の中の気がかりは減ります。慣れてきたら、リストの分け方や週ごとの見直しを加えていきます。
ほかの方法との組み合わせ
GTDは、何をやるかを決めるための方法です。決めた行動にどう集中するかについては、ほかの方法と組み合わせることもできます。
例えば、選択する段階で選んだ行動を、25分の集中と短い休憩をくり返すポモドーロ・テクニックで進める方法があります。また、1日の予定表に作業ごとの時間の枠をあらかじめ書き込んでおく方法(タイムブロッキング)と組み合わせ、「午前の2時間は、パソコンでやる行動のリストを片付ける時間」と決めておくこともできます。
重要度と緊急度の2つの軸で仕事を4つに分けて考える方法も、よく組み合わされます。GTDでは全体を把握することを優先順位より先に置いていますが、週ごとの見直しで、プロジェクトの中でどれを今週動かすかを決めるときに、この2つの軸で考えると判断しやすくなります。
どの方法も、GTDの「頭の外に書き出して、具体的な行動にしておく」という土台があると、効果が出やすくなります。土台がないまま集中の方法だけを取り入れても、何に集中すればよいかで迷う時間は減りません。
在宅の仕事を長く見てきた立場から見る、仕事を抱える人の共通点
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた中で見えてきたのは、複数の取引先から継続して仕事を頼まれる人ほど、自分が何を抱えているかを把握しているという傾向です。抱えている仕事の量が分かっている人は、新しい依頼を受けるときに、いつまでなら引き受けられるかをすぐに答えられます。反対に、把握できていない人は、引き受けたあとで締め切りが重なり、品質が落ちたり納期を延ばしてもらったりすることが増えます。
業務委託で働く場合、会社員のように上司が仕事の量を調整してくれることはありません。中間の手数料がかからない直接取引で仕事を受けると、同じ予算でも受け手の手取りは厚くなりますが、その分、仕事の量と締め切りを自分で管理する必要があります。GTDのように抱えている仕事を書き出し、週に1回見直す習慣は、その管理の土台になります。
生成AIを業務に取り入れる支援の仕事のように、複数の取引先の課題を同時に追いかける仕事では、プロジェクトと連絡待ちのリストが特に長くなります。仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。アプリやシステムの開発の仕事でも、作業を細かい行動に分けて進める力が求められます。仕事の内容はアプリケーション開発のお仕事で整理しています。調査や研究の仕事のように、長い期間をかけて成果を出す仕事の単価の目安は、研究者の年収・単価相場で紹介しています。抱えている仕事を把握できるようになると、自分が無理なく引き受けられる仕事の量が分かり、長く続けられる働き方を選びやすくなります。
よくある質問
Q. GTDの5つの段階は何ですか?
日本語版の書籍では、把握する、見極める、整理する、更新する、選択するの5つです。気になることをすべて書き出して集め、それぞれが何で行動が必要かを判断し、決まったリストに振り分け、定期的に見直して最新に保ち、そのリストから今やることを選んで実行します。1回で終わりではなく、くり返し回すのが基本です。
Q. GTDの2分ルールとは何ですか?
見極めの段階で、2分以内に終わる行動はその場ですぐに片付けるという決まりです。2分は目安で、リストに書いて後に回す手間と同じくらいの時間を指します。お礼のメールを1通送る、書類を1枚スキャンするといった作業は、書き留めるよりも先にやってしまったほうが早く終わります。
Q. GTDを始めるのに専用のアプリは必要ですか?
必要ありません。紙のノートとトレイ、スマートフォンの標準のメモやリマインダーでも始められます。最初は紙で手順に慣れ、外出先でも同じリストを見たい、チームと仕事を共有したいといった必要が出てきてから、道具を選ぶと迷いにくくなります。
Q. GTDが続かないときは何を見直せばよいですか?
多いのは、週ごとの見直しを飛ばしている、リストの項目が名詞だけで行動になっていない、書き留める場所が多すぎる、の3つです。見直しの時間をカレンダーに入れ、項目を「〇〇する」という動作の形に書き直し、収集の場所を2か所から3か所に絞ると、続けやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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