電気工事士の講師・講座の仕事


この記事のポイント
- ✓電気工事士が教える側に回る副業を整理しました
- ✓注意すべき線までを解説します
結論から書きます。電気工事士が教える側に回る仕事は、想像されているより入り口が広く、そして教員免許も指導経験も必須ではありません。必要なのは、実務の経験と、それを順序立てて説明できることだけです。この記事では、教える仕事がどこに存在しているのか、形態ごとにどう始めるのか、値付けはどう考えるのか、そして教えるときに踏み越えてはいけない線はどこかを整理します。現場の稼働を減らしたい方、体力面の先を考え始めた方に向けた内容です。
教える側の需要はどこにあるか
電気工事の分野で人材が不足しているという話は繰り返し語られていますが、その裏側には「教える人も不足している」という構造があります。育てる側の人手が足りないから、育成が進まない。ここに外部の有資格者が入る余地が生まれています。
需要の場所を並べます。
| 場所 | 対象 | 報酬の形 | 拘束の重さ |
|---|---|---|---|
| 職業訓練校、認定職業訓練 | 求職者、若年層 | 時間給または日給 | 平日昼が中心。重い |
| 資格試験の対策スクール | 受験者 | 回数または時間給 | 夜と土日の開催が多い |
| 企業内の技術研修 | 社員、協力会社 | 日給または一式 | 平日中心だが単発 |
| 実技講習の指導補助 | 受講者 | 日給 | 開催日のみ。軽い |
| オンライン講座の販売 | 不特定 | 販売額 | 作った後は軽い |
| 個人指導、家庭教師型 | 受験者 | 時間給 | 相手の都合次第 |
| 教材の執筆、問題作成 | 出版社、スクール | 一式または問題単価 | 在宅で完結。軽い |
本業がある方が最初に検討しやすいのは、下の四つです。実技講習の指導補助は開催日だけの拘束で済み、オンライン講座と教材の執筆は在宅で完結します。個人指導は相手の都合に合わせる必要がありますが、受験者は社会人が多いため、夜と土日の希望が中心になります。
教員免許も指導経験も要らない
この点は誤解されがちなので、先に押さえます。実際の募集要項を見ると、指導経験を求めない案件が普通に存在します。
講師・教師の経験や教員免許は不要です。 電気工事・電子関連の知識ある方であれば、指導経験のない方も歓迎です。 出典: 求人ボックス
求められているのは教え方の技術ではなく、教える中身を持っていることです。教え方は型がありますので、後から身につきます。
一方で、企業向けの研修になると条件が変わります。
【仕事内容】~安定の日立グループ/営業向け研修講師をお任せ/コミュニケーション力活かせる/年間休日126日~...歓迎条件:・研修講師/インストラクターの経験やスキルをお持ちの方・冷凍機械責任者、電気工事士... 出典: 求人ボックス
こちらは講師経験が歓迎条件に入っています。つまり、いきなり企業研修から入るのは難易度が高い。指導経験を求めない場所で実績を作ってから移るほうが、順序としては素直です。
正直なところ、この順序を飛ばして企業研修に応募し続けて手応えがない、という相談は少なくありません。実績が要る場所と要らない場所を見分けることが、最初の分かれ道になります。
補足すると、指導経験を問わない案件と問う案件の違いは、講師に何を期待しているかの違いです。前者は「内容を知っている人に、決まった型で教えてほしい」という依頼で、教える型は運営側が用意しています。後者は「教える設計から任せたい」という依頼です。前者から入れば、型は現場で学べます。ここを理解しておくと、最初にどこへ応募すべきかで迷いません。
形態ごとの始め方
職業訓練校と認定職業訓練
公共職業訓練や認定職業訓練の非常勤講師は、募集が各都道府県や運営法人から出ます。募集の頻度は高くありませんが、待遇は安定しており、継続的に依頼される傾向があります。
ただし開催が平日昼に集中するため、本業がある方には向きません。応募する場合は、勤務先の副業規定と実際に休みが取れるかを先に確認してください。定年後や現場を離れた後の選択肢としては有力です。
実技講習の指導補助
第二種電気工事士の技能試験対策講習、企業の社内講習、業界団体が実施する講習。こうした場での指導補助は、開催日だけの拘束で済みます。土日開催のものも一定数あるため、本業と並行しやすい形です。
始め方は、実施している団体やスクールに直接問い合わせるのが早道です。募集を大きく出していない場合も多く、聞いてみたら人手を探していた、という展開が普通にあります。
企業内の技術研修
工事会社、設備管理会社、不動産管理会社などが、社員や協力会社向けに実施する研修です。単発が多く、一回あたりの報酬は高め。ただし、講師としての実績か、その分野での経歴の裏付けが求められます。
依頼の経路は紹介がほとんどです。前職の取引先、業界団体、資格講習で知り合った人。ここは公募を探すより、人づてで入るほうが現実的です。仕事の設計や独立の考え方についてはITコンサルティング・講師のお仕事にどういう形の依頼が動いているかがまとまっています。
資格試験の対策スクール
第二種、第一種の受験者向けスクールの講師です。開催が夜と土日に寄るため、本業と並行しやすいのが特徴。教える内容が試験範囲で固定されているので、準備の負担も読みやすくなります。
必要なのは、自分が合格した経験と、受験者がどこでつまずくかの理解です。技能試験なら、複線図の書き方、施工条件の読み落とし、時間配分。この三つでつまずく人が圧倒的に多く、そこを重点的に扱えるだけで講座の評価は上がります。
オンライン講座の販売
動画講座を作って販売する形です。一度作れば在庫を持たずに売れるため、時間の制約から最も自由になります。
現実的な話をすると、作るのに50時間から150時間かかります。しかも作った直後は売れません。半年から一年かけて評価が積み上がって初めて動き出す、という時間軸です。すぐに収入が欲しい方には向きませんが、他の形態と並行して少しずつ作るなら悪くない選択です。
作る内容は、試験対策より「現場で使う知識」のほうが競合が少ない傾向にあります。試験対策は既に多くの講座が存在するためです。具体的には、図面の読み方、見積の作り方、施主への説明の仕方、材料の選定基準といったテーマです。これらは資格を取った後に誰も教えてくれない領域で、独立を考えている人ほど強く求めています。
販売の場としては、既存の講座プラットフォームに載せる形と、自分で販売する形があります。前者は集客を任せられる代わりに手数料が引かれ、後者は手取りが厚い代わりに自分で集めなければなりません。最初は前者で反応を見て、評価が付いてから後者に広げる流れが無理のない進め方です。同じ構造は他の分野の講座でも見られ、WordPressカスタマイズで稼ぐ|副業エンジニアの実践法【2026年版】のような技術系の講座でも進み方は変わりません。
個人指導
受験者に対して一対一で教える形です。オンラインで完結するものもあれば、技能試験の対策で対面が必要になるものもあります。単価は時間あたり3,000円から1万円程度が目安。
集め方は、スキル販売のプラットフォームか、自分の発信からです。実績がない段階では前者、続けるなら後者に移行していくのが一般的な流れです。
教材の執筆と問題作成
在宅で完結する形です。出版社やスクールから、テキストの一部、問題、解説を依頼されます。教える現場に出る必要がないため、時間の制約が最も少ない選択肢です。
こちらも入り口は直接の問い合わせが有効です。教材を出している会社に、書ける範囲を具体的に示して連絡する。文章で納品する仕事の水準感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場が参考になります。
受講者はどこでつまずいているか
教える中身を設計するうえで、受講者のつまずき方を把握しておくことは決定的に重要です。ここが分かっていれば、講座の構成は自動的に決まります。
技能試験の対策で最も多いのは、複線図です。単線図から複線図に起こす手順が曖昧なまま暗記に走り、本番で見たことのない結線に当たって手が止まる。ここは手順を分解して、書く回数を積ませるしかありません。講義で説明するより、目の前で書かせて間違いをその場で指摘する時間のほうが効きます。
次に多いのが施工条件の読み落としです。指定された色、接続方法、器具の向き。問題文に書いてあるのに読み飛ばして減点される。対策としては、作業に入る前に条件へ印を付ける習慣を作らせることです。技術ではなく手順の問題なので、教えれば直ります。
三つ目が時間配分です。練習では完成しても、本番では手が震えて遅くなる。ここは実際の制限時間で通し練習をさせて、どの工程に何分かかるかを本人に測らせるのが最も効果があります。
筆記の対策では、計算問題を捨てるかどうかで悩む受講者が多くいます。ここに対して講師が一律の答えを出すべきではありません。受講者の得点の分布を見て、どこで点を取るのが確実かを一緒に考える。これができる講師は、受講者から強く支持されます。
実務向けの研修では、つまずき方が変わります。手順は知っているが、なぜそうするのかを知らない。だから例外が出たときに応用できない。研修の設計では、手順の背後にある理由を扱うと満足度が上がります。現場経験のある講師が最も価値を出せるのはこの部分です。
値付けをどう考えるか
講師の報酬は、拘束時間だけで決めると必ず損をします。準備の時間が見えないためです。
2時間の講義に対して、初回の準備が10時間かかることは珍しくありません。この初回準備を含めた総時間で割ると、実質の時間単価は提示額の五分の一以下になります。ただし二回目以降は準備がほぼ不要になるため、同じ内容を繰り返すほど効率は上がります。
つまり、値付けの判断基準は「同じ内容を何回使えるか」です。一回きりの依頼なら準備時間を織り込んだ額を、継続や複数回の依頼なら初回を抑えて回数で回収する形を提示する。この使い分けができると、収支が安定します。
目安の水準を並べます。
| 形態 | 報酬の目安 |
|---|---|
| 実技講習の指導補助 | 日給8,000円から2万円 |
| 資格スクールの講師 | 時間あたり3,000円から8,000円 |
| 企業研修 | 半日で3万円から10万円 |
| 個人指導 | 時間あたり3,000円から1万円 |
| 教材の執筆 | 一式で数万円から |
| オンライン講座 | 販売価格3,000円から3万円 |
企業研修の額が突出して見えますが、これは準備の負担と、依頼までの信用構築の期間を反映したものです。単価だけを見て飛びつくと、準備で消耗します。
教材の作り方
教える中身を持っていても、それを教材にする段階でつまずく方が多いので、手順を書きます。
第一に、受講者を一人に決めます。「実務経験のない二十代」と「経験十年だが第一種を受ける人」では、必要な説明がまったく違います。両方に向けようとすると、どちらにも刺さらない教材になります。
第二に、到達点を一つに絞ります。「複線図が書けるようになる」「施工条件の読み落としをなくす」といった具合です。欲張ると分量が膨らみ、作り終わりません。
第三に、つまずく箇所から逆算して構成します。教える側は体系から入りたくなりますが、受講者が知りたいのは自分がつまずいている一点です。ここを最初に扱うと、講座の満足度がはっきり上がります。
第四に、手を動かす場面を必ず入れます。聞くだけの講座は定着しません。書かせる、作らせる、答えさせる。この時間があるかどうかで、受講者の評価が変わります。
第五に、一度作ったら必ず誰かに試してもらいます。想定と実際のつまずきは、必ずずれます。三人に試すと、直すべき箇所がはっきり見えてきます。
資料の見せ方を補強する目的で、Adobe認定プロフェッショナル Adobe Expressのような資格を重ねる方もいます。教える中身が同じでも、資料が読みやすいかどうかで評価は変わります。
教えるときに踏み越えない線
講師の立場で話すことには、現場で話すのとは違う重さがあります。受講者は、講師の言葉を正しいものとして持ち帰るためです。
まず、資格でどこまでの作業ができるかという話は、断定を避けてください。電気工事士法は電気工作物の工事に従事できる者の範囲を定めており、資格の種類と工作物の区分で結論が変わります。業として電気工事を営む場合には、電気工事業の業務の適正化に関する法律による登録や届出の要否も関わってきます。講義では、これらの法令の名前を示したうえで、自分のケースを所轄の窓口で確認するよう案内する形が適切です。
次に、独立や副業の話です。受講者から「資格を取れば独立できますか」と聞かれる場面は必ず来ます。ここで安易に肯定すると、受講者が準備不足のまま動く原因になります。建設業法による許可の要否、電気工事業の登録、就業規則との関係。確認すべき論点を挙げて、判断は本人に返すのが誠実な対応です。制度の全体像をつかむには行政書士のような士業の解説も参考になります。
三つ目に、安全に関わる説明です。「実際の現場ではこうやることもある」といった、規程から外れる運用を教えるのは避けてください。講師が言ったという事実だけが受講者に残ります。現場の裏技めいた話は受講者に受けますし、講師としては場が温まる感触があります。だからこそ危険です。受けを取りにいった一言が、数年後に誰かの事故につながる可能性を常に想定しておく必要があります。
四つ目に、他社や他の講座の批判です。教える立場から特定の教材や事業者を否定的に評価すると、その内容が事実と異なっていた場合に責任が生じます。比較が必要なら、事実として確認できる範囲に限り、評価は受講者に委ねる形にしてください。
五つ目に、受講者の個人情報です。受講者名簿、答案、相談内容。これらをどう保管し、いつ破棄するかを決めておく必要があります。運営側から預かるものについては、扱いのルールを事前に確認してください。
講師として選ばれる人の条件
いくつかの現場を見ていると、選ばれ続ける人には共通点があります。
一つ目は、受講者のレベルに合わせられることです。同じ内容でも、相手が何を知らないかを把握して話し方を変えられる人は、どの現場でも重宝されます。逆に、自分の知識を順番に話すだけの人は、一回で終わります。
二つ目は、分からないことを分からないと言えることです。受講者からの質問には、答えを持たないものが混ざります。ここで曖昧にごまかす人より、「確認して次回答えます」と言える人のほうが信用されます。
三つ目は、時間を守ることです。当たり前に聞こえますが、講義が延びる講師は運営側にとって扱いにくい存在です。持ち時間で終える設計ができているかどうかは、二回目の依頼が来るかどうかに直結します。
四つ目は、教える以外の手間を減らすことです。資料を期日までに出す、受講者名簿を確認して来る、必要な備品を事前に伝える。運営側の負担が軽い講師には、継続して声がかかります。
キャリア系の資格を活かして教える側に回る流れは他の分野でも見られ、キャリアコンサルタント資格の活かし方|副業・独立ガイド【2026年版】やマンション管理士の副業|管理組合のコンサルティング【2026年版】にも同じ構造が現れています。
一年目をどう進めるか
順序を示しておきます。悩んでいる時間が最ももったいないので、そのまま使ってください。
最初の三か月は、実績を作る期間です。実技講習の指導補助か、個人指導のどちらかを選んで、まず一件受けます。報酬は二の次で構いません。ここで得たいのは「教えた実績」と「自分がどこで詰まるか」の把握です。
次の三か月は、教材を一つ作る期間です。指導補助や個人指導で見えたつまずき方をもとに、自分の説明の型を資料にします。この資料が、以降のすべての依頼で使い回せる資産になります。
その次の三か月は、単価を上げる期間です。実績と資料が手元にある状態で、スクールや研修の依頼に応募します。ここで初めて、講師経験を条件にしている案件が射程に入ります。
最後の三か月は、形を選ぶ期間です。対面が向いているのか、オンラインが向いているのか、教材の執筆が向いているのか。一年やってみると、自分がどれで消耗しないかが分かります。消耗しない形を選ぶことが、二年目以降を決めます。
この一年で気をつけたいのは、複数の形を同時に走らせないことです。指導補助と個人指導とオンライン講座と教材執筆を並行すると、準備がすべて中途半端になります。一つずつ足していくほうが、結果として早く進みます。
教える以外に必要になるもの
教える中身のほかに、実務として要るものを挙げます。
対面で教える場合は、教材の実物が必要になることがあります。技能試験の対策なら、器具、電線、工具の一式。受講者が持参する形式か、こちらが用意する形式かで負担が変わるので、引き受ける前に確認してください。用意する側になる場合は、その費用を報酬に織り込む必要があります。
オンラインで教える場合は、通信環境と音声の品質が要ります。映像の解像度より音のほうが受講者の負担に直結します。手元を映す必要がある内容なら、手元用のカメラも要ります。
どちらの形でも、資料を作る環境は必要です。作図と写真の加工ができれば十分で、高価なソフトは要りません。
そして、意外に見落とされるのが、契約と請求の準備です。企業研修や継続の依頼になると、見積書と請求書のやりとりが発生します。書式を一度作っておけば以後は使い回せますので、最初の依頼が来る前に準備しておくと慌てずに済みます。副業の始め方全般についてはキャリア・副業・人生相談のお仕事に関連する相談の形がまとまっています。
つまずきやすいところ
準備に時間がかかりすぎる
初回は必ず時間がかかります。ここで「割に合わない」と判断して辞めてしまう方が多いのですが、二回目以降の効率がまったく違うので、少なくとも同じ内容を三回使うまでは続けてみてください。
話す量が多すぎる
伝えたいことが多いほど、詰め込みたくなります。しかし受講者が持ち帰れる量には限りがあります。一回の講義で覚えて帰れるのは、多くても三つです。この前提で設計し直すと、講座は確実に良くなります。
現場の言葉で話してしまう
職人同士では通じる言い方が、受講者には通じません。特に実務経験のない受講者に対しては、専門用語を一つ使うごとに説明を添える意識が要ります。
受講者の反応を読み違える
うなずいているから分かっている、とは限りません。理解の確認は、質問を投げて答えさせる形でしか取れません。手を動かす時間を入れる理由の一つがここにあります。
教える仕事が向いていない人
公平を期すために、向いていない場合も書いておきます。
自分のやり方が唯一の正解だと考えている人には向きません。現場では判断の速さが価値になりますが、教える場では複数のやり方を提示できることが価値になります。受講者の職場では別の手順が標準かもしれない。その可能性を許容できないと、受講者は混乱します。
質問されることが煩わしいと感じる人にも向きません。教える仕事の中身は、実質的には質問に答え続けることです。想定外の質問が来るほど良い講義になる、と考えられるかどうかが分かれ目になります。
準備を軽視する人も続きません。現場の経験が豊富なほど「その場で話せる」と考えがちですが、受講者の時間を預かっている以上、構成を用意せずに立つのは職務怠慢にあたります。一回目で運営側にそう判断されると、次はありません。
運営者として見てきたこと
在宅とフリーランスの市場を長く運営してきた立場から、教える仕事について二点を書きます。
一つは、教える仕事が本人の実務にも効いているという点です。人に説明するために知識を整理すると、自分の理解の穴が見えます。講師をやり始めてから現場での判断が速くなった、という話は繰り返し聞きます。副業として見ると単価は他の在宅職種と大きく変わりませんが、本業への還元まで含めると割の良さは別物になります。
もう一つは、手取りの構造です。仲介の手数料が乗らない直接取引の形では、依頼する側は同じ予算でより多くの回数を頼めて、受ける側は同じ講義で残る額が厚くなります。手数料0%という条件は金額の話に見えますが、実際には「同じ準備時間で何が残るか」という質の話です。準備が原価の大半を占める講師の仕事では、この差の効き方が特に大きくなります。
そして、長く依頼が続いている人は、教える技術で選ばれているのではなく「この人に任せると運営が楽」と思われている人です。資料が期日に出る、質問に確実に返る、時間内に終わる。教える中身は前提として、その周りにある地味な信頼が仕事を連れてきます。資格と実務経験を持っている時点で、教える中身はもう手元にあります。あとは、どの形から始めるかを決めるだけです。技術系の副業全般の相場観を知りたい場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場も比較の材料になります。
よくある質問
Q. 教員免許や指導経験がなくても講師になれますか?
なれます。実際の募集要項にも、教員免許と指導経験を不要とし、電気や電子の知識がある方を歓迎するものがあります。求められているのは教え方の技術ではなく、教える中身を持っていることです。ただし企業研修は講師経験が歓迎条件に入ることが多く、実績を作ってから移るほうが順調に進みます。
Q. 本業がある場合、どの形から始めるのが現実的ですか?
実技講習の指導補助、資格スクールの講師、個人指導、教材の執筆の四つです。指導補助は開催日だけの拘束、スクールと個人指導は夜と土日が中心、教材の執筆は在宅で完結します。職業訓練校の非常勤は平日昼が中心なので、本業と並行するのは難しくなります。
Q. 報酬の目安はどのくらいですか?
実技講習の指導補助が日給8,000円から2万円、資格スクールの講師が時間あたり3,000円から8,000円、企業研修が半日で3万円から10万円、個人指導が時間あたり3,000円から1万円が目安です。初回は準備に時間がかかるため、同じ内容を何回使えるかで実質の単価が変わります。
Q. 講義で資格の範囲について説明してもいいですか?
説明はできますが、断定は避けてください。電気工事士法は資格の種類と工作物の区分で従事できる作業の範囲を定めており、業として営む場合は電気工事業の業務の適正化に関する法律も関わります。法令の名前を示したうえで、受講者自身が所轄の窓口で確認するよう案内する形が適切です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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