【重要】PHPの脆弱性、うちのサイトは大丈夫?今すぐチェック

デリバティブの資格|種類と内容

@SOHO編集部
@SOHO編集部
デリバティブの資格|種類と内容

この記事のポイント

  • ✓仕事で取引を扱うための一種外務員資格
  • ✓分析やリスク管理の力を示すCMAやFRM
  • ✓入門の通信講座に分けて整理しました

デリバティブの資格を調べ始めると、「デリバティブ検定」のような名前の試験が見つからず、どれを取ればよいのか迷う人が多いはずです。結論から書くと、日本には「デリバティブ」という名前の国家資格や代表的な検定はありません。デリバティブを仕事で扱うための資格は、日本証券業協会の一種外務員資格が中心で、分析やリスク管理の力を示したいなら証券アナリスト(CMA)やFRM、基礎を学ぶだけなら通信講座、という形で目的ごとに分かれています。

この記事では、デリバティブに関係する資格を目的別に整理し、それぞれの試験の中身、受験料、合格率、勉強の進め方、取るメリットとデメリットを、主催団体の公式の情報に沿って説明します。最初に全体を表で示します。

目的 候補になる資格・講座 主催
証券会社などでデリバティブ取引を勧誘・販売する 一種外務員資格 日本証券業協会
銀行や保険会社の役職員として証券業務を行う 特別会員一種外務員資格 日本証券業協会(役職員のみ受験)
暗号資産のデリバティブ取引を扱う会社で働く 外務員資格(暗号資産等関連デリバティブ取引) 日本暗号資産等取引業協会(会員の従業員のみ)
企業分析や運用の力を体系的に示す 証券アナリスト(CMA) 日本証券アナリスト協会
金融機関のリスク管理の力を国際的に示す FRM GARP(米国)
資格ではなく基礎知識を身につける デリバティブの通信講座 金融財政事情研究会(きんざい)など

デリバティブの資格を探す前に知っておきたいこと

デリバティブとは、株式や債券、金利、為替といった元になる資産(原資産)の値動きをもとに価値が決まる取引のことです。日本語では「金融派生商品」と訳されます。代表的なものに、将来の売買の値段を今決めておく「先物取引」、決められた値段で売買する権利をやりとりする「オプション取引」、金利や通貨の支払いを交換する「スワップ取引」があります。

デリバティブは、証券会社のトレーディング部門だけの話ではありません。輸出入をする会社が為替の変動に備えて通貨オプションを使ったり、銀行が企業に金利スワップを提案したり、住宅ローンの商品に組み込まれたりと、金融機関の幅広い部署で使われています。きんざいの通信講座の案内でも、スワップやオプションを組み合わせたデリバティブは住宅ローン商品でも使われ、金融機関の職員にとって必須の知識になっていると説明されています。

そのため、デリバティブの資格を探している人は、大きく3つのタイプに分かれます。

  • 証券会社や銀行に就職・転職し、デリバティブ商品をお客さまに説明・販売する立場になる人
  • 運用、リスク管理、市場分析など、デリバティブの値付けや評価に関わる仕事を目指す人
  • 投資や金融の記事を書く、社内の研修で必要になったなど、知識として基礎を押さえたい人

ここで大事なのは、1つ目のタイプにとって資格は「あると有利」ではなく「ないと仕事ができない」ものだという点です。日本証券業協会は、証券業務に従事するためには外務員資格試験に合格し、外務員として登録を受けることが必要だと説明しています。一方、2つ目と3つ目のタイプにとっての資格は、知識の証明や学習の道しるべという意味合いが強くなります。自分がどのタイプかを先に決めると、どの資格を選ぶかがほぼ決まります。

市場の規模を見ても、デリバティブの知識を持つ人の需要は小さくありません。日本証券業協会が公表している一般受験者の数は、一種外務員資格試験だけで2025年度に7,408名でした。この数字には会社を通じて受ける証券会社や銀行の社員は含まれておらず、金融業界の外から知識を身につけようとする人が毎年これだけいることを示しています。

デリバティブを扱う仕事の入口になる一種外務員資格

外務員とは、日本証券業協会に加入している証券会社や銀行などに所属し、お客さまに金融商品を勧誘したり販売したりする役職員のことです。外務員資格にはいくつか種類がありますが、デリバティブ取引を扱えるのは一種外務員資格です。協会の説明では、二種外務員資格は現物の株式などを扱えますが、信用取引やデリバティブ取引のようなリスクの高い商品は扱えません。一種外務員資格はその上級資格で、信用取引とデリバティブ取引を含めたすべての有価証券について外務員の職務を行うことができます。

試験の概要は次のとおりです。

項目 一種外務員資格試験 二種外務員資格試験
問題数 100問(〇✕方式70問、五肢選択方式30問) 70問(〇✕方式50問、五肢選択方式20問)
試験時間 2時間40分 2時間
合格基準 440点満点の7割(308点)以上 300点満点の7割(210点)以上
受験料(一般、税込) 12,169円 12,169円
実施方法 パソコンで解答するCBT方式、通年 同左

〇✕方式の問題は1問2点、五肢選択方式の問題は1問10点です。五肢選択の中には計算問題もあり、配点が大きいので、ここで点を落とすと合格が遠のきます。出題科目は、法令や諸規則、株式・債券・投資信託などの商品業務、証券市場の基礎知識や証券税制などの関連科目で、一種だけに「デリバティブ取引」の科目が加わります。

受験は、一般の人も受けられます。一般受験の申込みは、協会から委託を受けたプロメトリック社のサイトで行います。試験日の60日前から5営業日前まで予約でき、土日・祝日と年末年始を除いて通年で受けられます。プロメトリック社の案内には、試験の性格が次のように書かれています。

日本証券業協会の協会員である証券会社および銀行等の役職員を対象とした外務員資格試験を一般に開放したものです。 なお、外務員になるには、証券会社または銀行等に就職した後、氏名等の登録を受けることが法律で義務付けられており、試験に合格しても登録が完了しなければ外務員として営業活動を行うことはできません。 出典: プロメトリック「外務員資格試験」

合格率は、一般受験者について協会が公表しています。2025年度の一種外務員資格試験は受験者7,408名、合格者5,418名で、合格率は73.1%でした。2024年度は受験者6,903名、合格者5,038名で73.0%です。二種は2025年度が68.1%、2024年度が64.5%でした。上級資格の一種のほうが合格率が高いのは意外に見えますが、一種を受ける人には二種の合格者や金融機関への就職が決まった人など、準備の進んだ人が多いためと考えられます。合格率が7割あるからといって、勉強なしで受かる試験ではありません。

なお、2025年11月に廃止された「金融商品取引業基礎試験」に合格していて、一種・二種の外務員資格を持っていない人は、2026年1月から12月の間に一般の外務員資格試験を受ける場合、申請すれば受験料のうち3,000円(税込)が一度だけ返還されます。該当する人は、受験の申込み後、受験日の前日までに日本証券業協会の資格管理部へ連絡する決まりになっています。

外務員資格の種類とデリバティブを扱えるかどうか

外務員資格は、扱える業務の種類によって6つに分かれています。デリバティブとの関係で整理すると次のようになります。

資格 誰が受けられるか デリバティブ取引
一種外務員 誰でも 扱える
二種外務員 誰でも 扱えない
信用取引外務員 協会員の役職員 信用取引に限る
特別会員一種外務員 銀行等の預金取扱金融機関や保険会社等の役職員 登録金融機関の業務の範囲で扱う
特別会員二種外務員 同上 扱えない
特別会員四種外務員 試験は廃止 天候デリバティブなど一部に限る

特別会員の資格は、銀行や保険会社などの登録金融機関で働く人のためのものです。日本証券業協会の用語集では、特別会員四種外務員について、投資信託の取引や天候デリバティブ取引などに関わる外務員の職務を行える者と説明しており、その試験は現在廃止されています。協会は、特別会員一種・二種・四種の資格は証券会社の外務員資格としては有効ではないとも明記しています。銀行で取った特別会員の資格を持って証券会社に転職すると、一種外務員を取り直すことになります。

暗号資産のデリバティブ取引は、別の協会の資格になります。日本暗号資産等取引業協会が実施する「外務員資格試験(暗号資産等関連デリバティブ取引)」は、試験の運営を担う日本通信紙のサイトで次のように案内されています。受験資格は協会の会員に所属する従業員で、一般の人は受けられません。

登録外務員は、法令等を遵守し、投資者保護に努めることを理解している必要があるため、その確認のための試験です。 出典: 日本通信紙 CBT「外務員資格試験(暗号資産等関連デリバティブ取引)」

同じページによると、試験は全60問の2者択一で試験時間60分、合格基準は70%以上、受験料は8,000円(税別)です。暗号資産の取引所で働くことが決まった人が、入社後に会社を通じて受ける試験と考えておくとよいでしょう。

もう1つ知っておきたいのが、外務員の資格と登録は別物だという点です。外務員資格は、法令違反などで取り消されない限り失効せず、退職や転職をしても有効です。ただし、実際に外務員として働くには、所属する会社を通じて協会に登録の申請をし、登録を受ける必要があります。登録を受けた人は、原則として登録から5年ごとに資格更新研修を受けなければならず、新たに登録された人は原則180日以内に受講します。研修を期限内に終えないと資格が停止され、さらに放置すると取り消されます。会社に所属していない人は研修の対象外で、資格が取り消されることはありません。

一種外務員の勉強の進め方

一種外務員資格試験は、範囲が広い一方で、出題の多くが基本的な知識を問う〇✕問題です。勉強の順序を決めておくと、限られた時間で合格点に届きやすくなります。

協会は、外務員に求める知識の範囲を「外務員必携」という教材の目次で示しており、試験問題は直近の法令や諸規則に基づいて出題すると説明しています。市販の問題集を使う場合も、出版年が新しいものを選び、法令の改正が反映されているかを確かめてから使いましょう。

1か月半から2か月で準備する場合の進め方の例を示します。

  1. 最初の1週間は、法令・諸規則の分野を通して読む。〇✕問題の多くはここから出るため、点を稼ぐ土台になる
  2. 次の2週間で、株式・債券・投資信託の商品業務を学ぶ。用語の意味と取引の仕組みを押さえる
  3. その次の2週間で、デリバティブ取引の科目に取り組む。先物、オプション、スワップの仕組みと、損益の計算方法を図に描いて理解する
  4. 残りの期間で、財務諸表、証券税制、経済の基礎などの関連科目を固めながら、模擬試験を時間を計って解く

デリバティブの科目でつまずきやすいのは、オプションの損益です。たとえばコール・オプション(決められた値段で買う権利)を買った人は、原資産の値段が権利行使の値段とオプションの代金の合計を上回ったときに利益が出ます。プット・オプション(決められた値段で売る権利)はその逆です。文字だけで覚えようとせず、横軸に原資産の値段、縦軸に損益をとったグラフを自分で描くと、売り手と買い手の損益が左右対称になる関係が見えてきます。

先物取引とスワップ取引も、同じように具体的な場面で覚えると定着します。先物取引は、将来の売買の値段を今の時点で約束しておく取引で、約束した値段と実際の値段の差が損益になります。スワップ取引は、たとえば変動金利で借りている会社が、変動金利の支払いと固定金利の支払いを銀行と交換し、将来の金利の上昇に備える、といった使われ方をします。試験では、こうした取引の仕組みに加えて、取引所で行う取引と相対(あいたい)で行う店頭取引の違い、証拠金の考え方も問われます。用語を1つ覚えるたびに「誰が、何のために使うのか」を一言で書き添えておくと、〇✕問題のひっかけにも強くなります。

計算問題は、配点が1問10点と大きいので、必ず電卓を使って手を動かして練習しましょう。CBT方式の試験では、画面上で解答を選ぶ形になるため、紙の問題集だけで練習していると時間配分がつかみにくくなります。模擬試験は、本番と同じ2時間40分を計って最低2回は通しで解いておくと、当日の時間切れを防げます。

勉強の時間は、金融の知識がない人ほど長めに見積もってください。二種を先に取ってから一種に進む人もいますが、デリバティブを扱う仕事を目指すなら、最初から一種を受けるほうが受験料も時間も1回分で済みます。

申込みから試験当日までの流れと注意点

一般の人が一種外務員資格試験を受けるときの流れを、プロメトリック社の案内に沿って整理します。初めてCBT方式の試験を受ける人は、手続きの段階でつまずかないよう、先に全体を確認しておきましょう。

  1. プロメトリック社のサイトで受験者のIDを作成する
  2. 受けたい会場と日時を選んで予約する(試験日の60日前から5営業日前まで)
  3. クレジットカード、コンビニエンスストア、Pay-easyのいずれかで受験料を支払う
  4. 試験当日、受付の時間内に会場へ行き、本人確認書類を提示する
  5. 試験終了時の画面で試験結果(正解率)を確認する。あとで登録したメールアドレスに受験結果通知が届く

注意したいのは、予約のあとに変更できることが限られている点です。案内では、試験予約のキャンセル、支払った受験料の返金、試験科目の変更、受験者の変更には応じないとしています。一種と二種を取り違えて申し込むと、そのまま受けるしかありません。予約の画面では、試験の名前を必ず確かめてから支払いに進みましょう。また、受験料の支払いが終わっていない予約は日時を変更できないので、予約したらすぐに支払いを済ませておくと安心です。

当日の受付は、試験開始時間の30分前から15分前までです。受付に遅れると受験できません。所定の本人確認書類を提示できない場合も受験できないので、運転免許証やマイナンバーカードなど、案内で認められている書類を前日までに用意しておきます。台風などの悪天候で急に開催を取りやめる会場もあるため、当日の朝にプロメトリック社のサイトで会場の開催状況を確認しておくと、無駄足を防げます。

不合格だった場合も、また予約を取り直して受験できます。CBT方式の良い点は、次の受験日を自分で選べることです。苦手だった分野を2週間ほどで立て直してから再び受けると、勉強した内容を忘れないうちに合格を狙えます。なお、日本証券業協会は、不正な手段で受験した人に対して試験の停止や合格の取消しを行うことがあると定めています。替え玉受験や問題の持ち出しの誘いには絶対に乗らないでください。

履歴書の資格欄の書き方

一種外務員資格を取ったら、履歴書の資格欄には試験の正式な名前で書きます。日本証券業協会の案内での名前は「一種外務員資格試験」です。主催団体の名前を前に付けると、読み手にどの資格かが伝わりやすくなります。

年 月 免許・資格
2026 9 日本証券業協会 一種外務員資格試験 合格
2026 10 日本証券アナリスト協会 証券アナリスト第1次試験 科目I 合格

年月は、試験に合格した年月を書きます。外務員の登録を受けている場合は、職務経歴書の中で「一種外務員として登録」と書き分けると、資格を持っているだけなのか、実際に外務員として働いていたのかが伝わります。採用する側にとって、この違いは大きな判断材料になります。

通信講座を修了した場合は、資格欄ではなく、職務経歴書の自己啓発の欄に「金融財政事情研究会 デリバティブがよくわかる講座 修了」のように書くのが自然です。CMAの第1次試験は科目ごとに合格するので、途中まで合格している場合は、合格した科目を書いておくと勉強の進み具合を示せます。

分析やリスク管理の力を示す資格

デリバティブを売る側ではなく、値付けや評価、リスクの管理をする側を目指すなら、外務員資格だけでは足りません。この分野で名前が挙がるのが、日本証券アナリスト協会の証券アナリスト(CMA)と、米国のGARPが認定するFRMです。

証券アナリスト(CMA)

CMAは、企業の決算書の分析から、株式や債券の値打ちの判断、資産運用までを体系的に学ぶ資格です。デリバティブだけを扱う資格ではありませんが、運用の仕事ではデリバティブを使ったリスクの調整が欠かせないため、金融機関で分析や運用を目指す人の多くが取り組みます。協会は取り方を次のように説明しています。

CMA資格の取得にはまず、第1次レベル講座(6つの学習分野)を一括受講する必要があります。受講終了後、第1次試験を3科目受験して全科目に合格すれば、第2次レベル講座を受講できます。 出典: 日本証券アナリスト協会「資格・教育体系」

講座を受講しないと試験を受けられない仕組みで、第1次レベル講座の受講料は、法人会員などの役職員が63,000円、一般の受講者が69,000円(いずれも消費税込み)です。第2次試験に合格したあと、実務経験が3年以上と認められて協会に入会すると、CMAを名乗れます。試験の日程や合格率、第2次試験の中身は、別の記事で詳しく扱っている内容なので、ここでは「講座の受講が前提で、数年がかりの資格」とだけ押さえておけば十分です。

FRM

FRM(Financial Risk Manager)は、金融機関のリスク管理の専門家を認定する国際資格です。GARPの公式サイトによると、2つの択一式の試験に合格し、関連する仕事の経験が少なくとも2年あることを示すと認定されます。Part Iは100問で、リスク管理の基礎、数量分析、金融市場と金融商品、評価とリスクのモデルを扱います。Part IIは80問で、市場リスク、信用リスク、オペレーショナル・リスクなど、Part Iの道具を実務に当てはめる内容です。試験は毎年5月、8月、11月に世界各地の会場で行われます。

FRMの試験は英語で行われます。デリバティブの価格の決まり方や、損失がどこまで膨らみうるかを測る考え方を深く問われるため、外資系の金融機関や、銀行のリスク管理部門を目指す人に向いています。費用は申込みの時期で変わるので、GARPの公式サイトで最新の金額を確かめてください。

CMAとFRMのどちらを選ぶかは、働きたい場所で決まります。日本の金融機関で日本語の実務をするならCMA、英語で海外のリスク管理の基準に沿って働くならFRM、と考えると迷いにくくなります。

資格ではなく講座で基礎を固める方法

デリバティブの仕組みを知りたいだけなら、試験のある資格にこだわる必要はありません。金融機関の職員向けの通信講座で、体系的に学ぶ方法もあります。

たとえば、きんざいの「デリバティブがよくわかる講座」は、受講期間3か月、テキスト2冊、添削3回の通信講座で、受講料は15,400円(税込)です。公式の案内では、受講対象者を若手・中堅の融資・渉外担当者や窓口の相談業務の担当者としています。内容は、第1分冊で金利スワップ、通貨スワップ、通貨オプション、金利オプション、先物取引、デリバティブのリスクを扱い、第2分冊でキャップ付ローンやカラーローンのような商品の使い方、輸出企業や輸入企業の為替リスクへの備え、デリバティブ取引の会計と税務を事例で学ぶ構成です。修了すると、FP技能士などの継続学習のポイント(6ポイント)にも数えられます。

講座で学ぶ方法の良い点は、試験の合否を気にせず、自分の仕事に関係する部分を深く読めることです。銀行で法人のお客さまを担当していて、金利スワップの提案書を読めるようになりたい、輸出企業の経理担当として為替予約とオプションの違いを理解したい、といった具体的な目的がある人には、資格よりも講座のほうが早く役に立ちます。

一方で、講座の修了は資格ではないので、履歴書の資格欄に書いても、外務員資格のような「この仕事をしてよい」という意味は持ちません。転職でデリバティブの知識を示したいなら、講座で基礎を固めたうえで一種外務員資格を取る、という順序がおすすめです。

デリバティブの資格を取るメリットとデメリット

資格ごとの特徴を踏まえて、取るメリットとデメリットを整理します。

メリット

  • 一種外務員資格があれば、証券会社や銀行でデリバティブを含むすべての有価証券の勧誘・販売の職務を行える(登録を受けることが前提)
  • 一種外務員資格は法令違反などで取り消されない限り失効しないので、転職や退職をしても資格自体は残る
  • 金融業界への就職や転職で、入社後に取る必要がある資格を先に持っていることを示せる
  • CMAやFRMは、分析やリスク管理の力を体系的に学んだ証明として、専門職への道を広げる
  • 先物やオプションの損益の考え方が身につくので、自分の資産運用でも商品の仕組みを理解してから判断できるようになる

デメリット

  • 外務員資格は、合格しても会社に所属して登録を受けなければ外務員として働けない。個人で独立して使える資格ではない
  • 一種外務員の受験料は一般で12,169円かかり、キャンセルや返金はできない
  • CMAは講座の受講料だけで一般69,000円かかり、称号を名乗るまでに3年以上の実務経験が必要
  • FRMは英語の試験で、日本語の教材が限られる
  • デリバティブの知識は、資格を取ったあとも商品や規制の変化に合わせて学び直す必要がある

特に注意したいのは、外務員資格の扱いです。証券会社の求人の中には「入社後に資格取得」と書かれているものが多く、未経験で入社して会社の研修で取る人もいます。就職先が決まっていない段階で取ることの価値は、「金融の基礎を一通り学んだ証明」と「入社後の負担を減らせる」の2点だと考えておくと、期待と実際の差が小さくなります。

デリバティブの知識を仕事に生かす道

資格を取ったあとの使い道は、勤め先で働く場合と、業務委託や副業で使う場合とで分かれます。

勤め先で生かす

証券会社のリテール営業では、一種外務員資格があると先物やオプション、仕組債のような複雑な商品まで扱えるようになります。銀行の法人営業では、金利スワップや為替予約を使った企業のリスクへの備えの提案に、デリバティブの知識が直接役立ちます。運用会社やリスク管理部門では、CMAやFRMの知識が日々の分析の土台になります。事業会社でも、輸出入の多い会社の財務部門では、為替の変動に備える取引を判断できる人が重宝されます。

業務委託や副業で生かす

在宅の副業として現実的なのは、金融や投資の知識を生かした文章の仕事です。証券会社や金融メディアの解説記事、投資信託や先物の仕組みを説明する記事、金融機関の研修資料の作成などは、外務員資格の勉強で身につけた知識がそのまま使えます。金融の記事は、誤った説明が読者の損失につながるため、発注側も専門知識のある書き手を探しています。

金融の記事の仕事を始めるなら、書いた記事を見せる準備から始めましょう。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績が少ない段階でも作れる見本記事の選び方と、案件ごとに見せる記事を入れ替える方法をまとめています。デリバティブの解説記事を1本書いて見本にすると、専門性を示す材料になります。単価を上げたい段階に入ったら、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で、専門分野に絞って単価を交渉していく手順を確かめてください。

ただし、気をつけたいことがあります。外務員として登録されていない人が、個人で特定の金融商品の売買を勧めることはできません。また、金融商品取引法では、お金を受け取って個別の投資判断を助言する仕事には、投資助言・代理業の登録が必要とされています。副業で書く記事は、仕組みや一般的な知識の解説にとどめ、「この銘柄を買うべき」といった個別の推奨にならないよう注意しましょう。判断に迷う内容は、発注元の金融機関やメディアの法務担当と確認してから書くのが安全です。

文章の力も同時に示したいなら、ビジネス文書検定の情報も参考になります。ビジネス文書の書き方や表記の決まりを問う検定で、金融機関の研修資料や報告書を作る仕事との相性がよい資格です。

在宅ワークの仲介を続けてきた立場から見た傾向

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、金融の専門知識を在宅の仕事に生かして長く続く人には共通点があります。資格の名前を並べるよりも、「この人に頼むと、専門用語をかみくだいた正確な説明が返ってくる」という信頼を、1件ずつの納品で積み上げていることです。デリバティブのように説明の難しい分野ほど、正確さとわかりやすさを両立できる人は限られており、継続の依頼につながりやすい傾向があります。

報酬の受け取り方も、続けられるかどうかに影響します。中間のマージンが乗らない直接の取引では、発注する側は同じ予算でより多くの記事や資料を頼め、受ける側は手元に残る金額が厚くなります。手数料0%で直接やりとりできる仕組みは、金額の大小よりも、双方が無理なく取引を続けられるという点で意味を持ちます。

金融の知識を生かせる仕事の幅を知りたい人は、近い分野の情報も見ておくと選択肢が広がります。研究者の年収・単価相場では、調査や分析を仕事にする人の報酬の水準を確認できます。市場や企業を調べて分析する力は、研究職の仕事とも重なる部分が多い力です。また、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務の中でAIを使う方法を企業に提案する仕事の内容がまとめられています。金融機関の業務とAIの両方を理解している人の需要は、今後さらに伸びていく分野です。

デリバティブの資格選びで迷ったら、まず「デリバティブを売る側か、分析する側か、知識として学ぶ側か」を決めてください。売る側なら一種外務員資格、分析する側ならCMAやFRM、知識として学ぶなら通信講座、という順に考えれば、遠回りせずに必要な資格にたどり着けます。

よくある質問

Q. デリバティブの資格で一番取りやすいのはどれですか?

一般の人が受けられて、デリバティブ取引を扱えるようになる資格は日本証券業協会の一種外務員資格です。100問の試験で、440点満点の7割(308点)以上で合格します。2025年度の一般受験者の合格率は73.1%でした。受験料は12,169円(税込)で、パソコンで受けるCBT方式なので通年で受験できます。

Q. 一種外務員資格に合格すれば、すぐにデリバティブの営業ができますか?

できません。外務員として働くには、証券会社や銀行などに所属し、その会社を通じて日本証券業協会に登録を受ける必要があります。資格は取り消されない限り有効なので、先に合格しておき、就職してから登録を受けるという順序はとれます。登録後は原則5年ごとに資格更新研修を受けます。

Q. 二種外務員と一種外務員はどちらから受けるべきですか?

デリバティブを扱う仕事を目指すなら、最初から一種を受けるのがおすすめです。二種では信用取引やデリバティブ取引を扱えないため、あとから一種を受け直すと受験料と時間が二重にかかります。一般受験の受験料はどちらも12,169円です。金融の基礎から不安がある場合だけ、二種で試験の形式に慣れる方法もあります。

Q. デリバティブの知識は在宅の副業に生かせますか?

金融や投資の解説記事、金融機関の研修資料の作成など、文章の仕事で生かせます。ただし、外務員として登録されていない人が特定の商品の売買を勧めることはできず、お金を受け取って個別の投資判断を助言するには投資助言・代理業の登録が必要です。記事は仕組みの解説にとどめ、個別の推奨にならないようにしましょう。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月9日最終更新:2026年11月2日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方