電話でのクレーム対応の進め方|最初の受け答えと記録の残し方


この記事のポイント
- ✓電話でのクレーム対応を
- ✓その場で答えられないときの折り返し
- ✓記録の残し方の順に説明します
電話でのクレーム対応は、相手の表情が見えず、その場で答えを求められ、話した内容が記録に残りにくいという点で、メールや対面よりも難しいと感じる人が多い仕事です。最初の受け答えを誤ると、相手の怒りが大きくなり、話が長引きます。一方で、受け答えの順番と、記録の残し方を決めておけば、初めて担当する人でも落ち着いて対応できるようになります。
この記事では、電話でのクレーム対応の進め方を、最初の受け答え、事実の聞き取り、その場で答えられないときの折り返しの約束、記録の残し方の順に説明します。2026年10月1日から事業主の義務になったカスタマーハラスメント対策の内容と、正当なクレームとの線引きも、厚生労働省の資料に沿って整理します。受け付けた苦情を担当と状況つきで管理し、返信まで回したい人向けに、フォームと受付管理のサービスHalictも、記録を回す方法の1つとして後半で紹介します。
電話のクレーム対応が難しくなる3つの理由
電話のクレーム対応がほかの手段より難しくなる理由は、大きく3つあります。
1つ目は、相手の表情や様子が見えないことです。対面なら、相手がどのくらい怒っているのか、こちらの説明に納得しかけているのかを表情から読み取れます。電話では、声の調子と言葉だけが手がかりになります。そのため、こちらの言葉の選び方や話す速さが、対面以上に相手の受け取り方を左右します。
2つ目は、その場での答えを求められることです。メールなら、内容を確かめ、上司に相談してから返信できます。電話では、相手は今すぐ答えてほしいと考えています。分からないことをその場で答えようとして、確かめていない約束をしてしまうと、あとで大きな問題になります。
3つ目は、話した内容が記録に残りにくいことです。メールなら文面がそのまま残りますが、電話は聞いた人の記憶とメモに頼ることになります。担当が代わったときに「前の人にはこう言われた」と言われても、何を話したのかを確かめられなければ、対応の続きができません。
この3つを踏まえると、電話のクレーム対応で大切なのは、話し方の上手さよりも、決まった順番で受け答えをすること、その場で約束してよいことと持ち帰ることを分けること、話した内容をその場で記録することの3点だと分かります。
電話を受ける前に用意しておくもの
クレームの電話は、いつかかってくるか分かりません。受けてから慌てないように、次のものを手元に用意しておくと、最初の受け答えに集中できます。
- 受付票かメモの用紙。後で説明する記録の項目を印刷しておき、電話を受けたらそのまま埋めていけるようにする。パソコンで記録する場合も、入力の画面をすぐ開ける状態にしておく
- 商品やサービスの基本の情報。料金、保証の期間、返品や交換の条件、よく聞かれる質問への答えなど。相手に正確な情報を伝えるための手元の資料になる
- 相談先の一覧。自分で判断できないときに、誰に代わってもらうか、どの部署に確認するかを一覧にしておく。担当者の不在の時間帯の連絡先も書いておく
- 注文や契約を調べる画面。注文番号や名前から、すぐに相手の情報を確かめられるようにしておく
もう1つ大切なのが、自分の気持ちの準備です。クレームの電話は、相手の怒りが自分に向けられているように感じやすいものですが、相手が怒っているのは多くの場合、起きた出来事に対してです。「自分が責められているのではなく、困っている人の話を聞いている」と考えると、落ち着いて話を聞きやすくなります。
職場で電話を受ける人が複数いる場合は、受け答えの流れと言い換えの例を、1枚の紙にして全員で共有しておくと、誰が受けても同じ水準で対応できます。新しく入った人も、その紙を見ながら受け答えを練習できます。
最初の受け答えの流れ
電話でクレームを受けたときの最初の受け答えは、次の5つの順番で進めると、相手の話を落ち着いて聞けます。
- 名乗る。会社名や部署名に加えて、自分の名前をはっきり伝える。「誰と話しているのか」が分かると、相手は落ち着きやすい
- 不快な思いをさせたことにお詫びする。この段階では、事実が分かっていないので、こちらに落ち度があると認めるお詫びではなく、「ご不便をおかけして申し訳ございません」のように、相手が困っていることへのお詫びにとどめる
- 相手の話を最後まで聞く。途中で言い訳や説明を挟まず、相づちを打ちながら、相手が言い終えるまで聞く
- 事実を確かめる。いつ、何が、どうなったのか、相手が何を求めているのかを、質問しながら整理する
- 次の対応を約束する。その場で答えられることは答え、答えられないことは、いつまでに誰から連絡するかを約束する
2つ目のお詫びの言葉は、使い分けが大切です。「こちらのミスで申し訳ございません」と言ってしまうと、事実を確かめる前に落ち度を認めたことになり、あとで事実が違った場合に話がこじれます。一方で、まったくお詫びをしないと、相手は「話を聞く気がない」と受け取ります。最初は、相手が不便や不快を感じていることに対してお詫びし、事実を確かめてから、こちらに落ち度があった部分について改めてお詫びする、という二段階にすると、両方の失敗を避けられます。
3つ目の「最後まで聞く」は、簡単なようで難しいところです。相手の話に事実と違う部分があっても、途中で訂正すると、相手は「話を遮られた」と感じます。訂正が必要な点はメモしておき、相手が話し終えてから、「確認させていただきたいのですが」と切り出して確かめます。
言ってよい言葉、避けたい言葉
電話では言葉だけが頼りになるため、何気ない一言が相手の受け取り方を大きく変えます。よく使われる場面ごとに、言い換えの例を整理しておきます。
| 避けたい言い方 | 言い換えの例 | 理由 |
|---|---|---|
| 「でも」「ですが」で話し始める | 「おっしゃるとおり、ご不便をおかけしました。そのうえで確認させてください」 | 否定から入ると、反論されたと受け取られる |
| 「規則なので」 | 「こちらの対応は〇〇という理由で決まっております」 | 理由のない「規則」は、突き放されたと感じさせる |
| 「担当ではないので分かりません」 | 「担当の者に確認し、〇時までにご連絡いたします」 | たらい回しにされたと感じさせる |
| 「おそらく」「〜だと思います」 | 「確認してからお答えいたします」 | 推測の答えは、あとで約束として扱われることがある |
| 「少々お待ちください」のまま長く待たせる | 「確認に5分ほどかかります。折り返しお電話してもよろしいでしょうか」 | 待つ時間が分からないと、怒りが大きくなる |
話す速さと声の高さにも気をつけます。相手が早口で怒っているときに、こちらも早口になると、言い争いのような雰囲気になります。こちらは少しゆっくり、低めの声で話すと、相手の話す速さも落ち着いてくることが多いものです。
相手の言葉をくり返して確かめる「復唱」も、電話では特に役に立ちます。「〇月〇日に届いた商品の箱がつぶれていて、中の部品が割れていた、ということでよろしいでしょうか」と確かめると、聞き間違いを防げるだけでなく、相手に「話をきちんと聞いてもらえた」と感じてもらえます。
よくある場面ごとの受け答えの例
ここまでの流れを、よくある場面に当てはめた受け答えの例を紹介します。言葉は職場の決まりや相手に合わせて調整してください。
商品が壊れて届いた場合。まず「ご不便をおかけして申し訳ございません」とお詫びし、注文番号と、どの部分がどう壊れていたかを聞き取ります。写真を送ってもらえるかを確かめると、事実の確認が早く進みます。交換や返金の条件が決まっている場合は、その場で案内できますが、条件に当てはまるかどうかの判断に迷うときは、「確認して、本日中にご連絡いたします」と折り返しを約束します。
届くのが遅れている場合。配送の状況を調べられるなら、その場で調べて伝えます。調べられない場合は、「配送の状況を確認し、〇時までにご連絡いたします」と伝えます。相手が急いでいる理由(贈り物の日が決まっている、など)を聞いておくと、配送の会社への確認や、代わりの手段の検討に役立ちます。
担当者の態度についての苦情の場合。いつ、どの担当者が、どんな言動をしたのかを聞き取ります。その場で担当者をかばったり、反対に責めたりせず、「お聞かせいただきありがとうございます。事実を確認し、責任者から改めてご連絡いたします」と伝えます。社内で事実を確かめる前に、担当者の落ち度を認めないように気をつけます。
返金や補償を強く求められた場合。決まりの範囲で応じられることと、応じられないことを分けて説明します。応じられないことについては、理由を添えて伝えます。決まりの範囲を超える要求が繰り返される場合は、自分だけで判断せず、上司に代わってもらうか、持ち帰って社内で判断します。その場で「検討します」と言うと、応じる約束と受け取られることがあるので、「社内で確認のうえ、お返事いたします」のように、結論を約束しない言い方を選びます。
事実の聞き取りで確かめる項目
最初の受け答えの4つ目の「事実を確かめる」で、聞き漏らしがあると、あとでもう一度電話をかけて聞き直すことになり、相手の負担が増えます。聞き取る項目を、あらかじめ決めておくと安心です。
- 相手の名前と、折り返しの連絡先(電話番号、連絡してよい時間帯)
- 注文番号、契約番号、利用した日など、対象を特定する情報
- いつ、どこで、何が起きたのか
- 今どういう状態なのか(商品が手元にあるか、壊れているか、使えない状態か)
- 相手が何を求めているのか(交換、返金、説明、謝罪、改善など)
- これまでに、ほかの窓口や担当者に連絡したことがあるか
とくに大切なのが、相手が何を求めているのかを確かめることです。怒っている相手の話は、出来事の説明と気持ちの表現が混ざっていることが多く、何をしてほしいのかが見えにくくなります。「今回の件で、どのような対応をご希望でしょうか」と率直に聞くと、話の着地点が見えてきます。
相手の希望を聞いたからといって、その場ですべてに応じる必要はありません。希望を聞くのは、対応を決めるための材料を集めるためです。応じられるかどうかは、事実と社内の決まりを確かめてから判断します。
その場で答えられないときの、折り返しの約束
電話のクレーム対応では、その場で答えられないことが少なくありません。事実を確かめる必要がある、上司の判断が必要、ほかの部署に確認が要る、といった場合です。そのときは、無理に答えず、折り返しの約束をします。
折り返しを約束するときは、次の3つを必ず伝えます。
- 何を確かめるのか。「配送の記録を確認いたします」のように、持ち帰る内容を具体的に伝える
- いつまでに連絡するのか。「本日の17時までに」のように、時刻まで伝える
- 誰から連絡するのか。自分が折り返すのか、担当の部署から連絡するのかを伝える
約束した時刻までに答えが出ない場合でも、時刻になったら一度連絡し、「まだ確認中で、明日の午前中にはお答えできます」と途中の状況を伝えます。約束の時刻を過ぎても連絡がないことが、相手の怒りをもっとも大きくする原因の1つだからです。
折り返しの約束は、記録に残して、ほかの人にも見える形にしておきます。自分が休んだり、ほかの電話に追われたりしても、約束が守られるようにするためです。電話を受けた人のメモの中にだけ約束が書かれていると、担当が代わったときに約束そのものが消えてしまいます。
電話を終えるときと、終わったあとにすること
電話の終わり方も、相手の受け取り方を左右します。電話を終える前に、次の3つを行います。
- 話の要点を復唱する。「本日は、〇〇の件でご連絡をいただき、交換をご希望ということで承りました」と、受け付けた内容をもう一度確かめる
- 次の対応を確かめる。「本日の17時までに、担当の〇〇からお電話いたします」と、約束をくり返す
- お礼を伝える。「ご連絡いただきありがとうございました」と、知らせてくれたことへのお礼で締める
3つ目のお礼は、形だけのものではありません。苦情を伝えてくれる人は、商品やサービスの問題点を教えてくれる人でもあります。苦情を言わずに離れていく人のほうが多いと言われる中で、わざわざ連絡をくれたことにお礼を伝えると、相手の気持ちが和らぐことがあります。
電話を切ったあとは、すぐに記録を清書し、上司や担当の部署に報告します。折り返しの約束をした場合は、約束の時刻を予定表に入れ、ほかの人にも見える形にしておきます。
対応が終わったあとは、振り返りの時間を取ることも大切です。同じ種類の苦情が何度も届いているなら、商品の説明や手続きの仕組みに原因があるかもしれません。個々の対応で終わらせず、苦情の傾向を定期的に整理して、商品やサービスの改善につなげると、同じ苦情そのものを減らせます。カスタマーハラスメントについても、厚生労働省のリーフレットで、再発防止に向けた措置を講じることが事業主の講ずべき措置の1つとして挙げられていて、起きたことを振り返って次に生かす考え方は共通しています。
記録の残し方:何を、いつ、どこに書くか
電話のクレーム対応の記録は、電話を切ったあとに思い出しながら書くのではなく、電話の最中にメモを取り、切った直後に決まった形で清書するのが基本です。時間がたつほど、細かいやり取りの記憶はあいまいになります。
記録に残す項目の例は次のとおりです。
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 受け付けた日時 | 10月16日 14時05分から14時20分 |
| 受け付けた人 | 自分の名前 |
| 相手の情報 | 名前、連絡先、連絡してよい時間帯 |
| 対象 | 注文番号、商品名、利用した日 |
| 内容 | 相手の話の要点。相手の言葉はできるだけそのまま書く |
| 相手の希望 | 交換を希望、など |
| こちらが伝えたこと | お詫びした内容、説明した内容、約束した内容 |
| 次の対応 | 誰が、何を、いつまでに |
| 状況 | 受付、確認中、回答済み、完了 |
記録を書くときに気をつけたいのは、事実と、受けた人の感想を分けることです。「相手は非常に怒っていた」は感想で、「相手は『二度と買わない』と言った」は事実です。あとで記録を読む人が判断に使えるのは事実のほうです。また、相手の個人情報が書かれた記録は、決められた場所にだけ保存し、個人のパソコンや手帳に残したままにしないようにします。
同じ人から何度も連絡がある場合は、過去の記録を同じ相手にひもづけて見られるようにしておくと、対応が一貫します。前回どんな約束をしたかが分からないまま電話を受けると、前回と違う説明をしてしまい、新たな苦情の原因になります。
カスタマーハラスメントとの線引き
クレームの中には、商品やサービスの改善につながる正当な指摘もあれば、対応する人の心身を傷つけるような行き過ぎた言動もあります。この行き過ぎた言動が、いわゆるカスタマーハラスメント(カスハラ)です。
厚生労働省は、労働施策総合推進法の改正によって、カスタマーハラスメントの防止のための措置が事業主の義務になり、令和8年10月1日に施行されたと案内しています。厚生労働省のリーフレットは、職場におけるカスタマーハラスメントを次のように説明しています。
職場において行われる①顧客等の言動であって、②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①~③の要素を全て満たすものをいいます。 ※電話やSNS等のインターネット上において行われるものも含まれます。 出典: mhlw.go.jp
注記にあるとおり、電話での言動も対象に含まれます。同じリーフレットは、許される範囲を超えた言動の例として、内容の面では、要求に理由がないもの、商品やサービスと関係のない要求、契約で想定しているサービスを著しく超える要求、対応が著しく難しいか不可能な要求、不当な損害賠償の要求を挙げています。手段や態度の面では、脅迫や中傷、暴言、土下座の強要などの精神的な攻撃、威圧的な言動、続けてしつこく繰り返す言動などを挙げています。
ここで大切なのは、怒っていること自体や、強い口調で苦情を言うこと自体が、すぐにカスハラになるわけではないという点です。商品が壊れていた、説明と違ったという正当な苦情に、相手が強い言葉を使うことはあります。その場合は、まず苦情の中身に向き合います。そのうえで、暴言が続く、同じ要求を何時間も繰り返す、といった状態になったら、社内で決めた対応の方針に沿って対処します。どこからがカスハラに当たるかの判断は、事情によって変わるため、1人で判断せず、上司や社内の窓口に相談します。
対応する人を守るために、社内で決めておくこと
厚生労働省のリーフレットでは、事業主が必ず講じなければならない措置として、カスハラに毅然と対応して働く人を守るという方針を明確にして周知すること、相談の窓口を定めること、事実を迅速に確かめること、被害を受けた人への配慮、再発防止、特に悪質なカスハラへの対処の方針を定めることなどが挙げられています。あらかじめ定めた対処の内容の例として、管理監督者にその場の対応の方針について指示を仰ぐ、可能な限り働く人を一人で対応させない、犯罪に当たり得る言動は警察へ通報する、などが示されています。
電話の窓口で働く人の立場から見ると、次のようなことが決まっていると、安心して電話を受けられます。
- 対応に困ったときに、誰に代わってもらえるか、誰に相談すればよいか
- 電話を保留にして上司に相談してよい場面
- 暴言が続いた場合に、どの段階で、どのような言葉で電話を終えてよいか
- 通話を録音している場合、その旨を相手にどう伝えるか
- 対応のあとに、記録を誰に報告し、どこに保存するか
- 対応した人が心身の不調を感じたときの相談先
こうした決まりは、働く人を守るだけでなく、対応の質をそろえることにもつながります。人によって対応が違うと、「前の人は応じてくれた」という新たな苦情の原因になるからです。決まりを作るときは、リーフレットの注記にあるように、消費者の権利や、障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止、合理的配慮の提供義務にも気を配る必要があります。詳しい内容は厚生労働省の「職場におけるハラスメントの防止のために」のページで、指針やカスタマーハラスメント対策企業マニュアルとあわせて確かめられます。問い合わせの窓口は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。
苦情の電話そのものを減らすための、受け付けの見直し
電話のクレーム対応の負担を減らすには、受け答えの工夫だけでなく、苦情が電話に集中しない仕組みを作ることも効果があります。苦情の電話の中には、ほかの手段で連絡できれば、相手もこちらも負担が少なかったものが少なくありません。
見直しの例は次のとおりです。
- 電話以外の受け口を用意する。Webのフォームやメールでも苦情や問い合わせを受け付けると、文章で伝えたい人、電話がつながる時間に連絡できない人の受け口になる。文章で届いた苦情は、内容を正確に把握しやすい
- 受付の時間と、つながりやすい時間帯を案内する。電話がつながらないこと自体が、怒りを大きくする原因になる。混み合う時間帯を案内しておくと、相手が時間を選べる
- よく聞かれる質問と答えを公開する。返品の手順、配送の目安など、何度も同じ質問が届く内容は、案内のページにまとめておくと、問い合わせの数そのものが減る
- 折り返しの電話を希望できるようにする。混み合っているときに長く待たせるより、連絡先を聞いて折り返すほうが、相手の負担が少ない
受け口を増やすときに気をつけたいのは、電話、フォーム、メールで届いた苦情を、別々に管理しないことです。受け口ごとに記録の場所が違うと、同じ人から電話とメールの両方で連絡があったときに、別の件として扱ってしまい、違う説明をしてしまうことがあります。どの受け口から届いた苦情も、同じ記録の一覧で管理するのが基本です。
受け付けた苦情を、担当と状況つきで回す方法
電話のクレーム対応の記録は、多くの職場で、表計算のシートや共有のメモ帳、紙の受付票で管理されています。件数が少なく、対応する人が1人か2人なら、これで十分に回せます。表計算のシートなら、先に挙げた記録の項目を列にして、1件を1行で管理し、「状況」の列で受付、確認中、回答済み、完了を切り替えていく形が分かりやすい方法です。
一方で、苦情や問い合わせの件数が増えてくると、次のような困りごとが出てきます。
- 誰がどの件を担当しているのかが、シートを開かないと分からない
- 折り返しの約束の期限が、ほかの行に埋もれて見落とされる
- お客様への回答のメールを、表計算とは別のメールソフトで送るため、何を送ったかが記録に残らない
- 電話だけでなく、Webのフォームやメールからも苦情が届き、受け付けた場所がばらばらになる
こうした場面の選択肢の1つがHalictです。公式サイトによると、Halictはフォームを作って問い合わせを受け付け、届いた1件ごとに担当者、ステージ(受付から完了までの段階)、タグを付けて管理し、同じ画面から返信のメールまで送れるサービスです。ステージ変更や担当者の割り当て、メモ、メールの送信は、すべて時系列で対応履歴に残ります。同じメールアドレスの人が複数のフォームに回答した場合は、1人として束ねて表示されます。
電話で受けたクレームは、社内向けの受付記録のフォームをHalictで作っておき、電話を受けた人がその場で記録を入力する、という使い方ができます。記録はステージごとのボードで並び、担当者やタグ、期間で絞り込めるため、折り返しの約束がどこまで進んでいるかが一目で分かります。あわせて、お客様向けにWebのフォームを用意しておくと、電話ではなく文章で苦情を伝えたい人の受け口にもなり、電話と同じ一覧で管理できます。
料金は、フォームの数と回答の数がどのプランでも無制限で、使う人数で決まります。メンバー1人まではフリープラン(0円)で、ステージ管理や自動返信、CSVの書き出しが使えます。3人までのスターターは月額2,980円、10人までのチームは月額7,800円で、チームのプランからはTeams、Slack、Chatworkへの通知や、一斉メールと開封の計測が使えます(いずれも税抜。年払いは2か月分が無料)。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
在宅でクレーム対応や電話の仕事を受けるときに
コールセンターや問い合わせ窓口の仕事は、在宅で受けられる募集も増えています。在宅で電話の対応をする場合は、職場とは違う点に気をつける必要があります。
まず、通話の環境です。家族の声や生活の音が入らない場所を確保し、ヘッドセットを使うのが一般的です。相手の個人情報を聞き取るため、家族にも画面やメモが見えないようにしておく必要があります。
次に、相談できる相手です。職場なら隣の席の上司にすぐ代わってもらえますが、在宅では、困ったときにチャットや電話でつながる窓口があるかどうかが重要になります。在宅の仕事に応募するときは、対応に困ったときの相談の流れや、カスハラに当たる電話を受けたときの決まりがあるかを、契約の前に確かめておくと安心です。
個人情報の扱いにも注意が必要です。電話の最中に紙にメモを取った場合は、記録の画面に入力し終えたら、決められた方法で処分します。メモを机の上に残したままにしたり、普段使いのノートに書いたりすると、家族や来客の目に触れるおそれがあります。在宅の仕事の契約では、個人情報の扱いについての決まりが定められていることが多いので、紙のメモを使ってよいか、使った場合にどう処分するかまで、始める前に確かめておきます。
最後に、気持ちの切り替えです。在宅で一人で電話を受けていると、強い言葉を受けたあとの気持ちを誰とも共有できず、引きずってしまうことがあります。電話の合間に短い休憩を取る、仕事の時間が終わったら記録を閉じて頭を切り替える、といった工夫が役に立ちます。
苦情の受け答えを仕事にする人に見えてくること
フリーランスと在宅ワークの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、苦情や問い合わせの対応を長く続けている人ほど、話し方よりも「記録と約束」を大切にしています。いつ、誰と、何を約束したのかを正確に残し、期限までに必ず連絡する。この積み重ねが、怒っていた相手の信頼を取り戻す一番の近道になっています。
電話で人の話を聞く仕事は、クレーム対応のほかにもあります。悩みや相談を電話やチャットで聞く仕事については、チャット・電話占いのお仕事やメンタル・心の悩み・愚痴聞きのお仕事で、仕事の中身と求められる力を紹介しています。依頼する側と受ける側が直接やり取りできる形なら、対応の決まりや相談の流れも、当事者どうしで確かめられます。仲介の手数料が間に入らない直接の取引は、同じ予算でも受ける側の手取りが厚くなり、依頼する側はその分だけ多くの作業を頼めるという、双方にとって得な形です。手数料0%で直接やり取りできる場では、こうした関係を作りやすくなります。
苦情の対応がSNSでの批判に広がった場合の対処については、不祥事・炎上対応のプロ!クライシスマネジメントの費用と対応ステップ【2026年版】で、専門家に相談するときの流れを紹介しています。
よくある質問
Q. クレームの電話で最初に謝ると、こちらの非を認めたことになりますか?
最初は、相手が不便や不快を感じていることへのお詫びにとどめると、落ち度を認めたことにはなりにくくなります。「ご不便をおかけして申し訳ございません」のような言い方です。事実を確かめて、こちらに落ち度があった部分が分かってから、その点について改めてお詫びします。
Q. その場で答えられない質問をされたらどうすればよいですか?
推測で答えず、折り返しの約束をします。何を確かめるのか、いつまでに連絡するのか、誰から連絡するのかの3つを伝えます。約束の時刻までに答えが出ない場合も、時刻になったら一度連絡して途中の状況を伝えると、相手の不信感を防げます。
Q. 電話のクレームがカスタマーハラスメントに当たるのはどんな場合ですか?
厚生労働省は、顧客等の言動で、業務の性質などに照らして社会通念上許される範囲を超え、働く人の就業環境が害されるものと説明しています。電話も対象です。強い口調の苦情がすぐに当たるわけではないので、判断は1人でせず、社内の決まりに沿って上司や窓口に相談します。
Q. クレーム対応の記録には何を書けばよいですか?
受け付けた日時と担当者、相手の名前と連絡先、対象の注文番号など、内容の要点、相手の希望、こちらが伝えたことと約束したこと、次の対応と期限、今の状況を書きます。受けた人の感想ではなく、相手の言葉や出来事などの事実を中心に書くと、あとで読む人が判断に使えます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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