地域型保育の資格|家庭的保育と小規模保育の要件


この記事のポイント
- ✓地域型保育で働くのに必要な資格を
- ✓国の基準省令とこども家庭庁の資料で確かめて解説
- ✓小規模保育A型・B型・C型
地域型保育の資格を調べている人の多くは、小規模保育園や保育ママと呼ばれる家庭的保育で働きたいが、保育士の資格がなくても採用されるのか、何の研修を受ければよいのかを知りたいと考えています。結論から言うと、地域型保育は事業の種類ごとに求められる資格が違い、小規模保育A型は原則として保育士、B型は半数以上が保育士で残りは研修を修了した人、C型と家庭的保育は市町村の研修を修了した保育士か、保育士と同等以上と市町村長が認めた人が担います。この記事では、国の基準を定めた省令と、こども家庭庁の資料を読み比べて、どの事業で何の資格が必要か、保育士でない人が入れる道はどこか、研修の受け方と費用はどうなっているかを順番に整理します。
地域型保育とはどんな保育か
地域型保育とは、保育所より小さな規模で、0歳から2歳までの子どもを中心に預かる保育のことです。2015年に始まった子ども・子育て支援新制度で、市町村が認可する事業として児童福祉法に位置付けられました。認可保育所が都道府県や政令市の認可であるのに対し、地域型保育は市町村が認可し、市町村から給付が出る点が特徴です。
こども家庭庁の資料は、地域型保育の種類を次の4つに分けています。
◇小規模保育(利用定員6人以上19人以下) ◇家庭的保育(利用定員5人以下) ◇居宅訪問型保育 ◇事業所内保育(主として従業員のこどものほか、地域において保育を必要とするこどもにも保育を提供) 出典: こども家庭庁 保育所等関係
小規模保育は、定員6人から19人までの小さな保育園です。家庭的保育は、保育者の自宅などで5人以下の子どもを預かる形で、昔から保育ママと呼ばれてきました。居宅訪問型保育は、保育者が子どもの自宅へ行って1対1で保育する形です。事業所内保育は、会社や病院が従業員の子どものために設けた保育施設に、地域の子どもの枠を加えたものです。
規模が小さい分、1人の職員が子ども一人ひとりに目を配りやすく、家庭に近い雰囲気で保育できるのが地域型保育の持ち味です。一方で、職員の数が少ないため、病気や休みのときの代わりの保育や、3歳になって卒園したあとの受け入れ先を確保する必要があり、近くの保育所や認定こども園を連携施設として決めておく決まりがあります。
地域型保育が増えてきた背景
地域型保育が制度として整えられた一番の理由は、都市部の待機児童でした。大きな保育所を新しく建てるには広い土地と時間が要りますが、小規模保育ならビルの1室やマンションの1階でも始められます。とくに待機児童が多かったのは0歳から2歳の低年齢の子どもで、この年齢に絞った小さな保育施設を短い期間で用意できる仕組みが求められていました。
こども家庭庁の資料には、都市部では小規模保育を増やして待機児童の解消を図り、人口が減っている地域では隣の自治体の認定こども園などと連携しながら小規模保育の拠点で子育て支援の機能を保つ、という役割分担が書かれています。つまり、地域型保育は都市でも地方でも、それぞれ違う理由で必要とされている保育です。
ここ数年は、待機児童が減った地域も増え、地域型保育の役割は少しずつ変わっています。令和7年の児童福祉法の改正により、令和8年4月からは3歳から5歳の子どもだけを預かる小規模保育(満三歳以上限定小規模保育事業)が全国で認められました。これまで0歳から2歳が原則だった小規模保育に、新しい形が加わったことになります。保育の担い手を探す事業者の側から見ると、地域型保育で働ける人の幅を広く確保したいという事情があり、資格の要件を正しく知っておくことは、働く側にとっても採用の場面で有利に働きます。
事業の種類ごとに求められる資格の一覧
地域型保育で誰が保育を担えるかは、国の省令「家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」で決まっています。省令とは、法律の細かい中身を国の省庁が定めたルールのことです。市町村はこの基準をもとに条例をつくるため、国の基準より厳しい条件を付けている自治体もあります。まず国の基準を整理すると、次のとおりです。
| 事業の種類 | 定員 | 保育を担う人 | 職員の数の目安 |
|---|---|---|---|
| 小規模保育A型 | 6人以上19人以下 | 保育士 | 保育所の配置基準に1名を加える |
| 小規模保育B型 | 6人以上19人以下 | 半数以上が保育士、残りは研修修了者 | 保育所の配置基準に1名を加える |
| 小規模保育C型 | 6人以上10人以下 | 家庭的保育者 | 子ども3人に1人(補助者がいれば5人に2人) |
| 家庭的保育 | 5人以下 | 家庭的保育者(+家庭的保育補助者) | 子ども3人に1人(補助者がいれば5人に2人) |
| 居宅訪問型保育 | 1人ずつ | 研修を修了した保育士や同等と認められた人 | 子ども1人に1人 |
| 事業所内保育 | 20人以上は保育所並み、19人以下はB型並み | 定員で変わる | 定員で変わる |
保育所の配置基準とは、0歳児は子ども3人に保育士1人、1歳と2歳の子どもは6人に1人、という職員の数の決まりです。小規模保育A型とB型は、この計算で出た人数にさらに1人を加えた数の職員を配置する決まりになっており、保育所より手厚い体制が求められています。
この表から分かるとおり、保育士の資格がなくても地域型保育で働ける道は、小規模保育B型の残り半分の枠、家庭的保育や小規模保育C型の補助者、そして市町村長が保育士と同等以上と認めた家庭的保育者の3つが中心です。どの道でも、市町村などが行う研修を修了していることが条件になっている点が共通しています。
求人票を読むときは、職種名だけで判断しないことが大切です。「保育補助」「保育スタッフ」「保育従事者」といった名前は事業所ごとに使い方が違い、同じ「保育補助」でも、保育士の数に数えられない補助の仕事を指す場合と、B型の保育従事者として数えられる仕事を指す場合があります。前者なら研修の修了は必須でないこともありますが、後者なら研修の修了が採用の条件になります。応募の前に、どちらの意味で募集しているかを問い合わせておくと、採用後に研修を急いで受ける事態を避けられます。
小規模保育A型・B型の資格要件
小規模保育A型は、保育所の分園に近い形とされ、保育に当たる職員はすべて保育士です。省令は、保育士の数を子どもの年齢ごとに計算した合計に1を加えた数以上とすると定めています。ただし、保健師、看護師、准看護師を1人に限って保育士とみなせる特例があり、さらに理学療法士や作業療法士など、障害のある子どもの支援に関わる専門職を1人に限って保育士とみなす特例もあります。
小規模保育B型は、A型とC型の中間の形です。保育に当たる職員を「保育従事者」と呼び、その半数以上を保育士とすることが求められています。残りの職員は、市町村長が行う研修を修了した人であれば、保育士の資格がなくても保育従事者として数えられます。省令の条文は次のとおりです。
保育従事者の数は、次の各号に掲げる乳幼児の区分に応じ、当該各号に定める数の合計数に一を加えた数以上とし、そのうち半数以上は保育士とする。 出典: e-Gov法令検索 家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準
ここで言う市町村長が行う研修は、実務では子育て支援員研修の地域保育コース(地域型保育)を指すのが一般的です。子育て支援員研修とは、保育や子育て支援の仕事に就く人を増やすために国が内容を定め、都道府県や市町村が実施している研修のことです。B型の求人で「子育て支援員研修修了者可」と書かれているのは、この仕組みがあるためです。
なお、こども家庭庁の資料には、B型で始めた事業所が段階的にA型へ移るよう、保育士の割合が高いほど給付が手厚くなる設計にしていると書かれています。B型の事業所でも保育士を多く採りたいという事情があるため、研修修了者として働きながら保育士試験を目指す人が評価されやすい環境と言えます。
小規模保育C型と家庭的保育の資格要件
小規模保育C型と家庭的保育は、どちらも「家庭的保育者」が保育を担う形です。家庭的保育者とは、市町村長が行う研修を修了した保育士、または保育士と同等以上の知識と経験を持つと市町村長が認めた人のことです。省令は、家庭的保育者1人が保育できる子どもは3人以下とし、家庭的保育補助者と一緒に保育する場合は5人以下としています。
家庭的保育補助者とは、市町村長が行う研修を修了し、家庭的保育者を補助する人のことです。補助者には保育士の資格は求められていません。家庭的保育者が自宅で保育をする場合、補助者として近所の人や家族が研修を受けて加わる例もあります。
ここで注意したいのは、家庭的保育者には「研修の修了」と「市町村長の認定」の2つが必要だという点です。保育士の資格を持っていても、市町村が行う家庭的保育者の研修を修了していなければ、家庭的保育者にはなれません。逆に、保育士の資格がない人でも、子育ての経験や幼稚園教諭、看護師などの資格をもとに、市町村長が保育士と同等以上と認めれば家庭的保育者になれる仕組みです。ただし、どんな人を同等以上と認めるかは市町村ごとに決めており、保育士資格を必須にしている自治体も少なくありません。自分の住む市町村の要件は、保育課などの窓口で確かめる必要があります。
家庭的保育は、保育者の自宅などで行う場合、乳幼児の保育専用の部屋を設け、その広さは9.9平方メートル以上とする決まりもあります。子どもが3人を超えると1人につき3.3平方メートルを加える必要があり、自宅で始めたい人は資格だけでなく部屋の広さや庭の有無も確かめておくことになります。
居宅訪問型保育と事業所内保育の資格要件
居宅訪問型保育は、障害や病気のために集団での保育が難しい子どもや、保護者が夜間に働くひとり親の家庭など、市町村が必要と認めた場合に、保育者が子どもの自宅で1対1の保育をする事業です。保育を担うのは家庭的保育者で、こども家庭庁の資料では「必要な研修を修了し、保育士、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者」とされています。1人の家庭的保育者が保育できる子どもは1人です。
居宅訪問型保育では、子育て支援員研修の中に居宅訪問型保育の専門研修が設けられています。たとえば大阪市は、地域型保育のコースと並べて居宅訪問型保育研修の基礎研修の受講者を募集しています。重い障害のある子どもを預かる場面もあるため、研修の内容も、子どもの体の状態に応じた関わり方や、関係する施設との連携が中心になります。
事業所内保育は、定員によって基準が分かれます。定員20人以上の事業所内保育は保育所と同じ基準で、保育士の配置が必要です。定員19人以下の小規模な事業所内保育は小規模保育B型と同じ基準で、半数以上を保育士とし、残りは研修を修了した保育従事者で担えます。会社の中の保育室で働きたい人は、求人票の「保育従事者(保育士以外)」という表記を見ると、研修修了者が働ける枠かどうかが分かります。
3歳以上だけを預かる小規模保育と資格の関係
令和8年4月から全国で始まった満三歳以上限定小規模保育事業は、3歳から5歳の子どもだけを預かる小規模保育です。これまで国家戦略特別区域という一部の地域だけで認められていた形が、令和7年の児童福祉法の改正で全国に広がりました。こども家庭庁の資料では、この事業はA型の基準で行うとされ、保育に当たる職員は保育士です。職員の数は保育所の配置基準に1名を加えた数で、3歳児は子ども15人に1人、4歳と5歳の子どもは25人に1人という保育所の比率がもとになります。
保育士の資格がない人にとって、この新しい形は働ける枠が広がる話ではありません。満三歳以上限定小規模保育事業のB型やC型は、構造改革特別区域に限って認められているだけで、全国の多くの地域ではA型の形で始まります。一方で、保育士の資格を持つ人にとっては、0歳から2歳の保育とは違う、幼児期の子どもを少人数で見る職場が増えることになります。
0歳から2歳までの小規模保育でも、地域の事情によっては3歳以上の子どもを引き続き預かれるようになっています。省令には、3歳以上の子どもを受け入れる場合の職員の比率も書き込まれており、B型であっても保育従事者の半数以上を保育士とする決まりは変わりません。働く側から見ると、0歳児の保育と、3歳を過ぎた子どもの遊びや集団での活動の両方を経験できる職場が出てきている、ということです。どの年齢の子どもと関わりたいかによって、応募する事業所の種類を選ぶと、働き始めてからの違和感を減らせます。
子育て支援員研修の中身と受け方
保育士の資格がない人が地域型保育で働くための入り口は、ほとんどの場合、子育て支援員研修です。研修は国が内容を定め、都道府県や市町村が実施主体となって行います。修了すると、子育て支援員研修修了証書が交付され、全国で通用する子育て支援員として認定されます。国家資格ではありませんが、ほかの都道府県へ引っ越しても修了の証明は有効です。
研修は、全コース共通の「基本研修」と、仕事の種類ごとの「専門研修」に分かれています。地域型保育で働く人は、専門研修のうち地域保育コースの地域型保育を選びます。大阪府八尾市の令和8年度の募集では、講義が基本研修2日と専門研修4日の計6日間、見学実習が2日間、合わせて8日間の日程でした。受講料は無料で、テキスト代2,860円と検便の検査費用などが別にかかると案内されています。
保育士などの資格を持つ人は、基本研修を免除される場合があります。八尾市の案内には次の注意書きがあります。
※看護師、准看護師、保健師については、3年以上保育施設等で勤務経験がある場合のみ免除対象となります。 出典: 八尾市 子育て支援員研修(地域型保育事業)
東京都では、公益財団法人東京都福祉保健財団が都の委託を受けて地域保育コースを実施しています。受講費用は無料ですが、会場への交通費、eラーニングに使う機器や通信の費用、専門研修のテキスト代、心肺蘇生法の講習費用、見学実習のための検査費用は自分で負担すると案内されています。募集は年に数回の期に分かれ、期ごとに受付期間が決まっているため、働きたい時期から逆算して早めに申し込むことが大切です。
研修の対象者は、多くの自治体で「その都道府県や市町村に住んでいる、または働いている人」とされています。定員を超えた場合は、すでに保育施設で働いている人を優先し、そのあと抽選とする自治体もあります。すでに内定先がある人は、勤務先から推薦書を出してもらえると受講しやすくなる場合があります。
修了者が「みなし保育士」として働ける場面
子育て支援員研修の地域型保育を修了すると、地域型保育以外の場面でも役立つことがあります。保育士が不足している保育所などで、保育士の代わりに一定の人を数えてよいとする「保育士等の職員配置の特例」があり、その対象に研修修了者が含まれる自治体があるためです。埼玉県は、研修の案内ページに次のように書いています。
※修了者は、保育士等の職員配置の特例における「都道府県知事が保育士と同等の知識及び経験を有すると認める者(みなし保育士)」の要件を満たします。詳細は、保育士等の職員配置の特例に関する取扱いをご確認ください。 出典: 埼玉県 子育て支援員研修
みなし保育士とは、保育士の資格はないが、保育士の数を数えるときに保育士として扱ってよいとされる人のことです。ただし、この特例をどう運用するかは都道府県や市町村によって違い、保育所の職員のうち何割までをみなし保育士で補ってよいかにも上限があります。研修を修了すれば保育所でも保育士と同じように働ける、とは言い切れないため、働きたい施設がある自治体の取り扱いを確かめることが欠かせません。
もう1つ知っておきたいのは、研修の修了は保育士の資格そのものではない、という点です。給与の面でも、保育士資格の手当が付く求人と、研修修了者の求人とでは差がある場合が多く、長く保育の仕事を続けたい人にとっては、研修を入り口にして保育士資格を目指すのが現実的な道筋になります。
研修の申し込みから働き始めるまでの手順
子育て支援員研修を受けて地域型保育で働くまでの流れを、手順として整理します。自治体によって細かな違いはありますが、おおむね次の順番で進みます。
1つめは、住んでいる都道府県や市町村の募集を探すことです。子育て支援員研修は都道府県が実施する地域と、市町村が独自に実施する地域があります。都道府県の福祉や子育ての担当課のページと、市町村の保育課のページの両方を確認すると、受けられる研修を見落としません。東京都のように、財団や民間の会社に実施を委託している場合は、受付の窓口が委託先になります。
2つめは、募集要項を読み、自分が対象者に当たるかを確かめることです。在住や在勤の条件、受講できるコース、免除を受けられる資格、自己負担の費用が書かれています。保育士や幼稚園教諭などの資格を持つ人は、免除の申請に資格の証明の写しが必要になるため、早めに準備しておきます。
3つめは、申し込みと受講の決定です。受付期間は2週間前後と短い自治体が多く、締め切りを過ぎると次の期まで待つことになります。受講が決まると、日程や会場、持ち物の案内が届きます。
4つめは、講義と見学実習です。講義は基本研修と専門研修に分かれ、見学実習は保育所や小規模保育の事業所で行います。見学実習の前には検便などの検査を求められることが多く、その費用は自己負担です。すべての日程に出席し、必要な課題を出すと修了となり、修了証書が交付されます。
5つめは、求人への応募です。求人票で「子育て支援員研修修了者可」「保育従事者(保育士以外)」と書かれた枠を探し、事業の型を確かめたうえで応募します。研修の受講中から応募を受け付ける事業所もあるため、修了の見込みの時期を伝えて相談するのも1つの方法です。
保育士資格へ進むときの考え方
地域型保育の現場で働きながら保育士の資格を目指す人は少なくありません。保育士になる方法は、厚生労働大臣が指定する養成校を卒業する道と、都道府県が行う保育士試験に合格する道の2つです。保育士試験は筆記試験と実技試験の2段階で、筆記試験は保育原理や子どもの保健など複数の科目に分かれています。科目ごとに合格を持ち越せる仕組みがあるため、働きながら数回に分けて合格を積み上げる人もいます。
保育士試験の受験資格には、学歴による条件のほか、児童福祉施設での実務経験による条件があります。地域型保育の事業所での勤務がどの施設の経験として数えられるかは、試験を行う団体の案内で確かめる必要があります。小規模保育で働いた日数がそのまま受験資格になるとは限らないため、勤務を始める前に確認しておくと、あとで計画が狂いません。
子育て支援員研修で学ぶ内容は、子どもの発達、保育の原理、安全の確保、保護者への対応など、保育士試験の科目と重なる部分が多くあります。研修を受けたあとに保育士試験の勉強を始めると、用語や考え方にすでに触れているため、理解が早く進みます。研修の修了で現場に入り、実務を積みながら試験の科目を1つずつ取っていく、という順番は、収入を得ながら資格を目指したい人に向いた進め方です。
資格の勉強を進めるうえでは、文章を正確に読み書きする力も役に立ちます。保育の現場では、連絡帳や日誌、保護者向けのお便りなど、文章を書く場面が多いためです。ビジネス文書検定は、社内外の文書の書き方を体系的に学べる検定で、保育の記録や保護者への連絡を書く力を整える教材としても使えます。
地域型保育の現場で求められる力
資格や研修の要件を満たしたうえで、地域型保育の現場では保育所とは少し違う力が求められます。まず、少人数だからこそ、1人の職員が担う役割の幅が広くなります。保育所では担任、主任、看護師、調理員と役割が分かれていることが多いのに対し、小規模保育や家庭的保育では、保育をしながら連絡帳を書き、保護者と話し、ときには食事の準備にも関わります。家庭的保育では、子どもが3人以下の場合、家庭的保育補助者が調理を担当してよいとされており、保育と調理の両方を見る場面もあります。
次に、保護者との距離が近いことです。子どもの数が少ないため、送り迎えのたびに保護者と顔を合わせ、その日の様子を直接伝えます。家庭のような雰囲気を求めて地域型保育を選ぶ保護者も多く、ささいな変化に気づいて言葉にできる人が信頼されます。保護者に伝える内容を短く正確にまとめる力は、子育て支援員研修の専門研修でも扱われる内容です。
3つめは、連携施設とのやり取りです。地域型保育の事業所は、近くの保育所や認定こども園と連携し、合同での保育や、職員が休んだときの代わりの保育、卒園後の受け入れについて調整します。職員の立場でも、連携施設に子どもを連れて行って一緒に遊ぶ活動や、行事への参加に関わることがあります。ほかの施設の職員と気持ちよく協力できることは、少人数の職場で働くうえで欠かせない力です。
4つめは、子どもの安全を自分で守る意識です。職員が少ない分、午睡中の呼吸の確認や、食事中の誤えんの防止、散歩のときの人数確認を、一人ひとりが確実に行う必要があります。研修で学んだ手順を、慣れたあとも省かずに続けられるかどうかが、地域型保育の職員に最も求められる点と言えます。
地域型保育で働く前に確かめておくこと
研修や資格の要件を満たしても、働き始める前に確かめておきたいことがあります。1つめは、勤め先がどの事業の種類に当たるかです。同じ「小規模保育園」という名前でも、A型なのかB型なのかで、研修修了者が保育従事者として数えられるかどうかが変わります。求人票に型が書かれていない場合は、面接で確かめておくと安心です。
2つめは、自治体の条例による上乗せです。国の基準は最低限の条件で、市町村によってはB型でも保育士の割合を高く設定していたり、家庭的保育者を保育士に限っていたりします。国の基準を読んだだけで判断せず、働く場所の市町村の保育課に確認するのが確実です。
3つめは、子どもの安全に関する研修です。地域型保育は職員の数が少ないため、事故やけがが起きたときに1人ひとりが適切に動けることが求められます。子育て支援員研修でも心肺蘇生法の講習が含まれている自治体が多く、修了後も定期的に講習を受け直す事業所があります。
4つめは、働き方の条件です。家庭的保育は保育時間が1日8時間を原則とし、保護者の働く時間に合わせて延長保育を行う事業所もあります。短い時間だけ働きたい人は、補助者やパートの枠があるかを確かめておくと、ほかの仕事との両立を考えやすくなります。
研修と資格を職業の選択肢として考える
子育て支援員研修は、保育の仕事に入るための費用の負担が小さい入り口です。受講料が無料の自治体が多く、自己負担はテキスト代や検査費用などに限られます。一方で、日程は平日の日中に組まれることが多く、全日程に出席する必要があるため、今の仕事を続けながら受ける場合は休みの調整が必要です。
保育の分野で働く人の中には、保育の経験を活かして別の仕事に広げる人もいます。たとえば、子ども向けの教材や保護者向けの資料を作る仕事、保育施設の案内を作るデザインの仕事などです。デザインの分野に関心がある人は、デザイナーの年収・単価相場で、業務委託で働く場合の報酬の相場を確かめられます。保育の現場で見てきた子どもや保護者の目線は、こうした仕事でも強みになります。
また、子どもの発達や保育の質を研究する道に進む人もいます。大学院で研究を続けたり、自治体や研究機関の調査に関わったりする働き方です。研究者の年収・単価相場では、研究職の報酬の水準をまとめています。保育の現場経験を持つ研究者は多くないため、現場を知っていることが評価される場面もあります。
運営者の視点から見た地域型保育の働き方
在宅ワークやフリーランスの市場を20年見てきた立場から言えば、資格の要件を正確に読める人ほど、働き方の選択肢を広く持てています。地域型保育の仕事は、同じ保育でも事業の種類によって求められる資格が細かく違い、求人票の書き方もまちまちです。要件を自分で確かめず、思い込みで応募先を絞ってしまう人は、本来は働けたはずの職場を見落としがちです。
運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、資格を取って終わりにせず、働きながら次の段階の資格や研修に進んでいます。子育て支援員研修で現場に入り、保育士資格を取り、さらに保育士等キャリアアップ研修でリーダーの役割を担う、といった段階の踏み方です。こども家庭庁は保育士のキャリアアップ研修のガイドラインを令和8年3月に一部改正しており、研修の体系は今も見直されています。
また、仲介の手数料が乗らない直接のやり取りで仕事を受けると、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手数料0%で手取りが厚くなります。保育の経験を活かして教材づくりや資料作成を受ける場合も、この構造は変わりません。AIを使った業務の効率化に関心がある人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、保育や福祉の事業所の事務を支援する仕事の内容を確かめられます。保育の現場を知っている人が、事務の負担を軽くする道具の選び方を助ける仕事は、現場の声を代弁できる点で求められています。
地域型保育の資格は、国の基準と市町村の条例の2段で決まります。まず国の基準で自分がどの枠に入れるかを確かめ、次に働きたい市町村の保育課で条例の上乗せと研修の募集時期を確認する、という2つの手順を踏めば、遠回りせずに地域型保育の現場に入れます。保育の経験を別の仕事に広げたい人は、アプリケーション開発のお仕事のように、保育施設向けの連絡アプリなどを作る仕事の内容も一度見ておくと、将来の選択肢を考える材料になります。
よくある質問
Q. 保育士の資格がなくても小規模保育園で働けますか?
小規模保育B型と小規模保育C型、家庭的保育の補助者であれば、市町村が行う研修を修了すれば保育士の資格がなくても保育に当たれます。B型は保育従事者の半数以上が保育士である必要があり、残りの枠が研修修了者の働ける範囲です。A型は原則として保育士だけが保育に当たるため、勤め先の型を確かめることが大切です。
Q. 子育て支援員研修の費用はいくらかかりますか?
多くの自治体で受講料は無料です。ただし、テキスト代や検便などの検査費用、心肺蘇生法の講習費用、会場への交通費は自己負担になります。八尾市の令和8年度の募集ではテキスト代が2,860円と案内されていました。自治体ごとに負担の内容が違うため、募集要項で確かめてください。
Q. 子育て支援員研修の修了証はほかの都道府県でも使えますか?
子育て支援員研修は国が内容を定めた研修で、修了者は全国で通用する子育て支援員として認定されます。引っ越した先でも修了証書は有効です。ただし、家庭的保育者として認めるかどうかや、みなし保育士として扱うかどうかは市町村や都道府県の判断なので、働く地域の窓口で取り扱いを確認してください。
Q. 家庭的保育者になるには保育士の資格が必要ですか?
国の基準では、市町村が行う研修を修了した保育士か、保育士と同等以上の知識と経験があると市町村長が認めた人が家庭的保育者になれます。ただし、保育士の資格を必須にしている市町村も少なくありません。自宅で家庭的保育を始めたい人は、資格の要件と部屋の広さの決まりを市町村の保育課で確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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