治験のコーディネーターを辞めたいと思ったとき|出ていく前に切り分けておくこと


この記事のポイント
- ✓治験のコーディネーターを辞めたいと感じたときに
- ✓その疲れが仕事の性質から来ているのか
- ✓担当の量や試験の段階なのか
治験のコーディネーターを辞めたい。そう思いながら、この記事を開いてくださったのだと思います。
朝、担当施設へ向かう電車の中で気持ちが重くなる。問い合わせの通知が来るたびに胸がざわつく。病棟にいた頃のほうがまだよかったのではないかと、何度も考えてしまう。
まず、お伝えしたいことがあります。CRCを辞めたいと感じるのは、あなたの力が足りないからではありません。この仕事には、辞めたくなる理由が生まれやすい構造があります。
そのうえで、この記事では「すぐ辞める」「我慢して続ける」の二択にする前に、疲れの正体を切り分ける方法をお伝えします。原因が分かれば、辞めるべきなのか、職場や担当を変えれば続けられるのかが、ずっと見えやすくなります。
辞めたい気持ちが出てくるのは、珍しいことではありません
CRCを辞めたいという声は、実はとても多く聞かれます。看護師や薬剤師、臨床検査技師として働いてきた人が、「患者さんを支える仕事を続けながら、夜勤のない働き方をしたい」と考えて移ってくることが多い職種です。ところが、入ってみると想像していた仕事と違った、という声が後を絶ちません。
よく聞く理由を並べてみます。
・来院の対応より、記録や入力の時間がずっと長い
・製薬会社からの問い合わせが次々に届き、終わりが見えない
・医師や病院の職員との調整に気を使い、疲れる
・残業が思っていたより多い
・前職より給料が下がった
・担当の試験が増えるほど、休みがとりにくくなる
・医療の現場から離れた気がして、やりがいを感じにくい
どれか1つだけではなく、いくつかが重なっている方が多いと思います。
特に残業については、入る前に聞いていた話と違ったと感じる方が少なくありません。求人を調べたこんなデータもあります。
実際に、転職サイトの『doda』の求人を元に調査したところ、治験コーディネーターの求人123件中、残業が20時間未満の求人は0件でした。(2021年8月時点) 出典: career.iid.co.jp
数年前の調査なので、今の求人がそのまま同じとは限りません。それでも、「夜勤がなくなるから楽になる」と考えて入った人ほど、残業の多さに驚きやすいことは確かです。
ここで大切なのは、辞めたい理由が「CRCという仕事そのもの」にあるのか、「今の職場や担当の状況」にあるのかで、取るべき道がまったく違うということです。CRCはSMOに雇われて医療機関に通う人が多く、同じCRCでも、会社、担当する施設、担当する試験の組み合わせによって、毎日の負担は大きく変わります。
仕事そのものが合わないなら、別の道を探したほうが楽になります。一方で、職場や担当の状況が原因なら、会社を変える、担当を変えてもらうだけで、驚くほど楽になることもあります。
次の節から、その切り分け方を一緒に見ていきましょう。
まず、疲れの正体を4つに切り分ける
辞めたい気持ちが強いときは、頭の中で全部がひとかたまりになっています。「全部つらい」という状態です。そのままでは判断がつきにくいので、一度、疲れを4つの箱に分けてみます。
| 箱 | どんな疲れか | 変えられるもの |
|---|---|---|
| 仕事の性質 | 記録や調整が中心の働き方そのものが合わない | 職種を変える |
| 担当の量と時期 | 試験の数が多い、終了時期が重なっている | 担当の調整、時期を待つ |
| 職場の運営と人間関係 | 会社の方針、上司、担当施設との相性 | 異動、会社を変える |
| 生活と体調 | 睡眠、家庭の事情、心身の不調 | 休む、働き方を変える |
やり方は簡単です。紙を1枚用意して、ここ1か月で「つらい」と感じた場面を、思いつくまま書き出します。10個くらいで大丈夫です。
書き出したら、1つずつ、どの箱に入るかを考えます。
たとえば「クエリの対応が夜まで終わらない」は、担当の量と時期の箱に入るかもしれません。「被験者さんと話す時間がほとんどなくて、何のために働いているのか分からない」は、仕事の性質の箱でしょう。「担当施設の医師に頼みごとをするたびに嫌な顔をされる」は、職場と人間関係の箱です。
全部を分け終えたら、どの箱に一番多く入ったかを見てみます。
仕事の性質の箱が一番多いなら、職種そのものを見直す時期かもしれません。担当の量や職場の箱が多いなら、CRCを辞める前に、変えられるものが残っている可能性があります。
こういう声をよく耳にします。「辞めたいと思って書き出してみたら、つらいことの半分以上が、1つの施設の1人の医師との関係だった」。その方は、会社に相談して担当施設を変えてもらい、今もCRCを続けています。
もちろん、書き出した結果、どの箱にも同じくらい入っていることもあります。それはそれで、今のあなたが本当に疲れているというサインです。その場合は、判断の前に、まず休むことを考えてください。後の節で触れます。
仕事の性質そのものが合わないと感じるとき
1つ目の箱、仕事の性質から見ていきます。
CRCの仕事は、被験者の来院対応が目立ちますが、実際には記録、確認、調整が大きな割合を占めます。症例報告書の入力、製薬会社からの問い合わせへの回答、手順から外れた点の記録、治験審査委員会の書類の準備。1日の中で、人と向き合う時間より、画面と書類に向き合う時間のほうが長い日がほとんどです。
病棟で患者さんのそばにいた方にとって、これは想像以上に大きな変化です。「ありがとう」と言われる機会が減り、自分の仕事が誰の役に立っているのかが見えにくくなります。新しい薬を世に出す仕事だと頭では分かっていても、その薬が承認されるのは何年も先で、手応えを感じにくいのです。
また、被験者との関係の終わり方も、臨床とは違います。試験の期間が終われば、どれだけ信頼関係を築いた方でも、担当は終わります。その後の経過を知ることができないことも多く、寂しさを感じる方もいます。
こうした違和感が、辞めたい理由の中心にある場合、担当や職場を変えても、根本は変わりにくいかもしれません。
ただ、判断する前に、1つだけ確かめてほしいことがあります。それは、「今の違和感は、慣れていないせいではないか」という点です。
CRCの仕事は、最初の1年ほどは手順を覚えることで精一杯になりやすく、記録の作業に追われている感覚が強くなります。2年目、3年目になって、手順が体に入ってくると、被験者と話す余裕が生まれ、試験全体の流れが見えるようになり、仕事の感じ方が変わる人もいます。
入ってまだ半年という方なら、「合わない」と決める前に、先輩CRCに「最初の1年はどうでしたか」と聞いてみるのもよいと思います。一方で、3年以上続けても違和感が変わらないなら、それは慣れの問題ではなく、あなたの大切にしたいものと、この仕事の形がずれているのかもしれません。
CRCに向いている人がどんな点で長く続けているのかは、治験のコーディネーターに向いている人と、長く続く人に共通していることで整理しています。自分と重なる部分と、重ならない部分を見比べると、気持ちの整理がしやすくなります。
担当の量と、試験の段階による一時的な山
2つ目の箱、担当の量と時期です。この箱に入る疲れは、CRCを辞めなくても軽くできる可能性が高い疲れです。
CRCの忙しさには、はっきりした波があります。
試験が始まったばかりの時期は、被験者の候補を探し、説明し、参加の条件を確かめる検査を進めるため、人と話す時間と調整が増えます。登録の目標数が決まっていて、なかなか集まらないと、それが重圧になります。
試験の終わりの時期には、データを確定させるための問い合わせが一気に届きます。複数の試験の終わりが重なると、残業が一時的に大きく増えます。
さらに、担当する試験の数そのものが多すぎる場合もあります。経験を積むほど担当が増えていくのは自然なことですが、本人の余力を超えて増えていることに、会社が気づいていないこともあります。
もし、「つらい」と書き出した場面の多くが、ここ数か月に集中しているなら、それは試験の段階が重なった一時的な山かもしれません。次のことを確かめてみてください。
・今担当している試験は、それぞれどの段階にあるか
・終わりの時期が重なっている試験はいくつあるか
・その山は、いつ頃に落ち着く見込みか
・担当の数は、同じチームの人と比べて多すぎないか
山の終わりが見えているなら、それまでの期間だけ、家事を手放す、週末は何も予定を入れない、といった形で乗り切る方法もあります。
山の終わりが見えない、あるいは担当が明らかに多すぎるなら、上司に相談する価値があります。相談のときは「つらいです」と伝えるだけでなく、「今この試験とこの試験の終了時期が重なっていて、月にこのくらい残業が出ています。新しい試験の担当を少し待ってもらえませんか」と、具体的に伝えると話が進みやすくなります。
こういう相談をするのは、わがままではありません。担当の量を調整するのは、会社の大切な役割です。CRCが疲れ切って辞めてしまうほうが、会社にとっても被験者にとっても、ずっと大きな損失になります。
職場の運営や人間関係から来る疲れ
3つ目の箱は、職場の運営と人間関係です。
CRCの職場は、少し特殊です。SMOに雇われている場合、あなたの上司はSMOの人ですが、毎日一緒に過ごすのは担当する病院の医師や看護師、治験事務局の職員です。さらに、製薬会社のCRAとのやり取りもあります。立場の違う人たちの間に立って調整する役割なので、人間関係の悩みが生まれやすいのです。
よく聞かれるのは、次のような悩みです。
・担当施設の医師が治験に協力的でなく、頼みごとをするたびに気を使う
・病院の看護師や検査部門から、「外の会社の人」として距離を置かれる
・SMOの上司が現場の状況を分かってくれない
・同じ施設を担当する先輩CRCとの相性が悪い
・院内CRCとして、小さなチームの中で人間関係が固まっている
この箱の疲れは、CRCという仕事を辞めなくても、環境を変えることで軽くなることがあります。
SMOに所属しているなら、担当施設の変更を相談できる会社が多くあります。規模の大きなSMOでは、地域や施設をまたいだ異動の仕組みを持っているところもあります。相性の悪い医師や施設から離れるだけで、同じ仕事なのに毎日の重さがまったく違う、と感じる方もいます。
会社の方針そのものが合わない場合は、別のSMOに移る、あるいは院内CRCとして病院に直接雇われる、という道もあります。SMOと院内では、1日の過ごし方も、人間関係の広がり方も違います。移動がなく1つの病院の中で働く院内CRCが合う人もいれば、複数の施設を回って人間関係が分散するSMOのほうが気楽な人もいます。
今の職場のどこが合わないのかが言葉になると、次に選ぶ職場の条件もはっきりします。募集の出方や、応募する前に確かめておきたい点については、治験のコーディネーターの求人はどこで探すのか、募集の出方と応募前に確かめることにまとめています。
一方で、ハラスメントにあたるような言動を受けている場合は、1人で抱え込まないでください。会社の相談窓口や、SMOの上司に記録を添えて相談し、それでも改善しなければ、外部の相談先を頼ってください。
働いている場所によって、辞めたくなる理由の出方は違います
同じCRCでも、どこで働いているかによって、辞めたくなる理由の出方には傾向があります。今のあなたの疲れが、職場の形から来ているのかどうかを考える手がかりにしてください。
SMOに所属して、大きな病院を担当している場合
大学病院や総合病院は、治験の件数が多く、手順も整っていることが多い職場です。その一方で、関わる部署と人の数が多く、検査部門、薬剤部、病棟、治験事務局と、1つの来院のために何か所にも声をかける必要があります。
こうした職場で聞かれるのは、「調整に追われて、自分の仕事が進まない」「病院の職員の中で自分だけが外の人で、居場所がない」という声です。治験の部屋に机はあっても、病院の休憩室には入りにくい、職員向けの連絡が自分には届かない、といった小さな場面の積み重ねが、孤独感につながります。
SMOに所属して、複数のクリニックを担当している場合
クリニックでは、院長が治験の責任医師を兼ねていることが多く、話が早く進む良さがあります。一方で、施設ごとに決まりが違い、移動も多くなります。
ここで聞かれるのは、「毎日行き先が変わって、体が休まらない」「施設ごとのやり方を覚えきれず、いつもどこかでミスをしている気がする」という声です。院長との相性がそのまま働きやすさを左右するので、1つの施設との関係がこじれると、逃げ場がないように感じることもあります。
病院に直接雇われている院内CRCの場合
院内CRCは移動がなく、病院の職員として同じ建物で働きます。病院の中での立場が安定している一方で、治験管理室は数人から十数人の小さなチームであることが多いです。
ここで聞かれるのは、「チームの人間関係が固まっていて、合わない人がいても離れられない」「治験以外の臨床研究の支援や、院内の委員会の仕事まで回ってくる」という声です。人が少ないため、休みをとるときに誰が代わるのかも悩みの種になります。
職場の形から来る疲れなら、職場を変える価値がある
こうして並べてみると、疲れの中身が、今いる職場の形とよく重なっていることに気づく方もいると思います。
大きな病院の調整に疲れているなら、院長と直接やり取りできるクリニックの担当のほうが楽になるかもしれません。移動と施設ごとの決まりに疲れているなら、1つの病院に通う担当や、院内CRCが合うかもしれません。小さなチームの人間関係に疲れているなら、SMOに移って人間関係が分散するほうが気持ちが軽くなるかもしれません。
CRCという仕事を辞める前に、「別の形の職場でCRCをする」という選択肢があることを、どうか覚えておいてください。
辞めたい気持ちを、上司や家族に話すときのこと
辞めたい気持ちを1人で抱えていると、どんどん重くなります。でも、誰かに話すのは勇気がいりますよね。ここでは、話すときに少し楽になる考え方をお伝えします。
上司に話すときは、「辞めます」の前に「相談があります」
まだ辞めると決めきれていないなら、最初から「辞めたい」と伝える必要はありません。「最近、担当の量と体調のことで相談したいことがあります」と、面談の時間をとってもらうところから始めてみてください。
面談では、先ほどの4つの箱で整理したことを使います。「つらい」という気持ちだけでなく、「この試験とこの試験の終了時期が重なっていて、月の残業がこのくらいになっている」「この施設の、この場面で負担を感じている」と、場面と数字で伝えると、上司も何を変えればよいかを考えやすくなります。
上司が現場の状況を分かってくれない、話しても変わらない、という場合は、さらに上の立場の人や、人事の窓口に相談することもできます。1回の面談で全部が解決しなくても、「相談した」という記録が残ることには意味があります。
家族や友人に話すときは、答えを求めなくていい
家族や友人に話すと、「そんなに嫌なら辞めればいい」「せっかく入ったんだから続けたら」と、すぐに答えを返されることがあります。相手はあなたを心配しているからこそ、そう言うのです。
でも、今のあなたに必要なのは、答えよりも、気持ちを聞いてもらうことかもしれません。話し始める前に「今日は、ただ聞いてほしいだけなんだ」と一言添えるだけで、相手も聞き方を変えてくれます。
同じ仕事をしている人に話す
同じSMOの同期や、別の会社で働くCRCの知り合いがいるなら、その人に話してみるのもよい方法です。CRC特有の大変さは、同じ仕事をしている人にしか分からない部分があります。「うちもそうだよ」と言ってもらえるだけで、自分だけがおかしいわけではないと気づけます。
一方で、職場の同僚に話すときは、話した内容が思わぬ形で広がることもあります。小さな職場ほど、誰にどこまで話すかは慎重に選んでください。
話すことで、自分の気持ちが見えてくる
不思議なもので、声に出して誰かに話すと、自分でも気づいていなかった気持ちが見えてくることがあります。「辞めたい」と言いながら、実は「この被験者さんの試験だけは最後まで見届けたい」と思っていることに気づく方もいます。反対に、話しているうちに「もう十分頑張った」と、すっきり決められる方もいます。
どちらになっても大丈夫です。話すことは、判断を急ぐためではなく、自分の気持ちを確かめるためのものです。
お金と将来の見通しによる迷い
4つの箱とは少し別に、お金と将来の見通しも、辞めたい気持ちに影響します。
看護師などの医療職からCRCに移ると、夜勤手当がなくなるため、額面の収入が下がることがあります。
治験コーディネーターの初任給は、年齢や勤続年数によって異なるものの、16~20万円程度と言われています。高収入を期待している方にとって、「思っていたよりも収入が低い」とミスマッチが生じやすいです。経験年数を重ね、担当試験数が増えると昇給が見込まれますが、短期間で大幅な年収アップは難しいでしょう。 出典: kango-oshigoto.jp
仕事の負担が大きいと感じているときに、収入も下がっていると、「割に合わない」という気持ちが強くなります。これはとても自然な感じ方です。
ただ、お金の不満については、少し冷静に比べてみることをおすすめします。
前職の収入と比べるときは、額面だけでなく、夜勤の回数、休日の数、体への負担も一緒に並べてみてください。CRCに移ってから、体調が安定した、家族と過ごす時間が増えた、という変化があるなら、それもあなたが手に入れたものです。
前職に戻った場合の収入を確かめたい方は、看護師の年収・単価相場や薬剤師の年収・単価相場で、働く場所ごとの相場を確認してみてください。数字で比べると、思っていたほど差がない、あるいは思っていた以上に差がある、ということが分かります。どちらであっても、それが判断の土台になります。
将来の見通しについても、同じように考えられます。CRCは経験を積むと、チームのまとめ役や、施設の立ち上げを任される役割、製薬会社側のCRAへの転職など、道が広がっていく仕事です。今の職場で昇給の仕組みが見えないなら、それは職種の問題ではなく、職場の問題かもしれません。
心と体のサインを見逃さないでください
ここまで、切り分けの話をしてきました。でも、その前にどうしても確かめてほしいことがあります。それは、あなたの心と体の状態です。
次のようなサインが続いていないでしょうか。
・寝つけない、夜中や早朝に目が覚める
・休みの日の夕方から、翌日のことを考えて気持ちが沈む
・食欲がない、あるいは食べすぎてしまう
・以前は楽しめていたことに、興味がわかない
・仕事中にミスが増えた、集中できない
・涙が出る、理由もなくイライラする
こうした状態が2週間以上続いているなら、辞めるか続けるかを考える前に、まず休むことを考えてください。
疲れ切っているときの判断は、どうしても極端になります。「全部やめたい」「自分には何も向いていない」と感じやすくなります。それは、あなたの本当の気持ちというより、疲れが言わせている言葉であることが多いのです。
会社に産業医がいるなら、面談を申し込むことができます。かかりつけのお医者さんや、心療内科、精神科を受診するのもよいでしょう。医師の判断で休職をすすめられることもあります。厚生労働省も、働く人のこころの健康についての情報や相談窓口を厚生労働省のサイトで案内しています。
休むことは、逃げではありません。治験の仕事は、担当の被験者のことを思うと休みにくい仕事です。でも、あなたが倒れてしまったら、結局は誰かが引き継ぐことになります。早めに休んで回復するほうが、周りにとっても、あなた自身にとってもよい結果になります。
大丈夫ですよ。休んでいる間に、辞めるかどうかを決める必要はありません。少し元気が戻ってから、この記事で書いた切り分けをもう一度やってみてください。
辞める前に試せること、辞めると決めたときの進め方
最後に、具体的な行動を整理します。
辞める前に試せること
・担当の数や、新しい試験の開始時期について上司に相談する
・担当施設の変更や、別のチームへの異動を相談する
・時短勤務や、担当を絞った働き方ができるか聞いてみる
・先輩CRCに、同じ時期にどう乗り切ったかを聞く
・一定期間休んで、体調を立て直す
1つでも試してみて、それでも気持ちが変わらないなら、辞めるという選択は十分に考え抜いた結論です。自信を持ってください。
辞めると決めたときの進め方
CRCの退職で気をつけたいのは、担当している被験者と試験のことです。退職の意思は、就業規則で決められた時期より少し早めに、上司に伝えることをおすすめします。引き継ぎに時間がかかる仕事だからです。
引き継ぎでは、担当している被験者ごとの状況、次の来院の予定、未入力の記録、残っている問い合わせを一覧にします。担当施設の医師やスタッフへの挨拶も、上司と相談しながら進めます。丁寧に引き継いで辞めた人は、後から同じ業界に戻るときにも、よい評判が残ります。
退職の時期と、辞めた後の手続き
期間の定めのない雇用で働いている場合、法律の上では、退職の意思を伝えてから2週間で辞めることができます。ただ、多くの会社は就業規則で「1か月前までに申し出る」などと決めています。CRCの場合は引き継ぎに時間がかかるので、就業規則の時期よりも余裕をもって伝えるほうが、自分も周りも落ち着いて最後の期間を過ごせます。
残っている有給休暇は、引き継ぎの予定と合わせて、いつ使うかを上司と相談しておきましょう。最終出勤日と退職日を分けて、有給休暇をまとめて使う形をとる人もいます。
辞めた後に次の職場が決まっていない場合は、いくつかの手続きが必要になります。
・雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受けるための、ハローワークでの手続き
・健康保険を、会社の保険の任意継続にするか、国民健康保険にするか、家族の扶養に入るかの選択
・国民年金への切り替え
・住民税の支払い方法の確認
会社から届く離職票や、健康保険の資格を失ったことを示す書類は、手続きに必要になるので大切に保管してください。手続きの細かい条件は、ハローワークやお住まいの市区町村の窓口で確認できます。
次の職場を決めてから辞めるか、辞めてから探すかは、体調と貯えによって決めてかまいません。体調が崩れているなら、先に辞めて休むことを優先してよいのです。
次の道の考え方
CRCを辞めた後の道は、人によってさまざまです。病棟や薬局に戻る人、院内CRCや別のSMOに移る人、製薬会社側のCRAやデータ管理の仕事に進む人、医療から少し離れた仕事を選ぶ人もいます。
どの道を選ぶにしても、CRCとして身につけた、記録を正確に残す力、立場の違う人の間で調整する力、決められた手順を守りながら被験者に寄り添う力は、次の職場で必ず生きます。
次の道がまだ見えないときは、自分の気持ちや経験を一度誰かと一緒に整理してみるのも1つの方法です。職業の選び方や働き方の相談に応じる国家資格にキャリアコンサルタントがあります。また、医療職の迷いに向き合ってきた経験を、今度は相談を受ける側で生かす職場・転職・キャリア相談のお仕事のような道もあります。
在宅や業務委託で、治験文書の作成の支援や医療系の記事の監修など、CRCの経験を生かしながら働き方を変える人もいます。仲介の手数料がかからない直接のやり取りであれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなるので、少しずつ試してみる選択肢として知っておいてもよいと思います。
辞めたいと感じたことは、あなたが真剣にこの仕事に向き合ってきた証拠です。あなたは一人じゃありません。焦らず、1つずつ切り分けて、自分が一番楽に息ができる場所を選んでください。
よくある質問
Q. 治験のコーディネーターを1年未満で辞めても、転職で不利になりますか?
短期間での退職は理由を聞かれやすくなりますが、仕事の性質が合わなかった理由と、次に何を大切にしたいかを具体的に説明できれば、大きな不利にはなりにくいです。医療職の資格や臨床経験があれば、病院や薬局に戻る道も残っています。退職の前に、疲れの原因を切り分けておくと説明がしやすくなります。
Q. 担当施設の医師との関係がつらいとき、辞める以外に方法はありますか?
SMOに所属している場合、担当施設の変更や別のチームへの異動を相談できる会社が多くあります。相談するときは、どの場面でどんな負担が出ているかを具体的に伝えると調整してもらいやすくなります。ハラスメントにあたる言動がある場合は、記録を残して会社の相談窓口に伝えてください。
Q. CRCを辞めた後、どんな仕事に就く人が多いですか?
病棟や薬局などの臨床に戻る人、院内CRCや別のSMOに移る人、製薬会社側のCRAやデータ管理の仕事に進む人がいます。記録を正確に残す力や調整の経験を生かして、医療系の文書作成の支援など在宅の仕事を組み合わせる人もいます。
Q. 辞めたいほど疲れているとき、まず何をすればよいですか?
眠れない、休日も気持ちが沈むといった状態が2週間以上続いているなら、辞めるかどうかの判断より先に休むことを考えてください。産業医やかかりつけ医、心療内科などに相談し、必要に応じて休職も検討します。少し回復してから原因を切り分けたほうが、後悔の少ない判断ができます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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