資格の勉強のやり方|合格までの計画と続け方


この記事のポイント
- ✓仕事や家事と両立する時間の作り方
- ✓続かないときの立て直し方まで順に整理しました
- ✓教育訓練給付金の使い方も紹介します
資格勉強のやり方が分からないまま、テキストを1ページ目から読み始めて途中で止まってしまう人は少なくありません。合格に必要なのは才能や長い勉強時間よりも、試験の中身を先に知り、残りの日数から逆算した計画を立て、毎日少しずつ続ける仕組みです。この記事では、試験の調べ方から計画の立て方、過去問の使い方、復習の間隔、仕事や家事と両立するための時間の作り方、続かなくなったときの立て直し方までを、順番に整理します。
資格の勉強が続かない理由と、合格する人のやり方の違い
勉強が止まる3つの場面
資格の勉強が止まる場面は、だいたい3つに分かれます。1つ目は、テキストの最初の章が難しくて先に進めなくなる場面です。2つ目は、仕事や家事が忙しい週が続き、1週間ほど手を付けない日が続いたあと、戻るきっかけを失う場面です。3つ目は、試験の2か月前ごろに過去問を初めて解き、点数の低さに気持ちが折れる場面です。
この3つは、どれも「やり方の順番」が原因になっています。最初から全部を理解しようとする、毎日の量を決めていない、過去問を最後に回している。この3点を変えるだけで、同じ勉強時間でも結果が大きく変わります。
合格する人がやっていること
短い期間で合格する人の勉強には共通点があります。最初に過去問を見て、何がどの程度の深さで問われるのかをつかんでいます。テキストは辞書のように使い、問題で分からなかったところだけを読み込みます。そして、忘れる前に繰り返すための日程を、あらかじめ予定に組み込んでいます。
勉強の量そのものより、試験に出るところへ時間を集中させているかどうかが差になります。資格試験は満点を取る試験ではなく、合格点を取る試験です。たとえば合格の基準が60%の試験なら、全範囲を完璧にするより、よく出る分野を確実に取るほうが近道です。
自分に合うやり方を選ぶための前提
勉強のやり方は、試験の種類で変わります。選択式の問題が中心の試験と、記述や論述がある試験では、同じ過去問の使い方でも重点が違います。パソコンで受ける試験(CBT方式)のように、受ける日を自分で選べる試験もあれば、年に1回しか受けられない試験もあります。最初の一歩は、自分が受ける試験の形を知ることです。
最初の1週間でやること。試験を調べて逆算する
試験の公式ページで確かめる5つの項目
勉強を始める前に、試験を実施している団体の公式ページを開き、次の5つを書き出します。
- 試験日と申込みの期間(年に何回あるか、日を選べるか)
- 出題の形式(選択式か記述式か、問題数と試験時間)
- 合格の基準(何点以上か、科目ごとの足切りがあるか)
- 出題範囲(シラバスや試験科目の一覧)
- 受験の条件(学歴や実務経験が必要か)
たとえば、情報処理推進機構(IPA)が実施する情報処理技術者試験では、ITパスポート試験や基本情報技術者試験は受ける日を選べる随時の実施で、令和8年度からは応用情報技術者試験や高度試験もパソコンで受ける方式になると案内されています。詳しくはIPAの試験区分一覧で確かめられます。こうした実施方法の違いで、計画の立て方が変わります。
必要な勉強時間の目安をつかむ
次に、合格に必要な勉強時間の目安を調べます。講座を出している会社や合格者の体験記には、目安の時間が書かれていることが多いので、2つから3つの情報を見比べて幅をつかみます。ここで大事なのは、目安の時間をそのまま信じることではなく、自分の前提知識に合わせて調整することです。仕事でその分野に触れている人は短く、まったく初めての人は長く見積もります。
試験日から逆算して3つの期間に分ける
目安の時間が分かったら、試験日から逆算して勉強の期間を3つに分けます。
- 全体を一通り見る期間(全体の約3割)
- 問題を解きながら弱点をつぶす期間(全体の約5割)
- 本番と同じ形で仕上げる期間(全体の約2割)
たとえば勉強時間の目安が150時間で、試験まで3か月あるなら、1日あたり約1時間40分です。平日は1時間、休日は3時間というように、曜日で量を変えて合計が合うように組みます。
過去問から始める理由と、正しい使い方
最初に過去問を「眺める」
勉強の最初に、過去問を1回分だけ眺めます。この段階では解けなくてかまいません。どんな言葉が出てくるか、問題文の長さはどのくらいか、計算問題はあるか、同じ分野が何度も出ていないか。これを知るだけで、テキストを読むときに「ここは出る」「ここは軽く流してよい」という見当がつきます。
最初から1問ずつ丁寧に解こうとすると、分からない問題ばかりで時間がかかり、気持ちも消耗します。最初の1回は、問題と答えと解説を並べて読む程度で十分です。
2回目からは解いて、間違いを分類する
テキストを一通り見たあとは、過去問を実際に解きます。間違えた問題は、次の3つに分けて印を付けます。
- 知らなかった(覚えていない知識)
- 知っていたが間違えた(読み違い、勘違い)
- 考え方が分からなかった(計算や判断の手順)
知らなかった問題はテキストで該当の箇所を読み直し、知っていたのに間違えた問題は問題文のどこを読み落としたかを書き残します。考え方が分からなかった問題は、解説を見ながら手順を自分で書き出して、翌日にもう一度解きます。分類しておくと、何を直せば点が伸びるかがはっきりします。
同じ問題を何回解けばよいか
過去問は、同じ問題を3回解くのが1つの目安です。1回目は実力の確認、2回目は間違えた問題の確認、3回目は答えを覚えてしまっていないかの確認です。答えの番号だけを覚えてしまうと、本番で問い方が少し変わっただけで解けなくなります。3回目は、選択肢ごとに「なぜ正しいか、なぜ違うか」を言えるかどうかで確かめます。
テキストと問題集の選び方。独学か講座か
テキストは1冊に絞る
テキストは、最初に1冊を決めたら最後までその1冊を使います。複数のテキストを行き来すると、同じ内容を読み直す時間が増え、どこまで進んだか分からなくなります。選ぶときは、書店やネットの試し読みで最初の章を読み、図や表が多く、自分が読み進められそうなものを選びます。発行年が新しいかどうかも必ず確かめます。法律や制度が出る試験では、改正で答えが変わることがあるためです。
問題集は過去問の解説が厚いものを
問題集は、過去問が年度別または分野別に並び、選択肢ごとに解説が付いているものを選びます。解説が薄いと、なぜ間違えたかが分からず、同じ間違いを繰り返します。無料で過去問を公開している試験もあるので、公式ページで確かめてから購入を決めると、費用を抑えられます。
独学と講座の向き不向き
独学が向いているのは、試験の範囲が比較的狭く、テキストと過去問で理解が進む試験です。費用はテキストと問題集の代金だけで済みます。一方、記述や実技がある試験、範囲が広く何年も勉強が続く試験では、講座を使うと、学ぶ順番と添削が手に入ります。
講座を選ぶときは、受講料だけでなく、質問の回数に上限があるか、動画を何倍速で見られるか、受講の期限がいつまでかを比べます。費用の負担が大きいときは、次に紹介する教育訓練給付金の対象講座かどうかも確かめます。
教育訓練給付金で講座の費用の一部が戻る
雇用保険に一定期間加入している人などは、厚生労働大臣が指定した講座を受けると、費用の一部が支給される教育訓練給付金の対象になります。厚生労働省は次のように案内しています。
一般教育訓練 その他の雇用の安定・就職の促進に資する教育訓練が対象となります。 教育訓練経費の20%(上限10万円)が訓練修了後に支給されます。 出典: 厚生労働省 教育訓練給付制度
このほか、特定一般教育訓練は40%(上限20万円)、専門実践教育訓練は50%(年間上限40万円)が基本で、資格の取得と就職などの条件を満たすと割合が上がります。対象かどうかは、講座ごとに決まっています。申込みの前に、ハローワークで自分が受けられるかを確かめ、講座が対象として指定されているかを厚生労働省の講座検索で調べます。
記憶に残す復習の間隔と、覚え方のこつ
忘れる前に思い出す
人は覚えたことを時間とともに忘れていきます。忘れないようにするには、完全に忘れる前に思い出す回数を増やすことが大切です。よく使われる間隔は、学んだ翌日、3日後、1週間後、2週間後、1か月後です。予定表に「何の章をいつ復習するか」を最初から書き込んでおくと、復習が後回しになりません。
復習は、テキストを読み直すより、問題を解く、白い紙に要点を書き出すといった「思い出す作業」のほうが効果があります。読み直すだけでは分かった気になりやすく、本番で思い出せないことがあります。
人に説明するつもりで書く
覚えた内容を、その分野を知らない人に説明するつもりで書き出してみると、自分が理解していないところがはっきりします。説明できない箇所は、言葉だけ覚えていて仕組みを分かっていない箇所です。1つの章を読み終えるたびに、3行から5行で要点を書く習慣を付けると、試験の直前に見直す自分だけのまとめにもなります。
暗記ものは小分けにして、すき間の時間に
法律の数字、用語の定義、計算の公式のように、覚えるしかない内容は、カードやスマートフォンの暗記アプリに小分けにして、通勤や家事の合間に繰り返します。1回あたり5分でも、1日に3回なら15分になります。机に向かう時間は問題演習と理解に使い、暗記はすき間の時間に回すと、限られた時間を有効に使えます。
仕事や家事と両立する時間の作り方
1日の時間を書き出して、空いている枠を探す
勉強の時間が取れないと感じるときは、まず平日の1日を30分単位で書き出します。起きる時間、通勤、仕事、家事、食事、入浴、寝る時間。書き出すと、朝の30分、昼休みの20分、寝る前の30分のように、細切れの空き時間が見つかります。この時間に何をするかを先に決めておくと、迷わずに始められます。
朝と夜で勉強の中身を分ける
頭がすっきりしている朝は、新しい内容を読む、難しい問題を解くといった負担の大きい勉強に向いています。疲れている夜は、その日に学んだことの復習や、暗記カードの見直しのような軽い勉強に回します。同じ1時間でも、中身を時間帯に合わせて分けると、進み方が変わります。
毎日の最低ラインを決める
忙しい日でも「これだけはやる」という最低ラインを決めます。たとえば「過去問を1問だけ解く」「暗記カードを10枚だけ見る」です。最低ラインは、どんなに疲れていても5分で終わる量にします。勉強が止まる一番の原因は、0の日が何日も続くことです。少しでも続いていれば、時間ができたときにすぐ元の量に戻せます。
家族や職場に予定を伝える
試験日と勉強の時間帯を家族に伝えておくと、協力を得やすくなります。職場で業務に関わる資格なら、上司に受験の予定を伝えると、試験の前後に業務を調整してもらえることもあります。会社によっては受験料や講座の費用を補助する制度があるので、就業規則や社内の案内を確かめておくと、費用の負担を減らせます。
続かなくなったときの立て直し方
遅れたら計画を作り直す
計画どおりに進まないのは、ほとんどの人に起こることです。遅れが出たら、元の計画にしがみつかず、残りの日数で作り直します。このとき、優先して残すのは過去問の演習と、よく出る分野の復習です。出題の少ない分野は、思い切って後回しにするか、基本だけを押さえる程度にします。
進み具合を目に見える形にする
勉強の記録を付けると、続ける力になります。カレンダーに勉強した日の印を付ける、解いた問題の数を表にする、正答率の変化をグラフにする。数字で前に進んでいることが分かると、気持ちが折れにくくなります。紙の手帳でも、表計算ソフトでも、使いやすいもので十分です。
勉強の仲間や場所を変える
1人で続けるのがつらいときは、同じ試験を受ける人の勉強会やオンラインの学習グループに参加する方法があります。図書館や自習室のように、勉強するための場所に行くだけで集中しやすくなる人もいます。自宅で勉強するなら、スマートフォンを別の部屋で充電しておくだけでも、気が散る回数が減ります。
試験の1か月前から当日までの仕上げ方
本番と同じ時間で過去問を解く
試験の1か月前からは、本番と同じ時間配分で過去問を通して解きます。時間を計ると、どの分野で時間を使いすぎているかが分かります。分からない問題に時間をかけすぎず、いったん飛ばして最後に戻る、という順番も、この時期に身に付けます。
模擬試験は結果より使い方が大事
講座の会社や書店の問題集が用意している模擬試験は、点数そのものより、時間配分と弱い分野を知るために使います。受けたら、その日のうちに間違えた問題を分類し、次の1週間の勉強の中身を組み替えます。模擬試験で合格点に届かなくても、間違いの理由がはっきりしていれば、残りの期間で十分に立て直せます。反対に、点数が良くても、勘で当たった問題が多いなら、その分野は復習の対象に残しておきます。受ける時期は、試験の3週間前から2週間前が目安です。直前すぎると、見つかった弱点を直す時間が足りなくなります。
直前の1週間は新しいことに手を出さない
直前の1週間は、新しいテキストや問題集に手を出さず、これまでに間違えた問題と、自分で書いた要点のまとめを繰り返し見直します。新しい問題で解けないものに出会うと、不安が大きくなるだけです。睡眠を削って勉強時間を伸ばすより、試験の時間帯に頭が働くように生活のリズムを整えるほうが、当日の点につながります。
当日の持ち物と時間を確かめる
受験票、本人確認の書類、筆記用具、電卓が使える試験なら電卓を、前日に準備します。会場までの道のりと所要時間も確かめておきます。パソコンで受ける試験では、本人確認の書類の種類が決まっていることがあるので、公式の案内を前日に読み直します。
試験の形式ごとに変える勉強の重点
選択式の試験は「選択肢を説明できるか」で仕上げる
マークシートやパソコンの画面で答えを選ぶ試験では、正解の選択肢を見つけるだけでなく、間違いの選択肢がなぜ間違いなのかを説明できるかが仕上がりの目安になります。選択式の問題は、正しい文の一部だけを入れ替えて誤りの文を作っていることが多く、入れ替えられやすい言葉(「必ず」「すべて」「原則として」「できる」と「しなければならない」の違いなど)に印を付けて読む習慣を付けると、読み違いが減ります。
記述式や論述の試験は書いて添削を受ける
文章で答える試験では、知識があっても、限られた字数と時間で書く練習をしていないと点になりません。最初は模範解答を書き写して型を覚え、次に時間を計って自分で書き、最後に第三者に読んでもらう順番で進めます。独学の場合でも、通信講座の添削だけを単発で使う、同じ試験を受ける仲間と答案を交換するといった方法で、他人の目を入れる機会を作ります。
実技のある試験は練習の回数を記録する
パソコンの操作、製図、介護の技術、調理など、手を動かす試験では、知識より練習の回数が結果を分けます。課題ごとに練習した回数と、かかった時間、つまずいた箇所を記録すると、どの課題を重点的に練習すればよいかが分かります。本番と同じ道具や同じ条件で練習できる日を、試験の前に必ず作っておきます。
パソコンで受ける試験は画面に慣れておく
パソコンで受ける試験では、問題を画面で読み、計算は配られたメモ用紙で行い、答えをクリックで選ぶ形が一般的です。紙の問題集だけで練習していると、画面で長い文を読む疲れや、見直しの操作に戸惑うことがあります。実施団体が体験版の画面や公開問題を用意していることがあるので、本番の前に一度は画面の上で解いておきます。受ける日を自分で選べる試験では、勉強の仕上がりに合わせて日を決められる反面、先延ばしにしやすいので、勉強を始めた時点で受ける日を予約してしまうのも1つの方法です。
3か月で合格を目指す計画表の例
週ごとの割り振り
勉強時間の目安が150時間前後の試験を、3か月(約13週)で受ける場合の割り振りの例です。
| 期間 | やること | 1週間の目安 |
|---|---|---|
| 1週目 | 試験の調査、過去問を1回分眺める、テキストを決める | 5時間 |
| 2〜5週目 | テキストを一通り読み、章ごとに問題集を解く | 各10時間 |
| 6〜10週目 | 過去問を分野別に解き、間違いを分類して復習する | 各12時間 |
| 11〜12週目 | 本番と同じ時間で過去問を通して解く | 各14時間 |
| 13週目 | 間違えた問題と要点のまとめの見直しだけ | 8時間 |
この表は、合計がおおむね150時間になるように組んでいます。最初の数週間を軽めにしているのは、勉強の習慣を作る時期だからです。いきなり1日3時間の計画を立てると、最初の週で疲れてしまい、続かなくなることがあります。
1日の中での組み立て
平日に1時間半を確保できるなら、朝の30分でテキストを読み、昼休みの15分で暗記カードを見て、夜の45分で問題集を解く、というように3つに分けます。まとまった時間が取れない人でも、分けて積み上げれば同じ量になります。休日は3時間から4時間を目安に、過去問をまとめて解く日にあてると、平日の細切れの勉強と組み合わせて全体が回ります。
予備の日を最初から入れる
計画には、週に1日の予備の日を入れておきます。予定どおり進んだ週は予備の日に復習をし、遅れた週は予備の日で取り戻します。予備の日がない計画は、1回の遅れで全体が崩れます。体調を崩したときや、仕事が立て込んだときのための余白として、最初から組み込んでおくことが続けるこつです。
独学のメリットとデメリットを整理する
独学のメリット
独学の一番のメリットは、費用を抑えられることです。テキストと問題集を合わせても、多くの試験では数千円から1万円台で始められます。自分の進み方に合わせて、得意な分野は早く、苦手な分野はゆっくり進められる点も独学ならではです。仕事や家事の予定に合わせて、勉強する時間帯を毎日変えられる自由さもあります。
独学のデメリット
一方で、独学には、勉強の順番を自分で決めなければならない、分からないところを質問できない、進み具合を誰も確かめてくれない、という弱点があります。特に、法律や会計のように用語が多い分野では、最初の理解でつまずくと先に進みにくくなります。試験の改正や出題の傾向の変化に気付きにくい点にも注意が要ります。
デメリットを補う方法
独学の弱点は、部分的に外の力を借りることで補えます。分からない箇所だけ動画の講義を見る、模擬試験だけを受けて自分の位置を確かめる、試験の実施団体が公開している出題範囲や改正の案内を定期的に読む、といった方法です。全部を講座に任せるか、全部を独学でやるかの二択ではなく、自分に足りない部分だけを補う組み合わせを考えると、費用と効果の釣り合いが取りやすくなります。
無料で使える教材と道具
公式の過去問と試験の案内
多くの試験では、実施団体が過去の問題や正解、出題範囲、試験の要綱を無料で公開しています。まず公式のページを探し、何年分の過去問が手に入るかを確かめます。過去問が公開されていない試験では、問題集の購入が必要になりますが、出題範囲の一覧だけでも、勉強の計画を立てるときの土台になります。
図書館と自治体の講座
公立の図書館には、資格のテキストや問題集がそろっていることがあります。最新の版でない場合もあるので、法律や制度が出る試験では、発行年を確かめたうえで、基礎の理解や読み比べに使います。自治体や公的な機関が、無料または低い費用で資格に関わる講座を開いていることもあるので、住んでいる地域の広報やホームページを確かめておくと、思わぬ学びの場が見つかります。
記録と復習のための道具
勉強の記録には、紙の手帳、表計算ソフト、スマートフォンのカレンダーなど、すでに使い慣れている道具で十分です。新しいアプリを入れて設定に時間をかけるより、毎日開くものに記録を付けるほうが続きます。暗記のための無料のカードアプリを使う場合は、自分で作ったカードを、間違えたものほど多く出る設定にしておくと、復習の効率が上がります。
立場や生活に合わせた勉強の組み立て方
会社で働きながら受ける人
会社で働きながら受ける人は、平日の勉強時間が短くなりがちです。通勤の時間を暗記にあて、帰宅後は疲れていても15分だけ問題を解く、という最低ラインを守ると、平日の勉強が0にならずに済みます。繁忙期が分かっている仕事なら、その時期を避けて試験日を選ぶか、繁忙期の前に勉強を前倒しする計画にします。業務に関わる資格なら、仕事で触れた内容をその日のうちにテキストで確かめると、理解と記憶が同時に進みます。
子育てや介護をしながら受ける人
子育てや介護をしている人は、時間が自分で決められず、予定どおりに進まない日が多くなります。決まった時間に勉強する計画より、「1日のどこかで合計30分」のように量で決める計画のほうが合います。子どもが寝たあとや、家族が出かけている時間に、すぐ始められるように、テキストと問題集を開いたままにできる場所を決めておくと、取りかかるまでの時間が短くなります。
学生や時間に余裕がある人
学生や、仕事を離れて時間に余裕がある人は、1日に長い時間を使える反面、だらだらと時間が過ぎやすくなります。午前は新しい範囲、午後は問題演習、夕方は復習というように、時間帯ごとにやることを決め、1回の勉強は50分前後で区切って休憩を入れます。時間があるからといって範囲を広げすぎず、過去問で出る分野を優先する考え方は変わりません。
久しぶりに勉強を再開する人
長く勉強から離れていた人は、最初の2週間を「勉強の体力を戻す期間」と考えます。最初は1日20分から始め、慣れてきたら少しずつ時間を伸ばします。紙に手で書く、声に出して読むといった、体を使う覚え方を組み合わせると、集中が続きやすくなります。年齢を理由にあきらめる必要はなく、仕事や生活の経験がある分、実務に結び付く問題は若い受験者より理解しやすいこともあります。
おすすめしない勉強のやり方と、その代わりにやること
テキストに線を引くだけで終わる
テキストにたくさん線を引くと、勉強した気分になりますが、線を引いただけでは覚えていません。線を引くなら、あとで隠して思い出せるかを確かめる箇所に絞ります。代わりにおすすめなのは、章を読み終えたら本を閉じて、覚えていることを紙に書き出すやり方です。
きれいなノートづくりに時間をかける
色ペンを何色も使ってノートを清書する勉強は、時間のわりに得点につながりにくい方法です。ノートは、間違えた問題と、その理由を書くための「間違いのノート」に限ると、直前の見直しに役立つ1冊になります。
苦手な分野を最後まで避ける
苦手な分野を後回しにし続けると、直前になって手が付けられないまま本番を迎えます。苦手な分野は、毎日少しずつ触れる時間を作り、まずは基本の問題だけを確実に解けるようにします。すべてを得意にする必要はなく、合格点に届く分だけ取れれば十分です。
資格を仕事につなげるための勉強の視点
合格の先に何をするかを決めておく
資格は取ったあとに使ってこそ意味があります。勉強を始める前に、合格したらどんな仕事に生かすのかを決めておくと、勉強中に迷ったときの支えになります。たとえば、文書を作る仕事を目指すならビジネス文書検定のように実務の書き方を学ぶ資格が、ネットワークの仕事を目指すならCCNA(シスコ技術者認定)のように技術を証明する資格が、仕事の入り口になります。
在宅の仕事では資格と実績を組み合わせる
業務委託で在宅の仕事を受ける場合、発注する側は資格の有無だけでなく、実際に何ができるかを見て判断します。資格の勉強で得た知識を、実際の成果物に変えて見せられるようにしておくと、仕事を受けやすくなります。文章の仕事を目指す人ならWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、実績の見せ方を確かめておくと準備が進みます。
分野ごとの仕事と報酬の相場を知る
勉強の目的を仕事につなげるなら、その分野の仕事内容と報酬の相場を知っておくことも大切です。たとえば、AIの業務への活用を支援する仕事は、資格の知識だけでなく、相手の業務を理解して提案する力が求められます。AIコンサル・業務活用支援のお仕事には、仕事の内容と求められる力が整理されています。デザインの分野に進む人は、デザイナーの年収・単価相場で、経験や働き方による報酬の違いを確かめられます。
運営者として見てきた、資格を仕事に生かせる人の共通点
在宅ワークと業務委託の仲介を長く続けてきた立場から見ると、資格を取ったあとに仕事を得ている人には共通点があります。それは、勉強の途中から「この知識で誰の何を助けられるか」を考えていることです。合格証は入り口にすぎず、発注する側は、その知識を使って自分の困りごとを解決してくれるかどうかを見ています。
もう1つの共通点は、勉強のやり方そのものを仕事に持ち込んでいることです。過去問で出題の傾向をつかむのは、発注する側の要望を先に確かめることに似ています。復習の間隔を予定に組み込むのは、納期から逆算して作業を割り振ることに似ています。資格の勉強で身に付けた「調べる、逆算する、続ける」という型は、そのまま在宅の仕事を続ける力になります。
仲介の手数料が乗らない直接取引では、同じ予算で発注する側は多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。資格の知識と実績を組み合わせて、直接相談を受けられる関係をつくっておくことが、勉強の成果を長く生かす道です。アプリの開発のように技術の資格が直接生きる分野については、アプリケーション開発のお仕事で仕事の内容を確かめてから、次に取る資格を決めるのも1つの方法です。
よくある質問
Q. 資格の勉強は1日何時間すればよいですか?
決まった正解はなく、試験に必要な勉強時間の目安と、試験日までの日数から逆算して決めます。たとえば目安が150時間で試験まで3か月あるなら、1日あたり約1時間40分です。平日と休日で量を変え、合計が合うように組むと続けやすくなります。忙しい日は5分で終わる最低ラインだけでも続けることが大切です。
Q. テキストと過去問はどちらから始めるべきですか?
最初に過去問を1回分眺めて、出題の形と範囲をつかんでからテキストに進む順番がおすすめです。この段階では解けなくてかまいません。何がどの深さで問われるかが分かると、テキストを読むときに力を入れる場所が見えます。テキストを一通り見たあとは、過去問を解いて間違えた箇所だけを読み直します。
Q. 独学で合格できる資格と、講座を使ったほうがよい資格の違いは?
範囲が比較的狭く、テキストと過去問で理解できる試験は独学でも十分に合格を目指せます。記述や実技がある試験、範囲が広く長期間の勉強が必要な試験は、学ぶ順番と添削が手に入る講座を使うと進めやすくなります。講座を選ぶときは、教育訓練給付金の対象かどうかも確かめると費用を抑えられます。
Q. 勉強が続かなくなったときはどうすればよいですか?
まず元の計画にこだわらず、残りの日数で計画を作り直します。過去問の演習とよく出る分野の復習を優先して残し、出題の少ない分野は後回しにします。勉強した日の記録を付ける、勉強会や自習室を使う、スマートフォンを別の部屋で充電するなど、環境を変えるのも効果があります。0の日を何日も続けないことが一番の立て直し方です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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