似顔絵の在宅の仕事は未経験から始められるか|練習の順番と受注の方法

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似顔絵の在宅の仕事は未経験から始められるか|練習の順番と受注の方法

この記事のポイント

  • ✓似顔絵の在宅の仕事を未経験から始めたい人向けに
  • ✓在宅で受けられる似顔絵の仕事の種類
  • ✓受注の方法と料金の決め方

似顔絵の在宅の仕事に未経験から挑戦したいと考えて調べると、「絵の学校を出ていないと無理なのでは」「どれくらい練習すれば仕事になるのか」「どこで注文を受ければよいのか」と、次々に疑問が浮かぶはずです。似顔絵は、記念日の贈り物やSNSのアイコン、名刺などに使われ、個人からの注文が多い分野です。資格は要りませんが、注文を受けるまでには、絵の練習とは別の準備も欠かせません。

この記事では、在宅で受けられる似顔絵の仕事の種類、未経験から始めるときの練習の順番、作品見本のつくり方、受注の方法と料金の決め方、お客さんの写真の扱いと著作権、税金の基本までを順に整理します。結論を先に書くと、似顔絵の在宅の仕事は未経験からでも始められますが、注文につながるのは「上手な絵」より「似ていて、注文から納品までが分かりやすい人」です。練習と並行して、作品見本と受注の流れを整えることが近道になります。

在宅で受けられる似顔絵の仕事

似顔絵の仕事というと、イベント会場や観光地で目の前のお客さんを描く姿を思い浮かべる人が多いでしょう。在宅の仕事は、お客さんから写真を受け取り、自宅で描いて、データや印刷物で納める形が中心です。

主な注文の種類

注文の種類 主な用途 納品の形
贈り物の似顔絵 誕生日、結婚祝い、退職祝い、還暦祝い 印刷して額に入れる、データ
ウェルカムボード 結婚式の受付に飾る 印刷物、データ
SNSのアイコン プロフィール画像 データ
名刺やチラシ 自己紹介、店舗の案内 データ
社内報や会社案内 社員紹介 データ
家族やペットの似顔絵 記念、年賀状 データ、印刷物

2つの働き方

在宅の似顔絵の仕事には、大きく分けて2つの働き方があります。1つは、自分でお客さんから直接注文を受ける働き方です。スキルを売買するサービスに出品したり、SNSで作品を見せて注文を受けたりします。もう1つは、似顔絵の通信販売を行う店に、在宅の作家として登録して描く働き方です。店が注文を集め、作家は届いた写真をもとに描いて納めます。

店に所属する形は、注文を集める手間がかからない一方、絵柄を店の基準に合わせる必要があり、報酬は店の決まりに従います。自分で注文を受ける形は、絵柄も料金も自分で決められますが、お客さんとのやり取りと集客をすべて自分で担います。

求人に見られる条件

似顔絵の通信販売の店の在宅作家の募集には、「副業もOK」「未経験でも実力のある方歓迎」といった条件が見られます。ここでいう未経験とは、似顔絵の仕事の経験がないという意味で、絵を描く力そのものは選考で見られます。多くの募集では、課題の似顔絵や作品見本の提出が求められます。

注文が増える時期

似顔絵の注文は、贈り物の時期に集まります。母の日と父の日、敬老の日、クリスマス、年度末の退職や異動の時期、結婚式が多い春と秋などです。こうした時期の1か月から2か月前には、作品見本や料金の案内を整え、注文を受けられる枠を空けておくと、機会を逃しません。逆に、注文の少ない時期は、練習や作品見本の更新にあてると、次の繁忙期に備えられます。

対面の似顔絵との違い

イベント会場などで目の前のお客さんを描く対面の似顔絵は、数分から十数分で描き上げる速さと、その場の会話で場を楽しませる力が求められます。在宅の似顔絵は、時間をかけて丁寧に仕上げられる一方、写真だけから本人の雰囲気を読み取る力と、文章でのやり取りの丁寧さが求められます。在宅で経験を積んだあと、イベントの似顔絵の仕事に広げる人もいれば、その逆の人もいます。どちらも「短い時間で特徴をつかむ」という根本の技術は共通しています。

未経験から始められるか

結論から言えば、似顔絵の在宅の仕事は、仕事としての経験がなくても始められます。資格は必要なく、描くための道具もパソコンとペンタブレットがあれば十分です。ただし、次の3つは事前に身につけておく必要があります。

似せる力

似顔絵の仕事で何より求められるのは、絵の上手さより「似ている」ことです。お客さんは、贈る相手が見て「自分だ」とすぐ分かる絵を求めています。顔の形、目と眉の間隔、鼻と口の位置、髪型といった特徴をつかみ、それを少し強調して描く力が必要です。

決まった時間で仕上げる力

注文を受けたら、約束した日までに納める必要があります。1枚に何日もかけていては、仕事として成り立ちません。自分が1枚を仕上げるのにどれくらいの時間がかかるのかを知り、その時間を少しずつ縮めていく練習が欠かせません。

お客さんとやり取りする力

在宅の似顔絵は、お客さんの顔を直接見ずに描きます。写真から読み取れないことは、お客さんに聞くしかありません。髪の色、服装、持たせたい小物、背景に入れたい文字など、注文の内容を正確に聞き取り、仕上がりの印象を事前にすり合わせる力が、満足度を大きく左右します。

練習の順番

未経験から似顔絵の仕事を目指すなら、次の順番で練習すると、無理なく力を伸ばせます。

1. 顔の形と配置を観察する

まず、写真の人物の顔を、輪郭、目、眉、鼻、口、耳、髪型に分けて観察します。顔全体の中で目がどの高さにあるか、目と目の間隔は目の幅と比べてどうか、鼻から口までの距離は長いか短いか、といった比率を言葉にしてみます。似顔絵が似ない原因の多くは、パーツの形ではなく、パーツの配置の比率にあります。

2. 特徴を1つ強調して描く

次に、その人のいちばんの特徴を1つ選び、少しだけ強調して描きます。丸い輪郭、太い眉、大きな目、えくぼなど、その人らしさを決める特徴は人によって違います。特徴を強調しすぎると、本人が見て嫌な気持ちになることがあるため、贈り物の似顔絵では「やさしく強調する」加減が大切です。

3. 同じ人を何度も描く

同じ人の写真を何枚か用意し、角度や表情を変えて何度も描きます。どの写真から描いても同じ人に見えるようになれば、特徴をつかめている証拠です。家族や友人に描いた絵を見せ、誰を描いたか当ててもらうのも効果のある練習です。

4. 絵柄を決める

似顔絵には、線の少ないかわいらしい絵柄、写真に近い絵柄、手書きの温かみのある絵柄など、さまざまなスタイルがあります。注文を受けるうえでは、自分の絵柄を1つか2つに絞り、どの作品を見ても同じ人が描いたと分かる状態にしておくことが大切です。お客さんは作品見本を見て注文するため、絵柄が毎回違うと、どんな仕上がりになるのか想像できません。

5. 時間を計って仕上げる

最後に、1枚を仕上げる時間を計りながら描きます。下描き、線画、色塗り、背景と文字入れのそれぞれに何分かかったかを記録すると、どこで時間がかかっているのかが見えてきます。注文を受けはじめる前に、自分が無理なく描ける1日の枚数を把握しておきます。

練習で気をつけたいこと

練習に、芸能人や有名人の写真を使う人は多いでしょう。練習として描くことは問題になりにくいものの、その絵をインターネットで公開したり、作品見本として使ったりすると、肖像やパブリシティの権利の問題が生じることがあります。作品見本には、許可を得た家族や友人、自分自身の似顔絵を使うのが安全です。

デジタルとアナログ、どちらで描くか

在宅の似顔絵の仕事では、デジタルで描く人が多数派です。データで納品できる、修正がしやすい、色の調整が自在といった利点があるからです。

デジタルで描く場合

デジタルで描くには、パソコンかタブレット、ペンタブレット(画面に直接描ける液晶タブレットを含む)、絵を描くソフトが必要です。無料のソフトでも似顔絵は描けます。修正の依頼に応じやすく、同じ絵をアイコン用、印刷用と大きさを変えて納められるのも強みです。

アナログで描く場合

紙に色鉛筆や水彩で描く似顔絵は、手描きの温かみがあり、贈り物として根強い人気があります。ただし、修正がしにくく、郵送の手間と費用もかかります。アナログで受ける場合は、描いた絵をスキャンしてデータでも納める、修正は下描きの段階で確認を取る、といった工夫が必要です。

印刷して納める場合の注意

データを印刷して額に入れて納める場合、画面で見た色と印刷した色が違って見えることがあります。画面の明るさや印刷の方式で色の出方が変わるためです。印刷物で納めるときは、試し刷りで色を確かめる、お客さんに「画面と印刷では色の見え方が少し変わる」と事前に伝えておく、といった配慮がトラブルを防ぎます。

作品見本のつくり方

在宅の似顔絵の仕事では、作品見本がお客さんとの最初の接点になります。作品見本を見て「この人に描いてほしい」と思ってもらえるかどうかで、注文の数が決まります。

見本に入れる作品

作品見本には、年齢や性別の違う人物、1人の絵と家族や夫婦の絵、ペットを含む絵など、幅広い注文に応えられることが分かる作品を並べます。用途別に、アイコン、ウェルカムボード、贈り物の額装といった完成形の例を見せると、お客さんが仕上がりを想像しやすくなります。

元の写真と並べて見せる

似顔絵の見本では、元の写真と完成した絵を並べて見せると、「似せる力」が一目で伝わります。ただし、元の写真を公開するには、写っている人の許可が必要です。許可が得られない場合は、自分自身の写真を使うか、絵だけを見せる形にします。

料金と納期を一緒に示す

作品見本の近くに、料金の目安、納期の目安、修正の回数、納品の形を書いておきます。お客さんは、気に入った絵柄を見つけたら、すぐに「いくらで、いつまでに届くのか」を知りたくなります。この情報が分かりにくいと、問い合わせの前に離れてしまいます。

作品見本を更新し続ける

作品見本は、一度つくって終わりではありません。注文を受けて描いた作品のうち、お客さんの許可を得られたものを加えていくと、見本の幅が自然に広がります。古くなった作品や、今の絵柄と違う作品は外し、いつ見ても今の実力が伝わる状態に保ちます。季節の贈り物の時期に合わせて、母の日や敬老の日の例を見本の先頭に並べ替えるだけでも、お客さんの目に留まりやすくなります。見本の数は多ければよいわけではなく、10点前後でも、用途と人物の幅が分かれば十分に伝わります。

受注の方法

作品見本ができたら、いよいよ注文を受けます。在宅の似顔絵の仕事には、いくつかの受注の方法があります。

スキルを売買するサービスに出品する

スキルを売買するサービスには、似顔絵を描くサービスが数多く出品されています。お客さんがサービスの一覧から描き手を選び、注文する仕組みです。初めのうちは、注文が来るまで時間がかかることもありますが、評価が積み重なると注文が増えていきます。出品するときは、サービスの手数料の割合を公式の案内で確かめ、手取りがいくらになるかを計算してから料金を決めます。

クラウドソーシングで仕事を探す

クラウドソーシングにも、似顔絵の作成の仕事が掲載されています。企業の社員紹介のイラスト、店舗のチラシ用の似顔絵など、法人からの依頼が見つかることもあります。応募するときは、依頼の内容に合った作品見本を添え、納期と修正の回数を明記して提案します。

似顔絵の店の在宅作家になる

似顔絵の通信販売を行う店の在宅作家に応募する方法もあります。注文は店が集めてくれるため、絵を描くことに集中できます。店によっては、絵柄の指定や納期の決まりが細かく定められています。応募の前に、報酬の決まり方、1か月に描く枚数の目安、修正の扱い、作品の権利が誰に属するかを確かめておきます。

SNSで作品を見せる

SNSに作品を投稿して、直接注文を受ける人もいます。継続して投稿することで、絵柄を気に入った人から注文が来るようになります。ただし、SNSで直接注文を受ける場合は、料金の受け取り方や、トラブルが起きたときの対応をすべて自分で決める必要があります。

募集に応じるときに確かめること

似顔絵の作家を募集する案件の中には、最初に教材や登録料の支払いを求めるものがあります。仕事を紹介する前にお金を払わせる形の募集には、慎重になる必要があります。厚生労働省は、フリーランスに仕事を委託する事業者向けの案内で、SNSなどを通じて募集する際には、氏名や名称、住所、連絡先、業務の内容、業務に従事する場所、報酬を記載する必要があると示しています(厚生労働省 フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ)。こうした基本の情報が書かれていない募集は、応募の前に問い合わせて確かめます。

料金の決め方

似顔絵の料金は、描く人数、絵柄の手間、背景や文字入れの有無、納品の形、商用利用の有無などで決まります。

料金を組み立てる要素

要素 料金への影響
人数 1人の料金を基本に、人数が増えるごとに加算する形が多い
描く範囲 顔だけか、上半身か、全身か
背景 背景なし、簡単な背景、細かな背景
文字入れ 名前やメッセージを入れるか
納品の形 データのみか、印刷や額装を含むか
用途 個人で楽しむか、商用で使うか
納期 急ぎの注文は追加料金を設けることも

時間あたりで考える

料金を決めるときは、1枚を仕上げるのにかかる時間から逆算します。お客さんとのやり取り、修正、データの書き出しと納品の時間も含めて考えます。最初は実績を積むために控えめな料金から始める人が多いものの、低すぎる料金で注文を受け続けると、仕事として続けられなくなります。実績と評価が積み重なったら、少しずつ料金を見直していきます。

商用利用は別に考える

個人の贈り物として使う似顔絵と、会社のチラシや商品のパッケージに使う似顔絵では、絵の使われ方の広さが違います。商用で使われる場合は、使用の範囲を確認し、料金を個人向けとは分けて設定するのが一般的です。

写真の扱いと権利で気をつけること

似顔絵の仕事では、お客さんの大切な写真を預かり、描いた絵を納めます。写真の扱いと絵の権利について、事前に決めておくべきことがあります。

お客さんの写真は個人情報として扱う

お客さんから受け取った写真は、本人や家族の顔が写った大切な情報です。描き終わったら、どのくらいの期間保存し、いつ削除するのかを決めておき、お客さんにも伝えます。作品見本やSNSに完成した絵を載せたい場合は、必ずお客さんの許可を取ります。許可がなければ載せないことを、注文の前に伝えておくと安心です。

描いた絵の著作権

描いた似顔絵の著作権は、原則として描いた人に生じます。お客さんに絵を納品しても、それだけで著作権がお客さんに移るわけではありません。著作権をお客さんに譲る契約を結ぶ場合は、どこまでを譲るのかを明確にしておく必要があります。著作権法は、著作権を譲る契約について次のように定めています。

著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。 2 著作権を譲渡する契約において、第二十七条又は第二十八条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。 出典: 著作権法 第61条(e-Gov法令検索)

ここでいう第27条と第28条の権利とは、絵をもとに別の作品をつくる権利や、そうしてつくられた作品の利用に関する権利のことです。つまり、「著作権をすべて譲る」と書いただけでは、こうした権利は描いた人の手元に残ると推定されるということです。個人の贈り物の注文では、著作権は描いた人に残したまま、お客さんが個人として使うことを許す形が一般的です。商用の注文で権利の扱いが問題になりそうなときは、契約の文言を確かめ、必要に応じて専門家に相談します。

絵を勝手に変えられないための約束

著作権法には、作者の意に反して作品を改変されない権利(同一性保持権)もあります。お客さんが納品した絵の一部を切り取ったり、色を変えたりして使いたい場合もあるため、どこまでの加工を認めるかを事前に決めておくと、お互いに気持ちよく使えます。

有名人の似顔絵の注文

芸能人やスポーツ選手など、有名人の似顔絵の注文を受けることもあるでしょう。個人が楽しむ範囲を超えて、その絵を商品にしたり、宣伝に使ったりすると、有名人の名前や姿の持つ顧客を引きつける力を無断で利用したと判断される可能性があります。有名人の似顔絵の注文は、用途を必ず確かめ、商用での利用が疑われる場合は断ることも考えます。

注文から納品までの流れ

在宅の似顔絵の仕事は、注文から納品まで、おおむね次の流れで進みます。

  1. 注文の受付:人数、用途、絵柄、背景、文字、納期、納品の形を確認する
  2. 写真の受け取り:顔がはっきり写った写真を複数枚もらう
  3. ラフの確認:下描きの段階で構図と似ているかを確認してもらう
  4. 仕上げ:線画と色塗り、背景と文字入れ
  5. 完成品の確認:修正があれば、決めた回数の範囲で対応する
  6. 納品:データの送付、または印刷と発送
  7. 写真の削除:約束した期間が過ぎたら、預かった写真を削除する

ラフの段階で確認を取る

修正の手間をもっとも減らせるのが、ラフ(下描き)の段階での確認です。色を塗り終えてから「髪型が違う」「表情を変えてほしい」と言われると、描き直しに大きな時間がかかります。構図と顔の特徴が固まった段階でお客さんに見てもらい、方向性に同意を得てから仕上げに進みます。

写真の選び方を案内する

お客さんから届く写真が、暗い、小さい、顔が横を向いている、といった理由で描きにくいことがあります。注文の前に「顔が正面を向いていて、明るく写っている写真を2枚から3枚」といった目安を案内しておくと、仕上がりの質がそろい、やり取りの回数も減ります。

注文を受けるときの確認項目

在宅の似顔絵の仕事では、最初のやり取りで聞き漏れがあると、描き直しやお客さんの不満につながります。注文を受けるときに確かめる項目を、あらかじめ一覧にしておくと便利です。

確認する項目の例

・描く人数と、それぞれの人物の関係(夫婦、親子、同僚など)
・用途(贈り物、アイコン、ウェルカムボード、名刺など)と、商用で使うかどうか
・描く範囲(顔だけ、上半身、全身)
・服装の指定(写真のまま、制服、ユニフォーム、衣装の変更など)
・持たせたい小物や、一緒に描きたいペット
・背景の有無と、入れたい文字(名前、日付、メッセージ)
・納品の形(データの形式と大きさ、印刷の有無、額装の有無)
・納期と、受け取りたい日
・表情の希望(笑顔、すました顔など)や、気にしている点

気にしている点を先に聞く

似顔絵では、本人が気にしている部分を強調してしまうと、贈り物として喜ばれないことがあります。「髪の量を少し多めに」「しわは控えめに」といった希望は、お客さんの側からは言い出しにくいものです。注文の時点で「描くときに気をつけてほしい点はありますか」と一言聞いておくと、仕上がりへの不満を大きく減らせます。

返信の速さも評価の一部

在宅の仕事では、お客さんは描き手の顔が見えません。問い合わせへの返信が遅いと、それだけで不安を感じさせてしまいます。すぐに答えられない質問でも「確認して本日中にお返事します」と一言返しておくと、安心してもらえます。

よくあるトラブルと防ぎ方

似顔絵の在宅の仕事で起きやすいトラブルと、その防ぎ方を整理しておきます。

「似ていない」と言われる

もっとも多いのが、仕上がりを見たお客さんから「似ていない」と言われるトラブルです。原因の多くは、写真の写り方と、お客さんが思い浮かべる本人の印象のずれにあります。写真を複数枚もらう、ラフの段階で確認を取る、本人の普段の雰囲気をお客さんに聞いておく、といった工夫で防げます。それでも似ていないと言われた場合は、どの部分が違うと感じるのかを具体的に聞き、決めた修正の範囲で対応します。

修正が何度も続く

修正の回数を決めていないと、細かな修正の依頼が何度も続き、作業時間が膨らみます。注文の時点で「ラフで1回、完成後に1回まで無料」のように修正の範囲を決め、それを超える場合の料金も伝えておきます。

納期に間に合わない

体調を崩したり、注文が重なったりして、約束の日に間に合わないこともあります。間に合わないと分かった時点で、すぐにお客さんに連絡し、新しい納期を相談します。贈り物の似顔絵は、誕生日や結婚式など、渡す日が決まっていることが多いため、余裕をもった納期を設定しておくことが何より大切です。

支払いをめぐるトラブル

SNSなどで直接注文を受ける場合、代金を先に受け取るのか、完成後に受け取るのかを決めておかないと、支払いをめぐるトラブルが起きることがあります。仲介のサービスを通す場合は、サービスの決まりに従って代金が管理されるため、こうしたトラブルは起きにくくなります。直接取引では、代金の受け取り方とキャンセルの決まりを、注文の前に文書で伝えておきます。

副業として続けるための時間の使い方

会社員や家事の合間に似顔絵を描く場合、時間の使い方が続けられるかどうかを左右します。

受ける枚数の上限を決める

注文が増えてくると、つい受けすぎてしまいがちです。1週間に描ける枚数を、本業や家庭の予定から逆算して決め、それを超える注文は納期を延ばしてもらうか、受付を一時止めます。無理な枚数を受けて品質が落ちると、評価が下がり、かえって注文が減ってしまいます。

細切れの時間を使い分ける

似顔絵の作業のうち、色塗りや仕上げはまとまった時間が必要ですが、お客さんへの返信、写真の確認、ラフの構図を考える作業は、通勤時間などの細切れの時間でも進められます。作業の種類ごとに時間の使い方を分けると、限られた時間でも注文をこなせます。

練習を続ける

注文をこなすだけでは、絵の幅はなかなか広がりません。週に1枚でも、普段描かない年齢や角度の人物を練習として描いておくと、新しい注文に応えられる幅が広がります。自分の過去の作品を見返し、同じ人物を今描くとどう変わるかを比べるのも、上達を実感できる練習です。

税金の基本

似顔絵の在宅の仕事で収入を得たら、税金の扱いを知っておく必要があります。

確定申告が必要になる場合

会社員が副業として似顔絵を描く場合、給与所得以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になります(国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。所得とは、受け取った報酬から、ソフトの利用料や印刷代、額縁や送料などの必要経費を差し引いた額のことです。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあるため、市区町村の窓口で確かめます。

源泉徴収される場合

会社などから依頼を受けて絵を描いた場合、報酬から所得税が差し引かれて振り込まれることがあります。国税庁は、原稿料や講演料などを支払うときの源泉徴収について案内しており、関連する事例としてイラストレーターへの報酬も挙げています(国税庁 No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき)。税率は、1回の支払金額が100万円以下の部分について10.21%です。個人のお客さんから贈り物の似顔絵を頼まれた場合は、差し引かれないのが普通です。差し引かれた税金は、確定申告で精算されます。

経費になるものと記録のつけ方

似顔絵の仕事のために買ったペンタブレットや描画ソフトの利用料、印刷用の紙やインク、額縁、梱包材、発送の費用などは、仕事のための支出として必要経費になりうるものです。私生活でも使うパソコンや通信費は、仕事に使った割合で分けて考えます。どこまでを経費にできるかは事情によって変わるため、判断に迷うものは税務署で確認します。注文ごとに、受け取った金額、受け取った日、かかった費用を表にまとめ、領収書を保存しておくと、確定申告の時期に慌てずに済みます。

在宅ワーク市場から見た似顔絵の仕事

最後に、在宅ワークの案件の動きを長く見てきた立場から、似顔絵の仕事の続け方について考えます。

似顔絵の仕事で長く続けている描き手を見ていると、絵の技術と同じくらい、注文の受け方が丁寧であることに気づきます。注文の時点で、仕上がりの印象、納期、修正の回数をはっきり伝えている。ラフの段階で確認を取り、お客さんの期待とのずれを早めに埋めている。こうした積み重ねが「また頼みたい」「友人にも勧めたい」という評価につながり、紹介で次の注文が届くようになります。長く続く人ほど、単発の作業ではなく、お客さんとの関係づくりに時間を使っています。

また、仲介の手数料がかからない直接の取引は、依頼する側が同じ予算でより手の込んだ絵を頼め、描く側の手取りも厚くなるという、双方にとって得のある形です。似顔絵のように1枚あたりの料金がそれほど高くない仕事ほど、手数料の差が手取りに大きく響きます。

似顔絵を描く力は、ほかの在宅の仕事にも広げられます。人物の特徴をつかんで言葉にする力は、取材記事やプロフィール文を書く仕事にも通じます。書き手の収入の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確かめられます。絵と文章を組み合わせた仕事の単価の上げ方は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップの考え方が参考になります。在宅でどのような分野の仕事が増えているかは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で分野ごとの仕事内容を整理しているので、似顔絵の経験を生かせる仕事を探す材料にしてください。

よくある質問

Q. 似顔絵の在宅の仕事は未経験でも始められますか?

資格は要らず、仕事としての経験がなくても始められます。ただし、絵の上手さより「似ている」ことが求められるため、顔のパーツの配置の比率をつかむ練習と、特徴をやさしく強調する練習が欠かせません。自分の絵柄を1つか2つに絞った作品見本を用意し、料金と納期を分かりやすく示してから注文を受けはじめるのが現実的な順番です。

Q. 似顔絵をデジタルで描くには何が必要ですか?

パソコンかタブレット、ペンタブレット(画面に直接描ける液晶タブレットを含む)、絵を描くソフトがあれば始められます。無料のソフトでも似顔絵は描けます。デジタルは修正がしやすく、アイコン用と印刷用で大きさを変えて納められるのが強みです。印刷して納める場合は、画面と印刷で色の見え方が変わる点に注意します。

Q. 描いた似顔絵の著作権はお客さんに移りますか?

絵を納品しただけでは、著作権は描いた人に残るのが原則です。個人の贈り物では、著作権を描いた人に残したまま、お客さんが個人として使うことを許す形が一般的です。著作権を譲る契約を結ぶ場合は、どこまでの権利を譲るのかを明確にしておきます。商用の注文で扱いに迷うときは、契約の文言を確かめ、専門家に相談します。

Q. お客さんの写真はどう扱えばよいですか?

受け取った写真は、本人や家族の顔が写った大切な個人の情報として扱います。保存する期間と削除する時期を決めてお客さんに伝え、約束どおりに削除します。完成した絵を作品見本やSNSに載せたい場合は、必ず事前に許可を取り、許可がなければ載せないことを注文の前に伝えておくと安心です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月20日最終更新:2026年10月10日
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