未経験から文字起こしの在宅ワークを始めるときの練習法と最初の仕事の受け方


この記事のポイント
- ✓未経験から文字起こしの在宅ワークを始めるときの準備
- ✓表記の決まりの身につけ方
- ✓最初の仕事の受け方と契約で確かめることを整理します
文字起こしは、パソコンとヘッドホンがあれば家で始められる仕事として、未経験から挑戦する人が多い在宅ワークです。ただ、実際に始めてみると、「1時間の音声を起こすのに1日かかった」「聞き取れない言葉ばかりで進まない」と、最初の壁にぶつかる人も少なくありません。未経験から文字起こしの在宅ワークを始めるときは、いきなり仕事を受けるより、段階を追って練習し、自分の作業の速さを知ってから最初の仕事を受けるほうが、つまずきが少なくなります。この記事では、未経験の人が文字起こしを始めるための準備、練習法、最初の仕事の受け方、契約で確かめること、長く続けるための体のケアまでを、順を追って整理します。
文字起こしの仕事の全体像
最初に、文字起こしの仕事がどんな流れで進むのかを押さえておきます。
仕事の流れ
- 依頼者から、音声や動画のファイルと、起こし方の指示を受け取る
- 音声を聞きながら、話されている内容を文章に打ち込む
- 聞き取れない部分や、固有の名前、専門の言葉を調べる
- 最初から最後まで読み直し、表記をそろえ、誤りを直す
- 決められた形式で納品する
起こし方の種類
文字起こしには、起こし方の種類があります。仕事ごとに指定されるので、違いを知っておきましょう。
・素起こし:「えー」「あのー」などの言葉や、言い直しも含めて、話されたとおりに起こす
・ケバ取り:意味のない「えー」「あのー」や、言い直しを取り除いて起こす
・整文:話し言葉の語順や言い回しを、読みやすい書き言葉に整えて起こす
未経験の人が最初に受ける仕事は、ケバ取りが多い傾向があります。素起こしは聞いたとおりに打つので迷いは少ないものの、細かい言葉まで拾う集中力が必要です。整文は、話した人の意図を変えずに文章を整える力が問われ、経験を積んでから受けるのが無理のない順番です。
作業の時間の感覚
文字起こしは、音声の長さの何倍もの作業の時間がかかります。聞き取りにくい部分を何度も聞き直したり、言葉を調べたりするためです。音声の質、話す人の数、専門の言葉の多さによって、かかる時間は大きく変わります。最初は、10分の音声に1時間以上かかることも珍しくありません。練習のうちに、自分が1分の音声に何分かかるかを測っておくと、仕事を受けるときに納期と報酬を判断しやすくなります。
始める前に用意するもの
文字起こしに必要な道具は、多くありません。ただ、道具の質が作業の速さと正確さに直結するので、選び方を押さえておきましょう。
パソコン
文字起こしは長い文章を打つので、スマートフォンやタブレットより、キーボードのあるパソコンが向いています。特別に高い性能は要りませんが、音声の再生と文字の入力を同時に行っても動きが遅くならないものを使います。
ヘッドホン
始めるときにお金をかけるなら、まずヘッドホンです。耳を覆う形のヘッドホンは、周りの音を入れにくく、小さな声や語尾まで聞き取りやすくなります。スマートフォンに付いてきたイヤホンで聞き取れなかった言葉が、ヘッドホンに変えると聞き取れることはよくあります。
再生のソフト
再生の速さを変えられるソフトを使います。聞き取りにくい部分は速さを落とし、聞き取りやすい部分は普通の速さで聞くと、作業の時間を短くできます。数秒戻して聞き直す操作を、キーボードで行えるソフトを選ぶと、手をキーボードから離さずに作業できます。
あると便利なもの
・足で再生と停止を操作するフットスイッチ
・よく使う言葉を登録できる日本語入力の辞書の機能
・作業の時間を測るタイマー
フットスイッチは、慣れてきてから検討すれば十分です。日本語入力の辞書の機能は、無料で使えるので最初から活用しましょう。依頼者の会社名や、何度も出てくる専門の言葉を登録しておくと、入力の手間と誤りを減らせます。
段階を追った練習法
未経験から始めるときは、次の5つの段階で練習すると、無理なく力をつけられます。
段階1:キーボードを見ずに打てるようにする
文字起こしでは、耳で音声を聞きながら、手で文字を打ちます。キーボードを見ながら打っていると、画面と手元を目が行き来して、聞き取りに集中できません。キーボードを見ずに打てるようになることが、最初の目標です。
無料で使えるタイピングの練習のサイトやソフトを使い、毎日15分から20分、続けて練習します。速さより、正しい指で打つことを優先しましょう。正しい指で打つ癖がつけば、速さは後からついてきます。
段階2:短い音声で素起こしをしてみる
キーボードに慣れてきたら、3分から5分の短い音声を、聞いたとおりに起こしてみます。この段階では、整った文章にすることは考えず、聞こえた言葉をすべて拾うことに集中します。
起こし終わったら、もう一度音声を聞きながら、打ち漏らしや聞き違いがないかを確かめます。最初は、聞き漏らした言葉の多さに驚くはずです。何度も聞き直すうちに、どんな言葉を聞き漏らしやすいか、自分の癖が見えてきます。
段階3:ケバ取りをしてみる
素起こしに慣れたら、同じ音声を使って、ケバ取りの練習をします。「えー」「あのー」「まあ」などの意味のない言葉や、言い直しを取り除きながら起こします。
ここで大切なのは、取り除いてよい言葉と、残すべき言葉を見分けることです。「まあ、いいんじゃないですか」の「まあ」は、話した人の気持ちを表している場合があります。意味のある言葉かどうかを判断しながら起こすことで、話の中身を理解する力がつきます。
段階4:時間を測って起こす
ケバ取りに慣れてきたら、10分ほどの音声で、作業の時間を測りながら起こします。音声の長さに対して、何倍の時間がかかったかを記録しておきます。
同じ種類の音声で何度か測ると、自分の速さが分かってきます。インタビューのように2人が交互に話す音声、講演のように1人が話し続ける音声、会議のように何人もが話す音声で、それぞれどれくらいかかるかを知っておくと、仕事を選ぶときの判断材料になります。
段階5:整文に挑戦する
最後に、話し言葉を読みやすい書き言葉に整える整文に挑戦します。話し言葉は、語順が前後したり、主語が抜けたり、同じことを繰り返したりします。話した人の意図を変えずに、読みやすい文章に整えるのが整文です。
整文の練習には、講演や説明の音声が向いています。起こした文章を、時間をおいてから読み直し、声に出して読んで引っかかるところを直すと、文章を整える力がついていきます。
2週間の練習の計画の例
仕事や家事の合間に、1日30分から1時間ほど練習する場合の計画の例です。
・1日目から4日目:タイピングの練習を毎日20分。正しい指で打つことを優先する
・5日目から7日目:タイピング15分のあと、自分の声の3分の録音で素起こし
・8日目から10日目:講演などの5分の音声で素起こしとケバ取りを、それぞれ1回ずつ
・11日目から12日目:10分の音声を、時間を測りながらケバ取りで起こす
・13日目:同じ音声を見直し、聞き違いと表記のばらつきを直す
・14日目:2人が話す5分の対話の音声で、話す人を分けて起こす
2週間たったら、最初の日と比べて、同じ長さの音声にかかる時間がどれだけ短くなったかを確かめます。数字で変化が見えると、練習を続ける励みになります。練習の記録は、日付、音声の長さ、かかった時間、聞き取れなかった数を表にしておくと、最初の仕事の応募のときに、自分の速さを具体的に伝える材料になります。
練習の素材の選び方と、著作権
練習には、話し言葉の音声が必要です。素材の選び方と、気をつけることを整理します。
練習に向いている素材
・自分の声を録音したもの(今日あったことを3分話すなど)
・家族や友人に協力してもらい、同意を得て録音した会話
・インターネットで公開されている講演や説明の動画(練習として自分だけで使う)
最初は、話す人が1人で、はっきり話している音声から始めます。慣れてきたら、2人の対話、何人もが話す会議のように、少しずつ難しい素材に進みます。
著作権で気をつけること
インターネットで公開されている動画や音声には、著作権があります。自分の練習のために文字に起こすことについて、著作権法は、個人的に使うための複製を認めています。
著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。 出典: e-Gov法令検索 著作権法 第30条
つまり、自分の練習のために起こすのは私的使用の範囲ですが、起こした文章をブログやSNSに載せたり、練習の成果として仕事の応募に添付したりすると、私的使用の範囲を超えるおそれがあります。応募のときに見せる見本を作りたい場合は、自分の声を録音したものや、同意を得て録音した会話を使いましょう。著作権の考え方は、文化庁の著作権制度の解説で確かめられます。
表記の決まりを身につける
文字起こしの質を大きく左右するのが、表記のそろえ方です。同じ言葉が、ある所では漢字、別の所ではひらがなになっていると、読む人に雑な印象を与えます。
依頼者の決まりに従う
仕事では、依頼者が表記の決まりを示していることが多くあります。数字は算用数字で書く、「こと」「とき」はひらがなで書く、といった決まりです。示された決まりは、作業の前に必ず読み、迷ったら確かめましょう。
決まりがない場合の考え方
依頼者の決まりがない場合は、自分で基準を決めて、文章の中でそろえます。漢字を使うかどうかに迷ったときは、常用漢字表が1つの目安になります。常用漢字表は、一般の社会生活で使う漢字の目安として国が示しているもので、文化庁のページで確かめられます。
自分用の表記の一覧を作る
練習の段階から、迷った表記を一覧にして記録していくと、仕事を始めてから役に立ちます。
・「ください」と「下さい」
・「できる」と「出来る」
・「いう」と「言う」
・「とき」と「時」
・数字を漢数字で書くか、算用数字で書くか
どちらが正しいかより、1つの文章の中でそろっていることが大切です。
聞き取れないときの対処
文字起こしで必ずぶつかるのが、聞き取れない部分です。対処の手順を決めておくと、作業が止まりません。
- 再生の速さを落とし、数秒戻して聞き直す
- 前後の話の流れから、何の話をしているのかを考える
- 固有の名前や専門の言葉らしければ、インターネットで調べる
- それでも分からなければ、依頼者の決めた印を付けて先に進む
聞き取れない部分に何分もこだわると、作業全体が遅れます。一度で分からなければ印を付けて先に進み、最後にまとめて聞き直すと、前後の話の流れから分かることもあります。
推測で埋めることは避けましょう。それらしい言葉で埋めてしまうと、話した人の意図と違う文章になり、依頼者が気づかないまま使ってしまうおそれがあります。分からない部分を正直に示すことは、仕事の信頼につながります。
最初の仕事の受け方
練習で自分の速さが分かってきたら、最初の仕事を受けてみます。
仕事の探し方
未経験の人が最初の仕事を探す場所として、次の2つがあります。
・在宅のアルバイトやパートとして雇われる求人(求人サイトで「在宅」「文字起こし」で探す)
・業務委託の仕事が募集されているクラウドソーシングのサービス
雇われる形なら、時給で給与を受け取れるので、作業が遅くても働いた時間に応じた収入を見込めます。業務委託の形なら、時間の自由はききますが、作業の速さによって時給に直したときの額が変わります。
最初に選ぶ仕事
最初は、次の条件に合う仕事を選ぶと、つまずきが少なくなります。
・音声が短い(30分以内)
・話す人が1人か2人
・ケバ取りの指定
・専門の言葉が少ない
・納期に余裕がある
報酬の高さより、確実に納期を守れるかで選びましょう。最初の仕事で納期を守り、丁寧に仕上げることが、次の仕事につながります。
プロフィールと応募の文の書き方
クラウドソーシングで応募するときは、プロフィールと応募の文で、未経験であっても仕事を任せられることを伝えます。
プロフィールには、次の内容を書いておきます。
・作業できる時間帯と、1週間に作業できる時間
・使っている道具(ヘッドホン、再生のソフトなど)
・練習で起こした音声の長さと、1分の音声にかかる時間の目安
・得意な分野(前の仕事や趣味で詳しい分野があれば)
・連絡に返信できる時間
応募の文は、依頼の内容を読んだうえで、納期までに仕上げられる理由を具体的に書きます。「1分の音声に約6分かかるため、30分の音声なら3時間ほどで仕上げ、見直しを含めて納期の前日にお渡しできます」のように、自分の速さに基づいた見通しを書くと、依頼者は安心して任せられます。
前の仕事で身につけたことも、強みとして書けます。医療、介護、IT、スポーツなど、詳しい分野がある人は、その分野の専門の言葉を聞き取れることが、ほかの応募者との違いになります。
テストの仕事
依頼者によっては、本番の前に短いテストを求めることがあります。テストは、自分の力を見てもらう機会です。ただし、長い音声を無償で起こさせるようなテストには注意しましょう。テストの長さと、報酬の有無を確かめてから受けます。
納品の前の見直しの手順
文字起こしの質は、納品の前の見直しで大きく変わります。次の順番で見直すと、誤りを効率よく減らせます。
- 音声を聞きながら、最初から最後まで読み通し、聞き違いと打ち漏らしを直す
- 音声を止めて文章だけを読み、意味の通らないところがないかを確かめる
- 表記の一覧と照らし合わせ、漢字とひらがな、数字の書き方をそろえる
- 固有の名前(人の名前、会社の名前、商品の名前)の字を、もう一度調べて確かめる
- 聞き取れない部分の印が、依頼者の決めた形で付いているかを確かめる
- 話す人の名前の付け方や、改行の位置など、納品の形式を確かめる
1番目は音声を聞きながら、2番目は音声を止めて行うのがこつです。音声を聞きながらだと、文章の不自然さに気づきにくく、文章だけを読むと聞き違いに気づきにくいからです。時間がないときも、少なくとも1番目と4番目は省かないようにしましょう。
最初の仕事でよくある失敗
未経験の人が最初の仕事でつまずきやすい点を整理します。前もって知っておくと、同じ失敗を避けられます。
納期を短く見積もる
練習のときの速さで見積もると、本番の音声が思ったより聞き取りにくく、納期に間に合わなくなることがあります。最初の数件は、練習のときの2倍ほどの時間を見込んで納期を約束しておくと安心です。間に合わなそうなときは、分かった時点ですぐに依頼者に連絡しましょう。
指示を読み飛ばす
起こし方の種類、話す人の表記の仕方、時間の印の付け方など、依頼者の指示は仕事ごとに違います。前の仕事と同じだろうと思い込んで、指示を読み飛ばすと、全部直すことになります。作業の前に指示を読み、分からない点は始める前に確かめます。
1人で抱え込む
聞き取れない部分が多い、音声の質が悪い、専門の言葉ばかりで分からない、といった問題があっても、依頼者に相談せずに1人で抱え込んでしまうことがあります。音声の質が悪いなど、作業に大きく影響する問題は、早めに伝えて対応を相談しましょう。早めに相談することは、依頼者にとってもありがたいことです。
報酬の受け取りの手続きを確かめない
業務委託の仕事では、納品のあとに請求の手続きが必要な場合があります。請求書を出すのか、サービスを通じて自動で支払われるのかを、最初に確かめておきましょう。
契約で確かめること
業務委託で仕事を受ける人は、厚生労働省の「自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン」で守られる立場にあります。自営型テレワークとは、注文者から委託を受けて、パソコンなどを使い、主に自宅で成果物を作ったり役務を提供したりする働き方のことです。ガイドラインでは、注文者は契約の条件を文書などで示し、その記録を保存すること、報酬の支払期日は成果物を受け取った日から30日以内、長くても60日以内とすることなどが求められています。ガイドラインの本文は、厚生労働省の資料で確かめられます。
仕事を受ける前に、次の点が示されているかを確かめましょう。
- 起こし方の種類(素起こし、ケバ取り、整文)
- 報酬の額と数え方(音声1分あたり、1件あたりなど)
- 報酬の支払期日と支払いの方法
- 納期と、納品の形式
- 修正を求められたときの扱い
- 聞き取れない部分の印の付け方
- 音声認識のソフトやAIを使ってよいか
- 秘密を守る約束の内容
確かめた内容は、メールやメッセージで残しておきます。言った、言わないの行き違いを防げます。
怪しい募集の見分け方
文字起こしは、未経験から始められる在宅の仕事として人気がある分、怪しい募集も目立ちます。典型的なのが、「講座を受ければ仕事を紹介する」と言って、先に高額な講座や教材の購入を求める手口です。
仕事を提供すると言って商品や講座を買わせる取引は、特定商取引法で業務提供誘引販売取引として規制されています。契約の書面を受け取った日から20日以内なら、クーリング・オフで契約を解除できます。次のような募集には注意しましょう。
・仕事を始める前に、講座の費用や登録料を求められる
・「誰でも簡単に高収入」など、仕事の中身より収入の話ばかりが書かれている
・仕事の単価、量、支払期日が、具体的に書かれていない
学ぶために講座を受けること自体は悪いことではありません。ただ、「受講すれば必ず仕事がある」という約束で高額な費用を求める募集は、立ち止まって考えましょう。困ったときは、消費者ホットライン(188)に電話すると、近くの消費生活センターを案内してもらえます。
音声認識やAIとの付き合い方
最近は、音声を自動で文字にするソフトやAIが進み、はっきり話された音声なら、かなりの精度で下書きを作れるようになりました。未経験の人にとっても、上手に使えば作業の時間を短くできる道具です。
ただし、使う前に必ず依頼者に確かめましょう。会議の録音や取材の音声には、外部に出してはいけない話が含まれていることがあります。外部のサービスに音声を送ることを禁じている依頼もあります。
使ってよい場合も、下書きをそのまま納品してはいけません。音声認識は、固有の名前、数字、専門の言葉、複数の人が同時に話す場面を間違えやすいものです。下書きは、あくまで打ち込みの手間を減らすためのものと考え、音声を聞きながら最後まで確かめましょう。AIの下書きを直す力は、これからの文字起こしの仕事で最も求められる力です。
長く続けるための体のケア
文字起こしは、長い時間、同じ姿勢でヘッドホンをつけ、画面に向かう仕事です。始めたばかりの時期は、作業に夢中になって、気づいたら3時間座りっぱなし、ということがよく起こります。通勤のない在宅の仕事は、意識しないと体を動かす機会が少なくなります。作業の区切りに体を動かす習慣を、最初から作っておきましょう。
1時間に1回、立ち上がる
タイマーを1時間ごとにかけ、鳴ったら立ち上がって、30秒ほど背伸びをしたり、その場で軽く体を動かしたりします。短い時間でも区切りをつけることで、聞き取りの集中も戻りやすくなります。
座ったままできる肩と首のケア
・両肩をすくめるように持ち上げ、ストンと下ろす(5回)
・両肘を曲げて、肩を後ろに大きく回す(10回)
・首をゆっくり左右に倒し、それぞれ10秒ずつ伸ばす
キーボードを打ち続けると、肩が前に丸まりがちです。作業の区切りごとに、肩を後ろに回して胸を開くと、姿勢が楽になります。
耳と目を休める
ヘッドホンの音量は、聞き取りにくいからといって上げすぎないようにします。聞き取りにくい部分は、音量より再生の速さを落として対処しましょう。1時間ごとの休憩では、ヘッドホンを外して耳を休め、窓の外など遠くを見て目を休めます。
体の不調が続くときは、無理をせず、医療機関に相談してください。
作業の場所を整える
在宅で文字起こしをするときは、作業の場所も仕事の質に関わります。
・周りの音が少ない場所を選ぶ(家族の声やテレビの音は聞き取りの邪魔になる)
・机と椅子の高さを合わせ、肘が自然に曲がる位置でキーボードを打てるようにする
・画面は目の高さより少し下にして、首を前に突き出さない姿勢にする
・作業の場所を決めておき、仕事の時間とそれ以外の時間を分ける
小さな子どもがいる家庭では、子どもが寝ている時間や、園や学校に行っている時間に作業をまとめる人が多くいます。聞き取りに集中が必要な部分は静かな時間に、見直しや表記をそろえる作業は少しにぎやかな時間に、と作業を分けると、限られた時間を有効に使えます。
収入と税金の基本
文字起こしで収入を得るようになったら、税金のことも知っておきましょう。
在宅のアルバイトやパートとして雇われる場合は、給与として受け取り、勤め先で年末調整を受けるのが基本です。業務委託で受ける場合は、報酬は雑所得か事業所得になり、受け取った報酬から、ヘッドホンやソフト、通信費のうち仕事に使った分などの経費を差し引いて所得を計算します。
特定の会社から継続して仕事を受けている場合は、国税庁の「家内労働者等の必要経費の特例」が使えることがあり、令和8年分は必要経費として69万円まで認められます。ただし、給与の収入が69万円以上あるときは受けられません。家族の扶養に入っている人は、収入によって扶養の扱いが変わることがあるので、1年間の見込みの収入を早めに家族と話し、詳しくは税務署や、家族の勤め先の健康保険で確かめましょう。
続けるうちに単価を上げていくには
未経験から始めた最初の頃は、報酬を時給に直すと低く感じるかもしれません。続けるうちに単価を上げていくには、次のような方向があります。
・作業の速さを上げる(キーボードと辞書の機能、再生のソフトの操作に慣れる)
・整文ができるようになる(整文は、ケバ取りより報酬が高く設定されることが多い)
・得意な分野を作る(医療、IT、教育など、専門の言葉に強い分野)
・同じ依頼者から続けて仕事を受ける(表記の決まりや話す人に慣れ、速く仕上げられる)
特に、同じ依頼者から続けて受けることは大切です。毎回の納期を守り、聞き取れない部分を正直に示し、表記をそろえて仕上げる人に、依頼者は続けて仕事を頼みます。
文字起こしを入り口に、在宅の仕事を広げる
フリーランスや在宅ワークの市場を20年見てきた運営者の立場から言えば、文字起こしを入り口に在宅の仕事を始めた人が、整文の経験を生かして議事録の作成や記事の執筆に広げていく例は多く見られます。話し言葉を読みやすい文章に整える力は、どの文章の仕事にも通じる力だからです。
依頼する人と受ける人が直接やりとりする仕事では、中間の取り分が乗らないため、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手元に残る金額が厚くなります。手数料0%で直接取引できる場では、丁寧な仕事の積み重ねが、そのまま次の依頼につながります。
文章を書く仕事に広げたい人は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、単価を上げていく段階を確かめられます。報告や議事録の文章の書き方を体系立てて学びたい人には、ビジネス文書検定もあります。音声認識やAIを仕事にどう生かすかを支援する仕事の広がりは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。
よくある質問
Q. 未経験でも文字起こしの在宅ワークはできますか?
できます。ただし、最初は10分の音声に1時間以上かかることも珍しくないので、いきなり仕事を受けるより、キーボードを見ずに打つ練習、短い音声の素起こし、ケバ取り、時間を測った練習と段階を追って力をつけ、自分の速さを知ってから最初の仕事を受けるとつまずきが少なくなります。
Q. 文字起こしの練習には、どんな素材を使えばよいですか?
最初は、話す人が1人ではっきり話している音声が向いています。自分の声の録音、同意を得て録音した家族や友人の会話、公開されている講演の動画などです。公開の動画を自分の練習のために起こすのは私的使用の範囲ですが、起こした文章をブログに載せたり応募の見本にしたりするのは避けましょう。
Q. 最初の仕事はどう選べばよいですか?
音声が30分以内、話す人が1人か2人、ケバ取りの指定、専門の言葉が少ない、納期に余裕がある、という条件の仕事が始めやすいです。報酬の高さより、確実に納期を守れるかで選びましょう。最初の仕事を丁寧に仕上げることが、次の仕事につながります。
Q. 文字起こしの仕事で音声認識やAIを使ってもよいですか?
依頼者によって決まりが違うので、使う前に必ず確かめましょう。外部のサービスに音声を送ることを禁じている依頼もあります。使ってよい場合も、固有の名前や数字、専門の言葉は間違えやすいので、下書きをそのまま納品せず、音声を聞きながら最後まで確かめることが必要です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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