介護事務の資格|国家資格はあるかと取り方


この記事のポイント
- ✓介護事務に国家資格はありません
- ✓介護事務管理士とケアクラークという2つの代表的な民間資格の試験の形式・受験料・合格基準を公式の案内で比べ
- ✓資格を選ぶときの考え方
介護事務の国家資格を調べている人がまず知っておきたいのは、介護事務には国家資格がない、という事実です。介護事務の仕事は資格がなくても就けますが、介護報酬の請求という専門的な業務があるため、民間の団体が知識と技能を確かめる試験を行っています。この記事では、代表的な民間資格である介護事務管理士とケアクラークの試験の中身を公式の案内で比べたうえで、介護報酬の請求の流れ、介護事務の仕事内容、どの資格を選べばよいか、働きながら取る手順までを順番に説明します。
介護事務に国家資格はあるのか
結論から言うと、介護事務という名前の国家資格はありません。国家資格とは、法律に基づいて国や国が指定した機関が試験を行い、合格した人に与えられる資格のことです。介護の分野の国家資格としては介護福祉士や社会福祉士がありますが、これらは介護や相談の専門職の資格で、事務の仕事を対象にしたものではありません。
介護事務の資格として知られているものは、すべて民間の団体が実施している試験です。民間資格とは、企業や財団法人などの団体が独自の基準で試験を行い、合格者に称号を与える資格のことです。法律で定められた資格ではないため、持っていないとできない仕事、という性格のものではありません。
国家資格がないのに資格が求められる理由
それでも介護事務の求人で資格が歓迎されるのは、介護報酬の請求に、介護保険の制度と報酬の計算の決まりについての知識が欠かせないからです。採用する事業所にとって、民間資格の合格は、その知識を一通り学んでいることの目安になります。特に事務の経験がない人や、介護の業界が初めての人にとっては、学んだことを示す手段になります。
医療事務との違い
よく比べられる医療事務も、国家資格ではなく民間資格です。医療事務は病院や診療所で、健康保険を使った医療の費用を請求する仕事で、診療報酬という医療の値段の決まりを扱います。介護事務は介護の事業所で、介護保険を使ったサービスの費用を請求する仕事で、介護報酬という介護の値段の決まりを扱います。請求先や計算の決まりが違うため、医療事務の資格を持っていても、介護報酬の知識は別に学ぶ必要があります。
介護事務の仕事内容
介護事務は、介護の事業所の事務の仕事全般を担います。中心になるのは介護報酬の請求ですが、それ以外の仕事も幅広くあります。
介護報酬の請求
介護保険のサービスを使った利用者は、費用の一部だけを自己負担し、残りは介護保険から事業所に支払われます。介護保険法では、介護給付の額はサービスの費用の100分の90と定められ、一定以上の所得がある人は100分の80、さらに所得が多い人は100分の70と読み替える定めがあります。つまり、利用者の自己負担は所得に応じて1割から3割です。この介護保険から支払われる分を請求する作業が、介護報酬の請求です。
請求の手続きは、法令で期限が決まっています。介護給付費の請求について定めた命令の第3条は、次のように定めています。
介護給付費等又は総合事業費(審査支払機関を通じて請求が行われるものに限る。)の請求は、各月分について翌月十日までに行わなければならない。 出典: e-Gov法令検索 介護給付費及び公費負担医療等に関する費用等の請求に関する命令
ここでいう審査支払機関とは、多くの場合、各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)のことです。国保連は、市町村から委託を受けて、事業所から届いた請求の内容を確かめ、介護保険から事業所への支払いを行う機関です。介護事務は、毎月の初めに前の月の利用の実績をまとめ、10日の期限までに国保連へ請求のデータを送ります。同じ命令では、請求はコンピューターを使った送信や、決められた規格の光ディスクなどで行うと定められています。
この毎月の請求があるため、介護事務の仕事は月の初めに忙しくなるのが特徴です。月の後半は、翌月の請求に向けた準備や、ほかの事務の仕事を進めることが多くなります。
利用者と家族の窓口
介護事務は、事業所の受付や電話の対応も担います。利用者や家族からの問い合わせ、見学の申し込み、ケアマネジャーとの連絡の取り次ぎなど、事業所の窓口として人と接する場面が多い仕事です。ケアマネジャーとは介護支援専門員のことで、利用者がどのサービスをどれだけ使うかの計画を立てる専門職です。
利用料の請求と入金の確認
介護保険から支払われる分とは別に、利用者が自己負担する分の請求書を作り、入金を確かめる仕事もあります。施設では、食費や居住費、日用品の費用など、介護保険の対象にならない費用の請求も加わります。口座振替の手続きや、入金が遅れている利用者への連絡も、介護事務の担当になることがあります。
そのほかの事務
職員の勤務の記録の管理、備品の発注、行政に出す書類の作成など、事業所の規模によって担当する範囲は変わります。小さな事業所では、介護事務が経理や人事の事務まで幅広く担うこともあります。デイサービスでは、利用者の送迎や介護の補助を兼ねる求人もあるため、応募する前に仕事の範囲を確かめておくことが大切です。
代表的な2つの民間資格
介護事務の民間資格はいくつかありますが、ここでは公式の案内で中身を確かめられた2つを紹介します。
介護事務管理士
介護事務管理士は、技能認定振興協会(JSMA)が実施する技能認定試験の合格者に与えられる称号です。協会の案内によると、この試験は2000年に、日本で最初の介護事務の資格試験として始まりました。
受験資格は問われず、誰でも受けられます。試験は、自宅で受ける紙の試験と、インターネットで受ける試験の2つの方法から選べます。紙の試験は毎月1回、日曜日に行われ、試験問題が郵便で届き、答案を郵送で返す形です。インターネットの試験は、申し込みから2週間以内の好きなときに受けられます。どちらも試験時間は実技と学科を合わせて120分です。
試験は、レセプト点検の実技と、介護保険制度や介護報酬の算定についての学科で構成されます。レセプトとは、介護報酬を請求するための明細書のことです。紙の試験では、テキストやノート、計算機を使いながら答えられると案内されています。受験料は5,500円(税込)で、協会のよくある質問では合格率は70%くらいと答えています。
ケアクラーク
ケアクラークは、日本医療教育財団が実施するケアクラーク技能認定試験の合格者に与えられる称号です。財団の案内によると、介護保険制度が始まる前の平成10年度から、介護事務の審査の基準を作って試験を実施してきました。
受験資格は問われません。試験は毎月、土曜日と日曜日を中心に月に何度も設定され、インターネットで受ける方式で、試験官による監視があります。学科は50分で介護事務の知識を問う60問、実技は70分で、介護保険の請求の実務20問、介護給付費の請求額の計算2事例、介護報酬の明細書の作成1事例が出されます。学科も実技も参考資料を見ながら答えられます。
受験料は7,920円(税込)で、申し込みは試験日の1か月前から1週間前までです。学科と実技のそれぞれの得点率が70%以上で合格となります。財団の試験日程の一覧では、2026年10月から2027年2月まで、各月に8日から9日ほどの試験日が設けられています。結果は、学科と実技の2科目を受け終えると試験結果の画面に表示され、合格した場合は合格証書をその画面から受け取れます。
2つの資格の比べ方
2つの試験の主な違いを表に整理します。いずれも2026年10月時点の公式の案内に基づく内容です。
| 項目 | 介護事務管理士 | ケアクラーク |
|---|---|---|
| 実施する団体 | 技能認定振興協会 | 日本医療教育財団 |
| 受験資格 | 問わない | 問わない |
| 受け方 | 自宅での紙の試験、またはインターネット | インターネット(試験官の監視あり) |
| 試験の時間 | 実技と学科で120分 | 学科50分、実技70分 |
| 資料の持ち込み | 紙の試験はテキストやノートを使える | 学科も実技も参考資料を見られる |
| 受験料(税込) | 5,500円 | 7,920円 |
| 合格の基準 | インターネット受験は学科と実技の合計で70%以上 | 学科と実技それぞれ70%以上 |
どちらも、資料を見ながら答える形式で、暗記の量よりも、資料から必要な決まりを探して正しく計算する力が問われます。実際の介護事務の仕事でも、報酬の決まりをすべて覚えている人はおらず、資料を引きながら計算するのが普通なので、試験の形式は仕事の進め方に近いと言えます。
選ぶときの目安として、自宅で紙の問題にじっくり取り組みたい人や、受験料を抑えたい人には介護事務管理士、明細書の作成までパソコンの入力で練習したい人にはケアクラークが向いています。求人の応募の条件として特定の資格名が書かれていることは多くないので、どちらを取っても、介護報酬の知識を学んだ証明として扱われるのが一般的です。
介護保険の全体像をつかむ
介護事務の勉強で最初につまずきやすいのは、介護保険の登場人物の多さです。誰が何を負担し、お金がどこからどこへ流れるのかを先に整理しておくと、報酬の計算も理解しやすくなります。
保険を運営するのは市町村
介護保険を運営しているのは市町村と特別区で、これを保険者と呼びます。介護保険に加入している人は被保険者と呼ばれ、65歳以上の人が第1号被保険者、40歳から64歳までの医療保険に加入している人が第2号被保険者です。被保険者は保険料を納め、介護が必要になったときに市町村に申請して、どのくらい介護が必要かの認定を受けます。この認定の結果が要介護度で、要支援1と2、要介護1から5までの段階があります。
お金の流れ
利用者がサービスを使うと、事業所は利用者から自己負担の分を受け取り、残りを保険者に請求します。この請求の確認と支払いを、市町村から委託を受けた国保連がまとめて行います。介護事務が毎月作る請求のデータは、この国保連に送られます。
この流れを図に描くと、利用者、事業所、ケアマネジャーの事業所、国保連、市町村の5つが登場します。ケアマネジャーが計画を立て、事業所がサービスを行い、事業所が実績を請求し、ケアマネジャーの事業所が計画どおりだったかの書類を出し、国保連が照らし合わせて支払う、という順番です。この順番が頭に入っていると、請求の書類のどの項目が何のためにあるのかが分かりやすくなります。
区分支給限度基準額
在宅のサービスには、要介護度ごとに、1か月に介護保険を使える上限が決められています。これを区分支給限度基準額と呼びます。上限を超えて使った分は、介護保険の対象にならず、利用者の全額の負担になります。ケアマネジャーはこの上限の中でサービスを組み合わせて計画を立て、介護事務は請求のときに上限を超えていないかを確かめます。
介護報酬の仕組みを先に知っておく
どちらの資格を目指す場合も、介護報酬の基本的な仕組みを先に理解しておくと、勉強が進めやすくなります。
単位で計算する
介護報酬は、サービスの種類と時間、利用者の要介護度などによって、決められた単位数で計算します。単位とは、介護報酬の計算に使う点数のようなもので、地域ごとに決められた1単位あたりの単価を掛けて金額にします。同じサービスでも、都市部と地方で1単位の単価が違うのはこのためです。
加算と減算がある
基本の単位数に加えて、事業所の体制や行ったサービスの内容によって単位が上乗せされる加算や、条件を満たさない場合に単位が減らされる減算があります。たとえば、資格を持つ職員を一定の割合で配置している事業所に加算がつくといった仕組みです。介護事務の請求の正確さは、この加算と減算を正しく反映できるかどうかで大きく変わります。
報酬は見直される
介護報酬は、国が定期的に見直しています。厚生労働省の介護報酬のページには、令和6年度の改定に続いて令和8年度の改定の情報も掲載されています。改定があると、単位数や加算の条件が変わるため、介護事務は新しい決まりを確かめて請求に反映する必要があります。資格を取ったあとも、改定のたびに学び直しが欠かせないのが、介護事務の仕事の特徴です。介護報酬の改定の内容は、厚生労働省の介護報酬のページで確かめられます。
請求が戻ってきたときの対応
国保連に送った請求は、内容が確かめられたうえで支払われます。ただし、書類の内容に不備があったり、ケアマネジャーの事業所が出す計画の書類と食い違っていたりすると、請求が受け付けられずに事業所へ戻されることがあります。介護の現場では、この戻されることを返戻(へんれい)と呼びます。返戻になると、その分の支払いが遅れ、事業所の資金の流れに影響します。
返戻が起きたときは、国保連から届く通知の内容を読み、どこが食い違っていたのかを突き止めて、正しい内容で請求し直します。原因として多いのは、利用者の要介護度や保険者の番号の入力の誤り、計画の書類と実績の回数の違いなどです。介護事務の力量は、返戻を少なくする正確な入力と、返戻が起きたときに原因を素早く見つける力に表れます。資格の勉強で、請求の書類の項目がそれぞれ何を意味するのかを理解しておくと、この場面で役立ちます。
事業所の種類による仕事の違い
介護事務と一口に言っても、働く事業所の種類によって、仕事の中身はかなり違います。応募の前に、どの種類の事業所かを確かめておくと、入ってからの戸惑いを減らせます。
訪問介護の事業所
ヘルパーが利用者の自宅を訪ねてサービスを行う訪問介護の事業所では、ヘルパーごとの訪問の記録をもとに、利用者ごとの実績をまとめて請求します。訪問の時間や内容によって単位数が変わるため、記録の確認の作業が多くなります。ヘルパーの予定の調整や、利用者からの急な予定の変更の連絡の取り次ぎを担うこともあります。
デイサービス
利用者が日帰りで通うデイサービスでは、利用した日と時間、行った機能訓練や入浴などの内容をもとに請求します。送迎の予定表の作成や、利用者の家族への連絡帳の対応など、利用者と接する仕事も多いのが特徴です。事務と介護の補助や送迎の運転を兼ねる求人もあります。
入所の施設
特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの入所の施設では、利用者が施設で暮らすため、介護報酬に加えて、食費や居住費の請求が毎月発生します。所得によって食費や居住費の負担が軽くなる制度の対象者もいるため、その確認の作業も加わります。入所の施設は利用者の数が多く、事務の担当者が複数いて、請求、経理、総務と役割を分けている職場もあります。
ケアマネジャーの事業所
ケアマネジャーが働く居宅介護支援事業所では、利用者がどのサービスをどれだけ使ったかをまとめた給付管理票という書類を国保連に出します。給付管理票は、各サービスの事業所が出した請求と照らし合わされるため、ケアマネジャーの事業所の事務は、地域の多くの事業所との間で数字を合わせる役割を担います。
資格の取り方と勉強の進め方
介護事務の民間資格は、独学でも、通信講座や通学の講座でも目指せます。それぞれの進め方と、学ぶ順番を整理します。
独学で目指す
独学の場合は、市販のテキストと問題集で、介護保険制度の基本から学びます。試験を行う団体が問題のサンプルや推奨する教材を案内していることがあるので、まず公式のページで確かめます。介護事務管理士の協会は、試験問題のサンプルを公開しています。独学のよいところは費用を抑えられることですが、介護報酬の計算は最初につまずきやすいので、分からない点を質問できる相手がいないと時間がかかることがあります。
講座で目指す
通信講座や通学の講座では、教材と添削、質問への回答がセットになっていることが多く、計算の手順を順番に身につけやすくなります。講座によっては、受講の修了がそのまま試験の受験につながる形もあります。受講料は講座によって違うので、教材費や受験料が含まれているか、質問の回数に制限があるかを申し込む前に確かめます。
学ぶ順番
初めて学ぶ人は、次の順番で進めると理解しやすくなります。
- 介護保険制度の全体像(誰が保険料を払い、誰がサービスを使い、費用がどう流れるか)
- 要介護度とサービスの種類(居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスの違い)
- 単位数の計算と、1単位あたりの単価の考え方
- 加算と減算の代表的なもの
- 明細書の書き方と、請求の流れ(国保連への請求と、利用者への請求)
最初から細かい加算の条件を覚えようとすると挫折しやすいので、まずは費用がどこからどこへ流れるのかを図に描いて理解するのが近道です。
合格までの期間の考え方
民間資格は、試験が毎月のように行われているため、自分の準備ができた時期に受けられるのが利点です。資料を見ながら答える形式なので、暗記に時間をかけるより、問題集を繰り返し解いて、資料のどこに何が書いてあるかを覚えることが合格への近道になります。働きながら学ぶ人は、平日に少しずつ制度の基本を学び、休日にまとめて計算の練習をするといった進め方が続けやすいでしょう。
資格は意味がないと言われる理由と、実際の価値
介護事務の資格について調べると、「取っても意味がない」という声を見かけることがあります。その理由と、実際にはどう役立つのかを整理します。
意味がないと言われる理由
1つ目の理由は、資格がなくても介護事務の仕事に就けることです。国家資格ではないため、資格を持っていないから採用されない、ということはありません。2つ目の理由は、実際の請求の作業は、介護ソフトと呼ばれる専用のソフトが計算の大部分を行うことです。入力さえ正しければ、ソフトが単位数を計算し、請求のデータを作ってくれます。
それでも資格が役立つ場面
ただし、ソフトは入力されたとおりに計算するだけで、入力が間違っていれば請求も間違います。加算の条件を満たしているか、利用の実績と計画が合っているかを確かめるのは人の仕事です。国保連から請求が戻ってきたとき、どこが間違っていたのかを読み解くにも、報酬の仕組みの理解が欠かせません。資格の勉強で身につけた知識は、こうした確認の場面で生きます。
また、介護の業界が初めての人にとっては、介護保険の用語を一通り理解していることが、職場に早くなじむ助けになります。面接で資格を持っていることを伝えると、学ぶ意欲がある人だと受け取られやすいのも利点です。
介護事務に役立つほかの資格
介護事務の資格に加えて、次のような資格や知識があると、仕事の幅が広がります。
パソコンと文書の力
介護事務は、介護ソフトへの入力に加え、表計算ソフトでの集計や、文書の作成も多い仕事です。表計算ソフトで利用者の一覧や請求の集計表を作れると、毎月の作業が速くなります。行政への書類や、利用者の家族への案内文を作る場面もあるため、正しく分かりやすい文書を書く力も求められます。文書の書き方を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定のように文書作成の力を測る検定もあります。
介護の資格
介護職員初任者研修のような介護の研修を受けておくと、介護の現場の仕事への理解が深まり、介護の職員との連携がしやすくなります。デイサービスなどで事務と介護の補助を兼ねる求人に応募するときにも有利です。介護の仕事に就くための入口の研修で、130時間の講義と演習を受けて修了します。
医療事務の資格
病院と介護の施設が一体になっている法人や、医療と介護の両方のサービスを行う事業所では、医療事務と介護事務の両方の知識が求められることがあります。医療事務の資格を持っている人が介護事務を学ぶと、どちらの職場にも応募できるようになります。医療と介護では請求先も計算の決まりも違いますが、利用者や患者の情報を正確に扱い、期限までに請求を終えるという仕事の進め方は共通しています。どちらか一方の経験があれば、もう一方を学ぶときにも、作業の流れを思い浮かべながら理解を進められます。
介護事務の求人を見るときのポイント
介護事務の求人は、同じ職種名でも条件がかなり違います。応募の前に、次の点を求人票や面接で確かめておくと安心です。
- 仕事の範囲(請求だけか、受付や経理、送迎や介護の補助も含むか)
- 使っている介護ソフトの名前と、未経験でも教えてもらえるか
- 月の初めの勤務の条件(残業の有無や、出勤日を多くする必要があるか)
- 事務の担当者の人数(1人で全てを担うのか、先輩に相談できるか)
- 資格手当の有無と、資格の取得を支える制度があるか
特に、事務の担当者が1人だけの小さな事業所では、請求の締め切りの前に休みを取りにくいことがあります。急な病気などで休んだときに、誰が請求を代わりに進めるのかが決まっているかも、面接で尋ねておきたい点です。未経験から始める人は、事務の担当者が複数いて、教わりながら覚えられる職場を選ぶと、つまずきにくくなります。
介護事務に向いている人
介護事務は、数字を正確に扱う作業と、人と接する仕事の両方がある仕事です。毎月決まった期限までに作業を終わらせる必要があるため、締め切りから逆算して計画的に作業を進められる人に向いています。また、利用者や家族、ケアマネジャー、介護の職員と話す場面が多いので、相手の話を落ち着いて聞き、必要なことを正確に伝えられる人も活躍しやすい仕事です。
一方で、制度の改定のたびに新しい決まりを学ぶ必要があるため、学び続けることが苦にならないことも大切です。介護の現場で働いた経験がある人は、サービスの中身を具体的に思い浮かべられるので、請求の内容の確認がしやすいという強みがあります。
介護事務の働き方と在宅の仕事
介護事務は事業所に出勤して働く仕事が中心ですが、身につけた知識は、ほかの働き方にも生かせます。
事業所での働き方
介護事務は、正社員のほか、パートとして働く人も多い仕事です。請求が集中する月の初めに出勤日を多くし、それ以外の時期は日数を抑える働き方を認める事業所もあります。子育てや家族の介護と両立したい人に選ばれている理由の1つです。応募のときは、月の初めの忙しい時期の勤務の条件を確かめておくと、入ってからの食い違いを防げます。
在宅でできる仕事
介護報酬の請求の作業は、利用者の情報を扱うため、事業所の外に持ち出して自宅で作業する形は多くありません。一方で、介護の業界の知識を生かした在宅の仕事として、介護の制度や施設の選び方を解説する記事の執筆があります。制度の仕組みを正確に理解している人の文章は、介護サービスを探している家族向けの情報として求められています。
記事の仕事を始めるときは、自分が何を書けるかを示す実績をまとめておくことが大切です。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績の少ない段階からポートフォリオを作る手順を紹介しています。単価の上げ方については、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で、専門分野を持つことの効果を含めて整理しています。
介護事務の仕事はこれから変わるか
介護の分野では、書類の作成や連絡の作業を減らす取り組みが進んでいます。介護事務の仕事も、その影響を受けて少しずつ形を変えています。
入力と計算は機械に任せる流れ
介護報酬の計算は、すでに介護ソフトが大部分を担っています。請求のデータも、紙ではなくインターネットを通じて国保連に送るのが一般的になりました。これからは、介護の職員が記録した内容がそのまま請求に使われる仕組みが広がり、介護事務が手で入力する作業は減っていくと考えられます。
人が担う確認と説明は残る
一方で、記録と計画が合っているか、加算の条件を満たしているかを確かめる作業や、利用者と家族に費用の仕組みを説明する仕事は、人が担う部分として残ります。制度の改定のたびに、何が変わったのかを理解して職場に伝える役割も、介護事務に求められる大切な仕事です。介護報酬の仕組みを理解している人は、作業の量が減っても、確認と説明の担い手として頼られる存在であり続けます。
学び続けるための習慣
資格を取ったあとも、厚生労働省が公表する改定の情報や、国保連からの案内に目を通す習慣をつけておくと、変化に取り残されにくくなります。同じ地域の事業所の事務の担当者と情報を交換する場がある地域もあるので、職場の外にも相談できる相手を持っておくと心強いでしょう。
長く市場を見てきた立場から言えること
フリーランスと在宅ワークの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、介護や医療の制度を正確に説明できる人は、文章の仕事でも長く同じ依頼主と取引を続ける傾向があります。制度の記事は、誤りがあると読者の判断を誤らせるため、依頼する側は、正確に書ける人を探すのに時間をかけます。一度信頼を得ると、改定のたびに記事の見直しを頼まれるといった形で、関係が続きやすいのです。
また、仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、依頼する側は同じ予算でより多くの記事を頼め、書く側は手取りが厚くなります。在宅ワーク仲介サイトの中には手数料0%で依頼者と直接やり取りできるところもあり、専門の知識を持つ書き手にとっては、続けやすい働き方の1つです。
介護事務の資格は国家資格ではありませんが、介護保険の仕組みを体系的に学んだ証明になります。事業所で請求を担う仕事に就くときにも、介護の制度を伝える文章の仕事に広げるときにも、その知識が土台になります。まずは受けやすい試験を1つ選び、介護報酬の流れを自分の言葉で説明できるところまで学ぶことから始めてみてください。そのうえで、利用者の家族への案内文や行政への書類を正確に書く力を伸ばしたい人は、ビジネス文書検定の内容も確かめてみると、事務の仕事全体の質を高める次の目標が見つかります。
よくある質問
Q. 介護事務に国家資格はありますか?
ありません。介護事務の資格として知られている介護事務管理士やケアクラークは、どちらも民間の団体が実施する試験です。法律で定められた資格ではないため、資格がなくても介護事務の仕事に就けます。ただ、介護報酬の請求には専門の知識が要るため、求人では資格を持つ人が歓迎されることが多くあります。
Q. 介護事務管理士とケアクラークはどちらがよいですか?
どちらも受験資格がなく、資料を見ながら答える形式です。自宅で紙の試験を受けたい人や受験料を抑えたい人には介護事務管理士、明細書の作成までパソコンの入力で練習したい人にはケアクラークが向いています。求人で特定の資格名を条件にしていることは多くないので、受けやすいほうを選んで問題ありません。
Q. 介護事務の資格は独学で取れますか?
独学でも目指せます。市販のテキストと問題集で、介護保険制度の全体像から単位数の計算、明細書の書き方へと順番に学びます。試験を行う団体が問題のサンプルを公開していることもあるので、形式を確かめてから勉強を始めると効率がよくなります。計算でつまずいたときに質問できる相手がほしい人は、講座の利用も検討してください。
Q. 介護事務の仕事はいつ忙しくなりますか?
月の初めが最も忙しくなります。介護給付費の請求は、各月分を翌月10日までに国民健康保険団体連合会へ行うと法令で決められているため、毎月の初めに前の月の利用の実績をまとめて請求のデータを作ります。月の後半は、翌月の準備や利用者への請求、そのほかの事務を進める時期になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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