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銀行の融資の仕事の資格|融資業務と関連の検定

@SOHO編集部
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銀行の融資の仕事の資格|融資業務と関連の検定

この記事のポイント

  • ✓銀行の融資の仕事に役立つ資格を
  • ✓銀行業務検定の法務・財務・融資管理などの種目
  • ✓銀行融資診断士まで整理

銀行の融資の仕事に就くために、必ず持っていなければならない資格はありません。一方で、銀行の中では融資の担当になる前後に、銀行業務検定の「法務」「財務」「融資管理」などを受けるのが一般的で、昇格の条件に組み込んでいる金融機関もあります。銀行融資の資格を調べている人が本当に知りたいのは、「どの資格が実務で役に立ち、どの順番で取ればよいか」でしょう。

この記事では、融資の仕事の流れを押さえたうえで、銀行業務検定の融資に関わる種目、中小企業診断士、ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、銀行融資診断士の位置づけを整理します。受験料や試験の方式は2026年度の公式の案内で確かめた内容を書き、未経験から融資事務に入る道、転職や副業での活かし方まで順に解説します。

銀行の融資の仕事とはどんなものか

融資の流れを5つの段階で見る

銀行の融資の仕事は、お金を貸して終わりではありません。大まかには次の5つの段階で進みます。

  1. 相談の受付:企業や個人から、資金が必要な理由、金額、時期、返し方を聞く
  2. 審査の準備:決算書、試算表、資金繰り表、事業計画などを集めて読み込む
  3. 稟議:融資してよいかを判断する書類(稟議書)を書き、上席や審査部の承認を得る
  4. 実行:契約書を取り交わし、担保や保証の手続きを終えて資金を渡す
  5. 管理:返済が予定どおり進んでいるか、取引先の業績に変化がないかを見守る

稟議とは、担当者が作った案を組織の決裁権を持つ人に回して承認を得る手続きのことです。融資の担当者は、取引先の事業を理解し、数字を読み、その結果を文章で上司や審査部に説明する役目を担います。

法人融資と個人融資の違い

融資には、企業に向けた法人融資と、住宅ローンやカードローンのような個人向けの融資があります。法人融資では、決算書の分析に加えて、事業の将来性や経営者の考えを聞き取る力が求められます。個人向けの融資、特に住宅ローンでは、収入と返済の負担の割合、物件の評価、団体信用生命保険などの手続きが中心になります。どちらの担当になるかで、役に立つ資格の重みも変わってきます。中小規模の店舗では、1人の担当者が法人と個人の両方の融資を受け持つことも多く、幅広い知識を少しずつ積み上げていく姿勢が求められます。

信用保証協会の保証付きの融資

中小企業向けの融資では、信用保証協会の保証を付けた融資もよく使われます。信用保証協会とは、中小企業が金融機関から借り入れるときに保証人の役割を担う公的な機関で、各都道府県などに置かれています。借り手が返せなくなった場合に、協会が金融機関に代わって返済し、その後に借り手から回収する仕組みです。

この保証付きの融資を扱うとき、担当者は金融機関の審査に加えて、協会への申し込みの書類をそろえ、協会の審査の結果を待って実行の手続きを進めます。保証の制度の種類や保証料は協会ごとに定められており、取引先にとって有利な制度を選んで提案できるかどうかも、担当者の腕の見せどころです。創業したばかりの企業や、業歴の短い企業との取引では、この保証付きの融資から関係が始まることも珍しくありません。

融資の事務という仕事もある

融資の仕事には、営業店や本部で書類を整え、契約や実行の手続きを進める融資事務の仕事もあります。契約書の内容の確認、担保の登記に関わる書類の準備、システムへの入力、返済の管理などが中心です。正確さが何より求められ、派遣社員や契約社員の募集も多いため、銀行での勤務経験がない人が融資の仕事に入る入口にもなっています。

「事業を見て貸す」流れが強まっている

金融庁は、経営者個人の保証に頼りすぎない融資の慣行を広げるための施策を続けています。2022年12月に「経営者保証改革プログラム」を策定し、その後も監督指針の改正や事例集の公表を重ねてきました。取り組みの経緯は金融庁の経営者保証に依存しない融資慣行の確立に向けた施策のページにまとめられています。

さらに、2026年5月25日には「事業性融資の推進等に関する法律」が施行され、企業の将来性や事業の価値を担保として扱う「企業価値担保権」の制度が始まりました。不動産の担保や経営者の保証だけで判断するのではなく、事業そのものを評価して貸す力が、融資の担当者に一層求められるようになっています。

融資の仕事でよく使う言葉

資格の勉強を始める前に、融資の現場でよく使う言葉を押さえておくと、教材や求人票が読みやすくなります。

  • 資金使途:借りたお金を何に使うか。融資の判断の出発点になる。使い道がはっきりしない申し込みは、審査で慎重に扱われる
  • 運転資金:仕入れや人件費など、日々の事業を回すためのお金
  • 設備資金:機械や建物、車両など、長く使う設備を買うためのお金
  • 返済原資:借りたお金を何で返すか。法人融資では事業の利益から生まれる資金が基本になる
  • 担保:返せなくなったときに備えて差し入れてもらう財産。不動産に抵当権を設定するのが代表的
  • 根抵当権:決められた上限の金額まで、繰り返し発生する借り入れをまとめて担保する抵当権
  • 保証:借り手が返せないときに代わりに返す約束。経営者個人の保証や、信用保証協会の保証がある。保証の範囲や期間は契約書で細かく決められる
  • 条件変更:返済の期間や毎月の返済額を見直すこと。返済が苦しくなった取引先との話し合いで使われる

これらの言葉は、銀行業務検定の法務や財務、融資管理の教材に繰り返し出てきます。意味を自分の言葉で説明できるようになると、試験の問題文も実務の書類もぐっと読みやすくなります。

運転資金と設備資金で見るところが違う

同じ融資でも、運転資金と設備資金では審査で見るところが変わります。運転資金なら、売上が入るまでの期間と仕入れの支払いの時期のずれ、在庫の増え方などから、本当に必要な金額を考えます。設備資金なら、その設備でどれだけ売上や利益が伸び、何年で返せるかという計画の確からしさが中心になります。財務の検定で学ぶ指標は、こうした判断の裏付けとして使われます。

銀行の融資の仕事に役立つ資格の全体像

必須の資格はないが、学ぶ順番はある

融資の担当者になるのに、法律で定められた資格はありません。ただ、融資の仕事では、契約や担保の法律、決算書の読み方、税金、不動産、相続など、幅広い知識を同時に使います。そのため、多くの金融機関は銀行業務検定を職員の学びの柱にしており、若手のうちに法務と財務の3級、融資の担当になったら融資に関わる種目、という順番で受けるよう勧めることが多くなっています。

主な資格を整理する

資格 種類 融資の仕事との関係
銀行業務検定(法務・財務・融資管理など) 民間の検定 融資の実務知識そのもの。金融機関で広く使われる
中小企業診断士 国家資格 企業の経営を診断する力。法人融資の担当者に合う
ファイナンシャル・プランニング技能士 国家資格(技能検定) 個人の資産、ローン、保険、相続の知識。個人向けの融資に合う
宅地建物取引士 国家資格 不動産の取引の知識。担保の評価や住宅ローンに役立つ
銀行融資診断士 民間資格 企業側から銀行との取引を考える視点。コンサルや保険の仕事にも

ここからは、それぞれの資格を融資の仕事のどの場面で使うのかという視点で見ていきます。

銀行業務検定の融資に関わる種目

銀行業務検定とは

銀行業務検定は、銀行業務検定協会が実施し、株式会社経済法令研究会が運営している検定です。公式の案内では、検定の目的を次のように説明しています。

「銀行業務検定試験」は、主として銀行・保険・証券等金融機関の行職員を対象に、業務の遂行に必要な実務知識および技能応用力についてその習得程度を測定することを目的に、さらには実務能力水準の向上に寄与することを願って1968年2月からスタートした公開の検定試験です。 出典: 銀行業務検定協会

全国一斉の公開試験は10系統22種目、コンピューターを使って会場で受けるCBT方式の試験は18系統24種目が実施されています。金融機関に勤めていなくても、誰でも受けられます。

法務:契約と担保の法律の基本

融資の仕事で最初に必要になるのが、法務の知識です。金銭消費貸借契約(お金を貸し借りする契約)、抵当権や根抵当権などの担保、保証、相続が起きたときの債権の扱いなど、融資の契約にまつわる法律が出題されます。2026年度は、法務2級と3級が7月5日と12月6日の全国一斉の公開試験で、3級と4級はCBT方式でも受けられます。受験料は2級が8,250円、3級が5,500円、4級が4,950円(いずれも税込)です。2026年度の試験から法務2級、3級、4級の科目の構成が変わっているため、古い問題集を使う人は注意が必要です。

財務:決算書を読む力

財務は、決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)の読み方と、それを使った企業の分析が中心です。融資の担当者は、取引先の数字から返済の力を判断するため、財務の知識がなければ稟議書を書けません。2026年度は財務2級と3級が公開試験で、3級と4級はCBT方式でも受けられます。受験料は法務と同じく、2級8,250円、3級5,500円、4級4,950円(税込)です。

融資管理3級と融資推進3級

融資の担当者に直結する種目として、融資管理3級と融資推進3級があります。どちらもCBT方式で、2026年度は2026年4月27日から2027年3月31日まで、試験時間は120分、受験料は5,500円(税込)です。融資管理は、実行した融資の管理や回収、延滞への対応など、貸したあとの仕事に関わる知識を問う種目です。融資推進は、取引先のニーズをつかんで融資を提案する場面の知識を問う種目です。

事業性評価3級と経営支援アドバイザー2級

事業そのものを評価して貸す流れに合わせた種目もあります。事業性評価3級はCBT方式で、試験時間120分、受験料5,500円(税込)です。経営支援アドバイザー2級は公開試験で、2026年7月5日に実施され、受験料は9,350円(税込)でした。取引先の課題を見つけて改善を一緒に考える力が問われ、法人融資の担当者が中堅になるころに受ける人が多い種目です。

CBT方式は日程を自分で選べる

CBT方式とは、全国のテストセンターでコンピューターを使って受ける方式のことです。実施の期間中なら、自分の都合のよい日時と会場を選べます。公開試験の日程に合わせにくい人や、勤務の合間に計画的に受けたい人に向いています。申し込みは、公開試験が経済法令研究会、CBT方式がCBTソリューションズのサイトから行います。

申し込みから合格までの流れ

銀行業務検定を初めて受ける人は、次の流れで準備を進めるとつまずきにくくなります。

  1. 受けたい種目と級を決め、公開試験かCBT方式かを確かめる
  2. 公開試験なら申し込みの締め切り、CBT方式なら受付期間と希望の会場の空きを確かめる
  3. 最新の版の問題集を用意し、過去の試験の問題を繰り返し解く
  4. 試験の当日は、本人確認の書類と、公開試験なら受験票を忘れずに持参する
  5. 結果を確かめ、合格したら次の種目や上の級の計画を立てる

勤め先を通じた団体での申し込みができる金融機関もあります。団体で申し込むと、受験料の補助や会場の手配を職場がまとめて行う場合があるため、まずは人事や研修の担当に聞いてみてください。

種目を選ぶときの考え方

種目が多いため、どれから受けるか迷う人は少なくありません。目安は「今の仕事で毎日使う知識から」です。融資の事務を担当しているなら、契約や担保の書類を扱うので法務から、取引先の決算書を受け取る立場なら財務から始めると、勉強した内容をすぐに仕事で確かめられます。反対に、まだ担当していない分野の種目を先に受けると、言葉の意味がつかみにくく、合格しても忘れやすくなります。

銀行業務検定以外で融資に役立つ資格

中小企業診断士

中小企業診断士は、企業の経営の課題を診断し、助言する専門家の国家資格です。経済産業大臣が登録する資格で、1次試験(筆記7科目)と2次試験(筆記と口述)に合格し、実務の補習や実務の従事を経て登録されます。法人融資の担当者にとっては、決算書の数字の裏にある事業の強みや弱みを読み取る力がつく資格で、事業性評価の流れとの相性がよい資格です。試験の範囲が広く、合格までに数年をかける人も多いため、計画的な学習が必要です。試験の日程や申し込みは、中小企業診断協会の公式サイトで確かめてください。

ファイナンシャル・プランニング技能士

ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)は、職業能力開発促進法に基づく国家検定の技能検定です。お金の計画、税金、保険、不動産、相続、ローンの知識を幅広く学べます。住宅ローンや個人向けの融資の担当者は、借り手の生活全体の資金計画を考えながら返済の計画を立てる場面が多く、FPの知識がそのまま役に立ちます。試験は日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)が実施しています。きんざいの一部のページは2026年10月下旬から保守の影響で開けない時期があったため、日程を調べるときは両方の団体の案内を見比べてください。

宅地建物取引士

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産の取引の専門家の国家資格です。融資の担保に不動産をとる場面や、住宅ローンの審査で物件の価値を考える場面で、宅建の知識が役に立ちます。登記簿の読み方、土地の利用の制限、建物の構造など、担保の評価に必要な基礎が身につきます。試験は年1回で、一般財団法人不動産適正取引推進機構が実施しています。

銀行融資診断士

銀行融資診断士は、一般社団法人銀行融資診断士協会が認定する民間資格です。初級、中級、上級の3段階があり、銀行の考え方や商習慣を知る段階から、銀行に出す経営計画書や資金繰り表を作れるようになる段階、金利や担保、保証の条件の交渉まで助言できる段階へと進む作りになっています。この資格は銀行の中の人向けというより、企業の経営者や経理の担当者、税理士事務所の職員、保険の営業の人など、企業の側から銀行との取引を考える人に向いています。受験の方法や費用は協会の案内で確かめてください。

立場別に見た、資格の選び方と順番

銀行に入ったばかりの人

新しく銀行に入った人は、まず法務3級と財務3級から始めるのが一般的です。この2つは融資に限らず、預金や為替の仕事でも使う基礎で、多くの金融機関が若手に受験を勧めています。CBT方式で受けられるので、仕事に慣れてきたころに1つずつ受けると負担を抑えられます。続いて税務3級や、個人向けの仕事が多いならFP技能士の3級、2級へと広げていきます。

融資の担当になった人

融資の担当になったら、融資管理3級、融資推進3級、事業性評価3級で実務の知識を固めます。法人融資が中心なら、その後に財務2級や経営支援アドバイザー2級へ進み、余裕があれば中小企業診断士に挑戦するという順番が考えられます。住宅ローンの担当であれば、宅建とFP2級の組み合わせが実務に近い知識になります。

信用金庫や信用組合で働く人

信用金庫や信用組合は、地域の中小企業や個人事業主との取引が中心です。1人の担当者が預金、融資、保険、資産運用の相談まで幅広く受け持つことが多く、取引先の経営者と長く付き合う中で、事業の相談に乗る場面が日常的にあります。そのため、法務と財務に加えて、事業承継アドバイザーや相続アドバイザーの種目、FP技能士など、経営者個人と会社の両方を支える知識が役に立ちます。

地域の取引先では、決算書の数字だけでは見えない事業の強みを、日々の訪問の中でつかむことが求められます。事業性評価3級で学ぶ考え方は、こうした取引先の見方を整理するのに向いています。勤め先の業界団体が独自の研修や資格を用意している場合もあるため、あわせて確かめておくと学びの計画が立てやすくなります。

銀行の外から融資の仕事を目指す人

銀行での勤務経験がなく、融資の仕事を目指す人は、資格より先に「融資事務」として現場に入る道を考えるのが現実的です。融資事務の募集では、資格よりも、パソコンの基本操作と、書類を正確に扱う力が重視されます。働きながら法務4級や財務4級、FP3級を受けると、仕事の中で出てくる言葉の意味が分かるようになり、次の段階に進みやすくなります。

企業の経理や経営者として銀行と付き合う人

企業の側から銀行と付き合う人は、財務の知識を中心に、銀行融資診断士や中小企業診断士の学びが役立ちます。銀行がどんな資料を見て、どんな順番で判断しているかを知っておくと、資金が必要になったときの準備や説明が具体的になります。融資のほかに、国の助成金や補助金という資金の手当ての方法もあり、返済が要らない代わりに要件と手続きが細かく決まっています。例えば研修の費用を補う助成金の使い方は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で、対象となる訓練と申請の流れを紹介しています。

融資の資格を取るメリットと注意点

メリット

融資に関わる資格を取るメリットは、次の3つに整理できます。

  1. 法律、財務、税金など、融資の判断に必要な知識を体系的に学べる
  2. 金融機関によっては、昇格や担当の配置の条件として評価される
  3. 転職の場面で、知識の水準を第三者の基準で示せる

特に銀行業務検定は、金融機関の中で共通の物差しとして使われているため、どの種目の何級を持っているかで、どこまでの知識があるかが伝わりやすい資格です。

注意点

一方で、注意しておきたい点もあります。

  • 資格を持っていても、融資の判断を任されるのは実務の経験を積んでから
  • 資格手当や昇格の条件の扱いは金融機関ごとに違う
  • 法改正や制度の変更が多く、古い教材の知識が通用しないことがある
  • 民間の資格は、認定する団体の考え方や対象とする人を確かめてから選ぶ

資格を目的にするのではなく、日々の仕事で困ったところを埋める手段として選ぶと、勉強の時間が無駄になりません。受験の前に、勤め先が受験料の補助や合格の報奨を用意しているかを確かめておくと、費用の負担も抑えられます。

融資事務の求人に応募するときの準備

求人票で見ておきたい条件

融資事務の求人は、銀行や信用金庫の直接の募集のほか、派遣会社を通じた募集も多くあります。求人票では、次の点を確かめておくと、入ったあとの思い違いを防げます。

  • 担当する融資の種類(住宅ローン、法人融資、消費者ローンなど)
  • 仕事の範囲(書類の点検、システムへの入力、電話での問い合わせ対応など)
  • 研修の有無と期間
  • 残業が多くなる時期(月末や年度末など)

住宅ローンの事務は、春の引っ越しの時期に申し込みが集中しやすいなど、繁忙期がはっきりしている場合があります。面接の場で、1日の流れや繁忙期の様子を聞いておくと安心です。

応募前にできる準備

融資事務の仕事では、表計算ソフトでの集計、文書作成ソフトでの書類の作成、正確な入力が日常の作業になります。応募の前に、表計算ソフトの基本の関数や、書類の誤りを見つける練習をしておくと、研修の内容が頭に入りやすくなります。銀行業務検定の法務4級や財務4級の教材に目を通しておくと、契約書や決算書に出てくる言葉に戸惑わずに済みます。

融資の仕事で資格以上に問われる力

稟議書を書く力

融資の担当者の評価を大きく左右するのが、稟議書の質です。取引先の事業の中身、資金が必要な理由、返済の原資、リスクとその対策を、限られた分量で筋道立てて書く必要があります。数字を並べるだけでは足りず、「なぜこの金額を、この期間で貸してよいのか」を、読む人が納得できる順番で説明する力が問われます。

文章の組み立てを基礎から学びたい人には、ビジネスの文書の書き方を体系的に問う検定があります。ビジネス文書検定では、正確で分かりやすい文書を書くための表記、構成、敬語などの出題の範囲と、級ごとの難しさを確かめられます。

聞き取る力と、伝える力

融資の相談では、経営者が資金の使い道や返済の見通しをうまく説明できないことも少なくありません。担当者は、質問を重ねて事業の実態を引き出し、必要な資料をそろえてもらう役目を担います。融資できない場合には、その理由と、どうすれば次に検討できるかを丁寧に伝えることも大切です。こうした対話の力は試験では測れませんが、取引先からの信頼に直結します。

数字の変化に気づく力

融資の実行後は、取引先の試算表や決算書を定期的に受け取り、売上や利益、借入の残高の動きを見ていきます。小さな変化に早く気づき、取引先と一緒に手を打てるかどうかで、その後の関係が変わります。財務の検定で学んだ分析の手法を、実際の取引先の数字で繰り返し使うことが、この力を伸ばす近道です。

ツールを使いこなす力

金融機関では、決算書の分析や稟議の作成を支えるシステムの導入が進んでいます。表計算ソフトで資金繰り表を作る、分析の結果をグラフにして説明するといった基本の操作は、融資の担当者にも融資事務の担当者にも欠かせません。業務にAIを取り入れる動きも広がっており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業の業務にAIを取り入れる支援の仕事の内容と、求められる知識を紹介しています。

資格の勉強を続けるための工夫

公開試験とCBTを組み合わせる

銀行業務検定は、公開試験の日程が年に2回ほどで、CBT方式の種目は1年近い実施の期間があります。法務や財務の3級のように両方で受けられる種目は、仕事の繁忙期を避けてCBT方式で受け、公開試験でしか受けられない2級は日程に合わせて準備する、という組み合わせ方ができます。

過去の問題と正解表を使う

銀行業務検定協会は、公開試験の正解表を公表しています。問題集と過去の試験の問題を繰り返し解き、間違えた分野の条文や考え方を確かめるのが、多くの受験者がとる学び方です。ただし、2026年度の法務のように科目の構成が変わった種目もあるため、教材は最新の版を選んでください。

実務と結びつけて覚える

融資の資格の勉強は、実務と結びつけると覚えやすくなります。例えば抵当権の問題を解いたら、自分の担当先の担保の契約書を見直してみる、財務の分析の問題を解いたら、担当先の決算書で同じ指標を計算してみる、といった具合です。試験のためだけの知識にせず、翌日の仕事で使える形にすることが、資格を取ったあとの評価にもつながります。

融資の経験と資格を活かした働き方

転職での伝え方

融資の経験は、ほかの金融機関、ノンバンク、事業会社の財務や経理、コンサルティング会社など、幅広い転職先で評価されます。職務経歴書では、担当した取引先の業種や規模、融資の種類、扱った金額の幅、事業性評価や経営改善の支援に関わった経験を具体的に書きます。取引先を特定できる情報は書かず、業種や規模で示すのが原則です。資格は、銀行業務検定の種目名と級、取得年月を正確に書きます。例えば「2026年9月 銀行業務検定試験 財務3級 合格」のように、試験の正式な名前と種目、級を省略せずに書くと、採用担当者がどの知識を持っているかをすぐに判断できます。面接では、資格の名前を並べるよりも、その知識を使って取引先のどんな課題に向き合ったかを具体的に話せるように準備しておくと、経験と知識の両方が伝わります。

金融の知識を活かした執筆の仕事

融資や資金繰りの知識は、中小企業の経営者向けのWebメディアや、金融機関の情報サイトなどで、記事の執筆や監修の仕事につながることがあります。「創業融資の準備」「決算書のどこを銀行が見るか」といった題材は、実務の経験がある人にしか書けない具体性があります。在宅で執筆の仕事を始めるときは、実績の見せ方が大切で、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、実績が少ないうちの見せ方とテンプレートを紹介しています。専門性のある書き手は単価の交渉もしやすく、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で、専門分野を単価に反映させる段階の踏み方を確かめられます。

なお、金融機関に勤めながら副業をする場合は、勤め先の就業規則で副業の可否や届け出の手続きを必ず確かめてください。金融機関は守秘義務や利益相反への配慮が厳しく、副業を認めていない、または事前の許可が必要なところが少なくありません。

運営者として見てきた、金融の専門性と働き方

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、金融の実務経験を持つ人が業務委託の仕事で長く信頼を得るかどうかは、資格の数よりも、数字の根拠を示せるか、守秘の線引きを守れるか、締め切りと報告を丁寧に守れるかで決まっています。資金繰り表の作成の手伝いや、経営者向けの記事の監修といった仕事では、発注する側がとりわけ気にするのは「間違った情報を書かないか」という点です。

また、仲介の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算でも依頼する側はより多くの仕事を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。報酬の額面よりも、手元に残る金額と、同じ依頼主から継続して頼まれる関係のほうが、本業と両立しながら働く人にとっての続けやすさにつながっています。

銀行の融資の仕事に役立つ資格は、銀行業務検定の法務と財務の3級を土台に、融資の担当になったら融資管理、融資推進、事業性評価へ進み、法人融資なら中小企業診断士、個人向けならFPと宅建へ広げるという順番で考えると迷いが減ります。稟議書や報告書を筋道立てて書く力を伸ばしたい人は、ビジネス文書検定の学び方もあわせて確かめておくと、資格と実務の両方に役立ちます。

よくある質問

Q. 銀行の融資の仕事に必須の資格はありますか?

法律で定められた必須の資格はありません。ただし、多くの金融機関は職員に銀行業務検定の受験を勧めており、法務3級や財務3級を若手のうちに取り、融資の担当になったら融資管理3級や融資推進3級に進むのが一般的です。昇格の条件に組み込んでいる金融機関もあります。

Q. 銀行業務検定は銀行員でなくても受けられますか?

受けられます。銀行業務検定は公開の検定試験で、金融機関に勤めていない人も申し込めます。公開試験は経済法令研究会、CBT方式の試験はCBTソリューションズのサイトから申し込みます。2026年度の法務3級と財務3級の受験料は、いずれも5,500円(税込)です。

Q. 融資の担当者に中小企業診断士は必要ですか?

必須ではありませんが、法人融資の担当者にとっては、企業の事業や経営の課題を読み取る力がつく資格です。2026年5月に事業性融資の推進等に関する法律が施行されるなど、事業そのものを評価して貸す流れが強まっており、診断士の知識が活きる場面は増えています。試験の範囲は広いため、計画的な学習が必要です。

Q. 未経験から銀行の融資の仕事に就けますか?

融資の担当者として正社員で入るのは、銀行での勤務経験がないと難しいのが一般的です。一方、融資事務は派遣社員や契約社員の募集が多く、パソコンの基本操作と書類を正確に扱う力があれば、未経験から応募できる求人もあります。働きながら法務や財務の4級、FP3級を受けると、次の段階に進みやすくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月23日最終更新:2026年11月3日
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