匿名アンケートを無料で作成するときに回答者を特定しない設定の確かめ方

@SOHO編集部
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匿名アンケートを無料で作成するときに回答者を特定しない設定の確かめ方

この記事のポイント

  • ✓匿名アンケートを無料で作成するときに
  • ✓GoogleフォームとMicrosoft Formsで回答者を特定しないための設定と
  • ✓送信前に確かめる手順を解説

職場の満足度調査、研修の感想、地域の集まりでの意見集め。本音を聞きたいアンケートほど、「匿名で答えてもらいたい」と考えます。無料のフォーム作成ツールを使えば、匿名アンケートは数分で作成できます。ただ、作った側が「匿名のつもり」でも、設定や設問の作り方によっては、誰が答えたかが分かってしまうことがあります。そして、一度「匿名と言っていたのに特定された」と受け止められると、次からは本音が書かれなくなります。

この記事では、無料で使えるGoogleフォームとMicrosoft Formsを例に、回答者を特定しないための設定と、配る前に確かめる手順を整理します。設定の説明は、それぞれの公式のヘルプに書かれている内容(2026年10月3日時点)をもとにしています。設定の画面だけでなく、設問の作り方、結果の見せ方まで含めて、匿名が崩れやすい場面と防ぎ方を順番に見ていきます。

匿名アンケートが求められる背景

職場や団体で意見を集めるとき、匿名かどうかで集まる答えの中身は大きく変わります。記名のアンケートでは、上司や運営側の目を意識して、無難な答えに寄りやすくなるからです。人間関係、働く時間の長さ、評価への不満のように、本当に知りたい項目ほど、記名だと書かれません。

一方で、匿名アンケートを作る道具は手軽になりました。Googleフォームは個人のGoogleアカウントで無料で使え、Microsoft Formsも個人のMicrosoftアカウントで使えます。表計算のファイルを配って書き込んでもらう方法と比べると、誰がファイルを開いたかが残らず、集計も自動でできます。

ただし、手軽さの裏で、設定の意味をよく確かめないまま配ってしまう例も見かけます。たとえば、「回答は1人1回まで」にしたくて設定をオンにしたところ、回答者にログインを求める形になり、「本当に匿名なのか」という問い合わせが来た、というものです。設定の意味を知っていれば、回答者への説明の仕方も変えられます。

もう1つの背景は、個人の情報の扱いへの関心の高まりです。回答者は「誰が答えたか分かるのではないか」に敏感になっています。匿名で集めると約束するなら、その約束を守れる設定になっているかを、作る側が自分で確かめておく必要があります。

「匿名」には2つの意味がある

設定の話に入る前に、言葉を整理しておきます。アンケートで「匿名」と言うとき、実際には2つの違う意味で使われています。

1つ目は、作った側も含めて、誰が答えたかが分からない状態です。名前もメールアドレスも集めず、回答の一覧を見ても、回答者を結び付ける情報が残っていない形です。この記事では、これを「完全な匿名」と呼びます。

2つ目は、作った側は誰が答えたかを把握しているが、結果を公表するときに名前を出さない状態です。たとえば、回答の重複を防ぐためにメールアドレスは集めるが、集計結果には名前を載せない、という形です。正確には「匿名」ではなく「記名だが非公開」です。

問題が起きるのは、2つ目の形なのに、回答者には「匿名です」と伝えてしまう場合です。回答者は1つ目の意味だと受け取るので、あとから作った側が誰の回答かを知っていたと分かると、信頼を失います。アンケートの冒頭の説明文には、どちらの意味の匿名なのかを、具体的に書いておきます。たとえば「お名前やメールアドレスは集めません。回答の一覧にも記録されません」のように、何を集めないのかを書くと、回答者は安心して答えられます。

回答者を特定できる情報はどこから入るか

回答者を特定できる情報は、大きく分けて4つの経路から入ってきます。

1つ目は、設問そのものです。名前、メールアドレス、社員番号を聞く設問があれば、当然、匿名にはなりません。見落としやすいのは、「連絡先(任意)」のような任意の設問です。任意でも、書いた人の回答は記名になります。

2つ目は、ツールの設定です。メールアドレスを自動で集める設定、ログインを求める設定、名前を記録する設定がオンになっていると、設問に名前の欄がなくても、回答と一緒に回答者の情報が記録されます。

3つ目は、属性の組み合わせです。部署、年代、勤続年数、性別といった設問は、1つずつなら回答者を特定できません。ところが、組み合わせると、該当する人が1人しかいないことがあります。「営業部、30代、勤続10年以上、女性」が1人しかいなければ、その人の回答は事実上、記名です。

4つ目は、自由記述の中身です。「先月の会議で私が提案した件ですが」のように、書いた内容から本人が分かってしまうことがあります。これは設定では防げないので、結果の見せ方で配慮します。

次の節からは、この4つの経路を、ツールごとに確かめていきます。

Googleフォームで匿名にするための設定

Googleフォームは、Googleアカウントがあれば無料で使えます。匿名で集めるときに確かめる設定は、主に次の4つです。

メールアドレスを収集しない

Googleフォームの設定には「メールアドレスを収集する」という項目があります。公式ヘルプによると、選び方は「確認済み」と「回答者からの入力」の2つで、確認済みを選ぶと、回答者のGoogleアカウントのメールアドレスが回答と一緒に収集されます。このとき、回答者はメールアドレスが収集されることを確認する必要があり、フォームの各ページに確認のメッセージが表示されると案内されています。

匿名で集めるなら、この設定は「収集しない」にします。新しくフォームを作ったときや、ほかのフォームをコピーしたときは、元の設定が引き継がれていないかを必ず確かめてください。

「回答を1回に制限する」の意味を知っておく

1人が何度も答えるのを防ぎたいとき、「回答を1回に制限する」という設定があります。この設定については、公式ヘルプに次のように書かれています。

フォームにアクセスして入力するには、Google アカウントにログインする必要があります。ユーザー名が記録されるのは、設定で [回答] をオンにしてメールアドレスを収集する場合のみです。 出典: support.google.com

つまり、この設定をオンにすると回答者はGoogleアカウントへのログインを求められますが、メールアドレスを収集しない設定にしていれば、ユーザー名は回答に記録されません。設定の上では匿名のまま、1人1回に絞れることになります。

ただし、回答者の側から見ると「ログインを求められた」という事実は残ります。説明がないと「名前が分かるのでは」と不安に思う人もいるので、冒頭の説明文に「重複を防ぐためにログインをお願いしていますが、お名前やメールアドレスは記録されません」と書いておきます。また、Googleアカウントを持っていない人は答えられなくなるので、外部の人にも配るアンケートでは、この設定を使うかどうかを慎重に判断してください。

ファイルの提出を求める設問を使わない

Googleフォームには、回答者にファイルをアップロードしてもらう設問の形式があります。公式ヘルプによると、この設問に答えるには、回答者がGoogleアカウントにログインする必要があります。アップロードされたファイルにも、作成者の情報が含まれていることがあります。匿名のアンケートでは、ファイルの提出を求める設問は使わないのが原則です。

「結果の概要を表示する」はオフにする

Googleフォームには、回答者に結果の概要を見せる設定があります。公式ヘルプでは、この設定をオンにすると、回答の概要に各質問の回答の全文やグラフが表示され、フォームに回答できるすべてのユーザーが閲覧できると注意されています。自由記述の全文がほかの回答者に見えると、書いた内容から本人が推測されることがあるので、匿名のアンケートではオフにしておきます。

回答できる人を組織の中に限る場合

会社や学校でGoogle Workspaceを使っている場合、フォームを公開する前に、回答できる人を組織のドメインや特定のユーザー、グループに限れることが公式ヘルプで案内されています。社内のアンケートで、外部の人に答えられては困るときに使う設定です。

この設定を使うと、回答者は組織のアカウントでログインして答えることになります。メールアドレスを収集しない設定にしていれば、回答の一覧にメールアドレスは記録されませんが、回答者の側からは「会社のアカウントで答えた」という事実が見えます。社内のアンケートでこの設定を使うときも、「回答できる人を社内に限るためにログインをお願いしていますが、お名前やメールアドレスは記録されません」と説明文に書いておくと、不安を減らせます。

回答のコピーの送信もメールアドレスが前提

Googleフォームには、回答者に回答のコピーを送る設定もありますが、公式ヘルプによると、これは回答者のメールアドレスを収集する場合に設定できる機能です。匿名のアンケートでは使えないと考えておきます。「自分の回答を控えておきたい」という声がある場合は、送信前に回答者自身で控えを取ってもらうよう、説明文で案内します。

Microsoft Formsで匿名にするための設定

Microsoft Formsも、個人のMicrosoftアカウントで無料で使えます。公式ヘルプによると、個人用のMicrosoftアカウントでは、1つのフォームが受け取れる回答の数は無料のアカウントで最大200件、有料のアカウントで最大1,000件です。小さな団体のアンケートなら、無料の範囲で足りることが多いはずです。

回答できる人の範囲と「名前を記録」

職場や学校のアカウントでMicrosoft Formsを使う場合、設定の画面に「このフォームに記入できるのは誰ですか」という項目があります。公式ヘルプでは、次のように説明されています。

組織内のユーザーのみが回答可能 - 組織に所属するユーザーのみがフォームまたはテストに回答できます。 名前を記録 - フォームまたはクイズに回答したユーザーを追跡します。 出典: support.microsoft.com

つまり、「組織内のユーザーのみが回答可能」を選んだうえで「名前を記録」をオンにしていると、誰が回答したかが記録されます。社内の匿名アンケートでは、「名前を記録」がオフになっているかを必ず確かめてください。同じヘルプでは、「組織内のユーザーのみが回答可能」と「組織内の特定のユーザーが回答可能」の選択肢は、職場または学校のアカウントで使える機能だと説明されています。

「誰でも回答可能」を選ぶと、組織の外の人も含めて、すべてのユーザーが回答できます。社外の人にも配るアンケートでは、こちらを選ぶことになります。

「1人1つの回答」の扱い

同じ設定の画面には、回答を1人1つに制限する「1人1つの回答」という項目もあります。社内で重複を防ぎたいときに便利ですが、回答者の側からは、組織のアカウントでの回答が前提になっていることが分かります。名前を記録しない設定にしていても、回答者が不安に思わないよう、説明文で「名前は記録しない設定です」と書いておきます。

回答者が控えを受け取る設定

設定の画面には「送信後に回答の受信を許可する」という項目もあります。公式ヘルプによると、これをオンにすると、回答者は送信後の「ありがとうございました」のページで、記入済みの回答を含むフォームのPDFを保存または印刷できます。控えは回答者の手元に残るものなので、作成者の側に回答者の情報が増えるわけではありません。「自分が何を答えたか控えておきたい」という回答者がいる場合は、この設定を使うと、匿名を崩さずに控えを渡せます。

ファイルの提出は組織内の回答者に限られる

Microsoft Formsにもファイルをアップロードしてもらう設問があります。公式ヘルプによると、この設問は回答できる人を「組織内のユーザー」または「組織内の特定のユーザー」に限っている場合にだけ使えます。つまり、ファイルの提出を求めた時点で、回答者は組織のアカウントで答えることになります。アップロードされたファイルは、作成者のOneDrive for Businessのフォルダーに保存されると案内されています。匿名のアンケートでは、Googleフォームと同じく、ファイルの提出を求める設問は使わないのが原則です。

配る前に匿名を確かめる手順

設定を見直したら、実際に配る前に、テストの回答で確かめます。画面の設定を見るだけでは、見落としに気づけないことがあるからです。

手順1:別のアカウントか、ログインしていない状態でテストの回答を送る

作成者のアカウントのまま回答すると、ふだんの回答者と同じ画面にならないことがあります。ブラウザのシークレットウィンドウなど、ログインしていない状態でフォームを開くか、別のアカウントでテストの回答を送ります。このとき、ログインを求める画面が出るか、メールアドレスの確認の表示が出るかを、回答者の目で確かめます。

手順2:回答の一覧と、つないだ表計算のファイルを見る

テストの回答を送ったら、作成者の側で回答の一覧を開き、どの列にどんな情報が記録されているかを確かめます。メールアドレスや名前の列がないか、タイムスタンプ(送信日時)以外に回答者を示す情報がないかを見ます。回答を表計算のファイルにつないでいる場合は、そちらの列も確かめます。

手順3:送信日時から特定できないかを考える

送信日時は、ほとんどのツールで自動的に記録されます。回答者が少ない場合、「会議の直後に答えた」「この時間に席を外していた」といった状況から、誰の回答かが推測されることがあります。人数の少ないチームでは、回答の受付期間を長めにとり、一斉に答える時間を作らないようにすると、日時から推測されにくくなります。

手順4:テストの回答を削除する

確かめ終わったら、テストの回答を削除してから本番の配布を始めます。テストの回答が残ったままだと、集計の数字がずれます。

手順5:配布するURLを1つにする

配布するURLは、全員に同じものを使います。回答者ごとに違うURLを配ると、どのURLから回答が来たかで、回答者を結び付けられてしまうからです。あらかじめ一部の回答を入力した状態のURL(事前入力のURL)を回答者ごとに作るのも、匿名のアンケートでは避けます。

設問の作り方で匿名を守る

設定と同じくらい大事なのが、設問の作り方です。

属性の設問は必要なものだけにする

部署、年代、勤続年数などの属性は、分析には便利ですが、増やすほど組み合わせで特定されやすくなります。結果をどう分けて見たいのかを先に決め、そのために必要な属性だけを聞きます。「部署ごとに比べたい」なら部署だけ、「年代ごとに比べたい」なら年代だけ、というように絞ります。

選択肢の区切りも粗めにします。年齢を「29歳」のように数字で聞くのではなく、「20代」「30代」のように幅で聞きます。少人数の部署は「その他の部署」にまとめる選択肢を作っておくと、該当者が1人の区分ができにくくなります。

自由記述には注意書きを添える

自由記述の欄には、「個人や特定の出来事が分かる書き方は避けてください」と添えておくと、回答者自身が気をつけて書けます。逆に、具体的なエピソードを書いてほしいアンケートなら、結果を共有するときに、運営側が言い回しを整えてから載せる、と説明しておきます。

回答を強制しすぎない

すべての設問を必須にすると、答えたくない設問で回答をやめてしまう人が出ます。属性の設問には「答えたくない」という選択肢を入れておくと、匿名への不安がある人も最後まで答えられます。

結果の見せ方で匿名を守る

集まった結果を共有するときにも、匿名は崩れることがあります。

1つ目の工夫は、人数の少ない区分の結果を単独で出さないことです。たとえば、ある部署の回答者が3人しかいなければ、その部署だけの平均点を出すと、誰がどう答えたかが推測されやすくなります。人数の少ない区分は、ほかの区分とまとめて出すか、全体の結果だけを示します。何人未満をまとめるかは、組織の大きさに合わせて事前に決めておきます。

2つ目は、自由記述をそのまま全文で共有しないことです。言い回しの癖や、具体的な出来事から本人が分かることがあるので、内容ごとに分類し、代表的な意見を要約して示す形にします。

3つ目は、回答の生データを見られる人を限ることです。回答の一覧や表計算のファイルの共有の範囲を、集計を担当する人だけに絞ります。共有のリンクを「リンクを知っている全員」にしたまま放置しないよう、配布が終わったら共有の設定も見直してください。

4つ目は、結果を公表するときに、匿名を守るために何をしたかを一言添えることです。「回答者が5人未満の区分はまとめて表示しています」と書いておくと、次のアンケートでも安心して答えてもらえます。

冒頭の説明文の書き方の例

ここまでの設定と設問の工夫を、回答者に伝えるのが冒頭の説明文です。匿名のアンケートでは、説明文の出来が回答率と本音の書かれ方を左右します。社内アンケートを例に、説明文の書き方の例を示します。

「このアンケートは、働き方についての意見を集めるためのものです。お名前、メールアドレス、社員番号はお聞きしません。回答の一覧にも、回答した方を示す情報は記録されない設定にしています。所属は部署だけをお聞きし、回答者が5人未満の部署は、結果を公表するときにほかの部署とまとめて示します。自由記述の欄は、特定の方や出来事が分かる書き方を避けてご記入ください。結果は〇月〇日に、全体の傾向と代表的な意見の要約として共有します。回答の目安の時間は5分です。」

この例のように、説明文には次の5つを入れると、回答者の疑問にひととおり答えられます。

・何のためのアンケートか
・何を集めないか(名前、メールアドレスなど)
・属性はどこまで聞き、結果でどう扱うか
・結果をいつ、どの形で共有するか
・回答にかかる時間の目安

「匿名です」の一言だけでは、回答者は何が守られるのかが分かりません。何を集めず、結果をどう扱うかを具体的に書くほど、信頼につながります。ログインを求める設定を使う場合は、その理由と、記録されない情報もここに書き添えます。

匿名を保ったまま回答率を上げる配り方

匿名のアンケートでは、誰が答えたかを把握しない以上、「まだ答えていない人」に個別に声をかけることができません。そのため、配り方の工夫で回答率を上げる必要があります。

1つ目は、配るタイミングです。月末や繁忙期の締め切りと重なると、後回しにされたまま受付期間が終わります。業務の落ち着いている週を選び、受付期間は1週間から2週間程度とっておくと、自分の都合のよい時間に答えてもらえます。前の節で触れたとおり、受付期間を長めにとることは、送信日時から回答者を推測されにくくする効果もあります。

2つ目は、全員に同じ文面で、複数回知らせることです。個別の催促ができないので、開始の日、中間の日、締め切りの前日の3回程度、全員に同じ案内を送ります。「まだの方は」と書くと、答えた人も「自分の回答は届いたのか」と不安になるので、「受付は〇日までです」と期限だけを伝える書き方にします。

3つ目は、回答にかかる時間を短くすることです。設問の数が多いほど、途中でやめる人が増えます。目安として5分前後で答えられる量に絞り、説明文に目安の時間を書いておきます。

4つ目は、前回の結果をどう生かしたかを伝えることです。「前回のアンケートで多かった意見を受けて、会議の時間を見直しました」のように、答えたことで何が変わったかが見えると、次のアンケートにも答えようという気持ちが生まれます。匿名のアンケートを続けて実施するなら、この報告がもっとも効果のある工夫です。

匿名アンケートでよくある失敗

最後に、匿名のアンケートで起こりやすい失敗を、原因と防ぎ方とあわせて整理しておきます。

前回のフォームをコピーして設定が残っていた

前回は記名で集めたフォームをコピーして使ったところ、メールアドレスを収集する設定がそのまま残っていた、という失敗です。コピーしたフォームは、設問だけでなく設定も引き継がれることがあります。コピーしたあとは、設定の画面を上から順に見直し、配る前のテストの回答で確かめる手順を省かないようにします。

任意の連絡先の欄を設けていた

「詳しく話を聞かせてもいい方は連絡先を」という任意の欄を設けたところ、その欄に書いた人の回答だけが記名になり、内容の重い回答ほど本人が分かる状態になってしまった、という失敗です。話を聞きたい場合は、アンケートとは別のフォームを用意し、回答とは結び付かない形で連絡先を受け付けます。

結果の共有で少人数の部署が分かってしまった

部署ごとの集計表をそのまま共有したところ、回答者が2人の部署の点数から、誰の回答かが推測されてしまった、という失敗です。結果の見せ方の節で書いたとおり、人数の少ない区分は単独で出さないルールを、集計を始める前に決めておきます。

共有のリンクが開いたままだった

回答の一覧を表計算のファイルにつなぎ、集計のために「リンクを知っている全員」が見られる設定で共有したまま、アンケートが終わっても戻していなかった、という失敗です。回答の生データを見られる人は集計の担当者に限り、配布が終わったら共有の設定も見直します。

どの失敗も、設定の画面だけを見ていると気づきにくく、テストの回答と、結果を共有する前の点検で防げるものです。

無料のツールを選ぶときの比べ方

匿名アンケートに使う無料のツールを比べるときは、機能の多さよりも、次の3つを確かめると選びやすくなります。

1つ目は、回答者にログインを求めずに答えてもらえるかです。社外の人や、アカウントを持っていない人にも配るなら、ログインなしで答えられることが前提になります。

2つ目は、回答と一緒に何が自動で記録されるかです。送信日時のほか、ツールによっては、回答の送信時にIPアドレスや端末の情報が記録されることがあります。これは、それぞれのツールのプライバシーポリシーに書かれています。完全な匿名を約束するなら、自動で記録される情報も含めて、回答者への説明と食い違わないかを確かめてください。

3つ目は、無料の範囲の上限です。回答の数、フォームの数、設問の数に上限があるツールもあります。社内の全員に配るなら、人数に対して上限が足りるかを先に確かめます。

集めたあとの対応まで考えるときの選択肢

匿名の意見箱や相談窓口のように、集めて終わりではなく、届いた1件ごとに「確認したか」「誰が対応しているか」を管理したい場合もあります。表計算のファイルに対応の状況の列を手で追加していくと、件数が増えたときに漏れが出やすくなります。そうした用途の候補の1つが、フォームの作成から回答の対応までを扱うクラウドサービスのHalict(ハリクト)です。

公式の料金ページによると、Halictはどのプランでもフォームの数と回答の数が無制限で、料金は使うメンバーの人数で決まります。フリープランは0円でメンバー1人まで、回答ごとに対応の段階を付けるステージ管理、自動返信、CSVの書き出しが使え、フォームにはHalictの表記が入ります。有料プランは、メンバー3人までのスターターが月額2,980円、10人までのチームが月額7,800円(いずれも税抜)です。公式のよくある質問では、回答者にログインを求めず、URLを開いてそのまま答えられると案内されています。利用シーンのページには、「部署だけ聞いて、名前は聞かない」社内アンケートの作り方の例も載っています。

一方で、Halictのプライバシーポリシーには、回答の送信時にIPアドレス、ブラウザや端末の情報、送信日時が自動的に記録されると書かれています。また、同じメールアドレスの回答を1人として束ねる機能があるので、匿名で集めるときはメールアドレスの設問を作らない設計にします。完全な匿名を約束するアンケートでは、ほかのツールと同じく、自動で記録される情報を説明文で正直に伝えたうえで使ってください。

Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

アンケートの設計を仕事として見たときの考察

最後に、在宅ワークや業務委託の仲介を長く運営してきた立場から、アンケートの設計という仕事について見えていることを書いておきます。

運営者として見てきた限りでは、アンケートの作成や集計を外部に頼む会社は少なくありませんが、うまくいく依頼ほど、「何を知りたいのか」「結果を誰が、どう使うのか」が最初に決まっています。設問の数を増やせば多くのことが分かりそうに思えますが、実際には、答える側の負担が増えて回答率が下がり、匿名も崩れやすくなります。知りたいことを絞り込む作業こそが、アンケートの設計の中心です。

アンケートの設計や集計、報告書づくりは、それ自体が仕事として依頼される分野です。マーケ戦略・分析・レポート作成のお仕事では、調査の設計から集計、報告書の作成までを扱う仕事を紹介しています。職場のアンケートの結果を就業規則や働き方の見直しにつなげる場合は、リモートワーク・副業解禁に対応した就業規則の作成費用と注意点で、専門家に頼むときの費用の考え方を整理しています。経営の課題を調査の結果から整理する専門家の資格としては、中小企業診断士があります。

仲介の手数料が間に入らない直接の取引であれば、依頼する側は同じ予算でより丁寧な設計を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。匿名のアンケートは、設定を1つ見落とすだけで信頼を失う繊細な仕事です。配る前のテストの回答と、結果の見せ方の配慮まで含めて設計することが、回答者の本音を集める近道になります。

よくある質問

Q. Googleフォームで「回答を1回に制限する」をオンにすると匿名ではなくなりますか?

公式ヘルプによると、この設定をオンにすると回答者はGoogleアカウントへのログインを求められますが、ユーザー名が記録されるのはメールアドレスを収集する設定をオンにした場合だけです。メールアドレスを収集しない設定なら、回答の一覧に名前は残りません。ただし回答者は不安に思うことがあるので、説明文で記録しないことを伝えておきます。

Q. Microsoft Formsで社内の匿名アンケートを作るときに確かめる設定はどこですか?

設定の「このフォームに記入できるのは誰ですか」を確かめます。組織内のユーザーに限る場合、「名前を記録」がオンだと回答者が記録されるので、匿名にするならオフにします。ファイルの提出を求める設問は使わず、配る前に別のアカウントでテストの回答を送り、回答の一覧に名前が残らないかを確かめてください。

Q. 名前を聞かなくても回答者が特定されることはありますか?

あります。部署、年代、勤続年数などの属性を組み合わせると、該当する人が1人しかいない区分ができることがあります。自由記述の内容や送信日時から推測されることもあります。属性の設問は必要なものだけにして選択肢の幅を粗めにし、人数の少ない区分の結果は単独で出さないようにすると防ぎやすくなります。

Q. 匿名アンケートの説明文には何を書けばよいですか?

何を集めないのかを具体的に書きます。たとえば、お名前やメールアドレスは集めないこと、回答の一覧にも記録されないこと、結果は人数の少ない区分をまとめて示すことなどです。ログインを求める設定を使う場合は、その理由と記録されない情報も書いておくと、回答者が安心して本音を書けるようになります。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年6月27日最終更新:2026年10月4日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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