行動目標の具体例|職種別の書き方と立て方


この記事のポイント
- ✓営業・事務・経理・人事・エンジニア・デザイナー・接客など職種別と
- ✓新人・中堅・管理職の立場別に紹介します
- ✓SMARTを使った書き方
行動目標の具体例を探している人の多くは、目標シートの提出期限が近いのに「何を書けば評価される目標になるのか」が分からず手が止まっています。売上や件数のような結果の数字は上司から降りてきても、それを達成するために自分が毎週何をするのかまで落とし込むのは、思った以上に難しい作業です。
この記事では、行動目標と結果目標・状態目標の違いから始めて、立て方の手順、SMARTを使った書き方、職種別と立場別の具体例、うまく機能しない目標の直し方、振り返りの方法までを順に整理します。チームで目標と進み具合を共有する場面では、カードに担当と期限を付けて管理できるPinatecaのようなツールを使う方法にも触れます。
行動目標とは何か:結果目標・状態目標との違い
行動目標とは、最終的に達成したい結果に向けて、自分が「いつ」「何を」「どれだけ」行うかを決めた目標のことです。結果そのものではなく、結果につながる行動を目標にするところに特徴があります。人事評価の用語集では次のように説明されています。
行動目標とは、「ゴール(結果)」に到達するために「いつ」「何を」「どれだけ」行動するかを具体的に定めた、実際の行動目標のことです。 出典: kaonavi.jp
目標の種類は、一般に次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
- 状態目標:最終的にどうなっていたいかを表す目標。例として「顧客から最初に相談される担当者になる」「部署の残業がほとんど出ない状態にする」など
- 結果目標:期限までに達成する成果を数字で表す目標。例として「上期の新規契約を10件にする」「請求書の発行ミスを年間0件にする」など
- 行動目標:結果目標を達成するために、自分がコントロールできる行動を決めた目標。例として「毎週火曜と木曜に既存顧客へ合計5件電話する」「請求書は発行前に2人で読み合わせる」など
3つは上下の関係にあります。状態目標が方向を決め、結果目標がその途中の到達点を決め、行動目標が日々の手を決めます。結果目標だけを書いた目標シートは、達成できなかったときに理由が分からず、次に何を変えればよいかも見えません。行動目標を一緒に書いておけば、「行動はやったのに結果が出なかった」のか「そもそも行動ができていなかった」のかを分けて振り返れます。
もう1つの違いは、コントロールできる範囲です。契約件数は相手の都合や景気にも左右されますが、電話をかける回数や提案書を出す件数は自分で決められます。行動目標は、自分の手の届く範囲に目標を引き寄せ直す道具だと考えると、書くべき中身が見えてきます。
行動目標が求められる背景と人事評価の現状
行動目標が評価制度の中で重視されるようになった背景には、結果だけで人を評価する仕組みの限界があります。同じ部署でも担当する顧客や地域で数字の出やすさが違い、結果だけを比べると公平さに欠けるからです。そこで、多くの会社が「成果」と並べて「行動」や「プロセス」を評価項目に加えています。
国の基準にも、この考え方が表れています。厚生労働省が業種別・職種別に整備している職業能力評価基準は、仕事に必要な知識や技能に加えて、成果につながる行動の例を整理したものです。
「職業能力評価基準」とは、仕事をこなすために必要な「知識」と「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理したものです。 出典: 厚生労働省
同じページによると、この基準は56業種で策定され、人材育成・採用・人事評価に使えるとされています。自分の職種の行動目標が思いつかないときは、自分の業種の評価基準を開き、「成果につながる職務行動例」の欄を読むと、何を目標にすればよいかの手がかりになります。
企業側から見ると、行動目標には2つの役割があります。1つは、評価面談で結果の良しあしを話す前に「どの行動をどれだけやったか」という共通の事実を持てることです。もう1つは、結果が出る前の段階で、行動の量や質がずれていないかを上司が確かめられることです。期末になって「実は何もできていなかった」と分かるより、毎月の行動の記録で早めに気づけるほうが、本人にとっても上司にとっても手の打ちようがあります。
一方で、評価する側が忙しく、面談が年に1回か2回しかない会社も少なくありません。その場合でも、行動目標を自分で記録しておけば、面談のときに具体的な事実で話せます。評価制度の作りに関係なく、行動目標は自分の仕事を説明する材料として役に立ちます。
行動目標を立てるメリットとデメリット
行動目標を立てるメリットは、大きく4つあります。
1つ目は、毎日の仕事で何をすればよいかがはっきりすることです。「売上を伸ばす」という目標だけでは、今日の午前に何をするかは決まりません。「毎朝9時から30分、見込み客リストの上から3件に連絡する」と決まっていれば、迷わず手を動かせます。
2つ目は、達成度を数えられることです。「週に3件の新規顧客に連絡する」と決めておけば、週末に実際の件数を数えるだけで、達成したかどうかがはっきりします。結果目標だけだと「まだ契約はないが、努力はしている」という曖昧な自己評価になりがちですが、行動の数は誰が見ても同じ数字になります。
3つ目は、結果が出るまでの間も成長を確かめられることです。営業の契約や採用の内定のように結果が出るまで数か月かかる仕事では、結果目標だけだと途中で手応えがなく、気持ちが続きません。行動の積み上げが見えると、続ける理由が持てます。
4つ目は、上司やチームとの会話が具体的になることです。「頑張っています」ではなく「今月は提案書を6件出しました。そのうち2件が次の打ち合わせに進みました」と話せると、助言も具体的になります。
デメリットもあります。いちばん多いのは、行動の量をこなすこと自体が目的になってしまうことです。電話の件数を目標にした結果、つながりやすい相手にだけ短い電話を繰り返し、件数は達成したのに契約は増えない、という状態がよく起きます。行動目標は必ず結果目標とセットで書き、行動が結果に結びついているかを月に1回は見直す必要があります。
もう1つのデメリットは、目標の数が増えすぎることです。行動目標を10個も並べると、どれも中途半端になります。1つの結果目標に対して、行動目標は2つか3つに絞るのが扱いやすい数です。
行動目標の立て方5つの手順
行動目標は、次の5つの手順で立てると迷いにくくなります。
- 結果目標を先に決める。会社や部署から降りてきた数字、または自分で決めた期末の到達点を1文で書く
- 結果を分解する。たとえば新規契約10件なら、契約率と提案件数と面談件数に分けて、どこが足りないかを見る
- 分解した要素のうち、自分の行動で変えられるものを選ぶ。面談件数を増やすのか、提案の質を上げるのかを決める
- 行動を「いつ」「何を」「どれだけ」で書く。曜日や時間帯、回数、成果物の形まで入れる
- 確かめる方法と頻度を決める。記録する場所と、週次か月次かの見直しの日を決める
2番目の分解が、行動目標の質を決める工程です。結果目標をそのまま行動に言い換えると「契約を取るために頑張って営業する」のような曖昧な文になります。結果を要素に分けると、たとえば「面談から提案に進む割合は十分だが、そもそも面談の数が少ない」といった弱いところが見えます。弱いところに行動を集中させると、少ない行動目標で結果に近づけます。
分解の例を1つ挙げます。資格の取得が結果目標なら、合格に必要な勉強時間を見積もり、試験日までの週数で割ると、1週間あたりの勉強時間が出ます。行動目標の解説では、次のような例が紹介されています。
たとえば、「TOEICで800点を取得する」という結果目標であれば「毎朝の通勤時間中に20分間、英語のリスニング教材を聞く」「週に3回、オンライン英会話レッスンを受講する」「週末に3時間、TOEICの公式問題集を解く」といった具体的な行動目標を設定するのが適切です。 出典: kaonavi.jp
この例のように、行動目標には時間帯や回数、使う教材までが書かれていると、翌朝から迷わず始められます。
5番目の手順を飛ばす人は多いのですが、記録の場所と見直しの日が決まっていない行動目標は、ほぼ確実に途中で忘れられます。目標シートの横に「記録:毎日の業務日報の最後に件数を書く」「見直し:毎月第1月曜の朝に先月分を集計する」と書いておくだけで、続く確率は大きく変わります。
SMARTで具体的にする書き方のコツ
行動目標を具体的にする方法として、よく使われるのがSMARTという考え方です。次の5つの頭文字を取ったもので、書いた目標がこの5つを満たしているかを点検します。
- Specific(具体的):誰が読んでも同じ行動を思い浮かべられるか
- Measurable(測れる):回数や時間、件数で数えられるか
- Achievable(達成できる):今の業務量で実行できる量か
- Relevant(関連がある):結果目標や部署の方針につながっているか
- Time-bound(期限がある):いつまでに、またはどの頻度で行うかが決まっているか
書き方のコツは、文の中に必ず動詞と数字と期間を入れることです。曖昧な例と、直した例を並べます。
- 曖昧:「顧客対応を丁寧にする」。直した例:「問い合わせメールには受信から24時間以内に1回目の返信をし、毎週金曜に返信が遅れた件数を記録する」
- 曖昧:「スキルアップに努める」。直した例:「12月末までに表計算ソフトの関数の講座を1本修了し、月次の集計表を関数で作り直す」
- 曖昧:「チームの連携を強化する」。直した例:「毎週月曜の朝会で、担当案件の進み具合を1人3分で共有する場を自分が進行する」
- 曖昧:「ミスを減らす」。直した例:「請求書の発行前に、金額と宛名と支払期日の3点をチェック表で確認し、確認済みの印を付けてから送る」
もう1つのコツは、上司が確かめられる形にすることです。自分しか知らない行動は、評価の場で事実として扱いにくくなります。日報や共有のファイル、チャットの記録など、第三者が見られる場所に結果が残る行動を選ぶと、面談のときに話が早く進みます。
逆に、数字にしにくい行動もあります。後輩の育成や、会議での発言の質などです。その場合は、行動そのものを数えられる形に書き直します。「後輩を育てる」は「後輩の作った資料に、提出の前日までにコメントを3点以上返す」に言い換えられます。質は数えにくくても、行動の回数と期限は数えられます。
職種別の行動目標の具体例
ここからは、職種ごとに行動目標の具体例を挙げます。結果目標と一緒に書いているので、自分の目標に合わせて数字や期間を書き換えて使ってください。
営業職
- 結果目標:上期に新規契約を10件獲得する
- 行動目標の例:毎週月曜と水曜の午前に、見込み客リストから合計8件に電話またはメールで連絡する
- 行動目標の例:初回面談の翌営業日までに、課題の整理と提案の骨子をまとめたメールを送る
- 行動目標の例:失注した案件は1週間以内に理由を1行で記録し、月末に傾向を上司と共有する
事務職
- 結果目標:月次の経費精算の処理を締め日から3営業日以内に終える
- 行動目標の例:毎日16時に、その日に届いた申請を確認して不備があれば当日中に差し戻す
- 行動目標の例:差し戻しの理由を種類別に数え、3か月に1回、申請の手引きを更新する
- 行動目標の例:よく使う作業の手順書を月に1本作り、共有フォルダに保存する
経理職
- 結果目標:請求書の発行ミスを年間0件にする
- 行動目標の例:発行前に金額・宛名・支払期日の3点を別の担当者と読み合わせる
- 行動目標の例:毎月5営業日目までに、前月分の売掛金の入金予定と実績を突き合わせる
人事・採用
- 結果目標:下期に中途採用で3名の入社を決める
- 行動目標の例:応募が届いたら24時間以内に1回目の連絡を返す
- 行動目標の例:面接のあと当日中に評価をシートに記入し、翌営業日までに合否を連絡する
- 行動目標の例:毎月1回、求人票の文言を見直し、応募の数と質の変化を記録する
企画・マーケティング
- 結果目標:自社サイトからの問い合わせを前年より増やす
- 行動目標の例:毎週1本、顧客の質問に答える記事を公開する
- 行動目標の例:毎月第1営業日に前月のアクセスと問い合わせの数を集計し、伸びたページと落ちたページを3つずつ書き出す
エンジニア
- 結果目標:担当機能の不具合の報告を前期より減らす
- 行動目標の例:プルリクエストを出す前に、自分で決めたチェック項目を10項目確認する
- 行動目標の例:毎週金曜に30分、他のメンバーのコードを1件以上レビューする
デザイナー
- 結果目標:修正の往復を減らし、1案件あたりの制作期間を短くする
- 行動目標の例:制作に入る前に、目的・読み手・使う場面の3点を依頼者と文章で確認する
- 行動目標の例:初回の提出時に、選んだ理由を1案につき3行で添える
販売・接客
- 結果目標:顧客アンケートの満足度を上げる
- 行動目標の例:来店客には入店から1分以内に声をかける
- 行動目標の例:閉店後に、その日に受けた要望や苦情を1件ずつ記録し、週1回店長と共有する
総務職
- 結果目標:社内の備品と契約の管理の漏れをなくす
- 行動目標の例:毎月第2営業日に、備品の在庫表と実際の数を突き合わせ、差があれば当日中に原因を記録する
- 行動目標の例:更新期限が3か月以内に来る契約を毎月1回一覧にし、担当部署に連絡する
- 行動目標の例:社内からの問い合わせで多かった質問を月に3件選び、社内の案内ページに回答を追記する
介護職
- 結果目標:利用者の記録の書き漏れをなくし、申し送りの時間を短くする
- 行動目標の例:ケアを行ったら30分以内に記録を入力し、勤務の終わりに未入力がないかを確認する
- 行動目標の例:申し送りでは、伝える内容を事前に3点までに絞ってメモにしてから話す
- 行動目標の例:ヒヤリとした出来事は当日中に報告書を書き、月に1回、同じ種類の出来事がないかを振り返る
医療事務
- 結果目標:会計の待ち時間を短くする
- 行動目標の例:毎朝の受付開始前に、予約患者の保険証や受給者証の確認事項を一覧にしておく
- 行動目標の例:レセプトの返戻の理由を毎月集計し、同じ理由が2回出たら入力のルールを見直す
医療事務の仕事内容や資格の位置づけは、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)で、試験の概要と仕事での活かし方をまとめています。
立場別の行動目標の具体例
同じ職種でも、立場によって行動目標の立て方は変わります。新人・中堅・管理職の順に例を挙げます。
新人・入社1年目
新人の行動目標は、仕事を早く覚えることと、周りに状況を伝えることに向けると、上司からの評価もつながりやすくなります。
- 毎日の業務の終わりに、その日に覚えたことと分からなかったことを3行ずつ記録し、週1回上司に見せる
- 指示を受けたら、作業に入る前に期限と完成の形を自分の言葉で復唱して確認する
- 社内の手順書を月に2本読み、分からなかった点を質問の一覧にする
中堅・リーダー候補
中堅になると、自分の数字に加えて、周りの仕事を楽にする行動が期待されます。
- 自分の担当業務の手順を、3か月に1本、後輩が読んでも分かる形の手順書にする
- チームの週次の会議で、詰まっている案件を1件取り上げて、解決の案を出す
- 後輩が作った資料には、提出の前日までにコメントを返す
管理職
管理職の行動目標は、部下の行動目標がきちんと回る仕組みを作ることに向けるのが基本です。自分が手を動かす目標ばかりになると、部署全体の結果につながりません。
- 部下1人あたり月1回、30分の個別面談を行い、行動目標の進み具合を確認する
- 面談で出た課題は、翌週までに対応の方針を本人に伝える
- 部署の業務の中で属人化している仕事を、半年で2つ選んで手順書と引き継ぎの体制を作る
業務委託や在宅で働く人
会社員でなくても、行動目標は役に立ちます。業務委託で仕事を受ける人は、評価をする上司がいない分、自分で行動の基準を決めておかないと、仕事の量が月によって大きく揺れます。
- 毎週月曜の午前に、新しい案件の募集を確認し、条件に合うものに2件応募する
- 納品物は締め切りの1日前に提出し、提出のたびに作業時間を記録する
- 取引のある相手には、納品から1か月後に追加の相談がないかを1回連絡する
AIを使った業務改善や導入支援のように、新しい分野の案件では、応募の前に何ができるかを示す実績を作る行動目標も有効です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、この分野で求められる作業の内容と進め方を紹介しています。
目標シートにそのまま書ける文例の型
行動目標の書き方に迷ったときは、次の型に当てはめると、SMARTの5つを満たした文になりやすくなります。
「(期間)までに/(頻度)ごとに、(対象)に対して、(行動)を(回数・時間)行い、(記録の方法)で確かめる」
この型に沿って書いた文例を、目的別に挙げます。
- 業務の効率を上げたい場合:「11月から毎週金曜の午後に1時間、繰り返し発生している作業を1つ選んで手順を見直し、短くなった時間を業務日報に記録する」
- 品質を上げたい場合:「毎月の納品物は、提出の前日までに自分で作ったチェック表の10項目を確認し、確認の記録を共有フォルダに保存する」
- 顧客との関係を深めたい場合:「担当する顧客には、四半期に1回、困っていることを聞く連絡を入れ、聞いた内容を顧客の記録に残す」
- 知識を身につけたい場合:「来年3月の試験日までに、平日は朝30分、休日は2時間の勉強時間を取り、勉強した時間を毎週日曜に合計する」
- チームに貢献したい場合:「新しく入ったメンバーの質問には当日中に返答し、同じ質問が2回出たら手順書に追記する」
型に当てはめるときの注意点が2つあります。1つは、期間と頻度のどちらかを必ず入れることです。「今期中に」だけでは、途中で進み具合を確かめられません。月や週の単位まで分けておくと、遅れに早く気づけます。
もう1つは、記録の方法を最後に書くことです。記録の方法が書かれた目標は、評価する側にとっても確かめ方が明確で、面談のときに「どこを見れば分かるか」で迷いません。業務日報、共有フォルダ、チャットの投稿など、すでに毎日使っている場所を記録の場所にすると、余計な手間が増えずに済みます。
文例はあくまで出発点です。自分の職場で使われている言葉や、部署の方針に出てくる言い回しに合わせて書き直すと、上司にも伝わりやすい目標になります。
行動目標が機能しなくなる失敗パターンと直し方
行動目標を立てても、数か月たつと形だけになってしまうことがあります。よくある失敗と、直し方を5つ挙げます。
失敗1:行動が結果につながっていない
電話の件数や資料の作成数を達成しても、結果目標が動かないことがあります。原因は、2番目の手順の分解が浅いことです。直し方は、月に1回、行動の量と結果の数字を並べて見ることです。行動を増やしても結果が変わらないなら、行動の種類を変えます。件数ではなく「面談につながった連絡の数」のように、結果に近い指標に切り替えるのも1つの方法です。
失敗2:量が多すぎて続かない
意気込んで「毎日10件連絡する」と決めても、急ぎの仕事が入ると守れなくなり、一度崩れるとやめてしまいがちです。直し方は、最初の1か月は確実にできる量に下げ、達成が続いたら量を上げることです。週の目標にして、日によるばらつきを許すのも効果があります。
失敗3:自分では変えられないことを目標にしている
「上司に提案を通してもらう」「顧客に契約してもらう」は、相手の判断が入るので行動目標ではありません。直し方は、自分の行動の部分だけを切り出すことです。「提案書を毎月2本出す」「提案の前に関係者3人に事前に意見を聞く」と書けば、自分で達成できる目標になります。
失敗4:記録の場所がない
頭の中で覚えておくつもりの行動目標は、ほとんど続きません。直し方は、記録の場所を1つに決めることです。手帳でも表計算ソフトでも構いません。複数の場所に分けると、集計のときに漏れが出ます。
失敗5:見直しの日が決まっていない
期の途中で業務の内容が変わったのに、期初に立てた行動目標をそのまま続けている例も多く見られます。直し方は、見直しの日をあらかじめ予定に入れておくことです。四半期に1回は、行動目標そのものが今の仕事に合っているかを上司と話す場を作ると、形だけの目標になりにくくなります。
振り返りの方法:記録と共有の仕組みを作る
行動目標は、立てるより振り返るほうが大切です。振り返りの方法は、1人で使うか、チームで共有するかで変わります。
1人で振り返るなら紙か表計算ソフトで足りる
1人で使うなら、手帳や紙のチェック表、表計算ソフトで十分です。表計算ソフトなら、1行目に行動目標を並べ、列に日付を取り、実行した日に「1」を入れるだけで、月末に合計が出ます。週に1回、合計を見て「どの行動が止まっているか」「止まった理由は何か」を1行ずつ書き添えると、月次の面談の資料もそのまま作れます。
振り返りの観点は3つに絞ると続けやすくなります。予定どおりできたか、できなかったならその理由は何か、行動が結果に近づいているか、の3つです。
振り返りの結果は、評価面談の前に1枚の表に整理しておくと話がぶれません。行動目標ごとに「予定の回数」「実際の回数」「できなかった理由」「次の期に変えること」の4列を作り、各行を1文で埋めます。できなかった理由は、時間が足りなかったのか、優先度の高い仕事が入ったのか、やり方が分からなかったのかで、次の手が変わります。理由を分けて書いておけば、上司との面談で「来期は量を下げて質を上げる」「業務の割り振りを相談する」といった具体的な話に進めます。
チームで担当と期限と進み具合を共有したい場面
部署の全員が行動目標を持っていて、上司が全員の進み具合を確かめたい場合や、複数人で1つの結果目標を分担している場合は、個人の手帳や表計算のファイルでは状況が見えにくくなります。ファイルを1つに集めると、誰がいつ書き換えたのかが分かりにくく、更新の漏れも起きやすいからです。
その場合の候補の1つがPinatecaです。行動目標を1枚ずつのカードにして担当と期限を付ければ、カンバンで進み具合を、ガントやカレンダーで期限の重なりを確かめられます。カードごとのコメントで「今週は2件しかできなかった理由」を残しておけば、面談のときに経緯をたどれます。公式の料金ページによると、5人までのチームならクレジットカードの登録なしで期限のない無料のフリープランを使え、ボードは10個まで作成できます。チャットやコメント、受信箱もフリープランで使えます。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
ツールを使う場合も、記録の頻度と見直しの日を決めることが先です。道具を変えても、見直しの場がなければ行動目標は形だけになります。
在宅ワークや副業で行動目標を立てるときの考え方
会社の目標シートとは別に、副業や在宅ワークを始める人にも行動目標は役に立ちます。特に、本業と並行して時間を確保する人は、時間の使い方を行動目標で決めておかないと、忙しい週に作業がまったく進まなくなります。
在宅で受ける仕事の行動目標は、3つの種類に分けて考えると整理できます。
- 案件を探す行動:週に何件の募集を読み、何件に応募するか
- 作業の行動:1日の作業時間をいつ確保し、納品の何日前に仕上げるか
- 関係を続ける行動:納品のあとに相手へどう連絡し、次の相談につなげるか
たとえばアプリの開発を受けたい人なら、「毎週土曜の午前に3時間、ポートフォリオ用の小さなアプリを作り、月に1本公開する」という行動目標が考えられます。アプリケーション開発のお仕事では、開発の案件で求められる作業の範囲と準備の進め方をまとめています。
デザインの仕事を受けたい人は、単価の相場を知ったうえで、作業時間の目標を決めると無理のない計画になります。デザイナーの年収・単価相場では、会社員とフリーランスの年収や案件の単価の目安を職種の傾向とあわせて整理しています。
テレワークを導入する会社側にとっても、行動目標は在宅勤務の評価の土台になります。顔を合わせる時間が減る分、何をどれだけやったかを記録で示す必要が増えるからです。導入の費用に使える国の制度は、テレワーク 助成金 2026で対象と申請の流れをまとめています。
運営者として見てきた、行動目標が続く人の共通点
フリーランスや在宅ワークの仲介を長く続けてきた運営者の立場から見ると、仕事が途切れない人の行動目標には共通点があります。1つは、案件を取るための行動と同じくらい、取引が続くための行動に時間を使っていることです。納品の前日までに提出する、仕上げたあとに使い方の説明を添える、次の依頼の前に相手の状況を聞く、といった小さな行動を決めて守っている人は、新しい案件を探す時間が少なくても仕事が続いています。
もう1つは、目標の数を絞っていることです。続いている人ほど、毎週守る行動を2つか3つに決め、それ以外は状況に合わせて動かしています。期の初めに目標をたくさん並べる人ほど、途中で全部をやめてしまう傾向が見られます。
直接取引の仕事では、中間の手数料が乗らない分、同じ予算で依頼者はより多くを頼め、受け手は手取りが厚くなります。この関係を長く続けるには、相手に「この人に任せると楽だ」と思ってもらう行動を、目標として意識して積み重ねることが近道です。
会社員として評価を受ける人も、業務委託で仕事を受ける人も、行動目標の基本は同じです。結果を分解し、自分の手で変えられる行動を選び、記録して見直す。この繰り返しが、評価面談で語れる事実と、次の仕事につながる信頼の両方を作ります。中小企業の経営課題を扱う専門家の仕事に関心がある人は、中小企業診断士で、試験の仕組みと目標設定や業務改善の支援を仕事にする道を紹介しています。
よくある質問
Q. 行動目標と結果目標はどちらを先に決めればよいですか?
結果目標を先に決めます。期末までに何を達成したいかが決まらないと、どの行動を選べばよいかが分からないからです。結果目標を決めたら、それを件数や割合などの要素に分解し、自分の行動で変えられる要素を選んで行動目標にします。1つの結果目標に対して行動目標は2つか3つに絞ると管理しやすくなります。
Q. 数字にしにくい仕事でも行動目標は立てられますか?
立てられます。成果の質は数えにくくても、行動の回数や期限は数えられるからです。たとえば後輩の育成なら「後輩の資料に提出の前日までにコメントを3点以上返す」、会議の質なら「議題を前日の正午までに共有する」のように、行動の部分を数えられる形に言い換えると、達成したかどうかを判断できます。
Q. 行動目標を達成したのに結果が出ないときはどうすればよいですか?
行動の量と結果の数字を並べて、行動が結果につながっているかを確かめます。量を増やしても結果が動かない場合は、行動の種類が合っていない可能性が高いため、結果に近い行動へ切り替えます。たとえば連絡の件数ではなく、面談につながった連絡の数を目標にするなど、指標を変えることを上司と相談してください。
Q. 行動目標の振り返りはどのくらいの頻度で行うべきですか?
記録は毎日か毎週、見直しは月に1回を目安にすると続けやすくなります。毎日の記録は実行した日に印を付ける程度で十分です。月に1回は合計を見て、止まっている行動とその理由を書き出します。さらに四半期に1回は、行動目標そのものが今の業務に合っているかを上司と話し合う場を作ると、形だけの目標になりにくくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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