WordPressの保守運用を個人に発注する際の依頼範囲|バックアップと復旧対応の線引き 2026

中西 直美
中西 直美
WordPressの保守運用を個人に発注する際の依頼範囲|バックアップと復旧対応の線引き 2026

この記事のポイント

  • wordpress 保守運用 個人発注で失敗しないために
  • 費用相場・依頼範囲・バックアップと復旧の線引きを解説
  • フリーランスへの直接発注で中間マージンを抑える考え方も紹介します

「wordpress 保守運用 個人発注」で検索してこのページに来られた方は、おそらく今、社内やご自身だけではWordPressサイトの管理が追いつかなくなっていて、誰かに任せたいけれど、何をどこまで頼めばいいのか分からない状態だと思います。制作会社に頼むと高そうだし、個人のフリーランスに頼むのは少し不安。その気持ち、よく分かります。大丈夫です。順を追って整理していきましょう。

WordPress保守運用を個人発注する動きが増えている背景

ここ数年、企業や個人事業主がWordPressの保守運用を制作会社ではなくフリーランスの個人へ直接発注するケースが目に見えて増えています。理由はシンプルで、サイトを作った制作会社が保守だけの契約に消極的だったり、月額料金が高止まりしていたりすることが多いからです。

WordPressは世界のWebサイトの大部分で使われている、非常にシェアの大きいCMSです。利用者が多いということは、それだけ攻撃者にも狙われやすいということでもあります。

実際、WordPressは世界中のWebサイトの40%以上で使われており、その圧倒的に多いユーザーベースが、サイバー攻撃のターゲットになりやすい一因となっています。 出典: kusanagi.biz

この数字を見ると、「保守なんて後回しでいい」とは言えない現実が分かります。プラグインの更新を怠ったまま放置していたサイトが改ざんされ、検索エンジンからの評価が急落してしまう、という相談は決して珍しくありません。

一方で、制作会社に依頼する保守運用プランは、月額3万円から10万円程度に設定されていることが多く、中小企業や個人事業主にとっては負担が大きいと感じる金額です。ここに、フリーランスの個人へ直接発注するという選択肢が広がってきた背景があります。

そもそもWordPress保守運用とは何をする仕事なのか

保守運用という言葉は幅が広く、依頼する側も何を含めていいのか迷いがちです。まず、代表的な業務を整理しておきます。

定期的な更新作業

WordPress本体、テーマ、プラグインには頻繁にアップデートが配信されます。これを放置すると脆弱性が残ったままになり、不正アクセスの入口になります。月に1回から数回、更新の有無を確認し、必要に応じて適用する作業が基本になります。

バックアップの取得と保管

サイトが改ざんされたり、更新作業で不具合が起きたりした際に、直前の状態に戻せるかどうかは、バックアップの有無で決まります。バックアップの頻度、保存先(サーバー内かクラウドか)、保存期間は必ず契約前に確認すべき項目です。

セキュリティ監視

不正ログインの試行を検知するプラグインの導入、ファイアウォールの設定、マルウェアスキャンなど、セキュリティ対策の中身は業者によって差が大きい部分です。「セキュリティ対策込み」と書かれていても、具体的に何をしているのか聞かないと分からないケースがほとんどです。

表示速度やエラーの監視

サイトが落ちていないか、表示速度が極端に遅くなっていないかを定期的にチェックし、異常があれば連絡してもらう。これも保守運用の重要な役割です。

軽微な修正対応

「文言を直したい」「画像を差し替えたい」といった軽微な修正を、都度の見積もりなしで対応してもらえるかどうかも、契約時に確認しておきたいポイントです。

費用相場はどれくらいか

WordPress保守運用をフリーランスの個人に発注する場合の費用相場は、対応範囲によって大きく変わります。おおよその目安は次の通りです。

・更新作業のみの最小限プラン: 月額5,000円から1万5,000円程度 ・更新に加えてバックアップ・監視を含む標準プラン: 月額1万5,000円から4万円程度 ・軽微な修正対応まで含むフルサポートプラン: 月額4万円から10万円程度

制作会社に依頼する場合と比べると、フリーランスへの直接発注は同じ内容でも料金が抑えられる傾向があります。これは制作会社が営業担当者や複数のディレクター、事務スタッフなどを抱えている一方で、フリーランスは一人で対応しているため、間に人が入らない分、コストが直接価格へ反映されにくいという構造の違いによるものです。仲介会社やエージェント経由で発注すると、そこに手数料が上乗せされ、実際に作業する担当者に渡る金額は目減りします。手数料0%で発注者とフリーランスが直接つながる仕組みを使えば、同じ予算でより手厚い対応を依頼できたり、受け手側の手取りが厚くなったりする余地が生まれます。

依頼範囲を明確にしないと起きる失敗

保守運用の発注で最も多いトラブルは、「どこまでが契約に含まれているのか」が曖昧なまま契約してしまうことです。

私自身、フリーランスとして独立した直後、自分のWebサイトの保守を安さだけで選んだフリーランスの方に依頼したことがあります。月額の見積もりだけを比較して契約したのですが、いざサイトの表示が崩れるトラブルが起きたとき、「それは契約範囲外の作業なので追加料金です」と言われ、結局トラブル対応だけで想定より多くの費用がかかってしまいました。あのとき、契約前に「トラブル発生時の対応はどこまで含まれるのか」を具体的に確認していれば、防げた出費だったと思います。今振り返れば、安さだけで判断せず、対応範囲を書面で確認する一手間を惜しんだことが原因でした。

こうした失敗を避けるために、契約前に必ず確認しておきたい項目を整理します。

対応範囲外の線引きが明文化されているか

「セキュリティ対策込み」「トラブル対応込み」といった曖昧な表現ではなく、具体的にどの作業が月額料金に含まれ、どこからが追加料金になるのかを、契約書やお見積書に明記してもらいましょう。

バックアップの頻度と保存場所

毎日自動でバックアップを取得しているのか、週に1回なのか。またそのバックアップはサーバー内に保存されているのか、外部のクラウドストレージに保管されているのか。サーバーそのものに障害が起きた場合、サーバー内保存のバックアップでは復旧できません。

復旧対応にかかる時間と追加費用

万が一サイトが表示されなくなった場合、どのくらいの時間で復旧対応に着手してもらえるのか、そして復旧作業自体に追加費用が発生するのかどうかを事前に確認しておくことが重要です。夜間や休日のトラブルに対応してもらえるかどうかも、業種によっては死活問題になります。

他社が制作したサイトでも引き受けてもらえるか

すでに別の制作会社が作ったサイトの保守を、新しく依頼するフリーランスに引き受けてもらえるかどうかは、最初に確認すべき点です。既存のサイト構成やプラグインの相性によっては、断られるケースもあります。

担当者が固定されるか、都度変わるか

複数人体制の業者では、問い合わせのたびに担当者が変わり、経緯を毎回説明し直す必要が出てくることがあります。フリーランスへの個人発注は、担当が固定されやすいという利点があります。

良い依頼先を選ぶためのポイント

依頼先を選ぶ際は、価格だけでなく次のような観点を組み合わせて判断することをおすすめします。

・過去の対応実績や得意分野が、自社のサイト構成(使用テーマ、プラグイン、ECサイトかコーポレートサイトか)と合っているか ・見積もりの内訳が明確で、追加費用が発生する条件が事前に説明されているか ・連絡手段(チャット、メール、電話)と返信の目安時間が明示されているか ・契約の解除条件や、他の業者へ移行する際のデータ引き継ぎがスムーズに行えるか ・実際にやり取りしてみて、専門用語を分かりやすく説明してくれるか

特に最後の点は見落とされがちですが、長く付き合う相手を選ぶうえでは重要な要素です。技術的な話を一方的にされて終わるのではなく、こちらの理解度に合わせて説明してくれる相手かどうかは、初回の問い合わせのやり取りである程度分かります。

WordPressのサイト構築やカスタマイズを含めて依頼したい場合は、WordPress・CMS構築・カスタムのお仕事で、対応可能なフリーランスの職種や依頼の流れを確認できます。保守運用だけでなく、サイトのリニューアルやAI活用による業務効率化まで視野に入れたい場合は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事も参考になります。

フリーランスへの直接発注で費用を抑える考え方

保守運用を外部に依頼する際、多くの発注者が最初に検討するのは制作会社や運用代行会社です。しかし、これらの会社経由の依頼は、営業担当者や事務スタッフの人件費が料金に含まれるため、実際に作業する担当者に届く金額は依頼総額よりも少なくなります。

フリーランスの個人へ直接依頼する場合、この中間コストが発生しないため、同じ予算でより手厚い対応を依頼できる可能性が高まります。もちろん、フリーランス一人での対応になるため、体調不良や繁忙期には対応が遅れるリスクもゼロではありません。この点は、事前に「不在時のバックアップ体制はあるか」を確認しておくと安心です。

依頼先を探す方法としては、クラウドソーシングサイトで募集をかける方法があります。

料金・口コミ・実績などで運用・管理・保守のフリーランスを検索。提案の募集、業務委託での個人発注・外注から仕事の代行依頼までWEBで完結。「相談から支払い」もスムーズで簡単。無料登録で今すぐ利用できます。 出典: lancers.jp

こうしたプラットフォームでは、複数のフリーランスから見積もりを取り、実績や口コミを比較したうえで発注先を選べます。ただし、見積もりの安さだけで選ぶと、前述したような対応範囲の食い違いが起きやすいため、必ず対応範囲を書面で確認したうえで契約することをおすすめします。

なお、既存のサイトを他社から引き継ぐ形での保守依頼は、断られることも多い点には注意が必要です。

委託先を探し始めて最初にぶつかる壁が、「制作は自社じゃないので保守は受けられません」という断り文句です。 出典: webroad.co.jp

この壁に直面した場合は、サイトの現状を診断してもらう単発の作業からスタートし、そのうえで継続契約に移行できるかを相談する、という段階的な進め方が現実的です。いきなり全面的な保守契約を求めるのではなく、まずは小さな作業を通して相性を確認する、という発想が失敗を防ぎます。

保守運用を発注するメリットを改めて整理する

自分でWordPressの管理をすべて行う場合と比べて、専門のフリーランスに保守運用を依頼するメリットは次の通りです。

・専門知識がない担当者でも、更新漏れやセキュリティリスクを抱えずに済む ・トラブル発生時に自分で調べる時間を削減できる ・本業や自社のコア業務にリソースを集中できる ・複数のサイトを運営している場合、まとめて依頼することで管理の手間が減る

一方で、依頼することで発生するデメリットも正直にお伝えします。担当者との相性が合わない場合、コミュニケーションコストがかかること、そして契約範囲外の作業には追加費用が発生することです。これらは、契約前の確認を丁寧に行うことでかなりの部分を防げます。

@SOHO独自データの考察

在宅ワーク・フリーランスのマッチングを長く見てきた運営者の視点から言えることがあります。それは、保守運用のようにサイトの現状や事情を毎月共有し続ける必要がある業務ほど、単発の作業依頼よりも「この人に任せておけば安心」という継続的な関係づくりが重要になる、ということです。

長く付き合いが続いている発注者とフリーランスの関係を見ていると、共通しているのは、最初の依頼範囲の擦り合わせに時間をかけている点です。逆に、価格の安さだけで飛びついて契約したケースほど、後になって「思っていた対応と違った」という食い違いが起きやすい傾向があります。

そしてもう一つ、運営者として見てきた実感として伝えたいのは、額面よりも手取りの物語です。仲介会社を挟まずフリーランスへ直接発注する仕組みは、発注者側から見れば同じ予算でより多くの作業を頼める余地が生まれ、受注するフリーランス側から見れば、中間マージンが差し引かれない分、手取りが厚くなります。これは金額の大小の話ではなく、双方にとって「質」が変わる話です。手数料0%で直接つながる仕組みは、発注者にとってはコストの透明性が高まり、受注者にとっては継続的な関係を築きやすくなる、という双方向のメリットがあります。

保守運用は、一度契約したら終わりではなく、サイトの成長やビジネスの変化に合わせて依頼内容も見直していく必要がある業務です。半年に一度は、現在の契約内容が実態に合っているかを振り返り、必要であれば依頼範囲を見直す機会を持つことをおすすめします。

フリーランスとしてWordPressの保守運用や構築を専門にしている方の単価相場については、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で市場全体の傾向を確認できます。また、サイトのコンテンツ更新やライティングまで含めて依頼したい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場も参考になります。

WordPressの構築から保守運用までの一連の流れを知りたい方は、Web制作 WordPressの全手順!2026年最新の作り方と案件獲得術でサイト制作全体の流れを解説しています。フリーランスのWordPressエンジニアがどのような案件を受けているのか知りたい場合は、WordPressエンジニアのフリーランス案件ガイド|需要・単価・始め方【2026年版】、単価相場や受注方法をより詳しく知りたい場合はWordPress案件の受注方法と単価相場|フリーランス初心者ガイドも合わせてご覧ください。

保守運用の発注は、決して難しい判断ではありません。依頼範囲を明確にし、バックアップと復旧対応の線引きを事前に確認し、価格だけでなくコミュニケーションのしやすさも含めて相手を選ぶ。この3点さえ押さえておけば、大きな失敗は防げます。あなたのサイトに合ったパートナーが見つかることを願っています。

よくある質問

Q. WordPress保守運用を個人に発注する場合、最低限どこまで頼むべきですか?

本体・テーマ・プラグインの更新確認、月1回以上のバックアップ取得、簡易的なセキュリティ監視の3点は最低限依頼したい範囲です。これらが月額料金に含まれるか契約前に確認してください。

Q. バックアップが取られていても復旧できないことはありますか?

あります。サーバー内にのみ保存されたバックアップは、サーバー障害時に一緒に失われる可能性があります。外部クラウドへの保管や複数世代の保存があるか確認しましょう。

Q. 他社が制作したサイトの保守を、別のフリーランスに頼むことはできますか?

可能ですが断られるケースもあります。まずはサイト診断など単発の作業から依頼し、対応可能と分かってから継続契約に移行する進め方が現実的です。

Q. 制作会社ではなくフリーランスに直接発注するデメリットは何ですか?

一人で対応しているため、体調不良や繁忙期に対応が遅れるリスクがあります。契約前に不在時の対応体制や連絡手段の目安時間を確認しておくと安心です。

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この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月24日最終更新:2026年7月31日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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