WordPress案件の受注方法と単価相場|フリーランス初心者ガイド


この記事のポイント
- ✓WordPress案件をフリーランスとして受注する方法を徹底解説
- ✓カスタマイズ・テーマ制作・保守運用の単価相場や
- ✓初心者が最初の案件を獲得するための営業術を現役エンジニアの実体験とともに紹介します
フリーランスとして独立したとき、最初に安定して受注できたのがWordPress案件でした。企業のコーポレートサイトからブログ、ECサイトまで、WordPressの需要は驚くほど幅広い。ここでは、僕自身が未経験からWordPressのフリーランスとして月収50万円を超えるまでの過程で学んだことを共有します。
なぜWordPress案件はフリーランス初心者に向いているのか
世界のWebサイトの約40%がWordPressで構築されていると言われています。それだけ利用者が多いということは、制作・カスタマイズ・保守の案件も膨大にあるということです。
WordPress案件が初心者に向いている理由は3つあります。
- 学習コストが比較的低い:PHP・HTML・CSSの基礎知識があれば、テーマのカスタマイズから始められます。WordPressは「テンプレート階層」という設計思想が明確であり、どこを修正すれば画面のどこが変わるかが直感的に理解しやすいのが特徴です。
- 案件数が圧倒的に多い:クラウドソーシングサイトだけでも、常時数百件のWordPress案件が掲載されています。市場が成熟しているため、案件のマッチングも効率的です。
- 小規模から始められる:プラグインの設定代行や既存テーマのカスタマイズなど、短時間で完了する案件も豊富です。まずは「固定ページを1枚作る」「ヘッダーメニューを修正する」といった1〜3時間程度で完了する小規模タスクから始めるのが、リスクを抑えた独立の第一歩です。
WordPress案件の種類と単価相場
WordPressの案件は、技術レベルに応じて細分化されています。それぞれのフェーズでの目標設定が、フリーランスとしての成長を加速させます。
テーマカスタマイズ
既存テーマをクライアントの要望に合わせて調整する案件です。デザインの微調整や、必要な機能の追加を行います。最も入門しやすいジャンルで、私もここからスタートしました。
- 単価相場:30,000〜100,000円
- 作業期間:3〜7日
- 必要スキル:HTML/CSS、WordPress管理画面の操作、CSSによるセレクタ指定、メディアクエリによるレスポンシブ対応
オリジナルテーマ制作
クライアント専用のオリジナルテーマをゼロから制作する案件。デザインカンプ(完成見本)を渡され、それを忠実にWordPressテーマとして実装します。単価が高く、やりがいもあります。
- 単価相場:150,000〜500,000円
- 作業期間:2〜6週間
- 必要スキル:PHP、WordPress テンプレート階層、カスタムフィールド(ACF等)の利用、データベース操作の基礎
プラグイン開発・カスタマイズ
特定の機能を実現するためのプラグイン開発や、既存プラグインのカスタマイズ案件です。例えば「予約システムを導入したい」「会員限定コンテンツを作成したい」といった要望に応えます。
- 単価相場:50,000〜300,000円
- 作業期間:1〜4週間
- 必要スキル:PHP、WordPress API、アクションフック・フィルターフックの理解、データベースの読み書き
保守・運用代行
サイトの更新作業、バックアップ、セキュリティ対策などを月額で請け負う案件。安定収入の柱になります。フリーランスの生活基盤を安定させるために、積極的に増やしていくべき案件です。
- 単価相場:月額10,000〜50,000円
- 必要スキル:サーバー管理の基礎(FTP/SSH)、セキュリティ知識、バックアップ体制の自動化設定
| 案件タイプ | 単価相場 | 難易度 |
|---|---|---|
| テーマカスタマイズ | 3万〜10万円 | 初級 |
| オリジナルテーマ制作 | 15万〜50万円 | 中級 |
| プラグイン開発 | 5万〜30万円 | 中〜上級 |
| 保守・運用代行 | 月1万〜5万円 | 初〜中級 |
| ECサイト構築(WooCommerce) | 20万〜80万円 | 中級 |
最初の案件を獲得するための5ステップ
独学でスキルを磨くだけでなく、いかにして「最初の報酬」を得るかがフリーランス転身の分岐点です。
1. 自分のWordPressサイトを作る
何はともあれ、まず自分のサイトをWordPressで構築しましょう。これが最高のポートフォリオになります。僕はレンタルサーバーを借りて、自分のブログをオリジナルテーマで作りました。面接のたびに「これ、自分で全部作ったんです」と見せるだけで信頼度が格段に上がります。具体的な機能として、Contact Form 7を使ったお問い合わせフォーム、カスタム投稿タイプによる記事分類などを実装しておくのがおすすめです。
2. 無料・低単価案件で実績を積む
最初の3件は利益度外視で受けるくらいの気持ちが大切です。僕の場合、知人の個人事業主のサイトを格安で作らせてもらい、完成後に詳細なレビューをもらいました。このとき大切なのは「ただ作る」ことではなく、「納期を守る」「クライアントへの報連相を丁寧にする」という、ビジネスとしての信頼を築く訓練をすることです。
3. 提案文を磨く
クラウドソーシングでは、提案文の質が受注率を大きく左右します。テンプレートの使い回しではなく、クライアントの課題を読み取り、具体的な解決策を提示することが重要です。たとえば、「このデザインだとスマホで閲覧したときに崩れやすいため、CSSをこのように調整することを提案します」といった具体的な技術的アドバイスを盛り込みましょう。
4. 得意分野を明確にする
「WordPress全般できます」よりも「飲食店のWordPressサイトが得意です」のほうが刺さります。特定の業界(例:美容院、士業、不動産)を絞ることで、その業界の商習慣やデザインの傾向に詳しくなり、提案の質も上がります。特定の業界向けに「予約システム導入パッケージ」などを作ると、さらに受注率が上がります。
5. 継続案件につなげる
一度制作したサイトの保守運用を提案しましょう。「月額1万円でWordPressのアップデートとバックアップを代行します」という提案は、クライアントにとっても安心材料になります。保守は単なる作業代行ではなく、クライアントと中長期的なパートナーシップを築くための入り口です。
単価を上げるための3つのポイント
単価を20万円以上の案件へと引き上げるには、技術以外の「ビジネス貢献度」を示す必要があります。
ポイント1:SEOの知識を身につける
「WordPressで作れます」だけでなく「SEOに強いサイトを作れます」と言えるだけで、単価は1.5〜2倍になります。内部対策の基礎知識、具体的にはGoogleの検索エンジンが好むHTML構造、表示速度の改善、Schema.orgを用いた構造化データの実装などは必須知識です。
ポイント2:ページ表示速度の最適化ができる
Core Web Vitalsへの対応は、多くのクライアントが求めている付加価値です。画像のWebP変換、キャッシュ設定、不要なプラグインの精査とコードの圧縮など、具体的な施策を提案できると強いです。Pagespeed Insightsで90点以上を叩き出す実績を作れば、それが強力な営業ツールになります。
ポイント3:デザインからコーディングまでワンストップで対応する
デザインとコーディングを別々の人に発注すると、コミュニケーションコストが増えます。両方できるフリーランスは重宝されるため、Figmaなどのデザインツールも覚えておくと案件の幅が広がります。Webデザイナーとしてのスキルも併せ持つと、Webサイトの制作のみならず、バナー作成やLP制作など、継続的な依頼を獲得しやすくなります。
WordPress開発の効率化とトラブルシューティング
開発スピードを上げることも、時給単価を上げる重要な戦略です。
ローカル開発環境の構築
本番サーバーで直接編集するのは避けましょう。Local(旧Local by Flywheel)を使用すると、PC上で簡単にWordPress環境を構築できます。修正をローカルで行い、確認してから本番に反映させるワークフローは必須です。
Gitによるバージョン管理
修正前のコードを必ず残しておく習慣をつけましょう。Gitを使えば、万が一サイトが真っ白になったときでも、数秒で元の状態に復旧可能です。
よくあるトラブルの傾向と対策
- プラグインの競合:真っ白になったらまず
wp-content/pluginsディレクトリの名前を変えて全プラグインを一時停止し、一つずつ有効化して原因を特定します。 - サーバー容量オーバー:画像ファイルを大量にアップロードすると制限に引っかかることがあります。
EWWW Image Optimizerなどで自動圧縮設定を導入しましょう。
受注経路の選び方と特徴比較
WordPress案件を獲得する経路は複数あり、それぞれに特徴があります。自分のフェーズに合った経路を選ぶことが、安定受注への近道です。
クラウドソーシング型プラットフォーム
クラウドワークスやランサーズに代表される総合型のサービスは、案件数が圧倒的に多く初心者の入り口として最適です。ただし手数料が15〜20%と高めで、価格競争に巻き込まれやすい側面もあります。最初の5〜10件の実績作りと割り切って活用しましょう。
エージェント型サービス
レバテックフリーランスやギークスジョブなど、エージェントが企業と仲介するタイプです。週3〜5日稼働の準委任契約が中心で、月収60〜100万円クラスの案件も珍しくありません。実務経験1〜2年以上が目安となります。
マッチング型・特化型サイト
@SOHOのような掲載者と受注者が直接やり取りするタイプは、手数料負担が軽く、長期的な信頼関係を築きやすいのが利点です。中間マージンが抑えられる分、同じ予算でもクライアントの満足度を高めやすく、リピート受注に繋がりやすい構造になっています。
直接営業・リファラル
最も単価が高く、手数料がかからないのが直接営業と紹介経由です。地元の商工会議所のセミナーに参加したり、SNSで制作実績を発信し続けることで、相見積もりにならない案件を獲得できるようになります。実際に僕は、過去のクライアントからの紹介だけで月の稼働時間の7割を埋められるようになりました。
フリーランスとして避けて通れない契約と税務の基本
技術力があっても、契約と税務の知識が抜けていると致命的な損失を被ります。中小企業庁の調査では、フリーランスが業務上のトラブルを経験する割合は決して低くないことが示されています。
フリーランスとして業務を行うに当たり、取引先との関係でトラブルや困った経験があると回答した者は約4割(37.7%)であった。具体的な内容としては、「報酬の支払いの遅延」、「不当に低い報酬額の決定」、「一方的な仕事内容の変更や追加発注」などが挙げられている。 出典: chusho.meti.go.jp
業務委託契約書を必ず交わす
口約束だけで作業を始めるのは絶対にNGです。最低限、以下の項目を書面化しましょう。
- 業務範囲(どこまで対応するか、修正回数の上限)
- 報酬金額と支払期日、振込手数料の負担
- 著作権の取り扱い(譲渡か利用許諾か)
- 検収期間と瑕疵担保責任の範囲
- 機密保持と再委託の可否
特にWordPress案件で揉めやすいのが「修正回数」と「納品後の不具合対応期間」です。「修正は3回まで、納品後30日間は無償でバグ修正対応」のように、明確な線引きを契約段階で行いましょう。
開業届と青色申告の活用
事業所得が継続的に発生するなら、税務署への開業届の提出が必要です。同時に青色申告承認申請書を出すことで、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。フリーランス1年目で見落としがちですが、年間の節税効果は10万円以上になることも珍しくありません。
インボイス制度への対応
2023年10月から始まったインボイス制度により、法人クライアントとの取引では適格請求書発行事業者の登録が事実上の必須要件となっています。登録するかどうかは年商や取引先構成によって判断が分かれますが、WordPress制作案件の場合、発注元が法人であることが多いため登録しておくのが無難です。
長期的にWordPressフリーランスとして生き残るための戦略
WordPressの市場は安定していますが、技術トレンドの変化も激しい領域です。5年後・10年後も第一線で活躍するためには、継続的なスキル更新と戦略的なポジショニングが不可欠です。
ブロックエディタ(Gutenberg)とフルサイト編集への対応
クラシックエディタからブロックエディタへの移行が完全に進み、フルサイト編集(FSE)対応のブロックテーマが主流になりつつあります。新規案件ではほぼ確実にブロックテーマが選択肢に上がるため、theme.jsonの設計や、カスタムブロックの開発スキルは必須です。
ヘッドレスWordPressという選択肢
WordPressをコンテンツ管理(CMS)としてのみ使用し、フロントエンドをNext.jsやNuxt.jsで構築する「ヘッドレス構成」の案件が増えています。表示速度を極限まで高めたい大手メディアや、複数チャネルでコンテンツを配信したい企業からの需要が高く、単価も通常の1.5〜2倍になります。
コミュニティへの貢献と発信
WordCamp(WordPress公式カンファレンス)への参加や、自作プラグインの公式ディレクトリ公開は、強力な差別化要因になります。技術ブログやYouTubeで知見を発信し続けることで、「指名で依頼が来る」状態を作るのが理想です。受注営業から指名受注へとシフトすると、案件単価は劇的に上がり、価格交渉のストレスからも解放されます。
よくある質問
Q. PHPエンジニアがフリーランスで年収を上げるにはどうすればよいですか?
PHPだけで高単価を目指すのは厳しいのが実情です。LaravelでのモダンなAPI開発経験に加え、Docker、AWS、CI/CDなどのインフラスキルを身につけることで月額70〜80万円台を狙えます。さらに年収アップを目指すなら、GoやPythonなど高単価言語へのスキルチェンジも検討してみてください。
Q. フロントエンドエンジニアの未経験からフリーランスになれますか?
未経験からいきなりフリーランスになるのは現実的ではありません。最低でも実務経験2年以上を積んでから独立することをおすすめします。1〜2年の経験では月額35〜50万円が相場であり、税金や社会保険を差し引くと会社員時代より手取りが減る可能性もあります。
Q. 単価交渉をしたら「じゃあ他の人に頼む」と言われませんか?
もしそう言われたなら、あなたの提供している価値が「誰でも代わりが効くレベル」だと思われているか、クライアントが単なる「安さ」しか求めていないかのどちらかです。そのような現場に長くいても未来はありません。早めに[おすすめ] の新規案件を探し始めましょう。
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この記事を書いた人
榊原 隼人
フルスタックエンジニア・テックライター
SIerで8年間システム開発に携わった後、フリーランスエンジニアに転身。React/Next.js/Pythonを中心に開発案件をこなしながら、技術系の記事を執筆しています。
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