未経験からWebデザインの副業へ|学ぶ順番と初仕事の取り方


この記事のポイント
- ✓web デザイナー副業未経験の状態から仕事を受けるまでの道筋を
- ✓学ぶ順番と初仕事の取り方に絞って整理しました
- ✓独学とスクールの分かれ目
結論から書きます。web デザイナー副業未経験の状態から仕事を受けられるようになるために必要なのは、センスや才能ではなく「学ぶ順番」と「最初の1件の取り方」の2つです。逆に言えば、この2つを外している人は、どれだけツールの操作を覚えても案件につながりません。
この記事では、未経験から在宅でWebデザインの副業を始めるまでの道筋を、市場の実情に沿って整理します。楽に稼げるという話はしません。ただ、どの順番で何を覚えれば最短で最初の仕事に届くのかは、はっきり言えます。
未経験からWebデザインの副業を狙う人が、まず知っておくべき市場の形
Webデザインの副業市場には、はっきりした二層構造があります。上の層は、企業サイトの設計や改修をまるごと請け負う層です。ここは実務経験者が占めていて、1案件の金額も大きく、継続的な取引になりやすい。下の層は、バナー1枚、アイキャッチ1枚、既存サイトの文字修正といった細切れの作業です。単価は案件により数千円から1万円台が中心で、参入する人の数がきわめて多い。
未経験者が最初に触れるのは、ほぼ例外なく下の層です。ここで問題になるのは、下の層の仕事をいくら数多くこなしても、それだけでは上の層に上がれないという点です。バナーを100枚作った人が、それだけでサイト設計を任されることはありません。求められる能力の種類が違うからです。
だから、未経験から始める人が設計すべきは「下の層で実績と信頼を作りながら、上の層に必要な能力を並行して仕込む」という二本立ての動きになります。下の層だけを回し続けると、時間単価が上がらないまま作業に埋もれます。逆に上の層の勉強だけをしていると、仕事の実感が得られずに続きません。
もう一点、市場の形として押さえておきたいのが、需要の中身が「作る」から「直す・回す」に寄ってきていることです。新しくサイトを1本立てる仕事よりも、すでにあるサイトのバナーを差し替える、商品ページを増やす、スマートフォンでの見え方を整える、といった継続的な運用の仕事のほうが件数が多い。在宅の副業として週に数時間しか出せない人にとっては、むしろこの運用寄りの仕事のほうが相性がいいという特徴があります。継続案件は締め切りが読めるので、本業との両立が組みやすいのです。
在宅で受けられる仕事の全体像を先に眺めておきたいなら、Webサイトの運用や集客の支援をまとめたWeb運営・Webマーケ支援のお仕事を見ると、デザイン単体ではなく運用とセットで発注されている実情がつかめます。デザインだけを切り出して受けるより、運用の一部として入ったほうが継続しやすい、というのが市場の形です。
「未経験でも始められる」と「未経験には厳しい」が同時に正しい理由
この分野の情報でいちばん混乱しやすいのが、「未経験でもできる」と「未経験では無理」がどちらも大量に出てくることです。正直なところ、どちらも嘘ではありません。前提が違うだけです。
制作会社を経営している立場からの、こういう指摘があります。
Webとグラフィックデザインのデザイン制作会社(法人)を営んでいる者です。制作会社にデザイナーとして7年勤務の後、起業。起業してから14年目です。 一人法人なので、フリーランスみたいなものです。 ◎副業はたくさんありますが、まともに稼げる人は正社員経験者がほとんどです。まったくの未経験者でできるものもあるのですが、時給にして100円もいかないような感じですので。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
この指摘は現場の実感として正確だと思います。ただし「時給100円にもならない」のは、コンペ形式の案件に未経験者が数十人単位で応募して、選ばれなければ報酬がゼロになる領域の話です。提案に何時間かけても落ちれば収入はゼロ。これを繰り返せば、投入時間で割った時給は限りなく小さくなります。
一方で、単価が決まっている固定報酬の仕事、それも「既存のデザインの型に沿って量産する」種類の仕事であれば、未経験の入口としては成り立ちます。たとえば、ブランドの色とフォントが決まっているバナーを、サイズ違いで10枚作る。商品写真を差し替えて価格表示を更新する。こうした仕事は創造性より正確さと納期が評価軸なので、経験の浅さが致命的にはなりません。
つまり、未経験者にとっての分かれ目は「スキルの高さ」ではなく「どの土俵を選ぶか」です。選ぶ土俵を間違えたまま努力を積むと、時給が上がらないどころか、提案書を書く時間ばかり増えていきます。私が編集の現場でデザイナーの方を探すときも、コンペで勝った人より、細かい修正依頼に正確に応えてくれた人に次の仕事を頼んでいました。評価されているのは、派手さではなく手戻りの少なさです。
学ぶ順番を間違えると時間が溶ける。5つの段で積む
未経験の人が最もよく踏む失敗は、ツールの操作から入って、そこで満足してしまうことです。操作は覚えたけれど何をデザインすればいいか分からない、という状態になります。順番を入れ替えるだけで、同じ勉強時間の価値が変わります。
第1段:既存サイトの構造を言葉にできるようにする
最初にやるべきは、絵を描くことではなく、他人の作ったサイトを分解することです。見出しの大きさ、余白の広さ、色の使い分け、ボタンの位置。それぞれが「なぜそうなっているか」を言葉で説明する練習をします。5サイトぶん書き出せば、デザインが感覚ではなく判断の積み重ねであることが体感できます。ここに使う時間はツールを触る前の準備として、10時間もあれば十分です。
第2段:ツールは1つに絞って、作り切る経験を1回通す
デザインツールは複数ありますが、未経験の段階で比較検討に時間を使う意味はありません。ブラウザで動く無料のものを1つ選び、それで1枚のバナーと1ページのデザインを最後まで仕上げます。重要なのは機能を網羅することではなく、「途中で投げずに完成させる」工程を一度通すことです。未完成のファイルが増えるだけの学習は、実務の役に立ちません。
第3段:文字の扱いを先に鍛える
Webデザインで最も差が出るのは、色や飾りではなく文字の処理です。行間、字間、見出しと本文の大きさの比率、1行の長さ。ここが整っているだけで、素人っぽさは大きく減ります。逆に、凝った装飾を足しても文字の処理が甘いと一目で分かります。文字を整える練習は費用がかからず、成果が目に見える領域なので、未経験者の投資先としては効率が高い。
第4段:コードは「読める」までで止める
HTMLとCSSは、書けるようになる必要はありませんが、読めないと仕事の範囲が狭まります。自分のデザインが実装可能なのか、どこが実装者の手間になるのかが判断できないと、修正のやり直しが増えます。目標は、既存ページのソースを開いて「この余白はここで指定されている」と追える程度です。そこから先の実装を自分でやるかどうかは、後で決めればいい話です。実装まで踏み込む気があるなら、サイト構築の実務を扱ったWeb制作 WordPressの全手順!2026年最新の作り方と案件獲得術のような、制作の流れを通しで解説した記事で全体像を押さえておくと、どこまでを自分の担当にするか決めやすくなります。
第5段:提案の言葉を用意する
最後に必要なのが、デザインを言葉で説明する力です。「かっこいいので採用しました」では発注者は納得しません。「この商品の購入層は40代以上なので、文字を大きくして押せる場所を1か所に絞りました」と説明できるかどうかで、指名につながるかが決まります。ここを鍛えるのに、Web向けの文章の基礎を体系的に確認する手もあります。文章の型を検定形式で学べるWebライティング能力検定は、デザイナーが提案文を書く土台としても使えます。
スクールは必要か。独学との分かれ目はここにある
未経験者からの相談で最も多いのが、スクールに通うべきかという問いです。同じ悩みは公開の質問サイトにも繰り返し上がっています。
webデザイナーのスクール(web上)に通おうと申し込みをしました。 30代主婦なのですが、副業にと考えておりました。 まだ受講は始まっていないのですが、パソコンを新しく買い換え等の準備段階です。 スクールの説明会を受け、自分の置かれている状況や気持ち的にも当てはまり入会を決めたのですが… 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
結論を先に書くと、スクールが向いているのは「自分で締め切りを作れない人」と「添削してくれる相手がいない人」です。逆に、独学で足りるのは「作ったものを見てもらえる相手がすでにいる人」です。教材そのものの価値は、いま無料で出回っているものとそこまで差がありません。差が出るのは、他人の目が入るかどうかです。
費用の判断では、受講料の総額を「最初の1件を取るまでの期間」で割って考えます。受講料が数十万円かかるのに、卒業後の案件獲得まで1年かかるなら、その間の学習は自力でもできた可能性が高い。逆に、数か月で1件目に届いて継続取引になるなら、回収できる投資です。ここで判断材料になるのが、卒業後の案件紹介があるか、そして紹介される案件がどの層のものか。下の層の細切れ案件だけを紹介されるなら、スクールを通す意味は薄くなります。
注意したいのは「受講すれば仕事が保証される」という説明です。保証という言葉が出てきたら、その保証が何を指すのか(仕事の紹介か、応募の権利か、報酬額か)を文字で確認してください。口頭の説明と契約書の記載がずれていることは珍しくありません。学ぶ側からレッスンを提供する側に回る道もあり、教えることを仕事にする形はプログラミング・Webレッスンのお仕事のように需要があります。学んだ内容を人に説明できる段階まで来たら、こちらも選択肢に入ります。
初仕事の取り方。ポートフォリオに何を並べるかで決まる
未経験者のポートフォリオで最もよくある失敗は、架空のカフェや架空の美容室のサイトを並べることです。悪くはありませんが、発注者から見ると判断材料になりません。なぜなら、そこに制約がないからです。実務のデザインは、使える写真が限られ、載せたい情報が多すぎ、社内の誰かが赤字を入れてくる、という制約の中で作ります。制約のない作品は、その対応力を証明しません。
そこで、未経験の段階でも作れる、制約のある成果物を用意します。方法は3つあります。
1つ目は、実在するサイトの改善提案です。既存ページの問題点を3つ挙げ、直した案を並べて出す。元のデザインという制約があるので、判断の質が伝わります。公開するときは、相手の会社名を出さず、業種だけを書くのが礼儀です。
2つ目は、身近な人の仕事を無償か低額で1件受けることです。地域の教室、知人の個人事業、所属しているサークル。実在の依頼者がいると、ヒアリングと修正対応という工程が本物になります。ここで得られるのは作品ではなく「進め方の経験」です。
3つ目は、指定条件を自分に課した量産です。「同じ内容を、印象の違う3案で作る」「文字数を2倍にしても崩れない設計にする」といった条件を自分で設定して作る。条件を明記して並べておけば、発注者は制約下での対応力として読み取ります。
そして、応募文です。未経験であることを隠す必要はありませんが、書く順番が大事です。冒頭に「未経験ですが頑張ります」と書くと、そこで読むのを止められます。先に「何ができるか」「どのくらいの時間で対応できるか」「連絡がつく時間帯」を書き、経験の浅さは最後に事実として添えるだけにします。発注者が知りたいのは意欲ではなく、任せて大丈夫かどうかの材料です。
未経験から在宅の仕事に入っていく流れは、他の職種でも共通しています。文章の仕事から入る道筋をまとめた主婦からWebライターを始める方法|未経験でも月5万円稼ぐまでの手順は、最初の1件をどう取るかという点でそのまま参考になります。
単価と時間の考え方。在宅の副業で崩れる典型パターン
ここは冷静に見ておきたい部分です。単発のバナー制作は、案件により数千円から1万円台が中心です。ページのデザインになると、1ページあたり2万円台から、内容次第でそれ以上になります。ただし、この金額を時給に換算するときに落とし穴があります。修正対応の時間です。
修正の回数を決めずに受けると、作業時間が読めなくなります。3回までを見積りに含め、それを超える分は追加、という形を最初に文字で伝えるだけで、実際の時間単価は大きく変わります。未経験の段階では言い出しにくいところですが、これを言わずに受けた案件が長引いて、本業に影響が出るパターンが最も多い失敗です。
もうひとつ崩れるのが、手数料の扱いです。仲介型のサービスを使うと、報酬から一定割合が引かれます。割合はサービスによりますが、15%から20%程度が一般的です。年間で受ける金額が増えるほど、この差は無視できなくなります。実績がない段階では仲介の信用を借りる価値がありますが、継続する取引については手数料0%で直接つながれる場をあわせて使うほうが、同じ作業量でも手元に残る額が厚くなります。
職種としての収入水準を見ておくのも有効です。Web系の技術職の相場はソフトウェア作成者の年収・単価相場、文章側の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、職業分類ごとの水準として確認できます。副業の単価を決めるとき、専業の年収水準を時間で割った値を下限の目安に置くと、安く受けすぎる事故を避けられます。
週に出せる時間から逆算して、受ける仕事の種類を決める
未経験者がつまずくもう一つの原因は、自分の使える時間と、受けた仕事の性質が合っていないことです。副業である以上、投入できる時間には上限があります。その上限を先に決めてから、受ける仕事の種類を選ぶほうが安全です。
週に3時間から5時間しか出せない人が、ページ全体のデザインを受けるのは無理があります。ヒアリング、構成案、デザイン、修正の往復を合わせると、1ページでも実作業で10時間を超えることが珍しくありません。この時間帯の人に向くのは、指定が明確で1件が短時間で終わる作業です。バナー1枚、画像の差し替え、文字修正。単価は低いものの、途中で止まって迷惑をかける危険がありません。
週に10時間から15時間を出せるなら、ページ単位の仕事が視野に入ります。ただし、この時間を「毎日2時間」ではなく「土日にまとめて」という形でしか確保できない場合は、平日に確認事項が発生したときの返信が遅れます。発注者が困るのは作業が遅いことより、連絡が返らないことです。平日は短時間でも連絡を返せる体制を作るほうが、作業時間を増やすより信用につながります。
週に20時間以上を出せる人は、継続契約を狙う価値があります。月ごとに決まった時間を確保し、その範囲で更新作業をまとめて受ける形です。単発の積み上げより収入が読めるので、副業として最も安定します。ただし、この形は途中で降りにくいという性質があります。本業の繁忙期が読めない人は、期間を区切った契約から始めるのが無難です。
時間の見積りで未経験者が外しがちなのが、作業以外の時間です。要件の確認、素材の受け取り待ち、納品形式の調整、請求書の発行。これらを合わせると、実作業と同じくらいの時間が消えることもあります。見積りを作るときは、実作業の時間に少なくとも3割から5割を上乗せしてください。この上乗せをしないまま受けると、時間あたりの報酬が想定の半分近くまで落ちます。
本業との両立で確認しておくこと
副業としてデザインの仕事を受ける前に、確認しておくべきことが3つあります。順番に整理します。
1つ目は、勤務先の規則です。就業規則で副業が許可制になっているか、届出制か、あるいは禁止されているか。禁止されている場合も、その範囲がどこまでかは会社によって違います。競合する事業だけを禁じている場合もあります。確認せずに始めて、後から問題になるほうが面倒です。届出が必要なら、事前に出しておくのが確実です。
2つ目は、確定申告の扱いです。給与所得がある人が副業で得た所得については、一定の金額を超えると確定申告が必要になります。所得は売上から経費を引いた額なので、ツールの利用料、書籍代、通信費の一部などは経費として計上できます。ここは制度の詳細が更新されるため、実際の手続きの前に国税庁の案内で最新の要件を確認してください。取引の記録は最初から残す習慣をつけると、後でまとめる手間が大きく減ります。
3つ目は、住民税の通知です。副業の所得があると、住民税の額が変わります。勤務先に知られたくない場合の扱いは自治体の運用によるため、事前に居住地の窓口で確認するのが確実です。ここを気にして副業そのものを諦める人がいますが、確認すれば済む話が多い。
なお、本業がデザイン以外の職種でも、そこで培った知識はそのまま武器になります。医療の現場で働いていた人は医療系サイトの言葉遣いが分かり、製造業にいた人は技術的な説明の組み立てができます。デザインの技術は後から追いつけますが、業界の内情は外から学べません。未経験だと感じている人ほど、この掛け算を意識したほうがいい。私が編集の仕事で外部のデザイナーを探すときも、その分野の言葉が通じる方を優先していました。説明の往復が減るからです。
注意点。避けたほうがいい案件と、避けたい学び方
未経験者が引っかかりやすいものを、具体的に挙げます。
まず案件側です。単価が相場より極端に高いのに、業務内容の説明が曖昧なものは避けます。特に「デザインの仕事」と書きながら、実際には登録者の勧誘や、名簿集めが目的になっているものがあります。研修費や教材費を先に支払わせる形も、警戒対象です。仕事を受ける側が費用を先払いする構造は、収益源が発注者ではなく受注者になっているという意味です。
次に契約です。著作権の取り扱いと、修正回数、そして支払い期日。この3つが書かれていない依頼は、後で必ず揉めます。口頭やチャットだけで進む場合も、こちらから箇条書きで「この条件で進めます」と送って記録に残せば十分です。
学び方の注意も1つ。教材を買い集める段階で止まってしまう人が多い。私も学び直しの時期に教材を並行して3つ抱えて、結局どれも半分で止めた経験があります。1つ終えるまで次を買わない、という制約をかけたほうが進みます。
さらに、デザイン単体で戦い続けることのリスクも書いておきます。画像生成の道具が普及したことで、装飾的な素材作りの部分は誰でも一定の水準を出せるようになりました。ここで価値が残るのは、何を載せるかを決める部分と、成果を見て直す部分です。この観点では、デザインの周辺にある業務まで受けられる人のほうが強い。開発側の会話ができる状態を作りたいならWeb・業務システム開発のお仕事にある案件の要件を読んでおくと、どこまでが自分の担当範囲として求められているかがつかめます。
運営者の視点から見た、続く人と止まる人の違い
在宅とフリーランスの市場を20年見てきた立場から言うと、未経験から始めて続いている人には、共通した動きがあります。作品の出来がいいことではありません。「次も頼みやすい状態」を自分で作っていることです。
具体的には、連絡がつく時間帯を先に伝えている。修正の依頼に対して、直した箇所を一覧で返している。納品したあとに「ここは次に変えたほうがいいと思います」と一言添えている。どれも技術ではなく段取りの話です。運営者として見てきた限りでは、発注者が継続を決める理由の大半は、仕上がりの良さより「やり取りが楽だったから」に寄っています。
もう一点、手取りの話をしておきます。中間のマージンが乗らない直接の取引では、同じ予算で発注者はより多くを頼めますし、受け手の側は手元に残る額が厚くなります。この構造は、片方が得をして片方が損をする関係ではありません。長く同じ相手と仕事をしている人ほど、金額の交渉ではなく、この手取りの厚さのほうを重視しているように見えます。単価を1割上げる交渉より、手数料の乗らない場に取引を移すほうが、摩擦が少なく効果が出るという実感があります。
在宅ワーク側のデータから読み取れる、未経験者の入りやすい場所
在宅の求人情報を職種の並びで眺めると、Webデザインが単独の依頼として出ている件数より、運用支援や更新作業の一部としてデザインが含まれている形のほうが目に付きます。Web運営・Webマーケ支援のお仕事のような運用寄りの領域では、求められる作業が「バナーを作る」「ページを1枚増やす」「文字を直す」という粒度に分解されていて、未経験者が入れる隙間が残っています。
対して、開発に近い領域は要件がはっきりしており、実務経験の記述を求められることが多い。年収データベースで職業分類ごとの水準を見ると、技術職側の水準が高い一方で、入口の要求も高いことが読み取れます。未経験から入るなら、まず運用側の粒度の細かい仕事で信用を作り、そこから設計や実装に近い領域へ移っていく順番のほうが、途中で止まる確率が低くなります。
もう一つ、データから見えることがあります。同じ「デザイン」という言葉で募集されている仕事の中でも、成果の測り方が書かれている案件と、書かれていない案件で、その後の展開が変わります。クリック率を上げたい、資料請求を増やしたいといった目的が明記されている案件は、結果が数字で出るので、良かった場合に継続につながりやすい。一方、「おしゃれにしてほしい」だけの依頼は、評価の基準が発注者の好みに依存するため、修正が終わらないことがあります。未経験の段階では前者を選んだほうが、実績としても語れる材料が残ります。
案件の説明文を読むときは、目的が書かれているか、参考にするサイトが示されているか、納品形式が指定されているか、この3点を見てください。3つとも書かれている依頼は、発注者の側にも経験がある証拠です。逆に3つとも無い依頼は、こちらが決めてあげる範囲が広く、未経験者にとっては負担が重くなります。同じ単価なら、指定が細かいほうが実は楽です。
最後に、いま未経験で迷っている人に向けて、優先順位を1つだけ挙げます。ツールの習熟より、「1件目を出す場所」を先に決めてください。学ぶ量は、出す場所が決まってから逆算すれば自然に決まります。逆に場所を決めないまま学び続けると、いつまでも準備が終わりません。この順番の違いが、半年後の差になります。
よくある質問
Q. 未経験からWebデザインの副業を始めるまでに、どれくらいの学習期間が必要ですか?
週に10時間前後を確保できる人なら、バナーや画像の差し替えといった細かい作業を受け始めるまでに2か月から3か月が目安です。ページ全体のデザインを任される水準までは、半年から1年を見ておくと現実的です。期間は学習時間の総量より、作ったものを他人に見てもらう回数で変わります。
Q. 未経験でも受けやすい案件はどんなものですか?
色やフォントの指定がすでにあり、その型に沿って量産する仕事です。バナーのサイズ違い展開、商品ページの画像差し替え、既存デザインの文字修正などが該当します。創造性より正確さと納期が評価される領域なので、経験の浅さが決定的な不利になりません。逆に、ゼロから提案するコンペ形式は落選時の報酬がゼロになるため、最初の土俵には向きません。
Q. デザインツールやパソコンにいくら初期費用がかかりますか?
ブラウザで動く無料のデザインツールと、いま使っているパソコンで学習は始められます。有料のツールを契約するのは、実案件でファイル形式を指定されてからで間に合います。買い替えが必要になるのは、画面が小さくて作業効率が落ちる場合と、動作が重くて納期に影響する場合だけです。学習の入口で高額な機材を揃える必要はありません。
Q. 副業として受けるとき、修正の回数はどう決めればいいですか?
見積りの段階で「修正は3回まで含み、それ以降は追加費用」と文字で伝えておくのが基本です。回数を決めずに受けると作業時間が読めなくなり、時間あたりの報酬が大きく下がります。未経験だと言い出しにくい部分ですが、条件を先に示すことは発注者にとっても予算が読めて助かる材料になります。あわせて支払い期日と著作権の扱いも記録に残してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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