未経験からライター募集に応募するには|在宅で書き始める手順


この記事のポイント
- ✓ライター募集に未経験から在宅で応募する手順をまとめました
- ✓テストライティングの扱い
- ✓副業として書く場合の税と就業規則の確認点までを整理しています
ライター募集を未経験で在宅から探している人が最初にぶつかる壁は、実はスキルではありません。募集の種類が2つあり、それが求人サイトの一覧では区別されずに並んでいることです。同じ「Webライター 未経験歓迎 在宅」という見出しの下に、時給で働く雇用の仕事と、1文字いくらで受ける業務委託の仕事が混ざっています。この2つは、報酬の決まり方も、税金の扱いも、収入が安定するまでの道筋もまったく違います。
結論から書きます。未経験で在宅から書き始めるなら、最初の3か月は「単価より実績」を選んだほうが結果として早く単価が上がります。ただし、実績を積むために無償や極端な低単価で働くのは違います。避けるべき募集には見分け方があり、それは募集要項の表側に書かれています。
この記事では、募集の見分け方、応募前に用意する3点、テストライティングの扱い、最初の3か月の進め方、単価を上げるための具体的な手、そして副業として書く場合に確認すべき税と社内規則を順に並べます。
「未経験歓迎」の募集は2種類ある。まずここを見分ける
求人サイトに並ぶライター募集は、雇用契約のものと業務委託のものに分かれます。同じ画面に混在しているため、応募してから条件が違うと気づく人が少なくありません。
雇用契約の募集は、時給または月給で報酬が決まります。求人票には「勤務時間」「週の出勤日数」「社会保険」「交通費」といった言葉が並びます。完全在宅であってもこれは雇用です。会社の指示で働き、労働時間に対して賃金が支払われます。未経験からの入口としては安定しており、研修や添削の仕組みが用意されていることが多いです。募集の実例を見ると、フルリモートを前提とした校閲スタッフ、記事の内容を入力する作業、メディアの運用担当など、書くこと以外の工程を含む職種もここに含まれます。
業務委託の募集は、記事1本あたり、または1文字あたりで報酬が決まります。求人票には「文字単価」「記事単価」「稼働時間の目安」といった言葉が出ます。働く時間は自分で決められますが、書き終わらなければ報酬は発生しません。社会保険は自分で加入し、税金は自分で申告します。
実際の募集の書き方を見ると、条件の具体性に差があることが分かります。
【店舗名】フルリモート(完全在宅) 【待遇・福利厚生】服装自由...「その他必要な経験・資格など」<必須スキル・経験>下記いずれかにあてはまる方・FXの経験・仮想通貨取引所の利用経験... 出典: 求人ボックス
この募集が示しているのは重要な点です。ライターとしての執筆経験は求められていないのに、題材についての経験は求められています。未経験歓迎の募集で選ばれるのは「文章がうまい人」ではなく「その分野を知っている人」です。金融の口座を開いたことがある、介護の現場にいた、子どもを保育園に入れる手続きをした、特定の資格の試験を受けた。こうした生活の経験が、そのまま応募の材料になります。
在宅の求人がどれくらいあるのかという規模感も、検索結果から読み取れます。
ライター 未経験 在宅に関連する求人は25件ございます。マイナビバイトでは、高収入・高時給の求人に絞って検索することも可能なので、ぜひ利用してみてください。 出典: baito.mynavi.jp
1つの求人サイトで25件という数字は、決して多くありません。雇用のかたちで在宅ライターを募集している会社は限られているということです。だから、雇用にこだわると選べる先が急に狭くなります。未経験から在宅で書く道を広げたいなら、業務委託の募集も併せて見る必要があります。
在宅ライターの単価の相場と、1円の壁
文字単価の水準を先に把握しておくと、募集を見る目が変わります。未経験で応募できる案件の文字単価は、おおむね1文字0.3円から1円の範囲に集まります。文字単価1円は、3,000字の記事で3,000円という計算です。ここに調査と構成と修正の時間を入れると、1本あたり5時間かかる人なら1時間あたり600円になります。最低賃金より低い水準です。
この「1円の壁」を越えるかどうかが、在宅ライターを続けられるかの分かれ目になります。越え方は3つしかありません。1つは書く速度を上げること、2つは単価の高い分野に移ること、3つは記事を書く以外の工程まで請け負うことです。
速度を上げる効果は、実はいちばん小さいです。1本5時間が3時間になれば時間あたりの報酬は1.7倍になりますが、そこで止まります。文字単価0.5円の案件をどれだけ速く書いても、文字単価3円には届きません。
分野を移す効果は大きいです。医療、法律、金融、不動産、人材、企業向けのIT製品といった分野は、記事1本が売上に直結するため単価が高く設定されます。この種の分野では文字単価3円から5円の案件が実際に存在します。ただし、書き手に求められるのは文章力より前提知識です。だから未経験者にとって現実的な戦略は、自分が知っている分野の案件を探すことになります。
工程を広げる効果はもっと大きいです。キーワードを選ぶ、構成を作る、取材する、公開作業をする、公開後の順位を見て直す。記事を書くだけの人と、こうした工程まで任せられる人では、依頼側が払う金額が変わります。単価を上げる具体的な手順はWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップに段階ごとに整理されています。単価が上がるのは書くことが速くなったからではなく、依頼側の手間が減るからだという構造が読み取れる記事です。
職種ごとの報酬水準を横に並べて見ることも役に立ちます。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、書く仕事全体の水準がどこにあるかを確かめられます。同じ在宅の仕事でもソフトウェア作成者の年収・単価相場と比べると差がありますが、その差の中身は難しさではなく、代わりを見つけにくいかどうかです。ライターの単価が上がりにくいのは、書ける人の数が多いからです。逆に言えば、書ける人が少ない領域に入れば単価は上がります。
避けるべき募集の見分け方。5つの特徴が表側に出ている
未経験者を狙った良くない募集には、共通の特徴があります。応募前に募集要項を読むだけで判断できます。
1つ目は、働く前に金を払わせるものです。登録料、研修費、教材費、システム利用料、保証金。名前は何であれ、仕事を受けるために先に金を払う必要はありません。仕事を出す側が払うのが報酬で、受ける側が払う理由はありません。
2つ目は、報酬の決まり方が書かれていないものです。「頑張り次第」「実力に応じて」「成果報酬」だけで金額の範囲が示されていない募集は、応募する前に必ず金額を確認してください。確認して答えない相手とは取引しないことです。
3つ目は、極端に低い単価です。文字単価0.1円という案件が実在します。3,000字書いて300円です。実績のために1本だけ受けるという判断もありえますが、これを何本も続けると、書く時間だけが消えて実績としての価値も残りません。
4つ目は、成果物の権利について何も書かれていないものです。書いた記事を自分の実績として出せるかどうかは、契約で決まります。実績として見せられない記事ばかり書くと、次の案件を取る材料が残りません。応募時に「実績として公開してよいか」を聞いてください。
5つ目は、連絡手段が個人のメッセージだけで、会社の情報が確認できないものです。会社名、所在地、事業内容が確認できない相手と取引すると、報酬が支払われないときに打つ手がありません。
ここで、報酬が支払われない事態に備える知識も持っておいてください。フリーランス・事業者間取引適正化等法が令和6年11月1日から施行されています。この法律により、業務を委託する側は仕事の内容、報酬の額、支払期日などを書面または電子的な方法で明示しなければなりません。報酬の支払期日は、成果物を受け取った日から起算して60日以内のできる限り短い期間で定める必要があります。つまり「検収が終わったら払う」と言って何か月も放置するのは、法律が想定していない状態です。個別の事案がこの法律の対象になるかは取引の中身で変わるため、実際にもめたときは相談窓口で確認してください。
応募前に用意する3点。実績がなくても作れる
未経験者の応募が通らない最大の理由は、依頼側が判断材料を持てないことです。書けるかどうかが分からない相手に、記事を任せるのは怖い。だから、判断材料を自分で用意します。
1点目はサンプル記事です。3本作ってください。テーマは自分が知っている分野から選びます。1本は2,000字程度の解説記事、1本は比較や選び方の記事、1本は手順を説明する記事。この3種類があると、依頼側は「どの型でも書けるらしい」と判断できます。公開する場所は、無料のブログサービスでも、文書共有サービスでもかまいません。読める状態でURLを渡せることが条件です。
2点目はプロフィールです。ここに書くのは経歴ではなく、書ける分野です。「保育士として6年働いた経験があるため、保育と子育ての分野は一次情報をもとに書けます」「住宅ローンの借り換えを自分で手続きしたため、金融機関ごとの審査の違いを説明できます」。こうした書き方をすると、依頼側は自分のメディアに合うかどうかを即座に判断できます。
3点目は稼働の条件です。1週間に何時間使えるか、返信できる時間帯はいつか、1か月に何本まで受けられるか。これを先に書いておくと、依頼側は発注の計画を立てられます。未経験者が見落としやすい点ですが、依頼側がもっとも困るのは「書けない人」ではなく「連絡が返ってこない人」です。
応募文そのものについても触れておきます。使い回しの文章は読めば分かります。読んだ相手が知りたいのは3つだけです。うちのメディアを見たか、何が書けるか、いつ動けるか。この3つを具体的に書いた応募文は、経験の有無にかかわらず返信率が上がります。逆に、意欲や熱意を長く書いた応募文は読まれません。
文書のやりとりに自信がない人は、型を先に覚えるのが早道です。ビジネス文書検定の出題範囲は、社外文書の形式や依頼と断りの書き方が実務の順番で整理されています。ライターの仕事は文章を書く仕事である以上に、依頼と納品と請求の連絡を正確に回す仕事です。ここの型を持っている人は、取引が途切れにくくなります。
テストライティングの扱い。無償が普通ではない
未経験の応募で必ず出てくるのがテストライティングです。1本書いてもらって判断する仕組みで、依頼側の立場からは理解できるやり方です。ただし、条件は確認してください。
確認すべき点は4つあります。報酬があるか、文字数と納期はどれくらいか、その記事は公開されるか、不採用の場合に成果物はどう扱われるか。
無償のテストライティングは存在しますが、それが業界の標準というわけではありません。有償のテストを出している依頼側も多くあります。重要なのは、書いた記事が公開されるかどうかです。不採用にしておいて記事は公開する、というやり方は、実質的に無償で記事を得ていることになります。公開するなら報酬が発生するのが筋です。
テストの文字数が3,000字を超え、しかも無償で、複数本求められる場合は、応募を見送る判断も妥当です。判断のための試験に何日もかけさせる相手は、採用後も同じ感覚で仕事を出してきます。
不採用になったときの成果物は、自分の実績として使えるかを聞いてください。使えるなら、その1本はサンプル記事として次の応募で働きます。使えないと言われた場合は、同じテーマで自分用に書き直して手元に残しておくという方法があります。
最初の3か月で身につけるべきこと
採用されたあとの3か月で何をするかが、その後の単価を決めます。編集部が多くの書き手を見てきた限りでは、伸びる人と止まる人の差は文章力ではなく、次の4点の扱いに出ます。
第1に、レギュレーションを最初に読み込むことです。表記のルール、見出しの深さ、参照してよい情報源、禁止事項。これを守らない原稿は、内容が良くても手戻りになります。編集側の工数を増やす書き手は、単価が上がりません。
第2に、納期を守ることです。守れないと分かった時点で早く言うことが、守ることと同じくらい重要です。締切の当日に「間に合いません」と言われる編集側は、代わりを探す時間がありません。2日前に言われれば手が打てます。
第3に、修正指示への向き合い方です。指摘は文章への評価ではなく、メディアの基準との差の説明です。同じ指摘を2回受けないようにすると、3か月目には修正がほとんど来なくなります。ここまで来ると、依頼側は「この人に出すと手間が減る」と判断し、本数と単価の交渉ができる状態になります。
第4に、記録を残すことです。書いた記事のURL、文字数、報酬、かかった時間。これを表にしておくと、自分の1時間あたりの報酬が見えます。感覚で「なんとなく忙しい」と思っている状態から抜け出せます。単価の交渉をするときも、この記録が根拠になります。
第5に、単価の交渉をする時期を決めておくことです。採用された直後に交渉するのは早すぎます。かといって、1年間同じ単価で書き続けるのも損です。目安は、修正の指示がほとんど来なくなり、同じ依頼側から継続して発注が来ている状態になったときです。この段階なら、依頼側は代わりを探すコストを意識しています。交渉のときに持ち出す材料は、書いた本数と、こちらが引き受けている工程の範囲です。「速く書けます」は交渉の材料になりません。「構成まで作っているので編集側の作業が減っています」は材料になります。
そして、AIが文章を書ける時代に何が残るかも押さえておいてください。検索して分かる内容をまとめるだけの記事は、価値が下がっています。残るのは、自分で確かめた内容です。実際に製品を使った、窓口で聞いた、手続きをやってみた、現場で働いていた。この一次情報を持ち込める書き手は、単価の下がり方が明らかに緩やかです。分野の選び方の参考として、企業側がどの業務を外に出しているかをまとめたAI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見ると、外注されやすい領域と社内に残る領域の境目が分かります。
応募先は5種類ある。それぞれ通りやすさと単価が違う
未経験からライターの仕事を探す先は、大きく5つに分かれます。どこから入るかで、最初の単価と実績の積み方が変わります。
1つ目はクラウドソーシングの募集です。案件数がもっとも多く、応募の手続きも簡単です。未経験でも受けられる案件が常に並んでいます。ただし仲介手数料が差し引かれ、報酬の16.5%から20%が抜けるサービスが一般的です。最初の1本の実績を作る場所としては機能しますが、ここだけで続けると手取りが伸びません。
2つ目はメディアが自社で出しているライター募集です。サイトの下部に「ライター募集」のページを置いているメディアが多くあります。仲介がないため単価が高く、編集者が付いて添削してもらえることが多いです。応募のハードルは高めですが、サンプル記事があれば未経験でも通ります。応募先を探すときは、自分が読んでいるメディアの募集ページを直接見にいくのが確実です。
3つ目は業務委託のマッチングサービスです。企業が記事の制作を外に出すときに使う経路で、継続案件が多いのが特徴です。ここで重要なのが手数料の有無です。手数料が乗らない在宅ワーク求人サイトを併用すると、同じ報酬額でも手元に残る金額が変わります。継続の案件は本数が積み上がるため、この差が年間で見ると大きくなります。
4つ目は求人サイトの雇用形態の募集です。校閲、編集アシスタント、メディア運用といった職種で、在宅を認めている会社があります。時給または月給で報酬が決まるため収入が読めます。書くこと以外の工程を覚えられる点が、未経験者にとって大きな利点です。
5つ目は知人からの紹介です。地味に見えますが、通る確率がもっとも高い経路です。書く仕事を探していることを周囲に伝えておくと、会社の広報担当や個人事業の人から依頼が来ることがあります。仲介がなく、相手も自分を知っているため、初回から条件の交渉ができます。
この5つのうち、どれか1つに絞る必要はありません。編集部が見てきた限りでは、続いている書き手はほぼ全員が複数の経路を持っています。1社に依存すると、その1社の方針が変わった時点で仕事がなくなります。3社から仕事が来る状態を作るのが、在宅で書き続けるための最低条件です。
在宅で書く環境と1日の組み立て
在宅で書く仕事は、設備の要求が低い代わりに、環境の作り方で生産性が大きく変わります。未経験者が最初につまずくのは、締切そのものではなく、締切までの時間の使い方です。
必要な設備は多くありません。文章を書けるパソコン、安定した通信環境、これだけです。ただし通信は軽く見ないでください。オンラインの打ち合わせや、公開作業をサーバー上で行う案件では、接続が切れると相手の時間を奪います。固定の回線があるか、少なくとも通信量に余裕がある状態を用意してください。
作業時間の組み立てには、実務で効く型があります。1本の記事を「調べる」「構成を作る」「書く」「直す」の4つに分け、別の日に配置することです。同じ日に全部やろうとすると、調べている途中で書き始めてしまい、構成が崩れます。構成を作った翌日に書くと、書く速度が上がります。これは文章力の問題ではなく段取りの問題なので、未経験者でもすぐ効果が出ます。
1日に書ける文字数を早い段階で把握してください。集中して書ける時間は、多くの人で1日あたり3時間から4時間です。その中で何文字書けるかを2週間記録すると、自分の上限が数字で見えます。上限が分かると、受けられる本数の判断ができます。判断ができない状態で本数を増やすと、納期の崩壊につながります。
家族と同居している人は、作業の時間帯を伝えておくのが有効です。在宅で働いていると、家にいる人には手が空いて見えます。「この時間は仕事中」という共通の理解があるだけで、中断の回数が減ります。
情報の扱いにも注意が必要です。公開前の記事、取材した相手の連絡先、依頼側から渡された資料。これらを家族が使う共用のパソコンに保存するのは避けてください。依頼側にとって、情報の漏れは記事の質より重い問題です。作業用のフォルダを分け、共有する相手を限定する。この習慣がある書き手は、企業向けの案件でも安心して任せられます。
転職として在宅ライターを目指す場合の進め方
副業ではなく、在宅で書く仕事を本業にしたいという相談も多くあります。この場合、進め方が副業とは変わります。
まず、雇用と業務委託のどちらを目指すかを決めてください。雇用を目指すなら、それは転職活動です。在宅を認めているメディア運営会社、制作会社、事業会社のオウンドメディアの担当職に応募することになります。この場合、求められるのは執筆の実績だけではありません。編集の進行管理、外部の書き手への発注、公開作業、数字を見て改善する動き。募集要項を読むと、書く以外の工程が多く含まれていることが分かります。
業務委託で本業にするなら、収入が安定するまでの期間を先に見積もってください。継続の取引先が3社そろうまでには、通常は数か月かかります。その期間の生活費を確保せずに勤めを辞めると、条件の悪い案件を受けざるを得なくなります。編集部に届く相談で最も多い失敗がこれです。安い案件で埋めた時間は、単価を上げる準備に使えません。
順番としては、勤めを続けながら在宅の案件を積み、月あたりの報酬が生活費の半分に届いた時点で切り替えを検討する、という進め方が現実的です。この段階までに、取引先が2社以上、実績として見せられる記事が10本以上あることが目安になります。
職務経歴書の書き方も、書く仕事では少し変わります。担当した記事のURL、扱った分野、1か月あたりに納品した本数、担当した工程。この4つを並べると、採用する側は判断できます。「文章力があります」と書く欄はありません。成果物を見せるのが唯一の説明になります。
フリーランスとして独立する場合に何が変わるかは、他の職種の事例が参考になります。制作の仕事で独立した人が収入と働き方をどう変えたかをまとめたWeb3 エンジニアの年収と将来性!2026年最新の転職・独立術には、単価の上がる領域を選ぶ判断の仕方が具体的に書かれています。分野の選び方という点では、書く仕事にも同じ考え方が当てはまります。
副業として在宅で書くなら、税と社内の規則を先に確認する
会社に勤めながら在宅でライターを始める人は、2つの確認を先にしてください。
1つは税金です。国税庁のタックスアンサーNo.1900は、給与所得者で確定申告が必要な人の条件を挙げています。給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得と退職所得を除いた各種の所得金額の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要です。ここでいう所得は、報酬から経費を引いた金額です。年間の報酬が25万円で経費が8万円なら、所得は17万円になります。
注意すべき点があります。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。所得税と住民税は別の制度で、判断の基準も違います。自分の市区町村の窓口か公式の案内で確認してください。
もう1つは会社の規則です。厚生労働省のモデル就業規則では、副業と兼業について第70条が置かれています。条文は「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と定め、そのうえで会社が禁止または制限できる場合を4つ挙げています。労務提供上の支障がある場合、企業秘密が漏洩する場合、会社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により企業の利益を害する場合です。
ここで大事なのは、モデル就業規則はあくまで国が示す例であって、自分の勤め先の規則ではないという点です。実際に確認すべきは、自分の会社の就業規則の副業に関する条文です。届出が必要か、許可が必要か、禁止されている業種があるか。競業の扱いは特に注意が必要です。勤め先と同じ業界のメディアで書く場合は、届出の内容に含めておくのが安全です。個別の判断は勤め先の規則と業務の内容で変わるため、人事や総務に確認してください。
働き方を在宅の仕事に軸を移していく道筋については、他の職種の事例も参考になります。フリーランスとして独立した場合の収入の作り方をまとめたWebデザイナー 年収のリアル:30代フリーランスが語る稼ぎ方とキャリアパスには、勤めていたときと独立後で何が変わるかが具体的に書かれています。書く仕事でも同じ構造が当てはまります。
運営者として20年見てきた観察と、データから読める道筋
運営者として在宅の仕事の市場を20年見てきた立場から言えば、ライターは入口がもっとも広く、出口がもっとも分かれる職種です。始めるための設備がパソコンと通信環境だけで済むため、毎年大量の人が入ってきます。そして1年後に残っている人は、書くのが速い人ではありません。連絡が返る人です。
これは単純な話に聞こえますが、依頼する側の実感そのものです。依頼側が抱えている恐怖は、原稿の質が低いことではありません。締切が来たのに連絡がつかず、公開の予定が崩れることです。だから、質が並でも連絡が確実な書き手には、次の仕事が回り続けます。逆に、質が高くても返信が遅い書き手は、大事な案件から外されていきます。長く続く人ほど、書く時間ではなく、依頼側の不安を減らすことに時間を使っています。
もう1つ、構造としてはっきり見えていることがあります。仲介の取り分が、書き手の手取りを直接削っているという点です。仲介手数料が16.5%から20%かかるサービスで年間100万円ぶんの仕事を受けると、16万円から20万円が抜けます。同じ仕事を手数料0%の直接取引に移せば、その額が手元に残ります。依頼する側から見ても構造は同じで、同じ予算で頼める量が増えます。片方が得をして片方が損をする関係ではなく、間の取り分が減るだけで両方の条件が良くなる。これは20年見てきて、例外なくそうだと言えます。
未経験から始める人への現実的な道筋をまとめます。最初の1か月は、自分が知っている分野でサンプル記事を3本作る。2か月目は、実績として公開できる案件だけを選んで応募する。3か月目は、受けた仕事の記録を表にして1時間あたりの報酬を出す。ここまで来ると、次に何を変えるべきかが数字で見えます。単価が低いのか、時間がかかりすぎているのか、本数が足りないのか。原因が分かれば手は打てます。
この道筋で1つだけ注意したいのは、実績の本数を増やすこと自体を目的にしないという点です。同じ型の記事を50本書いても、示せることは「この型なら書ける」の1つだけです。むしろ、扱った分野が2つ、記事の型が3つある10本のほうが、応募のときに効きます。自分の実績の一覧を見て、同じ内容が並んでいると感じたら、次の案件は意図的に違う型を選んでください。解説記事ばかり書いている人は比較記事を、比較記事ばかりの人は取材を含む記事を狙う。この振り分けを意識するだけで、半年後に応募できる案件の幅が変わります。
そして4か月目からは、仲介の手数料が乗らない取引先を1社でも作ることを目標にしてください。実績が3本あれば、直接取引の交渉は始められます。文字単価の交渉より、手数料のかからない取引先を増やすほうが、手取りへの効き方は大きいです。書くことに慣れる前に単価の交渉を始める必要はありませんが、取引の経路を選べる状態は、早い段階で作っておいたほうが後が楽になります。
書く仕事から横に広げる余地も見ておいてください。記事を書く力は、企業向けの資料作成、導入事例のまとめ、社内の手順書の整備といった業務にそのまま使えます。企業が外部に出している業務の幅を確かめるなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で扱われている案件の型が参考になります。求められているのは新しい技術の知識そのものではなく、社内の人に伝わる言葉に直す力だという点で、書く仕事と地続きです。在宅で書き始めた人が3年後にどこにいるかは、文章の上手さより、この横への広げ方で決まります。
よくある質問
Q. 未経験で在宅ライターに応募するとき、最初の文字単価はどれくらいですか?
未経験者が応募できる案件は1文字0.3円から1円の範囲に集まります。3,000字の記事で900円から3,000円という計算です。調査と構成と修正を含めて1本5時間かかるなら、1時間あたりの報酬は低くなります。最初の3か月は実績として公開できる案件を選び、記録を取って1時間あたりの報酬を把握してから単価の交渉に進むのが現実的です。
Q. テストライティングは無償で受けるのが普通ですか?
無償のテストは存在しますが、標準ではありません。有償のテストを出す依頼側も多くあります。確認すべきは、報酬の有無、文字数と納期、その記事が公開されるか、不採用のときに実績として使えるかの4点です。不採用にしたうえで記事を公開する扱いには、報酬が発生するのが筋です。
Q. 避けたほうがよいライター募集の特徴は何ですか?
働く前に登録料や研修費などの支払いを求めるもの、報酬の金額が示されていないもの、文字単価0.1円のような極端な低単価、成果物を実績として使えるか書かれていないもの、会社の情報が確認できないものの5つです。仕事を受けるために先に金を払う必要はありません。
Q. 会社に勤めながら在宅で書く場合、確定申告は必要ですか?
給与を1か所から受けている人は、給与所得と退職所得を除いた所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。所得は報酬から経費を引いた金額です。所得税の申告が不要でも住民税の申告は別に必要なことがあるため、市区町村の窓口で確認してください。あわせて勤め先の就業規則で副業の届出や許可の要否も確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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