ステッカーを作って売る|印刷の頼み方と売り場の選び方


この記事のポイント
- ✓オリジナルのステッカーを作って売る方法を
- ✓デザインのデータの作り方
- ✓印刷会社への頼み方と確かめること
自分で描いたイラストやロゴをステッカーにして売ってみたい。ステッカーは、小さくて軽く、発送もしやすいので、イラストやデザインを仕事や副業につなげたい人が最初に作るグッズとして人気があります。ただ、いざ始めようとすると、印刷はどこに頼めばよいのか、何枚作ればよいのか、どこで売ればよいのかと、迷うことがたくさん出てきます。この記事では、ステッカーを作って売るまでの流れを、デザインのデータの作り方、印刷の頼み方、売り場の選び方、値段の付け方、権利と表示の注意点の順に説明します。手数料などの数字は、2026年10月時点の各サービスの公式の案内をもとにしています。
ステッカーを作って売る方法は3つ
ステッカーを作って売る方法は、在庫を持つかどうかで、大きく3つに分かれます。
- 印刷会社に頼んでまとめて作り、在庫を持って売る方法
- 家庭のプリンタと専用の用紙で、自分で作って売る方法
- 注文が入ってから1枚ずつ作って届けてくれるサービスを使う方法
それぞれの特徴を表に整理します。
| 方法 | 初めにかかる費用 | 1枚あたりの費用 | 品質 | 手間 |
|---|---|---|---|---|
| 印刷会社に頼む | 枚数分の印刷代 | 枚数が多いほど下がる | 高い | 梱包と発送が必要 |
| 家庭のプリンタ | 用紙とインク、道具 | 用紙とインクによる | 道具による | 作る手間と発送が必要 |
| 受注生産のサービス | 0円から | サービスの決まりによる | 安定している | 作るのも発送も任せられる |
初めての人に向いているのは、受注生産のサービスで試してみるか、印刷会社に少ない枚数で頼んでみるかのどちらかです。いきなり大量に作ると、売れなかったときに在庫が残り、印刷代を取り戻せなくなります。まずは少ない数で作り、どのデザインが売れるかを確かめてから、売れたものを多めに作り直すのが堅実な進め方です。
デザインのデータの作り方
ステッカーの出来は、印刷に使うデータの作り方で大きく変わります。画面できれいに見えても、印刷するとぼやけたり、色が違って見えたりすることがあります。印刷会社に頼む場合も、自分で作る場合も、次の点を押さえておきます。
使うソフト
ステッカーのデザインは、イラストを描くソフトや、図形やロゴを作るソフトで作ります。印刷会社の多くは、入稿の形式として、画像のファイルと、図形を線と面で表したファイル(ベクターと呼ばれる形式)の両方を受け付けています。ベクターの形式は、拡大しても線がぼやけないので、ロゴや文字の入ったデザインに向いています。手描きのイラストは、画像のファイルで入稿するのが一般的です。どの形式で受け付けているかは、頼む印刷会社の入稿の案内で確かめます。
解像度
画像のファイルで入稿するときに大切なのが、解像度です。解像度とは、画像の細かさのことで、1インチ(約2.54センチ)の中にいくつの点が並んでいるかで表します。画面で見るための画像は解像度が低くても気になりませんが、印刷では、解像度が低いと輪郭がぎざぎざに見えます。印刷会社の多くは、入稿の案内で、原寸の大きさで必要な解像度を示しています。描き始める前に、作りたいステッカーの大きさと、必要な解像度を確かめてからキャンバスを作ると、後から作り直さずに済みます。
色の指定
画面に表示される色と、印刷される色は、仕組みが違います。画面は光の3色(赤、緑、青)で色を作り、印刷はインクの4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)で色を作ります。画面の鮮やかな色の中には、インクでは再現できない色があり、印刷すると少しくすんで見えることがあります。印刷会社が4色の形式での入稿を求めている場合は、ソフトの設定で色の形式を切り替えてから仕上げ、色の変わり方を画面で確かめておきます。
塗り足しとカットの線
ステッカーは、印刷したあとに形に沿って切ります。切る位置は、機械でも少しずれることがあります。デザインの端まで色を付けたいときは、仕上がりの線より外側まで少し色を伸ばしておきます。これを塗り足しと呼びます。塗り足しがないと、切る位置がずれたときに、端に白い紙の色が出てしまいます。
イラストの形に沿って切るステッカー(ダイカットや型抜きと呼ばれるもの)を作るときは、どこで切るかを示す線(カットの線)をデータに入れます。カットの線の作り方は印刷会社ごとに決まりがあるので、入稿の案内のとおりに作ります。
文字の扱い
デザインに文字を入れたときは、文字を図形に変換(アウトライン化)してから入稿するよう求められることがあります。印刷会社のパソコンに同じ書体が入っていないと、別の書体に置き換わってしまうからです。使った書体のライセンスが、グッズにして販売する使い方を認めているかも確かめておきます。無料で使える書体でも、商用の利用や、グッズへの使用を認めていないものがあります。
売れるステッカーのデザインの考え方
印刷の準備と同じくらい大切なのが、どんなステッカーを作るかです。上手な絵であっても、売れるとは限りません。買い手は、自分の持ち物に貼る、誰かに贈る、手帳を飾るといった使い道を思い浮かべて選びます。デザインを考えるときは、次の点を意識します。
誰が、どこに貼るかを決める
最初に、どんな人が、どこに貼るステッカーなのかを決めます。学生が筆箱に貼るのか、社会人がパソコンに貼るのか、子どものいる家庭が水筒に貼るのかで、選ばれる絵柄も大きさも変わります。貼る場所が決まれば、素材と加工も決まります。
小さくしても分かる絵にする
ステッカーは、貼ったときに遠くからも見えることが多いグッズです。細かすぎる描き込みや、小さな文字は、実際の大きさに縮めると潰れて見えなくなります。描いたデザインを実際の大きさで印刷して、少し離れて見たときに何の絵か分かるかを確かめます。輪郭をはっきりさせ、色の数を絞ると、小さくても目に留まりやすくなります。
シリーズで作る
1つのデザインだけを出すより、同じ絵柄の仲間を何種類か作ってシリーズにすると、まとめて買ってもらいやすくなります。同じキャラクターの表情違い、同じ動物の季節違い、のように、集めたくなる組み合わせを考えます。シリーズにしておくと、売れた絵柄の仲間を追加するだけで新作が作れるので、制作の手間も抑えられます。
形に沿って切るときの注意
イラストの形に沿って切る場合、細い線や、とがった部分は、切るときにうまく切れなかったり、貼ったあとにはがれやすくなったりします。形の周りに白い縁を付けると、切りやすく、貼ったときにも絵柄が引き立ちます。白い縁の幅は、印刷会社の案内で推奨されている幅を目安にします。
印刷会社への頼み方
ステッカーを印刷会社に頼むときは、素材、加工、形、大きさ、枚数を決めて注文します。インターネットで注文を受け付けている印刷会社なら、画面で選ぶだけで料金と納期が表示されるところが多くあります。
素材を選ぶ
ステッカーの素材は、紙のものと、塩化ビニールやポリエステルなどのフィルムのものに分かれます。紙のステッカーは、手帳やノートに貼る用途に向いていて、ペンで書き込めるものもあります。フィルムのステッカーは、水や汚れに強く、水筒やパソコン、スマートフォンのケースなどに貼る用途に向いています。屋外で使うことを想定するなら、耐水性と、日光で色があせにくい性質(耐候性)のある素材を選びます。
加工を選ぶ
印刷した面を透明のフィルムで覆う加工(ラミネート)をすると、こすれや水に強くなり、長く使えるステッカーになります。表面のつやを出す加工と、つやを消す加工を選べることもあります。透明の素材に印刷し、白いインクを下に敷くかどうかで、貼ったときの見え方も変わります。加工が増えるほど料金も上がるので、どんな場所に貼ってほしいステッカーなのかを先に決めておくと、選ぶ加工も決まります。
形と大きさを選ぶ
形は、四角や丸の決まった形と、イラストの形に沿って切る形から選べることが一般的です。イラストの形に沿って切る形は見栄えが良い反面、料金が上がることがあります。大きさは、貼ってほしい物に合わせて決めます。スマートフォンのケースに貼るなら手のひらに収まる大きさ、パソコンに貼るならもう少し大きめ、のように、使う場面を思い浮かべて決めます。
枚数を決める
印刷の料金は、枚数が多いほど1枚あたりの費用が下がるのが一般的です。ただ、1枚あたりの費用を下げるために多く作ると、売れ残りの心配が増えます。初めて作るときは、印刷会社が受け付けている少ない枚数で注文し、売れ行きを見てから作り直します。複数のデザインを作るときは、1つのデザインを大量に作るより、いくつかのデザインを少しずつ作って、どれが売れるかを比べるほうが、次の判断がしやすくなります。
頼む前に確かめること
印刷会社に注文する前に、次の点を確かめておきます。
- 入稿の形式。受け付けているファイルの形式、解像度、色の形式、塗り足しの幅
- カットの線の作り方。形に沿って切る場合の線の書き方と色
- 料金と納期。注文してから届くまでの日数と、急ぎの場合の料金
- 見本の有無。本番の前に試しの印刷(色校正)を頼めるか
- データの確認の範囲。入稿したデータの不備を確かめてくれるか、そのまま印刷されるのか
- 不良品の扱い。色やカットに問題があった場合に、刷り直しに応じてもらえるか
初めての印刷会社に頼むときは、本番の前に、少ない枚数で一度試すと安心です。複数の印刷会社で同じデザインを少しずつ試し、仕上がりと料金を比べてから、続けて頼む会社を決める人もいます。画面で見た色と、実物の色の違いを確かめてから、本番の枚数を決めます。
家庭のプリンタで作る方法
少ない枚数をすぐに作りたいときは、家庭のプリンタで作る方法もあります。必要なものは、インクジェットやレーザーのプリンタと、ステッカー用の印刷用紙、切るための道具です。
ステッカー用の印刷用紙には、紙のものと、フィルムのもの、透明のものがあります。プリンタの種類によって使える用紙が違うので、用紙の説明でプリンタの種類を確かめてから買います。インクジェットのプリンタで印刷したものは水に弱いことがあるので、透明の保護のフィルムを貼ると、長く使えるようになります。
切るときは、四角の形ならカッターと定規で切れますが、イラストの形に沿って切るのは手作業では手間がかかります。家庭用のカッティングマシンを使うと、データで指定した形のとおりに機械が切ってくれます。カッティングマシンは数万円の買い物になることが多いので、作る量と相談して決めます。
家庭のプリンタで作る方法は、少ない枚数を何度も試せるのが利点ですが、印刷会社のものと比べると、色の鮮やかさや耐久性で劣ることがあります。売る商品として作るなら、自分で一度使ってみて、はがれやすさや色あせを確かめてから売り出します。
売り場の選び方
ステッカーができたら、どこで売るかを決めます。ステッカーの売り場は、大きく次の4つです。
ハンドメイドマーケット
minneやCreemaのようなハンドメイドマーケットは、手作りの品を探している買い手が集まる売り場です。minneの公式の案内では、初期費用と月額費用は0円で、作品が売れたときに、作品価格と購入オプションの価格、送料の合計に対して10.659%(税込)の販売手数料がかかります。Creemaのヘルプでは、出店料と出品料はかからず、作品や素材を販売する場合の成約手数料は決済総額の10.67%(税込)と案内されています。イラストのステッカーは、どちらのマーケットでも多く出品されています。
ネットショップ
自分のネットショップを作って売る方法もあります。BASEの公式の料金ページによると、スタンダードプランは初期費用と月額費用が0円で、売れたときに決済手数料3.6%と40円、サービス手数料3%がかかります。ネットショップの作り方を紹介するBASEの情報サイトでは、マーケットとの使い分けについて、次のように説明しています。
ブランドとしての世界観を重視するというよりは、「まずは売れる経験を積みたい」「販路を広げたい」といった目的で活用するのが現実的です。 出典: baseu.jp
これはハンドメイドマーケットなどのモール型の売り場の使い方を述べたものです。マーケットで売れる経験を積み、決まった買い手が付いてきたら、自分の世界観を表現しやすいネットショップを並行して持つ、という順番が考えられます。
イラストやグッズの販売サービス
BOOTHは、イラストや同人誌、グッズなどを売るクリエイター向けの販売サービスで、手作りの品の販売にも対応しています。公式のガイドでは、売上からサービス利用料が差し引かれ、振込のときには別に200円から300円(税込)の振込手数料がかかると案内されています。料率は公式のガイドで確かめてください。
SUZURIは、デザインを登録すると、注文が入るたびにグッズを作って買い手に届けてくれるサービスです。公式サイトでは、グッズの制作と販売は無料で、在庫も発送も任せられると案内されています。ステッカーも扱われているので、在庫を持たずにデザインの反応を確かめたいときに使えます。自分の取り分の決め方などの条件は、公式の案内で確かめます。
イベントでの販売
イラストやデザインの即売会、手作りの市などのイベントでも、ステッカーはよく売れる品の1つです。値段が手頃で、買う人が気軽に手に取れるからです。イベントでは、ほかのグッズと組み合わせて並べると、ついでに買ってもらえることもあります。
受注生産のサービスを使うときの考え方
受注生産のサービスは、在庫を持たずに始められるのが一番の利点です。デザインを登録するだけで、注文が入れば作って届けてもらえるので、梱包や発送の手間もかかりません。新しいデザインの反応を確かめたいとき、印刷会社に頼むほどの数が売れるか分からないときに向いています。
一方で、1枚あたりの費用は、まとめて印刷する場合より高くなりやすく、自分の取り分は少なめになりがちです。素材や加工、形の選び方も、サービスが用意した範囲に限られます。受注生産のサービスでよく売れるデザインが見つかったら、そのデザインだけを印刷会社に頼んでまとめて作り、自分の売り場で売る、という使い分けができます。
イベントで売るときの準備
イベントでステッカーを売るときは、見本の並べ方が売れ行きを左右します。台紙に貼った見本を並べるだけでなく、実際にパソコンや水筒に貼った見本も並べると、使ったときの様子が伝わります。値札は、遠くからでも読める大きさで書き、セットの値段がある場合は、まとめて買うといくらになるかを分かりやすく示します。
ステッカーは1枚の値段が低いので、釣り銭の小銭を多めに用意します。キャッシュレスの決済を使えるようにしておくと、小銭を持っていない人にも買ってもらえます。売れた数はデザインごとに記録し、ネットで売るときのデザインの選び方に生かします。
売り場を選ぶ目安
| 目的 | 向いている売り場 |
|---|---|
| 在庫を持たずに試したい | SUZURIのような受注生産のサービス |
| 手作りの品を探す人に届けたい | minne、Creema |
| イラストのファンに届けたい | BOOTH、イベント |
| 自分の世界観で売りたい | BASEなどのネットショップ |
値段の付け方
ステッカーの値段は、かかった費用を積み上げて決めます。値段に含めるのは、印刷の費用、梱包の材料、売り場の手数料、送料の負担の仕方、そしてデザインにかけた時間です。
計算の例を示します。ここでの印刷の費用は、仮に置いた数字です。実際の費用は、頼む印刷会社の見積もりで確かめてください。仮に、50枚を印刷して、印刷の費用が合計5,000円だったとします。1枚あたりの印刷の費用は100円です。梱包に使う透明の袋と台紙が1枚あたり20円かかるとすると、1枚あたりの原価は120円です。
このステッカーを1枚400円でハンドメイドマーケットで売り、手数料が10.659%だとすると、手数料はおよそ43円です。400円から手数料と原価を引くと、1枚あたり約237円が残ります。50枚がすべて売れると、残る金額はおよそ11,850円になります。ただし、これはすべて売れた場合の数字で、売れ残りが出れば、その分の印刷の費用は取り戻せません。また、デザインにかけた時間はこの中に入っていません。
値段を決めるときは、同じような大きさと素材のステッカーが、売り場でいくらで売られているかも確かめます。相場より極端に安くすると、手元に残る金額が少なくなるだけでなく、品質が低いのではないかと受け取られることもあります。素材や加工にこだわったステッカーは、そのこだわりを説明文と写真で伝えれば、相場より高めでも選ばれます。
ステッカーは1枚の値段が低いので、送料の比重が大きくなります。1枚だけの注文でも送料がかかるので、買い手は送料を見て購入をためらうことがあります。複数枚のセットを用意する、ほかのグッズと一緒に買うと送料が変わらない設定にする、といった工夫で、1回の注文の金額を上げると、手元に残る金額も増やしやすくなります。
商品ページの写真の撮り方
ネットで売るとき、買い手が目にするのは写真と説明文だけです。ステッカーの写真は、次の3種類をそろえると、買い手が実物を想像しやすくなります。
- ステッカーだけを正面から撮った写真。絵柄と色がはっきり分かるように、白や淡い色の無地の背景で撮ります
- 実際に貼った様子の写真。パソコン、水筒、手帳など、貼ってほしい物に貼って撮ります
- 大きさが分かる写真。定規や、硬貨、手のひらなど、大きさの基準になる物と並べて撮ります
撮影は、晴れた日の窓際の自然光で行うと、色が正確に写りやすくなります。フィルムのステッカーは光を反射しやすいので、光が直接当たらない角度を探して撮ります。透明の素材のステッカーは、白い物と色の付いた物の両方に貼って撮ると、貼る物によって見え方が変わることが伝わります。
よくある失敗と防ぎ方
初めてステッカーを作る人が出会いやすい失敗を、防ぎ方とあわせて整理します。
色が思っていたものと違う
画面で見た色より暗く、くすんで仕上がったという失敗は、とてもよくあります。画面と印刷の色の作り方が違うことが原因です。防ぐには、入稿の前に色の形式を印刷用に切り替えて確かめること、本番の前に少ない枚数で試すことが有効です。家庭のプリンタで試し刷りをしても、印刷会社の色とは一致しないので、あくまで目安にとどめます。
文字や線がつぶれる
画面で拡大して作業していると、実際の大きさでどう見えるかを忘れがちです。細い線や小さな文字は、印刷するとつぶれたり、かすれたりします。作業の途中で、表示を実際の大きさに戻して確かめる習慣を付けます。
端に白い線が出る
デザインの端に、紙の白い色が細く出てしまう失敗は、塗り足しがないことが原因です。データの作り方の節で説明した塗り足しを、印刷会社の案内の幅で必ず付けます。
作りすぎて在庫が残る
1枚あたりの費用を下げようとして多く作り、売れ残ってしまう失敗も多く見られます。最初は少ない枚数で、複数のデザインを作り、売れたデザインだけを作り直す進め方を守ります。売れ残った在庫は、セットの商品に組み込む、イベントでおまけとして付けるなどの使い道を考えます。
最初の3か月の進め方
ステッカーの販売を始めてからの3か月を、次のように進めると、無理なく続けられます。
- 1か月目:3つから5つのデザインを、少ない枚数で作ります。売り場を1つ決めて出品し、写真と説明文を整えます
- 2か月目:どのデザインがよく見られ、どれが売れたかを記録します。売れたデザインのシリーズの仲間を1つか2つ作ります
- 3か月目:売れたデザインを多めに作り直し、売れなかったデザインは写真や説明文を見直すか、取り下げます。売上と費用を計算し、値段が適切だったかを確かめます
3か月の記録がたまると、自分のステッカーがどんな人に、どんな場面で選ばれているかが見えてきます。その手がかりをもとに、次の売り場を加えるか、今の売り場で作品を伸ばすかを判断します。
権利と表示の注意点
ステッカーを売るときに最も気をつけたいのが、権利の問題です。
キャラクターや他人の作品
アニメやゲームのキャラクター、企業のロゴ、有名人の写真や似顔絵を使ったステッカーは、権利を持つ人や会社の許可なく売ることはできません。キャラクターやロゴには、著作権や商標権という権利があります。著作権とは、作品を作った人がその作品の使われ方を決められる権利、商標権とは、商品やサービスの名前やマークを、登録した人だけが使える権利のことです。
ファンが元の作品をもとに作る、いわゆる二次創作の作品を売ってよいかどうかは、権利を持つ会社のガイドラインによって大きく違います。認めている会社もあれば、販売を認めていない会社もあります。売る前に必ずガイドラインを確かめ、はっきりしない場合は売らないのが安全です。各売り場も、権利を侵害する商品の出品を禁止しています。
写真や素材、書体
デザインの中で、インターネットで見つけた写真や素材を使う場合も注意が必要です。商用の利用やグッズへの使用が認められているかを、素材の利用の条件で確かめます。データの作り方の節で触れたとおり、書体にも、グッズに使えるかどうかの決まりがあります。
販売するときの表示
自分のネットショップで売る場合は、特定商取引法という法律に沿った表示が必要です。特定商取引法とは、通信販売などの取引で買い手が困らないように、売り手が守るべき決まりを定めた法律で、販売価格や送料、支払いの方法、届ける時期、返品についての決まりなどを表示することが求められています。個人の住所や電話番号の表示の扱いも含めて、詳しくは消費者庁の特定商取引法のページで確かめてください。
商品ページに書いておくこと
ステッカーの商品ページには、大きさ、素材、加工、耐水性の有無、貼ってよい場所と貼らないほうがよい場所を書いておきます。車の外に貼れるのか、手帳用なのかで、買い手の期待は変わります。屋外での使用を想定していないステッカーを、屋外に貼れるかのように書くと、色あせやはがれでトラブルになります。はがしたときにのりが残ることがある素材なら、その旨も書いておきます。
発送の工夫
ステッカーは薄くて軽いので、発送しやすいグッズです。ただ、封筒に入れただけで送ると、折れたり曲がったりして届くことがあります。透明の袋に入れたうえで、厚紙の台紙にはさんで封筒に入れると、折れを防げます。雨の日に濡れないよう、袋の口はしっかり閉じます。
発送の前には、注文の内容とステッカーの絵柄、枚数を照らし合わせます。シリーズで似た絵柄が多いと、入れ間違いが起きやすくなります。お礼の一言を書いた小さなカードを添えると、次の注文やSNSでの紹介につながることもあります。
追跡のできない方法で送ると、届かなかったときに確かめる手段がありません。金額の小さい注文は追跡のない方法で、まとめ買いのような金額の大きい注文は追跡のある方法で、と使い分けるのも1つの方法です。どちらの方法で送るかは、商品ページに書いておきます。
売上と税金
ステッカーの販売で収益が出たら、税金のことも考えておきます。会社員の場合、国税庁の案内では、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になるとされています。詳しい条件は国税庁の確定申告が必要な人のページで確かめられます。所得とは、売上から印刷の費用や手数料などの必要経費を引いた額です。20万円以下でも、住民税の申告は別に必要になることがあるので、住んでいる市区町村で確かめます。印刷会社の領収書や、売り場の手数料の明細は、販売を始めた日から保存しておきます。
デザインの力を仕事につなげる
ステッカーを作って売る経験は、デザインのデータの作り方、印刷の知識、売れるデザインを考える力を、一度に身につける機会になります。
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、グッズの制作から始めた人が、その経験を生かして、企業のロゴやノベルティのデザインを請け負うようになる例は少なくありません。印刷の入稿の決まりを知っているデザイナーは、依頼する側にとって、手戻りの少ない頼もしい相手です。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした実務の知識がそのまま評価され、同じ予算でより多くの仕事を任されることにつながります。
デザインの仕事の単価や年収の相場は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられます。作ったステッカーをSNSで紹介し、ネットショップに人を呼ぶ工夫は、Webのマーケティングの考え方にも通じます。マーケティングの仕事の種類はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。自宅で身につけられる技術をさらに広げたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるも参考になります。
ステッカーの制作と販売を続けるには、描く時間、データを整える時間、梱包と発送の時間を、生活の中でうまく分けることも欠かせません。本業や家事の合間に作業を進める人は、作業ごとに時間を区切って集中する工夫が役立ちます。在宅で集中して作業するための工夫は在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介しています。商品ページの説明文や、買い手とのやりとりの文面を整える力を伸ばしたい人には、文書の書き方を体系的に学べるビジネス文書検定もあります。
最初の一歩は、描きためたイラストの中から3つを選び、少ない枚数で印刷してみることです。実物を手に取ると、画面では気づかなかった色や大きさの違いが分かります。その違いを次のデザインに生かすことが、売れるステッカーへの近道です。
よくある質問
Q. ステッカーを売るのに資格や届け出は必要ですか?
自分で描いたイラストのステッカーを売るのに、特別な資格は一般に必要ありません。ただし、自分のネットショップで売る場合は、特定商取引法に沿った表示が必要です。会社員が副業として売る場合は、勤め先の就業規則で副業の扱いを確かめておきます。収益が出たら、所得の額に応じて確定申告や住民税の申告が必要になることがあります。
Q. 最初は何枚くらい印刷すればよいですか?
初めて作るときは、印刷会社が受け付けている少ない枚数で注文するのが安全です。1枚あたりの費用は枚数が多いほど下がりますが、売れ残ると印刷の費用を取り戻せません。いくつかのデザインを少しずつ作って売れ行きを比べ、売れたものを多めに作り直す進め方なら、在庫の心配を抑えられます。在庫を持たない受注生産のサービスで試す方法もあります。
Q. アニメのキャラクターのステッカーを作って売ってもよいですか?
権利を持つ会社の許可なく売ることはできません。キャラクターには著作権や商標権があります。ファンが作る二次創作の作品を売ってよいかどうかは、権利を持つ会社のガイドラインで大きく違い、販売を認めていない会社もあります。売る前に必ずガイドラインを確かめ、はっきりしない場合は売らないのが安全です。
Q. 家庭のプリンタで作ったステッカーでも売れますか?
売ること自体はできますが、印刷会社のものと比べて、色の鮮やかさや水への強さで劣ることがあります。インクジェットで印刷したものは水に弱い場合があるので、透明の保護のフィルムを貼るなどの工夫をします。売る前に自分で使ってみて、はがれやすさや色あせを確かめ、商品ページには素材と貼ってよい場所を正確に書いておきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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