総合病院の1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う


この記事のポイント
- ✓総合病院の看護師の1日の流れを
- ✓手術室ごとに時間を追って整理しました
- ✓大学病院やクリニックとの違い
総合病院の1日の流れは、配属される部署によってまったく違います。そして同じ病棟の日勤でも、「予定どおりに進む時間」と「予定が崩れる時間」がはっきり分かれている、という特徴があります。
結論を先に書くと、総合病院の病棟の1日は、午前は検査と処置、昼前後は入院と手術の出入り、午後は記録と退院の準備という骨組みで動いています。ただしそこに、救急からの緊急入院と急変が割り込むため、骨組みどおりに終わる日はそれほど多くありません。
この記事では、病棟の日勤を中心に、2交代の夜勤、外来、救急外来、手術室の1日を時間を追って整理します。そのうえで、大学病院やクリニックとの違い、時間が押しやすい場面、そして求人票や見学で1日の実態を確かめる方法までをまとめます。
総合病院の1日を決める3つの前提
時間割を見る前に、総合病院の1日の流れを形づくっている前提を押さえておきます。ここを理解しておくと、時間割の「なぜこの時間にこれをするのか」が読み取れるようになります。
前提1:救急を受け入れている
総合病院の多くは、二次救急医療機関として救急患者を受け入れています。つまり、予定された入院とは別に、救急外来から緊急入院が入ってくる可能性が1日中あるということです。緊急入院は時間を選びません。午前の忙しい時間帯でも、夕方の申し送りの直前でも入ってきます。
前提2:混合病棟が多い
総合病院の病棟は、複数の診療科の患者が入院する混合病棟であることが多い傾向があります。外科系の患者は手術の予定、内科系の患者は検査の予定、というように、診療科ごとに異なる時間の流れが1つの病棟の中で同時に進みます。
前提3:分業は大学病院ほど細かくない
大学病院では、採血を検査部の担当者が回って行う、点滴の調製を薬剤部が行う、といった分業が進んでいる病院もあります。総合病院では、こうした業務を病棟の看護師が担う場面が多くなります。その分、朝の時間帯の業務量が膨らみやすい、という傾向が見られます。
勤務体制の基本
総合病院の病棟の勤務体制は、2交代制と3交代制に分かれます。
・2交代制:日勤(8時30分から17時15分前後)と夜勤(16時30分から翌9時前後) ・3交代制:日勤(8時30分から17時前後)、準夜勤(16時から翌1時前後)、深夜勤(0時から9時前後)
近年は2交代制を採用する病院が増えています。時刻は病院ごとに異なりますが、以下では2交代制の病院を例に、時間を追っていきます。
病棟の日勤:朝から終業までの流れ
ここでは、内科系と外科系の患者が入院する混合病棟で、看護師1人が患者7〜8人程度を受け持つ日勤を例にします。
8時00分ごろ:情報収集
始業前に電子カルテを開き、受け持ち患者の情報を確認します。前日からの経過、夜間の出来事、今日の検査や手術の予定、点滴や内服の指示の変更を拾い、自分の1日の段取りを組みます。
この「始業前の情報収集」は、多くの病院で慣習として行われています。ただし、ここには後で触れる労働時間の問題があります。
8時30分:申し送り
夜勤の看護師から、夜間の患者の状態について申し送りを受けます。以前は全員が集まって口頭で申し送る形が一般的でしたが、最近は電子カルテの記録を前提に、要点だけを受け持ちごとに伝える形や、患者のベッドサイドで申し送る形に変える病院が増えています。
9時00分〜10時00分:ラウンドとバイタルサイン測定
受け持ち患者の部屋を回り、体温、脈拍、血圧、酸素飽和度などを測り、全身の状態を観察します。点滴の確認、術後の患者の傷やドレーンの確認、痛みの評価もこの時間に行います。
10時00分〜11時30分:検査出し、処置、清潔ケア
内視鏡、CT、MRI、エコーなどの検査に患者を送り出し、戻ってきた患者の状態を確認します。並行して、清拭や陰部洗浄などの清潔ケア、褥瘡の処置、医師の回診の介助を行います。予定入院の患者が病棟に上がってくるのも、この時間帯が多くなります。
午前中はもっとも業務が重なる時間帯です。検査の呼び出しの時刻は検査部門の進み具合で前後するため、段取りの組み直しが何度も必要になります。
11時30分〜12時30分:食事の準備と血糖測定
食前の血糖測定とインスリンの投与、配膳、食事の介助を行います。嚥下に不安のある患者の食事の見守りもこの時間です。
12時00分〜13時00分:交代で昼休憩
看護師同士で時間をずらして休憩を取ります。休憩中の受け持ち患者は、残っている看護師が見ることになります。
13時00分〜14時00分:カンファレンス
病棟のカンファレンスで、退院に向けた方針や、看護計画の見直しを話し合います。医師、理学療法士、医療ソーシャルワーカー、退院支援の看護師などが参加する多職種カンファレンスが開かれる日もあります。
14時00分〜16時00分:手術の出入り、入院の受け入れ、退院の準備
午後の手術に患者を送り出し、午前の手術を終えた患者の帰室を受け入れます。術後の患者は帰室直後の観察の頻度が高く、この時間帯の看護師の手を大きく取ります。
同時に、翌日以降に退院する患者への退院指導や、介護サービスの調整状況の確認も進めます。救急外来から緊急入院の連絡が入るのも、午後に多い傾向があります。
16時00分〜16時30分:記録と夜勤への申し送りの準備
1日の観察の結果と行ったケアを電子カルテに記録し、夜勤の看護師に伝える内容を整理します。
16時30分〜17時15分:申し送り、終業
夜勤の看護師に申し送り、残った記録を終わらせて終業です。
ここで正直に書いておくと、この時間割どおりに17時15分に帰れる日は、病棟によってはそれほど多くありません。記録が残る、緊急入院が入る、術後の患者の状態が安定しない。こうした理由で、終業が30分〜1時間程度延びることは珍しくありません。
病棟の夜勤:2交代制の流れ
次に、2交代制の夜勤の流れを見ていきます。夜勤は、日勤より少ない人数で病棟全体を見るため、1人が受け持つ患者の数が大きく増えます。40床前後の病棟を、看護師3人程度と看護補助者で見る体制が、よく見られる形です。
16時30分:申し送り、情報収集
日勤から申し送りを受け、受け持ち患者の状態と、夜間の点滴や検査の予定を確認します。
17時00分〜19時00分:ラウンドと夕食
全員の部屋を回って状態を確認し、夕食前の血糖測定、配膳、食事の介助、食後の内服の確認を行います。夕方は日勤の看護師がまだ残っている時間帯なので、手が足りない部分を助けてもらえることもあります。
19時00分〜21時00分:就寝前のケア
口腔ケア、排泄の介助、体位変換、就寝前の内服、点滴の交換を行います。消灯は21時前後に設定している病院が多く見られます。
21時00分〜翌5時00分:巡視と仮眠
消灯後は、1〜2時間おきに巡視を行い、患者の呼吸や睡眠の様子、点滴の滴下、転倒のリスクのある患者の状態を確認します。夜間の不穏やせん妄への対応、ナースコールへの対応、体位変換も続きます。
2交代制の夜勤では、看護師が交代で1〜2時間程度の仮眠を取るのが一般的です。ただし、緊急入院や急変があれば、仮眠が取れないまま朝を迎えることもあります。
翌5時00分〜8時00分:朝の業務
早朝の採血、バイタルサインの測定、朝の血糖測定、配膳と朝食の介助、朝の内服の確認を行います。夜勤の中でもっとも業務が集中する時間帯です。
翌8時30分〜9時00分:申し送り、終業
日勤の看護師に夜間の経過を申し送り、記録を終えて終業です。
夜間の救急対応
二次救急を担う総合病院では、夜間に救急外来から緊急入院が入ります。医師の研修の様子を紹介したページにも、総合病院の夜間の救急の実態がよく表れています。長崎県の諫早総合病院の研修医は、当直について次のように書いていました。
研修医は平均で週に1回救急当直に入ります。内科・外科問わず、軽症のウォークインからCPAの救急搬送まで幅広い症例を、まず研修医から診察させてもらいます。 内科・外科当直の先生方と相談しながら診療にあたり、鑑別疾患の挙げ方から治療対応までとても勉強になっています。 出典: isahaya.jcho.go.jp
軽症の患者から、CPA(心肺停止)の救急搬送まで。総合病院の夜間は、この幅の患者が救急外来に来るということです。そして、そのうち入院が必要になった患者は、夜勤の人数で回している病棟に上がってきます。夜勤の負担を考えるとき、この点は外せません。
外来、救急外来、手術室の1日
病棟以外の部署は、1日の流れがかなり違います。それぞれの特徴を見ていきます。
外来の1日
外来は日勤が中心で、一般的な流れは次のようになります。
・8時00分〜8時30分:診察室の準備、物品の確認、当日の予約患者の確認 ・8時30分〜12時30分:午前の診療(問診、診察の介助、採血、点滴、処置、検査の説明) ・12時30分〜13時30分:交代で休憩 ・13時30分〜16時30分:午後の診療、専門外来、化学療法室の対応 ・16時30分〜17時15分:片付け、翌日の準備、記録
総合病院の外来は、午前に患者が集中する傾向があります。午前の受付時間内に来た患者の診療が終わるまで、午前の診療は続きます。そのため「12時30分に休憩」とはいかず、昼過ぎまで診療が延びる日もあります。
また、看護師が複数の診療科を掛け持ちする病院では、午前は内科、午後は整形外科、というように担当が変わることがあります。
救急外来の1日
救急外来は、日勤と夜勤の2交代、あるいは日勤、準夜勤、深夜勤の3交代で24時間の体制を組んでいます。専任の看護師を置く病院もあれば、夜間は病棟や外来の看護師が当番で入る病院もあります。
救急外来の1日には、決まった時間割がほとんどありません。救急隊からの受け入れ要請の電話を受け、到着前に準備を整え、到着後はトリアージ(緊急度の判定)、バイタルサインの測定、心電図や点滴の準備、医師の診察の介助、検査への同行を行います。入院が決まれば病棟への連絡と申し送り、帰宅する患者には説明を行います。
受診が集中しやすいのは、夕方から夜にかけてと、休日の日中です。
手術室の1日
手術室の1日は、手術の予定表で動きます。
・8時00分:手術室の準備、器械や物品の確認 ・8時30分〜9時00分:1件目の手術の患者の入室、麻酔の導入の介助 ・9時00分〜:器械出しと外回りに分かれて手術に対応 ・昼前後:1件目の終了、患者の退室、部屋の清掃と2件目の準備 ・午後:2件目、3件目の手術 ・夕方:翌日の手術の準備、記録
手術は予定どおりに終わるとは限らず、1件の手術が長引けば、後の予定もずれていきます。また、夜間や休日の緊急手術に備えたオンコール(待機)の当番があるのも、手術室の特徴です。
看護補助者と医療事務の1日
総合病院の1日は、看護師だけで回っているわけではありません。看護補助者や医療事務の動きを知っておくと、病棟や外来の1日がどう支えられているかが見えてきます。また、看護職以外で総合病院に関わりたい方にとっては、自分の働く姿を想像する材料になります。
看護補助者の日勤
看護補助者の日勤は、看護師とほぼ同じ時間帯で動きます。
・8時30分:朝の打ち合わせ、当日の入退院や検査の予定の確認 ・9時00分〜11時00分:シーツ交換、病室の環境整備、検査への患者の搬送、物品の補充 ・11時30分〜12時30分:配膳、食事の介助、下膳 ・12時30分〜13時30分:交代で休憩 ・13時30分〜15時30分:入浴やシャワー浴の介助、おむつ交換、検体の搬送 ・15時30分〜17時00分:夕方の物品補充、翌日の準備、看護師への報告
総合病院の混合病棟では、介助が必要な高齢の患者が多い日も少なくありません。食事の介助や排泄の介助が重なる時間帯は、看護補助者の人数が病棟の回り方を大きく左右します。見学のときに看護補助者が何人いて、どの業務を担っているかを見ると、看護師の1日の負担も推し量れます。
夜勤の看護補助者を置いている病院もあります。夜間のおむつ交換や体位変換、ナースコールへの一次対応を担い、看護師が医療的な判断の必要な業務に集中できるよう支えています。
外来の医療事務の1日
外来の医療事務の1日は、診療時間に沿って動きます。
・8時00分:受付の準備、再来受付機の立ち上げ、当日の予約患者の確認 ・8時30分〜12時00分:新患の受付、保険証の確認、診察券の発行、問い合わせへの対応 ・12時00分〜13時00分:交代で休憩 ・13時00分〜16時00分:会計、診療費の計算、午後の受付、入院の手続き ・16時00分〜17時15分:会計の締め、翌日の準備
総合病院の外来は、午前の受付に患者が集中します。朝の受付開始の時刻から1〜2時間が、1日でもっとも窓口が混み合う時間帯です。月初めには、前月分の診療報酬の請求(レセプト業務)が重なり、事務部門全体が忙しくなります。
規模の大きい総合病院では、電話での予約の受付や変更をまとめて担う予約センターを置いていることもあります。窓口の業務とは違い、電話対応が中心の1日になります。
医療事務の仕事に必要な知識や、民間資格がどういう場面で役立つかは、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)で確認できます。資格は必須ではありませんが、診療報酬の仕組みを知っていると、会計や請求の業務に入りやすくなります。
大学病院、クリニックとの1日の違い
総合病院の1日の特徴を、他の職場と比べて整理しておきます。
大学病院との違い
大学病院の病棟は、特定の診療科ごとに分かれていることが多く、1日の流れがその科の治療の予定に沿って比較的そろっています。一方、総合病院の混合病棟では、複数の科の予定が同時に進むため、時間の管理が複雑になります。
また、大学病院では研修医や医学生、看護学生の実習の受け入れが日常的にあり、教育の時間が1日の中に組み込まれています。臨床研究の対象になっている患者の観察や記録が加わることもあります。総合病院にも研修医や実習生はいますが、その比重は大学病院ほど大きくない傾向があります。
分業の面では、大学病院のほうが採血や搬送などを他部門に任せられる場面が多く、看護師の朝の業務量は総合病院のほうが膨らみやすい、というのが1つの傾向です。
クリニックとの違い
クリニックは外来が中心で、1日の流れは診療時間でほぼ決まります。午前診療、昼休み、午後診療、片付けという流れで、夜勤はありません。
総合病院の外来も似た流れですが、救急外来や入院病棟とつながっている点が違います。外来で状態の悪い患者が見つかれば、そのまま入院や救急の対応に移ります。クリニックでは「大きな病院に紹介する」で終わる場面が、総合病院では「自分たちで受け止める」場面になります。
1日の中で「任される判断」の量
総合病院の1日を通して見えてくるのは、看護師が優先順位を判断する場面の多さです。検査の呼び出し、術後の帰室、緊急入院、ナースコール。複数のことが同時に起きたときに、どれを先に対応するかを判断し続けるのが、総合病院の病棟の1日だといえます。
時間が押しやすい場面と、前残業の扱い
ここからは、1日の流れの中で時間が押しやすい場面と、その扱いについて整理します。
時間が押しやすい5つの場面
・始業前の情報収集(受け持ち患者が多い日ほど長くなる) ・午前の検査出しと処置の重なり ・午後の緊急入院の受け入れ ・術後患者の帰室が夕方にずれ込んだとき ・終業前の記録
特に記録は、1日の中でまとまった時間を取りにくいため、どうしても終業後に回りがちです。
前残業は労働時間か
始業前の情報収集については、はっきりさせておくべき点があります。厚生労働省の労働時間の考え方では、使用者の指示により業務に必要な準備行為を事業場内で行った時間は、労働時間にあたるとされています。つまり、始業前の情報収集が事実上義務づけられているなら、それは労働時間として扱われるべき、ということです。
現実には、「始業前に来て情報収集するのが当たり前」という慣習が残っている病棟もあります。正直なところ、これは改善されるべき慣習だと思います。近年は、始業時刻から情報収集を始める運用に変えたり、情報収集の時間を勤務時間内に組み込んだりする病院も増えています。
入職前に確かめる方法としては、面接で「始業前の情報収集の時間はどのように扱われていますか」と聞くのが一番確実です。聞き方が気になる場合は、「日勤の方は何時ごろに病棟に来ていますか」と聞くと、実態が見えてきます。
記録の時間をどう確保しているか
記録の時間を勤務時間内に確保するために、記録の様式を簡素化する、午後に記録の時間帯を設ける、看護補助者に一部の業務を任せる、といった工夫をしている病院もあります。こうした取り組みの有無は、残業時間の実態に直結します。
私自身、医療職の方の働き方について話を聞いたとき、驚いたことがあります。月の残業時間が少ない病棟と多い病棟で、患者の重症度に大きな差があるわけではなかった、という話でした。差を生んでいたのは、申し送りの方法と、記録のルールの違いだったそうです。1日の流れの中の小さな決まりごとが、帰れる時刻を左右している。1日の流れを見るときは、この視点を持っておくことをおすすめします。
1日の流れを、1か月の生活に当てはめる
1日の流れを知ったら、次はそれを1か月単位の生活に当てはめて考えてみることをおすすめします。総合病院の病棟で働く場合、生活の組み立ては「日勤と夜勤がどう並ぶか」でほぼ決まるからです。
勤務表の組まれ方
2交代制の病棟では、1か月の勤務表の中に、日勤、夜勤、夜勤明け、休日が組み合わされます。夜勤の回数は、月4〜5回程度が1つの目安です。夜勤の翌日は「夜勤明け」として、朝の申し送りを終えて帰宅し、その日は勤務がありません。多くの病院では、夜勤明けの翌日を休日にする組み方が取られています。
つまり、2交代制の夜勤1回は、「夜勤の日」「夜勤明けの日」「休日」の3日間をひと続きで使う、ということです。この並びが月に4〜5回入ると、平日に自由に使える日が意外に多くなる一方で、生活のリズムは不規則になります。
3交代制の場合
3交代制では、日勤から深夜勤へ、準夜勤から日勤へといった、間隔の短い勤務の組み合わせが発生することがあります。1回の勤務時間は2交代制の夜勤より短くなりますが、勤務と勤務の間隔が短い組み方は、体への負担が大きくなりやすい傾向があります。勤務の間隔をどの程度空けているかは、病院によって方針が違います。
希望休と休日の数
勤務表は、看護師長などが病棟の人数や経験のバランスを見て作ります。多くの病院では、月に2〜3日程度の希望休を出せる仕組みがあります。年間休日は、求人票に110〜120日前後と書かれていることが多く、4週8休を基本にしている病院が多く見られます。
ただし、年末年始や大型連休は、患者がいる以上、誰かが出勤する必要があります。交代で休みを取る運用が一般的なので、毎年必ず休めるわけではありません。
生活との相性を考える
たとえば、子どもの送り迎えがある方は、日勤の開始時刻と終業時刻、夜勤の有無が生活の成り立ちを左右します。夜勤ができない場合に日勤のみの常勤という選択肢があるか、外来への配属が可能か、院内保育所の夜間保育があるか、といった点を確かめる必要があります。
体力に不安がある方は、夜勤の回数の上限を相談できるか、夜勤専従の看護師がいて日勤中心の勤務が組めるか、といった点が判断材料になります。
1日の流れを1か月の勤務表に置き換えて考えると、「この病院の1日は自分に合うか」だけでなく、「この病院の働き方で、自分の生活は続くか」が見えてきます。
求人票と見学で、1日の実態を確かめる
最後に、総合病院の1日の実態を、応募の前に確かめる方法を整理します。
求人票で見る項目
・勤務時間:日勤、夜勤の開始と終了の時刻、休憩時間 ・勤務体制:2交代制か3交代制か、夜勤の月の回数の目安 ・月の平均残業時間:記載があれば必ず確認する ・病床数と病棟の種類:急性期、地域包括ケア、回復期などの内訳 ・看護配置の基準:7対1、10対1など ・救急の体制:二次救急の指定の有無
月の平均残業時間は、病院全体の平均で書かれていることが多く、部署ごとの差は分かりません。数字が小さくても、配属先の病棟でどうなのかは別に確かめる必要があります。
見学で見るポイント
病院見学に行けるなら、時間帯を選ぶのがおすすめです。午前の検査と処置が重なる時間帯や、夕方の申し送りの前後に見学できれば、その病棟の忙しさと、看護師同士の助け合いの様子がよく分かります。
見学中は、次の点に注目してください。
・ナースステーションの電子カルテの台数と、看護師の人数の釣り合い ・申し送りの方法(全体か、受け持ちごとか、ベッドサイドか) ・看護補助者がどの業務を担っているか ・夕方の時点で、記録に追われている看護師がどのくらいいるか
収入と働き方の相場
夜勤の回数や残業時間は、そのまま収入にも影響します。看護師全体の年収の相場や、経験年数による差は、看護師の年収・単価相場で確認できます。夜勤手当の水準は病院によって差があるので、基本給と夜勤手当を分けて比べるのが確実です。
1日の流れを知ったうえで、夜勤の無い働き方や、勤務時間を短くする働き方を考える方もいると思います。その場合は、看護師のパート勤務という現実解|勤務時間と収入の組み立て方【2026年版】が、勤務時間と収入の組み立て方の参考になります。転職を決める前に、求人票の見方と面接で確かめる点を整理したい場合は、看護師が転職を決める前に|求人の見方と面接で確かめることにまとめられています。
働き方そのものに迷っているときは、第三者に相談する方法もあります。働き方や職業選択の相談を専門に受ける国家資格として、キャリアコンサルタントがあります。資格の位置づけと、どういう相談を受けているかが分かります。
運営者として見てきたこと
フリーランスや在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、仕事を長く続けられる人は、「1日の時間の使われ方」を最初に確かめている傾向があります。仕事の中身や報酬の条件は事前に確認する人が多い一方で、「実際にどの時間帯に何が起きるのか」まで確かめる人は少ない。そして、合わなかったと感じる理由の多くは、中身ではなく時間の使われ方にあります。
総合病院の1日の流れを知ることは、その職場で自分が続けられるかを判断する材料になります。時間割だけでなく、時間が押す場面とその扱いまで確かめてから、応募を決めてください。
よくある質問
Q. 総合病院の看護師の日勤は何時から何時までですか?
病院によって異なりますが、8時30分から17時15分前後が一般的です。休憩は60分程度が多く見られます。ただし始業前の情報収集や、終業後の記録で実際の在院時間が長くなることがあるため、面接や見学で日勤の看護師が何時ごろ病棟に来て、何時ごろ帰っているかを確かめてください。
Q. 2交代制の夜勤で仮眠は取れますか?
2交代制の夜勤では、看護師が交代で1〜2時間程度の仮眠を取るのが一般的です。ただし緊急入院や急変があると、仮眠が取れないまま朝を迎えることもあります。仮眠室の有無や、仮眠時間の扱いは病院によって違うため、見学や面接で確認しておくと安心です。
Q. 始業前の情報収集は労働時間に含まれますか?
厚生労働省の労働時間の考え方では、使用者の指示により業務に必要な準備を事業場内で行った時間は、労働時間にあたるとされています。始業前の情報収集が事実上義務づけられているなら、労働時間として扱われるべきものです。扱いは病院によって違うため、入職前に確認してください。
Q. 総合病院の外来勤務なら残業は少ないですか?
外来は日勤が中心で夜勤が無い点では働きやすい部署ですが、午前の受付時間内に来た患者の診療が終わるまで業務が続くため、昼休憩や終業が延びる日もあります。化学療法室や救急外来とつながる業務がある場合は、さらに時間が読みにくくなるため、配属先の実態を確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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