回復期リハビリ病棟の1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
回復期リハビリ病棟の1日の流れ|朝から終業までの動き方を追う

この記事のポイント

  • ✓回復期リハビリ病棟の1日の流れを
  • ✓日勤の申し送りから夕方の記録
  • ✓夜勤の見回りまで時間帯ごとに追いました

回復期リハビリ病棟の1日は、点滴や検査の予定ではなく、患者さんの「生活の予定」を軸に動きます。 結論から言うと、この病棟の1日を決めているのは、起床、食事、トイレ、入浴、リハビリ、就寝という生活の区切りです。 看護師も介護職も、その区切りに合わせて持ち場を動かしていきます。

急性期病棟から転職を考えている人ほど、この感覚の違いに戸惑います。 処置の数は減るのに、なぜか1日中動き回っている。 その理由は、1日の流れを時間帯ごとに追ってみるとよく分かります。

この記事では、回復期リハビリ病棟の患者さんの1日と、日勤と夜勤のスタッフの1日を並べて追います。 あわせて、急性期病棟との違い、職種ごとの動き方、求人票や見学で「その病棟の1日」を読み取る方法まで整理します。

回復期リハビリ病棟は「生活そのものを訓練にする」病棟

まず、1日の流れを理解する前提として、回復期リハビリ病棟がどういう役割の病棟なのかを押さえておきます。

回復期リハビリ病棟は、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患、大腿骨頚部骨折などで急性期の治療を終えた患者さんが、自宅や施設での生活に戻るために集中的なリハビリを受ける病棟です。 入院できる期間は疾患ごとに上限が決まっていて、たとえば大腿骨の骨折なら90日、脳血管疾患なら150日、高次脳機能障害を伴う重症の脳血管障害なら180日が上限です。

この期間の中で、リハビリは1日最大9単位まで提供できます。 1単位は20分なので、1日最大3時間です。 つまり、患者さんの1日のうち、療法士とのリハビリは長くても3時間で、残りの時間は病棟で過ごします。

ここが大事なところです。 訓練室で歩けるようになっても、病棟のトイレまで自分で歩いていけなければ、自宅には帰れません。 そこで回復期リハビリ病棟では、食事、着替え、トイレ、入浴といった日常の動作そのものを、看護師や介護職が見守りながら「練習の場」にしていきます。

人員体制も、この考え方に合わせて組まれています。 診療報酬の施設基準では、回復期リハビリテーション病棟入院料の区分によって、看護職員は患者さん13人または15人に対して1人以上、看護補助者は30人に対して1人以上の配置が求められます。 上位の区分では、専従の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士の配置や、在宅復帰率などの実績も求められます。

急性期病棟の多くが7対1や10対1で配置されているのに比べると、看護職員の数は少なめです。 その分、介護福祉士などの看護補助者と、療法士が病棟に多くいます。 1日の流れの中で「誰が何を担うか」の線引きが病院ごとに違うのは、この多職種の配分が病院ごとに違うからです。

入院日数の上限、在宅復帰率、実績指数といった数字は、病棟の運営を直接左右します。 そのため、この病棟の1日は「退院に向けて今日は何を進めたか」という視点で組み立てられています。 急性期の「今日の治療を安全に終える」とは、1日のゴールの置き方が違うということです。

患者さんの1日と、スタッフの1日は重なっている

回復期リハビリ病棟の1日の流れを、まず患者さんの側から見てみます。 静岡県の市立御前崎総合病院は、回復期リハビリ病棟の考え方と1日の過ごし方を次のように説明しています。

皆様に知って頂きたいことは『入院生活全てがリハビリ』という考えです。訓練室でのリハビリのみでは在宅生活を見据えた場合には不十分です。そこで理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・看護師・介護職等病棟スタッフが一丸となって皆様の生活に沿ってあらゆる場面においてご協力させて頂きます。 一日の始まりに更衣は大切です。当院では日中は普段着で過ごして頂きます。介護スタッフがお手伝いをさせて頂きます。 出典: omaezaki-hospital.jp

同じページには、7時30分からの朝食、朝食後の口腔ケア、9時からのリハビリ、週2回の入浴、12時の昼食、13時30分からの午後のリハビリ、17時30分の夕食、就寝前のパジャマへの更衣、21時の就寝という流れが載っています。 多くの回復期リハビリ病棟で、患者さんの1日はおおむねこの形です。

これを表にすると、次のようになります。

時間帯 患者さんの過ごし方 病棟スタッフの主な動き
6時〜7時 起床、洗面、普段着への更衣 夜勤者が起床介助、排泄介助、検温
7時30分 朝食(食堂やデイルーム) 移動介助、食事の見守り、服薬
8時30分 口腔ケア、休憩 夜勤から日勤への申し送り
9時〜12時 午前のリハビリ、入浴 リハビリへの送り出し、入浴介助、処置
12時 昼食、口腔ケア 食事介助、嚥下の観察、服薬
13時30分〜17時 午後のリハビリ、入浴 カンファレンス、家族対応、記録
17時30分 夕食、口腔ケア 日勤から夜勤への申し送り、食事介助
21時 パジャマに更衣、就寝 就寝介助、消灯、見回り

表の左と右を見比べると分かるとおり、患者さんの生活の区切りが、そのままスタッフの忙しい時間帯になります。 食事の前後、リハビリの前後、就寝の前後に、移動、排泄、更衣の介助が一斉に集中します。

もう1つ特徴的なのは「日中はなるべくベッドにいない」という方針です。 リハビリの合間もデイルームで過ごしてもらうため、スタッフは病室を回るだけでなく、デイルームにいる患者さんの見守りも同時に行います。 転倒を防ぎながら、自分でできることは自分でしてもらう。 この「手を出しすぎない介助」が、回復期の1日を通して続きます。

日勤看護師の朝:申し送りから午前のリハビリ送り出しまで

ここからは、日勤の看護師の1日を追っていきます。 勤務時間は8時30分から17時30分前後の病院が多いので、その前提で書きます。

8時15分ごろ:情報収集

日勤者は始業の少し前に出勤し、電子カルテで受け持ち患者さんの情報を確認します。 回復期で見るのは、夜間の睡眠、排泄の回数と時間、転倒につながりそうな行動、食事と水分の量、そして今日のリハビリの予定です。 リハビリの時間はリハビリ科が作るスケジュール表で決まっているので、看護師はそれに合わせて検温や処置、入浴の順番を組み立てます。

8時30分:申し送り

夜勤者から日勤者への申し送りです。 回復期リハビリ病棟では急変が少ない分、申し送りの中心は「夜間の過ごし方」になります。 何時にナースコールがあったか、トイレに自分で行こうとしたか、せん妄のような症状はなかったか。 これらは日中の見守りの強さを決める材料になります。

申し送りの時間を短くするために、ベッドサイドで要点だけを伝える病院や、電子カルテの記録を読んで口頭は最小限にする病院も増えています。

9時前:リハビリへの送り出し

9時からリハビリが始まるので、その前に、患者さんのトイレを済ませ、靴を履き、車いすや歩行器の準備を整えます。 ここが朝の1つ目の山場です。 複数の患者さんのリハビリ開始時間が重なるため、看護師と介護職が手分けして、順番に送り出していきます。

リハビリ室まで看護師が送る病院もあれば、療法士が病棟まで迎えに来る病院もあります。 どちらの方式かによって、朝の看護師の動きはかなり変わります。 見学の際に確認しておきたい点の1つです。

9時〜11時30分:検温、処置、入浴

リハビリに出ている患者さんが戻るまでの間に、病棟に残っている患者さんの検温、服薬の確認、褥瘡や創部の処置、血糖測定などを行います。 回復期でも、糖尿病のインスリン管理、胃ろうの経管栄養、膀胱留置カテーテルの管理といった医療的なケアを必要とする患者さんはいます。

入浴は午前か午後のどちらかに組まれることが多く、週2回が一般的です。 一般浴、シャワー浴、機械浴のどれにするかは、患者さんの身体機能に合わせて決まります。 入浴介助は介護職が中心になる病院が多いものの、看護師が皮膚の状態を観察したり、入浴後の処置をしたりする場面もあります。

私が以前、回復期リハビリ病棟の看護師に取材したとき、最初に言われたのは「朝のリハビリ送り出しの10分で、その日の段取りが決まる」という言葉でした。 正直なところ、取材前の私は「リハビリは療法士の仕事で、看護師は見ているだけ」と思っていました。 実際に病棟の動線を見せてもらうと、患者さんを時間どおりにリハビリへ送り出すための段取りこそが、看護師と介護職の腕の見せどころでした。

日勤の昼から午後:食事、カンファレンス、家族対応

11時30分〜13時:昼食と口腔ケア

昼食の時間は、朝と並ぶ山場です。 食堂やデイルームへの移動介助、配膳、食事の見守り、食事介助、食後の服薬、口腔ケアが一気に重なります。

回復期リハビリ病棟には、脳卒中の後遺症で飲み込みに障害がある患者さんが多く入院しています。 そのため、食事の時間は単なる介助ではなく、嚥下の状態を観察する時間でもあります。 むせていないか、食事の形態が合っているか、姿勢は崩れていないか。 言語聴覚士が食事場面の評価に入る病院も多く、看護師は言語聴覚士と一緒に食形態を上げるかどうかの判断材料を集めます。

日勤者の休憩は、この昼食の介助が落ち着いた後に、交代で取るのが一般的です。 休憩時間は45分から60分程度で、スタッフを2つのグループに分けて順番に取ります。

13時30分〜15時:午後のリハビリとカンファレンス

午後もリハビリへの送り出しと入浴が続きます。 その合間に行われるのが、多職種のカンファレンスです。

回復期リハビリ病棟では、入院時、入院中の定期(月1回程度)、退院前など、節目ごとにカンファレンスを開きます。 参加するのは医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)、管理栄養士などです。 患者さんや家族が同席する場合もあります。

カンファレンスで看護師が報告するのは、病棟での「している動作」です。 リハビリ室では手すりにつかまって立てるのに、病棟のトイレでは立ち上がれていない。 こうした訓練室と病棟の差を伝え、目標や介助方法を調整するのが、回復期の看護師に固有の役割です。

15時〜16時30分:家族対応、退院支援

午後の後半は、家族の面会が増える時間帯です。 退院が近い患者さんの家族には、自宅での介助方法を実際にやってもらいながら指導することもあります。 トイレの介助、車いすへの移乗、服薬の管理方法などです。

退院前には、療法士やケアマネジャーと一緒に患者さんの自宅を訪問する「家屋評価」を行う病院もあります。 手すりの位置、段差、ベッドとトイレの距離などを確認し、住宅改修や福祉用具の提案につなげます。 看護師がこの訪問に同行するかどうかは病院によって違います。

夕方から終業まで:記録と夜勤への申し送り

16時〜17時:記録

回復期リハビリ病棟の記録で特徴的なのは、日常生活動作の評価です。 FIM(機能的自立度評価法)や日常生活機能評価といった指標で、患者さんがどの動作をどれくらい自分でできているかを定期的に点数化します。 この評価は、入院料の区分に関わる実績の計算にも使われるため、正確さが求められます。

看護記録には、その日の排泄の状況、転倒リスクへの対応、家族への説明内容なども残します。 記録を後回しにすると残業に直結するので、午後の空いた時間に少しずつ書き進めるのが、慣れた人のやり方です。

17時前後:夜勤への申し送りと夕食

17時前後に、日勤から夜勤への申し送りを行います。 2交代制の病院では、夜勤者は16時30分ごろに出勤してきます。

申し送りのすぐ後に17時30分からの夕食が始まるため、日勤者は夕食の配膳や食事介助を手伝ってから帰ることも少なくありません。 「定時で終わるはずが、夕食の介助で30分延びる」という話は、回復期の病棟でよく聞きます。 急変や緊急入院による残業は急性期より少ない一方で、生活のリズムに合わせた「毎日のちょっとした延長」が起きやすいのが、この病棟の実態です。

17時30分:終業

日勤の看護師は、記録を確認して終業します。 回復期リハビリ病棟は、手術や緊急入院に振り回されにくい分、残業が月数時間程度に収まる病院も多くあります。 ただし、入院の受け入れが午後に集中する病院や、記録の量が多い病院では、残業が日常化していることもあります。

入院の受け入れは、急性期病院からの転院が中心です。 転院は平日の午前から昼にかけて行われることが多く、入院が1日に2人重なると、その日の午後は受け入れの対応でほぼ埋まります。 病棟の空きベッドの回し方と、入院を受ける曜日の決め方で、日勤の忙しさはかなり変わります。

夜勤の1日:夕方から翌朝まで

夜勤の流れも簡単に追っておきます。 2交代制の病院なら、夜勤は16時30分から翌朝9時前後までです。

16時30分〜21時:夕食と就寝介助

夜勤者は申し送りを受けた後、夕食の介助、服薬、口腔ケアに入ります。 その後は、パジャマへの更衣、トイレ、歯磨きといった就寝前の介助です。 回復期リハビリ病棟では、夜も「自宅と同じ生活リズム」を大事にするため、日中は普段着、夜はパジャマという切り替えを丁寧に行います。

21時〜翌5時:消灯後の見回りと排泄介助

消灯後は、2時間おき程度の見回り、体位変換、排泄介助が中心です。 回復期の夜勤で最も神経を使うのは、転倒の予防です。 日中にリハビリで歩けるようになってきた患者さんほど、夜中に1人でトイレへ行こうとします。 センサーマットや離床センサーが鳴るたびに駆けつけるため、「急変は少ないのに、座っている時間も少ない」夜勤になりがちです。

夜勤の人数は、看護職員2人に看護補助者1人といった体制が多く見られます。 夜間は医師が院内の当直医だけになるため、発熱や転倒があったときの判断と連絡も、夜勤の看護師が担います。

5時〜9時:起床介助と朝食

明け方は、起床、洗面、普段着への更衣、トイレ、朝食と、再び介助が集中します。 朝食と服薬を終え、日勤者への申し送りをして、夜勤は終わりです。

夜勤についてさらに詳しく知りたい場合は、夜の人員体制と体の慣らし方をまとめた記事も参考になります。 ここでは、夜勤も日勤と同じく「生活の区切り」に沿って動いている、という点だけ押さえておけば十分です。

土日と祝日の病棟の1日はどう動くか

平日の流れと並んで、見落とされやすいのが休日の病棟の1日です。 回復期リハビリ病棟の休日は、病院の方針によって大きく2つの形に分かれます。

リハビリを365日提供している病棟

1つ目は、土日祝日もリハビリを提供している病棟です。 入院料の上位区分をとっている病院や、在宅復帰を早めることを重視している病院では、休日もリハビリを休まない体制が増えています。 この場合、療法士は交代で休日に出勤し、患者さんは平日とほぼ同じ時間割で訓練を受けます。

看護師の側から見ると、休日も朝のリハビリ送り出しと入浴以外の介助が平日と同じように続きます。 一方で、医師の回診、多職種のカンファレンス、家族との面談、入院の受け入れは平日に比べて少なくなります。 つまり、介助の量は平日並みで、調整の仕事は少ない1日です。 平日に後回しにしていた記録や、患者さんとゆっくり話す時間を取りやすいと感じる看護師もいます。

休日はリハビリを減らしている病棟

2つ目は、休日のリハビリを減らしているか、行っていない病棟です。 この場合、患者さんは休日を病棟で長く過ごすことになります。 リハビリがない分、ベッドで横になる時間が長くなりやすく、病棟のスタッフが離床を促したり、デイルームでの集団活動を行ったりして、生活のリズムを崩さないよう工夫します。

休日は出勤しているスタッフの人数も平日より少なめに組まれます。 リハビリの時間がない分、患者さんが病棟にいる時間が長く、見守りやナースコールの対応が増える日もあります。 「休日のほうが平日より落ち着かない」という声が出る病棟があるのは、このためです。

求人票で休日の体制を確かめる

休日の病棟の1日は、求人票ではほとんど分かりません。 面接や見学の場で、「土日のリハビリは行っていますか」「休日の日勤の看護師は何人ですか」「休日も入院の受け入れはありますか」と聞いておくと、月に何回か回ってくる休日出勤の日の中身を具体的に想像できます。 シフト制の病棟では、休日出勤の回数は年間を通すとかなりの日数になるため、平日と同じくらい大事な確認項目です。

急性期病棟の1日と何が違うのか

同じ看護師資格でも、回復期リハビリ病棟で任される範囲は、急性期病棟とはかなり違います。 1日の流れで比べると、違いは次の3点に集約できます。

1つ目:1日の予定を決めるのが「治療」ではなく「生活」

急性期病棟では、手術、検査、点滴、医師の回診といった治療の予定が1日の骨格になります。 回復期では、その骨格がリハビリのスケジュールと食事の時間に置き換わります。 処置は1日の中の一部で、残りの大半は生活動作の介助と観察です。

2つ目:看護師が自分で判断する場面が多い

急性期では、医師の指示に基づく処置を正確に行うことが仕事の中心です。 回復期では、「この患者さんのトイレは、今日から見守りだけにしてよいか」「夜間は車いすで誘導するか、歩行器で付き添うか」といった判断を、看護師が療法士と相談しながら日々決めていきます。 医師の指示を待つより、病棟のチームで決める場面が多いのが特徴です。

3つ目:患者さんの変化を長く追える

急性期では数日から2週間程度で患者さんが入れ替わります。 回復期では2か月から半年近く同じ患者さんを受け持つため、入院時は車いすだった人が、退院のときには杖で歩けるようになる過程を見届けられます。 この「変化を追える」ことを、回復期で働き続ける理由に挙げる看護師は少なくありません。

逆に言えば、急性期で身につく急変対応や高度な医療処置の経験は、回復期ではあまり積めません。 どちらが上という話ではなく、1日の中身がそもそも別物だと理解しておくことが大切です。

給与の面では、夜勤の回数や手当の額によって差が出ます。 看護師全体の年収の水準や、勤務先による違いを確認したい場合は、看護師の年収・単価相場が参考になります。 公的な統計をもとに、年齢や地域ごとの年収の傾向をまとめています。

職種ごとに1日の動きはどう違うか

回復期リハビリ病棟は、職種ごとの持ち場がはっきり分かれている病棟でもあります。 転職先を検討するときは、看護師以外の職種がどう動いているかも知っておくと、その病棟の1日がより正確に見えてきます。

介護福祉士・看護補助者

介護職は、食事、排泄、入浴、更衣といった生活動作の介助の中心を担います。 回復期では「全部やってあげる」介助ではなく、患者さんができるところは待つ介助が求められます。 病院によっては、介護職が離床の促しやレクリエーションの運営まで担当します。 介護職の働き方や年収の水準については、介護職員の年収・単価相場で、年齢や経験年数ごとの傾向を確認できます。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士

療法士は、1人あたり1日18単位から24単位程度のリハビリを担当し、決まったスケジュールで患者さんを入れ替えながら訓練します。 理学療法士は歩行や立ち上がり、作業療法士は着替えや家事などの応用動作、言語聴覚士は飲み込みと言葉の訓練が中心です。 訓練室だけでなく、病棟のトイレや廊下で実際の動作を練習することもあります。

社会福祉士(医療ソーシャルワーカー)

退院先の調整、介護保険の申請、ケアマネジャーや施設との連絡を担当します。 入院した直後から退院に向けた調整が始まるため、1日の中で家族との面談や電話対応が多くなります。

看護師の立ち位置

この中で看護師は、24時間病棟にいる職種として、各職種の情報をつなぐ役割を担います。 療法士が見ている「できる動作」と、介護職が見ている「している動作」と、医師が見ている全身状態。 これらを1つにまとめ、夜間の様子も含めて伝えるのが、回復期の看護師の固有の仕事です。

求人票と見学で「その病棟の1日」を読む方法

最後に、転職先を探すときに、求人票や見学でその病棟の1日の実態をどう読み取るかを整理します。

求人票で見るべき5つの項目

1つ目は、入院料の区分です。 病院のホームページや求人票に「回復期リハビリテーション病棟入院料1」などと書かれていれば、療法士や社会福祉士の配置、在宅復帰率などの基準が高い病棟だと分かります。

2つ目は、病床数と看護師の人数です。 同じ13対1でも、病床が60床か40床かで、夜勤の1人あたりの受け持ちは変わります。

3つ目は、看護補助者(介護職)の人数と役割です。 介護職が多い病棟では、看護師は観察や処置、調整に時間を使えます。 少ない病棟では、看護師が排泄介助や入浴介助の多くを担います。

4つ目は、夜勤の体制です。 「夜勤は看護師2名、看護補助者1名」といった記載があるかを確認します。 記載がなければ、面接で必ず聞くべき項目です。

5つ目は、リハビリを365日提供しているかどうかです。 土日祝日もリハビリを行う病棟では、休日の病棟も平日と同じように動くため、休日出勤の日の忙しさが平日とあまり変わりません。

見学で見るべき時間帯

見学を申し込めるなら、9時前後か11時30分前後を希望するのがおすすめです。 リハビリの送り出しと昼食の時間帯は、その病棟の人員が足りているかどうかが最も分かりやすく表れます。 デイルームに患者さんが集まっているか、介助の手が回らずにナースコールが鳴り続けていないか、スタッフ同士が声をかけ合っているか。 こうした点を見ると、求人票には書かれない1日の実態が見えてきます。

面接で聞くとよい質問

面接では、「日勤の看護師は1日に何人を受け持ちますか」「入浴介助は看護師も担当しますか」「カンファレンスには病棟の看護師も参加しますか」「リハビリ室への送迎は誰が担当しますか」といった、1日の動きに直結する質問をすると、入職後のギャップを減らせます。

自分に合う病棟かどうか判断がつかないときは、キャリアの専門家に相談するのも1つの方法です。 職場・転職・キャリア相談のお仕事では、転職やキャリアの悩みに対応する相談の仕事がどのような内容かを紹介しています。 相談する側としても、相手がどういう立場で助言しているのかを知っておくと、話を聞くときの判断材料になります。

運営者の視点で見た、回復期で長く続く人の共通点

在宅ワークやフリーランスの仕事の市場を長く見てきた立場から言うと、医療や介護の分野から、看護師や療法士の経験を活かして新しい働き方を探す人は着実に増えています。 その中で目立つのは、回復期リハビリ病棟の経験を持つ人が、自分の経験を「多職種の間で情報をつなぐ仕事」として言語化できていることです。 患者さんの生活を丸ごと見て、療法士、介護職、家族、ケアマネジャーに伝わる言葉で整理する経験は、病棟の外でも通用する力になります。

たとえば、病棟勤務を続けながら、看護の知識を活かした記事の監修や、オンラインの健康相談に関わる人もいます。 看護師の経験を在宅の仕事にどう活かせるかを具体的に知りたい場合は、看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】が参考になります。 臨床の経験がどんな在宅の仕事につながるかを、仕事の種類ごとに整理しています。

また、療法士の立場で回復期から訪問リハビリへ働き方を広げる人もいます。 理学療法士・作業療法士の訪問リハビリ副業|高時給を狙う方法【2026年版】では、訪問リハビリの仕事の探し方と、病棟勤務との両立の考え方をまとめています。 回復期で患者さんの退院後の生活を見据えて働いた経験は、在宅の現場でそのまま活きる経験です。

仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、依頼する側は同じ予算で頼める範囲が広がり、引き受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。 運営者として見てきた限りでは、医療や介護の専門職ほど、この「双方が得をする関係」を丁寧に続けています。 本業の病棟で積んだ信頼の作り方が、そのまま仕事の関係づくりに活きているのだと感じます。

回復期リハビリ病棟の1日は、派手な処置や緊急対応の連続ではありません。 それでも、患者さんの生活の区切りごとに、判断と介助と調整が途切れなく続く1日です。 その流れを具体的にイメージできれば、自分に合う病棟かどうかは、求人票と見学でかなりの精度まで見極められます。

よくある質問

Q. 回復期リハビリ病棟の看護師の勤務時間は何時から何時までですか?

日勤は8時30分から17時30分前後が一般的です。夜勤は2交代制なら16時30分から翌朝9時前後、3交代制なら準夜勤と深夜勤に分かれます。夕食の介助が申し送りの直後に始まるため、日勤者が少し残って手伝う病院もあります。求人票の勤務時間に加え、夕方の業務の分担を面接で確認すると安心です。

Q. 回復期リハビリ病棟は急性期病棟より楽ですか?

急変対応や緊急入院は少なく、精神的な緊張は急性期より小さい傾向があります。一方で、移乗や排泄の介助、転倒の予防など身体を使う場面が多く、1日を通して動き続ける忙しさがあります。楽かどうかではなく、忙しさの種類が違うと考えるのが実態に近いです。

Q. 回復期リハビリ病棟で看護師が行う医療処置にはどんなものがありますか?

インスリン注射や血糖測定、胃ろうからの経管栄養、膀胱留置カテーテルの管理、褥瘡や創部の処置、服薬管理などがあります。急性期のような点滴や術後管理は少なめです。容体が悪化した場合は、急性期の病棟や病院へ転棟や転院をして治療することが一般的です。

Q. 回復期リハビリ病棟の1日の流れを見学で確かめるにはどうすればよいですか?

見学の時間帯は、9時前後のリハビリ送り出しか、11時30分前後の昼食の時間を希望するのがおすすめです。介助が集中する時間帯なので、人員が足りているか、スタッフ同士の連携がとれているかが分かりやすく表れます。受け持ち人数や入浴介助の分担も、その場で質問しておきましょう。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年7月13日最終更新:2026年9月16日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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