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手話の資格試験の種類と難しさ、手話を生かせる仕事の受け方

@SOHO編集部
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手話の資格試験の種類と難しさ、手話を生かせる仕事の受け方

この記事のポイント

  • ✓全国手話検定試験・手話技能検定・手話通訳士試験の3つが代表的です
  • ✓2026年度の日程と受験資格
  • ✓在宅で受けられる関連の仕事の探し方までを公式の案内で確かめて整理しました

手話の資格試験を調べ始めると、名前の似た試験がいくつも出てきて、どれを受ければよいのか迷います。先に結論を書くと、手話の資格試験は「手話でどれだけ会話できるかを測る検定」と「手話通訳の技能を認定する試験」の2つに分かれます。前者の代表が全国手話検定試験と手話技能検定、後者の代表が手話通訳士試験です。

学び始めたばかりの人が最初に受けるのは検定のほうで、手話通訳士試験はその何年も先の目標になります。この記事では、それぞれの試験の級と難しさ、2026年度の日程、勉強の進め方を整理し、最後に手話を生かせる仕事と、その受け方まで順に見ていきます。

手話の資格試験は3つを押さえれば迷わない

手話に関わる資格や試験は数多くありますが、全国規模で実施され、学ぶ人の目標として広く使われているのは次の3つです。とりあえずこの3つだけ覚えておけば、ほかの講座や認定の位置づけも判断できるようになります。

試験名 実施団体 何を測るか 級・区分
全国手話検定試験 社会福祉法人全国手話研修センター ろう者と手話でどの程度会話できるか 5級から1級までの6段階
手話技能検定 NPO手話技能検定協会 言語としての手話の技能 7級から1級までの7段階
手話通訳士試験(手話通訳技能認定試験) 社会福祉法人聴力障害者情報文化センター 手話通訳に必要な知識と技能 学科と実技の合否のみ

全国手話検定試験は、面接委員と手話で会話する試験が全級に入っているのが特徴です。知識を問うだけでなく、実際のやりとりができるかを見ます。

手話技能検定は、公式サイトで「手話通訳試験ではありません」と明記されている試験です。手話を学習した人が、どこまで手話の力を伸ばせたかを知るための試験で、7級の指文字から始まる細かい段階が用意されています。

手話通訳士試験は、厚生労働大臣の認定を受けた法人が実施する試験で、手話通訳を行う人の知識と技能を審査し、証明するものです。正式名は手話通訳技能認定試験といい、合格して登録した人が手話通訳士を名乗ります。2つの検定とは目的も難しさも大きく違います。

このほかに、市区町村や都道府県が開く手話の講座を修了した人が登録する「手話奉仕員」や「手話通訳者」という区分もあります。これは試験というより、地域の講座と登録の仕組みです。地域によって講座の期間や登録の条件が違うので、住んでいる自治体の障害福祉の窓口で確かめるのが確実です。

手話が求められる場面と、資格の社会的な位置づけ

手話の資格を取る前に、手話がどんな場面で必要とされているのかを押さえておくと、どの試験を目指すかが決めやすくなります。

聴力障害者情報文化センターの資格制度の説明では、厚生労働省の調査をもとに、聴覚・言語障害で身体障害者手帳を持つ人は34万1千人と紹介されています。そのコミュニケーションの手段として、手話や手話通訳、筆談や要約筆記が使われています。要約筆記とは、話の内容を要点に絞って文字で伝える方法のことです。

一方、手話通訳士として登録している人は、2026年4月1日現在で全国に4,378人です。都道府県ごとに見ると、大阪府や東京都のように数百人規模の地域がある一方で、数十人にとどまる県も少なくありません。手話で会話したい人の数に比べて、手話通訳ができる人の数はかなり少ないのが現状です。

近年は、手話を言語として位置づける手話言語条例を定める自治体が増えています。全国手話検定試験の2026年度の案内でも、手話言語条例の制定などで社会の状況が少しずつ変わりつつあることが紹介されています。役所の窓口、病院、図書館、金融機関、企業の接客の現場など、手話で応対できる人が求められる場面は広がっています。

ここで押さえておきたいのは、手話の検定に合格したからといって、それだけで仕事が決まるわけではないという点です。検定は「どれくらい手話ができるか」を示す物差しで、職業の免許ではありません。窓口や接客の仕事では、本業の力に手話ができるという強みが加わる形で評価されます。手話通訳を職業にしたい場合は、手話通訳士や、自治体に登録する手話通訳者を目指すことになります。

全国手話検定試験の級と、2026年度の日程

全国手話検定試験は、社会福祉法人全国手話研修センターが実施しています。会場試験は年1回秋に全国で行われ、インターネットで受ける試験も年1回あります。公式サイトでは、試験の目的を次のように説明しています。

この試験の目的は、『手話の知識だけではなく、面接委員と手話で会話をすることにより、ろう者と手話でどの程度コミュニケーションできるのか』を評価認定することです。 出典: kentei.com-sagano.com

級ごとの目安は次のとおりです。学習歴と単語数は、公式サイトに示されている目安です。

級 会話のレベル 学習歴の目安 基本単語の目安
5級 自己紹介を話題に会話できる 6か月 300から400語
4級 家族や日常生活の体験を話題に会話できる 1年 800から900語
3級 日常の生活や身近な社会生活の体験を話題に会話できる 1年半 1,200から1,400語
2級 社会生活全般を話題に平易な会話ができる 2年 約2,100語
準1級 社会生活の場面に加え、一部専門的な場面でも会話できる 2年半 約2,600語
1級 あらゆる場面を話題に、よどみなく会話できる 3年 約3,500語

試験の中身は、どの級にも読み取り試験と、手話での表現・会話試験があります。読み取り試験はマークシート形式で、単語や短文、上の級ではストーリーを手話で見て答えます。表現・会話試験では、テーマに沿って手話でスピーチをし、面接委員の手話の質問に手話で答えます。

2級以上には筆記試験が加わります。出題されるのは、聴覚障害者のコミュニケーション手段、耳の仕組み、聴覚障害者の暮らし、ろうあ者の歴史、関連する福祉制度、手話の基礎知識です。2級は四肢択一、準1級は穴埋め、1級は600から800字程度の小論文と、級が上がるほど書く力も問われます。

2026年度の第21回の会場試験は、5級と4級が10月10日、3級と2級が10月11日、準1級と1級が10月17日の予定で、申込期間は6月15日から7月24日まででした。会場は全国52か所に設けられていますが、会場によって実施する級が違います。結果は12月下旬に発表される予定です。インターネットで受ける試験は2027年2月に実施予定と案内されています。

申込みは個人なら、ウェブで入力してコンビニで支払う方法、コンビニの端末で申し込む方法、受験申込書を郵送する方法の3つから選べます。複数の級を併願できますが、準1級と1級の併願はできません。各会場には定員があり、定員に達すると締切日前でも受付が終わります。申込み後のキャンセルや変更はできず、受験料も返金されないので、日程を確かめてから申し込みましょう。受験料は級ごとに違うので、申し込む年度の案内で金額を確認してください。

手話技能検定の級と、受け方の選択肢

手話技能検定は、NPO手話技能検定協会が実施する試験です。7級から1級までの7段階に分かれていて、上の級の試験範囲には下の級の範囲も含まれます。

級 検定方法 単語数の目安 学習時間の目安 できることの目安
7級 筆記 指文字の五十音 1か月(8時間) 指文字の基本形を表し、読み取れる
6級 筆記 約100語 3か月(24時間) 簡単なあいさつ、濁音を含む指文字、千の位までの数字
5級 筆記 約200語 6か月(40時間) あいさつ、自己紹介、趣味について尋ねたり答えたりできる
4級 筆記 約500語 1年(80時間) 窓口での簡単な接客、日付や金額の表現ができる
3級 筆記 約1,000語 2年(160時間) 接客の会話や道案内、職場や学校での会話ができる
2級 実技 約2,000語 3年(240時間) 病院や学校など、業務上の具体的な会話が自由にできる
1級 実技 制限なし 3年(240時間)以上 あらゆる場面で高度な会話が自由にできる

指文字とは、五十音の1文字ずつを指の形で表す方法のことで、人名や地名のように決まった手話がない言葉を伝えるときに使います。7級はこの指文字だけを問う入門の級です。

受け方の幅が広いのも手話技能検定の特徴です。7級は自宅で受ける在宅試験で、いつでも受験できます。3級から6級は、年2回の会場試験のほか、自宅のパソコンやスマートフォンから受けるweb試験も選べます。1級と2級の実技は、出題された課題を自宅などで手話で表現して撮影し、その動画を送る形のインターネット試験です。

近くに会場がない人、仕事や子育てで週末の外出が難しい人でも挑戦しやすい仕組みになっています。一方で、自宅で受ける試験は通信環境や撮影の機材を自分で用意する必要があります。1級と2級の実技は、カメラの位置や明るさで手の形が見えにくくなると評価に響くので、本番前に一度、自分の表現を撮影して確かめておくと安心です。

手話技能検定は、5名以上のグループで申し込める制度や、学校や企業が任意の日程で受験できる制度もあります。手話サークルの仲間や、職場で手話の研修を受けている人がまとまって受けるときに便利です。

手話通訳士試験の受験資格と、2026年度の試験内容

手話通訳士試験は、正式には手話通訳技能認定試験といいます。厚生労働大臣の認定を受けた社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが実施しています。2026年度の第37回の案内は次のとおりです。

項目 2026年度(第37回)の内容
受験資格 20歳以上(2027年3月31日までに20歳になる人を含む)
学科試験 2026年7月26日。障害者福祉の基礎知識、聴覚障害者に関する基礎知識、手話通訳のあり方、国語の4科目
実技試験 2026年9月27日。聞取り通訳と読取り通訳の2科目(各2問)
試験地 埼玉、東京、大阪、福岡の4か所
受験手数料 22,000円(税込み)
申込期間 2026年4月21日から5月20日(当日消印有効)

聞取り通訳とは、音声で流れる話を手話に通訳する試験です。読取り通訳はその逆で、手話で表された内容を音声の日本語に通訳します。どちらも、ただ単語を置き換えるのではなく、意味を正確に、聞き手に伝わる言葉で表す力が求められます。

前の年度の学科試験で合格基準を満たした人は、申請すれば次の年度の学科試験が免除されます。学科には受かったが実技で落ちた、という人が翌年は実技に集中できる仕組みです。

受験資格は年齢だけで、手話の検定に合格していることは条件ではありません。ただし、実際に合格する人の多くは、地域の手話講座や手話通訳者の養成講座で長く学んできた人です。全国手話研修センターでも、手話通訳士試験の対策の研修が開かれています。

手話通訳士試験に合格したら、登録の手続きをして、はじめて手話通訳士として名乗れるようになります。登録者の名簿は都道府県別・政令指定都市別に公開されていて、本人が希望すれば掲載を控えることもできます。

合格率から見た難しさの違い

3つの試験の難しさを比べるときは、合格率の数字が手がかりになります。ただし、検定の合格率は年度や回によって動くので、目安として読むのが適切です。

手話通訳士試験は、公表されている結果があります。2026年1月に発表された第36回(2025年度)の結果は、受験者1,113人のうち合格者は125人で、合格率は11.2%でした。合格者の平均年齢は47.1歳で、50代が4割、40代が3割を占めています。長い年月をかけて学び続けた人が合格している試験だと分かります。

2つの検定の合格率については、通信講座を運営する会社のコラムが次のように整理しています。

全国手話検定試験の場合、合格率は5級が90%程度、4級・3級が85%程度、2級・準1級が55%程度、1級が70%程度といわれています。手話技能検定の場合、公表されている2024年の第60回の合格率は、6級が91.5%、5級は96.9%、4級は83.5%、3級は70.3%、2級は61.2%、1級は50.0%となっています。 出典: u-can.co.jp

数字から読み取れるのは、どちらの検定も下の級は学習を続けていれば合格しやすく、2級あたりから一気に壁が高くなるということです。全国手話検定試験の1級の合格率が2級より高く見えるのは、1級を受ける人がすでに長く学んでいて、受験者の層が絞られているためと考えられます。

難しさの感覚を料理にたとえると、検定の5級や4級は「レシピを見ながら1品作れる」段階、2級は「冷蔵庫の中身を見て献立を考えられる」段階、手話通訳士は「お客さんの好みをその場で聞いて、注文どおりに出せる」段階です。手話通訳士は、自分が話したいことを表すのではなく、他人の話を正確に別の言語に移すので、求められる力の種類が違います。

目的別に、どの試験から受けるか

試験を選ぶときは、手話を何に使いたいのかから逆算すると迷いません。代表的な3つのパターンに分けて整理します。

1つ目は、趣味や地域の交流で手話を使いたい人です。この場合は、全国手話検定試験の5級か、手話技能検定の6級あたりから始めるのが向いています。全国手話検定試験は面接で実際に会話するので、ろう者と話す練習の目標にしやすい試験です。会話より先に指文字と単語を固めたい人は、手話技能検定の7級や6級で基礎を確かめる方法もあります。

2つ目は、接客や窓口の仕事で手話を生かしたい人です。この場合は、日常会話ができる3級から2級を目標にすると、職場で手話ができることを示しやすくなります。手話技能検定の4級は「窓口での簡単な接客や金額の表現」、3級は「接客の会話や道案内」が目安とされているので、仕事で使う場面と照らして目標の級を決められます。

3つ目は、手話通訳を仕事にしたい人です。この場合の最終目標は手話通訳士試験か、自治体に登録する手話通訳者です。いきなり手話通訳士試験を受けるのではなく、地域の手話奉仕員の講座、手話通訳者の養成講座と段階を踏み、その途中で検定の2級や準1級を受けて、自分の力を確かめていく流れが現実的です。

このほか、家族や職場の同僚にろう者がいて、身近な人と話すために手話を学ぶ人もいます。この場合は、試験の級よりも、相手がふだん使っている手話に合わせることが大切です。手話には地域や世代による違いもあるので、検定の教材で基本を固めつつ、相手から直接教わる時間を持つと、会話が早く通じるようになります。検定は、学んだことを確かめる区切りとして使うとよいでしょう。

どのパターンでも、検定を受ける意味は「自分の今の位置を知ること」にあります。手話は独学だけでは上達の手ごたえがつかみにくく、試験という締め切りがあると学習の計画を立てやすくなります。

合格までの勉強の進め方

手話の勉強は、覚えることが多く見えて挫折しやすい分野です。最初に覚えることは3つに絞れます。指文字の五十音、数字の表し方、自己紹介に使う単語と文です。この3つができれば、全国手話検定試験の5級や手話技能検定の6級の範囲は見えてきます。

おすすめの進め方を、レシピのような手順で整理します。

  1. 指文字の五十音を、1日10文字ずつ覚える。毎日鏡の前で表し、読み取りは動画で確かめる
  2. 1から千の位までの数字と、日付、時刻、金額の表し方を覚える
  3. 自己紹介(名前、家族、趣味、仕事、住所)を手話で言えるように、文の形で練習する
  4. 地域の手話講座やサークルに参加し、ろう者と実際に話す機会をつくる
  5. 受ける級の試験範囲や基本単語の一覧を手に入れ、知らない単語に印をつけて潰していく
  6. 試験の1か月前からは、自分の手話を撮影して、手の形や表情を見直す

手話は手の動きだけでなく、表情や顔の向き、うなずきも意味を持つ言語です。単語を覚えたつもりでも、撮影した自分の映像を見返すと、表情が硬くて疑問文に見えない、といった癖が見つかります。動画を撮って見返す作業は、映像の編集でカットの間合いを確かめる作業とよく似ていて、一度やると上達の速さが変わります。

手話を学び始めた人からよく聞くのは、単語帳で覚えた単語が、実際の会話では読み取れなかったという話です。教材の手話はゆっくりはっきり表されていますが、日常の会話は速く、単語と単語がつながって見えます。読み取りの力は、実際の会話や会話の動画にたくさん触れることでしか伸びません。

全国手話研修センターは、試験の学習用にウェブで学べる教材や、受験者向けの学習セミナーも案内しています。手話技能検定協会は試験範囲集を公開しています。まずは受ける試験の公式の資料から手をつけると、教材を選ぶ手間が省けます。

学習にかかる期間の見通しも立てておきましょう。公式の目安を並べると、全国手話検定試験の5級は学習歴6か月、2級は2年、1級は3年です。手話技能検定は、5級が6か月で40時間、3級が2年で160時間、2級が3年で240時間とされています。週に1回、2時間の講座に通うと、1年で80時間前後になる計算です。つまり、講座のペースで学ぶと、日常会話の目安となる3級や2級までは2年から3年かかると見ておくのが現実的です。

手話通訳士試験はさらにその先にあり、合格者の平均年齢が47歳を超えていることからも、数年単位の積み重ねが前提の試験だと分かります。焦って上の級を受けるより、1年に1つずつ級を上げていく計画のほうが、手ごたえを感じながら続けられます。

2級以上を目指す段階になったら、筆記試験の対策も必要です。全国手話検定試験の2級以上では、聴覚障害者の暮らしや歴史、福祉制度の知識も問われます。手話通訳士試験の学科では国語も出題されます。手話の技能だけでなく、日本語で正確に書き、読み取る力も求められるので、文章の練習も並行して進めておくと役に立ちます。

申込みから当日までに準備しておくこと

試験に向けた準備は、申込みの前から始まっています。全国手話検定試験を例に、申込みから当日までの流れを順に確かめておきましょう。

まず、申込みの前に、受けたい会場で希望の級が実施されるかを確かめます。2026年度の案内では、全国52会場のうち1級まで受けられる会場と、2級や3級までの会場が分かれていました。住んでいる県の会場で上の級が実施されない場合は、隣の県の会場を選ぶ必要があります。

次に、配慮が必要な人は申込みの時点で申請します。全国手話検定試験では、車椅子での受験、前の席の希望、難聴者向けの説明資料などの配慮を受けられます。2026年度の申請の期限は7月24日で、申込みの締切日と同じでした。締切を過ぎると対応してもらえないことがあるので、申込みと同時に済ませるのが確実です。

申し込むと、9月下旬に会場の詳細が書かれた受験票のはがきが届きます。届いたら、会場までの経路と所要時間を調べておきましょう。級によって試験の開始時刻が午前と午後に分かれているので、自分の級の時刻を受験票で確かめます。

当日は、面接での表現・会話試験の内容が、採点のためにビデオカメラで撮影されます。カメラの前で手話をすることに慣れていないと、緊張で手が小さくなったり、表情が硬くなったりします。家で練習するときから、スマートフォンで自分を撮影する習慣をつけておくと、本番の撮影にも落ち着いて臨めます。

服装にも気を配りましょう。手話は手の形と動きを見せる言語なので、手元が見えやすい無地の服を選ぶと、面接委員が読み取りやすくなります。柄の多い服や、手首にじゃらじゃらと音の出る飾りは避けるのが無難です。

自然災害や感染症の流行状況によっては、会場ごとに試験が中止されることがあり、原則として再実施は行われないと案内されています。台風の時期と重なるので、前日には公式サイトで実施の案内を確かめておきましょう。

手話技能検定のweb試験やインターネット試験を選んだ場合は、当日までに通信環境と機材を確かめておくことが準備の中心になります。1級と2級の実技では、自分の表現を撮影したデータを試験日に送るので、撮影の明るさ、背景、カメラの高さを前もって試しておくと、当日に慌てずに済みます。

手話を生かせる仕事と、その受け方

手話の資格を取ったあと、手話を生かせる仕事にはいくつかの形があります。働き方ごとに整理します。

1つ目は、手話通訳の仕事です。自治体が設置する手話通訳者として役所の窓口で通訳する仕事や、聴覚障害者の求めに応じて病院や学校、会議に出向く派遣の通訳があります。派遣の通訳は、自治体や聴覚障害者情報提供施設などに登録して依頼を受ける形が一般的です。通訳の謝礼や報酬の額は地域や依頼元によって違うので、登録する先の規程で確かめてください。

2つ目は、手話ができることを強みにする仕事です。福祉施設の職員、病院や役所の窓口、銀行や商業施設の接客、ろう学校の支援員などで、手話で応対できる人が歓迎されることがあります。ここでは手話の力そのものより、その職場の本来の仕事ができることが前提になります。

3つ目は、映像や文字を通して聴覚障害者に情報を届ける仕事です。手話付きの動画の制作、動画への字幕づけ、講演や会議の文字起こし、要約筆記などがこれに当たります。このうち字幕づけや文字起こし、動画の編集は在宅でも受けやすい仕事です。手話ができる人が字幕を作ると、話の区切りや言い回しを聴覚障害者の目線で整えられるので、制作の質に差が出ます。

4つ目は、手話を教える仕事です。手話サークルの講師、企業向けの研修、オンラインの手話講座などがあります。教える立場になるには、検定の上の級や通訳の経験に加えて、ろう者の講師と組んで教える場合が多いことも知っておくとよいでしょう。

在宅で受ける字幕や文字起こしの仕事は、仕事の受け方がほかの在宅ワークと同じです。過去に作った字幕つきの動画や文字起こしの見本をまとめておき、応募のときに見せられるようにしておくと、依頼する側が判断しやすくなります。自分の作った物の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、見本の選び方や並べ方を具体的に解説しています。文字を扱う在宅の仕事の単価をどう上げていくかは、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が参考になります。

手話の仕事を受ける前に知っておきたい注意点

手話を生かして仕事を受けるときに、事前に知っておきたい点があります。

1つ目は、通訳で知った内容を外に漏らさないことです。手話通訳は、病院の診察や役所の相談、裁判、家族の話し合いなど、個人の事情に深く関わる場面に立ち会います。通訳した内容をSNSに書いたり、知人に話したりしないことは、通訳に関わる人の基本です。字幕や文字起こしの仕事でも、依頼元から秘密を守る約束を求められることがあります。

2つ目は、自分の力に合った依頼だけを受けることです。手話通訳は、聞き間違いや訳し間違いが、医療や契約の判断に直接影響します。検定の級を持っていても、専門用語の多い場面の通訳は別の力が要ります。自信のない場面は断る、または経験のある通訳者と組むという判断も、仕事を続けるうえで大切です。

3つ目は、体への負担です。手話通訳は腕や肩、首を長時間使う仕事で、無理を続けると痛みが出ることがあります。長い会議の通訳は複数の通訳者で交代しながら行うのが一般的です。自分の体調を把握し、休憩を取れる体制かどうかを依頼の段階で確かめておきましょう。

4つ目は、職場での手話の使い方です。窓口や接客で手話を使う場合、相手が手話を第一の言語としているとは限りません。中途で聞こえにくくなった人や難聴の人には、筆談や文字の表示のほうが伝わりやすいこともあります。手話ができることを押しつけず、相手に合わせて伝え方を選べる人が、現場では頼りにされます。

5つ目は、学び続ける時間の確保です。手話は言語なので、使わない期間が長くなると読み取りの力が落ちます。資格を取ったあとも、サークルや研修で手話に触れる時間を持ち続けることが、仕事の質を保つことにつながります。

運営者の視点:手話の力が仕事につながる人の共通点

フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、手話のように「それだけで仕事が決まるわけではない技能」を仕事につなげている人には共通点があります。手話を、自分の本業や得意分野と組み合わせて見せていることです。動画の編集ができる人が手話付きの動画を作れる、文章が書ける人が聴覚障害者向けの分かりやすい案内文を作れる、といった組み合わせは、依頼する側から見て頼みやすい形になります。

長く続いている人ほど、依頼する側が困っている点を先回りして解決する関係づくりに時間を使っています。たとえば字幕の仕事で、聞き取れなかった箇所を推測で埋めずに印をつけて確認する、手話の監修が要る箇所を一言添える、といった小さな配慮です。こうした積み重ねが「この人に任せると楽」という信頼になり、次の依頼につながります。

もう1つ見えてくるのは、中間の手数料が乗らない直接の取引の強みです。仲介の手数料がかからない手数料0%の取引であれば、依頼する側は同じ予算で頼める量が増え、受ける側は手元に残る金額が厚くなります。手話や字幕のように専門性があり、相手との信頼が大切な仕事ほど、直接のやりとりで関係を続けやすい形が双方の得になります。

手話を生かす仕事は、福祉の現場だけにとどまりません。福祉の事業所で働く人がスキルアップのための研修を受ける場合、事業所が国の助成金を使える場合があります。その仕組みは福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で解説しています。手話通訳士試験の学科では国語も出題され、案内文や記録を正確に書く力が問われます。文章の力を客観的に示したい人は、ビジネス文書検定で試験の内容と仕事での使い方を整理しています。手話付きの動画や字幕の制作を仕事にしたい人は、映像や画像を扱う職種の報酬の目安をデザイナーの年収・単価相場で確認しておくと、見積もりを出すときの参考になります。

よくある質問

Q. 手話の資格試験は、まずどれを受ければよいですか?

学び始めたばかりなら、全国手話検定試験の5級か、手話技能検定の6級や7級から始めるのが一般的です。全国手話検定試験は面接で実際に手話で会話するので、ろう者と話す練習の目標にしやすい試験です。指文字や単語を先に固めたい人は手話技能検定の下の級が向いています。手話通訳を仕事にしたい場合も、検定で段階を踏んでから手話通訳士試験を目指す流れが現実的です。

Q. 手話通訳士試験はどれくらい難しいですか?

2026年1月に発表された第36回の結果では、受験者1,113人のうち合格者は125人で、合格率は11.2%でした。合格者の平均年齢は47.1歳で、長く学び続けた人が合格している試験です。学科は障害者福祉や国語など4科目、実技は聞取り通訳と読取り通訳の2科目で、手話で会話できる力に加えて、正確に通訳する力が求められます。

Q. 手話の検定は自宅で受けられますか?

受けられる試験があります。手話技能検定は、7級が自宅で受ける在宅試験、3級から6級はパソコンやスマートフォンで受けるweb試験、1級と2級は自分の表現を撮影して送るインターネット試験を選べます。全国手話検定試験もインターネットで受ける試験が年1回あり、2026年度分は2027年2月の実施予定と案内されています。通信環境や機材は自分で用意します。

Q. 手話の資格を持っていると在宅でどんな仕事ができますか?

在宅で受けやすいのは、動画への字幕づけ、講演や会議の文字起こし、手話付きの動画の編集などです。手話ができる人が字幕を作ると、話の区切りや言い回しを聴覚障害者の目線で整えられます。報酬は依頼元や地域で違うので、登録先や依頼元の条件を確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月28日最終更新:2026年10月12日
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