絵を副業にする|描いたものを仕事に変えるまでの道すじ

中西 直美
中西 直美
絵を副業にする|描いたものを仕事に変えるまでの道すじ

この記事のポイント

  • 絵副業を考えたときに迷うのは
  • どの入口から入るかです
  • 教える仕事という4つの道すじの違い

「絵を描くのは好きなんですが、これでお金をもらえる気がしないんです」。このご相談、本当に多いんです。技術の話ではありません。描いたものに値段をつけて人に渡すという行為が、想像以上に怖いのです。

大丈夫ですよ。怖いのは当たり前です。自分の手から出たものを評価の場に置くのですから、心が身構えるのは自然な反応です。この記事では、その身構えを解くために、絵を仕事に変える道すじを整理していきます。入口は1つではありません。自分の性格と生活に合う入口を選べば、思っているよりずっと静かに始められます。

「絵副業」と検索する人が、本当に聞きたいこと

ご相談を聞いていると、質問の形は違っても、知りたいことはほぼ3つに絞られます。

1つ目は「自分の絵のレベルで仕事になるのか」。2つ目は「どこから依頼が来るのか」。3つ目は「いくらもらえるのか」です。

順番に答えます。1つ目については、上手さの絶対的な基準はありません。求められるのは「用途に合っているか」です。子ども向けの教材に必要な絵と、飲食店のメニューに必要な絵と、ゲームの背景に必要な絵は、まったく別の技術です。だから「まだ下手だから」という理由で止まる必要はありません。自分の絵がどの用途に合うかを探すほうが、はるかに近道です。

2つ目については、依頼の来る経路はいくつもあります。仕事を募集している場所に応募する、作品を公開しておいて声をかけてもらう、知人からの紹介、素材として販売しておいて買ってもらう。どれも実際に成立している経路です。

3つ目の金額については、後半でくわしく書きます。先に伝えておくと、絵の仕事の報酬は用途と権利の範囲で大きく変わります。同じ1枚でも、個人が趣味で使うのか、企業が広告に使うのかで桁が変わります。ここを知らないまま安い価格で受けてしまう方が多いのです。

未経験から始めやすい領域であることは、複数の解説でも指摘されています。

実はイラストレーターの副業は、在宅でできる副業の中でも特にニーズが高く、初心者・未経験者でも始めやすいジャンルのひとつです。 出典: alc.co.jp

始めやすいというのは、参入の手続きが軽いという意味です。開業の届出をしなくても受注はできますし、道具も手元にあるものから始められます。ただし始めやすい領域には人が集まるので、続ける工夫は別に必要になります。そこも順番に見ていきましょう。

絵を仕事に変える4つの道すじ

入口の違いを整理しておきます。性質がまったく違うので、自分に合うものを選んでください。

道すじ 収入の入り方 向いている人
受注制作 依頼ごとに報酬 やりとりが苦にならない人
素材やスタンプの販売 売れた分だけ継続的に 一人で黙々と作りたい人
グッズ化して販売 販売価格から原価を引いた分 自分の世界観を形にしたい人
教える、添削する 時間あたりの報酬 説明するのが好きな人

受注制作は、いちばん想像しやすい形です。似顔絵、アイコン、名刺やチラシの挿絵、書籍や記事の図解、キャラクターのデザインなど、用途は幅広くあります。収入が読みやすい反面、相手とのやりとりが必ず発生します。

素材やスタンプの販売は、作ってしまえば時間の拘束がありません。1点あたりの単価は低いのですが、積み上がっていく性質があります。ただし最初の数か月は反応がほとんどないので、そこで折れないことが条件になります。

グッズ化は、絵をモノに載せる形です。注文が入ってから印刷する仕組みを使えば在庫を持たずに始められます。原価と販売価格の差が利益になるので、計算が分かりやすいのが利点です。

教える仕事は、意外と見落とされています。描き方の説明、添削、オンラインでの講座。自分より少し後ろにいる人に向けて話せる内容があれば成立します。時間あたりの報酬が安定しやすいのも特徴です。

実際に長く続けている方の記録を見ると、複数の道すじを並行させていることが多いです。

今日の目次です。🔽🔽🔽======================================1️⃣イラストの副業についての考え2️⃣実際にどういうことをしてどれくらいの利益だったか (2005年~2025年)3️⃣その副業はどういうルートから依頼が来たか4️⃣自分としてのイラスト依頼についての考察5️⃣今後のビジョン====================================== 出典: note.com

依頼の来るルートを複数持っておくと、1つが止まったときに収入がゼロになりません。これは心の安定にも直結します。

積み上げ型の道すじを、もう少しくわしく

受注制作は解説が多いので、ここでは積み上げ型のほうを補っておきます。反応が出るまで時間がかかる代わりに、動き出したあとが楽な形です。

素材の販売は、探されている用途から逆に考えるのがコツです。自分が描きたいものではなく、必要とされている場面を想像します。季節の行事、ビジネスの資料で使う人の図、医療や介護の場面、食べ物、動物。こうした地味な題材のほうが、長く売れ続けます。1点ずつ思いつきで描くのではなく、同じ主題を色や向きを変えて10点の組にして出す。組になっていると、1つが見つかったときに他も見てもらえます。

グッズ化は、注文が入ってから作る仕組みを選べば在庫を持たずに始められます。最初に確かめてほしいのは、印刷に必要な画像の条件です。解像度、色の指定、塗り足しの幅。ここを満たしていないと、せっかく描いた絵が仕上がりでぼやけます。1点だけ自分用に注文してみて、実物を見てから販売を始めるのが確実です。

教える仕事は、いちばん始めやすいのに見落とされています。必要なのは、自分がつまずいた場所を覚えていることです。今つまずいている人にとって、その情報には価値があります。上級者向けの内容でなくていい。「線が安定しない時期に何をしたか」だけでも、聞きたい人がいます。

この3つは、どれも最初の数か月は静かです。私が見てきた限り、ここで折れる方がとても多い。だから期間を決めてください。反応を見るのは6か月、判断するのはそのあと。先に期間を決めておけば、静かな月に落ち込まずに済みます。

どの道すじから入るか、決め方

選び方の基準は、上手さではありません。自分の生活のどこに時間があるか、そして人とのやりとりがどれだけ苦にならないかです。

やりとりが苦しい方は、受注制作から入らないほうがいいです。修正のお願いを受けるたびに気持ちが削られて、描くことそのものが嫌になってしまいます。そういう方は、素材の販売や、グッズ化から入ってください。相手の顔が見えない形のほうが、続きます。

逆に、一人で黙々と作ると気持ちが沈む方もいます。人の反応がないと張り合いがない。そういう方は受注制作か教える仕事が向いています。相手がいることが、続ける力になるタイプです。

時間の形も見てください。まとまった時間が取れないなら、納期に幅のある仕事を選ぶ。夜しか動けないなら、同時のやりとりが必要な仕事は避ける。これは能力の問題ではなく、生活との相性の問題です。

決めたら、最初の3か月は変えないでください。入口を変え続けると、どの道も浅いままで終わります。3か月やって反応を見て、それから判断する。これで十分です。

環境面も整えておくと楽になります。在宅で作業する時間が増えると、通信環境の差が作業の詰まりに直結します。回線の選び方については在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に判断の基準がまとまっているので、データの受け渡しが多くなる前に一度見ておくといいです。

依頼を受ける準備。3つだけ揃えれば動けます

準備を完璧にしようとすると、永遠に始まりません。揃えるのは3つだけです。

1つ目は、見せられる絵をまとめた場所です。10点あれば十分です。大事なのは点数ではなく、「同じ人が描いた」と分かることです。系統がばらばらだと、依頼する側は「自分の欲しいものが出てくるか」を判断できません。得意な系統を選んで並べてください。

2つ目は、料金の目安です。金額を出すのが怖くて「応相談」にする方が多いのですが、これは逆効果です。相手は聞きにくくなり、問い合わせそのものが減ります。用途ごとに幅で書いてください。「個人利用のアイコン、5,000円から1万5,000円」のような形です。幅があること自体は失礼ではありません。

3つ目は、受ける条件を書いた文章です。修正の回数、納期の目安、権利の扱い、受けられない内容。この4項目を短く書いておく。これがあるだけで、後の揉めごとがほとんど消えます。

条件を書くのは、相手を疑うためではありません。お互いが安心して進めるための土台です。2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、発注者の側にも業務内容や報酬額、支払期日を明示する義務があります。報酬の支払期日は、給付を受領した日から60日以内に設定しなければなりません。つまり、条件を文字にして確認し合うことは、今は法律が前提としている進め方なのです。制度の詳細は公正取引委員会の案内で確認できます。

問い合わせへの返信の型も作っておくと、心の消耗が減ります。書類や連絡文の型を体系的に押さえたい方にはビジネス文書検定の出題範囲が実用的です。絵の仕事でも、見積書や請求書の形は必要になります。

単価の考え方。時間で割って確かめる

料金を決めるとき、いちばん確実な方法は、時間で割って確かめることです。

たとえばアイコン1点を8,000円で受けるとします。ラフから完成まで4時間、やりとりと修正で1時間、請求の処理で30分かかったら、合計は5.5時間です。時間あたりでは約1,450円。この数字を出しておくと、次に同じような依頼が来たときの判断が早くなります。

ここで重要なのが、描く時間だけを数えないことです。やりとり、修正、確認待ちの中断、請求の処理。これらは全部あなたの時間です。数えないままだと、「安く受けすぎている」ことに気づけません。

価格が変わる要素も知っておいてください。同じ1枚でも、次の条件で報酬は変わります。

  • 使う範囲(個人の趣味か、商用か、広告か)
  • 使う期間(期間の制限があるか、無期限か)
  • 独占するか(他の人に同じ絵を使わせないか)
  • 修正の回数(何回まで含むか)
  • 権利を譲るか(利用を許すだけか、権利そのものを渡すか)

権利の扱いは特に慎重に決めてください。「著作権を譲渡する」と「使ってよいと許可する」はまったく違います。譲渡してしまうと、自分の作品集に載せることすらできなくなる場合があります。迷ったら、譲渡ではなく利用の許諾にして、範囲を書く。これが基本の形です。

なお、企業から個人へ支払われるイラストの報酬は、源泉徴収の対象になる区分に該当することがあります。その場合、報酬から10.21%が差し引かれて振り込まれます。引かれた分は確定申告で精算されるので損をするわけではありませんが、入金額が見積りと違って驚く方が多いので、先に知っておいてください。

値上げの仕方についても書いておきます。既に受けている相手に対して急に倍にするのは、関係が壊れやすい進め方です。そうではなく、新しく来た依頼から新しい価格を使う。そして今の相手には、次の依頼のときに「今期から料金表を改めました」と伝える。この順番にすると、断られても関係は残ります。値上げは、実績が増えたら定期的にやるものだと考えてください。年に1回見直す習慣にしておけば、上げるための特別な勇気は要りません。

依頼が来るまでにやっておくと効くこと

作品を置いておくだけでは、なかなか声はかかりません。かからない理由は、作品の質ではなく、探している人の目に入っていないことです。ここを埋める方法を挙げます。

1つ目は、用途を言葉にして添えることです。「アイコン向け」「記事の挿絵向け」「子ども向け教材の挿絵」のように、どんな場面で使える絵なのかを書き添える。探している人は、絵柄ではなく用途で探しています。言葉が付いていない作品は、探している人に見つけてもらえません。

2つ目は、制作の過程を見せることです。ラフ、線、色の段階を並べて出すと、依頼する側は「この人に頼むとこういう進み方をするのか」を想像できます。完成品だけを並べるより、仕事として頼みやすくなります。

3つ目は、応募のときに提出するものを固定しておくことです。募集に応募するたびに文章を書き直していると、消耗します。自己紹介、得意な系統、対応できる納期、料金の目安、作品を見られる場所。この5点をまとめた文章を1つ用意して、案件ごとに1段落だけ差し替える。この形なら、応募のたびに疲れません。

4つ目は、断る基準を先に決めておくことです。受けられない内容、安すぎる価格、無理な納期。これを先に決めておくと、断るときに悩まなくなります。断ることは失礼ではありません。受けたのに納品できない方が、はるかに迷惑になります。

5つ目は、返信の速さです。これはいちばん地味ですが、いちばん効きます。依頼する側は複数の人に声をかけていることが多く、最初に返事をした人に決まる場面が実際にあります。1日以内に一次返信を返す、という基準だけ持っておいてください。詳しい返答は後日でよく、「受け取りました、明日までに条件をお返しします」の一文で十分です。

著作権と商用利用の注意点

ここは、知らないままで進むと本当に困る部分です。ゆっくり読んでください。

まず、既存のキャラクターを描いたものを販売するのは、原則として権利者の許諾が必要です。二次創作が黙認されている場面があるのは事実ですが、黙認は許諾ではありません。販売という形にした瞬間に、扱いは変わります。副業として安定させたいなら、自分の絵柄で自分のモチーフを描くほうが確実に安全です。

次に、写真をもとに描く場合です。他人が撮影した写真をそのまま写すと、写真の著作権に触れる可能性があります。人物が写っている場合は、肖像の問題も加わります。参考にするなら、自分で撮った写真か、利用条件が明示された素材を使ってください。

生成の道具を使う場合も、扱う条件を確認してください。使う道具の利用規約によって、生成したものの扱いや商用利用の可否は違います。納品先が生成の道具の使用を禁じている場合もあります。使ったかどうかは、聞かれたら正直に答える。ここで隠すと、信用の問題になります。

そして、納品したあとの使い方についても、範囲を書いておいてください。「ウェブサイトのトップに1年間」と決めておけば、後から広告に使われたときに話ができます。範囲を決めていないと、どこまで許したのかが誰にも分からなくなります。

納品したデータの扱いも決めておきましょう。完成した画像だけを渡すのか、編集できる元のデータまで渡すのか。元のデータを渡すと、相手が自由に加工できるようになります。それを想定していない場合は、渡す範囲を先に書いてください。「納品は書き出した画像のみ」と一行あれば足ります。後から元のデータを求められたときに、追加の費用で応じるという形も取れます。

もうひとつ、クレジットの表示についても触れておきます。作品を公開してよいか、名前を出してよいかは、依頼する側の都合で変わります。企業の案件では、公開の可否や時期に制約が付くことが普通です。作品集に載せたいなら、受ける段階で「完成後に自分の作品として公開してよいか」を聞いてください。断られることもありますが、聞かずに公開してしまうより、はるかに安全です。

権利の話は難しく感じますが、覚えることは実は少ないのです。自分の絵は自分のもの、他人のものは許可が必要、渡す範囲は文字にする。この3つだけです。

※契約書の内容に不安があるケースや、既に使われ方で揉めているケースでは、弁護士など専門家に相談してください。

描き続けるための時間と、心の守り方

技術よりも、続けられるかどうかで結果が決まります。ここは私がいちばんお伝えしたいところです。

まず時間です。「空いた時間で描く」という決め方では、続きません。空いた時間は、疲れている時間です。そうではなく、週のどこに描く時間を置くかを先に決めてください。平日の夜1時間と、土曜の午前2時間。この程度でも、決まっていれば積み上がります。

集中が続かないときは、環境の問題であることが多いです。作業を区切る方法については在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに具体的な手段が並んでいます。自分に合う区切り方を1つ見つけるだけで、進む量が変わります。

次に心のほうです。絵の仕事には、評価が直接返ってくるという特徴があります。修正の依頼は、作品への否定ではなく用途との調整なのですが、そう受け取れない日があります。そういう日は、修正の内容を「好みの話」と「用途の話」に分けてみてください。用途の話なら直す。好みの話なら、どこまで合わせるかを相談する。この線を引くだけで、受け止め方がずいぶん変わります。

もうひとつ。副業として描くことの手応えについて、率直に書かれた記録があります。

今は本職でも絵を描いていますが、それでもずっと継続して副業でも描いているので、やっぱりどっちの立場で描くのも好きです♪(会社で描くのは、組織の一員として描く感じ。家で副業で描くのは、自分一人が責任を持って描く感じ。僕はそのどちらもが好きです♪) 出典: note.com

自分一人で責任を持って描く感覚は、副業ならではのものです。しんどさもありますが、これが力になる方も多い。自分がどちらのタイプかを知っておくと、無理のない続け方が見つかります。

そして、描けない時期があっても構いません。描けない自分を責めると、戻るのに時間がかかります。手を止めた週があっても、次の週に鉛筆を持てばいい。あなたは一人ではありませんし、これは競争ではありません。

税金と、始める前に決めておくこと

お金の話も、怖がらずに押さえておきましょう。線は2本です。

給与を受けている方は、副業の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。給与がない方は、所得が48万円を超えると申告が必要になります。所得は売上ではなく、売上から経費を引いた残りです。液晶タブレットの購入費、ソフトの利用料、資料として買った書籍などは経費になり得ます。

注意点として、所得税の20万円の特例は住民税には当てはまりません。20万円以下でも住民税の申告は原則必要です。様式と提出方法は国税庁の案内で確認してください。

記録の付け方も簡単にしておきます。売上の入った日と金額、経費の日付と内容を1つの表に書くだけです。月に1回30分で終わる形にしておかないと、必ず溜まります。

会社に勤めている方は、就業規則も確かめてください。副業を禁じる法律はありませんが、勤め先の規則で許可制や届出制になっている場合があります。確かめる場所は、服務規律と懲戒の項目です。

技術を広げたい方向けに、資格の使い方についても触れておきます。絵に直結する資格は多くありませんが、周辺の知識を証明する手段としては使えます。在宅の仕事で評価されやすい資格の一覧は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるにまとまっています。絵の仕事に資格は必須ではないので、必要になったときに見ればいい情報です。

運営者として見てきたこと

在宅の仕事を20年見てきた立場から言えば、絵で長く続いている方には、共通した特徴があります。うまい人ではなく、締め切りを守る人が残るのです。

これは冷たい話ではありません。依頼する側にとって、絵の良さは選ぶ理由であって、続ける理由ではないのです。続ける理由は、「頼むと計画どおりに進む」という安心感です。ラフの段階で一度見せる、遅れそうなら早めに知らせる、修正の範囲を先に確認する。この3つができる方には、次の依頼が来ます。

もうひとつ、額面と手取りの話です。仲介の手数料が乗る形では、報酬の一部が中間で差し引かれます。同じ2万円の仕事でも、20%の手数料が乗れば手元に残るのは1万6,000円です。手数料0%の直接のやりとりになれば、依頼する側は同じ予算でもう少し多く頼めるようになり、受ける側の手取りは厚くなります。金額を釣り上げる話ではなく、同じ仕事で双方が少し得をする構造の話です。運営者として見てきた限りでは、長く活動している方は、募集の場で実績を作ったあと、繰り返し依頼をくれる相手とのやりとりを直接の形に移しています。

最後に、収入の柱についての観察です。絵だけで生活を組み立てようとすると、体調を崩した月に収入がゼロになります。だから、描く仕事と、描かない仕事を1つずつ持っている方が安定しています。説明する仕事、資料を整える仕事、企画を考える仕事。絵を描く人は、ものごとを目に見える形にする力を持っているので、こういう領域でも評価されます。業務の進め方を人に伝える仕事の中身はAIコンサル・業務活用支援のお仕事に整理されているので、視野を広げる材料として見てみてください。

描いたものを仕事に変える道すじは、1つではありません。今日決めるのは、4つのうちどこから入るかだけです。それだけ決まれば、次の一歩は自然に見えてきます。

よくある質問

Q. 絵の副業は、どのくらいの画力があれば始められますか?

絶対的な基準はありません。求められるのは上手さよりも用途との相性です。子ども向けの教材、飲食店のメニュー、記事の図解など、必要とされる絵柄はまったく違います。見せられる作品が10点ほど揃い、系統が揃っていれば、応募や出品は始められます。得意な系統に絞って並べるのが近道です。

Q. 料金はどう決めればいいですか?

用途、使う期間、独占するかどうか、修正の回数、権利を譲るかどうかで変わります。まず1点を仕上げてみて、描く時間だけでなくやりとりや修正、請求の処理も含めた合計時間で報酬を割り、時間あたりの額を確かめてください。料金は「応相談」にせず、用途ごとに幅で提示したほうが問い合わせが増えます。

Q. 好きなキャラクターの絵を描いて売ってもいいですか?

原則として権利者の許諾が必要です。二次創作が黙認されている場面はありますが、黙認は許諾ではなく、販売という形にすると扱いが変わります。副業として安定させたいなら、自分の絵柄で自分のモチーフを描くほうが安全です。他人の写真をそのまま写す場合も、写真の著作権と肖像の問題が生じます。

Q. 確定申告は、いくら稼いだら必要ですか?

給与を受けている方は、副業の所得が年間20万円を超えたときに所得税の確定申告が必要です。給与がない方は所得48万円が目安です。所得は売上から機材費やソフトの利用料などの経費を引いた額です。20万円以下でも住民税の申告は原則必要なので、売上と経費を月ごとに記録しておくと後が楽になります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月31日最終更新:2026年9月21日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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