警備の仕事を副業にする|シフトの入れ方と体への負担を抑える工夫

中西 直美
中西 直美
警備の仕事を副業にする|シフトの入れ方と体への負担を抑える工夫

この記事のポイント

  • ✓警備員副業を考えている方へ
  • ✓始める前に必要な教育と法律の確認点
  • ✓無理のないシフトの組み方

「警備の仕事を副業にできますか」というご相談を、よくいただきます。答えは、できます。法律で禁じられている仕事ではありません。

ただ、ここで一緒に考えたいのは「できるか」ではなく「続けられるか」のほうです。警備は体を使う仕事で、夜勤も屋外もあります。勢いで始めて、1か月で体を壊してやめてしまう方を何人も見てきました。

大丈夫ですよ。負担を抑える方法はあります。この記事では、始める前の確認事項と、無理なくシフトを入れる考え方、そして体と心を守る工夫を順番にお話しします。

警備の仕事は副業にできます。まずそこを安心してください

副業を考えるとき、最初に気になるのが「法律的に大丈夫なのか」だと思います。ここははっきりしています。警備の仕事に関する法律の中に、他の仕事との掛け持ちを禁じる決まりはありません。

実務の情報を扱うサイトでも、同じ説明がされています。

以上、警備員のダブルワークについて解説してきました。警備業法においては、仕事の掛け持ちを禁止する決まりはありません。ただし、会社の確認は必要になるので、実際に副業をおこなう場合には必ず会社に承諾をとってください。 出典: securityguard-work.com

つまり、法律の壁はない。壁があるとしたら、それは勤務先の規則のほうです。

ここで多いのが、「就業規則を確認するのが怖い」というお気持ちです。聞いたら反対されるかもしれない、目をつけられるかもしれない。そう感じるのは自然なことです。

でも、隠して始めるほうが、あとで重い負担になります。副業の収入は住民税の計算に反映されるので、いずれ分かる可能性があります。そのときに「黙っていた」という事実が加わると、話がややこしくなる。

先に確認しておけば、それだけで肩の荷が半分おります。許可制なら申請を出す。禁止なら別の道を探す。どちらにしても、はっきりしたほうが気持ちは軽くなります。

「誰でも気軽に」ではありません。始める前に必要なこと

資格については、安心していただける部分があります。副業として警備の仕事に入るとき、事前に資格を取っておく必要はありません。

副業として警備を行うだけであれば、必ずしも資格は必要ありません。 多くの現場は、新任教育を受ければ未経験からでも勤務可能です。 出典: keibi-baito.com

ただし、現場に立つ前に受ける教育があります。これは法律で定められているもので、警備の基本と、担当する業務ごとの内容を学びます。時間数はおおむね20時間程度が目安ですが、会社や担当する業務によって変わるため、応募のときに「教育は何日で、その間の賃金は出るのか」を確認してください。

ここ、確認せずに入る方が多いところです。教育期間の扱いは会社によって違います。賃金が出る会社もありますし、出ない会社もあります。副業として使える時間が限られている方にとって、最初の数日をどう使うかは大事な情報です。

それから、警備の仕事には就けない条件が法律で定められています。年齢が18歳未満の方、一定の犯罪に関する経歴がある方、心身の状態によって業務を適正に行えない方などが対象です。健康面で不安がある場合は、隠さずに相談してください。隠して始めるほうが、現場で困ることになります。

もう1つ。この仕事は安全を預かる仕事です。だから、気軽さだけで選ぶと苦しくなります。

しかしその一方で、警備という仕事は安全性が最優先されるため、 「誰でも気軽に始めてOK」な仕事ではありません。 出典: keibi-baito.com

この指摘は、心の準備としても大切だと思います。立っているだけの仕事に見えても、判断を求められる場面があります。そこに緊張がある。その緊張が、疲労として残ります。

副業として選べる警備の種類。負担の重さがまったく違います

警備の仕事は、大きく4つの種類に分かれています。副業として選ぶなら、この違いを知っておくと負担を選べます。

1つ目は、建物の中で行う警備です。オフィスビル、商業施設、学校などで、出入りの管理や巡回、監視の業務にあたります。屋内なので天候に左右されません。座って監視する時間がある現場もあります。体への負担という点では、いちばん軽い選択肢です。

2つ目は、交通誘導や、人が集まる場所での警備です。工事現場の車の誘導、イベントでの案内。屋外での立ち仕事が中心になります。夏の暑さと冬の寒さが直接こたえる種類です。単発の募集が多く、日程の自由度は高い。

3つ目は、現金や貴重品を運ぶ警備です。体力と、緊張への耐性が求められます。副業としての募集は多くありません。

4つ目は、人の身辺を守る警備です。専門性が高く、未経験から副業として入る形はほとんどありません。

副業として現実的なのは、1つ目と2つ目です。そして、この2つは負担の質が違います。屋内の施設警備は、長い時間の拘束と夜勤の眠気がつらい。屋外の交通誘導は、立ち続けることと天候がつらい。

どちらがご自身に向いているかは、本業の働き方で決めるといいです。日中デスクに座っている方なら、屋外で体を動かす仕事が気分転換になることもあります。逆に、平日に立ち仕事をしている方が休日も立つと、足が回復しません。

こういうご相談、よくあります。「稼げる方を選んだら、体がもたなかった」という後悔です。単価の差は1日あたり2,000円程度のことが多い。その差のために体を壊すのは、割に合いません。

シフトの入れ方。週1回から始めてください

ここがいちばんお伝えしたいところです。

最初の1か月は、週に1回だけにしてください。物足りないと感じるかもしれません。でも、自分の回復のペースが分かるまでは、増やさないほうがいい。

人の体は、疲労が出るまでに時間差があります。働いた翌日は平気でも、3日後に下がってくることがあります。1か月続けてみて、本業に支障が出ていないことを確認してから、2回目を足す。この順番を守った方は、長く続いています。

次に、入れる曜日です。土曜より日曜のほうが負担が軽いと感じる方が多いのですが、これは人によります。日曜に働くと、月曜の本業に疲れが持ち越されます。土曜に働けば日曜が回復日になる。私がご相談を受けた中では、土曜に入れて日曜を空けておく形にした方のほうが、続いていました。

夜勤については、慎重に考えてほしいところです。時間帯によって割増賃金が付くので、収入としては効率がよく見えます。深夜の時間帯には25%以上の割増が付くと法律で定められています。

ただ、夜勤明けの体は、思っている以上に働いていません。判断力も、気分の安定も落ちます。本業が平日にある方が夜勤を入れると、週の後半まで影響が残ることがあります。

夜勤を選ぶなら、その翌日は何も入れない日にしてください。予定を入れない日を作る。それだけで、体の戻りが変わります。

単発の仕事から試すのも、いい方法です。1日だけの募集に入って、自分の体がどう反応するかを見る。合わなければ、そこで終われます。最初から長期のシフトに組み込まれると、抜けにくくなります。

1日の流れを具体的に見ておきましょう

初めての仕事は、流れが分からないことが不安の中身になります。だから、先に見ておきます。

施設の警備に入る日は、まず制服に着替えて、前の時間帯の担当者から引き継ぎを受けます。何が起きているか、注意する場所はどこか。ここを聞き逃すと後で困るので、メモを取る習慣をつけてください。

その後は、決められた時間ごとの巡回と、出入りの確認が中心になります。巡回は決まった経路を回るので、慣れれば体が覚えます。合間に記録をつけます。何もなかった日も「異常なし」と書きます。この記録が、後々あなたを守る書類になります。

交通誘導の現場は、動きが違います。朝に集合して、その日の作業内容と、車をどう流すかの打ち合わせをします。現場が始まったら、作業が終わるまで基本的に立ち続けます。休憩は作業の区切りで取ることが多い。

初めての方が驚くのは、待つ時間が長いことです。車が来ない時間、作業が止まっている時間。この「何もしていないのに気を抜けない」時間が、意外に疲れます。

だから、待つ時間の過ごし方を自分で決めておいてください。遠くを見る、足を小さく動かす、周囲の状況を確認し直す。何かしら体を動かす形にしておくと、集中が落ちにくくなります。

そして終わりの時間です。予定どおりに終わる日と、延びる日があります。副業として入るなら、終了時刻の後に予定を詰めないでください。延びたときに焦ると、それだけで疲れが増えます。

応募から初出勤までの流れと、確認しておくこと

応募のときに聞いておいたほうがいいことを、順番に挙げます。ここを聞くのは失礼ではありません。会社側も、続けてくれる人に来てほしいと思っています。

1つ目は、シフトの決め方です。希望を出す形なのか、割り振られる形なのか。副業として入るなら、希望を出せる会社のほうが確実です。何日前までに希望を出すのかも聞いてください。

2つ目は、現場の場所です。自宅から通える範囲かどうか。会社によっては、広い地域の現場に割り振られることがあります。移動時間は収入にならないので、ここは最初に条件として伝えておいてください。

3つ目は、制服と装備の扱いです。貸与か、自分で用意するのか。安全靴が必要な現場かどうか。初期の出費がどれくらいになるか分かります。

4つ目は、雨の日の扱いです。屋外の現場は中止になることがあります。中止のときに手当が出るのか、出ないのか。ここは会社によって差が大きい部分です。

5つ目は、教育期間の賃金です。前にも書きましたが、大事なので繰り返します。教育を受ける日の扱いを、応募の段階で確認してください。

初出勤の日は、いつもより早く家を出てください。場所が分からなくて焦る、という体験が最初の日に重なると、その後の気持ちに影響します。余裕を持って着いて、周囲を見ておく。それだけで落ち着けます。

持ち物は、水分と、軽く食べられるもの、そして小さなタオル。この3つがあれば大抵の現場でしのげます。

生活のリズムと、家族との時間をどう守るか

副業を始めると、いちばん削られるのが家族と過ごす時間です。ここを黙って削ると、あとで別の形の負担になります。

だから、始める前に家の中で話しておいてください。週にどの日を使うのか、いつまで続けるのか、何のために増やすのか。この3つを共有しておくと、家の中の空気が変わります。

こういうご相談があります。「副業を始めたら、家族の機嫌が悪くなった」という声です。多くの場合、原因はお金ではなく、事前に話がなかったことです。相談された側は、決定を押しつけられたと感じます。

逆に、目的を共有できていると、協力が得られます。休日に副業で出る日は家事を分担してもらう、副業の日の夕食は簡単にする。こうした調整は、話してさえいれば自然に決まります。

もう1つ、期限を決めることをおすすめします。半年続けてみて見直す、目標の金額に届いたら頻度を落とす。終わりが見えていると、家族も自分も踏ん張れます。期限のない負担は、長く感じます。

そして、休む日は必ず作ってください。本業と副業で7日が埋まる形は、どんなに体力がある方でも続きません。1週間のうち1日は、何も入れない。予定を空けておくのではなく、最初から入れない日として決めてしまうのがコツです。

見落としがちな「労働時間の通算」の話

ここは少し制度の話になりますが、知っておくと自分を守れます。

会社に雇われる形で2つの仕事をする場合、労働時間は合計で数えられます。これは労働基準法に定められた考え方で、勤め先が違っても通算されます。

つまり、本業で1日8時間働いた日に、副業で3時間働くと、その日の労働時間は11時間になります。そして、法律の上限を超えた部分については、割増賃金の対象になり得ます。

これが何を意味するか。会社側は、この通算を管理する必要があるため、副業の申告を求めます。申告を嫌がる気持ちは分かりますが、これは会社が制度を守るために必要な手続きです。あなたを監視するためのものではありません。

そして、もう1つ大事な点。上限があるのは、あなたを守るためです。働きすぎて健康を損なったとき、どちらの仕事にも行けなくなります。制度は、そこを止めるために作られています。

制度の詳しい要件や、副業をする人の労働時間の扱いについては厚生労働省の案内で確認できます。不安があるときは、勤務先の担当者に聞く前に、公的な説明を読んでおくと落ち着いて話せます。

なお、雇用ではなく業務委託の形で受ける場合は、この通算の対象になりません。ただし、その代わりに労災保険の扱いが変わります。どちらの形で受けるのかは、契約の書面で確認してください。

体への負担を抑える、具体的な工夫

ここからは実務的な話です。現場で実際に効くことを挙げます。

まず足です。立ち仕事の疲労は、靴で大きく変わります。安全靴が指定される現場もありますが、中敷きは自分で選べます。衝撃を吸収するものに替えるだけで、翌日の足の重さが変わります。予算をかけるなら、ここが最優先です。

次に、水分と塩分です。屋外の現場では、汗で失われる量が想像以上に多い。のどが渇いてから飲むのでは追いつきません。時間を決めて、少しずつ飲む。これは熱中症を防ぐための基本です。

3つ目は、姿勢を変えることです。同じ姿勢で立ち続けると、腰と膝に負担が集まります。許される範囲で、重心をかける足を入れ替える。ふくらはぎを小さく動かす。それだけでも血のめぐりが変わります。

4つ目は、睡眠です。副業の日の前日は、いつもより30分早く寝る。これだけで現場での余裕が変わります。そして、夜勤明けの日は、明るいうちに寝ることになるので、部屋を暗くできる準備をしておいてください。

5つ目は、食事です。現場に入る前に食べておく。抜くと、後半に判断が鈍ります。コンビニで買うなら、甘いものだけにせず、たんぱく質を含むものを足してください。

それから、これは言いにくいことかもしれませんが、無理だと思ったら言ってください。体調が悪い日に現場に立つのは、ご自身にとっても、守るべき人にとっても危険です。休む連絡を入れることは、逃げではありません。

心が疲れないための工夫

体の話ばかりしてきましたが、心のほうも見ておきましょう。

警備の現場では、人から冷たく扱われる場面があります。通行を止めたときに文句を言われる、無視される、見下すような態度を取られる。そういう日があります。

こういうご相談、本当に多いんです。「仕事の内容は平気なのに、人の態度がこたえる」という声です。

これは、あなたが弱いからではありません。人からの否定的な反応は、誰にとっても消耗するものです。心理学ではこれを情緒的な負荷と呼びますが、難しい言葉より、こう考えてください。相手の機嫌は、あなたの価値とは関係がない。

対処として効くのは、切り替えの儀式を作ることです。現場を出たら制服を脱ぐ、決まった飲み物を買う、音楽を1曲聞く。何でもいい。「ここから先は仕事ではない」という区切りを、体の動作で作ります。

もう1つ。誰かに話してください。1人で抱えると、出来事が大きくなります。家族でも、同僚でも、匿名の場でもいい。言葉にすると、輪郭がはっきりして小さくなります。

集中と休息の切り替えについては、在宅の働き方向けにまとめた在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックの考え方が、現場の仕事にも応用できます。休む時間を先に決めておく、という部分は特に共通しています。

現場で困ったときの、頼り方

初めのうちは、判断に迷う場面が必ずあります。そのときの頼り方を先に決めておくと、不安がずいぶん減ります。

基本は、自分で判断しないことです。通してよいか分からない人が来た、作業の手順が指示と違う、体調が悪くなった。どれも、その場で自分だけで決める必要はありません。連絡する相手と手段を、初日に確認しておいてください。

そして、連絡したことを責められる会社なら、その会社は合っていません。安全を預かる仕事では、確認する行為そのものが評価されるべきです。聞いて怒られる職場に無理に合わせる必要はありません。

もう1つ。理不尽な扱いを受けたときの記録も、残しておいてください。日付と、何があったか、数行で構いません。その場では言い返せなくても、記録があれば後から相談できます。

これは自分を守るための備えです。使わずに済むならそれがいちばんいい。でも、持っているだけで気持ちが落ち着きます。

収入の考え方と、資格で変わる部分

収入の目安を書きます。地域と業務によって幅がありますが、日給で9,000円前後から始まることが多く、夜勤や繁忙期の現場ではこれより高くなります。

ここで見てほしいのは、日給の額ではなく「拘束時間で割った額」です。移動に片道1時間かかる現場なら、その2時間も自分の時間から出ています。近い現場を選ぶだけで、時間あたりの実質は変わります。

もう1つ、収入を安定させたい方に向けて。単発の仕事を不定期に入れる形は、月ごとの収入が読めません。生活費の一部として当てにするなら、同じ会社で定期的に入れる形のほうが計算できます。信頼が積み上がると、条件のよい現場に声がかかるようにもなります。

逆に、月によって出せる時間が変わる方は、単発の形のほうが気が楽です。無理に長期のシフトに入って、休む連絡を毎月することになると、そのやり取り自体が負担になります。どちらが合うかは、性格と生活の形で決めてください。

資格については、後から取る形で十分です。警備の業務に関する国家検定があり、これを持っていると手当が付く現場や、資格者の配置が必要な現場に入れるようになります。副業として続ける気持ちが固まってから検討してください。

本業と副業を合わせた働き方を長く考えるなら、体を使わない仕事を1つ持っておくことをおすすめします。自宅で完結する仕事につながる資格を並べた在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるは、選択肢を広げる材料になります。書類の作成や報告の型を学べるビジネス文書検定も、現場の記録業務や、将来の管理業務につながります。

年齢が進んだときの移行先を考えておくのも、安心につながります。文章や編集の仕事の水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で、技術職の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。いま比べる必要はありませんが、道があると知っておくだけで気持ちが違います。

会社への伝え方と、税金の手続き

勤務先に副業を伝えるとき、言い方で結果が変わることがあります。

伝えるべきは、3つだけです。どんな仕事か、週にどのくらいか、本業に影響が出ない形にしていること。長い説明は要りません。生活の事情まで話す必要もありません。

反対されたときは、理由を聞いてください。健康への懸念なのか、競合の心配なのか、規則上の形式なのか。理由が分かれば、条件を変えて再度相談できることもあります。

税金については、給与以外の所得が一定額を超えると確定申告が必要になります。副業が雇用の形なら給与所得になるので、2か所から給与を受け取る場合の申告が必要になることがあります。要件は状況によって変わるため、国税庁の案内で確認してください。源泉徴収票は、両方の勤務先から受け取って保管しておきましょう。

20年この市場を見てきた立場からの観察

在宅とフリーランスの市場を長く運営してきた立場から言うと、副業が続く方には共通点があります。

収入の額ではなく、生活の形から決めていることです。週にどれだけ出せるか、いつ休むか、何のために増やすのか。ここが決まっている方は、増やしすぎません。

運営者として見てきた限りでは、途中でやめる方の多くは、稼げなかったからではなく、疲れたからやめています。そして疲れの原因は、働いた時間の長さより、回復の時間を確保していなかったことにあります。

もう1つ、お金の流れについて。仲介の手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めますし、受ける側の手元には厚く残ります。同じ働き方でも、間に入る段が少ないほうが手取りが増える。この構造に気づいた方は、単価の交渉より、取引の形を変えることに時間を使っています。

在宅の仕事と組み合わせる、という選択

最後に、体を使う副業と、使わない副業を組み合わせる形をご提案します。

警備の仕事は、体が動く時期には確実な収入になります。でも、年齢が進むと同じ働き方は難しくなる。だから、いまのうちに座ってできる仕事を1つ育てておく。この二本立てが、いちばん安心できる形です。

在宅の仕事の募集を見ると、資料の作成、データの入力、問い合わせへの対応など、体力を使わない業務が並んでいます。技術寄りの領域に関心があるならアプリケーション開発のお仕事やAIコンサル・業務活用支援のお仕事で、どんな要件が求められているかを眺めておくといいです。いますぐ応募しなくても、必要なものが分かります。

自宅で作業する時間を作るなら、環境も整えておきたいところです。回線の選び方をまとめた在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方は、夜間や早朝に作業する方にとって実利のある内容です。

焦らなくて大丈夫です。週1回の副業から始めて、体の反応を見て、合いそうなら少し増やす。合わなければ別の形を試す。それで十分です。あなたは一人で全部を決めなければいけないわけではありません。困ったときは、公的な相談窓口も、勤務先の担当者も使ってください。

よくある質問

Q. 警備の仕事を副業にするのに、資格は必要ですか?

事前の資格は必要ありません。多くの現場は、法律で定められた新任教育を受ければ未経験から勤務できます。教育の時間数はおおむね20時間程度が目安ですが、会社や担当業務によって変わります。応募のときに、教育が何日かかるのか、その期間の賃金が出るのかを確認しておくと、予定が立てやすくなります。

Q. 本業の会社に伝えずに始めても大丈夫ですか?

警備に関する法律には掛け持ちを禁じる決まりはありませんが、勤務先の就業規則は確認が必要です。雇用の形で働く場合は労働時間が通算されるため、会社は把握する義務があります。また副業の収入は住民税の計算に反映されるので、いずれ分かる可能性があります。先に相談したほうが、後の負担が軽くなります。

Q. 夜勤は副業に向いていますか?

深夜の時間帯には25%以上の割増賃金が付くため収入の効率はよくなりますが、回復に時間がかかります。本業が平日にある方が夜勤を入れると、週の後半まで疲れが残ることがあります。選ぶ場合は、翌日に何も予定を入れない日を確保してください。最初は単発の募集で体の反応を確かめるのが安全です。

Q. 立ち仕事の疲れを抑える方法はありますか?

まず靴の中敷きを衝撃を吸収するものに替えてください。翌日の足の重さが変わります。屋外の現場では、のどが渇く前に時間を決めて水分と塩分を取ること、重心をかける足を入れ替えて同じ姿勢を続けないことも効きます。副業の前日はいつもより早く休み、体調が悪い日は無理に現場へ行かず連絡を入れてください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月4日最終更新:2026年9月21日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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