minneでイラストが売れないときに見直す点|作品の見せ方

中西 直美
中西 直美
minneでイラストが売れないときに見直す点|作品の見せ方

この記事のポイント

  • ✓ミンネでイラストが売れるようにするには何を直せばいいのか
  • ✓他のサイトとの違いまで
  • ✓公式の記載で確かめた内容だけを順に整理します

「minneに出品してみたけれど、まったく反応がない」。このご相談、本当に多いんです。作品はちゃんと描けている。並べてから1か月経った。それでも見られた回数がひと桁のまま。だんだん、自分の絵に価値がないのではという気持ちになってくる。

大丈夫です。そこで止まっている方の多くは、絵の問題ではなく、見つけてもらう入口の問題でつまずいています。イラストは、ハンドメイドの中でも「探されにくい」商品です。理由があって、対策もあります。

この記事では、手数料と費用の実額、作品名と写真の直し方、価格の決め方、使い方の範囲をどう書くか、他のサイトとの違いまで、公式の記載で確かめられる部分だけを順に並べます。1つずつ見直せば、必ず変わる場所があります。

イラストが「探されにくい」理由を先に知っておく

最初に、この市場の形を見ておきましょう。ここが分かると、自分の作品だけが売れないわけではないと分かって、少し肩の力が抜けます。

minneは国内で最も大きなハンドメイドの通販の場で、公式の記載では99万件を超える作家とブランドが登録しています。アプリのダウンロード数は1,778万件。カテゴリーは大きく20、細かく分けると309に分かれています。人は確かにいます。

では、なぜイラストが探されにくいのか。買う人の探し方に理由があります。

アクセサリーを探す人は「ピアス 真鍮」と打ちます。形と素材が決まっているので、言葉が定まります。ところがイラストを探す人は、何と打つでしょうか。「イラスト」と打つ人は、実はあまり多くありません。「似顔絵 結婚式」「ペット 肖像画」「名前入り 出産祝い」のように、使う場面で探します。つまり、イラストという商品は「用途」で探されるのです。

ここが最初の見直し点になります。作品名に「イラスト」と書いてあるだけの出品は、探している人の言葉とかみ合っていません。誰の、どんな場面のために描くのかが作品名に入っていないと、検索の結果に出てきません。

もう1つ理由があります。イラストは、完成品の写真を並べにくい商品です。アクセサリーは実物を撮れます。オーダーで描くイラストは、まだ存在しない物を売ることになります。だから、過去に描いた例を見せて「あなたの分もこう描きます」と伝える作りが必要になります。ここを飛ばして1枚の絵だけを並べていると、買う人は自分の分を想像できません。

3つめ。価格の判断がつきにくい商品でもあります。アクセサリーなら素材と手間で見当がつきますが、イラストは何を根拠に3,000円なのか8,000円なのかが、外から見えません。だから内訳を書く必要があります。

この3つが、イラストが売れにくい構造の正体です。絵の技術の話ではありません。伝え方の話です。だから、直せます。

かかる費用と手数料を、正確に押さえる

お金の話を先に済ませておきましょう。ここが曖昧だと、価格を決められません。

公式の記載では、初期費用と月額の費用はどちらも0円です。販売手数料は税込10.659%で、対象は作品の価格だけでなく、送料と購入オプションの価格も含まれます。

有料の会員制度に入ると手数料が下がる仕組みもあります。公式の記載では、ライトが10.615%、スタンダードが10.505%、アドバンスが10.45%です。差は小さいので、最初から加入を考える必要はありません。月々の費用を払う価値が出るのは、売上が一定の規模になってからです。

そのほかにかかる費用も並べます。売上を受け取るときの振込手数料が220円という水準です。匿名で配送できる仕組みを使う場合は、注文ごとに50円が加わります。

ここから分かるのは、少額の商品ほど固定の費用が重いということです。1,000円のイラストデータを1点売った場合、手数料は約107円。手元に残るのは約893円です。ここから振込手数料を考えると、1件だけで受け取るのは効率が悪くなります。売上をまとめてから受け取る形のほうが、手取りが厚くなります。

デジタルのデータとして納品する形なら、材料費と送料がかかりません。これはイラストの大きな利点です。在庫を抱えず、梱包も要らず、発送の作業もありません。原価のほとんどが自分の時間なので、時間単価の管理さえできれば赤字になりません。

一方で、紙に描いた原画を送る形や、印刷した商品を送る形にすると、送料と梱包材の費用が乗ります。送料も手数料の対象に入るので、価格の組み方が変わります。どちらの形で売るかを最初に決めてください。両方やるなら、別の出品として分けたほうが管理しやすくなります。

作品名とタグを、買う人の言葉に置き換える

ここがいちばん効く見直しです。順を追って直しましょう。

まず、いま付いている作品名を書き出してみてください。「オリジナルイラスト」「水彩イラスト 花」のような形になっていないでしょうか。これは自分の側から見た説明です。

買う人の側の言葉に置き換えます。組み立ての順序は「誰のために」「どんな場面で」「何を」です。

似顔絵なら「結婚式 ウェルカムボード 似顔絵 2名 水彩」。ペットの絵なら「ペット 肖像画 写真から 犬 猫 メモリアル」。子ども向けなら「出産祝い 名前入り イラスト 命名書」。SNSで使うものなら「アイコン イラスト オーダー 1枚 商用可」。

こうして並べると、自分がどの用途に向けて描くのかを決める必要が出てきます。実はここが本質です。「何でも描きます」という出品は、誰にも届きません。用途を1つに絞った出品を複数並べるほうが、同じ絵でも見つけてもらえます。

タグの選び方も同じです。自分の絵の特徴を言い表す語ではなく、探す人が打つ語を選びます。用途(結婚式、誕生日、母の日、開店祝い)、対象(ペット、赤ちゃん、家族、推し)、様式(水彩、線画、色鉛筆、デジタル)、納品の形(データ、印刷、額付き)。この4つの軸から選べば、外れません。

自分の作家名やブランド名をタグに入れるのは、枠の無駄遣いです。すでに知っている人は名前で探しますが、その人はタグを使いません。

カテゴリーの選択も見直してください。細かいカテゴリーが309あるので、より作品の性質に近い場所を探します。大きなカテゴリーに置いたままだと、競合の数に埋もれます。

そして、1つだけ守ってほしいことがあります。変更は1週間に1か所だけにしてください。作品名とタグとカテゴリーを同時に変えると、どれが効いたのか分からなくなります。焦る気持ちは分かりますが、1つずつのほうが確実に前に進みます。

写真と見本の作り方を組み立て直す

作品名を直して人が来るようになったら、次は見せ方です。ここで買うかどうかが決まります。

用意したい画像を並べます。

1枚めは、代表作を1点、大きく正面から。検索結果に出るのはこの1枚です。文字を載せた告知の画像を1枚めにしている出品を多く見ますが、小さく表示されるので何も読めません。絵そのものを見せてください。

2枚めは、過去に描いた例を並べた画像です。3点から6点を並べると、作風の幅が伝わります。オーダーで描く商品では、この1枚が「自分の分もこう描いてもらえる」という想像の材料になります。

3枚めは、納品の形が分かる画像です。データで渡すなら、ファイルの形式と大きさ、使う場面の例。紙で送るなら、実物と大きさが分かる写真。額に入れた状態も見せられると、贈り物として選ばれやすくなります。

4枚めは、注文から納品までの流れを1枚にまとめた画像です。写真を送る、下描きを確認する、修正する、完成、納品。この段取りが見えると、初めての人が申し込みやすくなります。

5枚めは、注意事項の画像です。修正の回数、納品までの日数、できないこと(他人の著作物を含む絵、実在の人物を傷つける表現など)。隠さずに先に書くほうが、後のやり取りが軽くなります。

紙の作品を撮るときのこつも書いておきます。窓からの自然光を斜めに当てて、真上から撮ってください。正面から光を当てると紙の表面が反射します。スマートフォンで十分です。撮った後で、明るさを少し上げて、色が実物と合うように調整します。実物より良く見せる加工はしないでください。届いたときの落差が、いちばん気持ちを傷つけます。

説明文で必ず入れたい項目も決めておきます。描く対象と人数、様式、納品の形式と寸法、納品までの日数、修正の回数、必要な材料(写真の送り方)、使える範囲、できないこと。この8項目を型にして、出品ごとに数字だけ差し替えると、作業がとても楽になります。

何を売るかを、4つの形から選ぶ

出品の形を決めていないまま並べている方が、とても多いところです。形によって手間も価格も変わるので、一度整理しておきましょう。

1つめ、データで渡す形です。描いた絵をファイルとして納品します。材料費と送料がかからず、発送の作業もありません。手間がいちばん軽い形です。一方で、手元に残る物がないので、贈り物として選ばれにくい面があります。SNSのアイコン、資料に使う挿絵、印刷して自分で飾る用途に向きます。

2つめ、原画を送る形です。紙に描いた1点物を送ります。価値が伝わりやすく、価格を高めに設定できます。ただし、同じものを二度売れません。輸送で折れたり濡れたりしないよう、厚紙とビニールで包む手間がかかります。

3つめ、印刷した物を送る形です。同じ絵を何枚でも売れます。ポストカード、小さな額に入る大きさの複製、シール。単価は低くなりますが、繰り返し売れるので、入口の商品として置きやすい形です。印刷を頼む費用が先に出るので、在庫の管理が必要になります。

4つめ、注文を受けてから描く形です。似顔絵、ペットの肖像、名前入りの作品。価格を高く設定できて、喜ばれる度合いも高い形です。一方で、やり取りの時間がかかり、修正の対応が必要になります。受けられる数に限りがあるので、同時に何件まで受けるかを決めておきます。

初めて始めるなら、3つめと1つめから入るのが楽です。手間が軽く、在庫のリスクも小さいからです。反応を見て、注文を受けて描く形に広げていくと、無理なく段が上がります。

1つ注意したいのが、複数の形を1つの出品に混ぜないことです。「データでも原画でもお渡しできます」と書いた出品は、買う人が何を選ぶのか分からず迷います。形ごとに出品を分けて、それぞれの作品名に納品の形を入れてください。「ポストカード」「原画」「データ」という語が作品名にあるだけで、探している人とかみ合います。

使える範囲を書いておくと、後で困らない

イラストを売るときに、ここを空けたままにしている方がとても多いところです。トラブルの芽になるので、一緒に整えましょう。

絵を描いた人には、その絵の著作権があります。作品を売るときに何が起きるかというと、著作権そのものが移るのではなく、買った人が決められた範囲で使える形になるのが基本です。著作権法にはこう書かれています。

第六十三条 著作権者は、他人に対し、その著作物の利用を許諾することができる。 2 前項の許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。 出典: laws.e-gov.go.jp

読み替えます。使い方と条件の範囲を決めるのは、描いた側だということです。だから、範囲を書いておかないと、買った人がどこまで使えるのか分かりません。分からないまま使われて、後から「そういうつもりではなかった」となるのが、いちばん悲しい形です。

書いておきたい項目を並べます。

個人で使う範囲か、商売にも使える範囲か。SNSのアイコンや個人のブログでの使用はよいが、商品の販売や店舗の看板に使うのは別の料金にする、という分け方が一般的です。

加工してよいかどうか。切り抜き、色の変更、文字の追加。加工を認めるかどうかを決めます。

作者の名前を出す必要があるか。出さなくてよい場合と、出してほしい場合があります。

第三者へ渡してよいかどうか。買った人がさらに他の人に渡す形は、通常は認めません。

原画や元のデータをどうするか。描いた側が手元に残すこと、見本として掲載することを認めてもらうかどうか。掲載したくないという依頼を受ける場合は、その旨を先に決めておきます。

この5項目を、出品の説明文に短く書いておいてください。長い契約書は要りません。「個人での使用に限ります。商品や広告に使う場合はご相談ください。加工はご自由です。作者名の表示は不要です」という程度で足ります。

商売に使う範囲まで認める場合は、料金を分けます。理由は簡単で、相手が得る利益の大きさが違うからです。同じ絵でも、個人のアイコンに使うのと、商品の包装に使うのでは価値が違います。ここを同じ料金にしていると、続けられなくなります。

価格の決め方と、内訳の見せ方

価格で悩む方が、いちばん多いところです。決め方の順序を示します。

1段め、時間を測ります。1枚を仕上げるのに何分かかるかを、3回測って平均を取ります。下描き、線画、着色、修正の対応、やり取りの時間。やり取りの時間を入れ忘れる方が多いのですが、オーダーで描く商品では、これが意外に長くなります。

2段め、自分の時間単価を決めます。いま会社で働いている方なら、時給を目安にします。1時間1,500円としましょう。

3段め、掛け算します。制作に2時間、やり取りに30分かかるなら、2.5時間で3,750円です。

4段め、手数料を足し戻します。10.659%が引かれるので、3,750円を手元に残すには4,200円ほどの価格が必要です。データで納品するなら送料はかかりません。

この計算をすると、多くの方が「高すぎて売れない気がする」と感じます。その気持ち、分かります。でも、ここで価格を下げると、受注が増えたときに時間が足りなくなって、続けられなくなります。相談を受けてきて確かに言えるのは、安すぎる価格で始めた方のほうが早く止めてしまうということです。

代わりにできることが2つあります。

1つは、価格の段を作ることです。線画だけの簡単なものを入口の価格にして、着色と背景まで入れたものを本命の価格にします。入口の商品があると、初めての人が試しやすくなります。

もう1つは、内訳を書くことです。「制作に約2時間、修正2回まで、納品はデータ2種類」と書いておくと、価格の根拠が伝わります。何も書かずに4,200円と置かれているより、納得して選んでもらえます。

追加の料金も表に並べておきます。人数が増える場合、背景を付ける場合、修正の回数を増やす場合、急ぎで仕上げる場合、商売に使う場合。後から言い出すのではなく、最初から並べておくのが、お互いに気持ちのよい形です。

値上げについても一言。材料費が上がったとき、依頼が重なって待ってもらう状態が続いたときは、価格を見直してよい場面です。値上げの前に告知しておくと、検討していた方が動きます。

他のサイトと比べて、どこが向いているか

比較の材料も並べます。正直に書くと、minneが必ず最良の場所になるわけではありません。

同じハンドメイド系のCreemaは、成約手数料が決済総額の10.67%(税込)です。minneの10.659%とほとんど同じ水準です。この2つは費用の構造がほぼ同じなので、違いは集まっている人の層と、作品の見つかり方にあります。両方に出して、反応の差を見るやり方も取れます。

自分でネットショップを作る形なら、料金の組み方が変わります。固定費が0円で、決済手数料とサービス手数料を合わせて6%台から使える仕組みがあります。率だけ見れば安く見えますが、集客を全部自分でやる前提になります。

ここが選び方の本質です。ハンドメイド系のサイトに払っている10%台は、場所代ではなく集客代です。サイトの中で作品を探している人がいて、検索やおすすめの導線に乗る機会があります。自分のショップにその流れはありません。

イラストの場合、もう1つ考える軸があります。スキルを売る形の仲介サイトです。似顔絵やアイコンの制作は、そうした場所でも取引されています。手数料の水準は高めですが、オーダーで描く商品を探している人が集まっています。完成品を並べて売る形が向いているならハンドメイド系、注文を受けて描く形が中心ならスキルを売る形の場所、という使い分けが現実的です。

メリットとデメリットを整理します。ハンドメイド系の場は、初期費用がかからず、作品を探している人がいて、贈り物の需要に乗りやすいのが利点です。一方で、手数料が10%台かかり、立体物のほうが探されやすい構造なので、イラストは工夫が必要になるという面があります。

現実的な順序はこうです。まずハンドメイド系の場で売れる形を作り、繰り返し依頼してくれる方が付いてきたら、自分のショップや直接のやり取りを併用する。この順序が、途中で止まりにくい進め方です。

出品したあとに見る数字と、直す順序

改善は、気持ちではなく数字の順序で進めます。見る数字は3つで足ります。

作品ページが見られた回数。見た人のうちお気に入りに保存した人の数。保存した人のうち購入した人の数。この3つのどこで止まっているかで、直す場所が決まります。

見られていないなら、作品名とタグとカテゴリーの問題です。写真を撮り直しても変わりません。言葉を入れ替えてください。

見られているのに保存されないなら、1枚めの画像の問題です。スマートフォンの画面で、検索結果の大きさに縮小して見てみてください。小さく表示されたときに何の商品か分かるかどうかが分かれ目です。

保存されているのに買われないなら、説明文か価格の問題です。オーダーで描く商品の場合、いちばん多い原因は「注文の仕方が分からない」ことです。流れを1枚の画像にまとめるだけで動くことがあります。

時間の見方も1つ。公開した直後の数日は新しい作品の導線で見られ、その後いったん落ちます。落ちた後の水準が、その出品の実力です。最初の3日で判断しないでください。2週間から1か月の水準で見ます。

季節の影響も入ります。贈り物の需要が動く時期があるので、同じ出品でも月によって差が出ます。母の日、卒業や入学、結婚式の多い季節、年末。用途を決めた出品なら、その用途の時期に合わせて出し直すと反応が変わります。

そして、これは伝えておきたいことです。数字が動かない時期は必ずあります。そのときに絵の価値を疑わないでください。見つけてもらう入口の話と、絵の価値の話は、まったく別のことです。分けて考えられるようになると、続けるのがずっと楽になります。

お金をかけずにできることを、先に全部やる

広告を使えば見られる回数は増えます。ただ、その前に無料でできることが残っていないかを確かめてほしいのです。費用をかけて弱い出品に人を連れてきても、買われずに終わります。

無料でできることを並べます。

プロフィールを埋めます。何を大事に描いているか、どんな依頼が得意か、注文を受けてから納品までどう進めるか。ここが1行のままの方を本当に多く見ます。書くだけで差がつくところを空けておくのは、もったいないことです。

ギャラリー全体の並びを整えます。作風がそろっていると、1点を気に入った方が他も見てくれます。系統がばらばらなら、代表作を先頭に置き、似た作風を近くにまとめます。

出品の数を増やします。1点だけの出品は、見つかる入口が1つしかありません。同じ絵でも、用途を変えた出品を分けて作れば、入口が増えます。ポストカードとデータとオーダーで3つに分けるだけで、3倍の入口ができます。

新しい作品を出す間隔を空けます。まとめて10点を一度に出すより、間隔を空けたほうが新着の導線に乗る回数が増えます。描きためた作品があるなら、公開の予定を分けて並べてください。

SNSでの告知の仕方も工夫できます。「出品しました」だけの投稿は伸びません。制作の途中の様子、色を決めた理由、失敗して描き直した話。過程を見せる投稿のほうが、人の目に留まります。そして、投稿の中に用途の言葉を入れてください。「結婚式のウェルカムボードを描きました」と書けば、その言葉で探している人に届きます。

季節に合わせて出し直すのも無料でできます。母の日、卒業や入学、年末。用途を決めた出品なら、その時期の1か月前に説明文を更新して、季節の言葉を入れます。

そして、無理をしないことも大事です。全部を同時にやろうとすると疲れます。今週はプロフィール、来週は出品を1つ増やす。それくらいの速さで十分です。焦って一度に全部変えると、何が効いたのか分からなくなるうえに、続かなくなります。

表示のきまりと、気をつけたい書き方

法律の話も少しだけ。長くはなりません。

インターネットで商品を売る形は、通信販売に当たります。販売事業者に該当する場合は、価格と送料、支払いの時期と方法、いつ届くのか、返品を受けるかどうかを表示することが求められます。事業者の氏名と住所、電話番号も表示の対象です。

自分が該当するかどうかの判断は、自分で行うことになります。消費者庁の案内に通信販売の説明があります(特定商取引法)。事業として繰り返し売っているか、営利の意思があるかといった要素で判断されます。迷う場合は消費生活センターか専門家に確かめてください。事情によって結論が変わる領域なので、一般論で断定するべきではありません。

書き方で気をつけたい点も並べます。

実物より良く見せる表示は避けてください。加工で色を強くした画像を載せて、届いたものが違うと感じさせる形は、表示の問題になります。

効果をうたわないでください。イラストで「運気が上がる」「気持ちが前向きになる」といった書き方をすると、根拠のない効能の表示になります。心の状態に関わることは、断定して書かないのが安全な線です。

感想を書いてもらう見返りに、割引や品物を渡す形も避けてください。宣伝であることが分かりにくい口コミは、規制の対象になり得ます。お願いするなら、対価を結び付けないでください。

それから、他人の著作物を含む絵の依頼が来ることがあります。既存のキャラクターを描いてほしい、この写真をそのまま絵にしてほしい、という依頼です。断ってよい場面です。「他の方が権利を持つ絵柄やキャラクターは承れません」と、あらかじめ書いておくと、断る手間が省けます。

記録の付け方と、税の線引き

売上が立てば税の話が出てきます。確かめられる部分だけ書きます。

会社に勤めながら販売している場合、給与と退職の所得を除いた各種の所得金額の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。国税庁のタックスアンサー No.1900 に条件が並んでいます(給与所得者で確定申告が必要な人)。

20万円は売上ではなく所得です。入ってきた金額から、その収入を得るためにかかった費用を引いた残りで判断します。販売手数料、振込手数料、画材の費用、描画に使うソフトの利用料、印刷と送料は、販売に直接かかった費用です。どこまでが必要な費用になるかは中身で変わるので、判断に迷う支出は税務署か税理士に確かめてください。

記録は難しく考えなくて大丈夫です。売上の明細を月ごとにダウンロードして保存する。画材とソフトの領収書を月ごとにまとめる。この2つを続けるだけで、申告の時期に慌てません。デジタルで納品する形なら、そもそも扱う項目が少ないので、紙の帳簿を作るより楽な働き方です。

20万円の線は所得税の話で、住民税には当てはまりません。確定申告をしない場合でも住民税の申告が必要になることがあるので、住んでいる市区町村の案内で確かめてください。

描く力は、頼まれる仕事にも向けられる

ここからは、在宅ワークの市場を長く見てきた立場からの観察です。

20年この市場を見てきて感じるのは、作品を売る経験を積んだ方が、頼まれて描く仕事に移ったときに評価されやすいということです。理由は、納期とやり取りを自分で回してきているからです。依頼する側がいちばん困るのは、絵の出来ではなく、いつ上がるか分からないことです。納品の日数を守る習慣がある方は、この点でつまずきません。

もう1つ、使える範囲を決めて書く習慣は、そのまま仕事の場で求められる力です。商用の利用か個人の利用か、加工を認めるか、名前を出すか。この整理ができる方は、契約の話で相手を安心させられます。

文章を添える仕事にも広がります。作品の説明文を書く作業は、通販サイトの商品紹介の仕事とほとんど同じ技術です。著述家,記者,編集者の年収・単価相場に、文章を扱う職種ごとの単価の幅がまとまっています。制作の仕組みを整える方向に関心があるならソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になります。

書類の型を身につけたい場合は、ビジネス文書検定の出題範囲が目安として使えます。合格そのものが仕事を運ぶわけではありませんが、何を身につけると伝わる文書になるかの一覧になります。在宅の仕事につながる資格を横並びで見たいなら、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるに領域ごとの整理があります。

作業環境の話も1つ。イラストのデータは容量が大きく、修正のやり取りで何度も送ります。上り方向の回線が細いと、そのたびに待ち時間が生まれます。在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に、回線の種類ごとの違いがまとまっています。

そして手取りの話です。仲介が入る取引では、報酬から手数料が引かれます。ハンドメイド系の場で10%台、頼まれて描く仕事の仲介では売上に対してさらに大きな割合が引かれる例があります。一方で、依頼する側と受ける側が直接つながる形なら、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなります。手数料0%という条件が意味を持つのは、金額の派手さではなく、この手取りの質です。

運営者として見てきた限りでは、長く続く方は単発の売上より関係の作り方に時間を使っています。「この方に頼むと、日数とやり取りで心配しなくていい」と思われる状態が、いちばん強い実績です。仕事の形として何が選べるのかを見ておきたいなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、業務の中身と求められる範囲が整理されています。

よくある質問

Q. minneの手数料と費用は、合計でいくらかかりますか?

初期費用と月額の費用は0円です。販売手数料は税込10.659%で、作品の価格に加えて送料と購入オプションの価格も対象に含まれます。そのほかに売上を受け取るときの振込手数料が220円という水準で、匿名で配送する仕組みを使う場合は注文ごとに50円が加わります。

Q. イラストが見られないのは、絵が良くないからですか?

多くの場合は絵ではなく、作品名とタグの言葉が原因です。イラストを探す人は「イラスト」ではなく「似顔絵 結婚式」「ペット 肖像画」のように用途で検索します。作品名に誰のどんな場面のために描くのかを入れると、見られる回数が変わります。まず言葉だけを1週間に1か所ずつ入れ替えてください。

Q. 買った人がイラストをどこまで使えるようにすべきですか?

著作権法では、使い方と条件の範囲を決めるのは著作者の側です。個人での使用に限るのか、商品や広告にも使えるのか、加工を認めるのか、作者名の表示が必要か、第三者へ渡してよいかを説明文に短く書いておきます。商売に使う範囲を認める場合は、料金を分けるのが一般的です。

Q. 価格はどうやって決めればよいですか?

制作とやり取りにかかる時間を3回測って平均を出し、自分の時間単価を掛けます。そこに販売手数料10.659%を足し戻した額が価格の下限です。安すぎる価格で始めると受注が増えたときに時間が足りなくなるため、下げる代わりに線画だけの入口の商品を用意して価格の段を作るほうが続きます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月14日最終更新:2026年9月30日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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