minneで売るには|作品の見せ方と最初の注文までの流れ


この記事のポイント
- ✓minneで売るには何から始めればよいのかを
- ✓確定申告の線引きまで順番に整理しました
- ✓最初の一件が決まるまでに迷いやすいところを
minneで売るには、まず何をすればいいのか。そう検索された方の多くは、すでに作品は手元にあって、あとは「出し方」だけが分からない状態でいらっしゃいます。作ることはできる。写真も撮れる。でも、販売ページの前で手が止まる。この止まり方は、とてもよくあるご相談です。
不安の正体は、たいてい「知らないことが多すぎて、どこから手をつけていいか分からない」というところにあります。手数料はいくらか。発送はどうするのか。売れたあと、税金の申告は必要になるのか。これらは調べれば分かることですが、調べる順番が分からないうちは、全部がひとかたまりの不安として見えてしまいます。
この記事では、登録から最初の注文が入るまでを、時系列でほどいていきます。順番に読めば、今日やることと、来週やることと、売れてから考えればいいことが分かれます。大丈夫です。一度に全部を決める必要はありません。
ハンドメイド販売の場がどう広がってきたか
個人が手づくりの品を売る手段は、ここ15年ほどで大きく変わりました。かつては地域のクラフトフェアや委託販売の棚が主な出口で、そこに並べてもらうには審査や場所代が必要でした。作品を人の目に触れさせること自体に、まとまった元手がかかっていたわけです。
ハンドメイドマーケットと呼ばれるサービスが広がってからは、この構造が逆になりました。出品そのものには費用がかからず、売れたときに手数料を差し引く形が主流です。作り手側は在庫を抱えたまま棚代を払い続けるという負担から解放され、少ない点数からでも試せるようになりました。minne、Creema、BASEといったサービスがそれぞれ特色を出しながら並び立っているのは、この「まず出してみる」ことのしやすさが受け入れられたからです。
一方で、出しやすくなったぶんだけ、並んでいる作品の数も増えました。新着に出た作品が数時間で後ろに流れていく、という状況は多くのカテゴリで起きています。ここを「自分の作品に魅力がないからだ」と受け取ってしまう方が本当に多いのですが、初期に反応が薄いのは、ほとんどの場合、作品の質ではなく露出の仕組みの話です。検索されたときに見つかる言葉を持っているか、写真が一覧のサムネイル状態で判別できるか。この2点で結果がかなり変わります。
もうひとつ知っておいていただきたいのは、ハンドメイド販売は「短期で伸びる副業」ではないということです。材料を仕入れ、作り、撮り、書き、発送する。どの工程も自分の時間を使います。作品単価が数千円の世界で、作業時間を時給に直すと最初のうちは決して高くありません。それでも続ける方が多いのは、作る時間そのものが生活の支えになっているからです。収入の面だけで測ると続きません。ここは最初に正直に見ておいたほうが、あとで苦しくなりません。
登録から出品までに実際にかかること
minneで売るには、まず作家としての登録が必要です。会員登録をしたうえで販売者としての情報を入力し、作品を登録すると販売できる状態になります。登録の段階で費用は発生しません。月額の出店料もなく、作品を登録しておくだけなら費用はかからない仕組みです。ここは多くの方が心配される点なので、先にお伝えしておきます。
費用が発生するのは、売れたときです。販売手数料は作品価格と購入オプション価格、送料の合計に対して10.659%(税込)がかかります。3,000円の作品を送料500円で販売した場合、手数料の対象は3,500円で、差し引かれるのはおよそ373円です。この数字は料金改定で変わることがあるため、出品前に運営の公式案内で最新の率を確認してください。
売上の受け取りにも費用がかかります。振込手数料は1回あたり220円です。少額のうちに毎回引き出すと手数料の割合が重くなるので、ある程度たまってから受け取るほうが手元に残ります。匿名配送の仕組みを使う場合は、注文ごとに50円が加算されます。購入者に住所を知られずに発送できる安心と引き換えの費用だと考えてください。
つまり、始めるための初期費用はゼロに近く、売れたときにだけ費用が出ていく形です。ここは副業として試しやすい点ですが、逆に言えば「売れないと何も起きない」ということでもあります。出品したあとに何もせずに待つと、そのまま何も起きないまま数カ月が過ぎることがあります。
出品時に用意するものは、作品そのものと、写真と、説明文と、発送方法の見当です。この4つがそろっていない状態で登録画面を開くと、途中で手が止まって下書きのまま終わります。順番としては、写真を撮る前に発送方法を決めておくと迷いが減ります。どの箱に入るかが決まらないと送料が決まらず、送料が決まらないと価格が決められないからです。
作品写真で見られているのは何か
販売ページで最初に見られるのは写真です。これは好みの問題ではなく、一覧画面の構造上そうなります。検索結果には小さな正方形の画像が並び、購入者はその中から気になったものを押します。つまり1枚目の写真は、拡大されない状態で「何であるか」が分かる必要があります。
よくあるつまずきが、作品全体を引きで撮ってしまうことです。作品は美しく写っているのに、一覧の小さな枠に入ると何のアイテムか判別できない。この状態だと、どれだけ丁寧に作っていても押してもらえません。1枚目は思い切って寄り、作品が枠の7割ほどを占めるように撮ると、一覧での見え方が変わります。
背景は白か、ごく薄い無地が扱いやすいです。木目や布を敷くと雰囲気は出ますが、色数が増えると作品の輪郭がぼやけます。特にアクセサリーのような小さいものは、背景に情報が多いと埋もれます。まずは白い紙を壁に立てかけて床に垂らすだけの簡単な台をつくり、そこで撮ってみてください。それだけで見え方が整います。
光は、直射日光を避けた窓際の自然光がいちばん扱いやすいです。晴れた日の午前中、レースのカーテン越しの光が当たる場所に作品を持っていき、影が出る側に白い紙を立てて光を返します。照明機材を買う前に、この方法で十分きれいに撮れます。夜の室内灯は色が転びやすく、実物と違う色に写る原因になります。色味が実物と違うと、届いたときの落胆につながり、評価にも響きます。
2枚目以降では、購入者が知りたい情報を補います。大きさが分かる写真、つけたときや使ったときの写真、裏側や留め具の写真、同梱される付属品の写真。ここまで用意されている作品ページは、質問の問い合わせが減り、注文までの迷いも減ります。サイズは文章で「縦3.5cm」と書くだけでなく、手に持った写真を1枚添えるほうが伝わります。
写真を撮り直す判断に迷ったら、自分の作品ページを他の作品の中に並べて眺めてみてください。検索結果の画面をそのまま開き、自分の1枚目が周囲に埋もれていないかを見ます。ここで違和感があるなら、作品ではなく撮り方を変えるほうが早く効きます。
タイトルと説明文に書くべき言葉
写真で押してもらえたとしても、検索で見つからなければ一覧にすら並びません。そこで効いてくるのがタイトルと説明文の言葉です。
タイトルには、購入者が実際に入力する言葉を入れます。作品に自分でつけた名前だけを書くと、その名前を知っている人しかたどり着けません。「星屑のピアス」という名前は素敵ですが、それだけでは検索されません。素材、形、色、用途、季節のうち、当てはまるものを2つか3つ足して、「ピアス 揺れる 一粒 ガラス 金属アレルギー対応」のように、探す側の言葉で書きます。
ここで手が止まる方には、いったん自分が買う側になって検索窓に打ち込んでみることをおすすめしています。どういう言葉で探すかを自分で試すと、作り手として使っていた言葉と、買い手が使う言葉のずれが見えます。たとえば作り手は「マクラメ編み」と書きますが、買い手は「手編み ブレスレット」と打つことがあります。どちらも間違いではないので、両方を書いておけば取りこぼしません。
説明文では、購入者の不安をひとつずつ消していきます。素材と大きさ、重さ、金具の種類、洗えるかどうか、お手入れの方法、色の見え方の個体差、発送までの日数、発送方法。この順に書くと過不足がなくなります。特に「発送までに何日かかるか」は、書いていないと問い合わせが来る項目です。受注製作なら、その旨と目安の日数を最初に書いてください。
長く書くことが目的ではありません。読む側は作品を買おうとしているのであって、文章を読みに来ているわけではないからです。ひとつの段落に情報をひとつ、箇条書きで整理できるところは箇条書きにする。そうすると、スマートフォンの画面でも読み飛ばされずに届きます。
作品づくりの背景や思いを書くことには意味があります。ただし、それは仕様の情報を書き終えたあとに置く位置が向いています。先に長い物語があると、サイズを探している人が離れてしまうためです。
価格をどう決めるか
価格の相談は、ハンドメイド販売でいちばん多い悩みかもしれません。安くしないと売れない気がする、でも安くすると自分の時間が報われない。この板挟みで動けなくなる方をたくさん見てきました。
考え方としては、材料費、作業時間、販売にかかる費用の3つを分けて積み上げます。材料費は、その作品1点に実際に使った分です。まとめ買いした素材は、使った量で割り戻して計算します。作業時間は、作る時間だけでなく、撮影、説明文を書く時間、梱包の時間も含めて見ます。ここを入れずに価格を決めると、注文が増えるほど苦しくなります。
販売にかかる費用は、先に触れた販売手数料と振込手数料、そして梱包材と送料です。送料を作品価格に含める「送料込み」にするか、別に受け取るかで、見え方も手取りも変わります。送料込みは購入者にとって分かりやすい一方、手数料は送料を含めた総額にかかるため、その分の負担が乗ります。
ここまで積み上げた金額が、同じカテゴリの相場からかけ離れていたとしても、すぐに値下げしないでください。値下げで合わせると、作業時間が報われないまま注文だけが増えるという、いちばん続かない状態になります。相場と開きがあるときに見直すのは、価格ではなく作品の構成のほうです。工程を減らせないか、材料の選び方を変えられないか、点数をまとめて作れないか。そこを調整してから価格に戻ります。
価格を下げずに納得してもらうには、価格の理由が見える状態にすることが効きます。どの工程を手作業でしているか、どの素材を使っているか、どういう検品をしているか。これらが説明文に書かれていると、同じ金額でも受け取られ方が変わります。
もうひとつ、最初の価格を安く設定しすぎると、あとから上げにくくなります。既存の購入者にとっては値上げに見えるためです。最初から適正だと思う金額で出し、売れ行きを見て組み立てを変えていくほうが、長い目で見て無理がありません。
発送と梱包をどう組み立てるか
注文が入ってから発送方法を調べ始めると、対応が遅れて評価に響きます。出品前に決めておきたいのはこの部分です。
まず、自分の作品がどの大きさの箱や封筒に収まるかを測ります。厚さ3cm以内に収まるかどうかで、使える配送方法と料金がはっきり変わります。ネコポスやゆうパケットのような小型の配送は、厚さの制限を超えると窓口で断られるか、料金の高い区分に変わります。梱包材を入れたあとの厚さで測るのが大事な点です。作品だけを測って「入る」と判断し、緩衝材を入れたら厚みが出て入らなかった、というのはよくある失敗です。
匿名で配送できる仕組みを使うと、購入者に住所を伝えずに発送でき、こちらの住所も相手に伝わりません。個人の住まいから発送する副業では、この安心感は小さくありません。先に触れたとおり注文ごとに50円が加算されますが、住所を知られたくないという不安を抱えたまま続けるより、この費用を見込んで価格を組むほうが精神的に楽です。
梱包材は、最初から大量に買い込まないことをおすすめします。作品の大きさが変われば必要な資材も変わるためです。最初の何件かは、汎用の封筒と緩衝材、OPP袋、簡単なメッセージカードがあれば足ります。売れ行きが見えてきてから、いちばんよく出る大きさに合わせてまとめて仕入れると無駄が出ません。
発送までの日数は、必ず余裕を持って書きます。在庫がある作品でも「3日以内」ではなく「5日以内」と書いておけば、体調を崩した日があっても約束を守れます。早く届くぶんには誰も困りません。約束より遅れることだけが信頼を削ります。この考え方は、在宅で受注の仕事をするときに共通して効く部分です。
追跡のできる方法で送ることも、できるだけ守ってください。届いていないという連絡が来たときに、追跡番号がないと双方とも確かめようがなく、話がこじれます。数十円の差であれば、追跡のつく方法を選んでおくほうが結果的に安くつきます。
反応がないときに見直す順番
出品してから数週間、いいねも閲覧もほとんど動かない。この時期はとてもつらいものです。作品を否定されたように感じてしまい、そこで手が止まる方が少なくありません。ただ、この時期に起きていることは、多くの場合「見つかっていない」だけです。
見直す順番には効き目の差があります。最初に見るのは検索で使われる言葉、つまりタイトルとタグです。作品名だけのタイトルになっていないか、色や素材、用途の言葉が入っているか。ここを直すと、そもそも一覧に並ぶ機会が増えます。
次が1枚目の写真です。小さい枠で何か分かるか。明るさは十分か。色は実物と合っているか。ここまでで露出と反応の両方に効きます。
3番目が作品の点数です。1点だけ登録した状態だと、たまたま見た人がいても「他に何があるのか」を見に行けません。同じ系統の作品が5点から10点並んでいると、作家として見てもらえるようになります。点数を増やすといっても、まったく違うカテゴリの品を並べるのは逆効果です。買いに来る人の種類がばらけて、どの人にも刺さらなくなるためです。
そのあとに価格と説明文を見ます。この順番を逆にして、最初に値下げから手をつける方が多いのですが、見つかっていない状態で値下げをしても、誰にも気づかれないまま手取りだけが減ります。
フリーランスや在宅の働き方を続けている方から寄せられるご相談で、これと似た構図をよく見かけます。成果が出ないときに、いちばん手をつけやすいところ、つまり自分の取り分を削る方向に動いてしまう。けれど原因が露出の側にあるときは、そこを削っても状況は変わりません。苦しいときほど、順番を紙に書いて、上から試してください。ひとつずつ試せば、何が効いたのかも分かります。
反応を見る期間としては、ひとつの変更につき2週間ほどは様子を見ます。毎日いじると、何が効いたのか分からなくなります。
注文が入ったあとの流れと、書いておくべきこと
注文が入ると、購入者から入金され、発送の準備に進みます。このとき送る連絡は、短くて構いません。注文への礼と、発送予定日と、追跡番号。この3つがあれば、購入者の不安はほとんど消えます。長い手紙を書く必要はなく、むしろ返事を書かせる負担になることもあります。
販売者として気をつけたいのが、通信販売にあたる取引には表示のきまりがあるという点です。インターネットで不特定の相手に品物を売る行為は、特定商取引法という法律で「通信販売」として扱われます。販売価格、送料などの負担、支払いの時期と方法、引き渡しの時期、返品についての取り決めなどを、あらかじめ示しておくことが求められています。
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。 出典: www.caa.go.jp
マーケットサービスを通して販売する場合、必要な表示の一部はサービス側の仕組みで用意されていますが、返品の可否や、受注製作の納期、作品ごとの注意点については販売者が書く必要があります。特に返品について何も書かないと、返品を受け付ける前提で解釈される場面があります。オーダーメイドで作ったものを返品されると損失が大きいので、受注製作のものは条件を明記しておいてください。
どこまでが法律上必要な表示なのか、自分の売り方が該当するかどうかは、扱う品物や取引の形で変わります。心配な点があるときは、消費者庁の案内や、お住まいの自治体の消費生活センターに確かめるのが確実です。この記事の内容は一般的な整理であり、個別の取引の判断まではできません。
購入者から評価が届いたら、返信はできるだけ早めにしてください。評価への返信は、その作品ページを見ている次の購入者にも読まれます。丁寧な往復が並んでいるページは、初めての人にとって安心の材料になります。
税金の線引きをどこで考えるか
売上が出てくると、確定申告が必要かどうかが気になり始めます。ここは不安を持たれやすいところですが、線の引き方そのものは複雑ではありません。
会社に勤めながら副業として販売している場合、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要になるのが原則です。ここでいう所得は売上そのものではなく、売上から材料費などの必要経費を差し引いた残りです。売上が30万円でも、材料費や送料、手数料を引いた残りが20万円以下なら、この基準では申告の対象になりません。
しかし、年末調整が済んでいる給与所得者であっても、その給与所得以外に副収入等によって20万円を超える所得を得ている場合には、確定申告をすれば税金が還付される人を除いて、確定申告が必要となります 出典: www.nta.go.jp
注意していただきたいのは、この20万円という線は所得税の話であって、住民税には当てはまらないという点です。住民税は金額にかかわらず申告が必要になるため、20万円以下だから何もしなくてよい、とはなりません。お住まいの市区町村の案内を確認してください。
経費として認められるものは、材料費、梱包材、送料、販売手数料、撮影に使った備品などです。領収書やレシートは、取っておく習慣をつけておくほうが後で楽になります。購入履歴の画面で確認できるものは、印刷しなくても記録として保存できます。金額の大きい道具を買ったときは、取得価額が10万円未満なら買った年の経費になり、それ以上だと使用可能期間にわたって分けて経費にする扱いになります。
なお、内職のように特定の相手から継続して仕事を受ける形の働き方には、必要経費を69万円まで認める特例があります。これは家内労働者等の必要経費の特例と呼ばれるもので、令和8年分では69万円です。ただし対象は特定の相手に継続して役務を提供する人で、不特定多数に作品を販売する形とは扱いが違います。自分がどちらに当たるかの判断は、収入の出方によって変わるため、税務署か税の相談窓口で確かめてください。
しかし、家内労働者等の場合には、必要経費として69万円まで(令和7年分は65万円、令和2年分から令和6年分までは55万円。以下同じです。)認められる特例があります。 出典: www.nta.go.jp
家計の管理という意味では、売上が入る口座を生活費の口座と分けておくと、あとから数字を整理するときの手間が大きく減ります。最初の売上が出る前に分けておくのがいちばん楽です。
作り続けるための時間と気持ちの整え方
ハンドメイド販売を副業で続ける方が途中でつらくなるのは、たいてい収入の問題ではなく、時間の設計が崩れたときです。注文が増えたのに作業の時間を増やせず、寝る時間を削って作る。これを何週間か続けると、作ること自体が嫌になります。
続いている方に共通しているのは、受けられる量を先に決めていることです。1週間に作れる点数を把握し、それを超えそうなときは受注を止めるか納期を伸ばす。この線を自分で引けるかどうかで、1年後に続いているかが変わります。売れているのに止めるのは勇気が要りますが、止めずに崩れるほうが失うものは大きいです。
作業の時間を細かく分けるのも効きます。作る、撮る、書く、発送する。この4つを同じ日に全部やろうとすると、どれも中途半端になります。撮影は光のある時間帯に、発送は集荷や窓口の時間に合わせて、書く作業は静かな時間にと、性質ごとにまとめてしまうほうが進みます。集中の続かなさに悩んでいる方には、作業の種類を切り替える回数を減らすことが効くという実感があります。この点は在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで取り上げている考え方とも重なります。
在宅で一人で作業する時間が長くなると、判断が細かく揺れやすくなります。値付けを毎日変えたくなる、説明文を何度も書き直したくなる。これは自分を責める材料ではなく、他の人の目が入っていないことの影響です。作家仲間と月に一度でも作品を見せ合う場をつくると、この揺れがずいぶん落ち着きます。
もうひとつ、売れない期間を「成果が出ていない期間」と呼ばないでください。作品を整え、言葉を整え、発送の段取りを整える期間です。ここを飛ばして急に売れた方は、注文が来てから段取りで崩れます。順番どおりに進んでいるだけだと考えてください。
季節の波と、贈り物の時期をどう見るか
作品の売れ方には、はっきりした季節の波があります。この波を知らないまま出品を続けると、「急に売れなくなった」「自分の作品が飽きられた」と受け取ってしまい、必要のない落ち込み方をします。
贈り物の需要が動く時期は、おおむね決まっています。年末から年始にかけて、2月、3月の卒業と入学の時期、5月、そして秋から冬へ向かう季節の変わり目です。これらの時期には、自分用ではなく人に渡すための購入が増えます。贈り物として選ばれるときに見られるのは、包装の有無と、メッセージカードを添えられるか、そして届く日が読めるかどうかです。この3つを作品ページに書いておくだけで、選ばれ方が変わります。
反対に、動きが鈍くなる時期もあります。長期の休みの前後や、気温が急に動く時期は、購入の意思決定が後回しにされがちです。ここで焦って値下げをすると、次に需要が戻ったときに元の価格へ戻しにくくなります。動かない時期は、作品の点数を増やす、写真を撮り直す、説明文を整えるといった仕込みの時間に充てるほうが、次の波で結果が出ます。
季節に合わせて作品を用意するには、需要が動く時期の1カ月から2カ月前に出品を終えておく必要があります。検索に拾われ、いいねがつき、比較されてから購入に至るまでには時間がかかるためです。12月に売りたいものは10月のうちに並べておく。この前倒しの感覚は、経験のある作り手ほど徹底しています。
自分の作品にどの時期が向いているかは、1年通して記録を取ると見えてきます。月ごとの閲覧数と注文数を簡単な表で残しておけば、2年目からは準備の時期を読めるようになります。記録は複雑な形にしなくて構いません。月と閲覧数と注文数の3列で十分です。
作品販売と在宅の仕事を、どう組み合わせるか
ハンドメイド販売だけで生活費をまかなうのは、点数と単価の掛け算の問題として、簡単ではありません。1点あたりの作業時間が長い分野ほど、体力がそのまま上限になります。そこで、多くの方が作品販売と別の在宅の仕事を組み合わせています。
在宅ワークの市場を20年にわたって見てきた立場から言えば、長く続いている方ほど、収入の出口を2つか3つ持っています。作品の売上は季節で大きく上下します。贈り物の需要が集中する時期と、ほとんど動かない時期の差は、カテゴリによっては数倍になります。この波を、別の収入で平らにしている形です。
組み合わせとして相性がよいのは、作品づくりで身についた力がそのまま使える仕事です。商品写真を撮る力、説明文を書く力、納期を守って段取りする力。この3つは、そのまま在宅の受注業務で評価される部分です。とくに文章の仕事は、作品説明を書いてきた経験が生きます。どのくらいの水準の仕事なのかを知りたいときは、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で公的統計をもとにした相場を確かめられます。
商品ページを整える力を、他の人の販売支援として提供している方もいます。写真の撮り直しや、説明文の書き直し、検索される言葉の設計といった仕事です。こうした販売まわりの知識は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で扱われている領域とも接点があり、仕事の幅を広げる足がかりになります。
書く仕事に進むなら、文書の基本を整理しておくと受注の場面で効きます。ビジネス文書検定は、取引先とのやりとりで必要になる文章の型を確かめられる資格です。作品の説明文はうまく書けるのに、納品の連絡文でつまずくという方は珍しくありません。ここは学べば埋まる差です。
在宅で働く準備としてどの資格が役に立つかを広く見たい方は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるに分野ごとの整理があります。
運営者として長く市場を見てきた実感として、もうひとつお伝えしておきたいことがあります。間に入る業者が少ない取引ほど、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。この差は1件ごとには小さく見えますが、1年分を並べると無視できない幅になります。作品販売でも受注の仕事でも、手数料や中間のコストが自分の手取りにどう効いているかを一度計算してみると、次にどこへ時間を使うかの判断が変わります。
技術系の仕事まで視野に入れたい方は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場のような公的データを見ておくと、学習にかける時間の見返りを冷静に測れます。どの道を選ぶにしても、作品を作って、撮って、書いて、送るという一連の流れをやり切った経験は、在宅で働くうえでの土台になります。最初の1件が決まるまでは長く感じますが、そこで積んだ段取りは次の仕事に持ち越せます。
よくある質問
Q. minneに登録して作品を出すだけなら費用はかかりますか?
会員登録と作品の登録には費用がかかりません。費用が発生するのは売れたときで、販売手数料は作品価格と購入オプション価格、送料の合計に対して10.659%(税込)です。売上を受け取るときの振込手数料は1回あたり220円、匿名配送を使う場合は注文ごとに50円が加算されます。料金は改定されることがあるので出品前に公式の案内で確認してください。
Q. 出品しても反応がありません。まず何を直せばよいですか?
直す順番があります。最初にタイトルとタグを見直し、作品名だけでなく素材や色、用途など購入者が検索に使う言葉を入れます。次に1枚目の写真を、一覧の小さな枠で何か分かる寄りの構図に変えます。3番目に同じ系統の作品の点数を増やします。値下げは最後です。見つかっていない段階で価格を下げても手取りが減るだけになります。
Q. 副業で販売した場合、確定申告は必要ですか?
会社勤めをしながら販売している場合、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要になるのが原則です。所得は売上から材料費や送料、販売手数料などの必要経費を差し引いた残りで計算します。ただしこの20万円の線は所得税の話で、住民税は金額にかかわらず申告が必要です。判断に迷う点は税務署か市区町村の窓口で確認してください。
Q. 購入者に自宅の住所を知られずに発送できますか?
匿名で配送できる仕組みを使えば、購入者に住所を伝えずに発送でき、購入者の住所もこちらに表示されません。利用には注文ごとに50円が加算されます。自宅から発送する副業では住所が相手に伝わることへの不安が大きいので、この費用を見込んだうえで価格を組み立てておくと、気持ちの負担が軽くなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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