家事代行を副業にする|登録の流れと働く時間の組み方


この記事のポイント
- ✓家事代行副業の始め方を
- ✓登録から初回訪問までの流れ
- ✓週1回2時間から組める時間割まで整理しました
家事代行副業を調べている人が本当に知りたいのは、「自分の空いている曜日で本当に組めるのか」と「移動時間を含めて計算しても割に合うのか」の2点だと思います。結論から言うと、家事代行は週1回2時間から組める仕事で、資格も基本的に要りません。ただし時給の数字だけを見ると実態を見誤ります。移動時間と交通費、そして初回訪問の緊張感まで含めて設計しないと、3か月で辞める人が出るタイプの仕事です。この記事では、登録の流れと時間の組み方を、数字の根拠を添えて順番に整理します。
家事代行の副業市場でいま起きていること
家事代行が副業の選択肢として名前を挙げられるようになったのは、需要側と供給側の両方が同時に動いたからです。需要側では、共働き世帯が増え、家事を外部に出すことへの心理的な抵抗が下がりました。総務省が公表している労働力調査などの基礎統計を見ても、女性の就業率が上がり続けている流れは変わっていません。家庭内で処理していた掃除や調理が、単純に時間の枠から溢れる。その溢れた分が、そのまま家事代行の市場になっています。
供給側では、「週1回だけ」「2時間だけ」という細い単位で人を募集する会社が増えました。以前の家事代行は、正社員やフルタイムのスタッフを抱えて配車する形が主流でした。それが、依頼の入り方が読めるようになったことで、細かい枠に人を当てる運用へ変わってきています。この変化が、本業を持っている人や家庭の合間に働きたい人にとっての入口を広げました。
検索して情報を集めようとすると、まず「そもそもどんな仕事なのか」がはっきりしないところで止まる人が多いようです。
主婦を中心に副業として人気の「家事代行」。でも、実際どんな仕事なのかと考えてみると、いまいちはっきりとはわかりません。 出典: goworkship.com
この引用が指しているとおり、家事代行は名前から中身が想像しにくい仕事です。自分の家でやっている家事と同じ作業をお金に換えるだけ、という説明は半分しか当たっていません。正確には「他人の家という制約の多い環境で、決められた時間内に、先に合意した範囲の作業を終える仕事」です。ここを最初に理解しておくと、後の判断がぶれません。
もう1つ押さえておきたいのは、家事代行が「在宅の副業」ではないことです。訪問型なので、自宅から動かずに稼ぐ仕事を探している人の希望とは噛み合いません。逆に言えば、画面に向かう仕事に疲れている人、体を動かしたほうが気分が切り替わる人にとっては、在宅の作業と組み合わせる相性の良い相手になります。この組み合わせの話は記事の後半で扱います。
家事代行の仕事内容は掃除と調理で分かれる
家事代行の求人は、大きく掃除系と調理系に分かれます。同じ会社の中でコースが分かれていることも多く、どちらを選ぶかで必要な準備も拘束時間も変わります。
掃除系は、掃除、洗濯、アイロン、片付け、水回りの清掃、ゴミ出しといった作業です。2時間の枠なら、依頼者があらかじめ優先順位を決めていて、その順に手を入れていく形が一般的です。全部を完璧に終わらせる仕事ではなく、時間内に優先度の高いところを片付ける仕事だと考えたほうが実態に合います。専門的な機材を使う分解洗浄はハウスクリーニングという別業態で、家事代行の範囲には通常入りません。
調理系は、依頼者の自宅のキッチンで、指定された品数を作り置きする仕事です。ここは拘束時間の感覚が掃除系と違います。
1回の調理時間は、調理器具の清掃を含めて3時間。0歳~5歳の子どもがいる人は登録できないので、子どもが大きくなり、主婦経験を生かした副業を考えている人におすすめです。 出典: goworkship.com
調理は片付けまでが仕事なので、3時間枠になっているサービスが目立ちます。加えて、会社によっては登録要件そのものに制限が入ります。引用にあるように小さい子どもがいる間は登録できないという条件は、衛生管理と急な欠勤のリスクを会社側が嫌うためのものです。掃除系にはこの条件がない会社もあるので、家庭の状況によって入口が変わります。
自分の家の家事との違いを、もう少し具体的に挙げておきます。第1に、道具が自分のものではありません。依頼者の家にある洗剤とスポンジを使う前提の会社もあり、その場合は「どの洗剤をどこに使うか」を家ごとに覚え直すことになります。第2に、置き場所を変えられません。自分の家なら効率の良い配置に変えてしまえばよいところを、家事代行では元の場所に戻すのが原則です。第3に、判断を勝手にできません。捨てるか残すか迷うものは、触らずに残して報告するのが基本です。この3点に慣れるまでが、最初の壁になります。
登録から初回訪問までの流れは4段階
家事代行の副業を始めるまでの流れは、どの会社でもおおむね同じ4段階です。応募してから実際に報酬が発生するまで、早い会社で2週間、丁寧な会社だと1か月程度かかります。ここを見誤ると「すぐ稼げるつもりだったのに」と感じることになるので、先に把握しておきたいところです。
段階1 応募と書類の提出
求人サイトや会社の採用ページから応募します。この時点で入力するのは、住所、対応できる曜日と時間帯、家事の経験、移動手段です。対応エリアは自宅の最寄り駅からの範囲で決まるため、住んでいる場所によって紹介される件数が大きく変わります。都市部の駅近であれば候補は多く、郊外だと移動時間が長くなりがちです。応募の段階で「どの範囲まで行けるか」を正直に書いておくほうが、後で断り続ける事態を避けられます。
段階2 面接と説明会
対面またはオンラインで面談があります。ここで確認されるのは、家事のスキルよりも先に、時間を守れるか、報告と連絡ができるか、他人の家で落ち着いて振る舞えるかです。依頼者の自宅に入る仕事なので、会社側は信頼できるかどうかを最優先で見ます。家事の腕に自信がなくても、この段階で落ちる理由にはあまりなりません。逆に、遅刻や連絡の抜けに不安を持たれると、腕があっても紹介が回ってきません。
段階3 研修
未経験者向けの研修を用意している会社が多くあります。掃除の手順、洗剤の使い分け、訪問時のマナー、報告の書き方といった内容です。研修が有給か無給かは会社によって差があるので、応募前に確かめておく価値があります。無給の場合、最初の数時間は投資の時間だと割り切ることになります。
段階4 初回訪問と同行
いきなり単独で入るのではなく、先輩スタッフが同行する形から始まる会社もあります。初回は作業そのものより、依頼者との挨拶、鍵の受け渡し方法、作業範囲の確認に神経を使います。ここでの印象が、その後の継続指名に直結します。正直なところ、初回訪問の緊張は想像よりきついという声をよく聞きます。ただし3件ほどこなすと手順が身体に入るので、最初の数件を乗り切れるかどうかが分岐点になります。
時給の数字だけで判断すると実態を見誤る
家事代行の報酬は時給で提示されます。掲載されている金額はサービスによって幅があり、地域や経験、指名の有無で動きます。引用にあるように、時給1,450円からという水準を示している会社があります。
【「CaSy」の特徴】・週1日、8時~20時の間で2時間から働くことが可能・時給は1,450円~ ※指名されると時給アップ・研修制度などのフォロー体制もあり、未経験でも安心・交通費支給 出典: kitchen.or.jp
この数字をそのまま受け取る前に、3つ補正をかける必要があります。
補正の1つめは移動時間です。多くの会社で、移動時間は労働時間に含まれません。交通費は支給されても、移動している30分に対する時給は発生しないのが通例です。自宅から片道30分の現場で2時間働くと、家を出てから帰るまで3時間拘束されて、報酬は2時間分です。時給1,450円なら、拘束時間で割り直した実質の時給は967円まで下がります。近い現場を優先して受けることが、そのまま収入の改善になる仕事です。
補正の2つめは準備と後処理です。訪問前に依頼内容を読み込み、訪問後に報告を書く時間があります。1件につき10分から20分程度ですが、件数が増えるとまとまった時間になります。
補正の3つめは指名の効果です。継続して同じ依頼者に入ると時給が上がる仕組みを持つ会社があります。これは単に単価が上がるだけでなく、家の構造と依頼者の好みを覚えているので作業が速く終わる効果もあります。同じ2時間でも、初回の家と5回目の家では終わり方がまるで違います。家事代行で収入を安定させている人は、新規を取り続けるのではなく、継続の割合を増やしています。
なお、報酬を語るときに雇用形態の確認を飛ばすと危険です。パートやアルバイトの雇用契約なら最低賃金と労災が適用され、給与として支払われます。業務委託なら報酬は事業所得または雑所得になり、経費を自分で管理することになります。同じ「時給」という表示でも、税や保険の扱いが変わります。応募先がどちらなのかは、契約書の名前を見れば分かります。
週1回2時間から組む時間割の作り方
家事代行を副業として続けられるかどうかは、腕よりも時間割の設計で決まります。ここでは、本業を持っている人が現実に組める形を3パターン挙げます。
1つめは、土日のどちらかに1枠だけ入れる形です。週1回2時間なら、月4回で8時間です。時給1,450円なら月11,600円前後になります。金額としては小さいですが、体力と生活への影響がほとんどなく、続けやすい形です。最初の3か月はこの形で入って、自分に合うかを見るのが安全です。
2つめは、土日に2枠を近い場所で連続させる形です。午前に1件、午後に1件を、徒歩や1駅圏内で組むと、移動の無駄が半分になります。1日で4時間から5時間の稼働です。この形にできるかどうかは、住んでいるエリアの依頼密度に左右されます。会社に「近接する枠をまとめて回したい」と伝えておくと、配車の段階で考慮してもらえる場合があります。
3つめは、平日の夜や早朝に入れる形です。8時から20時の間で受け付ける会社なら、夕方以降の枠があります。ただし平日夜は依頼者が在宅していることが多く、話しかけられて作業が中断することもあります。集中して黙々と進めたい人は、日中の不在時の枠を選ぶほうが向いています。
組むときに必ず入れてほしいのが、予備の余白です。電車の遅延、鍵の受け渡しの手間取り、想定より散らかっていた部屋。どれも起こります。次の予定を作業終了時刻の直後に置くと、1回の遅れが本業や家庭にそのまま波及します。前後に30分の余白を取ってください。
作業の時間管理そのものに苦戦する人には、集中の技術を先に整えておく手もあります。在宅の作業向けに書いたものですが、時間を区切って進める考え方は訪問の仕事にも流用できます。時間を区切る手法をポモドーロ以外も含めて比較した在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックでは、集中が切れる原因の切り分け方を扱っています。
資格は必要ないが効く資格はある
家事代行の副業に、法律上必須の資格はありません。求人の大半が未経験可で、研修で必要な手順を教える設計になっています。
クレ家事代行では、特別な資格がなくても始められる家事代行副業を提供しています。自分のライフスタイルに合わせて、空いている時間を有効に使いながら、家庭や仕事とのバランスを取りながら働けるのが大きなメリットです。 出典: c-b-un.com
では資格は無意味なのかというと、そうでもありません。効き方が2種類に分かれます。
1種類めは、指名や単価に効くものです。整理収納アドバイザーやハウスクリーニングに関する民間資格は、依頼者に選ばれる理由を作ります。会社の紹介ページに保有資格が載る仕組みがあれば、指名の確率が上がります。ただし、資格を取ったから時給が自動で上がるという話ではありません。効くのは「この人に頼みたい」という依頼者側の判断を後押しする場面です。
2種類めは、仕事の幅に効くものです。調理系に入るなら、食品衛生や栄養に関する知識は実務でそのまま使えます。アレルギーの確認、生ものの扱い、作り置きの保存期間。ここを知らずに入ると、事故のリスクを背負うことになります。資格そのものより、勉強した内容が現場で効くタイプです。
資格の勉強に時間を割くかどうかは、その時間を稼働に回した場合と比べて判断するのが合理的です。月8時間の稼働で11,600円前後なら、30時間の勉強は4か月分の稼働に相当します。取るなら、指名に直結するものか、調理系に入るために必要なものに絞るのが現実的です。
なお、将来的に在宅の仕事にも広げたいなら、資格の選び方が変わります。在宅で成立する仕事に紐づく資格を整理した在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるでは、実務に結びつく資格と、名前だけで終わる資格の見分け方をまとめています。事務系の基礎を固めたいならビジネス文書検定のように、報告書や連絡文の書き方そのものを鍛える資格が、家事代行の報告業務にも地味に効きます。
メリットとデメリットを同じ重さで並べる
家事代行の副業を勧める記事はメリットに寄りがちなので、ここでは両方を同じ分量で書きます。
メリットの1つめは、初期投資がほぼゼロで始められる点です。パソコンも機材も要りません。動きやすい服とエプロン、そして通える範囲の現場。これだけで始まります。在宅の副業を始めるときにかかる回線や機材の費用が不要なのは、地味に大きい利点です。
メリットの2つめは、単価が最初から一定水準にある点です。未経験から始める副業では、最初の数か月がほぼ無報酬になるものが珍しくありません。家事代行は研修を終えれば時給が発生します。収入が立ち上がるまでの時間が短い仕事です。
メリットの3つめは、成果が目に見える点です。作業前と作業後で部屋が変わります。感謝の言葉が直接返ってくることもあります。画面の向こうの相手と数字だけをやりとりする仕事に疲れている人には、この手触りが効きます。
メリットの4つめは、家庭で培った段取りがそのまま資産になる点です。限られた時間で複数の作業を並行させる技術は、家事を毎日回してきた人が持っている能力です。これを評価される場は、実はそう多くありません。
デメリットの1つめは、身体を使う仕事である点です。2時間の掃除は、想像より体力を使います。膝と腰に負担がかかる作業が続くため、本業が立ち仕事の人は稼働量を慎重に決める必要があります。
デメリットの2つめは、収入の上限が時間で決まる点です。時給制なので、稼ぎを増やす手段は「時間を増やす」か「単価を上げる」しかありません。仕組みを作って寝ている間に売上が立つ形にはなりません。副業に求めるものが「時間からの解放」なら、方向が合っていません。
デメリットの3つめは、キャンセルの影響です。依頼者の都合で直前に枠がなくなることがあります。補償のルールは会社によって違い、まったく出ない場合もあります。月の収入を固定費の支払いに当て込むと、この揺れで困ります。
デメリットの4つめは、相性の問題が避けられない点です。他人の家に入る仕事なので、価値観の合わない依頼者に当たることがあります。ここで無理をして受け続けると、続かなくなります。会社の担当者に相談して配車を変えてもらう判断を、早めに取ってください。
始める前に確かめる注意点は4つ
副業として家事代行を始める前に、確かめておくべき点を挙げます。どれも後から知ると面倒になる項目です。
本業の副業規定
会社員なら、勤務先の就業規則を先に読んでください。副業を届出制にしている会社が増えていますが、無届けを禁じている場合もあります。競業に当たらないか、本業に支障が出ないかが判断軸になります。届出が必要なら、稼働の曜日と時間を書いて先に出しておくほうが、後で揉めません。
税金の線引き
給与所得者が副業をする場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。ここで言う所得は、収入から経費を引いた後の金額です。業務委託で家事代行をするなら、交通費の自己負担分や作業用の消耗品が経費になる可能性があります。一方、パートとして雇用契約を結んでいる場合は給与所得になるため、2か所以上から給与をもらう場合のルールで考えることになります。自分がどちらなのかを契約書で確かめて、判断が付かなければ国税庁の案内を確認してください。制度の一次情報は国税庁の公式サイトに出ています。住民税の申告は所得税の申告要否とは別に必要になる場合があるので、ここも自治体の案内を見ておくと安全です。
保険と賠償
他人の家で作業する以上、物を壊す可能性はゼロにできません。会社が賠償責任保険に加入していて、スタッフの作業をカバーしているかを確認してください。業務委託の場合、自分で保険に入るよう求められることがあります。また、雇用契約なら労災が適用されますが、業務委託だと原則適用されません。移動中の事故を含めて、どこまで守られるのかを契約時に読んでおくべき項目です。
個人情報と守秘
依頼者の家の間取り、家族構成、生活のパターン。すべて知る立場になります。会社との契約に守秘義務の条項が入っているのが通常で、SNSに現場の写真を上げるような行為は契約違反になります。当たり前に思えても、実際に問題が起きているから条項があります。ここは一度でも破れば仕事を失う項目だと考えてください。
続かない人がつまずくのは腕ではなく段取り
家事代行の副業を始めて短期間で離れる人の理由を並べると、掃除が下手だったから、という話はほとんど出てきません。出てくるのは段取りと気持ちの管理に関する話です。ここを先に知っておけば、同じ穴に落ちずに済みます。
つまずき方の1つめは、時間内に終わらせる設計ができていないことです。自分の家の掃除は、終わりを自分で決められます。納得するまで続けてよいし、途中でやめてもよい。ところが他人の家では、決められた枠の中で終わらせる必要があります。最初のうちは、洗面台の細部を丁寧にやりすぎて浴室に手が回らない、という配分の失敗が起きます。対処は単純で、入った直後に作業の順番と持ち時間を口に出して決めることです。浴室に何分、キッチンに何分、残りで床。この一手間で、終わり方が安定します。
つまずき方の2つめは、依頼者の期待を推測で埋めてしまうことです。依頼内容に書かれていないことを「たぶんこうしてほしいのだろう」と判断して手を入れると、良い方向に外れることもありますが、悪い方向に外れると信頼を失います。冷蔵庫の中を整理したら、置き方に意味があって怒られた、という話は珍しくありません。書かれていないことは触らず、気づいた点は報告に書いて次回の相談材料にするのが正しい手順です。
つまずき方の3つめは、断る練習をしていないことです。会社から打診される枠を全部受けると、移動が無理な組み合わせが混ざります。無理に受けて遅刻すると、評価が下がるのは受けた本人です。断ることは怠けではなく、続けるための管理です。対応できる範囲を最初に書いて伝え、範囲外は断る。これを徹底している人のほうが、結果的に長く続いています。
つまずき方の4つめは、道具の知識を後回しにすることです。洗剤には使ってよい場所と使うと傷む場所があります。たとえば酸性と塩素系を混ぜると危険なガスが出ますし、研磨剤入りの洗剤は素材によって傷を作ります。研修で教わる内容ですが、忘れたまま現場に入ると事故につながります。自分用のメモを作って、素材と洗剤の対応表を手元に持っておくと安心です。
つまずき方の5つめは、感情の切り替えができないことです。他人の生活の場に入る仕事なので、生活の癖がそのまま見えます。自分の価値観と違う場面に何度も出会います。ここで評価や判断をしないで作業に集中する構えを作れるかどうかが、この仕事を続けられる分かれ目です。仕事として範囲を切って、その中で最良を出す。この割り切りを持てる人は、どの家に入っても安定しています。
訪問の仕事と在宅の仕事を組み合わせるという考え方
20年この市場を見てきた立場から言えば、副業が長く続く人には共通点があります。1つの仕事だけに寄りかからず、性質の違う仕事を2本持っている人が残るのです。家事代行のような訪問型は、天気や体調、依頼者の予定に左右されます。一方で、在宅で完結する作業は時間の自由が利く反面、単価が立ち上がるまで時間がかかります。この2つは弱点が逆向きなので、組み合わせると収入の谷が浅くなります。
運営者として見てきた限りでは、もう1つ効く要素があります。手取りの厚さです。同じ仕事を受けても、間に何社入るかで受け手の手取りは変わります。中間マージンが乗らない直接の取引では、依頼者は同じ予算でより多く頼めて、受け手は同じ作業で手取りが厚くなります。手数料0%という条件の値打ちは、金額の大小ではなく「同じ労力に対する手取りの質」にあります。長く続けている人は、稼働時間を増やす前に、この手取りの構造を見直しています。
現場を長く見てきて意外だったのは、単発の作業を数多くこなす人よりも、「この人に任せると楽だ」という関係を作った人のほうが、結果的に少ない時間で安定していることです。家事代行でいえば、指名で継続している依頼者が3軒あれば、月の予定はほぼ埋まります。新規を追いかける労力より、既存の3軒の満足度を上げる労力のほうが安く済むのです。これは在宅の仕事でも同じ構造で、リピートの取引が2社できた時点で、営業に使う時間が激減します。
在宅側の仕事を選ぶときに、単価の相場を先に知っておくと判断が早くなります。文章を書く仕事の相場をまとめた著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、経験年数と単価の関係を職種別に整理しています。技術寄りの方向を見るならソフトウェア作成者の年収・単価相場も参考になります。どちらも、家事代行の時給と比べて「時間当たりでどこまで伸びるのか」を測る材料になります。
在宅の作業を本格的に入れるなら、通信環境の整備が先です。オンラインでの打ち合わせが入る仕事だと、回線の不安定さがそのまま信頼の低下につながります。回線の選び方を比較した在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方では、工事の有無と速度の実態を条件別にまとめています。
最後に、家事代行を副業の入口にする場合の現実的な見立てを書きます。週1回から始めて、3か月で続けられるかを判断する。続けられるなら、近接する枠をまとめて1日2件の形に移す。同時に、在宅で完結する作業を1本仕込んでおく。この順番なら、体力の限界に当たる前に収入の軸が2本になります。時給の数字だけを追って稼働を増やす道は、どこかで必ず止まります。止まる前に構造を変えておくのが、長く働く人のやり方です。
よくある質問
Q. 家事代行の副業は未経験でも採用されますか?
未経験可の求人が大半で、研修を用意している会社も多くあります。面接で見られるのは家事の腕より、時間を守れるか、報告と連絡ができるか、他人の家で落ち着いて振る舞えるかです。特別な資格も法律上は必要ありません。ただし調理系のコースは、小さな子どもがいる間は登録できないなど、会社ごとの要件があります。
Q. 時給はどのくらいで、実際の手取り感はどうなりますか?
サービスによって幅がありますが、時給1,450円からという水準を示している会社があります。ただし移動時間は労働時間に含まれないのが通例なので、片道30分の現場で2時間働くと拘束3時間に対して報酬は2時間分です。近い現場を優先し、指名で継続を増やすことが実質の時給を上げる手段になります。
Q. 週1回2時間だけでも働けますか?
週1日、2時間からの枠を用意している会社があります。月4回で8時間の稼働なので、本業や家庭への影響はほとんどありません。まずこの形で3か月続けて、体力と生活に合うかを確かめるのが安全な入り方です。慣れてから、近接する枠をまとめて1日2件にする形へ移すと効率が上がります。
Q. 副業として始めるとき、確定申告は必要になりますか?
給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。この所得は収入から経費を引いた後の金額を指します。パートの雇用契約なら給与所得になるため、2か所以上から給与をもらう場合のルールで判断します。自分の契約がどちらなのかを契約書で確かめ、判断が付かないときは国税庁の案内を確認してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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