家事代行の仕事内容と一日の流れ|受けられる依頼の範囲


この記事のポイント
- ✓家事代行の仕事内容は掃除と料理だけではありません
- ✓1件の訪問でどう時間を使うのか
- ✓受けられる依頼と断るべき依頼の線引き
家事代行の仕事内容を調べている人がいちばん知りたいのは、求人の説明に書かれている「掃除、洗濯、料理」の先にある話です。1件の訪問で何をどの順番でやるのか、依頼された作業を断ってよい場面はあるのか、時間内に終わらなかったらどうなるのか。こうした具体的な部分が分からないまま応募すると、初回の訪問で戸惑うことになります。
さらに、家事代行という言葉のなかには契約の形がまったく違う二つの働き方が混ざっています。家事代行会社に雇われて派遣される形と、家庭と直接契約を結ぶ形です。この二つは労働法の適用が違い、守られる範囲も違います。求人を選ぶ前にこの違いを知っておかないと、同じ「家事代行」の求人に見えて条件がまるで違うものを比べてしまいます。
この記事では、仕事内容を作業の区分で整理し、1日の流れを時間軸で追い、受けられる依頼の範囲を国の資料にもとづいて示します。そのうえで契約の形の違い、労働条件の目安、収入の組み立てまでを扱います。
家事代行の仕事内容を6つの区分で整理する
家事代行の作業は、依頼の内容ごとに6つに分かれます。会社によって扱う範囲が違うため、求人票でどこまでを担うのかを確認してください。
第一は掃除です。床、水回り、窓、家具の表面が対象です。家事代行で最も依頼が多い作業で、使う道具は依頼者の家にあるものを使う場合と、会社が持ち込む場合があります。専門的な機械を使った清掃はハウスクリーニングという別の業種で、家事代行の範囲とは区別されます。
第二は洗濯です。洗う、干す、取り込む、たたむ、しまうの5工程に分かれます。洗濯機の操作は家庭ごとに違い、洗剤の使い分けや干す場所の指定があるため、初回に確認する項目が多い作業です。アイロンがけを含むかどうかは依頼によって変わります。
第三は料理です。買い物を含む場合と、食材が用意されている場合があります。作り置きの依頼が多く、数日分の食事を一度に作ります。家族の人数、好み、アレルギー、味の濃さを聞き取ることが前提になります。
第四は整理と収納です。物の置き場所を決めて戻す作業です。ここは依頼者の考えが強く出る領域で、勝手に判断すると後で問題になります。何をどこへ戻すかを最初に決めておく必要があります。
第五は買い物と用事の代行です。食材や日用品の買い物、郵便物の投函、クリーニングの出し入れなどです。金銭のやり取りが発生するため、立て替えと精算の方法を明確にしておく作業です。
第六は付随する作業です。ゴミ出し、植物への水やり、布団を干すといった細かい作業が入ります。1件あたりの時間が短いため、依頼の全体量のなかでどう組み込むかが腕の見せどころになります。
6つのうち、未経験から始めやすいのは第一と第二です。手順が決まっていて、依頼者ごとの好みの幅が比較的狭いためです。料理と整理収納は依頼者の考えを読む力が必要になるため、経験を積んでから担う会社が多いです。
1件の訪問の流れを時間軸で追う
2時間の訪問を例に、実際の流れを見ていきます。会社によって手順の名前は違いますが、構造はおおむね共通しています。
訪問の前に、その日の依頼内容を確認します。前回の記録があれば読み返し、依頼者から追加の要望が入っていないかを見ます。ここを省くと、現場で聞き直すことになって時間を失います。
到着したら、まず挨拶と作業内容の確認をします。この5分から10分で、当日やることと優先順位を決めます。依頼が時間に対して多いときは、どれを先にやるかをその場で決めます。この確認を飛ばして作業を始めると、時間が足りなくなったときに優先度の低い作業を先に終えてしまっていた、という事態になります。
作業に入ってからは、時間を配分して進めます。2時間の訪問なら、掃除に70分、洗濯に30分、片付けと確認に10分といった組み立てです。実際にはこの配分どおりにいかないことが多く、途中で調整します。水回りの汚れが予想より多い、洗濯物の量が想定と違う、といったずれが日常的に起きます。
終了の15分前には、仕上げと確認に移ります。使った道具を元の場所へ戻し、作業した場所を見て回ります。依頼者が在宅の場合は、できたこととできなかったことを伝えます。ここを曖昧にすると、次回に持ち越しになった作業が伝わらず不満につながります。
訪問後は記録を残します。何をどこまでやったか、次回に回した作業、気づいた点を書きます。次に別の人が入る場合もあるため、記録は自分のためだけのものではありません。
1日に複数件を回る場合、移動が業務の一部になります。訪問と訪問のあいだの移動時間が勤務時間に入るかどうかは会社によって扱いが違うため、求人票または面接で確認してください。この点は手取りに直接影響します。
受けられる依頼と、受けられない依頼の線引き
家事代行で最も判断に迷うのがここです。依頼された作業を断ってよいのか、断ると評価が下がるのかという不安が、現場の人に負担をかけています。国が示している考え方を確認してください。厚生労働省が公表している雇用ガイドラインには、依頼する側が守るべき原則としてこう書かれています。
家事使用人に行ってもらう仕事やその水準についてお互いに確認し、仕事で求める水準について合意した上で、仕事の範囲を明確にしましょう。法令上資格がないとできない業務は、有資格者である場合を除いて依頼しないでください。また、高度な家事業務や危険を伴う作業などについて、一律に要求することは適切ではありません。 出典: 厚生労働省
この一文が示しているのは三つのことです。第一に、仕事の範囲は事前に合意して決めるものであること。第二に、資格が必要な業務は資格を持たない人に依頼してはいけないこと。第三に、高度な作業や危険な作業を一律に求めるのは適切でないことです。つまり範囲外の依頼を断ることは、正当な行動だという位置づけになります。
具体的に、受けられない依頼を整理します。
医療に当たる行為は受けられません。注射、点滴の管理、傷の処置、薬の服用の判断はすべて医療の領域です。薬を手元に用意する程度と、飲ませる判断をすることは違います。
介護保険の対象になる身体の介護も、家事代行の範囲とは区別されます。入浴の介助、排せつの介助、体位の変換は訪問介護の業務です。厚生労働省の同じ資料には、介護保険のサービスと保険外のサービスを組み合わせて使う家庭がある場合、介護保険のサービスとしての時間と、家事使用人として行う保険外のサービスの時間を明確に区分するよう求める記述があります。時間の区分が曖昧になると、働く側に過重な負担が生じます。
危険を伴う作業も断る対象です。ガイドラインには、高所での作業など明らかに危険な作業はさせないよう注意する、という記述があります。脚立に上がって照明器具を交換する、屋根や外壁に手を出す、といった作業は範囲外です。
専門の資格が必要な作業も外れます。電気工事、ガス機器の設置、エアコンの分解洗浄などです。「軽く見てもらえれば」と頼まれても、資格がない人が手を出してよい作業ではありません。
貴重品の扱いも線引きが必要です。ガイドラインには、トラブルを避けるために金品や貴重品など触れてはいけないものは雇用主自身が管理するようにという記述があります。現金の保管場所に手が届く作業を頼まれたら、その場で確認してください。
断り方は難しく感じますが、「その作業は契約の範囲に入っていないため、会社に確認します」という言い方で足ります。個人の判断で断るのではなく、契約と会社に判断を戻す形にすれば、関係を損ねずに済みます。
会社に雇われる形と、家庭と直接契約する形の違い
ここが家事代行の求人を選ぶときに最も重要な論点です。同じ作業をしていても、契約の形で法律の適用が変わります。
労働基準法には適用除外を定めた条文があり、「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない」と書かれています。家事使用人とは、厚生労働省の説明では「家政婦(夫)紹介所を経由するなどして、ご家庭と直接労働契約を結び、ご家庭との雇用関係の下において、家事業務を行う人」を指します。つまり家庭と直接契約を結ぶ働き方は、労働時間の上限、割増賃金、年次有給休暇といった労働基準法の規定が適用されません。
一方で、家事代行会社に雇われて依頼先に出向く形は違います。この場合の雇用主は家事代行の事業を行う会社であって、家庭ではありません。事業として行われているため、労働基準法が適用されます。労働時間の管理、時間外の割増賃金、年次有給休暇の付与は会社の義務になります。
この違いを知らずに求人を比べると判断を誤ります。時給の数字だけを見れば直接契約のほうが高く見えることがありますが、残業の割増や有給休暇が付かない条件であれば、年間で見た手取りは逆転する場合があります。
適用除外だからといって、家事使用人が無防備に置かれているわけではありません。厚生労働省は就業環境を改善するために雇用ガイドラインを作り、労働契約書のひな型まで公開しています。ガイドラインが示している水準は次のとおりです。
| 項目 | ガイドラインが示す考え方 |
|---|---|
| 報酬 | 最低賃金を下回るような低い水準となっていないか確認する |
| 就業時間 | 1日8時間、1週40時間を上限とすることが望ましい |
| 契約期間 | 期間を定める場合は長くとも3年以内(満60歳以上は5年以内)が望ましい |
| 条件の変更 | 家事使用人との合意が必要で、変更の必要性を説明する |
| 就業時間の管理 | 始業と終業の時刻を確認して記録し、お互いに確かめる |
| 相談の窓口 | 困ったときに相談する家庭内の相談者を契約書に記載して共有する |
このガイドラインは、家庭だけでなく働く本人と紹介所も読む前提で作られています。契約の内容を書面か電子メールで明示することが繰り返し求められているため、口頭だけで話が進んでいる場合は書面を求めてよい根拠になります。
労災保険と損害保険の扱い
事故に備える仕組みも、契約の形で変わります。
会社に雇われている場合、労災保険は勤務時間の長さに関係なく適用されます。作業中に転んだ、洗剤で手を傷めた、移動中に事故に遭ったといった場合に対象になります。受診するときは業務中のケガであることを医療機関に伝えてください。
家庭と直接契約する家事使用人の場合、労災保険は自動では適用されません。ただし特別加入という仕組みが用意されています。厚生労働省は介護作業従事者および家事支援従事者として労災保険に特別加入できることを案内しており、加入は都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体を通じて行います。自分が登録している紹介所が特別加入団体になっているかを確認するのが最初の一歩です。特別加入した場合の補償は、加入時に選んだ金額を基準に計算され、休業した場合はその8割が支給される仕組みです。
もうひとつ、損害保険の確認も欠かせません。作業中に依頼者の家財を壊してしまった場合に備える保険です。ガイドラインは、雇用主が家事使用人または紹介所に対してどのような保険に加入しているかを事前に確認するよう求めています。働く側の立場でも同じで、自分が壊したものを個人で負担する形になっていないかを、契約の段階で確かめてください。
現場で負担になる点を先に知っておく
家事代行の仕事は、始めてから予想と違うと感じる人が一定数います。何が負担になるのかを先に知っておくと、職場の選び方が変わります。
現場で働いている人への調査では、作業そのものより現場の状態に対する負担が上位に挙がっています。
しゅふJOBで家事代行サービスのお仕事をしている方に「実際にお仕事をしていて大変だと感じるポイントは?」という質問をしたところ、「予想以上に散らかっている(60.3%)」と回答した方がもっとも多い結果となりました。 出典: part.shufu-job.jp
6割が挙げているのは、想定していた作業量と実際のずれです。これは家事代行の構造的な問題です。依頼を受ける段階では会社が状況を聞き取りますが、実際の部屋の状態は訪問して初めて分かります。時間内に終わらない前提で入ることになる日があります。
対処の方法は二つあります。ひとつは到着直後の確認で優先順位を決め、終わらなかった作業を記録に残して次回に回すことです。もうひとつは、会社に状況を報告して時間や料金の見直しを依頼してもらうことです。個人で抱え込むと、無償で時間を延ばすことになります。
同じ調査では、収入が安定しないという回答が39.4%で2番目に多く挙がっています。依頼のキャンセルがあると、その時間の収入がなくなります。継続の依頼を持っている人と、単発の依頼だけの人では、月ごとの収入の振れ幅が大きく変わります。仕事を始めるときは、継続の依頼をどう積み上げるかを最初から考えておいてください。
もうひとつ挙げておきたい負担が、依頼者との関係です。家事代行は依頼者の生活空間に入る仕事です。物の置き場所、掃除の順番、料理の味付けは、その家のやり方があります。自分のやり方が正しいと考えて進めると、必ず食い違いが起きます。取材のなかで経験を積んだ人から聞いたのは、最初の数回は自分のやり方を出さず、その家のやり方を覚えることに集中するという話でした。
家事代行とハウスクリーニング、訪問介護の違い
同じ「家に来て作業する仕事」に見えて、制度上は別の業種です。求人を探すときに混同すると、応募先を誤ります。
家事代行は、日常の家事を代わりに行う仕事です。掃除は日常の範囲で、使う道具も家庭にあるものが基本です。求められるのは特別な技術ではなく、決められた時間で一定の水準に仕上げる力です。
ハウスクリーニングは、専門の機械と薬剤を使って住宅の汚れを落とす仕事です。エアコンの分解洗浄、レンジフードの内部、浴室の水垢の除去といった、日常の掃除では落ちない汚れを扱います。作業に技術と道具が必要で、料金の水準も家事代行より高くなります。家事代行の求人に応募した人が、この種の作業を依頼されることがありますが、それは範囲外です。
訪問介護は介護保険の制度のなかにある仕事で、介護職員初任者研修などの資格が前提になります。身体の介護と、生活の援助に分かれます。生活の援助の内容は掃除や調理で、家事代行と作業の中身が重なりますが、制度上の位置づけが違います。訪問介護では、介護保険の対象になる範囲が細かく決まっており、同居している家族のための食事を作ることは対象外といった線があります。
家事代行と訪問介護が同じ家庭で組み合わせて使われることもあります。厚生労働省の資料には、介護保険のサービスと保険外のサービスを組み合わせる場合、それぞれの時間を明確に区分して、全体の就業時間を踏まえた適切な休憩と休息を確保するよう求める記述があります。区分が曖昧になると、働く側に休憩のない長時間の労働が生じるためです。
ベビーシッターも別の仕事です。子どもを預かる業務には、児童福祉法にもとづく届出の制度が関わります。家事代行の訪問中に子どもを見てほしいと頼まれることがありますが、これは契約の範囲と事業者の届出の両方に関わる話なので、その場で引き受けてはいけません。
| 業種 | 主な作業 | 前提になる資格や制度 |
|---|---|---|
| 家事代行 | 日常の掃除、洗濯、料理、買い物 | 資格は前提とされないことが多い |
| ハウスクリーニング | 専門の機械と薬剤を使った清掃 | 技術と機材が必要 |
| 訪問介護 | 身体の介護と生活の援助 | 介護職員初任者研修などの資格 |
| ベビーシッター | 子どもの保育と見守り | 児童福祉法にもとづく届出の制度 |
その家のやり方をどう覚えるか
家事代行は、作業の技術より「その家のやり方に合わせる力」で評価が決まる仕事です。ここを言葉にしておきます。
家庭ごとに違うのは、物の置き場所、掃除の順番、洗剤の指定、洗濯物のたたみ方、食器の収納の仕方です。どれも正解があるわけではなく、その家の習慣です。自分の家でのやり方が効率的だと感じても、依頼者の家では違うやり方が定着していることがあります。
初回の訪問でやることは、教わることです。どこに何があるか、どの洗剤をどこに使うか、洗濯物はどうたたむか。聞ける範囲で聞き、聞けなかった部分は元の状態を写して覚えます。取り出した物を元の位置に戻す前に、どこにあったかを確認する習慣が要ります。
2回目以降は、覚えたやり方を再現します。ここで差が出るのが記録です。「タオルは三つ折り」「調味料は右の棚」といった細かい情報を書き残しておくと、次回に迷いません。会社が記録の様式を用意している場合はそれに従いますが、様式に収まらない情報は自分の手元に残しておくとよいです。
数回を重ねたあとに、初めて提案が意味を持ちます。「この場所は毎回汚れるので、順番を入れ替えると時間が短くなります」といった提案は、その家のやり方を理解したうえで出すと受け入れられます。最初から出すと、自分のやり方を押し付けていると受け取られます。
依頼者と直接話す機会がない訪問もあります。留守中に作業して帰る形です。この場合はやり取りが記録だけになるため、書き方の丁寧さがそのまま評価になります。できなかった作業とその理由を書かずに帰ると、手を抜いたと受け取られる危険があります。
収入の組み立てと手続きの線
働ける時間から収入を組み立てるとき、押さえておく線が三つあります。
雇用保険は、週の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込みがあると被保険者になります。健康保険と厚生年金については、短時間労働者が対象になる要件が週20時間以上、2か月を超える雇用の見込み、学生でないことの三つに加えて、所定内賃金が月額8万8000円以上であることが現在は残っています。厚生労働省の説明には、この賃金の要件を2026年10月に撤廃する予定だと注記があります。
税については、給与収入だけの人に所得税がかかり始めるのは令和8年分で178万円からです。給与所得控除の最低保障額が74万円、基礎控除が合計所得132万円以下のときに104万円という組み合わせで出る線です。扶養している側の控除の対象から外れる境目は給与収入136万円で、所得税がかかり始める線とは別の数字です。前の年分の数字が世の中に多く残っているため、自分が何年分の話をしているかを確かめてください。
移動時間の扱いも収入に関わります。1日3件を回る場合、移動が合計1時間を超えることがあります。この時間が勤務時間に含まれるかどうかで、実質的な時間あたりの収入が変わります。求人票に書かれていない場合は面接で確認してください。交通費の支給の上限も同時に聞いておくとよいです。
これらの扱いは一般的にはこうなりますが、勤務先の制度や個別の事情で変わります。判断に迷う場合は、勤務先の担当者、または年金事務所や税務署の窓口で自分の状況を伝えて確認してください。
求人と面接で確かめる7つの項目
家事代行の求人は会社によって条件の差が大きい分野です。応募する前に確かめておく項目を挙げます。
第一に、契約の形です。会社に雇われる形か、家庭と直接契約する形かを確認してください。前に整理したとおり、労働基準法の適用が変わります。
第二に、移動時間と交通費の扱いです。訪問と訪問のあいだの移動が勤務時間に入るか、交通費の支給に上限があるかを聞いてください。1日3件を回る場合、この扱いで手取りが1割以上変わることがあります。
第三に、キャンセルのときの扱いです。依頼者の都合で訪問が取り消された場合、その分の報酬が出るのか、別の依頼に振り替えてもらえるのかを確認してください。ここが収入の振れ幅を決めます。
第四に、研修の内容と期間です。未経験で入る場合、何日間の研修があり、何を教わるのかを聞いてください。洗剤と素材の組み合わせ、時間の配分、記録の書き方を教えてもらえるかが立ち上がりを左右します。
第五に、道具の用意です。会社が持ち込む方式か、依頼者の家にあるものを使う方式かで、持ち運ぶ荷物の重さが変わります。自分で用意する必要がある物があるかも確認してください。
第六に、担当する地域です。移動の負担は担当範囲の広さで決まります。自宅から1時間かかる地域まで担当することになるのかを聞いておくと、後で困りません。
第七に、保険です。労災保険と損害保険の両方について、会社がどう用意しているかを確認してください。壊した物を個人で負担する形になっていないかは、契約の段階で確かめる項目です。
この7項目を聞くことで応募の意欲を疑われることはありません。むしろ条件を具体的に確かめる人のほうが、入ってから続く確率が高いと見られます。答えを曖昧にする会社は、その点を判断材料にしてください。
未経験から始めるときの5つの準備
家事代行は未経験から始める人が多い分野です。準備しておくと立ち上がりが変わる点を挙げます。
第一に、自分の家事を手順として言葉にしておくことです。毎日やっていることを、順番と時間に分けて書き出してみてください。面接で「どのくらいの時間で何ができるか」を聞かれたときに、具体的に答えられます。
第二に、道具と洗剤の知識です。素材ごとに使ってよい洗剤が違います。大理石に酸性の洗剤を使う、フローリングに水を大量に使うといった失敗は、直せない損害になります。研修で教わりますが、事前に基本を知っておくと安心です。
第三に、体力の見積もりです。2時間の訪問を1日3件こなすと、移動を含めて8時間近く動き続けます。かがむ、立つ、運ぶという動作が繰り返されるため、腰と膝への負担を自分で測っておいてください。
第四に、時間の管理です。家事代行は決められた時間で区切って終える仕事です。自宅の家事と違い、納得するまで続けるという進め方ができません。時間内に一定の水準で仕上げる感覚を持っておくと、初回の訪問で焦らずに済みます。
第五に、話の聞き取りです。依頼者の要望を正確に聞き取り、できることとできないことを伝えるやり取りが毎回発生します。この力は経験で伸びますが、最初から意識しておくと差が出ます。
家事代行の経験を在宅の仕事につなげる
家事代行は現場に行かないと成り立たない仕事です。そのため、収入の柱をもう一本立てたい人は在宅でできる仕事を組み合わせる形を考えることになります。
経験が直接効くのは文章の仕事です。掃除の手順、洗剤の使い分け、収納の考え方、作り置きの組み立て方は需要が絶えない題材です。現場で他人の家を見ている人は、どこでつまずくのかを知っています。文章の単価を段階的に上げていく方法はWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップに整理されています。最初の仕事を安く受けすぎないための相場感を持っておくと、後で値上げの交渉をする手間が省けます。職種として見たときの報酬の分布は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。
書類を整える技能も使えます。家事代行の事業者は、依頼の記録、見積書、案内文、注意事項の掲示物を日常的に作ります。こうした文書を正確に作れる技能はビジネス文書検定のように出題範囲が公開されている資格で客観的に示せます。現場の経験と文書の技能を両方持つ人は、事業者の側から見ると重宝されます。
もうひとつは、事業者の業務を整える仕事です。訪問の予約管理、問い合わせの一次対応、記録の集計といった業務を外に出す事業者が増えています。こうした業務の設計や運用の相談に関わる仕事の形はAIコンサル・業務活用支援のお仕事に整理されています。現場を知っている人が設計に関わると、実務に合わない仕組みを作らずに済みます。
市場を長く見てきた立場からの観察
フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から言えば、家事代行のように他人の生活空間で働く経験は、在宅の仕事に移るときに独特の強みになります。理由は、相手の事情に合わせて手順を変える訓練を毎日しているからです。在宅の仕事で評価されるかどうかを分けているのは、技術の高さより「頼みやすいかどうか」です。何を聞けば話が早いのかを分かっている人は、最初の数回で信頼を得ます。
運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど単発の作業を数えるより「この人に任せると楽だ」という関係づくりに時間を使っています。家事代行の現場でもこの構造が働きます。頼まれた作業を正確にこなす人は代わりが見つかりますが、依頼者が言わなかった不便に気づいて次回に整えられる人は代わりが見つかりません。継続の依頼が積み上がるのは後者で、収入の振れ幅が小さくなるのも後者です。
報酬について、額面だけを見て判断する人が多いのですが、手元に残る額は間に何が入るかで変わります。中間に手数料が乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%という条件の値打ちは、金額の大小ではなく手元に残る割合が変わるという質の話です。20年この市場を見てきて、この差が年単位で積み上がったときの違いは想像より大きいと感じています。
在宅の仕事を探し始めるなら、自分の技能がどの職種の枠に当たるのかを先に確かめてください。職種ごとの業務内容と求められる技能はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のように分野別に整理されているため、家事代行の経験をどこに接続できるかを考える材料になります。現場の仕事を続けることと在宅の仕事を持つことは、どちらかを選ぶ話ではありません。
よくある質問
Q. 家事代行の仕事内容はどこまでが範囲ですか?
掃除、洗濯、料理、整理と収納、買い物の代行、ゴミ出しなどの付随作業が中心です。医療に当たる行為、介護保険の対象になる身体の介護、高所での作業、電気やガスの工事など資格が必要な作業は範囲外です。厚生労働省の雇用ガイドラインも、資格がないとできない業務を依頼してはいけないこと、危険を伴う作業を一律に求めるのは適切でないことを明記しています。
Q. 1件の訪問はどのように進めますか?
到着後の5分から10分で当日の作業内容と優先順位を確認し、残りの時間を作業に配分します。終了の15分前には道具を元の場所へ戻して仕上げを確認し、できたこととできなかったことを伝えます。訪問後は何をどこまでやったか、次回に回した作業、気づいた点を記録に残します。この記録は次に入る人のためにも必要です。
Q. 家事代行会社に雇われる場合と家庭と直接契約する場合はどう違いますか?
会社に雇われる場合は事業としての雇用なので労働基準法が適用され、労働時間の管理、時間外の割増賃金、年次有給休暇が会社の義務になります。家庭と直接契約する家事使用人は労働基準法116条2項で適用除外とされており、これらの規定が及びません。時給の数字だけで比べると判断を誤ります。
Q. 依頼された作業を断ってもよいのですか?
契約の範囲に入っていない作業、資格が必要な作業、危険を伴う作業は断る対象です。厚生労働省のガイドラインも、仕事の範囲を事前に合意して明確にすることを求めています。断り方に迷う場合は「契約の範囲に入っていないため会社に確認します」と伝え、個人の判断ではなく会社に判断を戻す形にすると関係を損ねずに済みます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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