占いを副業にする|鑑定の始め方とお客さんの集め方

長谷川 奈津
長谷川 奈津
占いを副業にする|鑑定の始め方とお客さんの集め方

この記事のポイント

  • ✓法律で気をつける線引きまで整理しました
  • ✓初心者がつまずく失敗と
  • ✓続けるためのコツも具体的に書いています

「占いを副業にしたいけれど、資格が必要なのか、何か届出が要るのか分からない」。こういうご相談、最近とても増えています。

結論から言うと、占いを仕事にするために国の資格や許可は必要ありません。開業に免許も要りません。つまり、明日から鑑定を受けることが制度上は可能です。

ただし、これは「何をやっても自由」という意味ではありません。占いという仕事には、踏み越えると法律に触れる線が何本か引かれています。これ、知らない人が本当に多いんです。

この記事では、占い副業の始め方を、必要な準備、鑑定を売る場所、お客さんの集め方、そして守るべき線引きまで順に整理します。安心して長く続けられる形を作るための材料としてお使いください。

資格は不要、でも守る線はある

まず制度の話を片付けます。

占い師には、医師や税理士のような業務独占の資格がありません。「この資格がないと占いをしてはいけない」という法律は存在しません。タロット、西洋占星術、四柱推命、手相、数秘術。どれも同じで、名乗るのは自由です。

民間の講座や認定制度はたくさんありますが、それらは法律上の資格ではありません。持っていると学んだ証明になる、という性質のものです。つまり「資格を取ってからでないと始められない」という制約はない。ここは安心してください。

病気の診断をしない。 「あなたの体調不良は病気ではありません」「この薬をやめたほうがいい」といった発言は、医師法が定める医業に踏み込むおそれがあります。体の相談が来たら「医療機関を受診してください」と伝える。これが正解です。※健康に関する深刻な相談を受けた場合は、鑑定で答えようとせず、必ず専門機関を案内してください。

法律の判断をしない。 「この契約は無効だから払わなくていい」「離婚は絶対にあなたが有利です」といった助言は、弁護士法が禁じる法律事務の取扱いに当たるおそれがあります。相談の中身が法的な争いに寄ってきたら、そこで線を引いて専門家を案内してください。

結果を断定して不安をあおらない。 「今すぐ対処しないと大変なことになる」「このままだと必ず別れます」という言い方で不安を高め、続けて高額な追加鑑定やグッズを買わせる形は、消費者契約法や特定商取引法が規制する不当な勧誘に近づきます。私のところにも、この手のトラブルの相談が持ち込まれます。

誇大な効能をうたわない。 「必ず結ばれます」「この鑑定で運命が変わります」といった表示は、後で「そうならなかった」と言われたときに説明できません。占いは結果を保証するものではない、という前提を自分の言葉で書いておくほうが、双方のためになります。

この4つは、覚え方としては「医療と法律には入らない、恐怖で売らない」でまとまります。難しいことではありません。むしろ、この線を守っている人のほうがお客さんが定着します。

なお、自分のサイトで鑑定を販売する場合、特定商取引法の通信販売に該当することがあります。その場合は事業者の氏名や連絡先などの表示が求められます。仲介するプラットフォームを使うなら運営側の表示に乗れる場合もありますので、自分でどこまで表示が必要かは条文と各サービスの案内で確認してください。条文そのものはe-Govの法令検索から追えます。

法律はあなたの味方です。線を知っていれば、怖がる必要はありません。

占い副業の市場の広がりと、収入の見方

次に、市場の話をします。

占いは、相談を受ける手段が広がったことで副業として成立しやすくなりました。以前は対面か電話だけでした。いまはチャット、メール、動画通話、そして文章を納品する形の鑑定まであります。手段が増えたということは、自分の生活に合う形を選べるということです。

たとえば、深夜しか時間が取れない人はチャット鑑定に向いています。まとまった時間が取れる人は電話鑑定。話すのが苦手な人は、メール鑑定や文章での鑑定書の納品という形があります。声を出さずに完結できる仕事は、副業としてかなり貴重です。

近年は、AIを使った鑑定コンテンツを売る形も出てきています。

本記事では、AI占い副業の市場の実態や収益の目安を踏まえながら、月5万円を目指す5ステップ、稼ぎ続けるためのコツ、注意点をわかりやすく解説します。 出典: shift-ai.co.jp

こうした流れがあるのは事実です。ただし、ここには注意点があります。AIが出した文章をそのまま鑑定結果として売る場合、内容の責任は売った人にあります。機械が書いたから免責される、という理屈は通りません。つまり、自分が読んで責任を持てる内容に整えてから出す必要があります。

もう少し踏み込むと、AIの使い方は2つに分かれます。ひとつは鑑定そのものを機械にやらせる形。もうひとつは、自分の鑑定を届けるための道具として使う形です。前者は内容の責任が曖昧になりやすく、相談者から「結局これは誰が見たのか」と問われたときに説明できません。後者、つまり文章の整え方を助けてもらう、記録の整理を任せる、案内の文面のたたき台を作らせるという使い方なら、責任の所在がはっきりしたまま作業を速くできます。

つまり、機械に判断を渡すのではなく、自分の判断を伝える手間を減らす方向で使う。この線を引いておくと、後々の説明に困りません。こうしたツールの業務への組み込み方そのものが仕事になっている領域もあり、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のような案件では、手順を整えて運用に落とし込める人が求められています。占いに限らず、道具を使いこなす技術は仕事の幅を広げます。

収入の考え方についても、正直に書きます。

占いの副業は、単価が決まっているのではなく「時間あたりいくらか」で見る必要があります。電話鑑定なら1分あたりの料金が設定され、そこから仲介の取り分が引かれます。チャット鑑定なら文字数や時間で計算されます。メール鑑定は1通あたりの価格ですが、丁寧に書くと1通に1時間以上かかることがあります。

ですので、始めたら必ず記録してください。何分話したか、何分書いたか、受け取った額はいくらか。この3つを2週間つけるだけで、自分の時間あたりの実入りが見えます。感覚で判断すると、割の悪い形式を続けてしまいます。

そしてもうひとつ。待機の時間があります。電話やチャットの鑑定は、待っている時間が発生します。この待機時間は基本的に報酬になりません。3時間待機して鑑定が30分だった、という日もあります。ここを計算に入れておかないと「思っていたのと違う」と感じます。

待機の時間を無駄にしない工夫をしている人は、別の作業を同時に進めています。鑑定の記録をまとめる、発信用の文章を書く、勉強する。待機中に手を動かせる形を作れるかどうかで、副業としての効率が変わります。

始めるまでの5つのステップ

ここからは具体的な手順です。順番に進めてください。

占術を1つに絞る

最初にやることは、使う占術を1つ決めることです。複数覚えてから始めようとする人が多いのですが、それだと半年経っても始まりません。

選び方は2つの軸で考えます。ひとつは、自分が学び続けられるか。もうひとつは、相談者に説明しやすいか。タロットは学習の入口が近く、その場で結果を示せるので、鑑定の形にしやすい占術です。西洋占星術は情報量が多く、生年月日と出生地から組み立てるため準備の時間が要りますが、繰り返し相談を受けるのに向いています。

どれが優れているという話ではありません。1つに絞って、それで30人見る。ここが最初の目標です。

練習の相手を作る

次に、実際に人を見る練習をします。無料または低額で、知人や家族に協力してもらってください。

ここで練習するのは占術の知識ではありません。相談を受ける技術です。具体的には、相談内容を聞き出す聞き方、相手が受け取れる言葉に直す言い換え、そして時間内にまとめる進め方。この3つは、本を読んでも身につきません。

私自身、行政書士として独立したばかりの頃、法律の知識はあっても相談の場で相手の話を整理できず、時間だけ過ぎてしまったことが何度もありました。知識と、それを人に届ける技術は別物です。占いも同じ構造だと思います。

鑑定の形を決める

何分でいくら、どの手段で、どこまで書くのか。これを先に決めます。

決めておくと、当日に迷いません。たとえば「チャットで30分、相談は1つのテーマに絞る、結果は箇条書きで3点まとめる」という形を決めておけば、毎回の品質が安定します。形が決まっていない人は、長く話しすぎて疲れ、次の予約を受けられなくなります。

売る場所を決める

仲介するプラットフォームに登録するか、自分で集めるか。最初は仲介を使うほうが早いです。集客を自分でやらなくていいので、鑑定の練習に集中できます。ここは次の章で詳しく書きます。

届出と記録の準備をする

副業として収入が出るなら、税の手続きが関係します。継続して事業として行う場合、開業届を税務署に出すことになります。あわせて、売上と経費の記録を最初からつけておいてください。

後からまとめようとすると、必ず抜けます。表計算ソフトで、日付、内容、金額の3列だけでかまいません。手続きの詳細は国税庁の案内で確認してください。

占術ごとの学び方と、準備にかかる時間の目安

「どの占術から始めればいいか」という質問をよくいただきます。ここは、学ぶのにかかる時間と、鑑定の形にしやすさで整理すると選びやすくなります。

タロット。 カードの意味を覚えるところから始めます。78枚すべての意味を暗記しようとすると挫折しますが、大アルカナと呼ばれる22枚から入れば、数週間で引いて読めるようになります。その場で結果を出せるので、チャットや対面の鑑定に組みやすい占術です。相談内容に合わせて並べ方を変える技術は、実際に人を見ながら身につきます。

西洋占星術。 生年月日と出生の時刻と場所から図を作り、それを読みます。覚える要素が多く、ひととおり理解するには数か月かかります。ただし一度作った図は何度でも使えるので、同じ人に繰り返し相談してもらう形に向いています。時期の見方を扱えるようになると、相談の幅が広がります。

四柱推命。 生年月日時から命式を組み立てます。表を使うので計算の手間はありますが、体系がはっきりしているため、学ぶ順番を決めやすい占術です。仕事や家族関係の相談で使いやすいという特徴があります。

手相と人相。 相手を目の前で見る必要があるため、対面か動画通話の鑑定に限られます。逆に言えば、対面の場に強い占術です。道具が要らないのも利点です。

数秘術。 生年月日と名前から数を出して読みます。覚える要素が少なく、入口がいちばん近い占術のひとつです。他の占術と組み合わせて補足に使う人も多いです。

準備の時間について、現実的な目安を書きます。まったくの初心者がタロットで人を見られるようになるまで、毎日30分の学習で1か月から2か月。西洋占星術なら3か月から6か月。ただしこれは「読める」までの時間で、「相談を受けられる」までには別に練習が必要です。

学習の費用については、講座に高額を払う前に、まず書籍とカードだけで始めることをおすすめします。数千円の範囲で試せます。それで続くと分かってから、講座を検討してください。順番を逆にすると、始める前に費用だけが出ていきます。

なお、在宅で成り立つ仕事を広く見比べたい人は、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるで、学習にかかる期間と仕事につながりやすさの関係を確かめておくと、占い以外の選択肢も含めて判断できます。

鑑定当日の流れを、型にしておく

始めてすぐの時期に慌てるのは、当日の進め方が決まっていないからです。型を作っておけば、初回から落ち着いて進められます。

私が相談業務で使っている流れを、占いの鑑定に置き換えて書きます。

最初の5分で、相談のテーマを1つに絞る

相談者は、複数の悩みを同時に持ってきます。仕事のこと、家族のこと、お金のこと。全部を扱おうとすると、どれも浅くなって終わります。

ですので、最初に「今日いちばん知りたいことはどれですか」と聞いてください。1つに絞ると、残りの時間で深く扱えます。絞りきれない場合は「では、まずこちらから見ますね」と自分で決めてしまってよいです。決めてもらえるほうが、相手は安心します。

次の15分で、結果を伝える

ここで大事なのは、順番です。まず全体の見立てを一言で言う。次に、その理由になっている部分を説明する。最後に、いま何ができるかを具体的に示す。

逆の順番、つまり細かい説明から始めると、相手は最後まで結論が見えず不安になります。結論を先に置くと、その後の説明を落ち着いて聞けます。

最後の10分で、次の一歩を決める

鑑定の値打ちは、結果を伝えたことではなく、相手が動けるようになったことです。ですので、最後に「では、まず何をしますか」と確認してください。

具体的で小さいことにするのがコツです。「気持ちを切り替える」ではなく「明日、あの人に一言だけ聞いてみる」。行動の粒度を小さくすると、実際にやってもらえます。

終わったら記録を残す

日付、相談のテーマ、伝えた内容、相手が決めた次の一歩。この4点をメモします。3分で終わります。

この記録があると、次に来たときの対応が変わります。そして自分の傾向も見えてきます。どんな相談が多いか、どのテーマで言葉に詰まるか。30件たまった頃には、自分の得意な相談の型が分かってきます。

メール鑑定や鑑定書を納品する形の場合は、この流れをそのまま文章の構成に使えます。見立てを先に書き、理由を書き、最後に具体的な一歩を書く。文章として読みやすく整えたい人は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場のページで、文章を書く仕事としての相場感も一度見ておくとよいでしょう。鑑定書を丁寧に書く力は、文章の仕事としても値打ちがあります。

鑑定を届ける場所の選び方

お客さんと出会う経路は、大きく4つです。それぞれ性質が違います。

電話鑑定やチャット鑑定のサービスに所属する。 集客をしてもらえるのが最大の利点です。登録時に審査があり、鑑定の経験や占術の知識を見られます。報酬は1分あたりの料金から仲介の取り分を引いた額になります。手数料の率はサービスによって差があるので、登録前に必ず確認してください。

スキルを売り買いするプラットフォームに出品する。 メール鑑定や鑑定書の納品に向いています。自分で価格を決められる自由度があり、実績と評価が自分に積み上がります。ただし出品したばかりの時期は埋もれるので、見つけてもらう工夫が必要です。

自分で集めて、直接受ける。 発信を通じて相談者と直接つながる形です。仲介の取り分が乗らないので、同じ料金でも手元に残る額が厚くなります。手数料0%で受けられる場を併用すると、価格の設定を自分で決められるようになります。ただし集客は自分の仕事になります。

対面の場に出る。 イベント、マルシェ、店舗を間借りしての鑑定。人と直接会うので、深く覚えてもらえます。移動と時間の拘束があるので副業では組みにくいのですが、月に1回でも出ると、経験の密度が違います。

順番としては、まず仲介サービスで30件ほど実績を作り、そのあと直接受ける経路を1つ持つ。この二本立てが、いちばん無理がありません。仲介だけに頼ると価格を自分で決められず、直接だけに頼ると相談が途切れたときに何も残りません。

どの経路を選ぶにしても、利用規約は読んでください。とくに、外で連絡先を交換することを禁じている規約があります。これを知らずにお客さんと直接つながろうとして、アカウントを止められる例があります。規約違反は契約の問題なので、法律で守ってもらえる話ではありません。事前に確認しておいてください。

お客さんに続けて相談してもらうコツ

新しい相談者を集めることばかり考えている人が多いのですが、実際に安定しているのは、同じ人が何度も来ている人です。

理由は単純で、新規の相談者を集めるには時間と費用がかかるからです。一度来た人がまた来てくれる形を作れば、その分の労力が要りません。

続けて相談してもらうために効くことを、具体的に挙げます。

相談内容を記録する。 前回どんな相談だったか、何を伝えたかを残しておきます。次に来たときに「前回お話しされていた件はどうなりましたか」と聞けると、相手の受け取り方が変わります。記録がないと、毎回はじめての人として対応することになります。

できないことを先に伝える。 「病気のことと、法律の判断はお答えできません」と最初に言っておく。これは制約を伝えているだけなのに、相手からは誠実に見えます。何でも答えると言う人より信頼されます。

時間を守る。 30分と決めたら30分で終える。延ばすのはサービスではありません。次の予約に響くし、相手も終わり方が分からず困ります。

言い換えの引き出しを増やす。 同じ結果でも、伝え方で受け取れるかどうかが変わります。厳しい内容を、相手が動ける言葉に直す。この技術がいちばん差がつくところです。

連続課金の形を持つ。 月に1回の定期鑑定という形にすると、収入が読めるようになります。単発だけで組むと、毎月ゼロからの積み上げになります。

単発販売だけでなく、継続課金モデル(サブスクリプション)を取り入れると、AI占い副業が安定収益につながりやすくなります。 出典: shift-ai.co.jp

ただし、継続の形にするときは注意が必要です。解約の方法を分かりやすく示しておかないと、後で揉めます。「いつでもやめられる」ことをはっきり書いておく。これは相手のためでもあり、自分を守るためでもあります。

発信については、無理に毎日投稿しなくて大丈夫です。むしろ、相談を受けて気づいたことを週に1回でも書いていくほうが、読む人に届きます。文章の組み立てに不安がある人は、ビジネス文書検定の範囲に出てくる書き方の基本が、そのまま発信の文章にも使えます。

初心者がつまずく失敗と、その回避

相談を受けてきた中で見えている、つまずきやすい点を挙げます。

料金を安くしすぎる。 自信がないうちは安く設定したくなります。ただ、安すぎる価格は「試してみるだけ」の相談者を集めます。その層は続きません。結果として、件数が多いのに時間が足りない状態になります。最初から高くする必要はありませんが、時間あたりで計算して成り立つ水準にしてください。

相談を抱えすぎる。 深刻な相談が続くと、自分の方が消耗します。占いの相談は、内容が重いことがよくあります。1日に受ける件数の上限を決めて、それを超えたら受けない。この線を自分で引いておかないと、数か月で続けられなくなります。

断れない。 予約の時間外に連絡が来る、決めた範囲を超えた相談を求められる。ここで断れないと、範囲がどんどん広がります。断り方は難しくありません。「その内容は鑑定の範囲外なので、別の形でご相談ください」と伝えるだけです。

トラブルの記録を残していない。 「言った、言わない」になったとき、記録がないと何も主張できません。チャットやメールは残ります。電話の場合は、終わった後に要点をメモしてください。

ここで実際にあった相談を、内容を変えて紹介します。ある方が、仲介サービスを通さず個人で鑑定を受けていて、相談者から「効果がなかったので返金してほしい」と言われました。料金の返金条件をどこにも書いていなかったため、押し切られて全額返したそうです。

これは、事前に条件を示していれば防げた話です。占いは結果を保証するものではないこと、鑑定を実施した後の返金は受け付けられないこと。この2点を、申し込みの画面か案内の文面に書いておく。それだけで立場が変わります。※金額が大きい場合や、相手が強く出てくる場合は、一人で対応せず専門家に相談してください。

契約の相手が事業者の場合の守り。 仲介サービスや制作会社から業務委託を受けて鑑定コンテンツを作る場合、2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(正式には特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が関わってきます。この法律では、発注した事業者は成果物を受け取った日から60日以内に報酬を支払う義務があります。つまり、支払いを無期限に待たされる形は認められていません。条文はe-Govの法令検索で確認できます。

自分を守る仕組みが用意されているのに、知らないまま我慢している方がとても多い。ここは知っておいてほしいところです。

お金の手続きと、記録のつけ方

税の話を整理します。占い副業でも、他の副業と扱いは同じです。

勤務先で年末調整を受けている給与所得者の場合、給与以外の所得の合計が年20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。ここでいう所得は、売上から経費を引いた後の金額です。売上が35万円で経費が10万円なら、所得は25万円なので申告が必要という計算になります。

つまり、売上の額ではなく、引いた後の額で判断するということです。ここを勘違いしている方が本当に多いんです。

注意点として、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要になることがあります。住民税にはこの20万円の扱いがないため、お住まいの自治体の案内を確認してください。

経費にできるのは、業務のために使った分です。占術の道具、参考書、講座の受講料、通信費、鑑定に使うツールの利用料。自宅で鑑定している場合、家賃や電気代を業務に使った割合で按分することもできます。按分の根拠は、面積や使用時間で説明できるようにしておいてください。

控除の金額は改正で変わります。基礎控除は2025年の改正で引き上げられ、合計所得の区分ごとに金額が分かれる形になりました。自分の場合にいくらまで課税されないのかは、国税庁のタックスアンサーで確認するのが確実です。

記録については、最初から月ごとにつけるのがいちばん楽です。売上は「日付、形式、金額、手数料」、経費は「日付、内容、金額」。この程度で足ります。件数が増えたら会計ソフトを検討する、という順番でかまいません。

在宅で仕事をする環境そのものを整えたい人は、通信の安定が鑑定の品質に直結します。回線の選び方を比較した在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方は、通話やチャットが切れる不安をなくすのに役に立ちます。待機時間の使い方に悩む人には、集中の続け方を扱った在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックも合わせて読んでみてください。

20年この市場を見てきた立場からの観察

ここからは、フリーランスと在宅の仕事の市場を長く運営してきた立場からの観察を書きます。

占いに限らず、人の相談を受ける仕事で長く続いている人には、はっきりした共通点があります。技術が高いことではありません。相談者が「次もこの人に聞こう」と思える状態を、意識してつくっていることです。

具体的には、時間を守る、できないことを言う、前回の話を覚えている。この3つです。地味ですが、この3つができている人のところには相談が戻ってきます。技術だけを磨いて、この3つを軽く見ている人は、新規の集客を延々と続けることになります。

もうひとつ、お金の流れについて見てきたことを書きます。同じ料金でも、仲介が何段か入ると、相談者が払った額と鑑定した人が受け取る額のあいだに大きな差が生まれます。相談者は「それなりの金額を払っている」と感じていて、鑑定する側は「この単価では時間が合わない」と感じている。この食い違いが双方の不満になっていく場面を、いくつもの分野で見てきました。

中間の取り分が乗らない直接の取引では、この食い違いが起きません。同じ料金で相談者はより長く相談でき、受ける側の手取りは厚くなる。手数料0%の値打ちは、金額の大小というより、この「双方が納得しやすい」という質にあります。

最後に、続け方について。占い副業を始めた人の多くが、最初の数か月で予約が入らない時期を経験します。ここでやめてしまう方が多いのですが、予約が入らない理由は技術ではなく、見つけられていないことです。

ですので、その時期にやることは練習と記録です。練習で人を見た数を増やし、記録で自分の傾向を把握する。この積み上げは外から見えませんが、必ず後で効いてきます。焦らなくて大丈夫です。制度の上でも、始めることを妨げるものは何もありません。あとは、自分の形を作る時間をどれだけ確保できるかだけです。

よくある質問

Q. 占いを副業にするのに資格や許可は必要ですか?

国の資格や営業の許可は必要ありません。占い師には業務独占の資格が存在しないため、明日から鑑定を受けることが制度上は可能です。民間の認定制度は学んだ証明にはなりますが、法律上の資格ではありません。ただし病気の診断や法律判断に踏み込まない、不安をあおって高額な追加を売らないという線は守ってください。

Q. 収入はどのくらいを目安に考えればよいですか?

形式によって幅があります。電話やチャットの鑑定は1分あたりの料金から仲介の取り分が引かれ、メール鑑定は1通あたりの価格になります。大事なのは時間あたりで計算することです。とくに電話やチャットは待機の時間が報酬になりません。最初の2週間は作業時間と受取額を記録して、実際の水準を自分で確かめてください。

Q. 最初はどこで鑑定を売るのがよいですか?

集客を任せられる電話鑑定やチャット鑑定のサービス、またはスキルを売り買いするプラットフォームから始めるのが無理がありません。30件ほど実績を作ってから、直接受ける経路を1つ持つ二本立てが安定します。登録前に手数料の率と、外で連絡先を交換することを禁じる規約の有無を必ず確認してください。

Q. 返金を求められたときはどうすればよいですか?

申し込みの段階で条件を示しておくことが最大の防御になります。占いは結果を保証するものではないこと、鑑定を実施した後の返金は受け付けられないことを案内の文面に書いておいてください。書いていないと押し切られやすくなります。金額が大きい場合や相手が強く出てくる場合は、一人で判断せず専門家に相談してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月26日最終更新:2026年9月20日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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